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発明の名称 木綿繊維及び木綿繊維含有繊維構造物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−172860(P2001−172860A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−361501
出願日 平成11年12月20日(1999.12.20)
代理人
発明者 桑原 展宏 / 安倍 俊三
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 セルロ−スのβ-1,4−グルコシドの化学式の内のC1位炭素のCP/MAS固体13C-NMRによる13Cスピン−格子緩和時間(T1C) の減衰挙動が9成分の異なるT1C ( 2.14sec, 4.57sec, 9.77sec, 20.9sec, 44.7sec, 98.5sec, 204sec, 437sec,および933sec )からなるとした場合、T1Cが20.9sec, 44.7sec, 95.5secの成分の総和が70%以上であり、バリウム活性数が170以上である木綿繊維を含有することを特徴とする綿状の木綿繊維。
【請求項2】 前記木綿繊維が少なくとも25重量%のアルカリ膨潤剤水溶液で処理されていることを特徴とする請求項1記載の木綿繊維。
【請求項3】 請求項1〜2の木綿繊維を用いた紡績糸、布帛等の繊維構造物。
【請求項4】 液体アンモニアが後処理でなされている請求項1〜4記載の木綿繊維又は紡績糸、布帛等の繊維構造物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はドレスシャツ、ブラウス、パンツ、ジャケット等の衣料用および帽子、ハンカチ、タオルなどの日曜雑貨品用として好適な木綿繊維含有繊維構造物およびその製品に関するものであり、さらに詳しくは、ハリ・コシが有りソフトな風合いを有し、しかも染色性に優れた木綿繊維含有繊維構造物およびその製品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料品および日用雑貨品分野では、風合いおよび着心地感に関する消費者の要求が強まり、さまざまな加工が施されている。特に、衣料品分野では、ハリ・コシが有りソフトな風合いが好まれてきた。これらの要求に対して従来より、仕上げ加工による風合い改良が施されてきた。ハリ・コシが有りソフト風合いにするためにはフッ素系柔軟剤やシリコン系柔軟剤で処理することが知られている。また、ストレッチ性を与えるためにはポリウレタン系加工剤、アミノシリコ−ン系加工剤あるいはエポキシシリコ−ン系加工剤による加工が行われている。また、ソフト風合いを得る方法として、機械的な揉み効果による方法や繊維間の摩擦を抑制するため、酵素による減量加工などが採用されている。
【0003】従来より、木綿繊維織編物の防縮性改良や染色性向上の手法として水酸化ナトリウム水溶液や液体アンモニアによるマ−セライズ加工が行われている。また、経ストレッチ性を付与する方法としてマ−セライズ加工時、経方向にオ−バ−フィ−ドする方法などが行われてきた経緯がある。しかしながら、ハリ・コシが有りソフトな風合いを有し、かつ、十分な経ストレッチ性を有し、しかも染色性をも満足させるマ−セライズ加工技術は未だ確立されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の仕上げ加工による風合い改良を施した木綿繊維織編物は洗濯を繰り返すことにより加工剤の脱落が生じ、風合いが徐々に悪化および低下したり、柔軟剤が親油性であるために汚れが付着しやすい問題点がある。
【0005】本発明は後加工による風合い、ストレッチ性および染色性改良ではなく、布帛を構成する木綿繊維の構造を大幅に変化させることにより、ハリ・コシが有りソフト風合いで、かつ染色性に優れた木綿繊維含有繊維構造物およびその製品を得ようとするものである。
