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発明の名称 パルプモールド成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−329499(P2001−329499A)
公開日 平成13年11月27日(2001.11.27)
出願番号 特願2001−71372(P2001−71372)
出願日 平成13年3月14日(2001.3.14)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
発明者 熊本 吉晃 / 中山 英比古 / 石川 雅隆 / 小田嶋 信吾 / 惣野 時人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 抄紙、脱水又は乾燥工程において模様形成成分が添加されることで1色又は2色以上に着色され、着色された該模様形成成分が不均一に分散されて該模様形成成分に基づく色の濃淡模様を表面に有するパルプモールド成形体。
【請求項2】 前記濃淡模様が、色相グラデーション、明度グラデーション及び彩度グラデーションの何れか一つ又は任意の2つ以上の組み合わせからなる請求項1記載のパルプモールド成形体。
【請求項3】 前記模様形成成分が、色素凝集体及び/若しくは色素により着色された繊維凝集体、顔料、染料、樹脂繊維又は樹脂粉粒体からなる請求項1又は2記載のパルプモールド成形体。
【請求項4】 前記模様形成成分が厚さ方向の内部にも存在し、外側から見て内部に存在する該模様形成成分が視認されることで前記濃淡模様が発現している請求項1〜3の何れかに記載のパルプモールド成形体。
【請求項5】 前記模様形成が前記色素凝集体又は前記色素により着色された繊維凝集体からなり、該色素凝集体又は該色素が該模様形成成分から滲み出て、滲み出た該色素凝集体又は該色素が前記パルプモールド成形体を構成する他の材料を着色していることで前記濃淡模様が発現している請求項1〜3の何れかに記載のパルプモールド成形体。
【請求項6】 請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体をパルプ繊維と共に水中に分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型に供給して該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項7】 請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、抄紙型にパルプスラリーを供給して該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ、前記パルプスラリーの供給開始から所定時間経過後、前記パルプ繊維を堆積させつつ、顔料又は染料を連続的に又は断続的に前記抄紙型に供給するパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項8】 請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、互いに異なるスラリー供給手段によって、同時又は逐次に抄紙型に供給するパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項9】 第1のパルプスラリーの供給後で、且つ該第1のパルプスラリーに由来するパルプ堆積層が前記抄紙型の抄紙面の全面に形成される前に、第2のパルプスラリーを供給するか、又は第1のパルプスラリーに由来するパルプ堆積層が前記抄紙型の抄紙面の全面に形成された後で、且つ該パルプ堆積層の一部が、後から供給される第2のパルプスラリーの供給によって突き破られる程度の厚みである間に、該第2のパルプスラリーを供給する請求項8記載のパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項10】 第1のパルプスラリー及び第2のパルプスラリーとして互いに粘度の異なるものを用いる請求項8又は9記載のパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項11】 請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを不均一に混合分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法。
【請求項12】 請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、抄紙型へほぼ同時に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が加飾されたパルプモールド成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプモールド成形体の表面に加飾を施す方法としては、成形体の表面に印刷物を貼付したり、成形体の表面に直接タンポ印刷を行う方法等がある。しかし、これらの方法は工程が複雑であったり手間がかかるという不都合がある。また、付与する模様の種類によっては、成形体との一体感が無く、外観上の質感に劣ることもある。
