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発明の名称 住宅のプレゼンテーション用図面セット及び前記住宅の設計支援方法。
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−180152(P2001−180152A)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
出願番号 特願平11−370260
出願日 平成11年12月27日(1999.12.27)
代理人 【識別番号】100066784
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 周吉 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2E025
5B046
【Fターム(参考)】
2E025 AA01 AA13 AA22 
5B046 AA03 DA02 GA01 HA07
発明者 蒲田 哲郎 / 小泉 吉正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 住宅の新築時の間取りを記載した第1の平面図と、前記第1の平面図から耐震壁を含むことなく且つ撤去可能な壁を消去して構成した空間を記載した第2の平面図とからなる住宅のプレゼンテーション用図面セット。
【請求項2】 前記第2の平面図が、該第2の平面図を構成する空間に予め設定された間隔を持って縦横に形成された複数の線からなるグリッドが記載されたものであることを特徴とする請求項1に記載した住宅のプレゼンテーション用図面セット。
【請求項3】 前記第1の平面図に記載した間取りとは異なる間取りを記載した第3の平面図を有することを特徴とする請求項1又は2に記載した住宅のプレゼンテーション用図面セット。
【請求項4】 住宅の外形及び耐震壁配置不可領域と耐震壁配置不可線分並びに耐震壁配置候補線分とからなる情報を入力する工程と、別途算出された必要耐震壁量を満足する耐震壁を耐震壁配置可能線分に配置する工程とを有することを特徴とする住宅の設計支援方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の間取りを設計するに際し、顧客が要求している現在の間取りと、将来の変化への対応としての空間の自由度とを顧客に対し判りやすい形式で提案するためのプレゼンテーション用図面セットと、自由度の高い空間を持った住宅の設計を支援するための方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅を設計する場合、設計者は顧客の現在の家族構成等に応じた要求を入れた新築時の間取りと、近い将来に生じるであろう家族構成の変化や生活様式の変化等に応じて想定した将来の間取りとの数種類の提案を行うのが一般的である。
【0003】しかし、将来の家族構成の変化等の条件は確定しているわけではないため、さまざまな変化の可能性がある。特に建物の寿命が伸びて数世代にわたる使用が想定されるような場合、将来に於ける建物の使用態様は予測し難くなる。このため、一般的な変化を取り入れた数種類の間取りの例を提案している。
【0004】また住宅の構造設計を行う場合、予め建物の外形形状と間取りを設定すると共に該間取りを実現する外壁や間仕切壁の位置、更に、前記外壁や間仕切壁に於ける耐震壁の位置を設定し、その後、設定された諸条件に基づいて構造計算を行うのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、寿命の長い建物を要求する顧客は、経時的な居住人数の変化や生活様式の変化に対し如何様にも対応し得る間取りを求めている。しかし、前記変化を予測することは困難であり、顧客の要求に対し的確な提案を行うことは困難であるという問題がある。
【0006】特に、設計者が顧客の現在の家族構成等の条件から予測して将来の間取りの変化例を全て提案することは不可能であり、多数の変化例を提案する場合であっても、設計の作業量が多くなって負担が大きくなり過ぎるという問題がある。
【0007】また住宅の構造設計を行う場合、目的の建物の最終的な間取りが決定することが前提となり、間取りを決定する初期の段階で構造の検討を行うには手間が掛かり且つ設計変更が大変であるという問題がある。更に、コンピュータを利用して耐震壁を自動的に配置した場合、将来の間取りの変化に対応させることが困難であるという問題がある。
