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発明の名称 濃色性ポリエステル極細糸およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−262434(P2001−262434A)
公開日 平成13年9月26日(2001.9.26)
出願番号 特願2000−69029(P2000−69029)
出願日 平成12年3月13日(2000.3.13)
代理人
発明者 松田全央 / 中村良司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルマルチフィラメントであって、単糸繊度が0.11〜1.0デシテックスであり、かつ繊維の表面において繊維軸に直角な繊維外周方向の平面距離10ミクロン当りに10〜50個の密度で微細凹凸が不規則に存在し、さらに該微細凹部が下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とする濃色性ポリエステル極細糸。
0.05ミクロン≦W≦1.0ミクロン (1)
0.5ミクロン≦L≦4.0ミクロン (2)
0.2ミクロン≦X≦0.7ミクロン (3)
(Wは凹部の短軸径を表し、Lは長軸径を表す。また、Xは隣接する凹部の中心間の距離を表す。)
【請求項2】 ポリマー中に0.3重量%〜5.0重量%の無機粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の濃色性ポリエステル極細糸。
【請求項3】 ポリエステルマルチフィラメントを筒編みし、20%減量処理した後、黒色染色した後の編地のL*が14以下であることを特徴とする請求項1記載の濃色性ポリエステル極細糸。
【請求項4】 微細孔形成剤を含有したポリエステルを紡糸温度270〜300℃、引取り速度1000〜4000m/分で溶融紡糸し、一旦巻き取った後、70〜100℃の予熱ローラおよび140〜160℃のホットプレートを通過させて延伸を行うか、あるいは、一旦巻き取ることなく紡糸と延伸を連続的に行なうことを特徴とする濃色性ポリエステル極細糸の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、無機系の微細孔形成剤を含有するポリエステルを用いた極細糸に減量加工を施した後、染色した場合に優れた濃色性を発現するポリエステル極細糸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は取り扱いやすく、適度の着用耐久性があり、さらに価格の面でも他の合成繊維に比べて有利であり衣料用繊維として極めて広い用途を有している。しかしながら、それらポリエステル繊維は均一が故にいくつかの欠点も有しいる。即ち、ポリエステル繊維の表面は平滑であるため、ぬめり感のある冷たい触感を呈し、さらに色合いに関してもパステル調の白っぽい色彩となってしまい濃色性に欠けるといった問題を抱えている。
【0003】特に、ソフトな感触を有する織編物やスエード調織編物あるいは高密度織物等には、極細または超極細繊維と呼ばれる単糸繊度が極端に小さいマルチフィラメントが使用される。しかしながら、単糸繊度を低くすればするほど繊維の表面積が増加するために、入射した光が繊維表面で鏡面反射する所謂白色の表面反射光が増え、淡色化してしまうという問題が生じる。
【0004】従来よりポリエステル繊維を濃色化する方法として、繊維表面に低屈折率の化合物を被覆する方法(特公昭61−35309号公報、特公昭62−46672号公報、特公昭57−53474号公報)、ポリマーを化学改質する方法(特許第2503989号公報)などがあるが、いずれの公知技術においても濃色性の改善という意味ではある程度の効果があるが、工業的生産性さらには製造コストが高いという問題を有していた。
【0005】また別の方法として、比較的安価でかつ高い濃色効果が得られる方法として繊維表面を粗面化する方法(特公昭57−89641号公報、特開昭57−66184号公報、特公昭59−24233号公報、特公昭62―6576号公報)があるが、通常の製糸においては操業上なんら問題はないが、極細糸さらには超極細糸の製造となると微粒子を添加しているために、糸切れや毛羽といった操業上の問題が生じ、実質的には極細糸への技術展開はなされていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の有する問題点を克服し、従来の方法では達成し得なかったソフトな触感と高い濃色性を兼ね備えたポリエステル極細糸を経済的にかつ効率よく製造することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、無機粒子を含有するポリマーを用いて直接紡糸法により極細化する技術を確立し、得られた極細糸にアルカリ減量加工を施すことにより繊維表面に微細な凹凸を形成せしめることで染色により優れた濃色性が発現することを見出し本発明に到達した。即ち本発明は、以下の構成よりなる。
1.主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルマルチフィラメントであって、単糸繊度が0.11〜1.0デシテックスであり、かつ繊維の表面において繊維軸に直角な繊維外周方向の平面距離10ミクロン当りに10〜50個の密度で微細凹凸が不規則に存在し、さらに該微細凹部が下記(1)〜(3)式を満足することを特徴とする濃色性ポリエステル極細糸。
0.05ミクロン≦W≦1.0ミクロン (1)
0.5ミクロン≦L≦4.0ミクロン (2)
0.2ミクロン≦X≦0.7ミクロン (3)
(Wは凹部の短軸径を表し、Lは長軸径を表す。また、Xは隣接する凹部の中心間の距離を表す。)
