米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> 三菱レイヨン株式会社

発明の名称 強化繊維織物およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−279554(P2001−279554A)
公開日 平成13年10月10日(2001.10.10)
出願番号 特願2000−92309(P2000−92309)
出願日 平成12年3月29日(2000.3.29)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【テーマコード(参考)】
4F072
4L048
【Fターム(参考)】
4F072 AA04 AA07 AA08 AB10 AB18 AB28 AD13 AD23 AD37 AD38 AD44 AG03 AK05 AK14 AL02 
4L048 AA05 AB07 BC04 DA41
発明者 武田 重一 / 種池 昌彦 / 鮫島 禎雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸とする強化繊維織物であって、前記たて糸および/またはよこ糸を同組織で複数本ずつ製織してなることを特徴とする強化繊維織物。
【請求項2】 目付が250g/m2 以下であることを特徴とする請求項1記載の強化繊維織物。
【請求項3】 開繊処理が施され、かつ開口率が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の強化繊維織物。
【請求項4】 請求項1ないし3いずれか一項に記載の強化繊維織物に合成樹脂を含浸させてなることを特徴とするプリプレグ。
【請求項5】 炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸に用いて製織する強化繊維織物の製造方法であって、製織時のたて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、複数本のよこ糸を挿入することを特徴とする強化繊維織物の製造方法。
【請求項6】 炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸に用いて製織する強化繊維織物の製造方法であって、連続する複数本のたて糸を、同一の上下運動をするヘルドに通して製織することを特徴とする強化繊維織物の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機構造複合材料として優れた特性を発揮する、炭素繊維を用いた強化繊維織物およびその製造方法に関し、詳しくは、均一開繊された低目付の強化繊維織物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等を用いた強化繊維織物が使用されている。中でも、炭素繊維を用いた低目付の強化繊維織物およびその製造方法は、これまでに数多く提案されており、その製造には、通常、シャトル織機やレピア織機が使用される。そして、この織物は合成樹脂を含浸させ所定形状に成型することにより炭素繊維強化プラスチック等の複合材料に用いる補強素材として多用されている。
【0003】しかしながら、従来の平組織のように、たて糸およびよこ糸が一本ずつ交互に交錯された、目付が100〜200g/m2 程度の低目付け織物は、図5(1)に示すように、たて糸31とよこ糸32との間に開口部33が形成された目開きのある織物であるのが普通である。例えば、3K(炭素繊維が3000本)または6Kまたは12Kの炭素繊維のマルチフイラメント糸からなるたて糸およびよこ糸を1本ずつ交互に交錯させて、平織りで製織された、目付が95〜250g/m2 の織物の開口率は、通常、15〜30%となる。
【0004】このような目開きのある織物は、成形時やプリプレグ加工時に、開口部に樹脂のボイドが集中的に発生するため、この織物から得られる繊維強化プラスティックの強度が低下してしまうという問題があった。よって、製織中または製織後に何らかの開繊処理を施して、図5(2)に示すような、できるだけ目開きのない織物、すなわち開口率の小さい織物を得ることが必要不可欠であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】開口率の小さい強化繊維織物の製造方法としては、例えば、経糸を振動開繊させて低目付織物を形成する方法、あるいは、織物を形成した後、連続して流体処理にて糸を開繊させる方法が、特開平7−300738号公報に開示されている。また、別の製造方法としては、密度が相対的に低いクロスに発生する目開きを、球状体を加圧状態下で転がり移動させて矯正する方法が、特許第2895185号に提案されている。