【0006】木綿繊維の膨潤を伴う結晶構造を変化させる方法としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液で処理するマ−セル化あるいは液体アンモニアや第1級アミン類で処理する方法が知られている。通常の工業的手法である連続方式でマ−セル化処理をすると、特に経糸方向にテンションがかかるほか、単繊維の拘束力が大きいため布帛を構成する糸の外周部のみが膨潤し内層部は未改質のままである。従って、この方法ではストレッチ性は出なく、風合いも硬く、本発明の目的とする木綿繊維含有繊維構造物およびその製品を得ることはできない。また、膨潤性を上げようと未処理木綿繊維を通常の(例えば、18.7重量%)水酸化ナトリウム水溶液で無緊張下、長時間処理すると綿繊維独特の繭型をした断面形状が真円に近くなるまで膨潤し、糸の内外層とも均一に膨潤するが、この処理により布帛は膨潤に伴う収縮のため、ごわごわした硬い風合いのものとなる。一方、高温マ−セル化するとハリ・コシが有りソフトな風合いに仕上がることが知られているが、この方法によると糸の中心部までは十分膨潤しておらず、ストレッチ性が少なく、しかも染色性が低下し、本発明の目的とするものは得られない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は段落番号〔0017〕に記載した方法によって測定した木綿繊維のCP/MAS(交差分極マジック角回転)固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−格子緩和時間(T1C) の減衰挙動が9成分の異なるT1C( 2.14sec, 4.57sec, 9.77sec, 20.9sec, 44.7sec, 98.5sec, 204sec, 437sec,および933sec )からなるとした場合、T1Cに関して20.9sec, 44.7sec, 95.5secの成分の総和が70%以上である木綿繊維であり、該木綿繊維を含有する時、ハリ・コシが有りソフト風合いで、しかもバリウム活性数が170以上となり染色性が改良された木綿繊維含有繊維構造物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】前記の本発明における木綿繊維は、例えば以下の方法で得ることができる。ハリ・コシ、ソフト感および染色性改善には従来の水酸化ナトリウム水溶液濃度での処理では不十分であり、結晶変態率を上げると共に、結晶化度を低下させる必要がある。そのためには、アルカリ剤(例えば水酸化ナトリウムの場合)は25重量%以上の高濃度が要求される。しかも処理時間は1minから120min好ましくは10minから40minで処理温度は室温から90℃、好ましくは室温から70℃である。上記の条件で本目的の木綿繊維が安定して得られる。
【0009】また、木綿繊維をアルカリ剤で処理する前に、浸透性を良くするために、水前処理や下晒前処理を実施しても良い。
【0010】木綿繊維を処理する装置として、一般的にオーバーマーヤー加工機が用いられるが、これに限定されるものではない。
【0011】綿状のアルカリ剤による処理は、綿花から栽培された原綿を直接処理しても良いが、混打綿機で夾雑物を除いた後や、梳綿機(カード機)や精梳綿機(コーマ機)でラップ状にした後、練條機でスライバー状にした後及び粗紡機で篠状にした後で実施しても良い。
【0012】本発明において、木綿繊維は結晶構造が変化させられるが、木綿繊維の結晶構造を変化させることができる薬剤には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチルアミン、液体アンモニア、ヒドラジンなどのアルカリ類およびこれらの組合せが挙げられる。木綿繊維の場合、水酸化ナトリウム、液体アンモニアが好ましく、染色性の向上と洗濯後の風合いおよびストレッチ性保持の点で水酸化ナトリウム/液体アンモニアの組合せ処理がより好ましい。
【0013】本発明における木綿繊維含有繊維構造物とは、木綿繊維単独の場合、あるいはその他に、ハリ・コシが有りソフトな風合いを損なわない範囲で、ラミ−、リネン、ケナフ、パルプ、バクテリアセルロ−スなどの天然セルロ−ス繊維、ビスコ−ス法レ−ヨン(ポリノジックを含む)、銅安法レ−ヨン、溶剤紡糸法レ−ヨンなどの再生セルロ−ス繊維、絹、羊毛、プロミックス繊維などのタンパク質繊維、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維との混繊、混紡、交織、交撚などで混用して得られる紡績糸、織物、編物、不織布などからなる繊維構造物のことである。
【0014】他の繊維と混用する場合、本発明の特性をよく発揮させるために、木綿繊維の含有率は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、さらに好ましくは50重量%以上である。アルカリ処理された木綿繊維と他の繊維を混用することで、異色化し、杢染することも可能である。
