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発明の名称 人造セルロース繊維の加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−159079(P2001−159079A)
公開日 平成13年6月12日(2001.6.12)
出願番号 特願平11−336091
出願日 平成11年11月26日(1999.11.26)
代理人 【識別番号】100076587
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 武長
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033 AA02 AC01 AC07 AC08 AC15 BA12 CA48 CA49 
発明者 高橋 朋子 / 岡嶋 真一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 人造セルロース繊維に、エポキシ化合物および酸性触媒と、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類から選ばれた少なくとも一種からなる第三成分とを付与した後、加熱処理することを特徴とする人造セルロース繊維の加工方法。
【請求項2】 前記加熱処理した後に、液流揉布することを特徴とする請求項1に記載の人造セルロース繊維の加工方法。
【請求項3】 人造セルロース繊維を含む布帛に、エポキシ化合物および酸性触媒と、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類から選ばれた少なくとも一種からなる第三成分とを付与した後、加熱処理することを特徴とする人造セルロース繊維を含む布帛の加工方法。
【請求項4】 前記加熱処理した後に、液流揉布することを特徴とする請求項3に記載の人造セルロース繊維を含む布帛の加工方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は人造セルロース繊維の加工方法に関し、さらに詳しくは短時間で効果的に極濃色の発色性と高度の耐スレ性と高染色堅牢度を付与することができ、かつ優れた保水・吸水性とソフトな風合いを併せ持つ人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛の改質加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース系繊維を含む布帛の染色仕上げ加工において液流染色機等を使用することにより、風合いが柔らかくなり、また高い生産性が得られるが、染色加工時にスレが発生し、そのために布帛が白っぽく見え、極濃色品を得るのが難しいという問題があった。また繰り返し洗濯するとフィブリルの発生により白化したり、さらに湿摩擦堅牢度がフィブリル化により低下するという問題もあった。このため、人造セルロース系繊維を含む布帛のアウターやインナーへの展開が制限されていた。
【0003】上記問題を解決する方法として、特開平10−237765号方法には、人造セルロース繊維または布帛に、エポキシ化合物と酸性触媒とポリエチレングリコール(以下、PEGということがある)とを付与した後、加熱処理する質加工方法が提案されている。この方法によれば、染色工程等の液流揉布履歴でのスレ発生を防ぎ、染色性を損なうことなく、柔軟で高度な耐スレ性と高湿摩擦堅牢度を付与することができるが、湿潤堅牢度が低下するという欠点があった。また上記方法では、ポリエステル系繊維やポリアミド系繊維と人造セルロース繊維の複合布帛の場合に、ポリエステル系繊維を分散染料で、ポリアミド繊維を酸性染料で染色することが多いため、これらの分散染料や酸性染料による人造セルロース繊維の汚染が多くなり、染色ムラや堅牢度の低下が生じ易いという問題があった。さらに上記方法でも樹脂架橋によりセルロース繊維の染色性低下を防止することはできるが、その効果はまだ不十分であり、極濃色品を得ることはできなかった。そのため、人造セルロース繊維の商品展開が制限され、特に高発色性が要求されるブラックフォーマル分野への参入が不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛に短時間で効果的に極濃色の発色性と高度の耐スレ性と高染色堅牢度を付与し、かつ優れた保水・吸水性とソフトな風合いを低コストで付与することができる人造セルロース繊維の加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛に、特定の第三成分の存在下で酸性触媒によりエポキシ化合物を反応させることにより、染色性が格段に向上し、風合硬化、強度低下の殆どない、しかも液流染色に耐え得る高度な耐スレ性と高湿摩擦堅牢度を付与でき、また湿潤堅牢度の低下を防ぐことができ、さらに上記の反応後に液流染色機等で揉布することにより、繊維交絡点に付着した樹脂や未反応樹脂等が脱落し、繊維の自由度が増してより柔軟化し、さらに高発色で高湿摩擦堅牢度が顕著に向上することを見いだし、本発明に到達したものである。すなわち、本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【0006】(1)人造セルロース繊維に、エポキシ化合物および酸性触媒と、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類から選ばれた少なくとも一種からなる第三成分とを付与した後、加熱処理することを特徴とする人造セルロース繊維の加工方法。
(2)前記加熱処理した後に、液流揉布することを特徴とする(1)に記載の人造セルロース繊維の加工方法。
(3)人造セルロース繊維を含む布帛に、エポキシ化合物および酸性触媒と、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類から選ばれた少なくとも一種からなる第三成分とを付与した後、加熱処理することを特徴とする人造セルロース繊維を含む布帛の加工方法。
(4)前記加熱処理した後に、液流揉布することを特徴とする(3)に記載の人造セルロース繊維を含む布帛の加工方法。
【0007】
