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発明の名称 ヘルド及び同ヘルドを使った強化繊維織物の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−303384(P2001−303384A)
公開日 平成13年10月31日(2001.10.31)
出願番号 特願2000−121958(P2000−121958)
出願日 平成12年4月24日(2000.4.24)
代理人 【識別番号】100091948
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 武男
【テーマコード(参考)】
4F072
4L048
【Fターム(参考)】
4F072 AA01 AA04 AA06 AA07 AA08 AB10 AB13 AB27 AC01 AD03 AD11 AG02 
4L048 AA05 AB07 AB27 AC09 AC12 CA01 CA06 DA41
発明者 種池 昌彦 / 鮫島 禎雄 / 武田 重一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 経糸挿通方向のメール寸法が1.1mmより大きく設定されてなることを特徴とするヘルド。
【請求項2】 請求項1記載のヘルドを用い、偏平な経糸をもって製織することを特徴とする強化繊維織物の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織機に開口操作に使われるヘルドと同ヘルドを装備する織機を使った繊維織物の製造方法に関し、特に薄目付の繊維強化プラスチック用強化繊維織物を製織するに適したヘルド及び強化繊維織物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチックに使用される強化繊維として、例えば炭素繊維が汎用されている。この炭素繊維の引張り弾性率はマトリックス樹脂の引張り弾性率と比較して極めて大きい。このため、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチックに引張り応力が作用した場合には、その引張り応力に対する前記プラスチックの引張り強度は主に前記炭素繊維により発揮されることになる。従って、前記炭素繊維糸条の強度や炭素繊維のマトリックス樹脂中での分布が均一であり、且つ同炭素繊維のマトリックス樹脂に対する充填密度が高いほど、繊維強化プラスチックとしての引張り強度が向上することになる。
【0003】また、繊維強化プラスチックの引張り強度は、マトリックス樹脂中の強化繊維糸条の延在方向に平行な方向(0°の方向)に張力が作用した場合に最大となる。そのため、強化繊維糸条を一方向に引き揃えたシート状体としてマトリックス樹脂中に含有させた場合は、その一方向での引張り強度が向上される。更に近年では、強化繊維糸条を経糸及び緯糸の両方向に配した織物としてマトリックス樹脂中に含有させ、経糸方向及び緯糸方向の二方向での引張り強度の向上を図っている。
【0004】ところで、マトリックス樹脂中に強化繊維を均一に含有させた繊維強化プラスチック製品を製造するにあたっては、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させたシート状の半製品であるプリプレグを利用し、前記製品の多様な形状に対処している。更に、繊維強化プラスチックを多方向からの張力に対応させるためには、同プラスチック内に強化繊維糸条を織物として含有させることが好ましく、半製品であるプリプレグにあっても、強化繊維糸条を織物に形成して、マトリックス樹脂を含浸させている。
【0005】このように、多方向からの張力に対応でき、且つ、マトリックス樹脂中に均一な密度で強化繊維を含有させるためには、上述したように強化繊維糸条を織物として含有させることが有効であるが、一方では、この織り構造に起因して、繊維強化プラスチックとしての引張り強度が充分に発揮できない場合も生じる。即ち、前記織物における経糸と緯糸とが交差する交差部においては、経糸及び緯糸が互いにクリンプすることにより生じる織物の厚み方向に、織物のシート面に対して交差角が生じることは否めない。そのため、シート面に並行な経糸又は緯糸方向での引張り応力が作用すると、前記交差部において各糸条に剪断方向の力が働くため、強化繊維糸条の引張り強度が充分に発揮されなくなる。
