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発明の名称 濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維および混繊糸およびそれを用いた織編物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−295132(P2001−295132A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−354809(P2000−354809)
出願日 平成12年11月21日(2000.11.21)
代理人
発明者 松田 全央 / 表 雄一郎 / 村瀬 浩貴 / 坂口 佳充
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維であり、かつ固体NMRで測定したエチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が15%以上であることを特徴とする濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維。
【請求項2】 Diaceliton Fast Scarlet B(CI Disperse Red1)を0.4g/Lの濃度に調整した水溶液に対し浴比1:100にて100℃で90分処理後の吸尽率が60%以上であり、なおかつその、JIS L0842に準ずる紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする請求項1記載の濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維。
【請求項3】 固体NMRで測定したエチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が18%以上であることを特徴とする請求項1記載の濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維。
【請求項4】 破断強度が2.50〜3.10cN/dtex、破断伸度が70〜130%であることを特徴とする請求項1記載の濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維。
【請求項5】 請求項1記載のポリエステル繊維(A)が全フィラメントの少なくとも20重量%を占め、多くとも80重量%を占める他方のポリエステル繊維(B)に対して混繊糸の単位長さ当たりの糸長さがA≧Bであることを特徴とする濃色性および風合いに優れたポリエステル混繊糸。
【請求項6】 請求項1記載のポリエステル繊維(A)を少なくとも一部に用いた織編物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維に関し、特に低コストで製造可能な濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維及びポリエステル混繊糸に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は取り扱いやすく、適度の着用耐久性があり、さらに価格の面でも他の合成繊維に比べて有利であり衣料用繊維として極めて広い用途を有している。しかしながら、それらポリエステル繊維は均一が故にいくつかの欠点も有している。即ち、ポリエステル繊維の表面は平滑であるため、ぬめり感のある冷たい触感を呈し、さらに微細構造も緻密であり、かつ疎水性であるため染料が入り難く色合いに関してもパステル調の色彩となってしまい濃色性に欠けるといった問題を抱えている。
【0003】そこで、ソフトでふくらみがあり、絹や木綿のように温かみのある感触を有するポリエステル繊維、さらには絹や羊毛の様な深みのある色を呈するポリエステル繊維製品が消費者の側から多く望まれている。
【0004】ポリエステル繊維を濃色化する方法として古くから知られている方法として、繊維表面を粗面化する方法(特公昭57−89641号公報、特開昭57−66184号公報、特公昭59−24233号公報、特公昭62―6576号公報)があるが、いずれの公知技術においても光の表面反射光を削減するために繊維内部に微細粒子を添加してアルカリ減量加工により繊維表面に凹凸を付与するために製糸工程において紡糸パックの圧力が上昇したり、糸切れが多くなったりと操業性における問題点があった。さらには、添加する粒子によっては金属摩耗によるトラブルや、後工程における布帛表面の毛羽やフィブリル化によるトラブルも発生し易いという問題もあり、コスト的にも不利であった。
【0005】また、他の方法として、イソフタル酸やアジピン酸などの酸成分を共重合する方法(特開昭57−66119号公報)、あるいはネオペンチルグリコールのエチレングリコール付加物などのポリアルキレンオキシド系グリコール成分を共重合する方法(特許第2503989号公報)などが知られているが、いずれの方法においても第3成分の共重合量を多くすることが必要でありコスト高となる一方、融点や耐熱性の低下および強力の低下が問題であった。
【0006】さらに、これらの従来技術は主に濃色性のみの改善を主眼においており、風合い改善という観点では不十分であった。