【作用】本発明における染色性の大幅な向上と湿潤堅牢度低下抑制の機構は次のように推定される。すなわち、エポキシ化合物、触媒および上記した第三成分を人造セルロース繊維に付与すると、該エポキシ化合物、触媒および第三成分が繊維内部に浸透、拡散し、その後の加熱処理により水分が蒸発するが、繊維内部には該エポキシ化合物、触媒および第三成分が残留し、第三成分による繊維の膨潤状態が維持され、さらに高温の加熱により、エポキシ化合物が繊維分子上の水酸基と反応するとともに第三成分とも反応し、第三成分がエポキシ化合物を介して繊維と架橋し、架橋長の比較的長い架橋構造ができるため、染色時に染料の人造セルロース繊維への進入が阻害されることがなく、染色性の向上が達成される。
【0008】この染色性向上の機構は、エポキシ化合物、酸性触媒およびPEGを付与する従来の方法によっても得られるが、PEGの代わりに上記した第三成分を用いることにより、飛躍的な染色性向上効果を得ることができる。エポキシ化合物と酸性触媒およびPEGによる加工の場合に染色性を阻害しないとはいえ、その効果はまだまだ不十分であり、また人造セルロース繊維自身の湿潤堅牢度が低下する傾向にあるが、本発明の加工方法によれば、人造セルロース繊維自身の湿潤堅牢度低下を起こすことなく、高発色性、高湿潤堅牢度を達成することができる。また本発明の加工方法によれば、加工による汚染染料の増加を招かないために染色ムラや堅牢度低下を引き起こすことがない。この現象は、特に分散/直接1浴染色や、分散/反応1浴染色、酸性/直接1浴染色、酸性含金/直接1浴染色においてかなり顕著な効果として現れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる人造セルロース繊維としては、木材パルプを原料に、アルカリセルロースを得て、これを二流化炭素を用いて溶解し、ビスコース原液を作り、酸水溶液中に紡糸して凝固させる、いわゆる湿式紡糸法によるビスコースレーヨンやポリノジック、コットンリンターを銅アンモニア溶液に溶解して紡糸して得られる銅アンモニアレーヨンなどが挙げられる。特に銅アンモニアレーヨンの使用は、染色堅牢度に優れた極濃色が得られ、銅アンモニアレーヨンに発生し易いスレが殆どなくなり、さらに優れた風合いが得られる点で好ましい。
【0010】なお、本発明でいうスレとは、リラックス精練やシボ立て加工、染色加工工程および洗濯等において、人造セルロース繊維中のセルロース分子鎖間の結合力が湿潤時に低下した状態で、布帛同志または布帛と染色機械壁面等の他のものとの摩擦による物理的な力が繊維に加えられ、繊維が割繊状態になる現象をいい、またフィブリルとはその割繊された繊維をさす。人造セルロース繊維は、無撚糸、撚糸のいずれでもよいが、撚糸の場合は、撚数1000〜3000T/m、特に2000〜2800T/mが好ましい。撚数が1000T/m以上のものは、それ未満のものに比べて水中で繊維が膨張したときに発生する解撚力と糸条の糸長方向および断面方向への寸法変化の関係が大きく異なり、撚数1000T/m以上のものの方が上述の関係によってシボ立ち性の大小および均一性に大きく影響を及ぼす。この撚数が1000T/m未満では解撚力が小さいために短時間で均一なシボが発現され難く、また撚数が3000T/mを超えると撚糸斑等が原因で解撚斑が発生しやすく、均一なシボが得られ難くなる。
【0011】また人造セルロース繊維は、長繊維、短繊維のいずれでもよいが、長繊維の方が、耐スレ性効果と湿摩擦堅牢度向上効果がより顕著に発現し、さらに布帛の表面光沢に優れる点で好ましい。また人造セルロース繊維のトータルデニールは30〜150dの範囲のものが好ましい。単糸デニールは0.95〜2.2dの範囲のものが好ましい。人造セルロース繊維を加工する際の繊維形態としては特に制限はなく、糸条、整経糸、織物、編み物、不織布などの形態で加工することができるが、織物、編物、不織布などの布帛形態で処理するのが、顕著な効果が発現するので好ましい。人造セルロース繊維を含む布帛としては、人造セルロース繊維からなる布帛、人造セルロース繊維と合成繊維および/または天然繊維との複合布帛が挙げられる。
【0012】合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、アセテート系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニールアルコール系繊維、塩化ビニリデン繊維等が挙げられ、天然繊維としては、綿、羊毛、麻、絹等が挙げられる。人造セルロース繊維と合成繊維および/または天然繊維との複合形態としては、混繊または交撚などの複合糸や、交編または交織した布帛や、複合糸との交編または交織した布帛が挙げられる。混合される合成繊維は、無撚糸、撚糸のいずれでもよいが、撚糸の場合は、シボ立ち性の点から、撚数1000〜3000T/mのものが好ましい。人造セルロース繊維の混用率には特に限定されないが、30%以上がその効果が顕著に現れるので好ましい。
【0013】本発明の加工方法では、まず、人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛に、エポキシ化合物および酸性触媒と、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類から選ばれた少なくとも1種からなる第三成分とが付与され、その後、加熱処理される。人造セルロース繊維、糸条または整経糸への上記成分の付与は、繊維の製造工程である紡糸、凝固、再生、水洗、乾燥などの連続工程中の乾燥前の繊維または乾燥後の繊維のいずれで行ってもよく、また織物、編物、不織布等の布帛への付与の場合は特に制限はない。
【0014】本発明に用いられるエポキシ化合物としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシル)イソシアヌレート、トリスメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、フェノールエチレンオキサイド、ラウリルアルコールエチレンオキサイドのモノおよびポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、フェノールエチレンオキサイド、ポリグリセロールなどのポリグリシジルエーテルが好ましく、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびこれらの混合物が顕著な効果が得られる点で好ましい。
