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抄紙用型 - 花王株式会社
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発明の名称 抄紙用型
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−98499(P2001−98499A)
公開日 平成13年4月10日(2001.4.10)
出願番号 特願平11−271136
出願日 平成11年9月24日(1999.9.24)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4L055
【Fターム(参考)】
4L055 BF06 CG21 CJ06 FA22 FA30 
発明者 後藤 実
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 所定形状を有する抄紙部と、該抄紙部の表面を被覆する抄紙ネットとを備え、前記抄紙部に開口する多数の吸引通水孔が穿設されている抄紙用型において、前記吸引通水孔を通じて前記抄紙用型の外部へ吸引排出される水が、該吸引通水孔に流入するときに、該水を、前記抄紙部の表面に対して水平方向ないし斜め方向に案内する水流案内部材が、前記吸引通水孔内に配されている抄紙用型。
【請求項2】 前記水流案内部材が、前記吸引通水孔の深さ方向に沿って摺動可能になされており、該水流案内部材の摺動によって該吸引通水孔の通水空間が拡縮する請求項1記載の抄紙用型。
【請求項3】 前記水流案内部材の上端面に前記抄紙ネットが支持固定されており、該水流案内部材の摺動によって、前記抄紙部の表面と前記抄紙ネットとの距離が拡縮する請求項2記載の抄紙用型。
【請求項4】 前記水流案内部材が、頭部と、該頭部に連設された胴部と有し、前記頭部は、その上端面が平坦で且つその側面が前記胴部との連設部分へ向けて縮径したテーパー形状をなしており、前記胴部は、その内部に貫通孔を有し且つ前記頭部との連設部分近傍に該貫通孔と連通する側孔を有し、前記吸引通水孔の前記抄紙部表面側開口が、前記頭部の側面の前記テーパー形状と相似形のテーパー形状をなしている請求項1〜3の何れかに記載の抄紙用型。
【請求項5】 所定形状を有する抄紙部と、該抄紙部の表面を被覆する抄紙ネットとを備え、前記抄紙部に開口する多数の吸引通水孔が穿設されており、該吸引通水孔を通じて外部へ吸引排出される水が、該吸引通水孔に流入するときに、該水を前記抄紙部の表面に対して水平方向ないし斜め方向に案内する水流案内部材が、前記吸引通水孔内に配されており、前記水流案内部材が、前記吸引通水孔の深さ方向に沿って摺動可能になされている抄紙用型の洗浄方法であって、前記水流案内部材を摺動させて前記吸引通水孔の通水空間を拡大させた状態下に、前記抄紙用型の外部から前記抄紙部の表面へ向けて洗浄水を注入する抄紙用型の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド成形体の製造に好適な抄紙用型に関し、詳しくは抄紙ネットにパルプが堆積することが防止された抄紙用型に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特開平9−132900号公報及び特開平9−195200号公報には、パルプモールド成形体の抄紙用型において、吸引通水孔を成形面の法線方向に対して所定角度傾斜させることによって、吸引によって抄紙ネットが吸引通水孔に引き込まれて凹むことを抑制し、成形体の面形状を良好にすることが記載されている。
【0003】しかし、前記吸引通水孔を傾斜させたとしても、該吸引通水孔は比較的大きく開口していることから、該吸引通水孔開口付近の吸引力は、それ以外の部分に比して強いので、該抄紙ネットは吸引通水孔側に凹み易く、抄紙ネットの目詰まりが起こり易い。また、一旦目詰まりが起こると、詰まったパルプを取り除くことが容易でない。