【0006】しかしながら、炭素繊維のマルチフイラメント糸の開繊性は、その物性によって大きく左右されるという問題があった。例えば、製織性を向上させるためには、フックドロップ値の低い糸、撚りある糸、サイズ剤の付着量の多い糸を用いたり、サイズ剤の接着力を上げるなどの対策をとる必要があるが、逆に、開繊性は一般的に悪くなるため、製織性および開繊性の両方を満足させる糸は現状では非常に少ない。なお、ここでいうフックドロップ値とは、上下端を固定した炭素繊維の縦方向中央部に金属フックに取りつけた重りを上部に引っ掛け自由落下した距離を測定したものであり、落下距離が短い(フックドロップ値が低い)糸ほどフイラメント交絡が良く集束性が付与されている反面、開繊性が一般的に不良である。
【0007】一方、炭素繊維のマルチフイラメント糸の代わりに、扁平糸を用いれば、開繊工程は不必要となる。しかしながら、目的とする織物の目付によって、使用する扁平糸の糸幅を変える必要があり、多品種の扁平糸を揃える必要があるという欠点があった。
【0008】よって、本発明の目的は、比較的開繊性の悪い炭素繊維のマルチフイラメント糸を用いた場合でも、容易に目開きのない織物に開繊することのできる強化繊維織物、およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、低目付で開口率の低い強化繊維織物、および強度が高く、軽量な繊維強化複合材料を得ることができるプリプレグを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の強化繊維織物は、炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸とする強化繊維織物であって、前記たて糸および/またはよこ糸を同組織で複数本ずつ製織してなることを特徴とする。また、本発明の強化繊維織物は、目付が250g/m2 以下であることが望ましい。また、本発明の強化繊維織物は、開繊処理が施され、かつ開口率が5%以下であることが望ましい。また、本発明のプリプレグは、本発明の強化繊維織物に合成樹脂を含浸させてなることを特徴とする。
【0010】また、本発明の強化繊維織物の製造方法は、炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸に用いて製織する強化繊維織物の製造方法であって、製織時のたて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、複数本のよこ糸を挿入することを特徴とする。また、本発明の強化繊維織物の製造方法は、炭素繊維のマルチフイラメント糸をたて糸およびよこ糸に用いて製織する強化繊維織物の製造方法であって、連続する複数本のたて糸を、同一の上下運動をするヘルドに通して製織することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の強化繊維織物は、炭素繊維のマルチフイラメント糸からなるたて糸および/またはよこ糸を同組織で複数本ずつ製織してなるものである。本発明の強化繊維織物としては、例えば、図1に示すような一循環織物組織を有するものが挙げられる。図1に示す一循環織物組織において、(A)はたて糸、よこ糸共に2本連続して同組織で構成されている織物組織であり、(B)はよこ糸のみが2本連続して同組織で配列構成されている織物組織であり、(C)はたて糸のみが2本連続して同組織で配列構成されいる織物組織である。
【0012】図1(A)の織物組織で表される強化繊維織物は、例えば、3Kまたは6Kまたは12Kのいずれかの炭素繊維のマルチフイラメント糸からなるたて糸およびよこ糸を2本連続して同組織内に配列させたものである。図1(B)の織物組織で表される強化繊維織物は、よこ糸を2本連続して同組織内に配列させたものであり、例えば、たて糸に6Kまたは12Kのマルチフイラメント糸を用いた場合、3Kまたは6Kのマルチフイラメント糸からなるよこ糸を2本連続して配列させたものである。図1(C)の織物組織で表される強化繊維織物は、たて糸を2本連続して同組織内に配列させたものであり、例えば、よこ糸に6Kまたは12Kのマルチフイラメント糸を用いた場合、3Kまたは6Kのマルチフイラメント糸からなるたて糸を2本連続して配列させたものである。
【0013】本発明の強化繊維織物に用いられる炭素繊維としては、従来の炭素繊維織物に使用されているものを用いればよく、特に限定はされない。また、その繊度も、強化繊維織物の用途に応じて、適宜選択すればよい。
【0014】本発明の強化繊維織物においては、たて糸とよこ糸の交錯点に於けるそれぞれの糸の繊度の和を同じにすること、すなわち糸幅を同じにすることが、強化繊維織物のたて方向とよこ方向との強度バランスが良好になる点から、好ましい。また、たて糸の繊度の和とよこ糸の繊度の和とを同じにすることによって、たて糸とよこ糸との交錯点が正目になり、外観的にもきれいな織物商品が得られる、使用繊度の倍の織物形態が得られる、などの利点がある。ただし、用途によっては、たて糸の繊度の和とよこ糸の繊度の和は異なっていてもさしつかえない。