【0003】これとは別に、成形体の表面を単色で着色したものも知られているが、これは単色の着色であることから模様は形成されていない。また、特公昭35−7091号公報には、搾水した繊維マット上に透かし模様のある和紙を重ね、熱圧成型して化粧板を製造する方法が記載されている。しかし、この方法では和紙を重ねる際に皺が生じて製品の外観が悪くなるおそれがある。
【0004】更に、国際公開WO94/29526には、成形体に斑点外観を生じさせる対比色を有する成分を含有するパルプから成形体を製造する方法が記載されている。しかし、この方法には、成形体にグラデーション効果を発現させる為の操作等は無く単に対比色を有する成分を混合するだけである。従って、成形体に色相グラデーション、明度グラデーション、彩度グラデーションによる濃淡模様は生じない。
【0005】従って、本発明は、種々の模様を有し、外観の美粧性に優れたパルプモールド成形体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、抄紙、脱水又は乾燥工程において模様形成成分が添加されることで1色又は2色以上に着色され、着色された該模様形成成分が不均一に分散されて該模様形成成分に基づく色の濃淡模様を表面に有するパルプモールド成形体を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0007】また、本発明は、前記パルプモールド成形体の好ましい製造方法として、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体をパルプ繊維と共に水中に分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型に供給して該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法を提供するものである。
【0008】また、本発明は、前記パルプモールド成形体の好ましい製造方法として、抄紙型にパルプスラリーを供給して該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ、前記パルプスラリーの供給開始から所定時間経過後、前記パルプ繊維を堆積させつつ、顔料又は染料を連続的に又は断続的に前記抄紙型に供給するパルプモールド成形体の製造方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は、前記パルプモールド成形体の別の好ましい製造方法として、請求項1記載のパルプモールド成形体の製造方法であって、第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、互いに異なるスラリー供給手段によって、同時又は逐次に抄紙型に供給するパルプモールド成形体の製造方法を提供するものである。
【0010】また、本発明は、前記パルプモールド成形体の別の好ましい製造方法として、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを不均一に混合分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法を提供するものである。
【0011】更に、本発明は、前記パルプモールド成形体の更に別の好ましい製造方法として、色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、抄紙型へほぼ同時に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形するパルプモールド成形体の製造方法を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のパルプモールド成形体は三次元形状をしており、抄紙、脱水又は乾燥工程において模様形成成分が添加されて成形されたものである。そして、本発明のパルプモールド成形体は、前記模様形成成分が添加されることで1色又は2色以上に着色され、着色された該模様形成成分が不均一に分散されて該模様形成成分に基づく色の濃淡模様が不規則又は規則的に、その表面に形成されているものである。
【0013】本発明において濃淡模様とは、成形体の表面を装飾する目的で形成され、且つ該表面に現れた1色又は2色以上の色彩のぼかしをいう。ぼかしとは、色と色との境目がはっきりせずに色が自然にうつっていくことをいう。色彩には無彩色及び有彩色の双方が含まれ、更に透明も含まれる。
【0014】本発明の成形体の表面に形成される濃淡模様には、色相グラデーション、明度グラデーション及び彩度グラデーションの三種類がある。本発明においては、これら3種類のうちの何れか一つ又は任意の2つ以上の組み合わせが用いられる。これら3種類をどのように組み合わせて濃淡模様を構成させるかは、前記模様形成成分の種類及び成形体の製造方法によって決定される。
