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発明の名称 回収ポリエステルを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−295133(P2001−295133A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−108421(P2000−108421)
出願日 平成12年4月10日(2000.4.10)
代理人
発明者 松井 美弘 / 松田 全央
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 主成分が回収ポリエステルからなり、全ポリエステルに対して多くとも5重量%の有機及び/又は無機不純物を含有し、延伸されたポリエステルフィラメントの断面が糸条長手方向に太細を有しあるいは検定染色を施すことにより糸条長手方向に染色濃淡差呈することを特徴とするポリエステル繊維。
【請求項2】ポリエステル繊維が、下記条件を満足する請求項1記載のポリエステル繊維。
30≦DE(%)≦100Mw/Mn≧2.610≦URN(%)≦800.7≦ST10(cn/dtex)<2.60.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35(ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表す。URNはウースターノルマルで繊維の長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。)
【請求項3】 ポリエステル繊維が、下記条件を満足する請求項1または2に記載のポリエステル繊維。
Mw/Mn≧2.8【請求項4】 ポリエステル繊維が異形断面である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【請求項5】 ポリエステル繊維が中空断面である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【請求項6】 回収ポリエステルの含有量が50重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれかのポリエステル繊維を用いてなる繊維製品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収されたポリエステルを原料としてシックアンドシン延伸して得られたポリエステルマルチフィラメントを用いたポリエステル繊維およびそれを用いた繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルは、力学的特性、耐熱性、成形性等に優れており、繊維、フィルム、成型品等の分野において極めて広い用途を有している。しかしながら、一方でこれらポリエステル製品は、使用後廃棄、回収され処分されるが、その際、燃焼しようとすると高熱を発し、通常の仕様の焼却炉では焼却炉が損傷し易いなどの問題が生じ、そのため高温耐久性の良い焼却炉が必要になるなどの課題がある。また、燃焼されずに廃棄された場合には、金属の様に腐食しないために永久的に屑として残存するために、それを野生動物が誤飲して死亡するなどの問題が生じており、環境保護の観点からも大きな社会問題となっている。
【0003】さらに、最近ではポリ塩化ビニルのように組成中に塩素原子を含有する高分子は言うまでもなく、塩素原子を組成中に含有しない高分子でも燃焼時の温度条件によっては空気中のごく微量の塩素と反応して内分泌撹乱化学物質(所謂、環境ホルモン)の1種である猛毒のダイオキシンを発生するとの報告もあり、人体に影響を与えるこのような物質の発生を抑制すべく早急な対策が望まれている。そこで、資源の再利用、環境保護の観点から、廃棄されたポリマー製品を回収し、再利用することが必要であり、その中でも特に使用量が多く、今後も使用量の増大が見込まれるポリエチレンテレフタレートを使用した食用液体用ボトルは回収再利用する価値のある製品であり、実際に再利用され再製品化する試みが始まっている。(特開平5−279921号公報参照)
【0004】これら回収されたポリエステルを粉砕後、製糸して繊維化する際、該ポリエステル中に含有される添加物、異物等の不純物さまざまな種類の製品が混在しているために、さらにはフィルトレイション工程にておこる加水分解が分子量分布を拡大させる為に固有粘度が一定ではなく、製糸時においても粘度斑が大きく、単糸間あるいは単糸内で物性差が生じてしまい、布帛として染色すると染め斑が発生し芯地などの特殊用途以外では使用出来なかった。
【0005】さらに、一般用途に使用する場合には品質管理を徹底しなければならず、その分コストアップとなるのが現状であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を克服し、回収ポリエステルを使用したフィラメントでストリークや緯段の発生しにくい、天然繊維に似た自然なムラ感を呈する衣料用ポリエステル繊維製品を安定して得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、有機および/または無機不純物の含有量を一定の量以下に抑制するすること、さらには使用する回収ポリエステルの固有粘度のバラツキをある一定以上にしたポリエステルを紡糸、延伸することにより本発明を完成するに至った。即ち、本発明の第一は、主成分が回収ポリエステルからなり、全ポリエステルに対して多くとも5重量%の有機及び/又は無機不純物を含有し、延伸されたポリエステルフィラメントの断面が糸条長手方向に太細を有しあるいは検定染色を施すことにより糸条長手方向に染色濃淡差呈することを特徴とするポリエステル繊維。