【0006】また、前記交差部では糸条の厚み寸法だけ空隙部が形成されるため、そのような強化繊維からなる織物にプリプレグのマトリックス樹脂を含浸させる際に、同交差部ではその空隙部の分だけ樹脂リッチとなったり、或いは、前記空隙部に樹脂が含浸されずボイドが発生するといった不都合がある。このように空隙部で樹脂リッチとなったりボイドが生じたプリプレグを使用して形成された繊維強化プラスチック製品も、同様に樹脂リッチの部位やボイドが存在することとなる。かかる繊維強化プラスチックに引張り応力が作用した場合には、同応力が樹脂リッチの部位やボイドの部分に集中し、強化繊維プラスチックの引張り強度が十分に発揮されず、更にはそのときの剪断力により繊維強化プラスチックが破壊される場合もある。
【0007】このような不都合は、強化繊維糸条として相対的に高い番手の円形或いは楕円形断面の繊維糸条を用いた場合に顕著となる。そのため、強化繊維糸条を織物に製織してマトリックス樹脂を付与し、プリプレグを製造する場合には、特に、繊維を開繊して偏平化し、経糸と緯糸との交差部での厚みを小さくし、同交差部での交差角を小さくすると共に空隙を小さくすることが重要となる。この強化繊維糸条の偏平化は、得られた繊維強化プラスチックの強度を向上させるだけでなく、繊維強化プラスチックとして平滑な成型品を得るためにも必要不可欠であり、平滑性に欠ける繊維強化プラスチックでは、その商品価値も小さくなる。
【0008】ところで、一般に、織機ではヘルドを上下動させることにより、同ヘルドに形成されているメールに挿通された経糸に開口運動を伝え、その開口に緯糸を挿通させて筬打ちし、織物が製織される。
【0009】繊維強化プラスチックに使用される炭素繊維等の強化繊維も上述したような一般の織機を用いて織物に製織できる。例えば、特許第2964840号公報に開示されている炭素繊維織物の製造方法では、レピア織機を用いて製織するにあたって、ヘルドの位置を経糸配列方向に実質上移動しないように固定し、各ヘルドからの経糸を、各筬羽間に形成された筬目のほぼ中央部に常に通している。具体的には、上下いずれか一方のヘルドバーに溝を形成して、その溝にヘルドを引っ掛け、更にその上に押さえ板を配して、ヘルドを左右方向に移動不能であるように固定している。
【0010】同公報に開示された炭素繊維織物の製造方法では、上述のようにヘルドの位置を経糸方向に実質上移動しないように固定することにより、経糸を常時、筬目の中央部に挿通させることができるため、経糸が筬羽のエッジで擦られて毛羽が生じるといった不都合を回避できるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般のヘルドとしてワイヤーヘルドがあるが、例えば図3(a)に示すワイヤーヘルド10は両端にヘルドバー挿通孔4が形成されており、このヘルドバー挿通孔4にヘルドバーが挿通されて、その両端がヘルド枠に固定される。また、中央には経糸を挿通するためのメール5が備えられている。同メール5は、図3(b)に示すようにワイヤー5aを捩じって形成された縦長楕円形状をなす開口から構成されている。或いは、図4(a)及び図4(b)に示すワイヤーヘルド11のように、メール6をワイヤーリングにより構成することもできる。
【0012】このように、従来のワイヤーヘルド10,11では、メール5,6の開口形状が縦長の楕円形状であるため、経糸を拡幅して供給しても、前記ワイヤーヘルド10,11のメール5,6の形状に基づき収束されてしまう。
【0013】また、図5に示すような従来のテープヘルド12にあっては、メール7における経糸が接触する少なくとも開口の底辺部位7aは、経糸の食い込みや挟まるのを防止するため、人的方法によりロウ付けされているが、そのロウ付けによりメール7の水平性が得にくい。更に、ロウが糸道部にまではみ出し、更にはロウ付け部の大きさが不均一であるため、結果としてメール7の糸道部、即ち開口形状の寸法が不均一となっている。このメールの糸道部の形状が不均一であることと、製織する際に、へルド12の上下動による経糸の開閉動作に基づいて同経糸に生じる張力変動により、経糸が予め拡幅されていても、その拡幅が収束してしまう。
