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発明の名称 防汚染性ポリウレタン弾性繊維およびその製法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−140167(P2001−140167A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−312655
出願日 平成11年11月2日(1999.11.2)
代理人 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4L033
4L035
【Fターム(参考)】
4L033 AA06 AB01 AC15 BA13 BA20 CA48 DA00 
4L035 BB02 BB60 CC20 EE20 JJ04 JJ15 JJ16 KK08 KK09 MH02 MH09 MH13
発明者 山本 太郎 / 土井 雅憲
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 仕上げ剤を付着して成るポリウレタン弾性繊維において、合成タンニン、天然タンニン酸および天然タンニン酸誘導体のうち、少なくとも1種以上の防汚染剤がポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重量%含有および/または付着された防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項2】 天然タンニン酸と多価金属塩とが共存しており、かつ天然タンニン酸に対して1〜200重量%であることを特徴とする請求項1記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項3】 防汚染剤に加えて多価金属塩中の多価金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、スズ、鉛、アンチモン、銅、ニッケル、コバルトの中から選ばれる1種以上の金属である請求項2記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項4】 仕上げ剤が防汚染剤を含有する組成物である請求項1〜3記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項5】 防汚染剤がポリウレタン弾性繊維中に含有されていることを特徴とする請求項1〜3記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項6】 仕上げ剤が天然タンニン酸を含有し、同時にポリウレタン弾性繊維が多価金属塩を含有していることを特徴とする請求項2または3記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項7】 仕上げ剤が多価金属塩を含有すると共にポリウレタン弾性繊維が天然タンニン酸を含有していることを特徴とする請求項2または3記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項8】 ポリウレタン弾性繊維を分散染料によって染色された場合、JIS L−0860におけるドライクリーニングの液汚染等級が3級以上であることを特徴とする請求項1〜7記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維。
【請求項9】 ポリマージオール、ジイソシアネート、多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、および単官能性活性水素原子を有する末端停止剤を反応させて得られるポリウレタン重合体組成物からポリウレタン弾性繊維を得る際に、合成タンニン、天然タンニン酸および天然タンニン酸誘導体のうち、少なくとも1種以上の防汚染剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重量%存在するように、仕上げ剤中および/またはポリウレタン重合体組成物中に含有せしめることを特徴とする防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
【請求項10】 多価金属塩を仕上げ剤中および/またはポリウレタン重合体組成物中に含有させることにより、天然タンニン酸と多価金属塩とを共存させ、かつこの多価金属塩を天然タンニン酸に対して1〜200重量%になるよう繊維に存在させることを特徴とする請求項9記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
【請求項11】 多価金属塩を含有させたポリウレタン重合体組成物を紡糸し、得られるポリウレタン弾性繊維に、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付与させることを特徴とする請求項10記載の防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
