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発明の名称 交編編地
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−279562(P2001−279562A)
公開日 平成13年10月10日(2001.10.10)
出願番号 特願2001−15266(P2001−15266)
出願日 平成13年1月24日(2001.1.24)
代理人 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4L002
【Fターム(参考)】
4L002 AA07 AB02 AB04 AB05 AC01 BA00 BB01 EA00 EA05 EA06 FA01 
発明者 池永 秀雄 / 片岡 直樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と該仮撚加工糸以外の繊維とが交編された交編編地であって、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸が編地の15重量%以上70重量%以下の混率で交編され、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が40%以上で、交編する相手糸より5%以上高く、かつ、該交編編地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方のストレッチ率が30%以上であることを特徴とする交編編地。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高ストレッチ性で伸長回復性に優れた交編編地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高ストレッチ性で伸長回復性に優れた編地として、ポリウレタン弾性繊維を交編した編地や、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸やポリブチレンテレフタレート仮撚加工糸からなる編地が、スポーツ、アウター、インナー衣料等に広く用いられている。
【0003】しかしながら、ポリウレタン弾性繊維を交編した編地は、高いストレッチ性、伸長回復性が得られるものの、編地が比較的高密度になるため重くなり、また、高温染色の際にはポリウレタン弾性繊維がぜい化したり、ポリエステル繊維との交編では分散染料で染色する際の染料移行の問題に注意を要するため、染色加工時の取り扱い性が煩雑となるとともに、製品後の日光照射や繰り返し洗濯によりポリウレタン弾性繊維がぜい化しやすいという欠点を有する。さらに、編立・染色加工工程の取り扱い性の煩雑さ、及び、ポリウレタン弾性繊維の原糸価格が高いことによりコスト高になるという問題点があった。
【0004】一方、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸やポリブチレンテレフタレート仮撚加工糸からなる編地は、編立・染色加工工程時の取り扱い性の問題点は少ないという利点はあるが、交編編地にする場合は相手糸の伸長・回復特性の影響を大きく受け、十分なストレッチ性、伸長回復性が得られにくいという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点を解決し高温染色時や、日光照射、繰り返し洗濯等によるぜい化の問題が少なく、高ストレッチ性で伸長回復性に優れた交編編地に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の結果、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を特定の混率で相手糸と交編し、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率を特定範囲にすることによって本発明の目的が達成されることを見出し本発明を完成した。すなわち本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と該仮撚加工糸以外の繊維が交編された交編編地であって、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸が編地の15重量%以上70重量%以下の混率で交編され、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が40%以上で、交編する相手糸より5%以上高く、かつ、該交編編地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方のストレッチ率が30%以上であることを特徴とする交編編地である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と該仮撚加工糸以外の繊維が交編された交編編地である。本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート繊維とは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を約50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上のものをいう。従って、第三成分として他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらには20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