【0008】第二は、ポリエステル繊維が、下記条件を満足する請求項1記載のポリエステル繊維。
30≦DE(%)≦100Mw/Mn≧2.610≦URN(%)≦800.7≦ST10(cn/dtex)<2.61.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35(ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表す。URNはウースターノルマルで繊維の長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。)
【0009】第三は、ポリエステル繊維が、下記条件を満足する請求項1または2に記載のポリエステル繊維。
Mw/Mn≧2.8【0010】第四は、ポリエステル繊維が異形断面である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【0011】第五は、ポリエステル繊維が中空断面である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【0012】第六は、回収ポリエステルの含有量が50重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル繊維。
【0013】第七は、請求項1〜6のいずれかのポリエステル繊維を用いてなる繊維製品である。
【0014】主成分である回収ポリエステルを含有するポリエステル原料に対し、多くとも5重量%の有機および/または無機不純物を含有し、かつ該ポリエステルを紡糸、延伸して得られたポリエステルフィラメントの断面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸状長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施すと糸状長手方向に染色濃淡差を呈すことを特徴とするポリエステル繊維であれば斑感が自然な杢調となりストリーク等の外観品位の欠点が発生しにくいことがわかった。
【0015】さらには上記ポリエステル繊維が下記条件を満足することで一層その効果が現れることをつきとめた。
30≦DE(%)≦100Mw/Mn≧2.610≦URN(%)≦800.7≦ST10(cn/dtex)<2.60.03≦σST10(cn/dtex)≦0.35(ここで、DEは破断伸度を、Mwは重量平均分子量値、Mnは数平均分子量値を表し、Mw/Mnは分子量の分散度を表すパラメーターである。URNはウースターノルマルで繊維の長手方向の太細斑(%)を表す。ST10は10%伸長時の応力をσST10はST10の標準偏差をそれぞれ表す。)
【0016】さらには上記回収レジンの分子量分布が下記の条件であることが極めて有効な手段であることを究明した。
Mw/Mn≧2.8【0017】さらには上記ポリエステル繊維が異形断面であったり中空断面であると効果が一層表れやすくなることを究明した。
【0018】以下本発明について詳細に説明する。本発明における回収ポリエステルとは、主に食用液体用のボトルを原料とする回収ポリエステルを対象としている。一般のボトル用ポリエステルは耐久強度の要求から、一般衣料繊維用樹脂に比べ、重合度が高く繊維に再生するときに加熱溶融しても衣料用繊維として要求される重合度を十分維持できることからボトル用ポリエステルを用いることが有利である。
【0019】繊維性能を維持し、分別して回収されたポリエステルボトルを原料とした繊維の工業的生産を可能にするためには、ポリエステル以外の不純物を多くとも5重量%含有してなることが必須である。しかしながら、食用液体用のボトルは加熱滅菌された液体を封入するため、ボトル口栓部分にはある程度の耐熱性が要求される。このため、ポリエステルボトルの口栓部分は異素材を用いることが多く、ポリエステルボトルを原料とする以上、これらの異素材を除去することは困難である。さらに、ボトルには金属性のキャップが使用されているものもあり、分別されずに回収された場合に、フレーク中に混入することもある。しかしながら、回収ポリエステルをチップ化する際にフィルターを通すことでこれらの異素材の量は5重量%以下することが可能であり、さらにその製糸方法を工夫すれば衣料用繊維としては十分に要求性能は満足される。
【0020】
【発明の実施形態】本発明の回収ポリエステルとしては有機および/または無機不純物を多くとも5重量%含有する食用液体用ポリエステルボトルの回収品を原料として用いている。
【0021】ここで言う有機不純物とは、主にポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、スチレンブタジエンゴム、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンおよびこれらの熱分解物さらには副生成物であり、無機不純物とは主にSi、Ca、Na、Fe、Al、Sb、Co、K、Cr、Ti等の元素を含む無機物である。
【0022】本発明においては、該有機および/または無機不純物が主成分であるポリエステルに対して5重量%を超えたものは紡糸時のノズ背圧上昇が著しく、さらに紡糸フィルターの孔サイズを大きくして背圧上昇を抑制すると紡糸や延伸工程での糸切れが多発し、衣料用繊維として製糸困難であり、本発明に使用することができない。
