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発明の名称 抗菌性繊維及びその製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−295177(P2001−295177A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−106781(P2000−106781)
出願日 平成12年4月7日(2000.4.7)
代理人
発明者 小泉 博史
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 Nー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を繊維重量に対して0.03〜5mmol/kg含み、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に含有されている抗菌性繊維。
【請求項2】 繊維のpHが4.5〜8.0である請求項1に記載の抗菌性繊維。
【請求項3】 湿式紡糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前のゲル状膨潤繊維にNー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を含有する分散液を接触させることによって、Nー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を、繊維重量に対して0.03〜5mmol/kgで、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に固着させることを特徴とする抗菌性繊維の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料用、インテリア用、産業用等の用途において、優れた抗菌性を有し、しかもこの効果を永続して有する抗菌性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生活様式の変化にともない多種多様な性能を有する繊維が提供されてきているが、なかでも衛生観念の高度化により抗菌性能を有する繊維の要求が益々高まってきている。抗菌性能を有する繊維は、各種抗菌剤の溶液で繊維を処理する、各種抗菌剤を繊維原料に混合して繊維を製造する、等の技術により製造される。
【0003】抗菌剤の一つとして、銀系化合物や銅系化合物が知られており、この抗菌剤を付着させてなる抗菌性繊維は、例えば、特開昭52−92000号公報に記載されている。この公報には、特定のスルホン酸基含有アクリル系繊維を銀塩又は銅塩含有水溶液で処理し、繊維中に特定量の銀イオン又は銅イオンを結合させて抗菌性アクリル系繊維を製造する方法が開示されている。本発明者らが検討した結果、この銀イオン又は銅イオンを付着させたアクリル系繊維は、洗濯又はドライクリ一ニング等により抗菌性能が低下し、実用的に十分な抗菌性能を発揮しないことが解った。洗濯等により抗菌性能が低下する理由は、繊維に付着した抗菌剤が徐々に脱落していく為と考えられる。
【0004】抗菌剤の脱落を防止するためには、抗菌剤を繊維の内部に含有させる方法が考えられる。例えば、特公平6−92350号公報や特公平8−25847公報に記載されている、Nー長鎖アシルアミノ酸の抗菌作用を有する金属塩を含有する繊維及び紙が提案されている。この技術は、抗菌剤を、繊維製造原液に混合して紡糸するものである。しかし、抗菌剤を繊維内部に含有する繊維は抗菌性が低い。
【0005】抗菌性を有する紙は、バインダーを介して抗菌剤を紙に付着させる方法の提案であるが、洗濯等による脱落が大きく、耐久性に問題があることが判った。本発明者らの検討によれば、抗菌剤の機能を十分に発揮させ、洗濯等による脱落を低減するためには、繊維の表面層に抗菌剤が存在していなければならず、繊維中心部に含有された抗菌剤はその機能を十分に発揮することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維の有する優れた物理的性質を損なうことなく、従来の抗菌性繊維の有する前記問題点を解決し、実用的に十分な抗菌性能を有し、かつ、耐久性に優れた抗菌性繊維を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の構成は次の通りである。
