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発明の名称 エアバッグ用基布
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−146655(P2001−146655A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願平11−331249
出願日 平成11年11月22日(1999.11.22)
代理人 【識別番号】100095902
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 穣 (外3名)
【テーマコード(参考)】
3D054
4J002
4L048
【Fターム(参考)】
3D054 AA02 AA03 AA04 AA06 AA13 AA14 AA16 CC15 CC21 CC26 CC45 EE20 FF01 FF02 FF13 FF14 FF18 FF20 
4J002 AB012 AD002 BB032 BB122 BE022 BG042 CC032 CF002 CF052 CF062 CF072 CJ001 CL012 CL032 CL062 DA016 DA066 DM006 FA041 FA042 FA046 GK01 GN00
4L048 AA14 AA24 AA48 AA51 AA53 AB07 AC09 AC12 BA01 BA02 CA01 CA15 DA25
発明者 谷口 龍 / 加藤 仁一郎
要約 目的


構成
エアバッグ用基布において、該基布を構成する布帛の少なくとも一部にオレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されたポリケトン繊維を含むことを特徴とするエアバッグ用基布。
特許請求の範囲
【請求項1】 エアバッグ用基布において、該基布を構成する布帛の少なくとも一部にオレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されたポリケトン繊維を含むことを特徴とするエアバッグ用基布。
【請求項2】 ポリケトン繊維の強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
【請求項3】 ポリケトン繊維の強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のエアバッグ用基布。
【請求項4】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位の97重量%以上が1−オキソトリメチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
【請求項5】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位が1−オキソトリメチレンのみからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
【請求項6】 エアバッグ用基布を構成する布帛の50重量%以上がポリケトン繊維であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
【請求項7】 エアバッグ用基布を構成する布帛がポリケトン繊維のみからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
【請求項8】 エアバッグ用基布が平織物からなり、該基布が下記(1)、(2)の機械的特性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
引き裂き強力 ≧ 700(N)・・・(1) カバーファクターK : 1500≦K≦3000・・・(2)【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のエアバッグ用基布から構成されたエアバッグ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械的特性、被覆材との接着性に優れ、さらには熱や湿度に対して優れた安定性を有し、優れたエアバッグ作動性を有するエアバッグ用基布および該基布から構成されたエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の乗員保護用安全装置の一つとして、エアバッグの装着率が急速に増大している。エアバッグ装置は、自動車の衝突時に衝突のショックをセンサーが感知するとガス発生装置(インフレーター)が高温高圧のガスをエアバッグ基布内に発生させ、エアバッグを瞬間的に膨張・展開せしめることで、衝突時の衝撃から乗員の身体を保護する、という装置ある。従来、エアバッグはナイロン6やナイロン6・6などのポリアミド類、あるいはポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類の汎用繊維フィラメントを用いた平織物又は編物、不織布などの布帛を基布として用い、必要に応じてこれらの布帛に耐熱性、難燃性、気体遮断性などを向上させるためにシリコンやクロロプレン、クロルスルホン化オレフィンなどの合成ゴムや天然ゴムなどのエラストマーを塗布・積層したものを基布として、該基布を裁断、縫製して作製されている。