【0015】これらのエポキシ化合物は水に溶解して使用するが、溶解度が低い場合には少量の有機溶剤(例えばジオキサンまたはイソプロピルアルコール)と水との混合溶液を用いることができる。本発明に用いられる酸性触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸、有機酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸などのオキシ酸、アミン塩酸塩等が挙げられる。また塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、ホウフッ化亜鉛、塩化マグネシウム、ホウフッ化マグネシウムなどの無機金属塩等も酸性触媒に含まれる。これらは用いるエポキシ化合物に適したものを選択して単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。特にホウフッ化マグネシウムは反応性に優れている点で好ましい。
【0016】エポキシ化合物の溶液中濃度(有効成分濃度)は2〜20重量%が好ましく、より好ましくは3〜10重量%である。エポキシ化合物の濃度が2重量%未満では耐スレ性効果が不十分な場合があり、20重量%を超えると固着樹脂量が過剰となるために、布帛の風合いや染色性が阻害される場合がある。酸性触媒の使用量は、通常、エポキシ化合物の使用量に対して5〜20重量%で、好ましくは5〜15%である。触媒量が5%未満ではエポキシ化合物の架橋が不十分になり耐スレ性が低下し易く、また湿摩擦堅牢度向上効果の発現も抑制される。20%を超えると十分に架橋が行えるが、触媒によるセルロース繊維へのダメージが大きくなりやすい。
【0017】本発明の加工方法には、第三成分として、プロピレングリコールまたはその多量体、脂肪族ポリオール、還元糖類、二糖類および単糖類の少なくとも1種が用いられる。プロピレングリコールの多量体としては、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、脂肪族ポリオールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、還元糖類としては、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール等が挙げられ、単糖類としては、キシロース、アラビノース、リボース、エリスロース、ガラクトース、ソルビタン等が挙げられ、二糖類としては、ラクトース、ショ糖、マルトース等が挙げられる。これらのうち水に可溶なものが好ましく、特にポリプロピレングリコール(以下、PPGということがある)が好ましい。
【0018】PPGとしては、分子量が70〜1000の範囲のものが好ましく、300〜600の範囲のものが特に好ましい。分子量が70未満ではエポキシ化合物との架橋において得られる架橋構造物の架橋長が短すぎて染色性向上効果やシボ発現効果が十分に得られない場合があり、また分子量が600を超えると染色堅牢度が低下し易く、また水溶解性が劣り、均一付着が困難な場合がある。上記第三成分の溶液中濃度は、その濃度に比例して染色性が向上するため、エポキシ化合物の使用量に応じて適宜決定するのが好ましいが、通常は2〜20重量%の範囲とされる。第三成分の濃度が2重量%未満では染色性向上効果が不十分な場合があり、20重量%を超えると染色性向上効果は十分であるが、染色堅牢度が低下する場合がある。
【0019】上記エポキシ化合物、酸性触媒および第三成分は、これらの成分を含む混合溶液を調整した後、人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛に付与するのが好ましい。この混合溶液は、そのpHが常に5〜7になるように溶液の調整時に、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、アンモニア水、リン酸等の安定剤を適量加えておくのが好ましい。また人造セルロース繊維に上記混合溶液を付与する際には、柔軟剤等他の薬剤を混合してもよい。
【0020】上記混合溶液の付与および加熱処理は、例えば、次のような工程で行うことができる。まず、混合溶液に人造セルロース繊維を含む布帛を浸す。布帛に対する混合溶液のウェットピックアップ率は用いる人造セルロース繊維の布帛における混用率や生地形態によっても異なるが、通常は40%owf以上、好ましくは40〜120%owfになるようにマングルで絞る等して調節する。次いで80〜150℃で20秒〜5分間の予備乾燥を行い、次に130〜200℃で5秒〜5分間、好ましくは140〜180℃で30秒〜3分間の加熱処理をする。なお、予備乾燥を省略して熱処理のみでもよいが、予備乾燥した方が混合溶液のマイグレーション等が抑制でき、混合溶液が均一に付着するので好ましい。人造セルロース繊維や布帛への混合溶液の付与は、Dip/Nip法やキスロールによる片面付与、スプレー法等による付与等のいずれの方法で行ってもよい。加熱処理にはピンテンター、ショートループ、シュリンクサーファー等の加熱装置が用いられる。
【0021】上記混合溶液の付与および加熱処理が施された人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛には、液流揉布処理するのが好ましい。ここで、液流揉布とは、液流で揉布することをいい、例えば、液流染色機、ウインス染色機、パドル染色機、ドラム染色機、ワッシャー、リラクサー等で処理することをいう。この際の液流としては水流が好ましい。この液流揉布処理をすることにより、繊維上や繊維交絡点に付着した樹脂や未反応物等が脱落し、繊維の自由度が増し、風合いの柔軟化と強度低下防止効果が発現する。液流揉布処理は、液流染色機等で染色することで達成されるが、あらかじめ液流染色機等でソーピングまたは水洗を行って未反応物を除去してから染色するのが染色ムラや色ぶれ等を防止できるため好ましい。また液流揉布処理は、撚糸布帛の解撚・シボ立て工程を兼ねて行うことができる。すなわち撚糸布帛のシボ立て前の生機に本加工を行い、得られた撚糸布帛をリラクサーやワッシャー等を用い、水でシボ立てと同時に前記した付着した樹脂や未反応物を除去することができる。