【0015】前記模様形成成分としては、種々の物質を使用することができる。特に、濃淡模様が際立ち、成形体の外観の美粧性が高くなる点から、前記模様形成成分として、色素凝集体及び/若しくは色素により着色された繊維凝集体、顔料、染料、樹脂繊維又は樹脂粉粒体を用いることが好ましい。
【0016】前記模様形成成分は、成形体の厚さ方向に関し、表面及びその近傍にのみ存在して、例えばマーブル調の濃淡模様が発現していてもよい。或いは前記模様形成成分が成形体の表面及びその近傍のみならず、厚さ方向の内部に塊状で存在し、外側から見て内部に存在する該模様形成成分が視認されることで濃淡模様が発現していてもよい。特に、前記模様形成成分が厚さ方向の内部にも存在し、外側から見て内部に存在する該模様形成成分が視認されることで濃淡模様が発現していると、質感のある模様となることから好ましい。この場合、前記模様形成成分は、成形体の厚さ方向に連続して存在していてもよく、或いは不連続に存在していてもよい。
【0017】また前記模様形成成分は、成形体の全体に存在していてもよく、或いは一部に偏在していてもよい。更に、成形体の抄紙時に供給されるパルプスラリーの液面上昇方向に向かって前記模様形成成分の存在割合が漸次減少するように存在していてもよい。このような状態で前記模様形成成分が存在していると、成形体には、前記液面上昇方向に向かって色が次第に薄くなるグラデーション模様が発現する。
【0018】濃淡模様の色彩に透明が含まれることは前述の通りであるが、透明の濃淡模様を形成するには、例えば前記模様形成成分として後述する樹脂繊維又は樹脂粉粒体、好適には樹脂繊維の凝集体を用いればよい。詳細には、樹脂繊維を、成形体を製造する何れかの工程、典型的には抄紙工程において添加し、乾燥工程において成形体を所定温度に加熱することで樹脂繊維を溶融させ透明化させる。透明化した後の樹脂繊維から構成される濃淡模様には大別して次の二つがある。一つは、樹脂繊維が溶融透明化した核(かたまり)の部分と、該核の周りに位置し且つ溶融した樹脂繊維及びパルプの混合部分とによって形成される濃淡模様である。もう一つは、溶融した樹脂とパルプとが混合して形成される濃淡模様である。何れの場合も、溶融透明化した樹脂によって成形体の透明性が高まり、外側から見て該溶融透明化した樹脂が視認されることで濃淡模様が発現される。また樹脂繊維を用いることで、成形体の防水性が向上するという利点もある。
【0019】前記顔料及び染料としては種々のものを用いることができるが、濃淡模様が一層際立つ点から、水への分散性又は溶解性を有する顔料又は染料、特に水への分散性又は溶解性が適度な顔料又は染料を用いることが好ましい。ここで、水への分散性又は溶解性が適度であるとは、前記顔料及び染料が水中に瞬時に分散又は溶解しないことをいう。前記顔料又は染料の水への分散性又は溶解性の指標としては、濡れ性(表面張力)や沈降速度等が挙げられる。前記顔料又は染料の分散状態及び溶解状態をその粒径で表すと、0.1nm〜1mmの範囲のものが好ましく、溶液状態からサスペンジョン状態までの形態が使用できる。特に前記顔料を用いる場合、その粒径は1nm〜1mmが好ましく、3nm〜800μmがより好ましく、更に好ましくは5nm〜500μmであり、前記顔料はコロイド状分散状態あるいはサスペンジョン状態で存在している。前記染料を用いる場合、その粒径は0.1nm〜10nmが好ましく、0.1nm〜1nmがより好ましく、前記染料は溶液状態あるいはコロイド状分散状態で存在している。
【0020】比較的明確な濃淡模様を形成するためには、顔料を用いることが好ましい。染料は、成形体全体へのにじみを利用した濃淡模様を形成する場合に好ましい。本発明においては、前記模様形成成分として顔料を用いる方がより好ましいが、顔料と染料を同時に用いることもできる。
【0021】本発明に用いられる前記顔料としては抄紙用顔料が好ましい。抄紙用顔料としては、DP Colors (大日精化)、Disperse Colors (大日本インキ)、EMP Colors(東洋インキ)、SP Colors (御国色素)、Sandye P Colors (山陽色素)、Sandye DP Colors(山陽色素)、銅フタロシアニンブルー、C.I.PIGMENT RED 254 (東洋インキ)、キノフタロンイエロー、ナフトールレッドなどが挙げられる。
【0022】前記染料としては、合成染料と天然系染料とに大別され、本発明においては何れの染料も使用できる。天然系染料としては食品に用いられるものが好ましく、例えば植物色素(クチナシ、うこん、ビートレッド、ベニバナ、ブドウなど)、動物色素(コチニール、ラック色素など)、微生物色素(紅麹色素、スピルリナ色素など)などが挙げられる。
【0023】合成染料としては、食品用合成色素、化粧品用色素、記録用色素、特殊着色用色素や一般的な染料が挙げられる。安全のため食品用合成色素や化粧品用色素が好ましい。食品用合成色素の例としては、アゾ系の赤色2号、102号、黄色4号、5号、キサンテン系の赤色3号、104号、105号、106号、トリフェニルメタン系の青色1号、緑色3号、インジゴイド系の青色2号などが挙げられる。化粧品用色素としては、黄色染料(レバセルイエローR)、赤色染料(レバセルスカーレット4BS)、黒色染料(レバセルブラックG)、赤黄色染料(カヤフェクトオレンジG)などが挙げられる。