【0003】エアバッグ用基布にはエアバッグ作動時(膨張・展開時)に非常に強い衝撃がかかるため、基布に用いる布帛はこの衝撃に耐えうるだけの機械的特性を有している必要がある。しかしながら、ポリアミドやポリエステルなどの汎用繊維は強度、弾性率に代表される機械的特性が低いために使用するフィラメントの繊度や織編物の目付を大きくせざるをえず、結果としてエアバッグの重量や容量が大きくなってしまい、軽量化、コンパクト化がの進行が著しい自動車用部品分野において大きな問題となっていた。また、通常エアバッグはステアリングホイールやインストウルメントパネルなどの乗車室内に収納されているが、夏場や炎天下には乗車室内は長時間高温になり、さらに湿度の高い梅雨場や雨天時には長時間高温高湿の環境下に置かれることになる。このため、重縮合系高分子であるポリアミドやポリエステルは機械的物性の低下が起こりやすく、エアバッグの長期の安定作動性に問題があった。
【0004】近年、これらの汎用繊維の問題を解決するために、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維などの高強度・高弾性率の繊維を用いたエアバッグについても検討がなされている(例えば、特開平4−146233号)。しかしながら、ポリエチレン繊維は融点が低く耐熱性が不十分である問題、ポリビニルアルコール繊維は高温・高湿下で機械的特性が大きく低下する問題、アラミド繊維はシリコンやゴムなどの被覆材との接着性が悪いなどの問題があった。以上のように、これまで自動車用エアバッグにおいて、機械的特性、耐熱性、耐湿熱性、被覆材との接着性、の全ての性質を具備するエアバッグ用基布は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機械的特性、耐熱性、耐湿熱性、被覆材との接着性の全てに優れるエアバッグ用基布を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題について種々検討した結果、エアバッグ用基布を構成する繊維として、オレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されたポリケトン繊維を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は:■ エアバッグ用基布において、該基布を構成する布帛の少なくとも一部にオレフィンと一酸化炭素の共重合体からなるポリケトンポリマーにより構成されたポリケトン繊維を含むエアバッグ用基布を提供する。また、■ ポリケトン繊維の強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上である点に特徴を有する。また、■ ポリケトン繊維の強度が10cN/dtex以上、弾性率が200cN/dtex以上である点に特徴を有する。また、■ ポリケトンポリマーを構成する繰返単位の97重量%以上が1−オキソトリメチレンである点に特徴を有する。また、■ ポリケトンポリマーを構成する繰返単位が1−オキソトリメチレンのみからなる点に特徴を有する。また、■ エアバッグ用基布を構成する布帛の50重量%以上がポリケトン繊維である点に特徴を有する。また、■ エアバッグ用基布を構成する布帛がポリケトン繊維のみからなる点に特徴を有する。また、■ エアバッグ用基布が平織物からなり、該基布が下記(1)、(2)の機械的特性を有する点に特徴を有する。また、 引き裂き強力 ≧ 700(N)・・・(1) カバーファクターK : 1500≦K≦3000・・・(2)■〜■のいずれかに記載のエアバッグ用基布から構成されたエアバッグを提供する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明のエアバッグ用基布を構成する布帛の少なくとも一部、あるいは全部として用いられるポリケトン繊維を構成するポリマーは、オレフィンと一酸化炭素の共重合ポリマーである。強度・弾性率などの機械的特性、耐熱性、耐湿熱性、接着性の観点からエチレンと一酸化炭素が結合した1−オキソトリメチレンを主たる繰返単位とするポリマーが好ましい。繰返単位中の1−オキソトリメチレンの割合は、多ければ多いほど高融点、高力学物性の繊維が得られるため90重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは97重量%以上である。
【0008】このオレフィンと一酸化炭素が結合した繰返単位同士は、部分的にケトン基同士、オレフィン同士がつながっていてもよいが、90重量%以上がオレフィンと一酸化炭素が交互に配列したポリケトンポリマーであることが望ましい。耐光性、耐熱性、高温時の物性の低下の観点からオレフィンと一酸化炭素が交互に配列した部分の含有率は多ければ多いほどよく、好ましくは97重量%以上、最も好ましくは100重量%である。また、必要に応じてプロペン、ブテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ペンテン、シクロペンテン、オクテン、ノネン等のエチレン以外のオレフィンやメチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン、塩化ビニル等の不飽和炭化水素を有する化合物を共重合してもよい。これら他の共重合成分の割合は特に制限されないが、通常0〜10%である。
