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発明の名称 異型断面再生セルロース繊維
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−248014(P2001−248014A)
公開日 平成13年9月14日(2001.9.14)
出願番号 特願2000−55770(P2000−55770)
出願日 平成12年3月1日(2000.3.1)
代理人 【識別番号】100076587
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 武長
【テーマコード(参考)】
4L002
4L035
4L048
【Fターム(参考)】
4L002 AA00 AB02 AC00 AC06 EA00 EA08 FA01 
4L035 AA09 BB03 BB08 BB66 BB69 DD02 DD08 EE07 EE16 FF10 JJ05 KK01
4L048 AA13 AA37 AA41 AA42 AA56 AB07 AC07 AC08 BA01 BA02 CA00 CA16 DA01
発明者 小原 和幸 / 工藤 武人
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 繊維の異型度が1.1〜10で、原子間力顕微鏡で測定した繊維表面粗度パラメータRaが10〜50nmであることを特徴とする異型断面再生セルロース繊維。
【請求項2】 繊維の異型度が1.1〜10で、原子間力顕微鏡で測定した繊維表面粗度パラメータRaが10〜50nmであり、かつ50%平均粒径が0.05〜10μmである微粉末を0.2〜5重量%含有することを特徴とする異型断面再生セルロース繊維。
【請求項3】 請求項1または2に記載の異型断面再生セルロース繊維を用いた編織物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異型断面再生セルロース繊維に関し、さらに詳しくは特定の横断面形状および表面状態を有する、特に光沢、透け防止性、染色性、風合い等に優れた編織物を得ることができる高品質の異型断面再生セルロース繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】再生セルロース繊維は、風合いおよび吸湿性、低摩擦性、制電性等の機能性に優れており、婦人服、裏地等の副資材に多く使用されている。特に銅アンモニア法セルロース繊維、ポリノジック繊維等を使用した編織物が数多く市販されている。しかしながら、これらの繊維は断面形状が略真円状であるために、光沢、透け、染色性等の光学的特性を十分に満足するものでなかった。また得られる編織物は張りや腰に乏しく、ヌメリ感があり、用途によっては満足する風合いが得られなかった。また再生セルロース繊維使いの編織物にいわゆるバイオ加工を施す方法が提案されているが、依然として張りや腰に乏しく、またソフト、ドレープ性も満足のいくものではなかった。
【0003】上記問題を解決するため、特開平8−113846号には、ドライタッチでしかもソフト風合いに富み、さらに張り、腰に優れ、防しわ性、寸法安定性に優れた布帛を得るために、平均重合度400以上の異型断面の再生繊維を少なくとも20重量%以上含む紡績糸を用いることが提案されている。しかしながら、紡績糸であるため、光沢等の光学的特性の改善が十分とはいえず、またフィラメント使いが主流の薄手織物には適用できないという問題があった。
【0004】また特開平10−158924号には、光沢、染色性、風合い等に優れた布帛を得ることができる、N−メチルモルホリン−N−オキシドを含む溶剤にセルロースを溶解した紡糸原液を用いて製造された再生セルロース繊維であって、その横断面の異型度が1.2以上である再生セルロース繊維が提案されている。しかしながら、このような有機溶剤を用いて乾湿式紡糸法で得られる再生セルロース繊維は、一般的に繊維表面が極めて平滑であり、光沢が大きくなりすぎ、ぎらつきが生じやすい。また表面が平滑であるため、表面での光の散乱が少なく、発色性、濃染性に劣る場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、ぎらつきのない、適度な光沢を有し、かつ透け防止性、染色性、風合い等に優れ、衣料用などの様々な用途に用いることができる、高品質の再生セルロース繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、異型断面再生セルロース繊維の異型度および表面粗度パラメータを特定することにより、該繊維の特性をさらに改善できることを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)繊維の異型度が1.1〜10で、原子間力顕微鏡で測定した繊維表面粗度パラメータRaが10〜50nmであることを特徴とする異型断面再生セルロース繊維。