(l) Nー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を繊維重量に対して0.03〜5mmol/kg含み、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に含有されている抗菌性繊維、(2)(1)の抗菌性繊維において、繊維pHが4.5〜8.0に調整された抗菌性繊維、(3)湿式紡糸後または乾湿式紡糸後、乾燥前のゲル状膨潤繊維にNー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を含有する分散液を接触させることによって、Nー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を、繊維重量に対して0.03〜5mmol/kgで、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に固着させることを特徴とする抗菌性繊維の製造法である。
【0008】以下、本発明の抗菌性繊維を詳細に説明する。本発明の繊維としては、例えば、木綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、銅アンモニアレーヨン、ビスコ―スレーヨン及びセルロースの有機溶剤溶液を紡糸して製造されるセルロース繊維等の人造セルロース系繊維、アセテ一ト等の半合成繊維、アクリル系合成織維等が挙げられる。これらの繊維のうち、アクリル系合成繊維は他の繊維に比較して抗菌性能の洗濯耐久性が優れているので好ましい。
【0009】より好ましいアクリル系合成繊維は、アクリロニトリル(以下、ANという)を少なくとも35重量%と、65重量%までのANと共重合可能な不飽和ビニル化合物との共重合体からなる繊維である。ANと共重合可能な他の不飽和ビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)、アクリルアミドまたはメタクリルアミド及びそれらのモノアルキル置換体、スチレン、ビニルアセテ−ト、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、ビニルピリジン、そしてスチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及びこれらのスルホン酸の塩類等である。
【0010】本発明のNー長鎖アシルアミノ酸塩の形成に用いられるN−長鎖アシルアミノ酸は、N位に長鎖アシル基を有するアミノ酸である。長鎖アミノ酸としては、高級脂肪酸残基が好ましく、例えばデカノイル基、ラウロイル基、ミリスロイル基、バルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基などが好ましい。また、アシル基としては、単一のものに限られず、上記のアシル基の複数の種類のものを用いてもよい。
【0011】アミノ酸成分としては、モノアミノモノカルボン酸、モノアミノジカルボン酸、ジアミノモノカルボン酸のいずれでもよい。本発明の抗菌作用物質として、高い抗菌性を有するものとする場合には、モノアミノジカルボン酸を用いることが好ましく、このモノアミノジカルボン酸は、2つのカルボキシル基を有するので、抗菌作用を有する金属が結合しやすく、全体として抗菌作用の強いものとすることができる。
【0012】アミノ酸の具体例としては、モノアミノモノカルボン酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トレオニン、トリブトファン、メチオニンなどであり、モノアミノジカルボン酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸であり、ジアミノモノカルボン酸としては、リジン、アルギニン、ヒスチジンである。そして、N−長鎖アシルアミノ酸としては、1種類のものに限定されず、多数の種類のものを用いてもよい。
【0013】本発明の抗菌作用性物質に含有されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の好ましい具体例としては、N−ステアロイルグルタミン酸銀、N−ラウロイルグルタミン酸銀、N−ミリストイルグルタミン酸銀、N−ステアロイルグルタミン酸銅、N−ラウロイルグルタミン酸銅、N−ミリストイルグルタミン酸銅、N−ステアロイルアスパラギン酸銀、N−ラウロイルアスパラギン酸銀、N−ミリストイルアスパラギン酸銀、N−ステアロイルアスパラギン酸銅、N−ラウロイルアスパラギン酸銅、N−ミリストイルアスパラギン酸銅、N−ステアロイルバリン銀、N−ラウロイルバリン銀、N−ミリストイルバリン銀、N−ステアロイルバリン銅、N−ラウロイバリン銅、N−ミリストイルバリン銅、N−ステアロイルフェニルアラニン銀、N−ラウロイフェニルアラニン銀、N−ミリストイルフェニルアラニン銀、N−ステアロイルフェニルアラニン銅、N−ラウロイルフェニルアラニン銅、N−ミリストイルフェニルアラニン銅、N−ステアロイルアルギニン銀、N−ラウロイルアルギニン銀、N−ミリストイルアルギニン銀、N−ステアロイルアルギニン銅、N−ラウロイルアルギニン銅、N−ミリストイルアルギニン銅などが挙げられる。