【0024】前記繊維凝集体はフロックとも呼ばれるものであり、該繊維凝集体としては、比較的短い繊維、例えば長さ加重平均繊維長0.1〜5mm程度の繊維が凝集剤又は湿潤紙力強力剤等の作用によって凝集したもの、及び該繊維が凝集してそれよりも長い凝集体、例えば1.5〜100mm程度の不定形あるいは細長い凝集体を構成しているもの、並びに比較的長い繊維が物理的に絡み合って形成された凝集体等が好ましく用いられる。繊維凝集体を構成する繊維としては、コウゾ、ミツマタ、ケナフ等の和紙用繊維、針葉樹又は広葉樹等を原料とする化学パルプ、機械パルプ、コットンパルプ、リンターパルプ、古紙パルプ等の天然繊維;ポリエステル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン−ポリプロピレンの芯鞘繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維等の合成繊維;ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維等が挙げられる。
【0025】前記繊維凝集体は、色素凝集体及び/又は色素によって着色されている。ここで、着色されているとは、前記繊維凝集体を構成する繊維が前記色素凝集体及び/又は前記色素で着色されており、着色された前記繊維から前記繊維凝集体が構成されている場合と、着色される前の前記繊維から前記繊維凝集体が構成されており、該繊維凝集体の形成後に該繊維凝集体が前記色素凝集体及び/又は前記色素で着色される場合との双方を包含する。
【0026】前記繊維凝集体は、成形体の抄紙時に、抄紙原料としてのパルプスラリー中で解離しないような凝集状態となっていることが好ましい。このような凝集状態となっていることで、得られる成形体の表面に濃淡模様が容易に形成される。前記繊維凝集体をこのような繊維状態とするには、例えばエポキシ化ポリアミド樹脂、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、カチオン化デンプン等の凝集剤又は湿潤紙力強力剤を用いて前記繊維から前記繊維凝集体を形成したり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いて前記繊維を融着させて前記繊維凝集体を形成すればよい。
【0027】前記繊維凝集体を着色する前記色素凝集体及び前記色素としては、種々の顔料及び染料が用いられる。該顔料及び染料としては、前述したものと同様のものを用いることができる。ここで、色素凝集体とは、色素同士が完全には分散又は溶解せずに、或る大きさのフロックを形成して凝集体構造をなしているものをいう。
【0028】前記色素凝集体及び前記色素は、前記繊維凝集体が水中に分散されたときに、水中に再溶解又は再分散可能な状態で前記繊維凝集体を着色していることが好ましい。前記色素凝集体及び前記色素がこのような状態で前記繊維凝集体を着色していることにより、成形体の抄紙中に前記色素凝集体及び前記色素が前記繊維凝集体からパルプスラリー中(水中)に再溶解又は再分散してパルプ繊維を着色し、成形体に濃淡模様を付与することができる。つまり、前記色素凝集体又は前記色素が該模様形成成分から滲み出て、滲み出た該色素凝集体又は該色素が前記成形体を構成する他の材料(例えばパルプ)を着色することで濃淡模様が発現する。
【0029】前記色素凝集体及び前記色素をこのような状態とするには、例えば前記色素凝集体及び前記色素として、前述した抄紙用顔料、無機顔料、有機顔料などの各種顔料又は前述の染料を用いればよい。或いは、前記色素凝集体及び前記色素を粉状の状態で、或いは界面活性剤によって分散された水性スラリーやペースト状の状態で用いることも有効である。前記繊維凝集体を構成する繊維に対して前記色素凝集体及び前記色素が親和性のない場合は、各種の定着剤(fixer)を用いることもできる。
【0030】特に、前記色素凝集体及び前記色素は以下の性質を有していることが好ましい。
(1)パルプに対する定着性がある程度良いこと。例えば、前記色素凝集体又は前記色素として顔料を用いる場合には、該顔料が顔料粒子としてパルプ繊維を構成するセルロース単繊維の表面、または単繊維間空隙及び紙層空隙に化学的あるいは物理的に吸着して着色する。
(2)前記繊維凝集体を構成する繊維を着色させる処方液の定着性がある程度良好で、発泡性が少ないこと。
【0031】本発明の成形体において、前記繊維凝集体による着色の一形態は凝集定着である。そして、成形体の抄紙条件が変化すれば、同一色の前記繊維凝集体を同一量添加しても発色性が変化する。発色性はパルプ繊維を構成するセルロース単繊維に吸着する前記色素凝集体又は前記色素の大きさ、フロックの大きさ、フロックの吸着能力でも大きく異なってくる。セルロース単繊維に吸着させる時の前記色素凝集体又は前記色素の大きさやフロックの大きさがより小さく、より強固になる形での抄紙処方化がなされるほど、発色性が増し鮮明になるので、パルプ繊維の条件(パルプ繊維の叩解度、種類、配合など)、抄紙原料の調製条件(定着条件、添加薬剤、添加剤の添加順序)、抄紙条件(抄紙機の種類、抄速など)等の条件を適宜制御する。
