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発明の名称 赤外線感受性層を有する感光性樹脂版の欠点修復方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−219526(P2001−219526A)
公開日 平成13年8月14日(2001.8.14)
出願番号 特願2000−31552(P2000−31552)
出願日 平成12年2月9日(2000.2.9)
代理人 【識別番号】100108693
【弁理士】
【氏名又は名称】鳴井 義夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
2H084
【Fターム(参考)】
2H084 AA14 AA30 AA32 AE05 BB04 BB16 CC01 
発明者 小崎 修司 / 田端 修作
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 表面に赤外線感受性層が形成された感光性樹脂から、赤外線レーザーによる全面描画で赤外線感受性層を除去し、その後赤外線感受性層を再形成して感光性樹脂版を再生する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネガフィルムを用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外線レーザーを用いて直接描画する製版プロセスに対応したフレキソ印刷版を製造する際に、感光性樹脂の表面に赤外線感受性層を形成する工程における、感光性樹脂表面への異物付着等による形成の失敗や、形成後の赤外線感受性層に傷をつけてしまった場合等、赤外線感受性層の修復を行う必要が生じた際に、赤外線感受性層を除去し、その後赤外線感受性層を再形成して感光性樹脂版を再生する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常のフレキソ印刷版は特開昭55−48744号公報や特開平5−134410号公報などに記載されているように、感光性エラストマー組成物を用い、それをネガフィルムを通して画像露光し、未露光部を洗い出すことによって製造されるのが一般的である。そして得られた印刷版は印刷機のシリンダーに貼りつけられて印刷に用いられるが、その際精度よく位置を決めて貼りこむ作業に長時間を要しており、この作業を簡略化、できれば省略することが望まれている。
【0003】また、連続的で切れ目の無い図柄を印刷する場合には、版のつなぎ目部分の処理が問題であって、板状の感光性樹脂をスリーブ等に巻き付けた後、類似の液状樹脂あるいは感光性エラストマー組成物を溶剤に溶かしたもの等をつなぎ目の接着剤として用い、つなぎ目に生じる盛り上がりを削り取る等してシームレスの状態にする方法が行われている。しかし、このような作業は熟練と長時間の作業が必要な上、完全につなぎ目を無くすことが難しく、簡単に完全なシームレスの版を得る方法が望まれていた。
【0004】完全につなぎ目が無いスリーブ状版を作成する方法としては、これまでに板状感光樹脂をスリーブに巻き付けた後、該感光性樹脂の軟化温度以上に加熱してつなぎ目を無くし、次いでグラインダーで表面を研磨することで精度の良いつなぎ目の無い感光性樹脂層を得る方法がとられてきた。しかし、この方法によりつなぎ目の無い精度の良いスリーブ状感光性樹脂層を得ることができるようになったが、画像を形成する為にネガフィルムを版に密着させて露光すると、ネガフィルムの端部が重なりを生じ、得られる印刷版のその部分が段差模様となる為、印刷版としてはつなぎ目の無いものを得ることはできなかった。
【0005】一方、最近になって、特開平8−305030号公報や特開平9−166875号公報などに記載されているような、赤外線レーザーによる切除が可能で非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層を感光性樹脂表面に設け、赤外線レーザーで描画することでマスクを形成し、ついでこのマスクを通しての画像露光、現像、乾燥により印刷版を作成することが行われるようになってきた。そして、その技術を利用して、つなぎ目の無い感光性樹脂層の上に赤外線感受性層を設けて赤外線レーザーでマスクを形成し、これを通して画像露光、現像、乾燥によりつなぎ目の無い印刷版を作成することも試みられている。その際、赤外線レーザーによる切除が可能で非赤外線遮蔽性を有する赤外線感受性層を感光性樹脂層上に設けるのに、赤外線感受性層を構成する成分を含む溶液を塗布する方法がとられている。
【0006】感光性樹脂の表面に赤外線感受性層を塗布する際に、感光性樹脂の表面にゴミ等の異物が付着していると、赤外線感受性層がはじかれたり、逆に厚く塗れ過ぎたりして良好な画像が得られなくなる可能性がある為、感光性樹脂表面への赤外線感受性層の塗布は十分クリーンな環境で行われなければならないが、それでもゴミ等異物の付着をゼロにすることは難しく、赤外線感受性層を除去・再形成する必要が生じる場合がある。この他にも赤外線感受性層の塗布が終了したスリーブを取り扱っている際に、赤外線感受性層に傷をつけてしまった場合等、感光性樹脂の表面に一度形成した赤外線感受性層を除去し、これを再形成して感光性樹脂版を再生したい場合が発生する。