【0008】本発明の目的は、将来の変化に対応させ得る間取りを判り易く顧客に提案し得るようにした住宅用のプレゼンテーション用図面セットと、前記住宅の設計支援方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係る住宅のプレゼンテーション用図面セットは、住宅の新築時の間取りを記載した第1の平面図と、前記第1の平面図から耐震壁を含むことなく且つ撤去可能な壁を消去して構成した空間を記載した第2の平面図とからなるものである。
【0010】上記住宅のプレゼンテーション用図面セット(以下、「図面セット」という)では、目的の住宅を設計するに際し、第1の平面図によって新築時の間取りを認識することが出来、且つ第2の平面図によって第1の平面図に記載された耐震壁を含むことがなく且つ撤去可能な壁を消去して構成した空間(以下「ユニバーサル空間」という)を認識することが出来る。
【0011】上記ユニバーサル空間は耐震壁に拘束されない空間であり、自由に間仕切壁の位置を設定することで多様な形状を持った空間をつくり出すことが出来る。このため、新築時の間取りとは異なり且つ想定し得る将来の変化に対応させた多くの空間を創出することが出来る。
【0012】ユニバーサル空間に於ける各種空間の創出は顧客が独自に行うことも出来、且つ設計者と共同で行うことも出来る。従って、顧客に対しユニバーサル空間の多様な変化に対する対応性を判り易く提案することが可能となり、的確なプレゼンテーションを行うことが出来る。
【0013】上記図面セットに於いて、第2の平面図が、該第2の平面図を構成する空間に予め設定された間隔を持って縦横に形成された複数の線からなるグリッドを有するものであることが好ましい。第2の平面図をこのように構成することで、顧客がユニバーサル空間の大きさや面積を容易に認識することが出来る。例えば、前記グリッドを915mmに対応させて形成した場合、グリッドを面積の基準として認識することが容易となり、将来の変化に対応し得る間取りの検討を行うことが出来る。
【0014】上記各図面セットに於いて、第1の平面図に記載した間取りとは異なる間取りを記載した第3の平面図を有することが好ましい。図面セットをこのように構成した場合には、顧客に対し新築時の間取りとユニバーサル空間に加えて将来の変化に対応させた間取りの例をプレゼンテーションすることが出来る。
【0015】また本発明に係る住宅の設計支援方法は、住宅の外形及び耐震壁配置不可領域と耐震壁配置不可線分並びに耐震壁配置候補線分とからなる情報を入力する工程と、別途算出された必要耐震壁量を満足する耐震壁を耐震壁配置可能線分に配置する工程とを有することを特徴とするものである。
【0016】上記住宅の設計支援方法では、住宅の外形と、耐震壁配置不可領域と、耐震壁配置不可線分と、耐震壁配置候補線分と、からなる情報を入力し、別途、目的の平面に必要な耐震壁の量を算出して算出された必要耐震壁量を耐震壁配置可能線分に配置することで構造設計を行うことが出来る。
【0017】即ち、最終的な間取りが決定されていなくとも、住宅の外形を決定し、且つユニバーサル空間に相当する耐震壁配置不可領域と、外壁や間仕切り壁に形成する開口部に相当する耐震壁配置不可線分、及び外壁や撤去することのない間仕切り壁に於ける耐震壁配置候補線分を設定することで、この耐震壁配置候補線分から耐震壁配置不可領域及び耐震壁配置不可線分を削除することで耐震壁配置可能線分を得ることが出来る。従って、別途算出した耐震壁数を耐震壁配置可能線分に配置することで、構造計算を行うことが出来る。このため、自由度の高い平面(ユニバーサル空間)を持った住宅に対する構造設計を容易に実現することが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、上記図面セットの好ましい例と、住宅の設計支援方法の好ましい例について図を用いて説明する。図1は図面セットの構成を説明する図である。図2は新築時の各階の間取り及び屋根の平面を示す図である。図3はユニバーサル空間を記載した平面図を示す図である。図4は間仕切り壁と居室空間との関係と居室空間の使い方の例を説明する図である。図5は間仕切り壁と居室空間との関係と居室空間の使い方の例を説明する図である。図6は住宅の設計支援方法の手順を示すフローチャートである。図7は住宅の設計支援方法の手順を説明する図である。