【0004】従って、本発明は、吸引によって抄紙ネットが吸引通水孔に引き込まれて凹むことが抑制され、吸引通水孔開口付近の抄紙ネットの目詰まりが防止された抄紙用型を提供することを目的とする。また、本発明は、抄紙ネットに目詰まりしたパルプの洗浄除去が容易な抄紙用型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明者らは、抄紙用型における吸引通水孔内に特定の水流案内部材を配することにより前記目的が達成されることを知見した。
【0007】本発明は前記知見に基づきなされたもので、所定形状を有する抄紙部と、該抄紙部の表面を被覆する抄紙ネットとを備え、前記抄紙部に開口する多数の吸引通水孔が穿設されている抄紙用型において、前記吸引通水孔を通じて前記抄紙用型の外部へ吸引排出される水が、該吸引通水孔に流入するときに、該水を、前記抄紙部の表面に対して水平方向ないし斜め方向に案内する水流案内部材が、前記吸引通水孔内に配されている抄紙用型を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】また、本発明は、所定形状を有する抄紙部と、該抄紙部の表面を被覆する抄紙ネットとを備え、前記抄紙部に開口する多数の吸引通水孔が穿設されており、該吸引通水孔を通じて外部へ吸引排出される水が、該吸引通水孔に流入するときに、該水を前記抄紙部の表面に対して水平方向ないし斜め方向に案内する水流案内部材が、前記吸引通水孔内に配されており、前記水流案内部材が、前記吸引通水孔の深さ方向に沿って摺動可能になされている抄紙用型の洗浄方法であって、前記水流案内部材を摺動させて前記吸引通水孔の通水空間を拡大させた状態下に、前記抄紙用型の外部から前記抄紙部の表面へ向けて洗浄水を注入する抄紙用型の洗浄方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の抄紙用型の第1の実施形態の斜視図が示されており、図2(a)及び図2(b)には図1に示す抄紙用型における抄紙部の要部拡大図が示されている。
【0010】本実施形態の抄紙用型10は、図1に示すように、第1の部材1及び第2の部材2を備えている。第1の部材1は抄紙部11を備えている。抄紙部11は凹状の形状をしている。抄紙部11には、その表面から裏面へ貫通した吸引通水孔12が多数穿設されている。抄紙部11の周縁からは、外方に且つ水平に延出した平面状の外縁部13が形成されている。外縁部13及び抄紙部11は、抄紙ネット(図示せず)によって被覆されている。
【0011】一方、第2の部材2は箱形をしており、これに第1の部材1が嵌合することによって、第1の部材1と第2の部材2との間に所定の空間(図示せず)が形成されるようになされている。また、第2の部材2の側面には貫通孔3が設けられており、この貫通孔3は、抄紙時に所定の吸引手段(図示せず)に接続される。これによって抄紙用型10には、吸引通水孔12、前記空間及び貫通孔3が連通して、抄紙用型10の外部から抄紙部11の内面に至る連通路が形成される。
【0012】前記抄紙ネットは、抄紙部11及び外縁部13の表面に沿って配設されている。前記抄紙ネットは、成形すべき成形体の縦半分の外形と相補形状をなす部分を有し、当該部分は抄紙部11内に位置している。前記抄紙ネットは、金属製又は合成樹脂製等の線状材から形成されている。この場合の目開きは一般に10〜100メッシュ程度である。前記抄紙ネットは単層のものでもよく、二層以上を積層して一体化したものでもよい。また、前記抄紙ネットとして、電鋳により形成され、多数の透孔を有する多孔質体を用いてもよい。この場合の透孔の直径は0.05〜2mm程度である。
【0013】前記抄紙ネットが第1の部材1に装着された状態では、該抄紙ネットは抄紙部11の表面を密着被覆していてもよく、或いは抄紙部11の表面から所定の距離を置いて抄紙部11を被覆してもよい。