【0008】ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に重縮合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、又、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンとポリトリメチレンテレフタレートを別個に製造した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。
【0009】複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロンを並列的あるいは偏芯的に配置したサイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがあり、特にポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に、特開2000−239927号公報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
【0010】添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等が挙げられる。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用出来る。
【0011】さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。本発明においてポリトリメチレンテレフタレート繊維の紡糸については1500m/分程度の巻取り速度で未延伸糸を得た後、2〜3.5倍程度で延撚する方法、紡糸−延撚工程を直結した直延法(スピンドロー法)、巻取り速度5000m/分以上の高速紡糸法(スピンテイクアップ法)の何れを採用しても良い。
【0012】繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。又、本発明でいうポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸とは、前記ポリトリメチレンテレフタレート繊維の長繊維をピン仮撚やフリクション仮撚、ベルトニップや空気仮撚等、通常一般に行われる仮撚方法で加工される仮撚加工糸のことをいう。ここで本発明の交編編地は、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が40%以上であることが必要である。より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上である。
【0013】ここでいう編地から解かれる繊維の捲縮伸縮率とは、染色仕上げ工程を経た編地から解いた糸を以下の方法で測定する値であり、繊維の捲縮と、編地となって付型されたループ状の捲縮により、染色仕上げ工程を経た編地中の繊維がどの程度の伸縮特性をもつかを簡易的に示すものである。この測定方法は、まず染色仕上げ工程を経た編地から、損傷を与えないように繊維を解く。解いた繊維の一端をクランプで固定し、他端に0.09gf×繊維デシテックス数の荷重をかけて吊し、30秒後に繊維の試料長が20cmの間隔の位置に正確に印を付け荷重を取り除く(繊維を解くときに繊維が受ける張力のバラツキを少なくするために、まず繊維に0.09gf/繊維デシテックス数の荷重をかけて繊維の捲縮を伸ばす荷重をかける。)。1分間放置後1.8mgf×繊維デシテックス数の荷重をかけ30秒後の繊維の試料長(a)を正確に測定する。そして次式によって捲縮伸縮率(%)を算出する。計10本の繊維を解きその平均値を捲縮伸縮率とする。同じ繊維で編組織が異なる場合(例えば天竺編とゴム編)は、混合して捲縮伸縮率の平均値を求める。
捲縮伸縮率(%)=〔(20−a)/a〕×100【0014】編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が40%以上であることにより、編地はポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮の伸縮を活かした良好なストレッチ性、伸長回復性を示すものとなる。ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が40%未満の場合には、編地は十分なストレッチ性、伸長回復性を示さないものとなる。ここで、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率を40%以上にするためには、仮撚加工糸の製造方法からすると、ボイル処理や乾熱処理後の捲縮伸長率を高くする方法が好ましく、仮撚温度を170℃以上とし、1ヒーター仮撚とする方法が好ましい。又、編地の仕上げ方法からすると、編地中のポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮をフローさせない様にプレセット、ファイナルセット等の乾熱ヒートセット温度を170℃以下とし、特にファイナルセット時の幅出し率を10%以下に抑えることが好ましい。
【0015】又、本発明は編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は交編する相手糸の捲縮伸縮率より5%以上高いことが必要である。より好ましくは10%以上である。ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が交編する相手糸の捲縮伸縮率より5%以上高いことにより、染色仕上げ工程で捲縮発現する際に、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸が編地中で緻密に充填し相手糸が粗に充填する構造をとる。これにより編地を伸長する際には伸長力がいち早くポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮にかかり、伸長後回復する際もポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮の力により編地が回復するものとなり、即ちポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の良好なストレッチ性、伸長回復性が活かされる編地となる。