【0015】本発明の強化繊維織物の目付は、特に限定はされないが、軽量な繊維強化複合材料を得るためには、250g/m2 以下とすることが好ましい。
【0016】また、本発明の強化繊維織物は、開繊処理が施されることが好ましい。開繊処理を施すことによって、合成樹脂を含浸させた際にボイドの発生がなく、高い強度を有する繊維強化複合材料を得ることができる。例えば、図1(B)の織物組織で製織された強化繊維織物は、目開きの程度に差はあるものの、図2(1)に示すように、通常、たて糸1とよこ糸2との間に開口部3を有する。このような目開きを有する強化繊維織物は、成形時やプリプレグ加工時に、開口部3に樹脂のボイドが集中的に発生し、この織物から得られる繊維強化プラスティックの強度を低下させてしまので、開繊処理を施して、図2(2)に示すような目開きのない強化繊維織物とすることが好ましい。
【0017】開繊処理の方法としては、例えば、製織中のたて糸を振動させて開繊させる方法、製織後の織物に空気噴射やウォータージェット処理を施す方法、回転球によって開繊する方法、樹脂を介在させながら開繊する方法などが挙げられる。本発明のように、たて糸および/またはよこ糸を2本以上連続して同組織で配列した場合と、従来の平組織のように、たて糸およびよこ糸が一本ずつ交互に交錯された場合とを比較すると、同じ目開きでも複数本連続して同組織で配列した方が開繊性が向上する。なぜならば、物理的にフイラメント糸の集合体が多数あった方が、外部からの衝撃によりフイラメント間の移動が大きくなるためにバラケやすく開繊効果が非常に現れやすくなるためである。
【0018】なお、開繊性を上げるためには、どんな方法にせよ、開繊条件を厳しくする必要がある。しかしながら、炭素繊維のマルチフイラメント糸は、繊維の長手方向に対して横から擦過や衝撃を受けた場合、受けるダメージが大きくなり、フイラメント切れが発生し、強度不良や外観不良になる。よって、開繊処理は、強化繊維織物の開口率と強度物性を考慮しながら施す必要がある。
【0019】本発明の強化繊維織物の開口率は、少なくとも10%以下であり、好ましくは5%以下である。ここでいう開口率とは、100mm×100mmの単位面積に対する、同単位面積内における経糸および緯糸のいずれもが存在しない開口部の面積の和の比率である。強化繊維織物の開口部の面積の和は、例えば、市販の画像処理センサー((株)キーエンス製、CV−100)を用いて測定することができる。そして、開口率は、下記の計算式により求めることができる。
開口率=開口部の面積の和/□100mm面積×100(%)
【0020】本発明の強化繊維織物は、例えば、たて糸に12Kのマルチフイラメント糸を用い、これに6Kのマルチフイラメント糸からなるよこ糸を2本連続して同組織で配列させたものであっても、開繊処理を施せば、あたかも12Kの炭素繊維のマルチフイラメント糸からなるたて糸とよこ糸を用いて得られた織物のように見える。しかしながら、この強化繊維織物のよこ糸を分解すれば、6Kの炭素繊維のマルチフイラメント糸を2本配列したことが明確に識別できる。なぜならば、開繊処理時には、殆ど並行状態に単繊維間(フイラメント間)が拡幅され、すべてのフイラメントが絡んでいるわけではないからである。
【0021】本発明のプリプレグは、本発明の強化繊維織物に合成樹脂を含浸させて製造することができる。合成樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、などの熱硬化性樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、などの熱可塑性樹脂を使用することができる。強化繊維織物に含浸させる合成樹脂の割合は、得られるプリプレグに対して30〜60重量%である。
【0022】次に、本発明の強化繊維織物の製造方法を説明する。図3は、本発明の強化繊維織物の製造に用いられる織機の一例を示す概略図である。クリール11から供給された炭素繊維のマルチフイラメント糸は、隣糸と交錯しないようにコーム12でシート状に配列規制される。コーム12でシート状に配列されたマルチフイラメント糸の束は、ガイド13からニップローラー14,15を通り、複数の屈曲ガイド16を経て、上下運動をするヘルド17,18へ通される。さらに、織物幅、たて糸密度を規制する筬19へ引き込まれる。このとき、ヘルド17,18を順次上下させ、たて糸の上下運動によって形成される口内にシャトルあるいはレピア(図示略)でよこ糸を間欠的に挿入して織物が形成される。この織物は、巻取りローラー20にて巻き取られる。