【0014】上記のN−長鎖アシルアミノ酸塩は、水、各種の有機溶媒に対して難溶性で、常温において粉末状であり、各種の溶媒に容易に分散させることができる。本発明の抗菌作用性物質に含有される抗菌性を有する金属のN−長鎖アシルアミン酸塩は、以下のようにして形成することができる。まず、N−長鎖アシルアミノ酸のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩の水溶液に、抗菌性を有する金属の塩、例えば硝酸銀、硝酸銅、硫酸銀、硫酸銅、酢酸銀、酢酸銅、塩化銅などの水溶液の塩を混合することにより、抗菌性を有する金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩の沈殿物として容易に得ることができる。そして、上記のように得たN−長鎖アシルアミノ酸塩の沈殿物を乾燥させることにより、粉末状のN−長鎖アシルアミノ酸塩を得ることができる。
【0015】本発明において使用される異なった金属が結合したN−長鎖アシルアミノ酸塩は、それぞれ個別に上記のように作成してよく、また、N−長鎖アシルアミノ酸塩のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩の水溶液に、抗菌性を有する金属の塩、例えば硝酸銀、硝酸銅、硫酸銀、硫酸銅、酢酸銀、酢酸銅、塩化銅などより金属が異なる塩の水溶液を2種選択し、同時に、または順次上記のN−長鎖アシルアミノ酸水溶液に混合することにより、異なった金属が結合したN−長鎖アシルアミノ酸塩の混合物として作成してもよい。
【0016】本発明の抗菌作用性物質に含有されている抗菌性を有する金属のN−長鎖アシルアミノ酸塩は粉末状となっており、各分子中に少なくとも1つの抗菌性を有する金属が結合した塩であるので、極めて高い抗菌力を有している。さらに、基本骨格を形成するものがアミノ酸であるため、毒性が少なく、種々の用途に安全に使用できる。抗菌剤は、繊維重量に対して0.03〜5mmol/kg、好ましくは0.1〜2mmol/kg含み、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横繊断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に含有されている繊維表面上又は上記の領域以外の繊維内層にも抗菌剤が存在してもよいが、これらの抗菌剤は、本発明の目的達成には十分な寄与をしない。
【0017】繊維中の抗菌剤の含有量が0.03mmol/kg未満の場合は抗菌性が低くなり、5mmol/kgを越える場合は熱処理によって著しく着色する。更に、本発明においては、繊維に含まれる抗菌剤の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に含有されている必要がある。上記領域中の含有率が50重量%未満の場合は、所定の抗菌性及び耐久性を付与するために、繊維全体に含まれる抗菌剤量を増加させる必要があり、その結果、光等により繊維が着色し易くなる。
【0018】また、繊維表層外部にバインダーを介して含有させると洗濯等により脱落し易くなるので好ましくない。抗菌剤が付与された繊維のpHは、4.5〜8.0が好ましく、より好ましくは、5.5〜7.0である。繊維pHが、4.5未満または8.0を超えると、金属に対する腐食性が増加し、紡績装置等の繊維加工機械の錆を誘発する傾向がある。
【0019】繊維のpHは、N−長鎖アシルアミノ酸塩の種類及び/または含有量により異なる。従って、繊維pHが規定の範囲を越えた場合には、調整が必要である。調整は、N−長鎖アシルアミノ塩の分散液及び/または繊維への後処理で調整することができる。繊維のpHが4.5未満の場合は、弱酸と強塩基の塩による調整が好ましく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウムなどが好ましい。