【0023】本発明における回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントの断面が少なくとも糸状長手方向に太細を有し、さらに糸状長手方向に染色濃淡差を有し、あるいは検定染色を施すと糸状長手方向に染色濃淡差を呈しなければならない。従来はストリークを出さないが為に均染性の高いフィラメントの製造に労力を費やしていたが、回収ポリエステルを使用する場合にはその労力が従来よりもかかり、それがコストアップの原因となる。それを回収ポリマーの分子量分布を利用し積極的にシックアンドシン調の斑を形成させることで、ストリークのような目立った欠点が起きにくくなる。
【0024】さらに、製品中のポリエステルフィラメントは破断伸度が30〜100%である方が好ましい。30%未満では延伸残が少なくなりシックアンドシン調なものとなりにくく好ましくない。逆に100%を超えるものであると、後工程通過時の張力により容易に糸が伸びてしまい、実用性に欠ける。より好ましくは40〜80%でり、一層好ましくは45〜70%である。
【0025】シックアンドシン延伸する方法は従来公知の方法でよく、ガラス転移点以下の糸温度で延伸する方法、通常より延伸倍率を低く設定する方法、多段階で延伸する方法、糸状長手方向で熱履歴を変化させる方法、糸状長手方向で液体をランダムに付与する方法またそれらの組合せ等、特に制限はない。
【0026】本発明における回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントの重量平均分子量値を数平均分子量値で割った値のMw/Mnが2.6以上であることが好ましく、この分子量分散度を表すMw/Mnが2.6未満ではシックアンドシンが単調なものとなりやすい。分子量分布が大きいことで従来にはなかったグラデュエーションがかった微妙な多段階のシックアンドシンを形成することができる。より好ましくは2.8以上である。
【0027】本発明における回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントはフィラメントの太細斑を表すURNが10%以上80%以下であることが好ましい。URNが10%未満の場合フィラメント長手方向の太さが均一なために、染色し上げした後の製品外観がプレーンなものとなりやすく好ましくない。URNが80%より大きくなると製編織時に糸状の解除変動が大きく操業性が悪化しやすく、コストアップとなるので好ましくない。より好ましくは15%〜50%である。
【0028】本発明における回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントのST10は0.7cn/dtex以上2.6cn/dtex未満であることが好ましく、0.7cn/dtex未満であると、配向が不十分であるため製編織時に機械的に引き伸ばされ易く、その部分の張力が下がるため操業性が悪化するだけではなく、強伸度を代表とする機械特性や熱収縮率が経時変化をおこしやすく、ロット間の製品特性が異なってしまうという問題が発生するため好ましくない。逆に2.6cn/dtex以上になると配向度が高く染色性が低下してしまったり、延伸残が少なくなり自然な杢の外観が得られない。より好ましくは1.0〜1.8cn/dtexである。
【0029】また、該回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントのST10のバラツキ度合いを示すσst10が0.03〜0.35cn/dtexであることが好ましい。この範囲に制御することによりフィラメント間およびフィラメント内に適度な分子配向分布が生じ、製品として問題とならない程度の自然なムラ感、さらには微妙な多段階の杢を呈するものとなる。したがって、0.03cn/dtex未満であると分子配向分布が少なく、製品とした時に自然なムラ感を呈しにくい。逆に0.35cn/dtexを超えると分子配向分布が大きくなりすぎ、製編織時に単糸切れが発生しさらには糸切れが生じ易く好ましくない。より好ましくは0.06〜0.30g/dである。
【0030】また、該回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントが異形断面であることが好ましい。異形断面は加熱延伸ローラーとの接触面積が通常の丸断面よりも少なく延伸斑が発生しやすいため、回収ポリマーとの組合せで絶妙な天然杢に似た外観を呈することができる。異形度は1.5以上がより好ましい。さらには突起が3以上の多葉断面であることが一層好ましい。
【0031】また、該回収ポリエステルを含有するポリエステルフィラメントが中空断面であることが好ましい。中空断面は加熱延伸ローラーと接触する面と接触しない面で空気の断熱性に起因する熱履歴差が大きく、染色斑が発生し安いため、回収ポリマーとの組合せで絶妙な天然杢に似た外観を呈することができる。中空率は15%以上がより好ましく、多孔中空であると一層好ましい。
【0032】また、原料となるポリエステルの50重量%以上は回収されたポリエステルであることが好ましく、50重量%未満であると再利用の効率が低下し、本発明の目的を達しにくい。
【0033】本発明によると、回収ポリエステルを積極的に利用することにより、地球環境に配慮すると共に、従来なら製品欠点の原因となる広い分子量分布を逆に利用することにより自然なムラ感を呈するポリエステル繊維製品をストリークの発生が少なく経済的かつ効率的に得ることができる。