【請求項12】 防汚染剤を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸し、得られるポリウレタン弾性繊維に、多価金属塩を含有する仕上げ剤を付与することを特徴とする請求項10の防汚染性ポリウレタン弾性繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散染料可染型繊維と混用されるポリウレタン弾性繊維とその製造方法に係り、詳しくは分散染料可染型繊維とポリウレタン弾性繊維を混用し、分散染料によって染色された布帛が、優れた発色性、染色堅牢度を有し、特にドライクリーニングの際に、ドライクリーニング液の汚染を低減させた、防汚染性ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維に代表される分散染料可染型繊維とポリウレタン弾性繊維との混用布帛は分散染料を用いて染色される。このポリエステル繊維・ポリウレタン弾性繊維混用布帛は、分散染料がポリウレタン弾性繊維に吸脱着されやすいために、ポリウレタン弾性繊維側に分散染料が過度に染着して、分散染料可染型のポリエステル繊維への染着が低下することにより染色布帛の発色性が低くなる。
【0003】また、ポリウレタン弾性繊維に過度に染着した分散染料により、染色布帛の染色堅牢度が著しく低下するという問題がある。ポリウレタン弾性繊維に過度に染着した分散染料は、染色後に実施される通常の還元洗浄では十分に除去することが困難である。そこで、染色混用布帛は、染色堅牢度について不満足なものとなる。特に得られた染色布帛をドライクリーニングした場合、ドライクリーニング液が著しく汚染されるため、白場あるいは他繊維に逆汚染する問題がある。
【0004】染色堅牢度を向上させるためには、染色物を還元洗浄する際に、還元剤濃度、アルカリ剤濃度および処理温度を通常濃度よりも高めに設定した条件下での処理が必要となる。しかし、カバリングヤーンなどのようにポリウレタン繊維の被覆度合いの高い編織物では、還元洗浄条件をたとえ強化してもポリウレタン繊維中の分散染料を十分満足できる程度に除去することができないばかりか、分散染料可染型繊維の発色性が低下し、染色バッチごとの色のバラツキが大きくなるという問題がある。
【0005】特公昭62−38479号公報には、弾性ポリエステルフィラメントを含有する繊維構造物を分散染料にて染色した後、タンニン酸、吐酒石水溶液にて処理する方法により染色堅牢度、とりわけ洗濯堅牢度を向上する方法が提案されている。しかしながら、弾性ポリエステルフィラメント自身には分散染料が多く残存していることから、ドライクリーニングした場合、ドライクリーニング液を著しく汚染するという問題がある。また、汗堅牢度において十分に満足のいくレベルではないという問題がある。
【0006】特開平5−279971号公報には、ポリエステル繊維とポリウレタン繊維との混用布帛を非反応型分散染料と反応型分散染料を用いて120℃以上で染色する方法が提案されている。しかし、この染色方法も、特殊で限られた分散染料を用いる必要があり、染色できる色が限定されてしまうという欠点がある。特開平11−172584号公報には、ポリエステルとポリウレタンの複合素材を合成タンニンの存在下に分散染料で染色することにより、ポリウレタン側への染着性を抑え、ポリエステル側への染着性をできる限り高めるような染色法が開示されている。しかし、染色工程で処理するためには実際より過剰な処理剤を使用する必要があり、処理後の処理剤溶液を廃棄する際に、残留している処理剤を含むため、環境への負荷増大に繋がる。
【0007】以上に例示した改善の提案は、いづれも染色加工工程での特別な処理を必要とし、染色工程での負荷の増大やコストアップに繋がるだけでなく、得られる製品の品質、染色堅牢度が顧客が要求水準のレベルに達成されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従来技術の問題点を解決して、特殊な加工処理を必要とせず、分散染料で染色しても発色性が高く、染色堅牢度に優れ、ドライクリーニング液汚染が少なく、品質に優れた分散染料可染型繊維とポリウレタン弾性繊維との混用布帛を得ることができるポリウレタン弾性繊維を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリウレタン弾性繊維に、特定の防汚染剤物質を含有もしくは付着させることによって、ポリウレタン弾性繊維自身の分散染料に対する染着性が低減し、さらにポリウレタン繊維が分散染料で染色された場合でも染色堅牢度が向上して、染色物の洗濯、ドライクリーニング等においても、石鹸液、ドライクリーニング液への染料の移行による汚染が著しく低減することを見いだし、本発明を着想した。