【0032】前記模様形成成分は、抄紙、脱水又は乾燥工程において添加される。抄紙工程において添加される場合には、前記模様形成成分は、パルプ繊維と共にパルプスラリー中に添加されていてもよい。或いは前記模様形成成分を含まないパルプスラリーを用いて成形体を抄紙する過程において該模様形成成分を添加してもよい。例えば、後述するように前記模様形成成分として前記顔料又は前記染料を用いる場合には、該模様形成成分を含まないパルプスラリーから成形体を形成し、その過程において該模様形成成分をパルプスラリーに添加することが好ましい。脱水工程で添加される場合には、該模様形成成分を液滴塗布したりスプレー塗布する方法や、成形体を該模様形成成分中へ浸漬する方法などで添加される。乾燥工程において添加される場合においても同様の方法が用いられて模様形成成分が添加される。乾燥工程において前記模様形成成分が添加される場合には、成形体が完全乾燥される前に添加され、好ましくは成形体の含水率が50重量%以上である間に添加される。
【0033】前記模様形成成分が前記繊維凝集体の場合、該繊維凝集体は、抄紙原料としてのパルプスラリー中での濃度が0.1〜60重量%、特に1〜30重量%となるように添加されることが、濃淡模様の発現と外観の美粧性の点から好ましい。前記模様形成成分が前記顔料又は前記染料の場合には、同様の理由から、パルプスラリー中での濃度が0.05〜30重量%、特に0.1〜10重量%となるように添加されることが好ましい。
【0034】一方、パルプ繊維は、パルプスラリー中に、0.1〜20重量%、特に0.5〜5重量%含有されることが、濃淡模様の発現や外観の美粧性、成形性の点から好ましい。パルプ繊維としては、針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)及び広葉樹さらし化学パルプ(LBKP)等の木材パルプ、竹及び藁等の非木材パルプ等を用いることができる。パルプ繊維の長さは、0.1〜10mm程度であることが好ましく、太さは0.01〜0.05mm程度であることが好ましい。
【0035】前記繊維凝集体が配合されたスラリーを用いて抄紙を行うと、該繊維凝集体の端部が毛羽立っているか及び/又は成形体の表面に該繊維凝集体が露出していないことで、該繊維凝集体によって形成される模様の輪郭が不明確になって、成形体に濃淡模様呈される。詳細には、前記繊維凝集体の回りにパルプ繊維が絡合した状態で抄紙が行われる。その結果、得られる成形体においては、前記繊維凝集体がパルプ繊維からなる薄い皮膜で覆われた状態となり、繊維凝集体自体は、成形体の外面に露出しなくなる。従って、前記繊維凝集体によって形成される模様はぼんやりしたぼかし調の濃淡模様となる。また、前記繊維凝集体における繊維の繊維長や抄紙条件やスラリー調整条件によっては、前記繊維凝集体の端部が毛羽立った状態となる。従って、前記繊維凝集体によって形成される模様の輪郭がぼんやりしてぼかし調の濃淡模様となる。この毛羽立った状態となる場合、前記繊維凝集体は、前述したパルプ繊維からなる薄い皮膜で覆われた状態となっていてもよく、或いはそうでなくてもよい。前記繊維凝集体の端部が毛羽立つことで濃淡模様が呈されることは、パルプモールド成形体に極めて特有のことであり、通常の紙や板紙では、そのような模様は呈されない。
【0036】成形体に和紙調の模様を付与するために、着色された和紙あるいは和紙そのものなどを適当な大きさ(0.1mm2 〜10cm2 程度)に引き裂いたものやストリップ状にしたもの(これらを総称して和紙調付与材という)を、成形体の抄紙工程において抄紙原料に添加混合することができる。和紙調付与材は、そのまま或いはスラリーにするなどの加工を施した後に抄紙原料に添加することができる。
【0037】前記模様形成成分が樹脂繊維からなる場合、該樹脂繊維は、成形体の乾燥工程における加熱によってパルプ繊維が焦げ付かない温度で溶融し透明化する樹脂から形成されていることが好ましく、例えば熱可塑性樹脂から構成されるものが挙げられる。具体的には、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ナイロン(Ny)、水溶性ポリビニルアルコール(PVA)等から構成されるものが挙げられる。樹脂繊維の繊維構造としては、単独型、2種の組成(例えばPP/PEやPET/低融点PET等)の並列型や芯鞘型が用いられる。樹脂繊維の繊維長は、1〜50mm程度であり、繊維径は、0.1〜33dtex程度であることが、抄紙及び濃淡模様の形成が容易となる点から好ましい。樹脂繊維を用いると、成形体の製造工程において成形体を所定温度に加熱することで、該樹脂繊維、特に熱溶融性合成繊維が溶融ないし軟化して透明ないし半透明状態となり当該部位の光透過率が変化する結果、美麗な濃淡模様が発現する。また、合成繊維に代えて又は合成繊維と共に合成樹脂の粒子を用いることもできる。尤も、原料液中での分散性、抄紙性、及び繊維凝集体の形成の容易さの点からは、樹脂繊維を用いることが好ましい。但し、ドット状の模様を形成する場合には合成樹脂の粒子を用いることが有利である。
