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発明の名称 綿繊維含有繊維構造物およびその繊維製品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−159070(P2001−159070A)
公開日 平成13年6月12日(2001.6.12)
出願番号 特願平11−336204
出願日 平成11年11月26日(1999.11.26)
代理人
発明者 桑原 展宏 / 安倍 俊三 / 吉川 雅敏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 水中又はスチーム中で緊張処理された綿繊維を含有することを特徴とするセルロース架橋用の綿繊維含有繊維構造物。
【請求項2】 前記綿繊維が予め膨潤剤でマーセル化されている請求項1記載の綿繊維含有繊維構造物。
【請求項3】 前記綿繊維が染色されている請求項1記載の綿繊維含有繊維構造物。
【請求項4】 前記綿繊維のX線配向度が80%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の綿繊維含有繊維構造物。
【請求項5】 セルロース架橋剤により架橋された請求項1〜4のいずれかに記載の綿繊維含有繊維構造物又は繊維製品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糸、織物、編物、不織布などの半製品、ドレスシャツ、ブラウス、パンツ、ジャケット等の衣料用および帽子、ハンカチ、タオルなどの日用雑貨品として好適な綿繊維含有繊維構造物およびその製品に関するものであり、さらに詳しくは、架橋構造形成の際の強度低下が大幅改良された綿繊維含有繊維構造物およびその製品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オゾン層破壊が報告され、その原因の1つとしてドライクリ−ニング用溶剤が指摘されている。水を媒体にした洗濯が再度注目されるようになってきた。綿繊維を含有する衣料品および日用雑貨品分野では、水洗濯時の収縮やしわの発生が消費性能上問題になるため、一般にセルロース架橋剤による樹脂加工が実施されている。樹脂加工にはプレキュア法、ポストキュア法、気相加工法などがある。使用されるセルロース架橋剤(樹脂加工剤)は主として、前2者はグリオキザ−ル系が後者はホルムアルデヒドが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、樹脂加工すると架橋度が進むにつれて、著しく強度低下する。この原因として、糸および織編物のそれぞれがもつ歪み、架橋に伴う繊維の剛直化、架橋反応のための酸触媒によるセルロ−ス分子の切断などが挙げられている。この点に関する改善策として、アルカリ膨潤剤前処理により綿繊維の結晶の繊維軸に対する配向度を高めておくこと、架橋鎖長を適度に長くすること、潜在性酸触媒の最適化などが知られている。特に、前処理としては液体アンモニア処理が効果的である。しかしながら、これとても充分な強度低下抑制効果が得られたとはいえない。細い番手使いの綿織物や繊維強度の元々低い原綿使いでは、樹脂加工前の強度が低いため、樹脂加工後の強度がより低くなり、消費適性が不十分であり、更なる改良が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、水中又はスチーム中で緊張処理された綿繊維を含有することを特徴とするセルロース架橋用の綿繊維含有繊維構造物である。また、前記綿繊維が予め膨潤剤でマーセル化されていても、染色されていても、水中又はスチーム中緊張下で処理することにより本発明に到達することが出来る。また、前記綿繊維のX線配向度は80%以上であることが好ましい。さらに、好ましくは、X線配向度が83%以上である。また、本発明は樹脂加工剤や気相ホルムアルデヒドなどのセルロース架橋剤で処理されて架橋構造が形成された綿繊維含有繊維構造物又は繊維製品である。
【0005】ここで水処理とは、水中又はスチーム下で綿繊維に荷重をかけ、荷重をかけたまま取り出し乾燥し、水素結合の新しい組み替えを行う方法をいう。水処理による方法は糸状での処理に適しており、緊張下で高圧スチ−ムおよび高温熱水処理で糸状での形態で可能であるが、水中処理が最も簡便で好ましい。水処理時に加える荷重は綿単繊維当たり1mNから20mNで処理時間は、室温では数秒〜2hr程度が好ましく、さらに好ましくは、5sec〜30minである。好ましくは2〜15mNである。高圧スチ−ム処理及び高温熱水処理でも、同様の荷重下で処理温度及び処理時間は130〜180℃、5〜30minで、特に圧力は急降下させることが好ましい。また、後者の場合では処理温度120〜150℃、処理時間30〜180minが好ましい。特に130〜150℃で20〜120minがより好ましい。また、綿糸を緊張処理すると、光沢感が向上する。
【0006】本発明において、綿繊維の結晶構造を変化させることができる薬剤を使用することも有用である。こうした薬剤には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エチルアミン、液体アンモニア、ヒドラジンなどのアルカリ類およびこれらの組合せが挙げられる。また、セルロース繊維は水で膨潤することが知られているので、膨潤剤として、水を単独もしくは、前述したアルカリ類の薬剤と組み合わせて使用しても良い。
【0007】本発明では、水中処理が行われる前に、糸が予め染色されていても行うことが出来る。染色方法は、反応性染料、直接染料、酸性染料等でどのような方法で染められていても良い。
【0008】本発明における綿繊維含有繊維構造物とは、綿繊維単独の場合、あるいはその他に、ラミ−、リネン、ケナフ、パルプ、バクテリアセルロ−スなどの天然セルロ−ス繊維、ビスコ−ス法レ−ヨン(ポリノジックを含む)、銅安法レ−ヨン、溶剤紡糸法レ−ヨンなどの再生セルロ−ス繊維、絹、羊毛、プロミックス繊維などのタンパク質繊維、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維との混繊、混紡、交織、交撚などで混用して得られる紡績糸、織物、編物、不織布などからなる繊維構造物のことである。他の繊維と混用する場合、本発明の特性をよく発揮させるために、綿繊維の含有率は20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、さらに好ましくは50重量%以上である。
【0009】また、本発明で言う繊維製品とは、前記の綿繊維や混用繊維を用いた糸および織物、編物、不織布などの布帛を用いて得られたシャツ、ブラウス、パンツ、ジャケットなどの衣料品および帽子、ハンカチ、タオルなどの雑貨品を意味する。