【0010】本発明は、仕上げ剤を付着してなるポリウレタン弾性繊維であって、繊維の重量に対して0.01〜20重量%の合成タンニン、天然タンニン酸および天然タンニン酸誘導体の群から選ばれた少なくとも1種の防汚染剤がポリウレタン繊維に付着および/または含有してなる防汚染性ポリウレタン弾性繊維である。本発明のポリウレタン弾性繊維は、既知のポリウレタン弾性繊維と同様に、単独で編織されることはほとんどなく、天然繊維もしくは化合繊繊維と交編織されたり、またこれらの繊維で被覆、交絡、合撚等をした加工糸が交編織されて布帛とすることができる。そして、その染色加工製品は、汎用の意の染色加工を適用して製造することができる。そして、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の分散染料可染性繊維を混用した編織物は、特殊な加工処理を行なわなくても、汎用の分散染料染色法をそのまま適用するだけで、今まで得られなかった高い発色性と優れた染色堅牢度、優れたドライクリーニング堅牢度をもった染色物に加工することができる。また本発明では、防汚染剤と共に仕上げ剤が存在するために、加工時の摩擦による糸切れや糸かすの発生について従来のポリウレタン弾性繊維と同等以上のものが得られる。
【0011】本発明でいう天然タンニン酸は、植物から抽出・精製され得られる多価フェノール化合物である。天然タンニン酸は、その原料、製造方法、精製などにより様々な組成のものが得られるが、どの組成のものを用いてもよい。好ましくは、五倍子、没食子等から得られる、分子内にガロイル基を有するガロタンニンを主成分とする加水分解型タンニンである。また、本発明でいう天然タンニン酸誘導体とは、例えば、前述の天然タンニン酸を化学的に縮合し高分子量化した化合物、天然タンニン酸に金属を作用させた金属錯塩等が挙げられる。
【0012】本発明でいう合成タンニンとは、ポリアミド繊維用の酸性染料の固着剤において、上記天然タンニン酸に対して、一般に合成タンニンと称せられる合成化合物固着剤のことであり、本発明においてはいづれの合成タンニンを使用してもよい。たとえば、ナフチルアミン、フェノール、ナフトール等のスルホン化物がホルムアルデヒドで結合されたオリゴマータイプの化合物で、フェノール系化合物、チオフェノール系化合物、ジヒドロキシジフェニールスルホン系化合物、ナフタリン系化合物、スルホンアミド系化合物、カルボジイミド系化合物等が挙げられ、中にはさらにカルボンアミド、スルホンアミド、スルホン、ウレイド等の極性基を有するものがある。市販品としては、例えば、ハイフィックスGM(大日本製薬(株)製ナイロン用合成染料固着剤;ジヒドロキシジフェニールスルホン系化合物)、ディマフィックスES(明成化学工業(株)製ナイロン用酸性染料固着剤;フェノール系スルホン化化合物)等がある。
【0013】本発明でいうポリウレタン弾性繊維は、例えば、ポリマージオール、ジイソシアネート、多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤、および単官能性活性水素原子を有する末端停止剤から製造されるポリウレタン重合体組成物を、乾式、湿式または溶融紡糸して調製されたものである。ポリマージオールとしては、両末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量が500〜5000の実質的に線状の高分子体であって、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール等のホモポリエーテルジオール、または、炭素原子数2から6の2種以上のオキシアルキレンから構成される共重合ポリエーテルジオール、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸、マロン酸等の二塩基酸の1種以上とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のジオールの1種以上とから得られたポリエステルジオール、または、ポリエステルアミドジオール、ポリエステルエーテルジオール、またはポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等のラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリチオエステルジオール、またはこれらのジオールの共重合物、混合物等を挙げることができる。
【0014】ジイソシアネートとしては、脂肪族、脂環族、芳香族の有機ジイソシアネートが挙げられ、例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−およびp−キシレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチル−キシレンジイソシアネート、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジメチル−1,3−キシレンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4−および2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−および1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0015】多官能性活性水素原子を有する鎖延長剤としては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原子数2〜10の直鎖または分岐した脂肪族、脂環族、芳香族の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物で、例えばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、特開平5−155841号公報に記載されているウレア基を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミン、水、また低分子量のジオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサンを用いることができる。