【0038】抄紙原料としてのパルプスラリーには、前述の成分の他に、マイカ、ガラス、酸化チタン、カーボン等の無機フィラー;金箔、銀箔、アルミ箔等の金属フィラー;合成樹脂系材料のフレークやパウダー等を含有させることもできる。これらの成分は、パルプスラリー中に0.1〜30重量%、特に0.5〜10重量%含有されることが、外観の意匠性や美粧性の点から好ましい。
【0039】前述のパルプスラリーを抄紙原料として用い、公知の製造方法によってパルプモールド成形体を成形する。パルプモールド成形体の製造方法としては、成形すべき成形体の形状に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、底の浅いトレーや皿状の成形体を製造する場合には、雄型と雌型とからなるプレス型を用いることができ、また側壁の立ち上がり角度が略直角に近く且つ高さの高い(深底の)成形体を製造する場合には、本出願人の先の出願に係る特開平11−314267号公報に記載の製造方法を用いることが好ましい。
【0040】特に、前記模様形成成分として前記顔料又は染料を用いる場合には、抄紙型を吸引しつつ該抄紙型にパルプスラリーを供給して該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ、前記パルプスラリーの供給開始から所定時間経過後、前記パルプ繊維を堆積させつつ、顔料又は染料を連続的に又は断続的に前記抄紙型に供給することが好ましい。この場合、前記顔料又は染料を前記抄紙型内に供給するタイミング及び前記パルプスラリーの供給圧力を適切にコントロールすることで、濃淡模様のパターン化が可能となる。また、前記抄紙型を吸引するときに、該抄紙型における特定の部位のみを選択的に強く吸引することで、該特定の部位に対応する成形の部位に選択的に濃淡模様を形成させることもできる。更に、前述した通り、該顔料又は染料として水への分散性又は溶解性が低いものを用いると、該顔料又は染料が徐々にパルプスラリー中に分散又は溶解するので、濃淡模様の際立った成形体を得ることができる。
【0041】また、前記模様形成成分として前記繊維凝集体を用いる場合には、該繊維凝集体をパルプ繊維と共に水中に分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型を吸引しつつ該抄紙型に供給して、該抄紙型の抄紙面にパルプ繊維を堆積させ成形体を成形する。これによって、前記繊維凝集体に前述した多数の毛羽立ちが生じ、該繊維凝集体の輪郭がぼやけて濃淡模様が発現する。これと併せて前記繊維凝集体を着色している前記色素凝集体及び/又は前記色素が、抄紙中に該繊維凝集体から徐々に滲み出てパルプ繊維を着色することによっても濃淡模様が発現する。この場合、単一のパルプスラリーを用いてもよく、或いは二種類以上のパルプスラリーを用いて多層抄紙を行ってもよい。多層抄紙を行う場合、内層の形成用のパルプスラリーとして前記模様形成成分を含まないものを用い、且つ外層の形成用のパルプスラリーとして前記模様形成成分を含むパルプスラリーを用いるか、又はパルプを含まず前記模様形成成分を含むスラリーを用いることが好ましい。
【0042】前記繊維凝集体をパルプ繊維と共に分散させるには、例えば該繊維凝集体を予め所定の大きさに解砕して得られた解砕物、或いは該解砕物を水に分散させたスラリーを、パルプ繊維のスラリーに添加する等の方法が用いられる。
【0043】本発明のパルプモールド成形体の別の好ましい製造方法として、第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、互いに異なるスラリー供給手段、例えば第1の充填ノズル及びこれと異なる第2の充填ノズルによって、同時又は逐次に抄紙型に供給する方法がある。二種類のパルプスラリーを同時に供給するか逐次供給するかは、目的とする模様の形態に応じて適宜選択されるが、同時に供給すると、抄紙型内において第1のパルプスラリーと第2のパルプスラリーとが不均一に混合するのでバランスの良い均一なランダム模様が形成されるという利点、及び抄紙時間が短縮化され生産性が向上するという利点がある。逐次供給する場合には、次の(1)又は(2)の方法を用いることが、得られる濃淡模様に質感が出る点から好ましい。
【0044】(1)第1のパルプスラリーの供給後で、且つ該第1のパルプスラリーに由来するパルプ堆積層が前記抄紙型の抄紙面の全面に形成される前に、第2のパルプスラリーを供給する。
(2)第1のパルプスラリーに由来するパルプ堆積層が前記抄紙型の抄紙面の全面に形成された後で、且つ該パルプ堆積層の一部が、後から供給される第2のパルプスラリーの供給によって突き破られる程度の厚みである間に、該第2のパルプスラリーを供給する。