【0014】また、メール5,6,7の経糸が接触する底辺部位の経糸挿通方向の寸法(厚み寸法)t2,t3が小さいほど、経糸のメール5,6,7への接触長さが短くなるため、拡幅された経糸に対する張力変動が大きくなる。このことは、通常の円形断面或いは楕円形断面の経糸についても同様であり、製織された織物形態が安定せず、或いは張力変動が激しい場合には糸切れなどが発生する。
【0015】一方、フラットヘルドは、そのほとんどが機械的に製造されているため、ワイヤーヘルドと比較してメールにおける糸道部の形状寸法は安定している。しかし、フラットヘルドにおいてもメールの底辺部位の厚み寸法が薄く、経糸のメールに対する接触長が短いために、拡幅された経糸に対する張力変動が大きくなることは、上述したワイヤーヘルドと同様である。
【0016】一般に、従来のワイヤーヘルドに用いられるワイヤーの径は、メールの大きさにより異なるが、最大でも前記ワイヤー径はφ0.9mmと小さい。更に、テープヘルドについては、φ1.0mmである。メールをワイヤーリングで構成する場合も、同リングの厚みは最大で1.1mmであり、フラットヘルドについては、厚みが最大でも0.5〜0.6mm程度である。
【0017】従って、従来のヘルドはメールの形状が縦長の楕円形状であったり、経糸が接触するメールの底辺部位の厚み寸法(経糸の挿通方向の寸法)が小さく、経糸との接触長が短くなることで、拡幅された経糸に対する張力変動が大きくなる。そのため、経糸を拡幅し偏平化した状態で供給しても、その幅はメールを通過することで収束してしまう。
【0018】そこで、本発明は、強化繊維織物を特に薄目付けで製織する際、経糸を開口するためのヘルドの上下動に伴う前記経糸の張力変動を低減させ、拡幅された経糸が収束するのを防止することができるヘルドと、同ヘルドを使った薄目付けの強化繊維織物の製造方法とを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段及び発明の作用効果】本件請求項1に係る発明は、経糸挿通方向のメール寸法が1.1mmより大きく設定されてなることを特徴とするヘルドである。更に本件請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明によるヘルドを用い、偏平な経糸をもって製織することを特徴とする強化繊維織物の製造方法である。
【0020】このように、メールの経糸挿通方向での寸法、即ち厚み寸法を大きくすることにより、経糸のメールへの接触長さを大きくすることができるため、経糸を開口させる際のヘルドの上下動に基づく経糸の張力変動を緩和させることができる。そのため、経糸は収束が抑制され、拡幅状態を維持できる。
【0021】前記メールの厚みは1.1mmより大きければ、経糸の拡幅状態を維持することができ、更に厚みが大きいほど、メールと経糸との接触長さを長くできるため、更なる拡幅が期待できるが、メールの重量及びヘルド枠の寸法や、メールとの接触による毛羽の発生などとの関係から、前記メールの厚みは2〜4mm程度が最も好ましい。
【0022】更に、前記メールは、内寸並びに外寸の精度及び形状の均一性を保つために、ロストワックス法による鋳造品或いは金属粉末冶金品を切削或いは研削によって仕上げた物を用いることが好ましい。経済的観点からいえば、ロストワックス法による鋳造品を用いれば充分である。
【0023】或いは、メール構造として、前述のメール構造の他にも直径φが1.1mmより大きい2本の丸棒を上下に平行に配し、その両端を側部平板にスポット溶接し、仕上げ研磨を施したものを使用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1(a)は本発明の好適な実施形態をもつヘルドを概略的に示す正面図であり、図1(b)は同ヘルドの側面図であり、図2は前記ヘルドに配されたメールの概略を示す側断面図である。
【0025】前記ヘルド2は、その中心に経糸1を挿通するためのメール3が配されており、両端にはヘルドバーを挿通するためのヘルドバー挿通孔4が形成されている。前記メール3は、2本の丸棒3aを上下に平行に配すると共に、その両端を側部平板3bにスポット溶接しており、更に、仕上げ研磨を施して形成されている。前記丸棒3aの直径が前記メール3の経糸挿通方向での寸法、すなわち、メール3の厚みtを示している。更に、図2におけるLは、経糸1とメール3との接触長さを示している。