【0022】またソーピングに用いられるソーピング剤は、前述の付着した樹脂や未反応樹脂を繊維より脱着させやすくする薬剤であり、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤、非イオン系のポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルチオエーテル、脂肪酸アルキロールアミドなどの界面活性剤が用いられるが、薬剤を含まない水洗工程も含まれる。ソーピング剤の使用濃度(有効成分)および処理条件としては、繊維へのダメージを考慮して、0.2〜3g/Lで処理浴のpHが9〜11になるようにアルカリを適当量併用し、40〜80℃で10〜40分で処理するのが好ましい。
【0023】本発明の加工が施された繊維または布帛の染色方法には特に限定はなく、例えば、人造セルロースを染める染料として通常の反応性染料または直接染料が用いられ、染色方法としては、吸尽法、パッド染色法、捺染法などが挙げられる。ポリエステル系繊維と人造セルロース繊維の混合物の場合には、直接染料および分散染料の組み合わせ、または中性、高温下で染着可能な反応染料および分散染料の組み合わせによる一浴一段染色法、または分散染料染色後に反応染料染色する一浴二段染色法もしくは二浴二段染色法などが挙げられる。またポリアミド系繊維と人造セルロース繊維混合物の場合は、酸性染料または酸性含金染料と直接染料との組み合わせによる一浴一段染色法、または反応染料後、酸性染料もしくは酸性含金染料で染色する二浴二段染色法が挙げられる。吸尽法で使用される染色機としては液流染色機、ウインス染色機、パドル染色機、ドラム染色機等が挙げられる。
【0024】また、通常行われているように、人造セルロース繊維を染色後染料固着のためにFix処理を行うことが好ましい。Fix剤としては、ポリアミド系、ポリカチオン系、反応型カチオン性固着剤等の通常使用されるFix剤が用いられる。反応性Fix剤の使用は、高湿摩擦堅牢度を達成できるので好ましい。このような反応型Fix剤としては、例えば、CIBA−GEIGY社製商品名、Cibafix E等が挙げられる。また染料固着のためにFix処理をした後、さらにアニオン系柔軟剤で処理することは、Fix処理でカチオン性となった布帛をアニオン返しにより、ノニオン化する効果や、布帛の柔軟性を高めたり、湿摩擦堅牢度を向上させる効果を発現できるために好ましい。
【0025】アニオン系柔軟剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルの混合物、ポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基が分子構造中に導入されたアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキル硫酸エステル塩等が用いられ、炭素数約8〜20の親油性のアルキル基、ポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基の非イオン性親水基、スルホン酸やカルボン酸等のアニオン性極性基を分子中に持つものが好ましい。ポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基の非イオン性親水基により吸水性も付与することができる。このようなアニオン系柔軟剤の市販品としては、例えば第一工業製薬社製のファインソフトAQ−80、一方社油脂化学社製のロンサイズN−700、日華化学社製のサンソフターA700等が挙げられる。
【0026】またポリエステル系繊維と人造セルロース繊維の混合物を分散染料と直接染料の一浴一段染色法や、分散染料と反応染料の一浴一段染色法、一浴二段染色法などで染色した場合に、Fix処理後またはその前にソーピング処理を行うことは人造セルロース繊維に汚染した分散染料やポリエステル系繊維の表面に染着している過剰な分散染料または固着していない直接染料および反応染料を除去し、堅牢度低下を防ぐ効果を発現できるために好ましい。このソーピング剤としては、通常のポリエステル系繊維と人造セルロース繊維の複合染色時に使用される非イオン系またはアニオン系の界面活性剤等が用いられる。このようなソーピング剤の市販品としては、例えば日華化学社製のリポトールTC300、TC350等、コタニ化学工業社製のクインソープT−JEnew等が挙げられる。
【0027】また仕上げ加工としては、柔軟処理、撥水処理など通常の処理が行われるが、特にフッソ系やシリコーン系撥水剤で処理した場合には、顕著な濃染化が達成されるので、ブラックフォーマル用途には適したものとなる。同じ撥水剤で仕上げ加工を実施しても、染色前に本加工による処理を実施した場合とそうでない場合には濃染化の度合いが大きく異なり、本加工処理を実施したものは、顕著に濃染化される。特に、濃染化効果の高い加工剤としては、例えば明成化学社製のフッソ撥水剤、アサヒガードAG710やAG−730、また日華化学社製のアミノシリコーン系柔軟撥水剤、ニッカシリコーンAMX等が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、実施例で示した測定項目は下記の方法により測定したものである。
(1) 発色性:マクベス分光光度計MS−2020型を用い、JIS−Z−8730に準じ、CIE Lab表色系で、作製した布帛のK/S、L値を測定し、発色性評価とした。
(2) 耐スレ性:染色後と洗濯後の布帛の左右の端、中央の3箇所、長さ方向に無作為に3箇所の計9箇所から3cm四方にサンプリングし、ついで、光学顕微鏡で観察し、さらに、スレ状態の最も大きい場所を中心に1cm四方にサンプリングし、交絡単位数を20以上含むような倍率で走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮り、スレ状態を下記により定量化し、スレ率を算出した。ここで交絡単位とは、布帛の経緯糸がそれぞれ交絡し、表に出ている部分をいい、例えば、経糸の場合、交絡している緯糸の両隣の緯糸との交絡により区切られ表に出ている部分をいい、布帛が平織の場合、組織点が経緯糸交互に交絡単位となる。スレ状態は、写真を肉眼で見て、単繊維1〜2本フィブリル化しているもの : 0.5単繊維3本以上フィブリル化またはフィブリル化1本が100μm以上のもの : 1として点数をつけ、下記式でスレ率を算出した。