【0010】水中緊張処理された綿糸の使用方法として、織物の場合は緯糸単独、経糸単独、もしくは経糸、緯糸両方が実用的であるが、部分的に使用されていてもよい。また、編物の場合は、平編み、ゴム編み、両面編み等で挙げられるが、どんな編み組織でもまた部分的に使用されていてもよい。
【0011】本発明におけるセルロース架橋剤(樹脂加工剤)とは、ホルムアルデヒドやジメチロールジヒドロキシエチレン尿素系樹脂、ジメチロールカーバメート系樹脂などの繊維素反応樹脂などである。
【0012】本発明におけるセルロース架橋剤の処理方法は、一般的な公知の加工法でよく、ホルムアルデヒドの場合は、例えば、特開平6-346370号公報に記載の気相ホルムアルデヒド加工法、繊維素反応樹脂では、特開平7-207578号公報などに記載の方法を採用することができる。
【実施例】X線配向度の測定:理学電機社製RAD-RA広角X線回析装置を用い、方位角(0〜360℃)方向の走査を行った。X線源はNiフィルターで単色化したCu-Kα線(40kV、100mA)を用いた。綿織物から緯糸を分離し、さらに綿単繊維をサンプリングした。次いで、単繊維の多数本の繊維束を治具の凹部(縦×横×奥行=5mm×5mm×10mm)に並べセルロイドの希薄溶液を少量加え単繊維同士を平行に並べた後、風乾して測定試料とした。測定は広角X線回折法により、方位角(0〜360°)の走査を行った。J.J.Creelyら:Text.Res.J.,26,789(1956)では(002)面を使っているが、本発明では、混晶を取り扱うため、ピーク分離しやすいので(101)面を取り扱うこととし、具体的にはセルロースI型結晶の含有率が50%以上ではセルロースI型結晶の(101)面に起因する回折ピークの半価幅を、セルロースI型結晶の含有率が50%未満ではセルロースIII型結晶の(101)面に起因する回折ピークの半価値をX線配向角とした。X線配向度(ψ)は次式より求めた。
ψ = [(180°−β°)/180°]×100 (%)【0013】結合ホルマリン量の定量:安倍ら;繊維機械学会誌,50,T124(1997)の方法に準拠した方法で測定した。
【0014】樹脂加工前後の綿糸の強度保持率の測定:JIS L1095-1990(標準時)で破断強度を測定した。樹脂加工前後の破断強度比の百分率で示した。
【0015】樹脂加工前後の織物の強度保持率の測定:JIS L1096-1990法(ラベルドストリップ法)、試験片5cmで破断強度を測定した。樹脂加工前後の破断強度比の百分率で示した。
【0016】樹脂加工前後の編物の強度保持率の測定:JIS L1018-1990法(ミューレン法)、試験片15cm×15cmで破裂強力を測定した。樹脂加工前後の破裂強度比の百分率で示した。
【0017】実施例160番手/双糸のなま綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、かせの下端に7kgの荷重をかけたまま20℃の水を張った水槽中に浸漬し10分経過後、荷重をかけたまま水槽から取り出し風乾した。
【0018】実施例2水酸化ナトリウム水溶液で処理した60番手/双糸の綿糸をかせ状に15ループを採取し、かせの下端に7kgの荷重をかけたまま20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、荷重をかけたまま水槽から取り出し風乾した。
【0019】実施例3液体アンモニアで処理した60番手/双糸の綿糸をかせ状に15ループを採取し、かせの下端に7kgの荷重をかけたまま20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、荷重をかけたまま水槽から取り出し風乾した。
【0020】実施例4反応性染料で染色された60番手/双糸の綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、かせの下端に7kgの荷重をかけたまま20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、荷重をかけたまま水槽から取り出し風乾した。
【0021】実施例5水酸化ナトリウム水溶液で処理し、さらに反応性染料で染色された60番手/双糸の綿糸をかせ状に15ループを採取し、かせの下端に7kgの荷重をかけたまま20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、荷重をかけたまま水槽から取り出し風乾した。
【0022】比較例160番手/双糸のなま綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、荷重をかけないで20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、水槽から取り出し風乾した。
【0023】比較例2水酸化ナトリウム水溶液で処理した60番手/双糸のなま綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、荷重をかけないで20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、水槽から取り出し風乾した。
【0024】比較例3液体アンモニアで処理した60番手/双糸のなま綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、荷重をかけないで20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、水槽から取り出し風乾した。
【0025】比較例4反応性染料で染色された60番手/双糸の綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、荷重をかけないで20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、水槽から取り出し風乾した。
【0026】比較例5水酸化ナトリウム水溶液で処理し、さらに反応性染料で染色された60番手/双糸のなま綿糸をかせ状に15ル−プ採取し、荷重をかけないで20℃の水を張った水槽中に浸漬し10min経過後、水槽から取り出し風乾した。
【0027】実施例1〜5、実施例1〜5で得られた綿糸を、密閉した反応器中でパラホルムアルデヒドから発生させたホルムアルデヒド水蒸気に4分間曝し、次に反応器に亜硫酸ガスを流入させて140℃で3分間処理して、気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0028】以上の実施例1〜5、比較例1〜5で得られた糸の強度、伸度、結合HCHO量、X線配向度を測定し、結果を表1に示した。
【0029】
【表1】