【0016】ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が交編する相手糸の捲縮伸縮率より5%以上高くない場合は、編地を伸長する際にポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮と同時に相手糸の捲縮にも伸長力がかかりやすくなる。即ち、編地のストレッチ性、伸長回復性は相手糸のストレッチ性、伸長回復性に大きく左右されるものとなるため、良好なストレッチ性、伸長回復性を得ることが困難となる。
【0017】本発明において、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率が交編する相手糸の捲縮伸縮率より5%以上高いことを満たしていれば、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と交編する相手糸はいかなる繊維でも構わず、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維等の合成繊維や、綿、ウール、麻、絹等の天然繊維、キュプラ、レーヨン、アセテート、ポリノジック、リヨセル等の人造セルロース繊維等を用いることができる。相手糸の繊維の形態は原糸、加工糸(撚糸、仮撚加工糸、エアー加工糸等)のいずれを用いても良く、例えば編地表面を光沢のある平滑な表面品位にしたい場合は原糸を、ストレッチ性や嵩高性をより加えたい場合は相手糸に仮撚加工糸を用いる等、目的に応じて任意に相手糸を選定することができる。よりソフトな編地にするためにポリトリメチレンテレフタレート繊維原糸を相手糸に用いることもできる。
【0018】さらに本発明では、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の編地重量に対する混率が15重量%以上70重量%以下であることが必要である。より好ましくは25重量%以上70重量%以下である。混率が15重量%未満であるとポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸のストレッチ性、伸長回復特性が活かされない編地となり、70%を超えると交編する相手糸の特徴が活かされないものとなる。
【0019】更に、本発明の交編編地はタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方のストレッチ率が30%以上あることが必要である。タテ・ヨコ方向のストレッチ率は編組織、編地密度、仕上げ時のフィード率、幅出し条件などに左右されるが、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の良好な伸長回復率を得るためにはタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方のストレッチ率が30%以上であることが必要である。ここでいうストレッチ率とはJIS−L−1080−B法、定荷重法の1.5kg荷重で測定される値であり、ストレッチ率が30%未満である場合は、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮を活かしたストレッチ性、伸長回復率が得られないものとなる。編地のストレッチ率は30%以上であれば用途に応じて任意に設定でき、例えばジャージィやシャツ地等の人体とのゆとり率のある衣料用の場合は比較的低いストレッチ率に編地設計を設定すればよく、水着、スパッツ等の人体に密着する衣料に用いる場合は比較的高いストレッチ率に設定すればよい。
【0020】本発明においてポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と該仮撚加工糸以外の繊維を交編する方法としては、丸編、横編であれば、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と交編する相手糸を異なる給糸口から供給して交編する方法や、同一の給糸口から引き揃えて同時に供給する方法等で交編することができる。経編であれば、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と交編する相手糸を異なる筬に配置して供給する方法や、同一の筬に1本交互や2本交互等に配置して供給する方法等で交編することができる。
【0021】本発明の交編編地の編組織は特に限定されることはなく、スムース、ポンチローマ、モックロディ等のダブル丸編地、天竺、鹿の子等のシングル丸編地、ハーフ、バックハーフ等の経編地等通常一般に用いられる編組織を使用することができるが、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸は編地の地組織に用い、丸編、横編ではストレッチ性の高くなる天竺組織、リブ組織等、経編ではデンビ組織等、基本的にニットループで構成された編組織で編成することがより良好なストレッチ性を得る上で好ましい。