【0016】単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキルアミン等やエタノールのようなアルキルアルコール等が用いられる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤は、単独または2種以上混合して用いてもよい。ポリウレタン重合体を製造する方法に関しては、公知のポリウレタン化反応の技術を用いることができる。例えば、ポリアルキレンジオールとジイソシアネートとを、ジイソシアネート過剰の条件下で反応させ、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、次いで、このウレタンプレポリマーをジアミン化合物等の活性水素含有化合物で鎖伸長反応を行い、ポリウレタン重合体を得ることができる。
【0017】ポリウレタン化反応の操作に関しては、ウレタンプレポリマー合成時やウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応時に、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等の溶剤を用いることができる。上述の方法等で得られたポリウレタン重合体組成物を一つもしくは複数のオリフィスを備えた紡糸口金を用いる汎用の乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法により紡糸し、ポリウレタン弾性繊維が製造される。紡糸過程においては、ポリウレタン繊維は、通常、仕上げ剤の付与を経てパッケージに巻き取られる。
【0018】本発明のポリウレタン繊維に用いられる仕上げ剤は、前記した紡糸過程で付与される汎用の仕上げ剤組成物であり、ポリウレタン繊維糸の解舒抵抗の低減や平滑性向上を実現するための汎用の組成成分からなり、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、アミノ変性シリコン、鉱物油などに、例えば、鉱物性微粒子、例えばシリカ、コロイダルアルミナ、タルク等、高級脂肪酸金属塩粉末、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等、高級脂肪族カルボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィン、ポリエチレン等の補助的成分を含む油剤組成物であるか、これらを乳化剤によりコロイド状で水中に均一に分散させた水系エマルジョン油剤であり、必要に応じてこれらを任意に組み合わせて使用できる。
【0019】仕上げ剤の付与手段には、噴霧法、ローラー表面接触法、給油ガイド法等の公知の方法を用いることができる。また、仕上げ剤は、ポリウレタン弾性繊維が交編織される前に付与される。例えば、紡糸したポリウレタン弾性繊維をパッケージに巻取る前に付与する方法に加えて、一度パッケージに巻取られたポリウレタン弾性繊維を解舒し、再びパッケージに巻取る際に付与する方法、織物に使用する際の整経時のビームに巻取る前に付与する方法等も採用することができる。
【0020】本発明のポリウレタン弾性繊維において、防汚染剤は、ポリウレタン弾性繊維のマトリックスに混合含有させて付与するか、仕上げ剤組成物に含ませて繊維に付着付与されるか、あるいは繊維内と繊維の表面とに付与するものとすることもできる。防汚染剤は、ポリウレタン弾性繊維に対して0.01〜20重量%になるように存在させることが肝要である。防汚染剤の付与量が0.01重量%以下であると分散染料可染繊維との分散染料染色布帛の染色堅牢度の向上効果が充分ではない。また20重量%を超えると、染色堅牢度の向上効果が一定効果以上に上がらず非経済的であるだけでなく、これらの物質によるポリウレタン弾性繊維の着色が起こるため、ポリウレタン弾性繊維製品の品質上好ましくない。これらの防汚染剤は、ポリウレタン弾性繊維の内部乃至表面に付与されることにより、ポリウレタン弾性繊維に分散染料が吸着するのを防ぐ皮膜として作用するので、繊維中に均一に存在させる必要がある。
【0021】この防汚染剤のポリウレタン弾性繊維への付与手段は、ポリウレタン弾性繊維における防汚染剤の所定の全付与量が実現できる方法であれば、如何なる手段を用いてもよい。前述したように、ポリウレタン弾性繊維を製造するどの段階で行ってもよい。例えば、ポリマージオール等のポリウレタン原料中にあらかじめ添加したり、ポリウレタンプレポリマー反応中や鎖伸長反応中に添加することも可能であるが、好ましくは、防汚染剤を含有する仕上げ剤をポリウレタン弾性繊維に付与させる方法、防汚染剤を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸してポリウレタン弾性繊維を製造する方法、またはこれらの方法を組み合わせた方法によることができる。
