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発明の名称 耐光堅牢度に優れた繊維構造物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−172867(P2001−172867A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−361503
出願日 平成11年12月20日(1999.12.20)
代理人
発明者 桑原 展宏 / 森 潔 / 佐々木 喜己雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 親水性ビニル系モノマーがグラフト重合された繊維を70重量%以下含有し、JIS-L0842における耐光堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造物。
【請求項2】 前記のグラフト重合された繊維のグラフト率が1〜30重量%である請求項1記載の繊維構造物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーテン、ドレスシャツ、ブラウス、スポーツシャツ、肌着、寝具、作業服、ユニフォーム、靴下、手袋、カーシート等に用いられ、吸湿性が高められて、かつ耐光堅牢度に優れた繊維構造物及び繊維製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、親水性ビニル系モノマーの繊維に対するグラフト重合加工は、ポリエステル繊維に親水性を付与する加工、セルロース系繊維、再生セルロース系繊維、アクリル系繊維等の繊維構造物に消臭性や抗菌性を付与する加工、吸湿発熱性を付与する加工として知られている。
【0003】しかし、このような親水性ビニルモノマーがグラフト重合加工された布帛は、耐光堅牢度が悪く、屋外で着用する衣料品や、カーテン、カーシート等のように常に光に当っている場所では使用することは困難であった。そのために、グラフト重合加工されたものは、光の当らない用途にしか使用されていないのが現状である。
【0004】また、糸、あるいは織物、編物、不織布等の布帛の状態でグラフト重合加工を行うと、風合いが硬くなり、また、反応性染料、酸性染料、直接染料、分散染料等を用いて染色加工する場合、ホモポリマー、モノマー等が布帛全体に付着するために濃色化が出来ず淡色化することが問題であった。さらに、生産性を考慮すると、染色時の色合わせが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸あるいは織物、編物、不織布等の布帛として風合いが損なわれずに吸湿性が高められ、かつ耐光堅牢度に優れた繊維構造物及び繊維製品を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する為に本発明の繊維構造物は次の構成を有する。すなわち、親水性ビニル系モノマーがグラフト重合された繊維を70重量%以下含有し、JIS-L0842における耐光堅牢度が3級以上であることを特徴とする繊維構造物及び繊維製品である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明する。本発明において、綿(わた)の状態で親水性ビニル系モノマーがグラフト重合される繊維は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維や、レーヨン繊維、トリアセテート繊維等の再生もしくは半合成繊維、木綿、羊毛、シルク等の天然繊維等である。また、本発明における繊維構造物とは、糸、織物、編物、不織布及びこれらを用いた繊維製品である。
【0008】本発明において、親水性ビニル系モノマーとしては、分子構造内に重合性のビニル基を有し、かつカルボン酸、スルホン酸等の酸性基および/またはその塩、水酸基、アミド基等の親水性基を有するモノマーである。
【0009】これらの中で好ましいのは、カルボン酸系ビニル化合物であり、具体的にはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸等、及びこれらの金属塩があげられるが、これらは単独もしくは混合されて使用されても良い。この中でもグラフト重合加工性の点で、メタクリル酸及びアクリル酸が好ましい。
【0010】本発明におけるグラフト重合されたセルロース繊維とは、グラフト率が1〜30重量%で、綿の状態で親水性ビニル系モノマーがグラフト重合されたセルロース繊維である。該セルロース繊維のグラフト率は、1重量%未満では本発明の効果は十分ではない。また、30重量%を超えると綿の硬化や強伸度低下が起こり、後の紡績工程の工程通過が悪くなる。好ましいグラフト率は、3〜25重量%である。
【0011】これらのモノマーを綿の状態の繊維にグラフト重合させるに際しては、これらモノマーと共に重合開始剤として過酸化水素と2価鉄塩などのレドックス系、過硫酸カリウムやアンモニウムなどの過酸化物、2,2アゾビス塩酸塩などのアゾ系重合開始剤、硝酸2アンモニウムセリウムなどのセリウム塩などが使用される。重合開始剤は、加工浴中に添加する方法、予め繊維に付与する方法等が採用できる。
【0012】綿の状態で親水性ビニル系モノマーをグラフト重合させる具体的方法としては、繊維をオーバーマイヤー加工機等の加工浴中に浸漬して加熱処理する方法が挙げられるが、処理条件は通常50℃以上170℃以下で5min以上180min以下であり、好ましくは60℃以上150℃以下で30min以上120min以下である。加工雰囲気としては窒素ガス雰囲気が好ましい。その後、重合開始剤の失活処理と洗浄処理、油剤付与、乾燥処理等が必要により実施される。
【0013】また、グラフト重合方法として、放射線、電子線、紫外線、マイクロウェーブ等の活性エネルギー線を利用する方法も採用することができる。