【0022】さらに編成の際の編み込み長は、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の編み込み長が交編する相手糸の編み込み長の0.5〜1.7倍の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは0.5〜1.5倍である。ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の編み込み長が交編する相手糸の0.5倍未満であるとポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸のストレッチ性が活かされない編地となり、1.7倍を越えると編地を伸長する際に相手糸に伸長力がかかりやすくなり、良好なストレッチ性、伸長回復性が得られない編地となる。ここででいう編み込み長とは、編地において一定の編目数を形成する際の糸の供給量をいい、製編時の糸供給量もしくは、染色仕上げした編地の糸をほどいて、0.09gf/繊維デシテックス数の荷重をかけて繊維の捲縮を伸ばした状態で計測される長さである。
【0023】本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の単糸繊度は、0.55〜5.5デシテックスの範囲のものを用いることができる。該単糸繊度は、布帛のソフト性をより向上させるためには1.1〜4.7デシテックスが好ましい。尚、本発明に用いるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸は本発明の目的を損なわない範囲内で通常60重量%以下の割合の他の繊維と、エアー混繊、交撚、複合仮撚(引き揃え仮撚、伸度差仮撚等)等の手段で混用されていてもよい。混用する繊維はいかなる繊維でも構わないが、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリルニトリル系繊維、ポリビニル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリウレタン系繊維等の合成繊維を好ましく混用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。また、実施例において使用したポリトリメチレンテレフタレート繊維は、次のようにして準備した。即ち、ηsp/c=0.8のポリトリメチレンテレフタレートを紡糸温度265℃、紡糸速度1200m/分で紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度60℃、ホットプレート温度140℃、延伸倍率3倍、延伸速度800m/分で延撚して、84デシテックス/24fの延伸糸(丸断面)を得た。延伸糸の強度、伸度、弾性率並びに10%伸長時の弾性回復率は、各々2.9g/デシテックス、43.4%、26.8g/デシテックス並びに99%であった。
【0025】尚、10%伸長時の弾性回復率は、試料に0.009g/デシテックスの初荷重をかけ、毎分20%の伸びの一定割分の速度で伸ばし、伸度10%になったところで今度は逆に同じ速度で収縮させて応力−歪曲線を画く。収縮中、応力が初荷重と等しい0.009g/デシテックスにまで低下した時の残留伸度をLとすると、下記式で算出する。
10%伸長時の弾性回復率=〔(10−L)/10〕×100(%)
【0026】又、ηsp/cはポリマーを90℃でo−クロロフェノールに1g/デシリットルの濃度で溶解し、その後、得られた溶液をオストワルド粘度管に移し35℃で測定し、下記式により算出した。
ηsp/c=(T/T0 −1)/CT :試料溶液の落下時間(秒)
T0 :溶剤の落下時間(秒)
C :溶液濃度(g/デシリットル)
【0027】又、η=0.88とη=0.64の2種類のポリトリメチレンテレフタレートを50:50の比率でサイド−バイ−サイド型に複合して紡糸温度265℃、紡糸速度1500m/分で紡糸して未延伸糸を得、次いで、ホットロール温度55℃、ホットプレート温度140℃、延伸速度400m/分で延撚して、紡糸した84デシテックス12フィラメントのポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型繊維(丸断面)を得た。尚、η(dl/g)は次式の定義に基づいて求められる値である。
η=Lim(ηr−1)/CC→0定義中のηrは純度98%以上のo−クロロフェノール溶媒で溶解したポリトリメチレンテレフタレートポリマーの希釈溶液の35℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶媒の粘度で除した値であり、相対粘度と定義されているものである。Cは溶液濃度(g/デシリットル)である。
【0028】尚、本発明で用いる編地、糸の特性の測定方法を以下に説明する。
(1)ストレッチ率、伸長回復率JIS−L−1080−B法、定荷重法に準じ、試験片(5cm×30cm、20cm間隔に印)の一端をクランプで固定し他端に1.5kg荷重をかけ、5分後の印間の長さ(L1)を測定する。次いで除重し5分後の印間の長さ(L2)を測定し次式によりストレッチ率、伸長回復率を求める。
ストレッチ率(%)=(L1―20)/20×100伸長回復率(%)=(L1−L2)/(L1−20)×100(2)捲縮伸縮率前記したとおりである。
【0029】(3)捲縮伸長率JIS−L−1090(1992)合成繊維フィラメント嵩高加工糸試験方法、5.7伸縮性B法(10本束ねて測定する場合)に準じ、まず試料を棒に掛けて輪にしたもの5個作り、それぞれに1.8mgf×10×試料表示デシテックス数の荷重をかける。次にこの5個の試料をひとまとめにして約50cmの間隔をおき上下を綿糸でしっかり結んだ後、直ちに除重する。続いて0.27mgf×10×試料表示デシテックス数の荷重を掛けながら90℃で15分間乾熱処理を行い、除重後一昼夜放置する。このような前処理をした10本1束の試料片を前記JIS−L−1090、5.7伸縮性B法に基づき、1.8mgf×10×試料表示デシテックス数の初荷重をかけた状態で、試験長が約20cmになるよう試料片上部をクランプで固定し、30秒後の試料長(a)を正確に測定する。次に0.09gf×10×試料表示デシテックス数の荷重をかけて30秒後の試料長(b)を正確に測定する。そして次式によって捲縮伸長率(%)を算出する。