【0022】ここで、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付与する方法では、仕上げ剤に対して防汚染剤を0.1〜60重量%含む仕上げ剤組成物を用いることが好ましい。0.1重量%に満たない濃度の場合、仕上げ剤を過剰に付与することが必要となり、また60重量%を超える場合、仕上げ剤中に均一に溶解または分散することが難しくなる。また、これらの防汚染剤を含有する仕上げ剤は、ポリウレタン弾性繊維に対して2〜30重量%の範囲として、これらの防汚染剤を所定の存在量付与することが好ましい。仕上げ剤の総量が2重量%に満たない場合は、膠着性、解舒性が悪化し、30重量%を超えると製品の保管中に余剰の仕上げ剤がポリウレタン弾性繊維から流出する問題が生じる。さらに、ポリウレタン弾性繊維表面に均一に付着するように、これらの防汚染剤が仕上げ剤中に均一に溶解または微分散した状態であることが好ましい。特に仕上げ剤にこれらの防汚染剤が不溶または難溶である場合には、防汚染剤を含む仕上げ剤をホモミキサー、ボールミル等で平均粒径1.0μm以下の粒子としておくことが好ましい。1.0μm以上の粒子として局所的に繊維上で存在すると、充分な効果が得られない。防汚染剤を仕上げ剤に入れて付与することで、新たに防汚染剤を付着させるための処理浴等の設備を設ける必要がなく、既存の生産設備をそのまま使用できる。また防汚染剤が表面に選択的に付与されるため、防汚染剤が効率よく作用して効果が得られる。
【0023】防汚染剤をポリウレタン組成物に含有させる場合、これらの防汚染剤をポリウレタン重合体組成物中で溶解または微分散した状態で混合する。またポリウレタン重合体組成物に溶剤が使用されている場合は、これらの防汚染剤をこの溶剤に溶解もしくは微分散させた後、この溶液をポリウレタン重合体組成物に添加、混合することが好ましい。特にこのポリウレタン重合体組成物に不溶または難溶である場合には、これらの添加防汚染剤を平均粒子径が1.0μm以下の粒子状に微分散しておくことが好ましい。防汚染剤が1.0μmより大きいと、紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こしやすくなる。ここで得られるポリウレタン弾性繊維は、繊維中に防汚染剤が含有されるため、加工処理中の防汚染剤の脱落が抑制される。
【0024】防汚染剤として天然タンニン酸が含まれる場合、ポリウレタン弾性繊維が交編織される前に、天然タンニン酸と、多価金属塩と同時に存在させ、この多価金属塩が天然タンニン酸に対して1〜200重量%存在させることが好ましい。この多価金属塩に含まれる多価金属としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム、スズ、鉛、アンチモン、銅、ニッケル、コバルト、ビスマスから選ばれる1種類以上の金属であることがより好ましい。これらの多価金属塩としては、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酒石酸アンチモンナトリウム、酒石酸アンチモンカリウム等が挙げられる。天然タンニン酸では、単独でも十分目的とする効果が発揮されるが、これらの多価金属塩が存在することにより錯体を形成し強固な皮膜となるため、より性能が向上すると考えられる。よって、この多価金属塩の添加量が天然タンニン酸に対して1%に満たない場合、十分な錯体を形成することができず、多価金属塩を添加する性能向上効果が得られない。また200%を超えても効果は向上せず不経済となる。
【0025】ポリウレタン弾性繊維中に、この多価金属塩を天然タンニン酸と共存させる方法は、ポリウレタン弾性繊維を製造するどの段階で行ってもよい。好ましくは、防汚染剤と多価金属塩を同時に含有する仕上げ剤をポリウレタン弾性繊維に付与させる方法、防汚染剤および多価金属塩を同時に含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸してポリウレタン弾性繊維を製造する方法、多価金属塩を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸し、防汚染剤を含有する仕上げ剤を付与する方法、防汚染剤を含有するポリウレタン重合体組成物を紡糸し、多価金属塩を含有する仕上げ剤を付与する方法、またはこれらを組み合わせた方法が挙げられる。