スレ率(%)=(フィブリル化の点数の合計/交絡単位総数)×100【0029】(3) 水膨潤率(保水性):20℃×60%Rhの調湿状態の改質加工処理したものおよび未処理のものをイオン交換水に30分浸漬し、3500rpmで5分間遠心脱水したものの重量をW1 (g)とし、その絶乾重量をW2 (g)とし、以下の式で水膨潤率を算出した。また、この水膨潤率が大きいほど、保水性が高いことを示す。
水膨潤率(%)=〔(W1 −W2 )/W2 〕×100(4) 湿摩擦堅牢度:JIS−L−0849に準じて測定した。
(5) 洗濯堅牢度:JIS−L−0844 A2法に準じて行い、洗濯後の液汚染および綿、ナイロン汚染を級判定した。この級数が小さいほど汚染が大きいことを示す。
(6) DC(ドライクリーニング)液汚染:JIS−L−0860に準じて行い、パークレン溶液を用いたDC後の液汚染を級判定した。この級数が小さいほど汚染が大きいことを示す。
【0030】実施例1銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f)とレギュラーエステル加工糸(73dtex/36f)を合撚した糸(SZ1800T/m)を経、緯糸に使い、経密度50本/インチ、緯密度42本/インチからなる生機を通常の処方でリラックス精練、プレセットして布帛を得た。この布帛を、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%およびPPG400(第三成分)4重量%の混合加工水溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ80%に絞り、100℃で2分乾燥後、170℃で1分キュアリングした。次いで液流染色機中でアルカリ減量を行い、排液後、中和、水洗し、その後、分散染料Dianix BlackS−LF01(三菱化成ヘキスト社製)2.7%owfおよび直接染料Kayarus Black B160(日本化薬製)2.9%owfを用い、助剤として分散剤ディスパーN550(明成化学社製)1g/L、pH調整剤ダイアサーバpH95(三菱化成ヘキスト社製)1g/Lおよびボウ硝30g/Lを含む染色浴中で浴比1:20で130℃の1浴染色を実施した。
【0031】染色後、反応型Fix剤のCibafix Eを5.5%owf(見掛け濃度)用いて処理し、50℃昇温後水酸化ナトリウム1.25g/Lを添加し、さらに30分間処理を続けた。中和、水洗後、リポトールTC350(日華化学社製)1g/Lの浴中にて40℃で10分間ソーピング処理を実施した後、水洗、脱水、乾燥後、仕上げ処理として、シリコーン系柔軟剤 ニッカシリコーンAMZ(日華化学社製)2重量%、フッソ系撥水剤 アサヒガードAG710(明成化学社製)4重量%および水94重量%の混合液をパディングし、ヒラノテクシード社製ピンテンターを用いて170℃で1分間キュアリングし、染色布帛を得た。この布帛の特性を調べ、その結果を表1に示したが、染色ムラは全くなく、またブラックフォーマルに適する程の極濃色品であった。また、湿摩擦堅牢度および洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。
【0032】実施例2実施例1において、反応型Fix剤Cibafix E処理、ソーピング処理した後、続けてアニオン系柔軟剤ファインソフトAQ−80(第一工業製薬社製)を5%owf(見掛け濃度)を用い、浴比1:20で40℃で15分間処理、水洗、脱水、乾燥した以外は実施例1と同様の仕上げセットを行い、染色布帛を得た。この布帛の特性を調べ、その結果を表1に示したが、染色ムラは全くなく、またブラックフォーマルに適する程の極濃色品であった。また、湿摩擦堅牢度および洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。
【0033】実施例3実施例2において、Fix剤として、ポリアミン系Fix剤 センカフィックスNFC(センカ社製)5%owf(見掛け濃度)を用い、浴比1:20で20分間処理した以外は実施例2と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、染色ムラは全くなく、実施例2のものと同様に極濃色品であった。また実施例1のものに比べると若干劣るものの、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れたものであった。
【0034】実施例4実施例2において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにトリメチロールプロパンを3.3重量%用いた以外は実施例2と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、実施例2のものと同様に優れた特性を有していた。
実施例5実施例2において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにD−ソルビトールを2.3重量%用いた以外は実施例2と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、実施例2のものと同様に優れた特性を有していた。
【0035】実施例6実施例2において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにD−ガラクトースを4.5重量%用いた以外は実施例2と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、実施例2のものと同様に優れた特性を有していた。
実施例7実施例2において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにラクトースを4.5重量%用いた以外は実施例2と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、実施例2のものと同様に優れた特性を有していた。