【0045】第1のパルプスラリー及び第2のパルプスラリーとしては、互いに粘度の異なるものを用いることが、両パルプスラリーが不均一に混合されて質感に富んだ濃淡模様が形成される点から好ましい。この場合、両パルプスラリーの粘度差が20℃において0.1〜1999mPas、特に0.2〜1000mPasであると、各パルプスラリーに由来する独立した濃淡模様が形成され且つ全体として非常に濃淡のある墨流し調の模様が形成されることから一層好ましい。両パルプスラリーを逐次供給する場合には、先ず粘度の低いパルプスラリーを供給した後、次いで粘度の高いパルプスラリーを供給することが、非常に濃淡のある模様が形成される点から好ましい。また、両パルプスラリーの粘度自体(20℃)は、粘度の高い方が2.0〜2000mPas、特に2.0〜1000mPasであることが好ましく、粘度の低い方が0.5〜1.99mPas、特に1.0〜1.90mPasであることが好ましい。パルプスラリーの粘度は、小型振動式粘度計CJV5000(エーアンドディ社製)を用いて測定した。
【0046】本発明のパルプモールド成形体の更に別の好ましい製造方法として、前記色素凝集体及び/又は前記色素により着色された前記繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを不均一に混合分散させて得られたパルプスラリーを、抄紙型に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形する方法がある。
【0047】具体的には、前記色素凝集体及び/又は前記色素によって着色されており且つ比較的短い繊維が前記凝集剤又は前記湿潤紙力強力剤の作用によって凝集して形成された繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、着色されていないか又は第1のパルプスラリーとは異なる色に着色された第2のパルプスラリーとを、緩やかな攪拌条件下に不均一に混合分散させてパルプスラリーを得る。このパルプスラリーを用いて抄紙を行う。不均一な混合分散方法の例としては、三枚羽のスクリュを用い5〜60rpm程度の回転数で攪拌させる方法等が挙げられる。
【0048】第1のパルプスラリーの別の例として、前記色素凝集体及び/又は前記色素によって着色されており且つ2.5〜50mm程度の長繊維を絡ませることによって形成された繊維集合体を含むパルプスラリーが挙げられる。
【0049】第2のパルプスラリーには、繊維凝集体が含まれていても良く、或いは含まれていなくても良い。また、第2のパルプスラリーに、繊維凝集体が含まれていない場合には、このパルプスラリーに、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン又はとろろあおい等の分散剤を添加し、このパルプスラリー中のパルプを均一に分散させることで、第1のパルプスラリーとの不均一な混合が一層顕著となり、得られる成形体の濃淡模様が一層際立ったものとなる。
【0050】本発明のパルプモールド成形体の他の好ましい製造方法として、前記色素凝集体及び/又は前記色素により着色された前記繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーと、該第1のパルプスラリーとは異色の第2のパルプスラリーとを、抄紙型へほぼ同時に供給して該抄紙型の抄紙面に成形体を成形する方法がある。この方法によれば、抄紙型内において第1のパルプスラリーと第2のパルプスラリーとが不均一の混合分散することで、得られる成形体に濃淡模様が形成される。この方法に用いられる第1のパルプスラリー及び第2のパルプスラリーとしては、前述したものと同様のものを用いることができる。
【0051】このようにして製造された成形体には、その表面に濃淡模様が形成される。模様の種類は、前記模様形成成分の種類及び成形体の製造方法に応じて様々なものとなる。典型的な模様としては、まだら模様、点状模様、雲竜模様、マーブル模様、グラデーション模様等が挙げられる。特に、前記模様形成成分として水への分散性又は溶解性が低い顔料又は染料を用いると、グラデーション模様が形成され易く、例えば「平成の紙譜」(全国手抄き和紙連合会著、1992年11月15日、株式会社わがみ堂発行)に所載のNo. 63,116,127〜129,218,236,289 〜292 等の模様となり、また前記模様形成成分として色素により着色され且つ該色素が水中に再溶解又は再分散可能な状態で存在している前記繊維凝集体を用いると、雲竜模様が形成され易い。雲竜模様とは、和紙の一種である雲竜紙の模様である。雲竜紙とは、楮又は三椏の地紙に、手ちぎりした楮の長い繊維を散らせて雲形文様をあらわした紙をいう〔「和紙文化辞典」第37頁(著者 久米康生 1995年10月1日 株式会社わがみ堂発行)及び前記「平成の紙譜」参照〕。
【0052】本発明の成形体によれば、成形体の形成と濃淡模様の形成とが同時に行われる。これは、例えば模様のついた板紙を折り曲げ加工して容器などを形成することと全く相違する。更に本発明の成形体によれば、濃淡模様は連続したものとなり、つなぎ目がなくなり、外観の印象が良好となる。これとは対照的に、模様のついた板紙を折り曲げ加工して容器などを形成すると、模様に切れ目が生じてしまう。
【0053】成形体に耐水性を付与したり或いは成形体の表面に艶を付与する目的で、成形体の乾燥後に、成形体の表面を薄い透明樹脂フィルムで被覆したり、成形体の表面に透明樹脂液を塗布してもよい。