【0007】この要求に対して、赤外線感受性層のバインダーポリマーが熱可組成エラストマー等である場合、赤外線感受性層を感光性樹脂から剥離することは不可能である。バインダーポリマーがポリアミド等である場合には、粘着テープを使う等して赤外線感受性層を剥離除去することが可能であるが、人手での作業である為に、感光性樹脂の全面から完全に赤外線感受性層を剥離するのには非常に大きな手間と時間を要する上に、感光性樹脂の表面に傷をつけてしまったり、新たなゴミを付着させてしまう恐れがある。更に赤外線感受性層に画像をレーザー描画した後で除去の必要が生じた場合、感光性樹脂に傷を付けずに独立した文字や画線、シャドウ部等を剥離除去することは実質的に不可能であるという問題を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従来技術の問題点を解決した赤外線感受性層を除去して感光性樹脂版を再生する方法、即ち、赤外線感受性層のバインダーポリマーの種類を選ばず、人手がかからず、しかも感光性樹脂層にゴミや傷をつけること無く赤外線感受性層を除去する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題について鋭意検討した結果、表面に赤外線感受性層が形成された感光性樹脂から、赤外線レーザーによる全面描画で赤外線感受性層を除去することで該課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。以下本発明を詳細に説明する。本発明における赤外線レーザーで切除可能な非赤外線の遮蔽層を与える赤外線感受性層は、赤外線によりアブレーション可能なものでかつ感光性樹脂に活性な放射線に対して実質的に不透明なものである。赤外線感受性層は、少なくともひとつのバインダーポリマー、少なくともひとつの赤外線吸収物質と必要に応じて非赤外線遮蔽性物質からなり、赤外線吸収物質は非赤外線遮蔽性物質を兼ねていてもよい。
【0010】本発明で用いられる赤外線感受性層のバインダーポリマーの例としては、特開平8−305030号公報に開示されているポリアミド、ポリビニルアルコール、両性インターポリマー、セルロース系ポリマー、エチレン−ビニルアセテート共重合体、ポリブチラール、環状ゴム等や、特開平9−166875号公報に開示されているスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等があげられる。これらのバインダーポリマーは、赤外線感受性層の全重量を基準として40〜90重量%の比率で配合される。
【0011】本発明で用いられる赤外線感受性層の赤外線吸収物質としては、通常750から2000nmの範囲で強い吸収を持つ単体あるいは化合物が使用される。そのようなものの例としては、カーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロームなどの無機顔料やポリフタロシアニン化合物、シアニン色素、クロコニウム色素、金属チオレート色素等の色素類等があげられる。これらの赤外線吸収物質は、使用する赤外線レーザー光線で切除可能な感度を付与する範囲で添加される。一般的には赤外線感受性層の全重量を基準として赤外線吸収物質分として20〜80重量%の範囲で添加される。
【0012】非赤外線遮蔽性物質には、紫外光を反射または吸収する物質を用いることができる。例えば紫外線吸収剤やカーボンブラック、グラファイトなどはその好例であり、所望の光学濃度が達成できるように添加量を設定する。一般的には2.0以上、好ましくは3.0以上の光学濃度となるように添加される。なお、赤外線吸収物質と非赤外線遮蔽物質は同一であっても差し支えない。
【0013】赤外線感受性層は、バインダーポリマー、赤外線吸収物質と必要に応じて非赤外線遮蔽性物質を溶剤や水に均一に溶解または分散させた赤外線感受性塗工液を調製し、これを塗工することで形成する。赤外線感受性塗工液は、バインダーポリマー及び赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽性物質に直接適当な溶剤を加えて攪拌羽根による強制攪拌やボールミルを用いた分散、超音波を利用した攪拌またはそれらの併用という方法や、バインダーポリマーと赤外線吸収物質、非赤外線遮蔽性物質とを、押し出し機やニーダーを用いて予備混練してから溶剤に溶解する方法などにより調製する。