2.ポリマー中に0.3重量%〜5.0重量%の無機粒子を含有することを特徴とする前記1記載の濃色性ポリエステル極細糸。
3.ポリエステルマルチフィラメントを筒編みし、20%減量処理した後、黒色染色した後の編地のL*が14以下であることを特徴とする前記1記載の濃色性ポリエステル極細糸。
4.微細孔形成剤を含有したポリエステルを紡糸温度270〜300℃、引取り速度1000〜4000m/分で溶融紡糸し、一旦巻き取った後、70〜100℃の予熱ローラおよび140〜160℃のホットプレートを通過させて延伸を行うか、あるいは、一旦巻き取ることなく紡糸と延伸を連続的に行なうことを特徴とする濃色性ポリエステル極細糸の製造方法。
【0008】本発明におけるポリエステルとは、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル誘導体、主たるグリコール成分がエチレングリコールからなるものであるが、酸成分として20モル%以下の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成誘導体、芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体を共重合成分として含むことができる。また、酸成分の20モル%以下のオキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を含むこともできる。グリコール成分としては20モル%以下のプロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,10−デカメチレングリコール、4,4−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキサイドが付加したグリコール、ポリエチレングリコール等を含むことができる。
【0009】また、これらポリエステル繊維中には少量の他の任意の重合体や酸化防止剤、制電剤、染色改良剤、染料、顔料その他の添加剤が含有されていても良い。
【0010】さらに、本発明のポリエステル極細糸の断面形状は丸に限定されず、三角、中空、扁平、多葉等の異形断面であっても構わない。尚、本発明のポリエステル極細糸は単独で用いることが最も好ましいが、カチオン染料可染ポリエステル糸や他のポリエステル繊維あるいは他の合成繊維、化学繊維および天然繊維との混繊糸として用いることも可能であり、収縮率の異なる所謂、異収縮混繊糸として用いることも可能である。但し、その際は混繊糸を構成する30重量%以上が本発明の濃色性ポリエステル極細糸であることが望ましい。
【0011】本発明の濃色性ポリエステル極細糸に用いるポリマーは、無機系の微細孔形成剤を含有したポリエステルであり、微細孔形成剤としては、コロイダルシリカ、乾式シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタンのいずれでも構わない。微細孔形成能の点でコロイダルシリカまたは乾式シリカ微粒子がより好ましく、該微粒子の粒径は分散性の点から20nm〜120nmが好ましく、より好ましくは30nm〜110nmである。また、添加量としては0.3〜5重量%が好ましく、0.3重量%未満であると微細孔形成能に欠け、また、5重量%を超えると紡糸操業性が悪化し好ましくない。より好ましくは、0.5〜3重量%である。
【0012】本発明の濃色性に優れたポリエステル極細糸は、上記ポリマーを紡糸温度270℃〜300℃、引取り速度1000m/分〜4000m/分での範囲で溶融紡糸して得られたマルチフィラメントを一旦捲き取った後、70℃〜100℃の予熱ローラーおよび140〜160℃のホットプレートを通過させて延伸を行うか、あるいは、一旦捲き取ることなく紡糸と延伸を連続的に行って極細糸を得ることができる。ここで重要なことは、ノズルから吐出されたポリマーを冷却風により冷却する際の冷却開始位置をノズル面から30mm以下にすることである。30mmを超えるとフィラメントの太細斑が周期的に現れる所謂ドローレゾナンス現象が生じ安定操業が出来なくなる。
【0013】本発明におけるモノフィラメントの繊度は0.11〜1.0デシテックスであることが必要でありり、0.11デシテックス未満では製糸工程での毛羽や糸切れの発生が多く、操業が困難である。逆に1.0デシテックスを超えると高密度織物等の用途では高密度化が出来ず、スエード調織編物用途ではソフトな触感が得られないといった実用上の問題が生じる。好ましくは0.2〜0.9デシテックスである。
【0014】本発明における濃色性ポリエステル極細糸の繊維表面において繊維軸に直角な繊維外周方向の平面距離10ミクロン当りに10〜50個の密度で微細凹凸が不規則に存在している必要があり、10個未満であると表面反射光の抑制効果が少なく十分な濃色性が得られない。また、50個を超えると整経および製編織時に毛羽等が発生して工程の通過性が悪化し好ましくない。さらに好ましくは12個〜50個である。
【0015】また、該微細凹部が下記(1)〜(3)の条件を満足することが必要であり、 0.05ミクロン≦W≦1.0ミクロン (1)
0.5ミクロン≦L≦4.0ミクロン (2)
0.2ミクロン≦X≦0.7ミクロン (3)
(Wは凹部の短軸径を表し、Lは長軸径を表す。また、Xは隣接する凹部の中心間の距離を表す。)該条件を満足しない場合は表面反射光の抑制効果が不十分で濃色化しない。
【0016】また、本発明における濃色性ポリエステル極細糸を形成するポリエステルに添加される無機粒子のの含有量は0.3重量%〜5.0重量%であることが必要であり、0.3重量%未満であるとアルカリ減量加工後に繊維表面に形成される微細孔の数が少なく、十分な濃色効果が得られない。逆に5.0重量%を超えると紡糸時にパック圧が上昇し長期の連続操業が困難になるばかりか製糸工程での糸切れも多くなるため好ましくない。より好ましくは0.5〜4.0重量%である。