【0030】実施例6実施例1で得られた60番手/双糸の綿糸を緯糸、未処理の60/2番手/双糸の綿糸を経糸として、ブロード織物(経糸密度 122本/inch×緯糸密度 60本/inch)を製織し、精錬、漂白、染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0031】実施例7実施例1で得られた60番手/双糸の綿糸を経糸と緯糸として、ブロード織物(経糸密度 122本/inch×緯糸密度 60本/inch)を製織し、精錬、漂白、染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0032】比較例6比較例1で得られた60番手/双糸の綿糸を緯糸、未処理のDP60/2番手/双糸の綿糸を経糸として、ブロード織物(経糸密度 122本/inch×緯糸密度 60本/inch)を製織し、精錬、漂白、染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0033】比較例7比較例1で得られた60番手/双糸の綿糸を経糸と緯糸として、ブロード織物(経糸密度 122本/inch×緯糸密度 60本/inch)を製織し、精錬、漂白、染色し、常前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0034】以上の実施例6〜7、比較例6〜7で得られた織物の破断強度、破断伸度、結合HCHO量、X線配向度を測定し、結果を表2に示した。
【0035】
【表2】

【0036】実施例8実施例1で得られた60番手/双糸の綿糸を用いて、天竺編物(26"-28G-2232N、280mm/100W)を編み立てした。精練、漂白、反応染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0037】実施例9実施例2で得られた60番手/双糸の綿糸を用いて、天竺編物(26"-28G-2232N、280mm/100W)を編み立てした。精練、漂白、反応染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0038】比較例8比較例1で得られた60番手/双糸の綿糸を用いて、天竺編物(26"-28G-2232N、280mm/100W)を編み立てした。精練、漂白、反応染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0039】比較例9比較例2で得られた60番手/双糸の綿糸を用いて、天竺編物(26"-28G-2232N、280mm/100W)を編み立てした。精練、漂白、反応染色し、前記の気相ホルムアルデヒド加工を施した。
【0040】以上の実施例8〜9、比較例8〜9で得られた編物の破断強力、結合HCHO量、X線配向度を測定し、結果を表3に示した。
【0041】
【表3】

【0042】実施例10実施例6において得られたブロード織物の精練漂白布について、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素を6%、触媒として塩化マグネシウム6水和物を1.5%を含む水溶液をパディングにより付与し、80℃で5分間乾燥後、150℃で3分間キュアリングした。この加工布の破断強度は、3.2N、破断伸度は、4.1%、加工後の強度保持率(緯糸)は、58%であった。
【0043】比較例10比較例6において得られたブロード織物の精練漂白布について実施例10と同様にして加工布を得た。この加工布の破断強度は、2.9N、破断伸度は、5.3%、加工後の強度保持率(緯糸)は、31%であった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、綿繊維含有繊維構造物の樹脂加工後の強度保持率を大幅改良することができる。




 

 


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