【0014】赤外線感受性塗工液には、赤外線吸収物質や非赤外線遮蔽物質の溶液に対する分散性を良くする目的で高分子量非イオン界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル等の分散剤を添加することができる。赤外線感受性塗工液には、赤外線感受性塗工液を容器から移し替える時に気泡の発生するのを抑え、また生じた気泡を短時間で消す為に、シリコーン類、長鎖アルコール類、脂肪族エステル類、金属セッケン類等の消泡剤を添加することができる。赤外線感受性塗工液には、感光性樹脂表面やポリエステルフィルム等、被塗工体に対する塗工液の塗れ性やレベリング性を良くする目的でパーフルオロアルキル化合物やスルホン酸塩型アニオン界面活性剤などの界面活性剤を添加することができる。
【0015】感光性樹脂の表面に赤外線感受性層を形成する為の方法としては、赤外線感受性組塗工液をリングコーター、スプレーコーター等によって感光性樹脂の表面に直接塗布するか、ポリエステルやポリプロピレン等のフィルムに塗布した後、感光性樹脂の表面にラミネートして転写すること等によって行われるが、感光性樹脂層が予めスリーブ状に加工されたものである場合には、感光性樹脂層の表面に直接塗布する方法が有効である。赤外線感受性層の厚みは、赤外線レーザーによる切除の感度と非赤外線の遮蔽効果を考慮して決定されるべきであるが、通常は0.1〜20g/m2 、好ましくは1〜5g/m2 の範囲で設定される。
【0016】感光性樹脂上の赤外線感受性層を画像的に切除してマスクを形成するのに使用される赤外線レーザーとしては、波長が750−2000nmのものを用いることができる。このタイプの赤外線レーザーとしては750−880nmの半導体レーザーや1060nmのNd−YAGレーザーが一般的である。これらレーザーの発生ユニットは駆動系ユニットとともにコンピューターで制御されており、感光性樹脂層上の赤外線感受性層を選択的に切除していくことにより、デジタル化された画像情報をフレキソ版用感光性構成体に付与するものである。
【0017】本発明における赤外線感受性層を除去して感光性樹脂版を再生する方法では、上述の赤外線レーザーをそのまま使用することができる。赤外線感受性層を切除する為の画像パターンとして全面ベタのパターンを準備し、赤外線感受性層の付いた感光性樹脂を赤外線レーザー描画装置にセットしてレーザー描画することにより行う。赤外線感受性層の除去を行った感光性樹脂は、上述の方法で再び赤外線感受性層を付与して使用することができる。本発明において赤外線感受性塗工液が塗布される感光性樹脂構成体は、支持体層としてポリエステルフィルムなどの寸法安定な厚さ75〜300μのフィルムや、フレキソ印刷用のスリーブとして一般に使用されているニッケルスリーブ、プラスチックスリーブ、グラスファイバースリーブなどの上に感光性樹脂が積層されたものを用いることができる。
【0018】支持体層の下側あるいは支持体層と感光性樹脂層の間には、必要に応じてウレタンフォームなどのクッション層を設けてもよい。スリーブの上にフィルムの層を設けてもよく、この場合印刷の終了したスリーブ状フレキソ印刷用構成体をフィルムごと剥がすことができ、スリーブを再利用するのに便利である。またこれらの支持体層、感光性樹脂層、クッション層などの間には、必要に応じて接着剤層を設けてもよい。感光性樹脂としてはフレキソ印刷版用として公知のもの使用することが可能であるが、一般的にはバインダーポリマー、少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマー、光開始剤を主成分して構成される。さらにはこの感光性樹脂層に要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着色剤などの添加剤を含むことができる。
【0019】感光性樹脂層のバインダーポリマーとして用いられる代表的なものはモノビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマーを重合して得られる熱可塑性エラストマーで、モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマーとしてはブタジエン、イソプレン等が用いられ、代表的な例としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等があげられる。
【0020】また少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーは、バインダーポリマーと相溶性のあるもので、例としてはt−ブチルアルコールやラウリルアルコール等のアルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステルやラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、あるいはジオクチルフマレートなどのアルコールとフマール酸のエステル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステル等をあげることができる。