【0026】ここで、多価金属塩を仕上げ剤に含有させる場合には、仕上げ剤に対して多価金属塩を0.01〜20重量%含む仕上げ剤を使用することが好ましい。0.01重量%に満たない濃度の場合、仕上げ剤を過剰に付与することが必要となり、また20重量%を超える場合、仕上げ剤中に均一に溶解または分散することが難しくなる。また、これらの多価金属塩を含有する仕上げ剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して2〜30重量%付与することが好ましい。仕上げ剤の総量が2重量%に満たない場合は、膠着性、解舒性が悪化し、30重量%を超えると製品の保管中に余剰の仕上げ剤がポリウレタン繊維から流出する問題が生じる。さらに、ポリウレタン弾性繊維表面に均一に付着するように、これらの多価金属塩が仕上げ剤中に均一に溶解または微分散した状態であることが好ましい。特に仕上げ剤にこれらの多価金属塩が不溶または難溶である場合には、多価金属塩を含む仕上げ剤をホモミキサー、ボールミル等で平均粒径1.0μm以下の粒子としておくことが好ましい。1.0μm以上の粒子として局所的に繊維上で存在すると、充分な効果が得られない。
【0027】多価金属塩をポリウレタン重合体組成物に含有させる場合、ポリウレタンに対して多価金属塩が0.01〜10重量%含まれることが好ましい。この多価金属塩は、ポリウレタン重合体組成物中で溶解または微分散した状態で混合する。ポリウレタン重合体組成物に溶剤が使用されている場合は、これらの多価金属塩をこの溶剤に溶解もしくは微分散させた後、この溶液をポリウレタン重合体組成物に添加、混合することが好ましい。多価金属塩の多くは、ポリウレタンまたはポリウレタン用溶剤に難溶または不溶であるため、ポリウレタン重合体組成物に対して多価金属塩が0.01重量%に満たない場合、多価金属塩が局所的に存在するため効果が目的に対し不十分となり、10重量%を越える場合、ポリウレタン重合体組成物中で多価金属塩粒子が凝集して紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こしやすくなる。また、この多価金属塩がポリウレタン重合体組成物に不溶または難溶である場合には、これらの多価金属塩を平均粒子径が1.0μm以下の粒子状に微分散しておくことが好ましい。多価金属塩が1.0μmより大きいと、紡糸工程中でフィルター詰まりや糸切れを起こしやすくなる。
【0028】ポリウレタン重合体組成物には、上記防汚染剤と多価金属塩以外に、ポリウレタン弾性繊維に用いられる既知の有機または無機の化合物、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤、熱変色防止剤、粘着防止剤、顔料、帯電防止剤、防黴剤、着色剤、充填剤、吸水剤等を併用して添加することができる。
【0029】本発明では、紡糸後、交編織される前に、ポリウレタン弾性繊維に防汚染剤の存在している状態で、ポリウレタン弾性繊維が40〜140℃の条件下で1〜60分乾熱処理されることが好ましい。また、天然タンニン酸が防汚染剤として含まれる場合には、同時に多価金属塩がポリウレタン弾性繊維に含まれた状態で乾熱処理することもできる。乾熱処理は、例えば、パッケージに巻き取られる前に行っても、パッケージに巻き取られた後パッケージのまま処理することもできる。乾熱処理することにより、合成タンニン、天然タンニン酸または天然タンニン酸誘導体がポリウレタンポリマーに結びつきやすくなり、より効果が向上する。そのために40℃に満たない温度では、熱処理する前後での効果の向上が少なく、また140℃を超えても効果は、向上しないだけでなく、ポリウレタン弾性繊維の熱劣化が起こるため好ましくない。
【0030】本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散染料染色物のドライクリーニング試験を行った場合に、液汚染が3級以上であることが好ましい。このドライクリーニング試験の液汚染評価で3級に満たない場合、ポリウレタン弾性繊維と分散染料可染型繊維との混用布帛を分散染料で染色した繊維素材について、ドライクリーニング堅牢度だけでなく、発色性や、汗アルカリ堅牢度や洗濯堅牢度についても満足するものが得られない可能性がある。
【0031】本発明のポリウレタン弾性繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリオキシエチレンベンゾエート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリル、ポリビニルアルコール等の分散染料可染型繊維と混用して、分散染料で染色される布帛などの繊維素材に好適である。他の繊維、例えばウール、綿、絹、麻、またはキュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維等と混用できることは言うまでもない。
【0032】本発明のポリウレタン弾性繊維と分散染料可染型繊維との混用布帛の分散染色による染色は、汎用の分散染料染色方法を適用して行なうことができる。例えば、分散染料可染型繊維としてポリエステル繊維を用いた場合、分散染料の他、均染剤、pH調整剤等を含んだ染料水溶液にて100〜135℃で20〜40分染色を行う。その染色布帛は、一般に後に還元洗浄剤、熱アルカリ剤の存在下、70〜80℃で10〜20分還元洗浄して染色製品とされる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例で用いた染色堅牢度等各種評価項目の測定法は、以下の通りである。