【0007】また、風合い向上に関してはこれまでに様々な試みがなされてきた。例えば収縮率の異なる2種類の潜在収縮性マルチフィラメントを混繊(異収縮混繊)して布帛にした後、熱処理することによってふくらみを持たせる方法や潜在収縮性マルチフィラメントと潜在伸長性マルチフィラメントを混繊(自発伸長混繊)することにより異収縮混繊糸よりも大きなふくらみを付与する方法(例えば特公昭60−54404号公報、特公昭63−35747号公報、特開平1−250425号公報、特公平2−293410号公報、特公平6−29943号公報、特開平8−325878号公報)が知られている。しかし、これらはいずれも単純な糸長差付与による風合い向上を主眼においており、繊維微細構造を考慮したフィラメント自身のソフト化および濃色性向上については何ら考慮されていない。
【0008】しかし、布帛の設計においては風合いの改善および濃色性の改善は共に衣料用ポリエステル布帛では必須の課題であり、濃色性と風合いを同時に満足する繊維構造制御が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の有する問題点を克服し、繊維内部の結晶および非晶構造を制御することにより、従来得ることができなかった優れた濃色性とソフトな風合いを兼ね備えたポリエステル繊維を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、繊維内部の微細構造を制御することにより優れた濃色性および風合いを同時に満足するポリエステル繊維が得られることを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、以下の構成よりなる。即ち本発明は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートからなるポリエステル繊維であって、固体NMRで測定したエチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が15%以上であることを特徴とする濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維である。具体的には、Diaceliton Fast Scarlet B(CI Disperse Red1)を0.4g/Lの濃度に調整した水溶液に対し浴比1:100にて100℃で90分処理後の吸尽率が60%以上であり、なおかつその、JIS L0842に準ずる紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度が3級以上であることを特徴とする上記記載の濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維、破断強度が2.5〜3.10cN/dtex、破断伸度が70〜130%であることを特徴とする上記記載の濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維である。また、上記のポリエステル繊維(A)が全フィラメントの少なくとも20重量%を占め、多くとも80重量%を占める他方のポリエステル繊維(B)に対して、混繊糸の単位長さ当たりの糸長さがA≧Bであることを特徴とする濃色性および風合いに優れたポリエステル混繊糸である。さらに、上記ポリエステル繊維(A)を少なくとも一部に用いた織編物である。以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明に言うポリエステルとは、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、主たるグリコール成分がエチレングリコールからなるものであるが酸成分として20モル%以下の蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸などに例示される脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フタル酸、イソフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体を共重合成分として含むこともできる。また、酸成分の20モル%以下のp−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなオキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を含むこともできる。
【0012】グリコール成分としては20モル%以下のプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカメチレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,5−ナフタレンジオールこれらのグリコールにエチレンオキサイドが付加したグリコール、ポリエチレングリコール等を含むことができる。
【0013】また、このポリエステル繊維中には少量の他の任意の重合体や酸化防止剤、制電剤、染色改性改良剤、染料、顔料、艶消し剤、蛍光増白剤、その他の添加剤が含有されていてもよい。
【0014】次に、本発明におけるポリエステル繊維の最大の特徴である繊維の微細構造について述べる。即ち、本発明に係る繊維について固体NMRで測定したとき、エチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が15%以上であることである。本発明により長時間成分の割合が15%以上になっても縦緩和時間における短時間成分の割合が特に減少することはない。このため、非晶部と結晶部の構造差が大きくなると考えられる。本発明の効果が現れるのは、エチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が15%以上の時であるが、17%以上であることが好ましく、19%以上であることが更に好ましい15%以下であると染色時の濃色性に欠けるとともにソフトな風合いが得られないのは、非晶部と結晶部の密度差が充分大きくならないため染料の拡散、吸着が阻害されるためと考えられる。