【0021】光開始剤としてはベンゾフェノンのような芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチロールベンゾインメチルエーテル、α−メトキシベンゾインメチルエーテル、2,2−ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類等の公知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて使用することができる。
【0022】感光性樹脂層は種々の方法で調製することができる。例えば上述のような組成であれば、配合される原料を適当な溶媒、例えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて混合し、型枠の中に流延して溶剤を蒸発させ、そのまま板とすることができる。また溶剤を用いず、ニーダーあるいはロールミルで混練し、押し出し機、射出成形機、プレスなどにより所望の厚さの板に成形することができる。
【0023】スリーブ上に感光性樹脂層を設ける方法としては、必要に応じて支持体フィルムを有する感光性樹脂シートをスリーブに巻き付けて固定し、感光性樹脂の軟化点以上に加温することでつなぎ目を融着し、次いでグラインダーで研磨してつなぎ目を完全に無くすとともに感光性樹脂スリーブの精度を高めることが一般的にとられる。レーザーによる画像描画が終了した後、フレキソ版用感光性構成体の感光性樹脂層を光硬化するのに用いられる紫外線光源としては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、太陽光等がある。紫外線を画像面から露光することにより所望のレリーフ像を得ることができる。
【0024】感光性樹脂層に紫外線を照射して画像を形成させた後、赤外線感受性層と感光性樹脂層の未露光部を洗い出すのに用いられる現像溶剤としては、感光性樹脂層を溶解する性質を持つものであればいずれも使用可能であるが、例えばヘプチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類、石油留分、リモネン、デカリン等の炭化水素類、テトラクロルエチレン等の塩素系溶剤等が用いられる。またこれらの溶剤にプロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類を混合したものも用いることも可能である。赤外線感受性層および未露光部の洗い出しはノズルからの噴射によって、またはブラシによるブラッシングで行われる。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾燥後に後露光を実施して仕上げをする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を実施例によって具体的に説明する。
【実施例】実施例1外周461.15mm、長さ1250mmのニッケルスリーブ外面に接着剤メガム11658(商品名、ケメタール社(独)製)をウエットの塗工量120g/m2 で均一にスプレー塗布し、60℃で15分間乾燥させた。これにTGIストッキング(商品名、アンダーソン・アンド・フリーラント社製)を繊維の重なりがないように引き伸ばしながら被せた。
【0026】フレキソ印刷用感光性樹脂固体版AFP/HD−11(商品名、旭化成工業製、版厚3.18mm、サイズ762mm×1016mm)の短い辺を切って、465.15mm×1016mmの大きさとした。このシートのスリップ層のある面とは反対側のフィルムを剥離除去した後、前述のスリーブにフィルムを除去した面を下にして、465.15mmに切った辺を円周方向として弛みなく巻き付けたところ、シートの長さはスリーブの周囲よりわずかに短くなった。この隙間を粘着テープで引き寄せるようにしてつないだ後、感光性樹脂シートの両端5cmからスリーブの外側までを粘着テープで隙間なく覆った。
【0027】スリーブ両端を覆った粘着テープとスリーブとの間を真空引きすることで、感光性樹脂シートとスリーブを密着させた状態にし、感光性樹脂シート表面のPETフィルム(カバーシート)を感光性樹脂シート両端に巻き付けた粘着テープのすぐ内側でカッターナイフで円周に沿って切った後、切った内側のPETフィルム並びにスリップ層を剥離除去した。なおも感光性樹脂シート両端の粘着テープとスリーブの間を真空引きしたままの状態で、スリーブ全体を130℃で20分間加熱処理したところ、感光性樹脂シートのつなぎ目が見えなくなった。
【0028】こうして得られたつなぎ目の無い感光性樹脂スリーブを、グラインディングマシン SA6/2U×200(シュライフ・マシーネンヴェルク社(独)製)にセットし、感光性樹脂の外周が480mmになるまで研磨することで、完全につなぎ目の無いスリーブ状感光性樹脂が得られた。タフプレン315(商品名、旭化成工業製、スチレン含量22重量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体)60重量部と、粒子径30nmのカーボンブラックである汎用カラーブラック#30(商品名、三菱化学社製)40重量部をニーダーで混練したものを、3−メトキシブチルアセテートに溶解、分散させて固形分5重量%の均一な液を調製した。これを300メッシュSUSで濾過した後、濾過精度1μのカートリッジフィルターSL−010(商品名、ロキテクノ社製)で濾過して赤外線感受性塗工液を得た。