【0036】比較例1実施例2において、混合加工水溶液として、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%およびPEG400が5重量%であるものを用い、該水溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ80%に絞り、120℃で2分乾燥後、170℃で1分キュアリングし、次いで、液流染色機中でアルカリ減量を行い、排液後、中和、水洗した以外は実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング、アニオン系柔軟剤処理、仕上げ加工を実施して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛には染色ムラは全く見られなかったが、実施例2のものと比較するとかなり発色性の劣るものであった。また湿摩擦堅牢度には優れるものの、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染が悪いものであった。
【0037】実施例8実施例2において、液流染色機中で、アルカリ減量、中和、水洗した後、反応染料Sumifix Black ENS(住友化学社製) 150%gran5.2%owfおよび分散染料Dianix Black S−LF01 2.7%owfを用い、酢酸と酢酸ナトリウムでpH5.5に調整した染色浴で、助剤として分散剤ディスパーN−550 1g/L、ボウ硝50g/Lおよび炭酸ナトリウム25g/Lを使用し、浴比1:20で1浴2段染色を実施し、染色後、リポトールTC350 1g/Lにて95℃で10分間ソーピング処理した以外は実施例2と同様にしてFix処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を実施して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、染色ムラが全く見られず、またブラックフォーマルに適するほどの極濃色品に仕上がっていた。また、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れたものであった。
【0038】実施例9実施例8において、染色、ソーピング後、反応型Fixの代わりにポリアミン型Fix センカフィックスNFC 5%owfで処理した以外は実施例8と同様に仕上げ処理を行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は染色ムラが全く見られず、またブラックフォーマルに適するほどの極濃色のものであった。またこの布帛は実施例8のものに比べると若干劣るものの、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。
【0039】比較例2比較例1において、染色以降の処理を実施例8と同様に行った以外は比較例1と同様にして染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示したが、発色性は実施例8に比べて低く、洗濯堅牢度、DC液汚染の劣るものであった。
【0040】実施例10実施例2において、布帛を混合加工水溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ80%に絞り、120℃で2分乾燥後、170℃で1分キュアリングし、次いで、通常の処方でリラックス精練、アルカリ減量、中和、水洗した以外は実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を実施して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、染色ムラもなく、シボ立ち性も良好で、発色性の高いものであった。また、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。
【0041】比較例3実施例10において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにPEG400を5重量%用いた以外は実施例10と同様にして染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、実施例10のものに比べて発色性が大きく劣り、また洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染の悪いものであった。
【0042】実施例11湿式流下緊張紡糸法により凝固再生された乾燥前の銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f)に、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)10重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)1.0重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.5重量%、PPG400が8重量%および水80.5重量%の混合加工剤溶液をWet on Wetでキスロールでウェットピックアップ率100%で付与し、150℃で10秒間加熱処理した。この糸と、レギュラーエステル加工糸(73dtex/36f)を合撚した糸(SZ1800T/m)を経、緯糸に使い、経密度60本/インチ、緯密度52本/インチからなる生機を作製し、通常の方法でリラックス精練、アルカリ減量を行った後、実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング、アニオン系柔軟剤処理、仕上げ加工を実施して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、実施例2のものと同様に染色ムラは全く見られず、シボ立ち性の良好な外観品位に優れたものであった。また極濃色に仕上がっており、さらに湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。
【0043】比較例4実施例11において、乾燥前の銅アンモニアレーヨン糸へのエポキシ加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにPEG400を5重量%用いた以外は実施例11と同様に仕上げて染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、実施例11のものに比べて発色性が大きく劣り、また洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染の悪いものであった。