【0015】また、本発明におけるポリエステル繊維のDiaceliton Fast Scarel B(CI Disperse Red1)を0.4g/Lの濃度に調整した水溶液に対し浴比1:100において100℃で90分処理した後の吸尽率は60%以上であることが肝要であり60%未満であると通常のホ゜リエステル染色条件でも繊維の濃色性が十分でなく、目的を達成することが困難になる。
【0016】さらに、ポリエステル繊維のDiaceliton Fast Scarel B(CI Disperse Red1)を0.4g/Lの濃度に調整した水溶液に対し浴比1:100において100℃で90分処理した後のJIS L0842に準ずる紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度が3級以上であることが望ましく、3級未満であると実用性に欠ける。
【0017】また、本発明における濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維は破断強度が2.50〜3.10cN/dtex、破断伸度が70〜130%であることが必要であり、破断強度が2.50cN/dtex未満では強力不足により後工程での毛羽や断糸が増え好ましくない。逆に3.10cN/dtexを超えると風合いが硬くなるため好ましくない。一方、破断伸度は70%未満であると、リラックス効果が十分でなく風合いに劣る。逆に130%を超えると後加工工程において変形を受けやすく好ましくない。
【0018】さらに、本発明における濃色性および風合いに優れたポリエステル混繊糸は固体NMRで測定したとき、エチレングリコール単位炭素の縦緩和時間における長時間成分の割合が15%以上であるポリエステル繊維(A)が全フィラメントの少なくとも20重量%を占め、多くとも80重量%を占める他方のポリエステル繊維(B)に対して、糸長がA≧Bであることが好ましく、A<Bの場合は、濃色性、風合いに優れるポリエステル繊維(A)が混繊糸の表面に現れず、布帛とした時の目面や風合いに劣るため好ましくない。
【0019】このように、本発明者らは、ポリエステル繊維の微細構造、特に結晶部および非晶部の密度差が従来のポリエステル繊維と比較して大きいことに着目してなされた発明であるが、かかる新規なポリエステル繊維を製造する方法も勿論、従来にない新規な製法によって製造することが推奨される。 即ち、本発明における濃色性および風合いに優れたポリエステル繊維は、ポリエステルを溶融型押し出し機にて260℃〜290℃に加熱された紡糸口金から吐出し、2000m/分〜5000m/分の速度で引き取られた高配向未延伸糸を、延伸工程を通した後あるいはそのまま弛緩熱処理を施すことにより得られる。弛緩熱処理の目的は主として配向の緩和であり、弛緩熱処理の方法として非接触ヒーターによる一段弛緩熱処理が従来より主体的に行われてきた。しかしながら、かかる方法では配向緩和が急激であるため結果的に十分な緩和が行われていなかった。本発明においては、二段弛緩熱処理という方法を採用することによって従来よりも配向の緩和を緩やかに且つ十分に行うことで、従来よりも優れた染色性と共にソフトな風合いが得られるのである。特開平8−325878号公報に記載されているように、これまでも二段弛緩熱処理の考え方はあったが、一段目の弛緩熱処理は高々1.5%であり、さらに二段目の弛緩熱処理の弛緩率は高々2%であり、我々が採用している二段弛緩熱処理とは異なる。ここで言う二段弛緩熱処理とは一段目をホットローラー上で定長弛緩熱処理(糸長変化を伴わない分子レベルでの弛緩)を施するか、或いは非接触型ヒーターを用いて3%以上の弛緩熱処理した後、二段目として非接触型ヒーターを用いて10%以上の弛緩熱処理を施すことである。但し、一段目および二段目共に非接触型ヒーターを用いる場合は、少なくとも一段目の弛緩熱処理地のオーバーフィード率は二段目のオーバーフィード率よりも低くしなければならない。
【0020】また、別の方法としては該高配向未延伸糸を可塑剤として作用する有機化合物(所謂キャリアー)を含有する特殊液流中でリラックス処理することにより得られる。ここで重要なことは、弛緩熱処理あるい液流リラックス処理後の糸の複屈折(Δn)を0.09以下、比重を1.36以下に抑制するような温度、弛緩率あるいは処理時間を適宜設定することが必要であり、出来るだけ非晶部分の配向を阻害し、結晶部分の形成を遅らせることが重要である。このことにより優れた染色性が得られ濃色化が可能となり、さらにはポリエステル中の半分以上を占める非晶部分の分子鎖乱れによりソフトな風合いが得られるのである。
【0021】また、本発明における該高配向未延伸糸を可塑剤として作用する有機化合物(所謂キャリアー)とは安息香酸、安息香酸エステル等の安息香酸誘導体、サリチル酸、サリチル酸エステル等のサリチル酸誘導体、フェノール、m−クレゾール等のフェノール類、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族類、Nn−ブチルフタルイミド、Nイソプロピルフタルイミド等のNアルキルフタルイミド類、アセトフェノン等のケトン類、ハロゲン化フェノール類、フェニルフェノール類、アニソール等のエーテル類、ジーおよびトリフェニルメタン類、ジフェニル誘導体、メチルナフタレン、ナフトール等のナフタレン類、アニリン類など主に芳香族系の有機化合物誘導体をあげられ、場合によっては2種以上を同時に使用しても良い。
