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発明の名称 糊 剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−49580(P2001−49580A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−217352
出願日 平成11年7月30日(1999.7.30)
代理人 【識別番号】100063897
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 馨 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033 AC12 CA19 CA20 CA28 CA59 
発明者 窪田 裕一 / 長谷部 佳宏 / 小倉 信之 / 青柳 宗郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 酢酸ビニルモノマーと0.01〜5ppmの酢酸ビニルオリゴマーからなる酢酸ビニル溶液を乳化重合させて得られる酢酸ビニルモノマー由来の構成骨格を有する重合体を含有するエマルジョン型糊剤。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酢酸ビニル由来の構造を主たる構成骨格とするエマルジョン型の重合体(以下酢酸ビニル系重合体と省略する)を含有する繊維製品用の糊剤に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】糊剤の基剤には従来、澱粉が用いられていたが、溶解分散性に乏しいため、現在では冷水に対し、容易に溶解分散可能な糊剤として酢酸ビニル系重合体を基剤とするエマルジョン型の液状糊剤が開発、市販されている。該エマルジョン型糊剤の主成分である糊料基剤は、酢酸ビニルを、非イオン界面活性剤、カチオン化澱粉等のカチオン性高分子化合物及びポリビニルアルコール等の非イオン性高分子化合物を乳化剤及び乳化安定化剤とした系で、乳化重合することで得られるが、長期保存により、エマルジョンが分離沈降する場合があり、特にこれらの問題は、乳化剤の含有量を低減させた場合に顕著である。一方、本発明者らは先に、エマルジョン中の乳化剤は、重合体の安定性に寄与する反面、衣類への重合体の付着性を低減させていることに気づき、乳化剤の使用を制限することにより、酢酸ビニル系重合体の配合量を低減させても十分な糊付け性が得られることを見出した。これらの観点からも前記の課題の解決が切望されていた。
【0003】本発明の目的は、貯蔵中に凝集や分離沈降を引き起こさない酢酸ビニル系重合体を配合した糊剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、酢酸ビニルモノマーと0.01〜5ppmの酢酸ビニルオリゴマーからなる酢酸ビニル溶液を乳化重合させて得られる酢酸ビニルモノマー由来の構成骨格を有する重合体を含有するエマルジョン型糊剤を提供する。
【0005】なお、本発明において、酢酸ビニル溶液とは、酢酸ビニルモノマーと酢酸ビニル由来のオリゴマーを含んだ系を指し、酢酸ビニルオリゴマーとは、下記条件により測定された分子量(ポリスチレンを内部標準とする)が200〜2000のものである。
<分析条件>・カラム:ポリスリレンゲルカラム〔東ソー製G2000HXL(内径7.8mm、長さ30cm)と同G1000HXL(内径7.8mm、長さ30cm)を直列に接続〕
・移動相:テトラハイドロフラン・流 速:1ml/min・検出器:RI・定 量:面積【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、数多くの重合実験を重ねた結果、乳化剤量を低減させて重合を行なう際に、使用する酢酸ビニル溶液によって、貯蔵安定性が異なることに気づいた。通常、酢酸ビニル溶液には、酢酸ビニルモノマーが重合したオリゴマーが10ppm程度存在する。本発明者らは、これら酢酸ビニル溶液内のオリゴマー濃度が0.01〜5ppm、好ましくは0.1〜3ppmのものを用いて乳化重合を行って得られる糊料基剤を用いたエマルジョン型糊剤が、乳化剤の配合量が少ない場合でも優れた貯蔵安定性を示すことを見出した。
【0007】なお、このような酢酸ビニル溶液を得るためには、公知の精製法を用いて差し支えない。具体的には蒸留、薄膜蒸留などの方法で精製し、精製直後に乳化重合させて製造する方法や、酢酸ビニル溶液に重合禁止剤、例えばハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどを酢酸ビニル溶液に対して1〜50ppm添加し、冷暗所に貯蔵することで重合を抑制する方法を挙げることができる。重合抑制剤の多量配合は、好適な糊剤の製造に悪影響を示すため配合することは不都合であり、低濃度に制限されるが、重合抑制剤を配合したとしても、酢酸ビニル溶液内で、オリゴマーは生成されるため、酢酸ビニル溶液の長期保存は避け、重合の際にオリゴマー量を確認して使用することが望ましい。
【0008】なお、前記オリゴマーの定量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することができる。
【0009】酢酸ビニル重合体は、酢酸ビニルと、酢酸ビニル以外のモノマーとの共重合体であっても差し支えない。
【0010】かかるモノマーとしては、カチオン性モノマー、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の低級アルコールエステル及び不飽和カルボン酸アミドが挙げられる。
【0011】カチオン性モノマーとしては、下記一般式(1)〜(7)のカチオン性モノマー化合物等が挙げられ、これらのうち特に一般式(3)〜(5)のものが好ましい。
【0012】
【化1】