【0023】このようにして製織される織物の織物組織は、たて糸のヘルド17,18への通し方、ヘルドの上下運動のし方、よこ糸の口内への挿入のし方により決定される。例えば、図1(A)の織物組織で表される織物は、まず、配列された複数本のたて糸を、配列された順に2本ずつヘルド17とヘルド18に交互にあらかじめ通しておき、製織時において、ヘルド17,18を順次上下させ、たて糸の上下運動によって形成される口内によこ糸を2本連続して挿入し、次いでヘルド17とヘルド18との上下関係が逆転したときに形成される前記とは異なる口内によこ糸を2本連続して挿入し、これを交互に繰り返すことによって製造される。
【0024】また、図1(B)の織物組織で表される織物は、まず、配列された複数本のたて糸を、配列された順に1本ずつヘルド17とヘルド18に交互にあらかじめ通しておき、製織時において、ヘルド17,18を順次上下させ、たて糸の上下運動によって形成される口内によこ糸を2本連続して挿入し、次いでヘルド17とヘルド18との上下関係が逆転したときに形成される前記とは異なる口内によこ糸を2本連続して挿入し、これを交互に繰り返すことによって製造される。
【0025】また、図1(C)の織物組織で表される織物は、まず、配列された複数本のたて糸を、配列された順に2本ずつヘルド17とヘルド18に交互にあらかじめ通しておき、製織時において、ヘルド17,18を順次上下させ、たて糸の上下運動によって形成される口内によこ糸を1本ずつ挿入することによって製造される。
【0026】本発明の強化繊維織物の製造方法においては、擦過、振動開繊、エア開繊などの拡幅処理をたて糸に施し、開繊処理を施す前にできるだけ目開きの少ない織物状態にすることが好ましい。中でも、拡幅の効果、均一拡幅を考慮すると、振動開繊技術による拡幅処理が最も好ましい。たて糸に拡幅処理を施すことにより、開口率10%前後の織物が得られ、また、後の開繊処理が容易となる。なお、よこ糸に拡幅処理を施しても、筬打ち工程により収束されるため、あまり効果は得られない。
【0027】また、本発明の製造方法によって得られた強化繊維織物は、上述の開繊処理を施されることが好ましい。図2(1)に示されるような目開きのある強化繊維織物も、開繊処理が施されることにより、図2(2)に示されるような、目開きがない強化繊維織物とすることができる。
【0028】また、本発明の強化繊維織物の製造方法におけるたて糸の供給方法としては、ビーム供給方法と、図示例のようにクリールから直接供給する方法とがあり、いずれの方法も必要本数をビームに巻き取るかクリールに配列させる。また、クリール供給方法としては、炭素繊維のマルチフイラメント糸が巻かれたボビンをゆっくり回転させながら回転軸に直交する方向に該糸を引き出して解舒させる方法(横取り)と、ボビンの軸方向に該糸を引き出して解舒させる方法(縦取り)の2つの方法が採られている。ここで、縦取り解舒方法は該糸を1巻き引き出す毎に1回の撚りが掛かり、製織中あるいは製織後の開繊処理に支障をきたすおそれがある。よって、クリールからの横取り供給が最も好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例を示す。本実施例において、たて糸およびよこ糸としては、炭素繊維(三菱レイヨン(株)社製パイロフィル)を用いた。
【0030】[実施例1]たて糸に3K(繊度1800デニール)のマルチフイラメント糸を用い、たて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、1K(繊度600デニール)のマルチフイラメント糸からなるよこ糸を3本ずつ挿入し、目付が100g/m2 の強化繊維織物を製織した。強化繊維織物の製織後、図4に示すような、水平に配された鋼板22と、この下方に強化繊維織物Wの走行路を挟んで配され、その上面に多数の鋼球23が配列され、かつ垂直方向に振動する加振テーブル24とを具備してなる開繊装置21を用い、振動数30Hz、振幅1.2mm、供給スピード1m/分の条件で、強化繊維織物に開繊処理を施した。強化繊維織物の開繊処理後、その開口率を測定した。結果を表1に示す。
【0031】強化繊維織物に開繊処理を施した結果、開繊未処理織物の開口率25%に対して、開繊性が良好で目開きが非常に少ない強化繊維が得られた。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、ボイドがないプリプレグが得られた。
【0032】[比較例1]たて糸およびよこ糸に3K(繊度1800デニール)のマルチフイラメント糸を用い、目付が100g/m2 の平組織の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施したが、開繊性不良のため、開口率は8%であった。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、繊維間の空隙が大きいため、ボイドが発生した。結果を表1に示す。