【0054】本発明のパルプモールド成形体は、液状物や粉粒状物の収容に用いられるボトル状や箱形カートン状の中空容器、キャップ、スプーン、蓋体、カップ等の他、置物等のオブジェなどデザイン上自由な種々の形状とすることができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明する。尚、特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0056】〔実施例1〕針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)を1.0%含有するパルプスラリーを抄紙原料として用い、特開平11−314267号公報に記載の製造方法に準拠した方法に従いボトル状のパルプモールド成形体を得た。この製造方法において、パルプスラリーの供給から3秒間経過後、青色顔料(銅フタロシアニンブルー1%水溶液)50gを5秒間隔で3回に分けて多段注入した。このようにして得られたパルプモールド成形体においては、白色地の成形体の表面に青色グラデーション調の濃淡模様が不規則に形成されていた。
【0057】〔実施例2〕針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)を1.0%を含有するスラリーを調製した。次いで、このスラリーに赤色染料(レバセルスカーレット4BS)によって赤色に着色されたコウゾ繊維凝集体を濃度が10%となるように分散させてパルプスラリーを調製した。コウゾ繊維凝集体は、その水中での解離を抑制するために市販の湿潤紙力増強剤で凝集状態が強化されていた。得られたパルプスラリーを抄紙原料として用い、特開平11−314267号公報及び国際公開WO99/42661号にそれぞれ記載の製造方法に準拠した方法に従いボトル状のパルプモールド成形体を得た。尚、前記赤色染料は、水中に再溶解(再分散)可能な状態で前記コウゾ繊維凝集体に着色されていた。このようにして得られたパルプモールド成形体においては、薄桃色地の成形体の表面に雲竜調の濃淡模様が不規則に形成されていた。
【0058】〔実施例3〕黄色顔料としてキノフタロンイエローを、赤色顔料としてナフトールレッドをそれぞれ用い、前者:後者=92:8(重量比)で混合し、針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)をオレンジ色に着色させた。このNBKPを3%含有するパルプスラリーに、ポリアクリルアミドをNBKPの重量に対して1%添加して、繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーを得た。これとは別に、針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)を1%含有する第2のパルプスラリーを得た。第1のパルプスラリー1リットルと、第2のパルプスラリー15リットルとを、容積20リットルの容器に入れ、三枚羽のスクリュを5〜60rpmで回転させて緩やかに撹拌させ、両者を不均一に混合分散させた。その後は実施例1と同様にして、淡黄色地の表面に、オレンジ色のマーブル調の濃淡模様が不規則に形成されたボトル状のパルプモールド成形体を得た。
【0059】〔実施例4〕青色顔料(銅フタロシアニンブルー)によって青色に着色された10mmの長繊維を絡ませることで物理的に繊維凝集体を形成した。針葉樹さらし化学パルプ(NBKP)を1%含有するパルプスラリーに、この繊維凝集体を、NBKPの重量に対して10%添加して、該繊維凝集体を含む第1のパルプスラリーを得た。その後は実施例1と同様にして、薄水色地の表面に、青色の繊維凝集体による雲竜調の濃淡模様が不規則に形成されたボトル状のパルプモールド成形体を得た。
【0060】〔実施例5〕実施例3における第2のパルプスラリーにポリエチレンオキサイドを、NBKPの重量に対して3%添加してNBKPを一層均一に分散させた。これ以外は実施例3と同様にして、淡黄色地の表面に、オレンジ色の点描調の濃淡模様が不規則に形成されたボトル状のパルプモールド成形体を得た。
【0061】〔実施例6〕実施例3における第1のパルプスラリーと第2のパルプスラリーとを、ほぼ同時に抄紙型に供給して、抄紙型内で両パルプスラリーを不均一に混合分散させた。これ以外は実施例3と同様にして、白色及びオレンジ色が表面に露出したマーブル調の濃淡模様が不規則に形成されたボトル状のパルプモールド成形体を得た。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、種々の模様を有し、外観の美粧性に優れたパルプモールド成形体が提供される。特に、前記模様形成成分として、水への分散性又は溶解性を有する顔料又は染料を用いることで、グラデーション調の濃淡模様が形成され易くなり、また色素凝集体及び/又は色素により着色された繊維凝集体を用いることで雲竜調の濃淡模様が形成され易くなる。




 

 


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