【0034】また、回収ポリエステルポリマー中には抗菌性、難燃性、吸湿性、吸水性等の機能性を有する種々の機能剤および共重合物さらには艶消し剤や顔料等が複数含有されていても構わないし、その織編物に後加工で機能加工剤を付与する事はなんら問題ない。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の評価における測定値は以下の方法で測定した。
【0036】(有機不純物含有量) 赤外吸収スペクトル法により成分分析を行い有機不純物を同定すると共に核磁気共鳴法(1H−NMR)により含有量を測定した。
【0037】(無機不純物含有量)X線マイクロアナライザー(堀場製EMAX−2770)を用いて無機元素分析を行った。
【0038】(分子量分布測定)製品中の30ヶ所から糸を取り出し、その試料約6mgをHFIP/クロロホルム=2/3(v/v)1mlに溶解後、クロロホルムで20mlに定容する。0.5μmのメンブランフィルターで濾過し、濾液をGPC(SYSTEM−21:Shodex製)に供し下記の条件で測定した。標準物質としてポリスチレン(TOSOH製)溶液を調整しGPC校正曲専用資料とした(各1000ppm)。
Mobile Phase:HFIP/Chloroform=2/98(v/v)
Flow rate:0.7ml/minColomn Temp.:40℃Detection:UV(254nm)
【0039】(破断伸度;DE、10%伸長時応力;ST10
製品中の30ヶ所から糸を取り出し、小型テンシロンを用いて破断伸度(DE)および10%伸長時の応力(ST10)を測定した。なお、ST10のバラツキは得られた30ヶ所のデータを母集団の標本とみなして次式より計算した。
【数1】

【0040】URN:計測器工業社製イ−ブネステスタ−を用いて、試料を糸速50m/minで走行させ、撚りを付与しつつ、試料のデニ−ルによりスロットを選択し、ノ−マルテストにてチャ−トスピ−ドを2.5cm/minの速度に調整し2分間測定する。次にチャ−トを2.5cmに分割し、各々の区間の最大値H1,H2、最小値L1,L2を読取り、次式により算出する。
URN(%)=〔(|H1+H2|/2)+(|L1+L2|/2)〕×100【0041】異形度は繊維断面の顕微鏡写真から、次式により求めた。
異形度=(外接円直径)/(内接円直径)
【0042】中空率は繊維断面の顕微鏡写真から、次式により求めた。
中空率(%)=〔中空部の断面積/繊維断面積〕×100【0043】(製糸操業性)製糸及び製織操業性の評価は操業が困難なものを×、操業可能だが糸切れが多いものを△、操業に問題ないものを○として判定した。
【0044】(布帛の表面感)布帛の表面感は、後加工の経験の長い3名の技術者により天然繊維に近い自然表面感のものから順に○、△、×の判定を行った。ストリークについても同様に行った。
【0045】(実施例1)回収されたポリエチレンテレフタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマー(分子量分布Mw/Mn=2.95)を衣料用ポリエチレンテレフタレートに対して50重量%混合したものを乾燥後、溶融押出紡糸機を使用して、引取り速度3000m/分で溶融紡糸し三角断面の未延伸糸を得た。引き続き60℃に加熱されたホットローラーおよび120℃に加熱されたホットプレートを通過させ1.29倍の延伸倍率で一段延伸して75デニール24フィラメント延伸糸を得た。糸状の分子量分布は2.85であった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。得られた延伸糸を経糸に使用し、緯糸には市販の84デシテックス36フィラメント(東洋紡エステル)のレギュラータイプを使用した平織り物を製織したところ特に操業性には問題なかった。得られた生機を130℃、30分の液熱リラックスを行い、精練、染色の後ファイナルセットして仕上げ布を得た。得られた物に目立ったストリークは無く、天然繊維製品に非常に似た自然な表面感を有する布帛であった。
【0046】(実施例2)48ホールの丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.20にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0047】(実施例3)回収されたポリエチレンテレフタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマー(分子量分布Mw/Mn=2.95)のみを用いた以外は実施例2と同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0048】(実施例4)18ホールの多孔中空断面ノズルを使用し、紡糸速度2000m/min、延伸倍率を2.30にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0049】(実施例5)12ホールの八角断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.25にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0050】(比較例1)24ホールの丸断面ノズルを使用し、ホットローラー温度を75℃、延伸倍率を1.75にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。