(2)繊維の異型度が1.1〜10で、原子間力顕微鏡で測定した繊維表面粗度パラメータRaが10〜50nmであり、かつ50%平均粒径が0.05〜10μmである微粉末を0.2〜5重量%含有することを特徴とする異型断面再生セルロース繊維。
(3)(1)または(2)に記載の異型断面再生セルロース繊維を用いた編織物。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の異型断面再生セルロース繊維に用いられる再生セルロース繊維には特に制限はなく、銅アンモニア法セルロース繊維、ポリノジック繊維、ビスコース法セルロース繊維などの公知の再生セルロース繊維が用いられる。これらのうち、洗濯による収縮が少なく、寸法安定性に優れ、強力も高いなどの点から、銅アンモニア法セルロース繊維、ポリノジック繊維が好ましく、フィラメントの製造に適している点から銅アンモニア法セルロース繊維がより好ましい。また再生セルロース繊維中のセルロースの平均重合度は、寸法安定性および強力等の点から、400以上であることが好ましい。また再生セルロース繊維の形態には特に制限はなく、マルチフィラメント、モノフィラメント、ステープル等の公知の形態のものが用いられる。得られる布帛の光学的特性の改善効果等の点から、マルチフィラメント、モノフィラメントが好ましく、広い用途適性を有する点からはマルチフィラメントがより好ましい。
【0008】本発明における異型断面再生セルロース繊維の異型度は1.1〜10、好ましくは1.5〜6である。本発明において、異型度とは、以下の方法で算出された値をいう。繊維を安全剃刀などを使用して切断し、得られた横断面形状を、例えば200倍の倍率で光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡で画像化し、該画像を画像解析ソフト(例えば、旭化成工業社製「IP−1000PC」)に取り込み、画像の内接円直径T1 と外接円直径T2 を測定し、T2 /T1 により繊維の異型度を算出する。異型度が1.1未満では、光沢、透け防止性、染色性等の光学特性に顕著な改善効果が得られない。また異型度が10を超えると、紡糸時の凝固再生の横断面内の変動が大きくなり、実用的な紡糸が困難であり、十分な強伸度が得られない。
【0009】再生セルロース繊維の異型断面形状としては、三角型、正方形、長方形等の四角型、L型、T型、W型、I型、Y型、八葉型、偏平型、ドッグボーン型、UFO型等の多角形型、多葉型などが挙げられる。これらの形状のうち、横断面の周長Lの1/10以上の長さの直線部分に近似できる個所を2〜7カ所以上有する横断面形状が好ましく、より好ましくは該直線部分が横断面の重心に対して略対称に配された横断面形状である。このような横断面形状とすることにより、直線部分での入射光の反射効率が高いため、曲線のみで構成される横断面形状に比較して光沢が高くなる。また繊維内部への光の入射が減少するため、透け防止性も向上する。1カ所では直線部分が少なく、光沢の向上効果が少なく、8カ所以上では直線部分が多くなりすぎ、ぎらつきを生じる場合がある。このような横断面形状としては三角型、正方形、長方形等の四角型、L型、T型、W型、I型、ドッグボーン型、UFO型等の多角形型が挙げられる。
【0010】また直線部分のみで構成される横断面形状では入射光の反射効率が高すぎ、ぎらつきを生じる場合があるため、断面の周長Lの1/10以上の長さの直線部分に近似できる個所を2カ所以上含み、かつ曲線部分も含む形状が特に好ましい。この場合の直線部分を合計した長さは、断面の周長Lの60〜95%が好ましく、70〜90%がより好ましい。このような横断面形状としては、三角型、正方形、長方形等の四角型で頂点を丸めた形状、ドッグボーン型、UFO型等が挙げられる。横断面の直線部分の長さの測定は、異型度の測定と同様に画像解析ソフトを使用し、200倍の倍率で光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡から取り込んだ横断面形状画像を画像解析することにより行うことができる。繊維横断面の周囲上の任意の2点を選択し、2点間の横断面周囲に沿った長さと直線距離の差が横断面周囲に沿った長さの5%以内であれば、直線と近似できるとし、該直線距離が周長の1/10以上であれば、直線部分として数えて直線部分の個所数を求める。