【0017】さらに、本発明における濃色性ポリエステル極細糸を20%減量処理した後、黒色染色した後の編地のL*は14以下であり、14を超えると濃色効果が低い。より好ましくは13.5以下である。
【0018】尚、本発明における濃色性ポリエステル極細糸は単一成分のポリエステルのみを用いて得られ、溶出または分割処理することなく直接紡糸法により極細化し捲き取ることが必要である。極細化の方法として用いられる海島型や混合型さらには分割型等の複合紡糸では極細化までの工程が多くなるため製造コストが高くなり好ましくない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明の評価に用いた方法は以下の通りである。
【0020】(微細孔の数およびサイズ)走査型電子顕微鏡(SEM)により7000倍で撮影したモノフィラメント10本の拡大写真を撮り繊維軸に対して直角な繊維外周方向の平面距離10ミクロンの微細孔の数を測定し、10本の平均値で評価した。また、微細孔のサイズは繊維表面に存在する微細凹部ランダムに30ヶ所選定し、凹部の短軸及び長軸さらには隣り合う凹部の中心間の長さを測定し、平均値で評価した。
【0021】(濃色性)布帛の濃色性は、得られた織編物を8枚重ねにし、分光測色計(ミノルタCM−3700d)により測定径8mmφ、光源D65、視野2°の条件でL*値を3回測定し、その平均値で評価した。
【0022】(風合い評価)ポリエステル織物の風合い評価の経験の長い染色加工技術者3名によって製品の触感を判定した。
【0023】
【実施例】(実施例1)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して2.5重量%、配合して得られたポリマーを用いて紡糸温度290℃、引取り速度2600m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を80℃のホットローラーを通過させて1.54倍に延伸して78デシテックス216フィラメントのポリエステル極細糸を得た。
【0024】得られた糸を丸編み機により度目2.0で製編し、精練、乾熱リラックス、プレセットの後、60g/lの苛性ソーダ溶液で処理し20重量%減量した後、浴比1:100、染料濃度15.0%owfの分散染料(Dianix Black BG-FS200%;ダイスタージャパン(株)製)で130℃、60分間染色し、次いでファイナルセットして仕上げ布を得た。濃色性に優れ、かつソフトな風合いを有していた。
【0025】(実施例2)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して2.5重量%、配合して得られたポリマーを用いて100デシテックス216フィラメントのポリエステル極細糸を得た以外は実施例1と同様にて布帛を得た。濃色性に優れ、かつソフトな風合いを有していた。
【0026】(実施例3)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して2.5重量%、配合して得られたポリマーを用いて紡糸温度290℃、引取り速度1800m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を1.75倍に延伸して84デシテックス360フィラメントのポリエステル極細糸を得た以外は実施例1と同様にて布帛を得た。濃色性に優れ、かつソフトな風合いを有していた。
【0027】(比較例1)シリカを含まないポリエチレンテレフタレートを使用した以外は実施例1と全く同法にて布帛を得た。ソフト感には富むものの、濃色性に欠ける布帛であった。
【0028】(比較例2)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して5.5重量%、配合して得られたポリマーを用いた以外は実施例1と同様にて製造を試みたが、紡糸でのパック圧の上昇が著しくまた、延伸工程での糸切れが頻発し布帛を得ることができなかった。
【0029】(比較例3)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して2.5重量%、配合して得られたポリマーを用いて紡糸温度290℃、引取り速度2600m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を1.7倍に延伸にして84デシテックス36フィラメントのマルチフィラメントを得た以外は実施例1と同法にて布帛を得た。得られた布帛は濃色性には優れていたがソフト感に欠けていた。
【0030】(比較例4)テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコールをグリコール成分とするポリエチレンテレフタレートにシリカをポリマーに対して2.5重量%、配合して得られたポリマーを用いて紡糸温度290℃、引取り速度2600m/分で溶融紡糸して得た高配向未延伸糸を1.44倍に延伸にして23デシテックス216フィラメントのマルチフィラメントの製造を試みたが、紡糸での糸切れおよび延伸での糸切れが頻発し布帛を得ることができなかった。
【0031】
【表1】

【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ソフト感に富み、かつ濃色性に優れたポリエステル極細糸を低コストで且つ効率的に製造することが可能となる。




 

 


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