【0022】これら、該高配向未延伸糸を可塑剤として作用する有機化合物を含む溶液は水系、有機溶剤系のいずれでも良い。また、これら以外に、乳化剤、精練剤、分散剤、均染剤、pH緩衝剤等各種助剤および各種染料を場合によっては数種含んでいても良い。
【0023】これらを使用する場合の具体的な例としては精錬浴に、該有機化合物を該高配向未延伸糸を含む繊維製品に対して0.1%owf(% on the weight of fabric)以上濃度になるように加え、該高配向未延伸糸のガラス転移点以下の温度より、処理を開始しガラス転移点以上の温度に達した状態で数分処理することにより、目的とする優れた濃色性とソフトな風合いを兼ね備えたポリエステル繊維を得ることが出来る。
【0024】これらの処理はポリエステル半延伸糸のガラス転移点温度以下で開始する必要がある。すなわち、ガラス転移点温度以上で処理を開始すると、処理液による収縮抑制機能が働く前に、原糸の収縮が起こり伸長が起こらない。ゆえに製品自体に欠点が多く発生し風合いも硬くなりふくらみも出ない。ゆえに、ガラス転移点以下の温度で処理を開始し、収縮を抑制してから、ガラス転移点以上の温度に上げることにより伸長する。この、ガラス転移点以上の温度にすることによる、自己伸長の発現は処理浴中で連続的に昇温することによっても現れる。
【0025】この、該有機化合物濃度、処理温度、処理時間については原糸特性、有機化合物の物性によりそれぞれ、最適な値があるがそれに限定される物では無い。処理の効率から考えると、処理開始温度はガラス転移点温度以下で出来るだけ高い方が望ましくそうすることにより処理時間も短くすむ。有機化合物濃度に関しても高い方が望ましいが、20%owfより高くなると溶液との相溶性、現場での安全性、処理液コスト等に問題が生じてくる。また、有機化合物の濃度が製品に対し0.1%owf未満であるとソフトな風合いが得られない。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の評価に用いた方法は以下の通りである。
【0027】(緩和時間)測定繊維試料を細かく裁断した後、Varian社XL−300NMR分光器を用いて、CP−MAS法により、固体13C−NMRスペクトルを測定する(試料回転数:3.5KHz,C,Hの90°パルス:4.5μ秒,デカップラー強度:55KHz,コンタクトタイム:2ミリ秒,パルス待ち時間:80秒)。縦緩和時間は、Torchiaのパルス系列を用いて測定する。エチレングリコール単位中の炭素シグナル強度を緩和測定待ち時間に対してプロットした減衰曲線に対して、緩和時間が2.1,4.6,9.8,21,45,96,204,437,933秒の9成分からなると仮定して、最小二乗法によりそれらの成分比を決定する。上記緩和時間のうち、204,437,933秒を示す緩和時間を長時間成分と定義する。
【0028】(染料吸尽率)測定繊維試料を1g採取し、Diaceliton Fast Scarel B(CI Disperse Red1)を0.4g/Lの濃度に調整した水溶液100gを三角フラスコに浸透式染色機を用いて100℃に熱し、測定試料を投入してから90分処理を行った。浸透式染色機を用いて浴比1:100において100℃で90分処理した後の染色液を分光光度計で測定し、残存染料量から、染料吸尽率を算出した。
【0029】(染色堅牢性)染料吸尽率を測定するための処理をした測定繊維試料をさらに、ソーダ灰0.5g/Lとハイドロサルファイト0.5g/Lを溶解した溶液100mLに浸して60℃で10分処理し、湯洗、水洗し乾燥して、染色堅牢性評価用のサンプルを作った。これを用いて、JIS L0842に準ずる紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験を行い、染色堅牢度を得た。
【0030】(糸長さ)混繊糸を100mmの長さに切断し、その混繊糸を構成繊維が変形しないように十分注意しながら分離し、各繊維の長さを測定した。
【0031】(複屈折;Δn)ベレックコンペンセーターを装着した偏向顕微鏡によりレターデーションと繊維径により求め、n=5の平均値で評価した。
【0032】(比重)n−ヘプタンと四塩化炭素からなる密度勾配管により30℃で測定し、n=3の平均値で評価した。
【0033】(風合い評価)ポリエステル織物の風合い評価の経験の長い染色加工技術者3名によって製品の濃色性および触感を判定した。
【0034】
【実施例】(実施例1)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを用いて紡糸温度275℃、引取り速度3100m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を80℃のホットローラーを通過させ1.7倍に延伸した後、170℃の非接触型第1ヒーターおよび200℃の第2ヒーターにより夫々12.0%および35.0%のオーバーフィード率で速度500m/分にて2段弛緩熱処理を施すと同時に160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊し、90デシテックス30フィラメントの混繊糸を得た。
【0035】同時に得られたマルチフィラメントを、600回/mのSZ撚を付与し、これを縦糸及び緯糸として用い、これらを交互に打ち込んだ平組織の織物をなし、得られた織物に通常の精練、乾熱リラックス、プレセットの後、50g/L、100℃の苛性ソーダ溶液で処理し20重量%減量した。
【0036】その後、この布帛にファイナルセット(170℃×30秒)を行って仕上げ布を得た。ソフト感とふくらみに富んでおり、さらに染色することにより濃色に染まった。