捲縮伸長率(%)=〔(b−a)/a〕×100【0030】(4)CR(チューブテスター法)
ガラス管、CR測定機(栄光産業(株)製)を用い、検尺機にて作成した3111デシテックスの綛(3111デシテックス/(加工糸のデシテックス×2)=捲回数(回))の下端に280gの荷重をかけて内径φ3.65mm×24cm長のガラス管内におさめ、25cmの長さにカットする。このサンプルをガラス管と共にボイル×20分の処理を行い、ガラス管内で収縮したサンプル長(a)を測定する。添付の百分率尺を使用して次式によりCRを求める。
CR(%)=(25−a)/25×100【0031】(5)沸水収縮率JIS−L−1095、B法に準じ、試料に初荷重をかけ、正しく500mmをはかって2点を打ち、初荷重を除き沸水中に30分浸漬した後、取り出して軽く吸取紙または布で水をきり、風乾後再び初荷重ををかけ、2点間の長さ(L)を測り次式によって沸水収縮率を算出する。
沸水収縮率(%)=〔(500−L)/500〕×100【0032】
【実施例1】84デシテックス24フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維を下記条件で仮撚加工した。
(ピン仮撚条件)
加工機 ARCT仮撚機糸速 133m/min撚数 3230T/mオーバーフィード率 0%ヒーター温度(1stヒーター) 170℃本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸(PTT−1HTx)の物性は捲縮伸長率185%、沸水収縮率5.7%、CR56.1%であった。
【0033】本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と、85デシテックス36フィラメントで捲縮伸長率22.5%、沸水収縮率1.8%、CR24.6%のポリエステル仮撚加工糸(PET−2HTx)を用い、28ゲージのダブル丸編機により組織図1に示す編組織で交編編地を作製した。この際、給糸口1、3、5、8にポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を供給し、その他の給糸口に84デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を供給し、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の混率が51.5%の交編編地を得た。
【0034】尚、編み込み長比は、給糸口1:給糸口2:給糸口3:給糸口4:給糸口5:給糸口6:給糸口7:給糸口8=1.21:1.05:1.05:1:1.05:1:1.05:1.05であった。該交編編地を精錬(70℃)、プレセット(160℃)、液流染色(130℃)、ファイナルセット(160℃)で仕上げ加工した。この際、染色仕上げ方法は、本発明の特徴を付与するために、通常一般のポリエステル繊維の仕上げ加工方法より、プレセット、ファイナルセット温度を約20℃下げ、プレセット時、ファイナルセット時の幅出し率をそれぞれ12%、7%として仕上げ加工した。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は61.9%、相手糸の捲縮伸縮率は33.2%で、本交編編地は極めて良好なストレッチ性、伸長回復性を示すものであった。
【0035】
【実施例2】実施例1と同様の糸使いで、組織図2に示す編組織で交編編地を作製した。この際、給糸口1、6、9にポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を供給しその他の給糸口にポリエステル仮撚加工糸を供給し、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の混率が37.4%の交編編地を得た。尚、編み込み長比は、給糸口1:給糸口2:給糸口3:給糸口4:給糸口5:給糸口6:給糸口7:給糸口8:給糸口9=1.48:1.48:1:1.48:1:1.48:1.48:1:1.48であった。該交編編地を実施例1と同様の条件で仕上げ加工した。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は50.7%、相手糸の捲縮伸縮率は32.4%で、本交編編地は良好なストレッチ性、伸長回復性を示すものであった。
【0036】
【実施例3】84デシテックス24フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維を下記条件で仮撚加工した。
(ピン仮撚条件)