【0019】図1に示す図面セットAは、寿命の長い住宅を建築するに際し、顧客に対して新築時の間取りを記載した第1平面図1と、前記第1平面図に記載された間取りから間仕切壁の位置を自由に変更して変化のある間取りを計画することが可能なユニバーサル空間を記載した第2平面図2とからなり、各平面図1,2をセットとして顧客にプレゼンテーションすることで、将来、家族構成の変化や生活様式の変化が生じたとき、これらの変化に対して間取りを如何に対応させ得るかを顧客に判り易い形で説明することを実現したものである。平面図1,2は、夫々独立した図面からなる図面セットAとしてプレゼンテーションしても良く、また図に示すように1枚のシートに記載した図面セットAとしてプレゼンテーションしても良い。
【0020】また同図に示す図面セットBは、上記した第1平面図1と第2平面図2に加えて、将来の変化を先取りした例を、居住空間の形状と夫々の居住空間の利用状態の例を記載した第3平面図3を有し、これらの第1平面図1〜第3平面図3を顧客にプレゼンテーションすることで、将来の変化をより判り易く説明し得るようにしたものである。前述した図面セットAと同様に、各平面図1〜3は夫々独立した図面からなる図面セットBとしてプレゼンテーションしても良く、また図に示すように1枚のシートに記載した図面セットBとしてプレゼンテーションしても良い。
【0021】第1平面図1には、図2に示すように新築時の各階の間取り及び屋根(1階の平面図1a,2階の平面図1b,屋根伏図1c)を示す複数の平面図が記載されており、各階の平面図1a,1bは目的の住宅に居住する現在の家族構成と生活様式に基づいて設計されている。
【0022】また建物の外形形状は、本件出願人が開発して既に特許出願している「建物のプレゼンテーション用シートユニット」(特願平9−45823号)に開示した技術に基づく、敷地情報,敷地ゾーニング情報,平面図情報等の情報を考慮して設計される。
【0023】図2(a)に示すように、1階には玄関11,風呂場,洗面所12,便所13,階段14,キッチン15,ダイニング16が配置され、必要に応じて和室17が配置される。前記各部11〜17は外壁5及び間仕切壁6,7によって区画されている。前記間仕切壁6は撤去不能の間仕切壁であり、間仕切壁7は撤去可能な間仕切壁である。また同図(b)に示すように、2階には便所13,階段14,3つの寝室18,納戸19が設定されている。尚、同図(c)は屋根の平面形状を示す図である。
【0024】上記第1平面図1a,1bは一般的な間取り図と同様であるが、後述するユニバーサル空間の思想と、この思想を実現するための撤去可能な間仕切壁7が構成されている点で特徴を有する。
【0025】ここで、本発明に係るユニバーサル空間の思想は、1階,2階或いはより上層階がある場合には、個々の階に制限されることなく各階の間取り構成に生かされる。しかし、各階の平面図1a,1b夫々についてユニバーサル空間の構成を説明することは煩雑になる虞があるため、各階を代表して1階の構成について説明する。
【0026】玄関11は住宅の外形形状や道路の方角との関係で位置が決定されるため、将来位置を変化させる可能性は少ない。風呂場,洗面所12は壁や床の構造が居室部分と比較して特殊であり、位置を変化させるには高いコストが要求されるため、将来位置を変化させる可能性は少ない。同様に便所13も敷地に於ける下水道の取込み位置との関係で位置が決定されることが多く、且つ床の構造が居室部分と比較して特殊であり、将来位置を変化させる可能性は少ない。更に、階段14は上階との関係があり、且つ構造が特殊であるため、将来位置を変化させる可能性は少ない。
【0027】キッチン15は水道配管,排水管及びガス配管等の配管が必要であるが、これらは、風呂場,洗面所12や便所13に於ける水道配管や排水管等の敷設構造と比較して簡易であり、比較的容易に位置の変化に対応することが可能である。またダイニング16及び和室17は住宅に於ける最も標準的な構造であり、位置の変化に充分に対応することが可能である。
【0028】上記の如く住宅を構成する要素には、比較的容易に位置を変化させ得るものと、殆ど位置を変化させ得ないものとがある。従って、位置の変化の自由度のないものを集中して配置すると共に、残りの部分に位置の変化の自由度の高い居室を配置することが可能である。
【0029】即ち、第1平面図1に示す1階の平面図1aに於いて、玄関11〜階段14の配置部分は将来生じる家族構成の変化や生活様式の変化に関わらず変化することのない領域であり、キッチン15〜和室17の配置部分は家族構成の変化や生活様式の変化に対応して変化する領域として設定される。前記家族構成の変化や生活様式の変化に対応して変化する領域に設置された間仕切壁7には耐震壁が配置されることがなく、該間仕切壁7を撤去ても建物の構造に影響を与えることがない。
【0030】このように、位置の変化に対する自由度の高い要素を集めると共に間仕切壁7を撤去可能な構造とした空間を、将来、子供が独立することによる居住人数の減少、或いは二世代が同居することによる居住人数の増加等の家族構成の変化や、自宅の一部を店舗や事務所にするような生活様式の変化に対応させたユニバーサル空間として設定する。