【0014】本実施形態の抄紙用型10は一対で用いられ、各抄紙用型10の抄紙部11同士を対向させて、両抄紙部11によって画定される所定形状のキャビティを形成し、該キャビティ内にパルプスラリーを注入して前記抄紙ネット上にパルプを堆積させるのに使用される。従って、図示していないがもう一方の抄紙用型も図1に示す抄紙用型と同様の構成となっている。
【0015】図1に示すように、各吸引通水孔12内には水流案内部材14が配されている。水流案内部材14は、吸引通水孔12を通じて抄紙用型10の外部へ吸引排出される水が、吸引通水孔12に流入するときに、該水を、抄紙部11の表面に対して水平方向ないし斜め方向に案内するものである。
【0016】図2(a)に示すように、水流案内部材14は、頭部14aと、頭部14aに連設された胴部14bと有している。尚、図2(a)においては、抄紙ネットは省略されている。頭部14aは、平面視して円形であり、その上端面が平坦で且つその側面が胴部14bとの連設部分へ向けて縮径したテーパー形状をなしている。頭部14aの上端面には、抄紙ネット(図示せず)が所定手段によって支持固定されている。
【0017】一方、胴部14bは、頭部14aに連設された円柱状の第1胴部14c、及び第1胴部14cに連設され且つ第1胴部14cよりも小径の円柱状の第2胴部14dから構成されている。第1胴部14cと第2胴部14dとは同心の位置にある。胴部14bは、その内部に貫通孔14eを有している。貫通孔14eは水流案内部材14における第2胴部14dの下端において開口している。また、胴部14bと頭部14aとの連設部分、即ち、第1胴部14cと頭部14aとの連設部分近傍には、貫通孔14eと連通する第1側孔14fが形成されている。第1側孔14fは、第1胴部14cの周面方向に亘り所定間隔を置いて複数個形成されている。その結果、水流案内部材14には、第1側孔14f及び貫通孔14eが連通した連通路が形成される。
【0018】吸引通水孔12は、抄紙部表面側開口がテーパー形状をなしたテーパー部12aとなっている。テーパー部12aのテーパー形状は、前述した水流案内部材14における頭部14aのテーパー形状と相似形をなしている。更に吸引通水孔12は、テーパー部12aに連設された段付き孔部を有している。段付き孔部は、テーパー部12a側の大径孔部12bと抄紙部裏面側に開口する小径孔部12cとからなる。大径孔部12bの直径は、前述した水流案内部材14における胴部14bの第1胴部14cの直径とほぼ同じになされている。一方、小径孔部12cは胴部14bの第2胴部14dの直径とほぼ同じになされている。その結果、水流案内部材14は、吸引通水孔12の深さ方向に摺動可能になされている。
【0019】吸引通水孔12の大径孔部12bと水流案内部材14とで形成される空間16内にはコイルばね17が配されている。また、第2胴部14dの下端部からやや第1胴部14c寄りの位置には、第2胴部14dの側面から水平方向に延出する鍔部14gが形成されている。鍔部14gは、平面視して円形をしている。鍔部14gは、コイルばね17によって常時抄紙部11の表面方向へ付勢されている水流案内部材14が、吸引通水孔12から抜け出ることを防止している。
【0020】図2(a)に示す水流案内部材14の状態は、抄紙時の状態を示している。抄紙時には、抄紙部11の表面から裏面に向けて吸引が行われるので、水流案内部材14は、コイルばね17による付勢力に抗して抄紙部11の裏面方向へ摺動し、吸引力と付勢力とが釣り合った状態での位置が保たれる。この状態においては、水流案内部材14における頭部14aの上端面と、抄紙部11の表面とが同一平面をなす。従って、抄紙状態においては、抄紙ネット(図示せず)は、抄紙部11の表面を密着被覆している。また、水流案内部材14における頭部14aの側面と、吸引通水孔12のテーパー部12aとの間には、水流案内部材14の周方向全体に亘って通水空間18が形成されている。通水空間18は第1側孔14fに連通している。通水空間18によって、吸引通水孔12を通じて抄紙用型10の外部へ吸引排出される水が、吸引通水孔12に流入するときに、抄紙部11の表面に対して斜め方向に案内される。その結果、抄紙時の吸引によって抄紙ネット(図示せず)が吸引通水孔12に引き込まれて凹むことが抑制され、吸引通水孔12開口付近の抄紙ネットの目詰まりが防止される。