【0020】繊維のpHが8.0を超える以上の場合は、金属腐食性の少ない酸による調整が好ましい。このような酸としては、例えば、燐酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、トリカルバリン酸、ベンゼントリカルボン酸、イタコン酸等が好ましい。抗菌剤で処理する繊維の形態は、短繊維、長繊維、トウ、紡績糸、編物、織物、不織布、更には最終繊維製品等があり、その形態は限定されない。
【0021】本発明の抗菌性繊維は、上記の繊維表面層に存在する抗菌剤によって優れた抗菌性能と耐久性能が得られるのであり、それよりも繊維の内部層に抗菌剤が含有されている場合には、抗菌性能を十分に発現することができない。本発明の抗菌剤は、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌等の細菌及び真菌に対して優れた効果を発揮する。特に黄色ブドウ球菌に好適である。次に、本発明の抗菌性繊維の製造法を説明する。
【0022】本発明の繊維の製造法の一つは、湿式紡糸又紡糸原液を一端空中に吐出した後、凝固浴に導く乾湿式紡糸法により紡糸し、凝固した後の繊維を、未乾燥の状態で、即ち、ゲル状態の繊維に抗菌剤を付与して乾燥する方法である。抗菌剤の付与量、乾燥条件等は、 Nー長鎖アシルアミノ酸の銀塩及び/又は銅塩を、繊維重量に対して0.03〜5mmol/kgで、その内の50〜100重量%が繊維の表面と繊維表面から内部に向かって2μmの間の領域及び、繊維横繊断面幅が4μm未満の場合はその領域全体に固着するように適宜調節すればよい。
【0023】湿式紡糸法によるアクリル系合成繊維等の場合、凝固した後の乾燥前のゲル状繊維であってもよい。ゲル状繊維の場合は繊維の内部にまで抗菌剤が浸人し、抗菌剤がより強固に繊維に固着するので好ましい。本発明の繊維を製造する別の方法の例は、抗菌剤を溶解又は分散させた溶液を繊維に付与した後、乾燥し、60℃以上で熱処理方法である。
【0024】本発明の抗菌剤を含有する溶液に繊維を浸漬したり、抗菌剤を含有する水溶液を霧状にして繊維に噴霧する等の方法により繊維に抗菌剤を繊維重量に対して0.2〜200μmol/kg付与する。繊維を抗菌剤溶液に浸漬した場合は、過剰の抗菌剤溶液をロ−ラ等により絞り、除去する。抗菌剤は、水溶液で使用する他、有機溶剤に分散した溶液も使用することができる。この溶液に含まれる抗菌剤の濃度は、好ましくは1〜300ppm、より好ましくは5〜200ppmである。抗菌剤溶液の温度は5〜80℃が好ましい。次いで、抗菌剤溶液を付与した繊維を乾燥する。乾燥に続いて60℃以上で熱処理することにより、抗菌剤をより強固に繊維に固着させる。熱処理温度は、好ましくは、60〜150℃、より好ましくは100〜130℃である。熱処理を60℃以上で行うことにより抗菌剤が繊維に一層強く固着し、洗濯耐久性が向上する。しかし、150℃を越えると繊維が着色し易くなる。熱処理時間は一般には0.5〜60分である。熱処理は、水蒸気による湿熱処理、空気又は窒素等の不活性雰囲気による乾熱処理等が採用される。水蒸気による湿熱処理を行うと、抗菌剤が繊維に強固に固着すると共に、繊維の着色が少ないので好ましい。本発明の繊維を製造する別の例は、【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
1)抗菌性能の測定法抗菌性能の測定は、衛生加工製品の加工効果評価試験方法(マニュアル)<繊維製品衛生加工協議会>に基づき、黄色ブドウ球菌による菌数測定法により行う。即ち、(1)普通ブイヨン培地で調整した黄色ブドウ球菌を5〜30×105個/ml含有する試験菌懸濁液0.2mlを、約0.2gの試料の上に均一に接種する。
(2)試料は、ブランクを6検体、評価試料を3検体用意し、接種後、ブランクの3検体、評価試料3検体を直ちに35〜37℃で18時間静置培養する。
【0026】(3)培養しないブランクの3検体は接種直後に、又、培養したブランクの3検体及び評価試斜の3検体は培養終了後に、滅菌緩衝生理食塩液を20ml加え、振盪して試料中の生菌を液中に分散させ、この分散菌液から滅菌緩衝生理食塩液で希釈系列を作り、下記の「A」「B」「C」の菌数を測定する。
「A」:接種直後分散回収したブランク(3検体)
「B」:l8時間培養後分散回収したブランク(3検体)
「C」:l8時問培養後分散回収した評価試料(3検体)
【0027】(4)菌数測定は、希釈液1mlをシャ―レに入れ、標準寒天培地の約15ml混釈平板を作成(同一希釈液につき平板を2枚作成する)後、35〜37℃で24〜48時間培養し、生育したコロニ−数を計測し、その希釈倍数を乗じて試料中の生菌数を算出する。
(5)式1により、増減値差を計算して抗菌性を評価する。数値の高いものほど抗菌性に優れている。