【0031】従って、建物の構造上必要な耐震壁は、外壁5と玄関11〜階段14を区画する撤去不能な間仕切壁6に配置されることとなる。これらの外壁5及び撤去不能な間仕切壁6に対する耐震壁の配置は、後述する住宅の設計支援方法で解決するものである。
【0032】第2平面図2は、図3(a)に示すユニバーサル空間平面図2aと、同図(b)に示すコーナー平面図2bとを有している。ユニバーサル空間平面図2aは新築時の間取りである図2(a)に記載された内容から、将来生じる家族構成の変化や生活様式の変化に対応させて変化させる領域に属する部分を消去すると共に該領域に属する撤去可能な間仕切壁7を消去して構成したユニバーサル空間20が記載されている。
【0033】ユニバーサル空間20は単なる空間として記載されていても良いが、予め設定された間隔を持って縦横に配置した複数の線21a,21bからなる多数のグリッド21を記載しておくことが好ましい。グリッド21を構成する線21a,21bの間隔は特に限定するものではないが、建物に設定されたモジュール寸法に対応させた寸法であることが好ましい。
【0034】本実施例では各平面図2a,2bに示すように、線21a,21bの間隔を915mmに対応させて設定しており、1つのグリッド21が畳半分の大きさに対応する。
【0035】上記の如くユニバーサル空間20を記載したユニバーサル空間平面図2aでは、該ユニバーサル空間20の縦横の寸法と面積を容易に認識することが可能であり、且つ該ユニバーサル空間20に記載された多数のグリッド21を基準として間取りの計画を練ることが可能である。
【0036】またコーナー平面図2bでは、ユニバーサル空間20が更に小さい面積を持った複数のコーナー22として設定され、各コーナー22は薄く色付けした状態で、或いは網かけした状態で記載されている。この場合、ユニバーサル空間20に記載された多数のグリッド21、及びコーナー22を参考として間取りの計画を練ることが可能である。
【0037】従って、第1平面図1を構成する1階の平面図1aと、第2平面図を構成するユニバーサル空間平面図2a及び、又はコーナー平面図2bとからなる図面セットAを顧客にプレゼンテーションすることで、これらの平面図1a,2a,2bを提示された顧客は、新築時の間取り構成を認識して満足すると共に将来生じるであろう家族構成の変化や生活様式の変化を想定した間取りを計画することが可能である。
【0038】このため、設計者は顧客に対し、目的の建物が有する間取り設定の自由度の高さを判り易く説明することが可能となり、且つ顧客は設計者の説明を受けて、或いは独自に自由度の高さに基づく多様な変化態様を確かめることが可能となる。
【0039】上記第1平面図1と第2平面図2とからなる図面セットAに加えて図4又は図5に示すユニバーサル空間20に設置する間仕切壁と居室空間の関係を示す例と該居室空間の使い方の例を記載した第3平面図をプレゼンテーションすることで、顧客に対しより具体的な将来の変化に対する対応の例を判り易く説明することが可能である。また図3に示すようなグリッド21を記載した個所を色付けして判り易くすることも好ましく、グリッドを記載することなく色付けのみであっても良い。
【0040】即ち、図4(a)に示す第3平面図3a1,3a2は、はユニバーサル空間20に間仕切壁7aを設置することによって26.5帖の居室ゾーン31と4.5帖の居室ゾーン32を形成し、居室ゾーン31を居間兼食堂更に子供の遊び場として使用し、居室ゾーン32をキッチンとして使用する例を示すものである。この例は子供が小さいときに有利な間取りである。
【0041】同図(b)に示す第3平面図3b1,3b2は、ユニバーサル空間20に間仕切壁7a,7bを設置することによって、4.5帖の居室ゾーン32と、8.0帖の居室ゾーン33及び16.5帖の居室ゾーン34を形成し、居室ゾーン32キッチンとして使用すると共に居室ゾーン33を介護室として使用し、居室ゾーン34を居間兼食堂として使用する例を示すものである。この例は新築後、介護が必要な家族が生じた場合に有利な間取りである。
【0042】図5(a)に示す第3平面図3c1,3c2は、ユニバーサル空間20に間仕切壁7a,7cを設置することによって、4.5帖の居室ゾーン32を形成すると共に17.0帖の居室ゾーン35及び9.5帖の居室ゾーン36を形成し、居室ゾーン32をキッチンとして使用し、居室ゾーン35を居間兼食堂として使用し、更に、居室ゾーン36をホームシアター等の趣味空間として使用する例を示すものである。この例は趣味空間を設置し得るような空間的余裕が生じた場合に有利な間取りである。