【0021】通水空間18と抄紙部11の表面とのなす角度θ、換言すれば、水流案内部材14における頭部14aの側面又は吸引通水孔12のテーパー部12aと、抄紙部11の表面とのなす角度θ〔図2(a)参照〕は、吸引通水孔12へ流れ込む水流によって抄紙ネットが凹むことを防止する点から、45度以下、特に30度以下であることが好ましい。
【0022】図2(b)に示す状態は、抄紙用型10の洗浄時の状態を表す。この状態においては、吸引が行われていないので、コイルばね17による付勢力によって、通水空間18が拡張した状態が保たれる。このように、本実施形態においては、抄紙部11の表面から裏面に向けての吸引力と、コイルばね17による付勢力との大小によって、水流案内部材14を抄紙部裏面方向〔図中、下方、即ち図2(a)に示す状態〕、又は抄紙部表面方向〔図中、上方、即ち図2(b)に示す状態〕に摺動させる。そして、水流案内部材14が吸引通水孔12の深さ方向に沿って摺動することで、吸引通水孔12の通水空間18が拡縮する。また前述の通り、水流案内部材14の上端面、即ち頭部14aの上端面には抄紙ネットが支持固定されているので、前記摺動によって抄紙部11の表面と抄紙ネットとの距離が拡縮する。
【0023】本実施形態の抄紙用型10を用いたパルプモールド成形体の製造方法は図3に示す通りである。図3においては、抄紙用型の構造は簡略化されて描かれている。先ず図3(a)に示すように、一対の抄紙用型10,10を、その抄紙部11同士が対向するように突き合わせて、両抄紙部11によって画定される所定形状のキャビティ30を形成し、このキャビティ30に通ずる口部31からキャビティ30内にパルプスラリーを注入する。次に、型10,10をその外側から吸引してキャビティ30内を減圧し、パルプスラリー中の水分を吸引すると共にパルプを抄紙ネット(図示せず)上に堆積させて、含水状態の成形体32を形成する。このとき、パルプスラリー中の水分は、通水空間18、第1側孔14f、及び貫通孔14eを経て抄紙用型10の外部へ排出される。
【0024】所定量のパルプスラリーを注入したら、パルプスラリーの注入を停止し、キャビティ30内を完全に吸引・脱水する。引き続き、図3(b)に示すように、キャビティ30内を吸引・減圧すると共に、拡縮自在で且つ中空状をなす中子33をキャビティ30内に挿入する。中子33は、ウレタン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等の弾性体から構成されているか、又はポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック材料から構成されている。
【0025】次に、図3(c)に示すように、中子33内に加圧流体を供給して中子33を拡張させ、拡張した中子33により含水状態の成形体32をネットに押圧する。これにより成形体32が中子33によってネットに押し付けられ成形体32の加圧脱水が進行すると共に成形体32にネットの内面形状が転写される。中子33を拡張させるために用いられる加圧流体としては、例えば圧縮空気(加熱空気)、油(加熱油)、その他各種の液が使用される。また、加圧流体を供給する圧力は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPaとすることが好ましい。
【0026】成形体32が所定の含水率まで加圧脱水され且つ成形体32にキャビティ30の内面の形状が十分に転写されたら、図3(d)に示すように、中子33内の加圧流体を抜き、中子33を縮小させる。縮小した中子33をキャビティ30内より取出し、更に型を開いて所定の含水率にまで加圧脱水された成形体32を取り出す。取り出された成形体32は所定の加熱・乾燥工程に付され完全に乾燥されて、パルプモールド成形体となる。