「A」の菌数の平均a「B」の菌数の平均b「C」の菌数の平均cとするとき、【0028】
【数1】

【0029】2)洗濯方法家庭用電気洗濯機を用い、JAFET標準洗剤(繊維製品新機能評価協議会指定洗剤、化学名:ポリオキシエチレンアルキルエーテル)2g/lを含有する40℃の水溶液中で5分間洗濯後、流水で2分間洗浄、脱水後さらに流水で2分間洗浄、次いで脱水し、乾燥する。これを洗濯1回(HL1)として評価し、以下同様に洗濯を10回(HL10)行い、評価する。
3)繊維pHの測定JISーL−1096の生地PHの測定方法(抽出法)同一の操作により、繊維pHを測定する。
4)抗菌剤分布の測定【0030】抗菌剤の分布の測定は、抗菌剤が含有する金属の分布を、SIMS測定により測定し、分布の割合を、カラー画像解析装置により計測した。測定条件は、以下の通りである。
<SIMS測定>装置:ATOMIKA4100型1次イオン系条件イオン:Ga+加速電圧:25keV電流値 :13mAアパーチャー:100μmイメージ領域:40μm2ピクセル数:128×128スキャン速度:8秒/スキャン増感用O2+イオン注入条件加速電圧:5keV入射角度:45deg電流 :85nA照射面積:150μm2スキャン速度:1秒/スキャン測定シーケンス上記条件で各元素ごとに1ラスタスキャンし、イメージを取得した。イオン注入は各元素ごとの測定前に3スキャン行った。シグナル強度を向上させるため、これを50セット行い、その後データ処理によって得られた50個のイメージを各元素ごとに算出した。
【0031】5)錆の評価(1)金切り鋸(NACHI印、JISsks−7)の中間品(歯を付ける前の中間製品)を、砥石で表面の黒いを完全に取り去った後、サンドペーパー(AA−400)で仕上げ(表面及び側面)研磨を行い、純水で水洗の後、 105℃で30分乾燥し、デシケーター中で冷却した試験片を準備する。
(2)試験繊維試料を105℃で30分乾燥し、デシケーター中で冷却し、試験繊維試料を準備する。
(3)(1)で準備した試験片に(2)で準備した試験繊維試料を軽く巻き付け、テープ等で固定する。試験繊維試料は、各3点作成する。
(4)(3)で作成した試験試料片を、25℃、95%RHに調整した恒温恒湿器に入れ、24時間放置する。
(5)24時間後に、試験試料片を取り出し、試験繊維試料と剥がし、錆の発生状況を、繊維面と試験片面を観察して、錆発生の有無を確認する。
【0032】
【実施例1〜5、比較例1〜2】Nー長鎖アシルアミノ酸のアルカリ金属塩として、NーステアロイルーL−グルタミン酸ジナトリウムを用い、水500ccに、N−ステアロイルーLーグルタミン酸ジナトリウムを135g溶解した水溶液を作成した。抗菌性を有する金属として、銀を用い、硝酸銀80gを水500ccに溶解した硝酸銀水溶液を作成した。そして、上記のNーステアロイルーL−グルタミン酸ジナトリウム水溶液に、上記の硝酸銀水溶液を混合させることにより、沈殿物が形成され、この沈殿物を加熱乾燥させてN−ステアロイルーL−グルタミン酸銀約180gを得た。
【0033】得られたNーステアロイルーLーグルタミン酸銀5gと、界面活性剤としてジメチルラウリルベタイン3gを、水500ccにホモミキサーで分散させ、抗菌性を有するN−ステアロイルーL−グルタミン酸銀分散水溶液を調整した。AN93重量%、アクリル酸メチル6重量%及びメタリルスルホン酸ナトリウム1重量%を共重合した共重合体を硝酸水溶液に溶解して常法により湿式紡糸し、水洗、延伸、乾燥してアクリル繊維を製造した。上記の抗菌剤水溶液に繊維を浸漬し、抗菌剤を乾燥繊維重量に対して0.01mmol/kg(比較例1)、0.1mol/kg(実施例1)、0.5mmol/kg(実施例2)、1.0mmol/kg(実施例3)、3.0mmol/kg(実施例4)、5.0mmol/kg(実施例5)、10.0mmol/kg(比較例2)付着させ、80℃の熱風で乾燥した。その後、繊維を110℃の水蒸気により湿熱セットを行った。
【0034】得られた繊維及び洗濯10回後の繊維の抗菌性能をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。表1から、本発明の繊維は抗菌性能についての洗濯耐久性に優れており、一方、抗菌剤の付着量が少ないと(比較例1)繊維の着色が無いが、抗菌性能が低下し、多すぎると(比較例2)繊維に接着及び着色が惹起されることがわかる。
【0035】