〔1〕評価試験用ベアポリウレタン弾性繊維編地の調製丸編機(小池機械製作所(株)CR−C型)を用いて、ポリウレタン弾性繊維で編成したベアのポリウレタン弾性繊維編地を1.2g計量し、ポリエステル繊維からなるベア編地4.8gと表面を一緒にあわせて留め、ステンレス製容器に入れ、C.I.ディスパースブルー167(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf、浴比1:50、pH5.0にて130℃で30分間染色する。この染色されたポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維を、ハイドロサルファイト1.6g/lと苛性ソーダ1.6g/l、浴比1:50にて80℃で20分還元洗浄処理を行う。得られるポリウレタン弾性繊維のベア編地を水洗、風乾して、評価に用いる。
【0034】〔2〕評価試験用のポリウレタン弾性繊維/ポリエステル繊維混用布帛の調製ポリウレタン弾性繊維とポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維55デシテックス/24フィラメントを、ポリウレタン弾性繊維の混率が20%となるように、通常の編成条件にて6コースサテンネット編地を得た。この混用布帛を、C.I.ディスパースブルー167(ベンゼンアゾ系分散染料)5%owf 、浴比1:50、pH5.0にて130℃で30分間染色を行う。続いて、この染色布帛を、ハイドロサルファイト1.6g/lと苛性ソーダ1.6g/l、浴比1:50にて80℃で20分還元洗浄処理を行う。得られるポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維の染色交編布帛を水洗、風乾して、評価に用いる。
【0035】〔3〕ドライクリーニング液の汚染JIS L−0860に従ってドライクリーニング試験を実施し、ドライクリーニング液とドライクリーニング試験後の汚れ液を磁器容器(20m/m×40m/m×10m/m)に8ml採取し、液汚染程度を汚染用グレースケールと比較してその色落ち度を判定した。
【0036】〔4〕汗アルカリ堅牢度JIS L−0848 A法に従ってアルカリ性人工汗液にて評価した。褪色がなく、良好なものを5級とし、順次1級(劣るもの)に判定した。
〔5〕洗濯堅牢度JIS L−0844 A−2法に従って評価した。但し、洗剤はアタック(花王(株)製)2g/リットルとした。褪色がなく、良好なものを5級とし、順次1級(劣るもの)に判定した。
【0037】
【実施例】〔実施例1〕数平均分子量(Mn)1800のポリテトラメチレンエーテルジオール400g(重量部、以下同じ)と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと表す)80.5gとを乾燥窒素雰囲気下、65℃で1時間、撹拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。このプレポリマーにジメチルアセトアミド720gを加え溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を調製した。一方、エチレンジアミン5.41gおよびジエチルアミン0.80gをジメチルアセトアミド390gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下で添加して、粘度450Pa・s(30℃)のポリウレタン重合体溶液を得た。
【0038】こうして得られたポリウレタン重合体溶液に、ポリウレタン固形分に対して、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を1重量%、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールを0.5重量%添加して、均一な溶液とした後、室温減圧下で脱泡して、これを紡糸原液とした。
【0039】この紡糸原液を、紡糸口金孔数4ホールを使用し、紡口直下熱風温度270℃、巻取り速度800m/分の条件で、乾式紡糸した。得られたポリウレタン弾性繊維をパッケージに巻取られる前に、仕上げ剤として、ポリジメチルシロキサン30重量%、乳化剤3重量%および水67重量%からなる水系エマルジョン油剤に、防汚染剤としてこの水系エマルジョン油剤に対してハイフィックスGM(大日本製薬(株)製ジヒドロジフェニールスルホン系化合物、30%水溶液)を5重量%(純分濃度)を添加した組成の仕上げ剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して6重量%付与し、44デシテックス/5フィラメントのポリウレタン弾性繊維の巻取パッケージを得た。
【0040】〔実施例2〕実施例1の仕上げ剤に代えて、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる油剤に、油剤に対して防汚染剤として天然タンニン酸5重量%、および多価金属塩として酒石酸アンチモンカリウム2.5重量%を含有する組成の仕上げ剤を用いて、実施例1を繰り返してポリウレタン弾性繊維を得た。