【0011】また本発明における異型断面再生セルロース繊維は、特定の表面粗度を有する必要があり、繊維表面を原子間力顕微鏡で測定して得られる後述の表面粗度パラメータRaが10〜50nm、好ましくは13〜40nm、より好ましくは14〜30nmである。この表面粗度パラメータRaが10nm未満では、繊維の異型度が1.1以上である場合に繊維表面の平滑性が高すぎて入射光の反射率が高くなりすぎ、ぎらつきが生じる。また表面が平滑な再生セルロース繊維は、一般に表面近傍の構造が高度に緻密化されている場合が多く、染着速度が遅くなる。一方、表面粗度パラメータRaが50nmを超えると、表面の平滑性が不足し、繊維表面での散乱光が増加するため、光沢が減少する。
【0012】なお、市販の再生セルロース繊維のうち、銅アンモニア法セルロース繊維(旭化成工業社製、商品名ベンベルグ)、ビスコース法セルロース繊維(旭化成工業社製、レーヨン)、有機溶剤による再生セルロース繊維(コートルズ社製、商品名テンセル)およびポリノジック繊維(東洋紡績社製、ポリノジック)の原子間力顕微鏡で測定した表面粗度パラメータRaを表1に示すが、これらの市販再生セルロース繊維のRaはいずれも10nm未満である。
【表1】

【0013】本発明において、異型断面再生セルロース繊維の最大曲げ応力比は、1.05〜3であることが好ましく、より好ましくは1.1〜2である。最大曲げ応力比は、同単糸繊度、同フィラメント数における丸型断面の再生セルロース繊維糸条の最大曲げ応力に対する、糸条の最大曲げ応力の比で定義される。最大曲げ応力比が1.05未満では張りや腰等の風合いの改善効果が十分でなく、3を超えると風合いが粗硬になり易い。
【0014】最大曲げ応力比を所望の範囲にする方法として、以下の方法が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
(i) 繊維の横断面形状を最適化することによって、単糸の断面二次モーメントを増加させ、単糸の集合体である糸状の最大曲げ応力を所望の範囲とする。具体的には、横断面形状が丸型、楕円型、四角型等で中空形状としたもの、H型、L型等の糸状が挙げられる。
(ii)繊維の横断面形状を最適化することによって、単糸同志が最密充填し難くすることで、糸状の膨らみを増加させ、糸状としての断面二次モーメントを増加させ、最大曲げ応力を所望の範囲とする。具体的には、横断面形状がY型、八葉型、UFO型、T型等の糸状が挙げられる。
【0015】上記方法のうち、再生セルロース繊維の用途に関わらず、最大曲げ応力を所望の範囲とすることができる(i) の方法が好ましい。なお、最大曲げ応力は、糸状を100本平行に重なることなく並べた試料を用い、KES−FB2PureBending Tester(カトーテック社製)を使用し、支点間10mmで曲率2.5まで純曲げ試験を行った場合の最大曲げ応力を測定し、糸状1本あたりに換算して算出する。また同単糸繊度、同フィラメント数の丸型断面形状の最大曲げ応力に対する比を算出して最大曲げ応力比とする。
【0016】さらに本発明における異型断面再生セルロース繊維には、50%平均粒径が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜8μm、さらに好ましくは0.2〜6μmである微粉末を含有させるのが好ましい。微粉末を含有させることにより、繊維内に入射した光を散乱させることができるため、透け防止性が著しく向上する。また剛性の高い微粉末を含有させることにより、最大曲げ応力比が増加する効果が得られる。これは微粉末の添加により繊維自身の剛性が増加するためと推定される。微粉末の50%平均粒径が0.05μm未満では粉末の凝集力が大きすぎて繊維中への均一分散が困難であり、繊維の強伸度が低下する場合がある。また微粉末の50%平均粒径が10μmを超えると繊維表面に微粉末が露出し、後工程で装置の摩耗が生じる場合がある。