【実施例6〜8、比較例3〜5】実施例1で製造した延伸後の未乾燥繊維に、実施例1で製造した抗菌剤水溶液を付与し、80℃で1時間乾燥した後、オートクレーブで110℃の飽和蒸気で5分間処理を行い、抗菌繊維を製造した。比較例として、実施例1で製造したアクリル供重合体とN−ステアロイル−L−グルタミン酸銀をジメチルホルムアミドに溶解して常法により湿式紡糸し、水洗、乾燥した後に110℃の飽和蒸気で5分間処理を行い、比較繊維を製造した。この繊維の抗菌性能を実施例1と同様に測定した。その結果を表2に示す。
【0036】表2から、本発明の抗菌繊維は、抗菌性について洗濯耐久性に優れるとともに繊維の接着および着色が惹起されないことがわかる。また、同量の抗菌薬剤を添加した比較例の繊維は、繊維表層内部の添加量が少なく、抗菌性も劣るのもであり、添加量を増加することにより抗菌性は良好となるが、着色が激しくなることがわかる。
【0037】
【実施例9〜13、比較例6〜7】Nー長鎖アシルアミノ酸のアルカリ金属塩として、NーステアロイルーL−グルタミン酸ジナトリウムを用い、水500ccに、N−ステアロイルーLーグルタミン酸ジナトリウムを415g溶解した水溶液を作成した。抗菌性を有する金属として、銅を用い、硝酸銅195gを水500ccに溶解した硝酸銅水溶液を作成した。そして、上記のNーステアロイルーL−グルタミン酸ジナトリウム水溶液に、上記の硝酸銅水溶液を混合させることにより、沈殿物が形成され、この沈殿物を加熱乾燥させてN−ステアロイルーL−グルタミン酸銅約460gを得た。
【0038】得られたNーステアロイルーLーグルタミン酸銅3gと、実施例1で得られたNーステアロイルーLーグルタミン酸銀3gと、界面活性剤としてジメチルラウリルベタイン3.5gを、水500ccにホモミキサーで分散させ、抗菌性を有するN−ステアロイルーL−グルタミン酸銀とN−ステアロイルーL−グルタミン酸銅の混合分散水溶液を調整した。AN93重量%、アクリル酸メチル6重量%及びメタリルスルホン酸ナトリウム1重量%を共重合した共重合体を硝酸水溶液に溶解して常法により湿式紡糸し、水洗、延伸してアクリル未乾燥繊維を製造した。上記の抗菌剤水溶液に繊維を浸漬し、抗菌剤を乾燥繊維重量に対して0.01mmol/kg(比較例6)、0.1mmol/kg(実施例9)、1.0mmol/kg(実施例10)、3.0mmol/kg(実施例11)、10.0mmol/kg(比較例7)付着させ、80℃の熱風で乾燥した。その後、繊維を110℃の水蒸気により湿熱セットを行った。
【0039】また、実施例9〜11の繊維pHを測定したところ、実施例10及び11の繊維pHが4.50以下であったため、抗菌剤水溶液に炭酸ナトリウムを添加し、処理液pHを10とし、同様の処理を行い実施例12及び13の繊維を得た。得られた繊維及び洗濯10回後の繊維の抗菌性能及び発錆性をそれぞれ測定した。その結果を表3に示す。表3から、抗菌作用性物質が銀と銅の混合物であっても、本発明の繊維は抗菌性能についての洗濯耐久性に優れており、一方、抗菌剤の付着量が少ないと(比較例6)繊維の着色が無いが、抗菌性能が低下し、多すぎると(比較例7)繊維に接着及び着色が惹起されることがわかる。
【0040】また、綿pHが4.5以下となる繊維(実施例10、11)は、発錆性があることがわかり、炭酸ナトリウムによりpH調整を行った繊維(実施例12、13)は、錆の発現が無いことがわかる。
【0041】
【実施例14〜16、比較例8〜10】経糸をアクリル繊維、緯糸をポリエステル繊維で構成されているカーテン用の織物に、実施例1で製造した抗菌剤分散水溶液を含有させて、130℃で5分間乾燥を行い抗菌繊維のカーテン地を製造した。同様に、抗菌剤として市販の硝酸銀水溶液を用いて処理を行い、比較用抗菌繊維のカーテン地を製造した。これらのカーテン地の抗菌性を実施例1と同様に測定した。その結果を表4に示す。表4から、本発明の繊維を用いたカーテン地は、抗菌性能について洗濯耐久性に優れていることがわかる。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
【表3】

【0045】
【表4】

【0046】
【発明の効果】本発明の抗菌性繊維は、抗菌剤としてN−長鎖アシルアミン酸の銀塩及び/又は銅塩が繊維に強固に付着しており、表層内部に抗菌剤が存在しているため、少ない抗菌剤量で、多大な効果を発現することより、従来の銀塩あるいは銅塩を付着した抗菌性繊維とは異なる。従来の抗菌剤は通常の洗濯により繊維から容易に脱落するが、本発明の抗菌剤は脱落することがない。このために、本発明の繊維は、抗菌性能に優れていると同時に、極めて優れた耐久性のある抗菌性能を有している。




 

 


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