【0044】実施例12銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f)とエステルT&T糸(45dtex/20f)を合撚(2000T/m)した糸で巾180cm、48コース、28ウェルのスムース生機を作製した。この生機をエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%およびPPG400が4重量%の混合加工水溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ80%に絞り、100℃で2分乾燥後、170℃で1分キュアリングした。次いで、液流染色機中でリラックス精練し排液、水洗した後、実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この染色布帛は、染色ムラが全く見られず、またブラックフォーマルに適する程の極濃色であった。さらに湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。また、ノンホルマリン樹脂等で仕上げ加工をしていないにも関わらず、洗濯での防縮性にも優れたものであった。
【0045】実施例13実施例12において、生機を液流リラックス精練し、乾燥した後、実施例12と同様にしてエポキシ化合物による加工を施した。次いで、液流染色機中で50℃で水洗を行い、その後、実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を実施して染色布帛を得た。得られた布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、実施例12のものと同様に発色性、堅牢度に優れたものであった。また洗濯収縮性にも優れたものであった。
【0046】実施例14銅アンモニアレーヨンステープル糸(単繊維鮮度1.5dtex、カット長52mm)の綿番手40’S(Z撚り:1400T/m)とレギュラーエステル加工糸糸(73dtex/36f)を合撚(SZ1800T/m)した糸を経糸に、レギュラーエステル加工糸(56tex/24f)を緯糸として、経密度50本/インチ、緯密度42本/インチの生機を作製した。この生機を実施例1と同様にリラックス精練、プレセットした後、実施例1と同様にしてエポキシ化合物による加工を施した。次いで液流染色機中でアルカリ減量し、排液、中和、水洗後、実施例2と同様にして染色、Fix、ソーピング処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、スレや染色ムラが全くなく、またかなりの極濃色に仕上がっていた。さらに染色堅牢度に優れるものであった。
【0047】実施例154枚筬、28ゲージのラッシェル経編機を使用し、前筬に銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f)を第1中筬にナイロンマルチフィラメント糸(34dtex/10f)を、第2中筬にポリウレタンからなる第一伸縮弾性糸(78dtex)を、後筬にポリウレタンからなる第二伸縮弾性糸(45dtex)をそれぞれフルセットに配置し、前筬、第1中筬、第2中筬および後筬の編組織および編条件を下記の通りとし生機を得た。
前筬 :11/10/11/11/12/11第1中筬:10/12/21/23/21/12第2中筬:00/22/11/33/11/22後筬 :00/22/22/33/11/11ランナー長前筬 :30.6cm/ラック第1中筬:98.6cm/ラック第2中筬:10.3cm/ラック後筬 :17.1cm/ラック机上密度90コース/インチ【0048】該生機を90℃で20秒間湯通しし、巾210cm、190℃で45秒間予備セットを行い、目付190g/m2の伸縮弾性布帛を得た。該布帛を、エチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%、PPG400が4重量%および水90.3%の混合溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ60%に絞り、160℃で45秒間加熱処理した。次いで液流染色機中にて50℃で水洗を行い、次に直接染料Kayarus Black B160 3%owfおよび1:2酸性含金染料 Aizen Opal Black special(保土谷社製) 3%owfを用い、助剤としてボウ硝 30g/L、硫酸アンモニウム4%owfおよびナイロン用防染剤ユニオナールL(センカ社製)0.5g/Lを含む染色浴で1浴染色を実施した後、水洗し、その後タンニン酸を用いてナイロンFix処理を行い、セルロースFixとしてCibafix E処理し、水洗、中和、水洗し、拡布乾燥を行った。その後、仕上げ処理としてファインソフトAQ80の6%水溶液をパディングし、ヒラノテクシード社製ピンテンターを用いて170℃で1分間キュアリングして染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛はスレや、染色ムラが全く見られず、かなりの濃色に仕上がっていた。また、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れるものであった。さらに、吸水性にも優れるものであった。尚、湿摩擦堅牢度はシンカーループ面(銅アンモニアレーヨン糸の露出率100%)を測定した。
【0049】比較例5実施例14において、生機を湯通しし、190℃予備セットした後、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにPEG400を5重量%用いた以外は実施例14と同様の処理で仕上げて染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、実施例14のものに比べて発色性が劣り、また洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染の大きいものであった。