【0013】
【化2】

【0014】カチオン性モノマーは、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー混合物中に好ましくは0.1〜2重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%の割合で用いられる。
【0015】不飽和カルボン酸としては、特にアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸が好ましい。
【0016】また、不飽和カルボン酸の低級アルコールエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
【0017】このような不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸の低級アルコールエステルは、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー混合物中に好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%の割合で配合され重合される。
【0018】不飽和カルボン酸アミドとしては、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,Nージメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ダイアセトンイソアクリルアミドが好ましい。
【0019】不飽和カルボン酸アミドは、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー混合物中に好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%の割合で配合され重合される。
【0020】本発明の酢酸ビニル重合体は酢酸ビニルモノマーを最も多く反応させることによって得られる重合体であり、酢酸ビニルモノマーの割合は、前記の重合に供せられる全モノマー重量当たり、75〜99.8重量%、好ましくは82〜99重量%の割合で用いられる。
【0021】本発明では酢酸ビニル系重合体を製造する際に乳化剤として非イオン界面活性剤を使用することが好ましく、HLBが16〜19、特に16.5〜18.8のものが良好である。このような非イオン界面活性剤としては、アルキル鎖またはアルケニル鎖の炭素数が8〜18、好ましくは10〜18であり、エチレンオキサイド平均付加モル数が20〜70、好ましくは30〜60のポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはポリオキシエチレンアルケニルエーテルが挙げられる。非イオン界面活性剤濃度は糊剤中に、好ましくは0.02〜2重量%、より好ましくは0.02〜1重量%含有される。本発明では、特にこれら非イオン界面活性剤を、酢酸ビニル系重合体に用いるモノマー(但し、後述の陽イオン性高分子化合物及び/又は非イオン性高分子化合物を配合する場合は、これらも加えた量)100重量部に対して、0.1〜5重量部、特に0.2〜3重量部の割合で、重合時に配合することが好ましい。
【0022】本発明では、乳化安定化剤として陽イオン性高分子化合物を含有することが好ましい。具体的には、カチオン化澱粉及び/又はカチオン化セルロースを挙げることができる。これらの中でも5重量%水溶液の50℃における粘度が50〜100mPa・ s 、好ましくは60〜90mPa・ sであり、カチオン置換度が0.02〜1.5、特に0.03〜1.0のカチオン化澱粉及び/又はカチオン化セルロースが好適である。陽イオン性高分子化合物は、糊剤中に、好ましくは0.5〜6重量%含有される。本発明では、これら陽イオン性高分子化合物を、酢酸ビニル系重合体に用いるモノマーと陽イオン性高分子化合物の合計量(但し、後述の非イオン性高分子化合物を配合する場合は、これも加えた量)100重量部に対して、1〜25重量部、特に1〜20重量部の割合で配合した系で乳化重合を行うことが最も好ましい。なお、本発明でのカチオン置換度とは、グルコース単位当りのカチオン化度であり、澱粉またはセルロースを構成している水酸基の数はグルコース単位あたり3個であり、これが総てカチオン置換されている場合を3.0とする時の値である。
【0023】本発明では分離安定性をさらに向上させるために、非イオン性高分子化合物を併用することができる。非イオン性高分子化合物としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、化工澱粉、水溶性セルロース誘導体を挙げることができる。非イオン性高分子化合物は、糊剤中に0.1〜5重量%含有されることが好ましい。本発明では特に、これら非イオン性高分子化合物を、酢酸ビニル系重合体に用いるモノマーと非イオン性高分子化合物の合計量(但し、後述の陽イオン性高分子化合物を配合する場合は、これも加えた量)100重量部に対して、0.3〜25重量部、特に1〜20重量部の割合で配合した系で乳化重合を行うことが最も好ましい。