加工機 ARCT仮撚機 糸速 133m/min 撚数 3230T/m オーバーフィード率(1stヒーター) 0% オーバーフィード率(2ndヒーター) 10% ヒーター温度(1stヒーター) 170℃ ヒーター温度(2ndヒーター) 150℃【0037】本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸(PTT−2HTx)の物性は捲縮伸長率50%、沸水収縮率4.8%、CR41.5%であった。本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と実施例1と同様のポリエステル仮撚加工糸を用い、実施例1と同様の編組織にて給糸口1、3、5、8に本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を供給し、その他の給糸口にポリエステル仮撚加工糸を供給し、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の混率が51.5%の交編編地を得た。該交編編地を実施例1と同様の染色仕上げ方法にて仕上げた。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は47.5%、相手糸の捲縮伸縮率は34.1%で、本交編編地は良好なストレッチ性、伸長回復性を示すものであった。
【0038】
【実施例4】84デシテックス12フィラメントのポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型繊維を実施例1と同様の仮撚条件で仮撚加工した。本ポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型仮撚加工糸(PTT−S−B−S−1HTx)の物性は捲縮伸長率154.1%、沸水収縮率17.0%、CR70.0%であった。 本ポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型仮撚加工糸と、実施例1で用いた85デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸(PET−2HTx)を用い、実施例1と同様の編組織にて、給糸口1、3、5、8にポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型仮撚加工糸を供給しその他の給糸口に84デシテックス36フィラメントのポリエステル仮撚加工糸を供給し、ポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型仮撚加工糸の混率が51.5%の交編編地を得た。該交編編地を実施例1と同様の染色仕上げ方法にて仕上げた。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレートサイド−バイ−サイド型仮撚加工糸の捲縮伸縮率は57.2%、相手糸の捲縮伸縮率は34.3%で、本交編編地は良好なストレッチ性、伸長回復性を示すものであり、特に、パワー感のあるストレッチ性を有するものであった。
【0039】
【比較例1】給糸口1にポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を供給し、その他の給糸口にポリエステル仮撚加工糸を供給した以外は実施例1と同様の糸使い、編組織、染色仕上げ方法にて、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の混率が14.3%の交編編地を得た。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は48.0%、相手糸の捲縮伸縮率は33.8%で、本交編編地はストレッチ性が低く伸長回復性に劣るものであった。
【0040】
【比較例2】実施例1と同様の交編編地の生機を用い、精錬(70℃)、プレセット(180℃)、液流染色(130℃)、ファイナルセット(180℃)で仕上げ加工した。この際、仕上げ加工方法は通常一般のポリエステル繊維の仕上げ加工方法と同様のプレセット、ファイナルセット温度条件に設定し、かつ、ファイナルセット時の幅出し率を実施例1より10%上げて仕上げた。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は37.6%、相手糸の捲縮伸縮率は25.0%で、本交編編地はストレッチ性が低く伸長回復性に劣るものであった。
【0041】
【比較例3】84デシテックス24フィラメントのポリトリメチレンテレフタレート繊維を下記条件で仮撚加工した。
(ピン仮撚条件)
加工機 ARCT仮撚機 糸速 133m/min 撚数 3230T/m オーバーフィード率(1stヒーター) 0% オーバーフィード率(2ndヒーター) 5% ヒーター温度(1stヒーター) 170℃ ヒーター温度(2ndヒーター) 180℃【0042】本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸(PTT−2HTx)の物性は捲縮伸長率34.0%、沸水収縮率4.0%、CR35.2%であった。本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸と実施例1と同様のポリエステル仮撚加工糸を用い、実施例1と同様の編組織にて給糸口1、3、5、8に本ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸を供給し、その他の給糸口にポリエステル仮撚加工糸を供給し、ポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の混率が51.5%の交編編地を得た。該交編編地を実施例1と同様の染色仕上げ方法にて仕上げた。仕上後の交編編地の、編地から解かれるポリトリメチレンテレフタレート仮撚加工糸の捲縮伸縮率は37.9%、相手糸の捲縮伸縮率は34.8%で、本交編編地はストレッチ性が低く伸長回復性に劣るものであった。
【0043】
【表1】

【0044】
【発明の効果】本発明の交編編地は優れたストレッチ性と伸長回復性を示し、高温染色時や日光照射や洗濯によるぜい化の問題も少ないものである。




 

 


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