【0027】前述の方法で抄紙を重ねると、抄紙用型10における抄紙ネット、特に吸引通水孔12付近の抄紙ネットにパルプが目詰まりし、安定して抄紙できない場合がある。この場合には抄紙用型10の洗浄が必要になる。抄紙用型10を洗浄するには、図2(b)に示すように、水流案内部材14を抄紙部表面側に摺動させる。その結果、水流案内部材14における頭部14aの側面と、吸引通水孔12のテーパー部12aとで形成される通水空間18が拡張すると共に抄紙部11の表面を密着被覆していた抄紙ネット(図示せず)が該表面から浮き上がり、該表面と抄紙ネットとの距離が広まる。この状態下に抄紙用型10の外部から抄紙部11の表面へ向けて洗浄水を強制注入することで、目詰まりしていたパルプが効果的に除去される。
【0028】次に、本発明の第2〜第4の実施形態について図4を参照しながら説明する。第2〜第4の実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同じ点については特に説明しないが、第1の実施形態に関して詳述して説明が適宜適用される。また、図4において図1〜図3と同じ部材には同じ符号を付してある。
【0029】図4(a)〜(c)には、第2〜第4の実施形態の抄紙用型における抄紙部の要部拡大図が示されている。尚、簡便のため、図4(a)〜(c)においては抄紙ネットは省略されている。図4(a)に示す第2の実施形態の抄紙用型における水流案内部材14では、第1の実施形態における水流案内部材と異なり、空間16が形成されておらず、またコイルばねが配されていない。代わりに、第2胴部14dにおける鍔部14gの直ぐ下の位置に、第2側孔14hが形成されている。第2側孔14hは、第2胴部14dの周面方向に亘り所定間隔を置いて複数個形成されており、第1側孔14fと同様に貫通孔14eに連通している。その結果、水流案内部材14には、第1側孔14f、貫通孔14e及び第2側孔14hが連通した連通路が形成される。
【0030】水流案内部材14の摺動に際しては、水流案内部材14の第1胴部14c下端面及び鍔部14gの上端面が、吸引通水孔12の小径孔部12cに当接・規制されることで、水流案内部材14の抜け出しが防止されている。図4(a)に示す水流案内部材14の状態は、抄紙時の状態を示している。この状態においては、水流案内部材14における第1胴部14cの下端面が吸引通水孔12における小径孔部12cに当接・規制されており、且つ水流案内部材14における頭部14aの上端面が抄紙部11の表面と同一平面をなしている。
【0031】水流案内部材14の下端部、即ち第2胴部14dの下端部は可撓膜15に固定されている。可撓膜15は、抄紙部11の裏面に沿って配されており、密閉された中空状をなしている。且つ可撓膜15は、抄紙用型11に配されたすべての水流案内部材14の下端部を固定している。そして、この中空状をなす可撓膜15の内部に所定の流体を供給することで可撓膜15を拡張させ、水流案内部材14を抄紙部表面方向(図中、上方)に摺動させる〔図4(b)に示す状態〕。一方、可撓膜15を縮小させることで水流案内部材14を抄紙部裏面方向に摺動させる。このように、可撓膜15の拡縮によって水流案内部材14が吸引通水孔12の深さ方向に沿って摺動し、該摺動によって吸引通水孔12の通水空間18が拡縮する。また前述の通り、水流案内部材14の上端面、即ち頭部14aの上端面には抄紙ネットが支持固定されているので、前記摺動によって抄紙部11の表面と抄紙ネットとの距離が拡縮する。
【0032】本実施形態においても、吸引通水孔12を通じて抄紙用型10の外部へ吸引排出される水は、吸引通水孔12に流入するときに、通水空間18によって抄紙部11の表面に対して斜め方向に案内される。その結果、抄紙時の吸引によって抄紙ネット(図示せず)が吸引通水孔12に引き込まれて凹むことが抑制され、吸引通水孔12開口付近の抄紙ネットの目詰まりが防止される。