【0033】[実施例2]たて糸に6K(繊度3600デニール)のマルチフイラメント糸を用い、たて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、3K(繊度1800デニール)のマルチフイラメント糸からなるよこ糸を2本ずつ挿入し、図1(B)に示すような織物組織を有する、目付が200g/m2 の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施した結果、開繊性が良好で目開きが非常に少ない強化繊維が得られた。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、ボイドがないプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
【0034】[比較例2]たて糸およびよこ糸に6K(繊度3600デニール)のマルチフイラメント糸を用い、目付が200g/m2 の平組織の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施したが、開繊性は悪かった。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、繊維間の空隙が大きいため、ボイドが発生した。結果を表1に示す。
【0035】[実施例3]たて糸に12K(繊度7200デニール)のマルチフイラメント糸を用い、たて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、6K(繊度3600デニール)のマルチフイラメント糸からなるよこ糸を2本ずつ挿入し、図1(B)に示すような織物組織を有する、目付が200g/m2 の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施した結果、開繊性が良好で目開きが非常に少ない強化繊維が得られた。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、ボイドがないプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
【0036】[実施例4]6K(繊度3600デニール)のマルチフイラメント糸からなるたて糸を2本連続して同一上下運動するヘルドに通し、たて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、6K(繊度3600デニール)のマルチフイラメント糸からなるよこ糸を2本ずつ挿入し、図1(A)に示すような織物組織を有する、目付が200g/m2 の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施した結果、開繊性が良好で目開きが非常に少ない強化繊維が得られた。特に、たて糸、よこ糸共に複数本ずつ製織した織物の方が、より開繊性効果が上がることが見出された。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、ボイドがないプリプレグが得られた。結果を表1に示す。
【0037】[比較例3]たて糸およびよこ糸に12K(繊度7200デニール)のマルチフイラメント糸を用い、目付が200g/m2 の平組織の強化繊維織物を製織した。実施例1と同じ条件で強化繊維織物に開繊処理を施したが、開繊性は悪かった。また、この強化繊維織物にエポキシ樹脂を含浸させた場合、繊維間の空隙が大きいため、ボイドが発生した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の強化繊維織物は、たて糸および/またはよこ糸を同組織で複数本ずつ製織してなるものなので、比較的開繊性の悪い炭素繊維のマルチフイラメント糸を用いた場合でも、容易に目開きのない織物に開繊することができる。また、強化繊維織物の目付が250g/m2 以下であれば、軽量な繊維強化複合材料を得ることができる。また、開繊処理が施され、かつ開口率が5%以下であれば、合成樹脂を含浸させた際に、炭素繊維糸間に均一に樹脂が含浸され、ボイド発生もなく、高い強度を有する繊維強化複合材料を得ることができる。
【0040】また、本発明のプリプレグは、本発明の強化繊維織物に合成樹脂を含浸させてなるものであるので、強度が高く、軽量な繊維強化複合材料を得ることができる。また、本発明の強化繊維織物の製造方法は、製織時のたて糸の上下運動によって形成される同じ口内に、複数本のよこ糸を挿入する方法であるので、容易に目開きのない織物に開繊することのできる強化繊維織物を得ることができる。また、本発明の強化繊維織物の製造方法は、連続する複数本のたて糸を、同一の上下運動をするヘルドに通して製織する方法であるので、容易に目開きのない織物に開繊することのできる強化繊維織物を得ることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013