【0017】上記微粉末の再生セルロース繊維への含有量は0.2〜5重量%が好ましく、0.5〜3重量%の範囲がより好ましい。微粉末の含有量が0.2重量%未満では、繊維内に入射した光の散乱が十分に行えず、透け防止性の向上効果が少なくなる。また5重量%を超えると、繊維の強伸度低下、後工程の装置摩耗等が生じ易い。微粉末の素材には特に限定されず、紡糸工程で安定で、光の散乱を効率よく行う素材であればよいが、素材の剛性が再生セルロース繊維の剛性より高いものがより好ましい。例えば、セラミック微粉末、具体的には酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニム等の酸化物、炭化ケイ素等の炭化物、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム等の金属化合物等が挙げられる。微粉末の形状、色は特に限定されず、再生セルロース繊維の用途に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0018】本発明における異型断面再生セルロース繊維は、公知の再生セルロース繊維の紡糸法において、目的とする異型断面形状となるように設計した紡糸口金形状を用いることにより製造することができる。また表面粗度を所望の範囲とするために再生、凝固条件を適正に調整するのが好ましい。例えば、銅アンモニア法により再生セルロース繊維を得る場合には、通常丸断面の再生セルロース繊維を得る場合より、凝固噴射器に注入する温水の温度を5〜15℃高めにしたり、紡速を5〜20%高めにすることが好ましい。このような条件で表面粗度が適正化される理由は明確ではないが、再生、凝固速度と繊維の移動速度とのバランスにより、表面を含めた高次構造が適正化され、また異型断面の紡口を用いることによる再生、凝固速度の繊維断面内での変動が協調的に作用するためと推定される。再生セルロース繊維に微粉末を含有させる方法にも特に限定されず、例えば、紡糸原液中に微粉末を分散させた後、公知の方法で異型断面形状用の紡口を用いて紡糸する方法などが挙げられる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の特性は下記の方法で測定した。
(1) 表面粗度パラメーターRa:Digital Instruments社製Scanning Probe Microscope「NanoscopeIIIa」を用い、タッピングモードでスキャン速度1Hz、スキャン範囲繊維長方向に5μm、周長方向に2.5μmで表面形状の3次元データーを測定し、平滑化処理を施した後、異物、欠陥等のない最大の領域を選択し、該領域内の表面形状3次元データーから常法により、表面粗度パラメーターRaを算出する。
(2) 繊維の染着率:繊維5gを浴比1:50、染色温度80℃、染色時間10分で染色した後、波長630mμで、残液比色法で測定する。なお、染色液の組成は、染料(Sirius Supra Blue G200)0.01%、助剤(NaCl)0.05%である。
【0020】(3) 布帛の光沢:島津社製分光光度計「UV−2200」を用い、布帛・フィルム用サンプルホルダーに所定サイズの布帛を固定し、波長400〜760nmの範囲で反射率を測定し、該波長範囲での平均値を算出し、光沢の指標とする。数値が大きい程、光沢があると判断できる。
(4) 布帛の透け防止性:島津社製分光光度計「UV−2200」を用い、布帛・フィルム用サンプルホルダーに所定サイズの布帛を固定し、波長400〜760nmの範囲で透過率を測定し、該波長範囲での平均値を算出し、透け防止性の指標とする。数値が小さい程、透け防止性があると判断できる。
【0021】(5) 風合い:繊維の研究に従事する5人の検査員によって視覚による外観品位(光沢、防透け)および触覚による風合い(肌触り、膨らみ、張り、腰)の官能検査を行い、下記5段階に評価し、5人の平均値で数値化する。
5級:外観品位、風合いに極めて優れる4級:外観品位、風合いに優れる3級:外観品位、風合いは普通2級:外観品位、風合いにやや劣る1級:外観品位、風合いに劣る【0022】実施例1〜3銅アンモニア法再生セルロース繊維の紡糸法として特開昭61−34212号公報に記載の方法を採用した。具体的には、まずセルロース/銅アンモニア紡糸原液を、図1に示す3種の形状(三角型、UFO型、多葉型)の紡糸口金(30ホール)からそれぞれ紡糸漏斗に押し出した。紡糸漏斗の先には凝固液噴射器および液深部を持った凝固管が備わっており、紡糸に際しては紡糸漏斗中に約39℃の温水を注入し、凝固噴射器には約70℃の温水を注入した。紡出した繊維は凝固管下で変向させ、その後、硫酸浴により酸洗、水洗浴により水洗し、油剤を付与後、乾燥機で乾燥し、仕上げ油剤を付与して巻き取った。これにより、紡速130m/minで56dtexの3種の異型断面形状の再生セルロース繊維を得た。