【0033】図4(b)に示す第3の実施形態に抄紙用型は、第2の実施形態のそれとほぼ同様になされており、両者が異なる点は、第3の実施形態においては、水流案内部材14の下端部が可撓膜によって固定されていない点である。従って、本実施形態の抄紙用型における水流案内部材14は、特に何らかの部材に固定されてはおらず、吸引通水孔12の深さ方向に沿って自由に摺動可能となっている。抄紙時には、抄紙部11の表面から裏面に向けて吸引が行われるので、水流案内部材14は抄紙部11の裏面へ向けて摺動し且つ水流案内部材14の第1胴部14c下端面が吸引通水孔12の小径孔部12cに規制されてその状態が保たれる。この状態下、水は、抄紙部11の表面に対して斜め方向に案内されて吸引通水孔12に流入する。一方、抄紙用型10の洗浄時には、抄紙部11の裏面から表面に向けて洗浄水が強制注入されるので、水流案内部材14は抄紙部11の表面へ向けて摺動して通水空間18が拡張し且つ水流案内部材14の鍔部14gの上面が吸引通水孔12の小径孔部12cに規制されてその状態が保たれる。
【0034】図4(c)に示す第4の実施形態の抄紙用型における水流案内部材14は、第1〜第3の実施形態と異なり、吸引通水孔12を通じて抄紙用型10の外部へ吸引排出される水は、吸引通水孔12に流入するときに、抄紙部11の表面に対して水平方向に案内される。
【0035】詳細には、水流案内部材14は、円盤状の頭部14aと、頭部14aの下面から垂下した円柱状の胴部14bとから構成されている。胴部14bの高さ方向略中央部には水平方向へ張り出した延出部14iが設けられている。また、胴部14bの下端部からやや上方の位置に鍔部14gが設けられている。第1〜第3の実施形態と異なり、胴部14bには貫通孔が形成されていない。
【0036】吸引通水孔12は、平面視して円形の第1通水孔12dと、該第1通水孔12dよりも小径の第2通水孔12eとから構成されている。第1通水孔は抄紙部表面側に開口しており、第2通水孔12eは抄紙部裏面側に開口している。第2通水孔12eは、第1通水孔12aの壁面からやや内側の位置において、所定間隔をおいて多数形成されている。そして、抄紙時及び洗浄時には、第1通水孔12d及び第2通水孔12eを通じて水が流通する。
【0037】第1通水孔12dと同心の位置には、水流案内部材14における胴部14bの挿通孔12fが形成されており、該挿通孔12f内に水流案内部材14における胴部14bが挿通される。そして、水流案内部材14は、吸引通水孔12の深さ方向に沿って自由に摺動可能となっていると共に、延出部14i及び鍔部14gに規制されて、挿通孔12fから抜け出ることが防止されている。
【0038】本実施形態における水流案内部材14の動作は、図4(b)に示すそれと同様である。抄紙時には、頭部14aと抄紙部11の表面とが所定の間隔を置いており、両者間を水が水平方向に案内される。一方、抄紙用型の洗浄時には、水流案内部材14は上方へ向けて摺動し、頭部14aと抄紙部11の表面との間隔が一層広まる。
【0039】本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態においては、2個の抄紙用型を用いて抄紙を行ったが、これに代えて、本発明の抄紙用型を雄型及び雌型からなるプレス方式の抄紙用型の雄型又は雌型に適用してもよい。
【0040】また、第1〜第3の実施形態においては、抄紙ネットは抄紙部11の表面を密着被覆していたが、これに代えて、抄紙ネットは、抄紙部11の表面から所定の距離を置いて抄紙部11を被覆してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の抄紙用型によれば、吸引によって抄紙ネットが吸引通水孔に引き込まれて凹むことが抑制され、吸引通水孔開口付近の抄紙ネットの目詰まりが防止される。また本発明の抄紙用型によれば、抄紙ネットに目詰まりしたパルプの洗浄除去が容易となる。




 

 


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