【0050】実施例162枚筬、40ゲージのトリコット経編機を使用し、前筬に銅アンモニアレーヨン糸(34dtex/24f)を、後筬に銅アンモニアレーヨン糸(34dtex/24f)を配置し、ハーフトリコットを編成して生機を得た。この生機を90℃で20秒間湯通し、巾190cm、180℃で45秒間予備セットを行い、目付110g/m2 の布帛を得た。得られた布帛をエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%およびPPG400が4重量%の混合加工水溶液に浸漬後、マングルでウェットピックアップ80%に絞り、100℃で2分乾燥後、170℃で1分キュアリングした。次いで、液流染色機中で50℃にて水洗いした後、直接染料KayarusBlack B160 4.5%owfを用い、助剤としてボウ硝30g/Lおよび炭酸ナトリウム0.5g/Lを含んだ染色浴中で染色後、反応型Fix剤のCibafix Eを5.5%owf用いて実施例2と同様に処理し、その後アニオン系柔軟剤ファインソフトAQ80を5%owf用いて実施例2と同様に処理した。その後、170℃で乾燥セットを行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。この布帛は、染めムラが全く見られず、かなり濃色のものであった。また、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染、DC液汚染に優れたものであった。
【0051】実施例17実施例16において、染色時に用いる染料を反応性染料Sumifix Black ENS150%を8%owfとし、助剤としてボウ硝50g/Lおよび炭酸ナトリウム25g/Lを含んだ染色浴中で染色し、その後グランアップNC(三洋化成社製)2g/Lでソーピング処理し、反応型FixのCibafixEで処理した以外は実施例16と同様に処理して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。実施例16もののと同様に染色ムラは全く見られず、また発色性、染色堅牢度にかなり優れるものであった。
【0052】比較例6実施例16において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにPEG400を5重量%用いた以外は実施例16と同様にして染色布帛を得た。この評価結果を表1に示した。この布帛は、染色ムラは全く見られなかったが、実施例16のものに比べて発色性がかなり劣り、また、洗濯液汚染、洗濯白布汚染の大きなものであった。
【0053】実施例18経糸が銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f)、緯糸が銅アンモニアレーヨン糸(112dtex/70f、撚数2700T/m)からなる経密度121本/インチ、緯密度74本/インチの生機を通常の処方でシボ立て、精練乾燥した布帛を用意し、該布帛をジエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒)0.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%およびPPG400が4重量%の混合加工水溶液に浸漬し、絞り、乾燥、キュアリングした後、実施例16と同様に、液流染色機中で、湯洗い、染色、Fix、アニオン系柔軟処理、乾燥セットを行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。得られた布帛はスレ、染めムラが全く見られず、またシボ品位も良好で濃色品に仕上がっていた。また、湿摩擦堅牢度、洗濯液汚染、洗濯白布汚染に優れるものであった。
【0054】実施例19経糸が銅アンモニアレーヨン糸(84dtex/45f、撚数2500T/m)、緯糸が銅アンモニアレーヨンステープル(単繊維鮮度1.5dtex、カット長52mm)の綿番手40’S(Z:1400T/m)からなる経密度77本/インチ、緯密度77本/インチの生機を、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒90.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%、PPG400が4重量%の混合加工水溶液に浸漬し、絞り、乾燥、キュアリングした後、実施例16と同様に湯洗い、染色、Fix、アニオン系柔軟処理、乾燥セットを実施して染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。得られた布帛は、スレ、染色ムラが全く見られず、またかなり濃色のものであった。また、染色堅牢度に優れるものであった。
【0055】実施例20経糸がレーヨン糸(84dtex)、緯糸がレーヨン糸56dtexとエステル34dtexの交撚糸(撚数2600T/m)からなる経密度97本/インチ、緯密度69本/インチの生機を通常の処方でシボ立て、精練乾燥した布帛を、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)5重量%、ホウフッ化マグネシウム(酸性触媒90.5重量%、酢酸マグネシウム(安定剤)0.2重量%、PPG400が4重量%の混合加工水溶液に浸漬し、絞り、乾燥、キュアリングした後、実施例2と同様にして液流染色機中で、湯洗い、染色、Fix、ソーピング処理、アニオン系柔軟処理、仕上げ加工を行って染色布帛を得た。この布帛の評価結果を表1に示した。レーヨン糸を用いたこの布帛においても、染色ムラはなく、またかなり発色性の高いものとなっていた。さらに、堅牢度も良好なものであった。
【0056】比較例7実施例20において、エポキシ化合物の加工時の混合加工水溶液にPPG400を4重量%用いる代わりにPEG400を5重量%用いた以外は実施例20と同様に処理して仕上げて染色布帛を得た。得られた布帛は実施例20のものに比べて発色性、染色堅牢度に劣るものであった。
【0057】
【表1】

【0058】
【発明の効果】本発明の人造セルロース繊維の加工方法によれば、強度低下が少なく、風合いも良好で、染色堅牢度に非常に優れた極濃色の染色性と高度な耐スレ性、および優れた保水・吸水性とソフトな風合いを併せつ人造セルロース繊維または該繊維を含む布帛を低コストで有利に提供することができる。




 

 


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