【0026】本発明では前記厚みtを1.1mmよりも大きくすることにより、前記メール3に対する経糸1の接触長さLを長くしている。そのため、経糸1の開口に伴うヘルド2の上下動による経糸1の張力変動を小さくすることができ、予め拡幅されてメール3に挿通された経糸1がその拡幅状態を維持でき、従って、薄目付けの教化繊維織物を製造することが可能となる。
【0027】以下、本発明の薄目付の強化繊維織物の製造方法について、具体的な実施例を挙げて比較例と比較し説明する。なお、以下の実施例及び比較例において、強化繊維として、炭素繊維3000本からなり、引張強度が450kg/mm2 、弾性率が24×103 kg/mm2 、サイジング剤付着量が1.2wt%で、トウ幅が2mmである糸条を使用した。
【0028】ヘルドとして図1 に示すヘルドを使用し、メール3の経糸配列方向(幅方向)の内寸を3mmと固定し、メール3の厚さt(丸棒3aの直径)をそれぞれ変化させて強化繊維織物を製織した。
【0029】また各実施例及び比較例について、得られた強化繊維織物の毛羽の発生の有無を目視検査により評価した。更に強化繊維織物において、経糸のトウ幅をノギスにより計測した。
【0030】(実施例1)メールの厚さtが4.0mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物には、毛羽は発生しなかった。更に、経糸のトウ幅は、張力変動の減少とメールによる擦過の効果も相俟って、幅2.1 mmと更に拡幅されていた。
【0031】(実施例2)メールの厚さtが2.0mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物には、毛羽は発生しなかった。更に、経糸のトウ幅は、張力変動の減少とメールによる擦過の効果も相俟って、幅2.1 mmと更に拡幅されていた。
【0032】(実施例3)メールの厚さtが1.5mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物には毛羽が無く、経糸のトウ幅も減少せず、幅2.0mmを維持できた。
【0033】(実施例4)メールの厚さtが1.2mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物は毛羽がほとんど無く、経糸のトウ幅の減少も低く抑えられ、幅1.9mmと拡幅状態をほぼ維持できた。
【0034】(比較例1)メールの厚さtが1 .0mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物には毛羽がほとんど認められなかった。しかし、経糸のトウ幅は、張力変動の緩和が不充分であったため、幅1.8mmと若干減少していた。
【0035】(比較例2)メールの厚さtが0.7mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。得られた強化繊維織物には毛羽が多少存在した。経糸のトウ幅は、張力変動が緩和されなかったため、幅1.7mmと減少していた。
【0036】(比較例3)メールの厚さtが0.4mmであるヘルドを用い、強化繊維織物を製造した。なお、ここでのメールの厚みtを0.4mmとしたのは、強化繊維糸条を製織する際に一般的に用いられるワイヤーリングの厚みを元に選定したものである。得られた強化繊維織物は毛羽が多少存在した。また、経糸のトウ幅は、張力変動が緩和されなかったため、幅1.7mmと減少していた。
【0037】
【表1】

【0038】以上、述べたように本発明によれば、薄目付の強化繊維織物を製織する際に、ヘルドに配された経糸を挿通するメールの厚み(経糸の挿通方向の寸法)を1.1mmよりも大きく設定することにより、経糸を開口するためにヘルドを上下動させた際に、前記ヘルドのメールに対する経糸の接触長さを長くできる。そのため、経糸の張力変動を緩和し、経糸の収束を防止できるだけでなく、メールとの接触により、経糸が更に拡幅される。




 

 


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