【0029】上述のつなぎ目の無いスリーブ状感光性樹脂の上に赤外線感受性塗工液を塗布する方法としては、垂直式リングコーター(高木彫刻社製)を使用し、軟質クロロプレン(厚さ1mm、硬度45度)をスケージゴムとして用いた。つなぎ目の無いスリーブ状感光性樹脂及び赤外線感受性塗工液をリングコーターにセットし、400mm/分の速度で塗工液の入ったコーター部を下降させることで赤外線感受性塗工液の塗工を行った。このスリーブを室温で30分間静置することで、赤外線感受性層を感光性樹脂の上に形成することができた。このスリーブ状構成体を2本準備した。これらの一本を(A)、もう一本を(B)とする。
【0030】スリーブ状構成体(A)を、赤外線レーザーセッターにセットして全面ベタパターンの描画を行ったところ、感光性樹脂の表面にゴミを付着させたり傷をつけたりすることなく赤外線感受性層を完全に除去することができた。このスリーブと上記赤外線感受性塗工液をリングコーターにセットし、400mm/分の速度で塗工液の入ったコーター部を下降させることで赤外線感受性塗工液の塗工を行った。このスリーブを室温で30分間静置したところ、一度目の塗工と変わりのない赤外線感受性層を感光性樹脂の上に形成することができた。
【0031】以上のように赤外線感受性層の除去、再塗工を行ったスリーブ(A)と、赤外線感受性層の除去を行っていないスリーブ(B)とを赤外線レーザーセッターにセットして、画像パターンの描画を行ったところ、双方とも画像データを忠実に再現したフォトマスクを形成することができた。これらの赤外線感受性層に描画された画像の解析を行ったところ、表−1に示すように両者の描画再現性には全く違いが見られなかった。
【0032】これらのスリーブ状感光性樹脂表面の全体に、12mw/cm2 の紫外線蛍光灯で4000mj/cm2 の露光を行った後、ソルベッソ150(商品名、エクソン化学社製、芳香族炭化水素)/ベンジルアルコール=4:1(体積)の混合溶剤を用いてブラシによる赤外線感受性層の洗い落とし及び、感光性樹脂層の未露光部分の洗い出しを行い、60℃で1時間乾燥したところ、双方とも良好なつなぎ目の無いフレキソ印刷版を得ることができた。これらの版面に形成された画像の解析を行ったところ、表−1に示すように両者の版再現性には全く違いが見られなかった。
【0033】
【表1】

【0034】比較例1マクロメルト6900(商品名、ヘンケル社製、ポリアミド)65重量部、粒子径30nmのカーボンブラックである汎用カラーブラック#30(商品名、三菱化学社製)35重量部をニーダーで混練したものを、トルエン/1−プロパノール=1:1(重量比)に溶解、分散させて固形分8重量%の均一な液を調製した。これを300メッシュSUSで濾過した後、濾過精度1μのカートリッジフィルターSL−010(商品名、ロキテクノ社製)で濾過して赤外線感受性塗工液を得た。
【0035】実施例1と同じ方法で作製したつなぎ目の無いスリーブ状感光性樹脂及び比較例1の赤外線感受性塗工液をリングコーターにセットし、400mm/分の速度で塗工液の入ったコーター部を下降させることで赤外線感受性塗工液の塗工を行った。このスリーブを室温で10分間静置することで、赤外線感受性層を感光性樹脂の上に形成することができた。
【0036】このスリーブ状構成体から粘着テープを用いて赤外線感受性層の剥離除去を試みたところ、除去作業中に感光性樹脂の表面にゴミが付着してしまった上に、粘着テープの跡が表面の凹みとして残ってしまった。このスリーブ状構成体に実施例1と同じ方法で比較例1の赤外線感受性塗工液を再塗工し、実施例1 と同じ方法で赤外線感受性層に画像パターンをレーザー描画し、紫外線露光、赤外線感受性層の洗い落とし及び感光性樹脂層の未露光部分の洗い出し、乾燥を行ったところ、版面にはゴミが付着した跡や粘着テープを貼った跡が凹みとして残り、良好な印刷版を得ることができなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、ネガフィルムを用いることなく、デジタル情報となった画像を赤外線レーザーを用いて直接描画する製版プロセスに対応したフレキソ印刷版を製造する際の、感光性樹脂の表面に赤外線感受性層を形成する工程における、感光性樹脂表面への異物付着等による形成の失敗や、形成後の赤外線感受性層に傷をつけてしまった場合等、赤外線感受性層を除去・再形成して修復を行う必要が生じた際に、赤外線感受性層のバインダーポリマーの種類を選ばず、人手がかからず、しかも感光性樹脂層にゴミや傷をつけること無く赤外線感受性層を除去して感光性樹脂版を再生することができるという効果を奏する。




 

 


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