【0037】(実施例2)200℃の非接触型第1ヒーターにより40.0%のオーバーフィード率で速度540m/分にて1段弛緩熱処理を施すと同時に160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊し、90デシテックス30フィラメントの混繊糸をを得た以外は実施例1と同法にて布帛を得た。ソフト感とふくらみに富んでおり、さらに染色することにより濃色に染まった。
【0038】(実施例3)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを用いて紡糸温度275℃、引取り速度3000m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を、100℃の予熱ローラーを通過後、170℃および200℃に加熱された第1非接触型ヒーターおよび第2非接触型ヒーターを速度450m/分で夫々オーバーフィード率5.0%および12.0%で2段弛緩熱処理を施すことにより78デシテックス18フィラメントのマルチフィラメントを得ると同時に160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊して190デシテックス48フィラメントの混繊糸を得た以外は実施例1と同法にて布帛を作製した。ソフト感とふくらみに富んでおり、さらに染色することにより濃色に染まった。
【0039】(実施例3)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを用いて紡糸温度275℃、引取り速度3000m/分で溶融紡糸して得た33デシテックス18フィラメントの高配向未延伸糸と160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸を、交絡ノズルを用いて流体交絡混繊を行い、得られた90デシテックス30フィラメントの混繊糸に300回/mの撚りを付与したS撚糸とZ撚糸を用い、これらを2本交互に打ちこんだ平組織の織物をなし、得られた織物に以下の処理を施した。
【0040】上記織物を、該高配向未延伸糸を可塑剤として作用する有機化合物として、オルトーフェニルフェノールを含んだ、キャリヤーであるテトロシンOEN(山川薬品(株))が1g/Lの濃度(有機物質濃度約4%owf相当)に分散し調整されたエマルジョンの処理液に入れ(浴比1:25)、液流染色機にて処理温度30℃で開始し、撹拌をしながら1℃/分の温度で昇温していき、浴温度を100℃まで昇温した後、続いて100℃で45分撹拌をおこない、冷却して取り出した。処理後、乾燥を行った。さらに、ポリエステル織物で行われる通常のプレセット(180℃×45秒)の後、50g/L、100℃の苛性ソーダ溶液で処理し20重量%減量した。
【0041】その後、この布帛を浴比1:15、染料濃度4.0%owfの分散染料(Resolin Red Purple FBL200:ダイスタージャパン(株)製)で100℃、30分間染色し、次いでファイナルセット(170℃×30秒)して仕上げ布を得た。濃色に染色されており、さらにソフト感とふくらみに富んでいた。
【0042】(比較例1)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを用いて紡糸温度275℃、引取り速度1500m/分で溶融紡糸して得た未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃のホットプレートを通過させ3.1倍に延伸して33デシテックス18フィラメントの延伸糸を得た後、160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊し、90デシテックス30フィラメントの混繊糸を得た以外は実施例1と同様にて布帛を得た。ふくらみに欠け、ソフト感にも乏しい布帛であった。染色しても濃色に染まらなかった。
【0043】(比較例2)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートを用いて紡糸温度275℃、引取り速度3000m/分で溶融紡糸して得た未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃のホットプレートを通過させ1.7倍に延伸して33デシテックス18フィラメントの延伸糸を得た後、160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊し、90デシテックス30フィラメントの混繊糸を得た以外は実施例1と同様にて布帛を得た。ふくらみに欠け、ソフト感にも乏しい布帛であった。染色しても濃色に染まらなかった。
【0044】(比較例3)キャリアーを含有しない溶液で処理した以外は実施例3と同法にて布帛を得た。濃色性が低く、かつふくらみおよびソフト感にも乏しい布帛であった。
【0045】(比較例4)200℃の非接触型第1ヒーター40.0%のオーバーフィード率で速度540m/分にて1段弛緩熱処理を施すと同時に160℃、30分処理時の収縮率が20%の高収縮糸と混繊し、90デシテックス30フィラメントの混繊糸を得た以外は実施例1と同法にて布帛を得た。濃色性、ふくらみ共にやや不足した布帛であった。
【0046】
【表1】

【0047】
【発明の効果】本発明によれば、濃色性に優れ、かつふくらみ感、ソフト感に富んだポリエステル繊維を提供することが可能となる。




 

 


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