【0043】同図(b)に示す第3平面図3d1,3d2は、ユニバーサル空間20に間仕切7dを設置することによって、17.0帖の居室ゾーン37と14.0帖の居室ゾーン38を形成し、居室ゾーン37を主寝室として使用すると共に居室ゾーン38をLDKとして使用する例を示すものである。この例は二世代が同居するようになったときの解決例の一つである。
【0044】上記第3平面図3a1〜3d1の中から選択された1又は複数の図面を顧客にプレゼンテーションして、ユニバーサル空間20に設定し得る居室ゾーンの例を説明することで、顧客はユニバーサル空間20の使い方を理解すると共に該ユニバーサル空間20を独自に使用することも可能である。
【0045】従って、図面セットAに対し上記第3平面図3a1〜3d1の中から選択された1又は複数の図面を加えて図面セットBを構成し、この図面セットBを顧客にプレゼンテーションすることで、顧客は第1平面図1aに基づく新築時の間取りと、第2平面図2a,2bに基づくユニバーサル空間20と、第3平面図3a1〜3d1に基づく将来に生じる家族構成の変化や生活様式の変化に対応した変化例を容易に認識することが可能となり、設計者の説明が各平面図1〜3と共になされるため、極めて判り易くなる。
【0046】次に、上記住宅の設計を支援する方法について図6,図7により説明する。前述したように、有効なユニバーサル空間20を設定するには、ユニバーサル空間20以外の部位に於ける外壁5と間仕切壁6とに耐震壁を配置することで、建物の強度を満足させることが必須である。
【0047】本実施例に係る設計支援方法は、ユニバーサル空間20を有する間取りを設計する段階で容易に構造計算を実施することが可能であり、且つ設計変更にも容易に対応し得るものである。特に、建物の外形が設定されたとき、目的の階に於ける耐震壁を配置してはいけない領域と、耐震壁を配置してはいけない線分と、耐震壁を配置しても良い線分を指定することで、間取り及び間仕切壁の決定を必要条件とせずに目的の建物の構造計算を実行して設計の支援を行なうことが可能である。
【0048】尚、以下の手順は住宅を構成する各階毎に行なわれるものであるが、説明が煩雑になるため、代表して1階に対する設計支援方法の手順を説明する。
【0049】本実施例に係る支援方法では、図6に示すように、支援手順をスタートし、ステップS1では、建物の形状を入力する。この建物の形状は、図2(a)に示す1階平面図1aに於ける外壁5の線、及び外壁5に形成される開口部8、図示しない躯体の輪郭線、間仕切壁6,7であり、同様に同図(b)に示す2階平面図1bに於ける外壁5の線、及び外壁5に形成される開口部8、図示しない躯体の輪郭線、及びベランダ含む床面外周線、間仕切壁である。従って、前記各情報を建物の形状として入力する。特に、建物の重量を算出する場合には、前記情報に加えて、同図(c)に示す屋根の形状も入力され、同時に屋根の材料や床の材料等の重量を算出するのに必要な情報も入力される。
【0050】ステップS1に於いて、建物の外壁5の線を入力することは必須であるが、開口部8や間仕切壁6,7を入力することは必ずしも必須ではない。即ち、最低限建物の外壁5の線を入力することで、以下のステップに進行することが可能であり、且つ各ステップを経ることで、設計を支援することが可能である。
【0051】次にステップS2では、耐震壁配置候補線分を入力する。この耐震壁配置候補線分は耐震壁を配置する候補となる外壁5、及び間仕切壁6或いは該間仕切壁6を想定した部位に相当する線分であって、建物の形状に合わせて任意に選択された線分である。従って、前記選択された線分を指定して耐震壁配置候補線分として入力する。
【0052】本実施例では図7に示すように、左右方向(X方向)では、建物の最も左側に位置する外壁5を基準線X0とし、玄関11のポーチに対応する外壁5を候補線X1とし、更に便所13と階段14との境界を構成する間仕切壁6を候補線X2とし、階段14の右側を構成する間仕切壁6を候補線X3とし、建物の最も右側の外壁5を候補線X4として設定して入力する。更に、上下方向(Y方向)では、最も下方の外壁5を基準線Y0とし、玄関11の下側に対応する部位を候補線Y1とし、玄関11のホールと風呂場,洗面所12との境界に対応する間仕切壁6を候補線Y2とし、最も上方の外壁5を候補線Y3として設定して入力する。
【0053】次にステップS3では、耐震壁配置不可領域を入力する。この耐震壁配置不可領域は、外壁5の線で囲まれた内部に於ける耐震壁を配置してはいけない領域、即ち、ユニバーサル空間20に対応する領域であり、この情報を耐震壁配置不可領域として入力する。