【0015】また、本発明で言う繊維構造物とは、前記の木綿繊維や混用繊維を用いた織物、編物、不織布などの布帛を用いて得られたシャツ、ブラウス、パンツ、ジャケットなどの衣料品および帽子、ハンカチ、タオルなどの雑貨品等の繊維製品をも意味する。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例で用いた評価法を以下に示す。
1. CP/MAS固体13C-NMRによるC1位炭素の13Cスピン−格子緩和時間(T1C)の測定法:木綿繊維の分子運動性を調べるために、セルロ−スのβ-1,4−グルコシドの化学式の中で、13C-NMRスペクトルの共鳴線の位置が重なり合いが少なく、しかも主鎖を構成しているC1炭素原子に着目しその13Cスピン−格子緩和時間(T1C)を測定した。
【0017】試料を約3 mm程度の繊維片に切断し、105℃のオ−ブンで2 hr絶乾処理した。さらに、約85%R.H.下で24 hr調湿した試料について、バリアン社 XL-300NMR分光器を用いて、Torchia法により測定した( D. A. Torchia, J. Magn. Reson.,30,613(1978) )。測定周波数:75MHz,試料回転数:3300rpm、パルス幅( PW ) = 4.5μsec、パルス待ち時間:20sec、コンタクトタイム:0.15 msec、デカップラ−強度:50 KHzである。T1Cの分布は、ピ−クの積分強度を待ち時間に対してプロットし、減衰挙動が9成分の異なるT1C ( 2.14sec, 4.57sec, 9.77sec, 20.9sec,44.7sec, 95.5sec, 204sec, 437sec,および933sec )からなると仮定して最小2乗法を用いて測定した。
【0018】2.バリウム活性数:JIS L 1096 ( 1990 )の6. 41に準じて行った。
【0019】3.評価方法風合い評価:8人の被験者により、布帛を20℃65%RHで24hr調湿後、手で触った時の感覚を4段階評価し、その平均点で表示した。
◎:優れたソフトな風合いである。
○:ソフトな風合いである。
△:やや硬い風合いである。
×:硬い風合いである。
【0020】染色性の評価:8人の専門家により、布帛を20℃65%RHで24hr調湿後、目視での5段階評価し、その平均点で表示した。
5級:反応染料種に関係なく、濃色の染色性を示す。
4級:反応染料種に関係なく、中・濃色の染色性を示す。
3級:反応染料種に関係なく、中色の染色性を示す。
2級:反応染料種に関係し、しかも中色の染色性を示す。
1級:反応染料種に関係し、しかも淡・中色の染色性を示す。
【0021】実施例1水に浸漬処理したスライバ状の木綿を、29.0重量%水酸化ナトリウム水溶液に30℃×30minでオーバーマーヤー加工機を用いて、浸漬処理した。この後、酸中和、水洗を繰り返した。
【0022】実施例2水に浸漬処理したスライバ状の木綿を、27.0重量%水酸化ナトリウム水溶液に30℃×30minでオーバーマーヤー加工機を用いて、浸漬処理した。この後、酸中和、水洗を繰り返した。
【0023】実施例3水に浸漬処理したスライバ状の木綿を、25.0重量%水酸化ナトリウム水溶液に30℃×30minでオーバーマーヤー加工機を用いて、浸漬処理した。この後、酸中和、水洗を繰り返した。
【0024】比較例1水に浸漬処理したスライバ状の木綿を、21.5重量%水酸化ナトリウム水溶液に30℃×30minでオーバーマーヤー加工機を用いて、浸漬処理した。この後、酸中和、水洗を繰り返した。
【0025】比較例2水にスライバ状の木綿を浸漬処理のみ実施した。
【0026】実施例1〜3、比較例1〜2の方法で得られた木綿を紡績し、30番手の紡績糸を得た。さらに、天竺に編み立て、漂白、反応性染料による染色、仕上を実施した。これらの仕上がった編物を上記〔0017〕〜〔0020〕の測定、評価を実施した。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】表1より、T1C(21.5、44.7、95.5)の構成比が70%以上、バリウム活性数が、170以上のとき、ハリ・コシが有りソフト感の有る風合いを有し、染色性に優れた木綿繊維含有繊維およびその製品であることがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明はハリ・コシが有りソフト感の有る風合いを有し、染色性に優れた木綿繊維及び該木綿繊維含有繊維製品を提供することができる。




 

 


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