【0014】織物、編物、不織布等の布帛の状態で親水性ビニル系モノマーのグラフト重合を実施する場合は、風合いが硬くなる、反応性染料や直接染料等を用いて染色加工する場合、染料と繊維とがイオン反発して淡色化する、耐光堅牢度が悪い、染色時の色合わせが困難になるなどの問題があるが、本発明のように綿の状態で親水性ビニル系モノマーをグラフトさせた綿を他の綿と混紡、混繊等で混用すると、風合い硬化も少なく、淡色化傾向も少なく、かつ驚くべきことには、著しく耐光堅牢度が向上する効果がある。
【0015】グラフト重合された繊維の繊維構造物中の含有量は、70重量%以下であり、好ましくは、55重量%以下、より好ましくは、40重量%以下である。70重量%を超えると、耐光堅牢度が悪くなる。含有量が少ないほど耐光堅牢度の点では好ましいが、吸湿性、消臭性など必要とする特性に応じて下限の含有量は、決められるが、通常、1〜3重量%である。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例また比較例における繊維構造物及び繊維製品の評価方法は以下の通りである。
【0017】グラフト率(GT%)の測定:反応前の絶乾重量(W0)から、グラフト重合し洗浄した後の絶乾重量(W1)への重量増加率から計算した。
グラフト率(GT%)=(W1−W0)×100/W0【0018】耐光堅牢度の測定:JIS-0842(カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験法)に準拠した方法で実施した。測定機器は耐光堅牢度測定機(密閉式紫外線フェードメーター、スガ試験機株式会社製)を使用した。耐光3級照射、耐光4級照射を実施、退色させて、グレースケール基準で評価した。
【0019】親水性ビニルモノマーがグラフト重合されたセルロース繊維の製造例:精練処理した木綿綿をメタクリル酸20.0g/l、硫酸第1鉄アンモニウム0.6g/l、過酸化水素0.3g/lの水溶液で浴比1:40、80℃×60minでオーバーマイヤー加工機を用いて、浸漬し処理した。この後、水洗、湯洗を繰り返した。この時のグラフト率は約10.15%であった。処理した綿を以下GT木綿」と呼ぶ。
【0020】親水性ビニルモノマーがグラフト重合されたポリエステル繊維の製造例:ポリエチレンテレフタレート綿(6.6dtex-64mm)を、ベンゾイルパーオキサイド0.1重量%、N-ブチルフタルイミド、炭酸ナトリウム及びポリエチレングリコールとアニオン系の界面活性剤よりなる乳化水溶液にアクリル酸とメタクリル酸の等量混合モノマー2.5重量%を加えて調整したグラフト重合浴に浴比1:15で浸漬した。そして、窒素ガス雰囲気下、100℃で1hrグラフト重合を行った。次いで、80℃の熱水で10min処理し、その後、炭酸ナトリウム3g/L及びジエチレンジアミンテトラ酢酸-4-ナトリウム塩0.5g/Lの水溶液を用いて、70℃×10minの処理を処理液が所定のpHになるまで繰り返し、その後、湯水洗を行い、乾燥機を用いて140℃×10min乾燥させた。この時のグラフト率は約10.35%であった。処理したポリエステルを以下「GTポリエステル」と呼ぶ。
【0021】実施例1「GT木綿」の混率が50重量%、未加工木綿の混率が50重量%である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0022】実施例2「GTポリエステル」の混率が50重量%、未加工のポリエステルの混率が50重量%である40番手の紡績糸(以下、ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0023】実施例3「GT木綿」の混率が10重量%、未加工木綿の混率が90重量%である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0024】実施例4「GTポリエステル」の混率が10重量%、未加工のポリエステルの混率が90重量%である40番手の紡績糸(以下、ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0025】比較例1GT木綿の混率が80重量%、未加工木綿の混率が20重量%である40番手の紡績糸(以下、木綿糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手の木綿糸×緯糸40番手の木綿糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0026】比較例2「GTポリエステル」の混率が80重量%、未加工のポリエステルの混率が20重量%である40番手の紡績糸(以下、ポリエステル糸)を作成し、ブロード織物(経糸40番手のポリエステル糸×緯糸40番手のポリエステル糸/経糸密度 130本/2.54cm×緯糸密度 70本/2.54cm)を製織した。
【0027】実施例1〜4、比較例1〜2で得られた織物を精錬、漂白、染色し繊維製品を得た。なお、染色は、以下の方法によった。
Sumifix Supra Red 4BNF(住友化学工業社製) 0.1%omf Sumifix Supra Blue BRF(住友化学工業社製) 0.05%omf Sumifix Supra Yellow 3RF(住友化学工業社製) 0.05%omf ソーダ灰 1.0g/l 60℃×45min 浴比 1:20染色後、湯洗、水洗を繰り返す。
【0028】実施例1〜4、比較例1〜2で得られた繊維製品の耐光堅牢度を測定した結果を表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
【発明の効果】本発明は、グラフト重合加工した綿を用いて混紡等で製糸し、該糸から布帛を得ることにより、従来のグラフト重合加工布帛では達成できなかった、良好な風合いで、かつ耐光堅牢度に優れた繊維製品を提供することが出来る。




 

 


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