【0054】ユニバーサル空間20は、必ずしも図2(a)に示す1階平面図1aに於ける間取りから玄関11〜階段14を除いた部分として設定すべきものではなく、建物の形状を決定した後、該形状に対し第1順位で設定しても良い。この場合、予め1階に配置すべき要素(玄関11〜階段14)を決定しておくと共に各要素に必要な面積、及び概略配置位置を想定しておくことは必要である。
【0055】本実施例では図3(a)のユニバーサル空間平面図2aに示すように、玄関11、風呂場,洗面所12、便所13、階段14を除く部分をユニバーサル空間20として設定しており、図7に於けるユニバーサル空間20に対応する斜線部分の領域を耐震壁配置不可領域41として入力する。この耐震壁配置不可領域41の情報を入力することによって、ステップS2で入力した各方向の候補線X2,X3,Y1,Y2に於ける耐震壁配置不可領域41の内部に入り込んでいる部分は耐震壁を配置し得ない部分として認識される。
【0056】次にステップS4では、耐震壁配置不可線分を入力する。この耐震壁配置不可線分は、ステップS2で入力した耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3に於ける耐震壁を配置してはいけない部分、即ち、出入口や窓、或いは換気扇等を設置する可能性の高い部分に対応する線分であり、この線分の情報を耐震壁配置不可線分として入力する。
【0057】本実施例では、図7に於けるY方向の基準線であるY0(外壁5の線に相当する)の3か所を耐震壁配置不可線分42として入力し、候補線Y1の1か所を耐震壁配置不可線分42として入力している。しかし、入力された耐震壁配置不可線分42に対応する部分を必ずしも出入口や窓として構成する必要はなく、外壁5や間仕切壁として構成しても良い。
【0058】即ち、外壁5や撤去不能の間仕切壁6であって建物の外形を入力したときに開口部8として入力された部分は、前記外壁5や間仕切壁6が耐震要素配置候補線分として選択された場合であっても耐震壁配置不能部として認識され、耐震壁が配置されることがない。従って、建物の外形が入力されたとき、開口部を構成すべき部位でありながら、該開口部を構成するか否かが決定されず、或いは開口部のサイズが決定されていない部位を耐震壁配置不可線分42として入力することで、耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3に於ける耐震壁配置不可線分42は耐震壁を配置い得ない線分として認識される。
【0059】上記ステップS2〜ステップS4は必ずしも順序を限定するものではなく、必要に応じて適宜順序を変更しても良い。
【0060】上記各ステップS1〜ステップS4を経ることによって、建物の外壁5、耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3、耐震壁配置不可領域41、耐震壁配置不可線分42が夫々記載された検討用の図面を得ることが可能である。また場合によっては、予め別の工程で、外壁5,玄関11〜階段14,間仕切壁6を考慮した図面が作成されることもある。
【0061】従って、ステップS5では、得られた図面が検討用である場合にはステップS7に進行するように、また別の工程で作成された壁を考慮した図面が提示された場合にはステップS6に進行するように選択する。
【0062】ステップS6では、作成された図面を編集する。この編集は、図面に於ける外壁及び間仕切壁と耐震壁配置候補線分を一致させると共に該耐震壁配置候補線分を構成する外壁及び間仕切壁から開口部に対応する部分を耐震壁配置不可線分として削除し、更に、ユニバーサル空間20に対応する領域を耐震壁配置不可領域として排除することで行なわれる。そして別の工程で作成された図面に対し、前記の如き編集を加えることで、検討用の図面としての体裁が整えられてステップS7に進行する。
【0063】次に、ステップS7では別途算出した必要耐力壁数Nを入力する。必要耐力壁数Nは、建物に作用する水平力に応じて設定されるものであり、該建物のX方向及びY方向に作用する水平力を算出し、この水平力と耐力壁の許容荷重とによって各方向に配置すべき耐力壁の数を算出することが可能である。そして算出された各方向に対応する耐力壁の数Nを夫々入力する。前記演算は必ずしもコンピュータを用いる必要はなく、手計算でも充分である。