【0024】本発の酢酸ビニル系重合体の製造方法としては、重合開始剤として2、2‘−アゾビス(2−アミジノプロパン)、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸、過硫酸塩を使用することができる。開始剤の添加量は酢酸ビニルモノマーに対して0.01〜5重量%の範囲で使用することが好ましい。
【0025】重合反応の温度は40〜120℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時のpHは3〜9、好ましくは4〜8の範囲で行う。この際緩衝剤として炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、第1リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムのような無機塩を0〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%用いるのが良い。また、本発明に係わるエマルジョンを得るための重合時における各成分の添加方法は、全ての成分を同時に添加して反応させても良く、酢酸ビニル溶液以外の成分を仕込んだ容器に、酢酸ビニル溶液を徐々に添加する方法で行ってもよい。
【0026】本発明では、このようにして製造した酢酸ビニル系重合体を糊剤に配合するが、酢酸ビニル系重合体の濃度は、前記陽イオン性高分子化合物及び/又は非イオン性高分子化合物を含有する場合は、それらも含めた濃度が、好ましくは糊剤中に20〜40重量%、より好ましくは25〜35重量%である。また、本発明の糊剤の粘度は30℃で100〜350mPa・ s、好ましくは200〜300mPa・ sが好ましい。本発明は、濃度が低く、粘度が低い糊剤において、特に効果的であり、従来の糊剤と比較して安定性の向上が明らかである。
【0027】本発明の最終的な糊剤は、重合後のエマルジョンにその他任意成分を配合するか、水等で希釈することによって得られるが、本発明では糊剤と分けて説明するために、重合後のエマルジョン溶液を糊料基剤とする。
【0028】本発明では上記酢酸ビニル系重合体以外に、一般に糊剤に使用される成分を配合しても差し支えない。例えばジブチルフタレート、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、トリアセチンなどのような可塑剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、エタノールなどの凍結防止剤、殺菌剤、蛍光染料、顔料、香料などを添加することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば貯蔵中に凝集物が形成しない安定性に優れる糊剤を提供することができる。
【0030】
【実施例】合成例1.糊料基剤Aの合成5つ口フラスコに、カチオン性澱粉〔コーンスターチと3−(N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)−1,2−プロピレンオキサイドとの反応で得られたもの。カチオン置換度は0.06、5%水溶液の50℃における粘度は70mPa・ sである。〕6重量部及びイオン交換水100重量部を90℃にて均一溶解した後60℃まで冷却し、酢酸ビニル溶液10重量部、ポリビニルアルコール(重合度1500)3重量部、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレンオキシド平均付加モル数40、HLB18.3)1.0重量部を加え、さらに、炭酸ナトリウム0.5重量部、2.2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.1重量部、イオン交換水20重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、1時間かけて、酢酸ビニル、アクリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミドの最終比率が90/7/3(重量比)になるように予め混合しておいたもの100重量部を、反応溶液中に連続して滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、1時間熟成した。冷却後、1/10Nの硫酸水溶液でpH5に調整し、固形分約50%の糊料基剤Aを得た。なお、合成例1で使用した酢酸ビニル溶液のオリゴマー含有量は2ppmであった。
比較合成例1.糊料基剤Bの合成合成例1においてオリゴマー含有量が8ppmの酢酸ビニル溶液を使用した以外は同様の方法で糊料基剤Bを製造した(固形分約50%)。
実施例上記で合成した糊料基剤と表1に示す化合物を用いて、表1に示す糊剤を得た。それらを、直径20mm、高さ250mmの密閉できる円柱状のガラス製沈降管に50ml入れたものを10本用意し、40℃の恒温室に3ヶ月間静置貯蔵した。貯蔵後、目視により凝集物の形成を評価した。その結果、実施例1はすべての沈降管で分離や凝集物の形成が見られないのに対して、比較例1は4本の沈降管に凝集物の形成が確認された。
【0031】
【表1】

【0032】*シリコーンエマルジョン:シリコーンK−97K(信越化学工業社製)




 

 


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