【0009】本発明のエアバッグ用基布に用いられるポリケトン繊維は強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/dtex以上であることが推奨される。繊維の強度は高いほど同一重量当たりの基布の強力が強くなるので、好ましくは5cN/dtex以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上であることが望ましい。また、繊維の弾性率も高いほど基布の剛性が向上するので、好ましくは100cN/dtex以上、さらに好ましくは200cN/dtex以上であることが望ましい。
【0010】また、耐熱特性としては乾熱収縮率および湿熱処理後の強度に代表される耐乾・湿熱特性に優れることが望まれる。乾熱収縮率としては、無緊張下で180℃、30分の乾熱処理後の乾熱収縮率が好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下であることが望ましい。湿熱処理後の強度としては、120℃、100%湿度下で30分の湿熱処理後の繊維の強度としては、好ましくは5cN/dtex以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上の強度であることが望ましい。
【0011】このような特性を有するポリケトン繊維はエアバッグ用基布を構成する布帛の少なくとも一部に使用される。エアバッグ用基布を構成する布帛中のポリケトン繊維の割合は高ければ高いほど、機械的特性、耐乾熱・湿熱特性、被覆材との接着性に優れることから、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量%がポリケトン繊維であることが望ましい。ポリケトン繊維の繊度は、エアバッグの使用環境や基布の形態、混用方法により変化するため特に制限はないが、ポリケトン繊維100重量%の場合、単糸繊度0.1〜10dtex、総繊度20〜1000dtexが好ましい。
【0012】本発明のエアバッグ用基布の布帛形態は特に制限はなく平織物や編物、不織布等のような形態・組織であってもよいが、機械的強度の観点から織物であることが好ましく、平織物が特に好ましい。布帛の目付けや密度は特に制限はないが、布帛の厚さとしては0.05〜10mmが好ましく、0.1〜1mmがより好ましい。また、織物の場合には経糸および緯糸の目付けが10〜500本/インチが好ましく、20〜300本/インチがさらに好ましい。繊度と織物密度から計算されるカバーファクターは500〜5000の範囲が好ましく、1500〜3500の範囲がより好ましい。なお、本発明においてカバーファクターKとは経糸および緯糸の繊度をDt、Dw(dtex)とし、経糸および緯糸の目付をそれぞれMt、Mw(本/インチ)としたときに下式(3)で計算される数値である。
K = Mt×Dt0.5 + Mw×Dw0.5・・・(3)エアバッグ用基布の機械的強度としては代表的には引裂強力が挙げられる。引き裂き強力はカバーファクターにより異なるため、一律に定義することは困難であるが、本発明の基布はカバーファクターKが1500〜3000のときの引裂強力が700N以上が好ましく、より好ましくは800N以上であることが望ましい。
【0013】本発明のエアバッグ用基布においてポリケトン繊維と混用可能な繊維については特に制限はなく、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン4・6などのポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリベンザゾール繊維、アラミド繊維、羊毛、ポリアクリロニトリル繊維、木綿、ビスコースレーヨン等のセルロース繊維、炭素繊維、セラミックス繊維、金属繊維などの従来公知の繊維を使用することができ、必要に応じてはこれらの繊維の中から複数種類の繊維を複合して用いても何ら問題はない。ポリケトン繊維と混用可能な繊維の割合は特に制限されないが、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0014】本発明の基布に用いられる繊維材料は無撚のものが好ましいが、場合によっては仮撚り、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工などの加工を施した加工糸を用いても良い。複数種の繊維を混用する場合、その方法についても特に制限はなく、経糸、緯糸に異なる種類の繊維を用いたり、必要に応じては複数種の繊維を仮撚りや撚りなどの加工を施して混繊糸としたり、また、同一種の繊維であっても熱的・機械的特性の異なる繊維、あるいは繊度やフィラメントカウントの異なる繊維、または長繊維のフィラメントと短繊維の紡績糸などを複合して用いてもよい。