DEが25%と低かったために延伸操業性が悪化し、また外観もプレーンになった分ストリークの目立つものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0051】(比較例2)延伸倍率を1.70にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST10が2.7cn/dtexと高かったために布帛の染色性が低くなり淡染したものとなり、またストリークの目立ったものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0052】(比較例3)24ホールの丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.50にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。σST10が0.02(cn/dtex)と低かったために表面感がプレーンなものとなりストリークの目立つものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0053】(比較例4)24ホールの丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.45にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。σST10が0.37(cn/dtex)と高かったために、製織操業性が悪化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感じの表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0054】(実施例6)回収レジンの分子量分布が(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、96ホールの丸断面ノズルを使用し、延伸倍率が1.3で2段延伸した以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状の分子量分布は2.65であった。得られた物に目立ったストリークは無く、天然繊維製品に似た自然な表面感を有する布帛であった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0055】(比較例5)回収レジンの分子量分布が(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、延伸倍率を1.10にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。DEが120%と高かったために、製織操業性が悪化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感じの表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0056】(比較例6)回収レジンの分子量分布が(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホールの丸断面ノズルを使用し、延伸倍率を1.15にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。ST10が0.6(cn/dtex)と低かったために、製織操業性が悪化し、杢もきついコントラストのものとなり自然な感じの表面感は得られなかった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0057】(比較例7)回収レジンの分子量分布が(Mw/Mn=2.75)のタイプを用い、24ホールの丸断面ノズルを使用し、ホットローラー温度を75℃、延伸倍率を1.73にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。URNが9%と低かったために、外観もプレーンになった分ストリークの目立つものとなった。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0058】(比較例8)回収レジンの分子量分布が(Mw/Mn=2.50)のタイプを用い、ホットローラー温度を70℃、延伸倍率を1.66にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。糸状の分子量分布は2.45であった。分子量分布が小さいタイプを使用したためか、できたシックアンドシンの杢が単調であり、自然な物とならず、一部にストリークが確認された。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0059】(実施例7)回収されたポリエチレンテレフタレート製食用液体用ボトルをフレーク状に粉砕し、溶融した後、フィルターを通過させチップ化したポリマーを衣料用ポリエチレンテレフタレートに対してバージンレジンを70重量%混合したものを用い、ホットローラー温度を75℃にした以外は実施例1と同様にして仕上げ布を得た。回収レジンに含有する異物が少ないためか、シックアンドシンの出方がやや単調はあるが、自然な杢外観を呈していた。条件を表1、諸物性を表2、その他の評価を表3に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【発明の効果】本発明によれば、回収されたポリエステルからのフィラメントでありながら、ストリ−クや緯段の発生がなく、天然繊維ライクな自然なムラ感を呈する衣料用ポリエステル繊維製品を安定的に供給することができる。




 

 


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