【0064】次に、ステップS8では耐震壁配置可能線分を作成する。この耐震壁配置可能線分は、耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3に於ける耐震壁を配置しても差し支えのない線分であり、該耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3から耐震壁配置不可線分42を削除したものである。
【0065】上記ステップS1〜ステップS8を経ることで、図7に示すように、耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3に於ける耐震壁配置可能線分43を設定することが可能である。
【0066】次に、ステップS9では耐震壁配置可能線分43に対し耐震壁44を配置する。例えばステップS7で得られた各方向の耐震壁数Nが夫々4である場合、耐震壁配置候補線分X0〜X4,Y0〜Y3に於ける耐震壁配置可能線分43に対し選択的に4つの耐震壁44を配置する。
【0067】耐震壁配置可能線分43に対して耐震壁44を配置する場合、各耐震壁44をバランス良く配置することが好ましい。そしてこの配置作業は、設計者が手作業で行なっても良く、コンピュータを利用して行なうことも可能である。
【0068】特に、耐震壁44の配置をコンピュータを利用して行なう場合、設定された耐震壁配置可能線分43に対して4つの耐震壁44を配置し得る全ての組み合わせからなるパターン候補を抽出し、このパターン候補毎に、耐震壁44の柱に対する接触の度合いを評価する柱隣接度、同一の平面に配置された複数の耐震壁44の離れ度合いを評価する平面的分散度、上階と下階に配置された複数の耐震壁44の離れ度合いを評価する立面的分散度等を判定して点数付けを行って評価し、最も良い評価を得たパターン候補を耐震壁44の配置パターンとすることが可能である。この方法では、コンピュータを利用して可能性のある全ての配置パターンの中から最も適した配置を選択することが可能である。
【0069】次に、ステップS10では、ステップS9で耐震壁44を配置した建物について構造計算を行う。この構造計算の結果、必要な強度を満足すれば一連の作業を終了し、強度を満足し得ない場合、例えばステップS1に戻って外形形状から設計を変更し、再度ステップS10まで一連の作業を実施する。
【0070】上記の如くして建物の設計を支援することが可能である。特に、この方法では、必ずしも玄関11や水回り或いは階段14等の要素の位置や構成、或いは間仕切壁5の位置や構成を具体的に設定することなく、構造計算を進行することが可能である。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る住宅のプレゼンテーション用図面セットでは、新築時の間取りを記載した第1の平面図と、第1の平面図から耐震壁を含むことがなく且つ撤去可能な壁を消去して構成した空間を記載した第2の平面図とを有するので、顧客に対し自由度の高い空間が充分に確保されていることを訴えることが出来、且つ該空間の多様な変化に対する対応性を判り易く提案することが可能となり、的確なプレゼンテーションを行うことが出来る。
【0072】特に、第2の平面図に於ける空間を915mmに対応させた複数の線により形成した多数のグリッドとして記載した場合、該グリッドを面積の基準として認識することが容易となり、この空間の規模、形状の把握が容易になり、設計者と顧客が将来の変化に対応し得る間取りの検討、即ち、設計プロセスを共有することが出来る。
【0073】また顧客に対し、自由度の高い空間を提示することによって、将来の変化に対応させた多数の計画を提案する必要がなくなり、設計作業を軽減することが出来る。
【0074】また本発明に係る住宅の設計支援方法では、住宅の外形と、耐震壁を配置したくない領域及び線分を指定することが出来るため、間取りの計画が確定していなくとも、構造の検討を進めることが出来る。特に、耐震壁の配置不可領域及び配置不可線分以外の部位では、何度でも耐震壁を配置して構造の検討を行なうことが出来るため、間取りの変更が生じた場合であっても、極めて容易に再検討を行なうことが出来る。また予め構造の検討を行なった後、間取りの計画を行なうことが出来るため、手戻りが少なく、作業を容易に進めることが出来る。更に、計画の進行に合わせて耐震壁の再配置が出来るため、構造検討と同時進行で設計を行なうことが出来る。このため、設計計画検討を省力化することが出来る。
【0075】耐震壁配置不可領域内の間取りは自由に設定することが出来るため、将来生じる家族構成の変化や生活様式の変化に対応した間取りを容易に計画することが出来る。




 

 


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