【0015】また、本発明のエアバッグ用基布に用いるポリケトン繊維および混用する繊維は、熱安定剤や平滑剤、顔料、油剤、隠蔽剤、艶消し剤、難燃剤、可塑剤、防炎剤などの添加剤を含んでいても何ら問題はなく、むしろ各種安定剤や難燃剤を含有する繊維が望ましい。以上のような条件から作製されたエアバッグ用基布は、目的とするエアバッグの形状に合わせて裁断、縫製される。本発明の基布によるエアバッグの製造方法は、複数枚の基布を縫製、接着、加圧圧着、加硫、熱圧着などの処理を単独あるいはこれらを併用して、また、製織、製編により袋体を作製する方法などいずれの方法によってもよい。エアバッグの形状は円形、球形、楕円形、矩形等どのような形状でもよく、またその用途は運転席用、助手席用、後部座席用、サイド用などいずれの用途のエアバッグであってもよい。本発明のエアバッグ用基布によるエアバッグの排気方式は、全面基布排気方式、部分基布排気方式、排気孔方式およびこれらの複合方式などいずれでもよく使用特性、用途に応じて適宜設計してよい。
【0016】以下、本発明のエアバッグ用基布を構成する布帛に用いられるポリケトン繊維の製造法について説明する。ポリケトン繊維の製造方法は特に限定されず、従来公知の溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法をそのままあるいは修正して用いることが出来る(例えば、特開平1−124617号公報、特開平2−112413号公報、特開平4−228613号公報、特表平4−505344号公報、特開平4−228613号公報、特表平7−508317号公報、特表平8−507328号公報、WO9918143号公開パンフレット、特願平10−236595号公報、特願平11−72091号公報、特願平11−77220号公報、特願平11−159258号公報、特願平11−167370号公報)。エチレン/一酸化炭素交互共重合ポリマーを紡糸する場合には濃厚金属塩を溶剤とする湿式紡糸法が好ましい。
【0017】濃厚金属塩としてはハロゲン化亜鉛化合物が挙げられ、溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛、よう化亜鉛の使用が好ましい。また、必要に応じては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲン化物を60重量%以下で含んでいてもよく、ドープの溶解性、熱安定性、紡糸性の観点から塩化ナトリウムや塩化カルシウムなどの金属塩を5〜30重量%含有したドープが好ましい。このポリケトンドープを紡糸口金より吐出し、必要に応じてはエアーギャップ部を経て凝固浴を通して糸状物とする。凝固浴の組成は、メタノール、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物水溶液等どのようなものであってもよいが、水を含んだ溶液が好ましい。このようにして得た糸状物を必要に応じては金属塩を洗浄し、乾燥、延伸を行う。延伸は、通常融点以下の温度で行われ延伸倍率はトータルで10倍以上、特に15倍以上の熱延伸を行うことが好ましく、延伸温度を徐々に高くしていく多段延伸法が好適に用いられる。
【0018】このような方法で得られたポリケトン繊維は、高強度・高弾性率の優れた機械的特性を有するとともに熱や湿熱に対して安定であり、また、ゴムなどの被覆材との接着性にも優れており、該繊維をエアバッグ用基布へ適用することにより従来の繊維素材からなるエアバッグでは到底得ることのできなかった優れた強度、安定した作動性・取扱性を具備するエアバッグが得られるようになった。
【0019】
【実施例】本発明を、下記の実施例などにより更に詳しく説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方法は次の通りである。
(1)極限粘度極限粘度[η]は次の定義式(4) に基づいて求められる値である。
[η]=lim(T−t)/(t・C) [g/dl]・・・(4) C→0(ただし、式中のt及びTはヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間である。またCは、上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。)
(2)強度、弾性率JIS−L−1013に準じて測定した。
【0020】(3)乾熱収縮率JIS−L−1013に準じて180℃処理前後の値を計測して求めた。
(4)湿熱処理後強度湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に繊維を投入し30分間処理した。処理後の繊維の強度を(2)の方法に準じて測定した。
(5)引裂強力JIS−L−1096、C法に準じて経、緯について測定した。
(6)湿熱処理後の引裂強力湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に基布を投入し30分間処理した。処理後の基布の引き裂き強力を上記(5)の方法に準じて測定した。
【0021】(実施例1)常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.9のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。得られたドープを80℃に加温し、20μmのフィルターでろ過した後に、紡口径0.10mm、L/D=1、250ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量12.5cc/分の速度で押し出し、凝固させた。凝固糸を引き続き濃度2重量%の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後、巻き取り速度2.5m/分で巻き取り、さらに得られた糸状物を200℃にて乾燥して未延伸糸を得た。