【0041】〔実施例3〕実施例1のポリウレタン重合体溶液に、さらに多価金属塩として酒石酸アンチモンカリウムをポリウレタン固形分に対して0.15重量%添加した紡糸原液を調製した。この紡糸原液を用いて、実施例1と同様に乾式紡糸を行い、実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる組成の油剤に、油剤に対して防汚染剤として天然タンニン酸5重量%を含有させた仕上げ剤を用いて、実施例1を繰り返してポリウレタン弾性繊維を得た。
〔実施例4〕実施例1で得られるポリウレタン重合体溶液に、さらに防汚染剤としてハイフィックスGM(大日本製薬(株)製)の水分を除去した固形物をポリウレタン固形分に対して1重量%添加した紡糸原液を、実施例1と同様に紡糸を行ってポリウレタン弾性繊維を得た。この際、実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる組成の仕上げ剤を用いて、実施例1を繰り返した。
【0042】〔実施例5〕実施例4のハイフィックスGM固形物の代わりに、天然タンニン酸を添加して調製した紡糸原液を用いて実施例4と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
〔実施例6〕実施例4のハイフィックスGM固形物の代わりに、天然タンニン酸を用い、さらに実施例4の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる油剤に、この油剤に対して多価金属塩として酒石酸アンチモンカリウム2.5重量%を含有させた組成の仕上げ剤を用いて、実施例4を繰り返してポリウレタン弾性繊維を得た。
【0043】〔実施例7〕実施例1で得られるポリウレタン重合体溶液に、さらにポリウレタン固形分に対して、防汚染剤として天然タンニン酸1重量%、多価金属塩として酒石酸アンチモンカリウム0.5重量%を添加して調製した紡糸原液を、実施例1と同様に紡糸を行い、また実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる仕上げ剤を用いて、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
【0044】〔実施例8〜11〕実施例1,2,4,6で得られるポリウレタン弾性繊維を、パッケージのままセーフティーオーブンに入れ、80℃で3時間、乾熱処理を行い、それぞれ熱処理されたポリウレタン弾性繊維を得た。
〔比較例1〕実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン30重量%、乳化剤3重量%および水67重量%からなる水系エマルジョン仕上げ剤を用いて、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
【0045】〔比較例2〕実施例1の仕上げ剤の代わりに、ポリジメチルシロキサン97重量%、エーテル変性シリコン2重量%およびステアリン酸マグネシウム1重量%からなる仕上げ剤を用いて、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
〔比較例3〕比較例1で得られるポリウレタン弾性繊維を、パッケージのままセーフティーオーブンにおいて80℃で3時間、乾熱処理を行い、熱処理されたポリウレタン弾性繊維を得た。
【0046】〔比較例4〕実施例1において、仕上げ剤の付着量を1重量%として、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
〔比較例5〕実施例4において、ハイフィックスGM固形物の添加量を0.03重量%として、実施例4と同様にポリウレタン弾性繊維を得た。
【0047】実施例1〜11、比較例1〜4で得られたポリウレタン弾性繊維を用い、ポリウレタン弾性繊維のベア編地のドライクリーニング液汚染性評価並びにポリウレタン弾性繊維とポリエステル繊維との染色交編布帛の汗、洗濯の各染色堅牢度評価、およびドライクリーニング液汚染評価を行った。それぞれの例の評価結果を表1,2,3および4に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
【表4】

【0052】表1〜4から、本発明のポリウレタン弾性繊維を用いることにより、ポリエステル繊維との混用布帛は、分散染料で染色した場合でも、その染色布帛に良好な染色堅牢度を与えることができた。
【0053】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維は、分散染料で染色された場合でも堅牢度に優れ、洗濯、ドライクリーニング等の処理を行っても処理液への汚染が少ない。本発明のポリウレタン繊維の使用により、分散染料可染型繊維からなる混用布帛は、特殊な染色加工処理を適用しないでも、今まで得られなかった高い発色性と優れた染色堅牢度、特に優れたドライクリーニング堅牢度の有する分散染料染色物を得ることができる。




 

 


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