【0023】得られたそれぞれの再生セルロース繊維の横断面形状を図2に示した。また得られた繊維の異型度、周長の1/10以上の長さを有する直線部分個所数、原子間力顕微鏡で測定したRa、最大曲げ応力比および染着率をそれぞれ測定し、その結果を表2に示した。またそれぞれの異型断面セルロース繊維を経緯糸に用い、常法に従って、糸密度が経140本/inch、緯100本/inch、ベージュに染色した平織組織の織布(タフタ)を得た。得られた3種類の織布について、光沢、透け防止性および風合いを評価し、その結果を表2に示した。
【0024】比較例1〜3実施例1において、紡糸口金を丸型(比較例1)、偏平率(長径/短径)1.05の楕円(比較例2)および偏平率10の楕円(比較例3)とし、凝固噴射器に約60℃の温水を注入し、紡速を120m/minとした以外は実施例1と同様にして再生セルロース繊維を製造し、さらに実施例1と同様にして織布を得た。得られた繊維および織布の特性を表2に示した。
【0025】
【表2】

*1:偏平率1.05の楕円、*2:偏平率10の楕円 *3:反射率(%) で示す、*4:透過率(%) で示す【0026】表2から明らかなように、実施例1〜3で得られた再生セルロース繊維は、適切な異型度およびRa値を有するため、ぎらつきがなく、適度な光沢を有し、透け防止性および染着性に優れ、風合いも適度な張り、腰を有しながら、ソフトであり、極めて優れたものであった。これに対し、丸型断面(比較例1)および偏平率1.05の楕円断面(比較例2)の再生セルロース繊維では、ぎらつきはないが光沢が低く、また透け防止性および染着性に劣り、風合いの向上も見られなかった。また偏平率10の楕円形状の防止口金を用いた比較例3では、十分な強伸度を有する繊維を安定的に得ることが困難であり、実用的な紡糸不可能であった。
【0027】実施例4〜6実施例1で使用した三角型紡糸口金(頂点部分の曲率半径Rは0.15mm)の三角頂点部分の曲率半径Rをそれぞれ0.0mm(実施例4)、0.05mm(実施例5)および0.3mm(実施例6)とした三角型の紡糸口金を用いた以外は実施例1と同様にして再生セルロース繊維および織布(タフタ)を得た。得られたそれぞれの繊維および織布の特性を実施例1のそれらとともに表3に示した。
【0028】
【表3】

【0029】表3から明らかなように、実施例4〜6では、再生セルロース繊維が適切な異型度とRaを有するため、光沢、透け紡糸性および風合いに優れた織布が得られた。また横断面の周長Lに対する直線部分の割合が多くなるほど、光沢が高くなり、また透け防止性が向上することが示されるが、実施例4では直線部分の割合が96%と高い異型断面再生セルロース繊維を使用しているため、外観品位の評価において、ぎらつくと評価する検査員もおり、外観上の官能評価が若干劣る傾向にあった。
【0030】実施例7、8および比較例4実施例1、2および比較例1において、紡糸原液中に、50%平均粒径0.7μmの酸化チタンをセルロースに対して1重量%含有させた以外はそれぞれ実施例1、2および比較例1と同様にして再生セルロース繊維および織布(タフタ)を得た。得られた繊維中の酸化チタン含有量は1.1重量%であった。得られた繊維および織布の特性を表4に示した。
【0031】
【表4】

*請求項2に対する比較例【0032】表4から明らかなように、実施例7および8で得られた織布は、光沢が高く、透け防止性に優れ、絹様のマットな光沢を有し、優れた外観を有するものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明の再生セルロース繊維は、特定の異型度と表面粗度パラメータを有するため、ぎらつきのない、適度な光沢を有し、かつ透け防止性、染色性、風合い等に優れ、高品質の編織物を得ることができ、衣料用などの様々な用途に用いることができる。




 

 


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