【0022】この未延伸糸を240℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き260℃で2段目、270℃で3段目の延伸を行いトータルで15倍の延伸を行い、350dtex/250fの延伸糸を得た。延伸時に毛羽・断糸等のトラブルは発生しなかった。得られた繊維は繊維物性、熱・湿熱安定性共に優れた性能を有していた。エアバッグ用基布に用いた繊維の性質および性能を下記の実施例2〜4および比較例1、2で用いた繊維の性質と合わせて表1にまとめて示す。この延伸糸を用いて、織密度が経・緯ともに60本/インチである平織物を製織し、90℃で精錬後、180℃で熱セットしてエアバッグ用基布を得た。得られた基布の織密度は経、緯ともに61本/インチであり、カバーファクターは2282であり、優れた機械的特性および耐湿性を示した。得られた基布の性質および性能を下記の実施例2〜4および比較例1、2の基布の結果とまとめて表2に示す。
【0023】(実施例2)実施例1で得られた延伸糸を用いて、織密度が経・緯ともに70本/インチである平織物を製織し、90℃で精錬後、180℃で熱セットしてエアバッグ用基布を得た。
(実施例3)常法により1−オキソ−3−メチルトリメチレンユニットを6重量%含有する極限粘度1.6のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を22重量%とし、吐出量を5cc/分にする以外は実施例1と同様の処方で紡糸、乾燥を行い未延伸糸を得た。この未延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周囲に200℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレート上で200℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き215℃で2段目、さらに225℃で3段目の延伸を行いトータルで12.5倍の延伸を行い繊度380dtex/250fの延伸糸を得た。この延伸糸の強度はナイロン6・6製エアバッグとほぼ同等であったが、耐熱特性、耐湿熱特性に優れていた。この延伸糸を用い、織密度を経・緯糸ともに66本/インチとする以外は実施例1と同様の処方で平織物を製織、精練、熱セットを行い基布を得た。
【0024】(実施例4)実施例1で得た延伸糸を経糸とし、緯糸に351dtex/70fのナイロン6・6繊維を用いて、実施例1と同様の処方で製織、熱セットを行いエアバッグ用基布を得た。経糸方向のみならず緯糸方向の引き裂き強力に優れる基布が得られた。
(実施例5)実施例1で製織した平織物に、クロロプレンゴムを80g/m2 で塗工、180℃×80秒の条件で加硫を行い表面加工したエアバック用基布を得た。該基布の織物と被覆ゴムとの接着性は良好で、繰り返しの使用試験によっても剥離部分や欠陥は観測されなかった。
【0025】(比較例1)351dtex/70fのナイロン6・6繊維を用いて、実施例1と同様の処方で製織、精練、熱セットを行い、織密度が経糸、緯糸ともに62.5本/インチの基布を得た。該、基布の機械的特性はポリケトン繊維のそれに比べて大きく劣っており、特に湿熱処理によって引き裂き強力が大幅に低下した。
(比較例2)常法により調製した重合度7000、ケン化度100重量%のポリビニルアルコールを濃度7重量%となるようDMSOに溶解し、冷メタノールを凝固浴として常法に従い紡糸、乾燥、延伸を行い、繊度355dtex/250fの延伸糸を得た。この延伸糸を実施例1と同様の処方で製織、精練、熱セットを行い基布を得た。基布の機械的特性はポリケトン繊維を用いたものと同等であったが、湿熱処理により引き裂き強力が大きく低下した。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

(注)
ECO=エチレン/一酸化炭素交互共重合ポリマー(1−オキソトリメチル単位=100重量%、極限粘度=5.9)
EPCO=エチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマー(1−オキソ−3−メチルトリメチレン単位=6重量%、極限粘度=1.6)
PA=ナイロン6・6(商品名「レオナ6・6」旭化成工業(株)製)
PVA=ポリビニルアルコール(ケン化度=100重量%、重合度=7000)
【0028】
【発明の効果】本発明のエアバッグ用基布は、高強度・高弾性率の優れた機械的特性を有するとともに熱や湿熱に対して安定であり、また、ゴムなどの被覆材との接着性にも優れたポリケトン繊維を含有しており、該繊維をエアバッグ用基布へ適用することにより従来の繊維素材からなるエアバッグでは到底得ることのできなかった優れた強度、安定した作動性・取り扱い性を具備したエアバッグが得られるようになった。これにより、高性能でありながら一層の軽量化、コンパクト化が可能なエアバッグが提供できるようになる。




 

 


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