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発明の名称 荷電不織布
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−146672(P2001−146672A)
公開日 平成13年5月29日(2001.5.29)
出願番号 特願平11−332418
出願日 平成11年11月24日(1999.11.24)
代理人
発明者 田中 茂樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】平均繊維径が0.1〜20μmの脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマーの繊維よりなる荷電処理された不織布を含む、高温での荷電特性に優れた荷電不織布。
【請求項2】平均繊維径が0.1〜10μmであり、目付が5〜80g/m2である請求項1記載の荷電不織布。
【請求項3】請求項1あるいは2に記載の不織布を含むフィルターであって、40〜130℃の間の温度で濾過速度1〜50cm/秒で濾過した際に、静電気力によりサブミクロン粒子を捕集することが可能な高温荷電フィルター。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】高温での荷電特性が優れ、かつ生分解処理可能な不織布に関する。更に詳しくは、被濾過ガスが、40℃以上の高温になる可能性がある場所で、低い圧力損失で高い濾過精度を得ることが可能な生分解性フィルターに関する。具体的には、厨房用ダクトフィルター、エアコン用フィルター、空気清浄機用フィルター、ケミカルフィルター前処理用フィルターなどとして好適な不織布に関する。あるいは、40℃以上の高温での埃取りワイパーなどとして好適な不織布に関する。ここでいう生分解処理可能とは、土壌中に不織布を埋設して6ヶ月後に分解状態を目視にて評価して、元の形態が失われていることを意味する。
【従来の技術】
【0002】従来、荷電処理された不織布は、静電気力を利用して、低圧力損失で濾過精度の高いエアーフィルターなどに用いられてきた。ポリプロピレンを中心とした汎用のポリオレフィン樹脂によりなる不織布が、荷電性が良く一般的に用いられてきた。しかしながら、ポリプロピレンなどの汎用オレフィン樹脂はガラス転移温度が低いことなどが原因で、40℃以上の環境下で荷電性能が低下したりするという問題点があった。それらの対策として、特開昭63−280408号公報などに開示されているようにポリマーに種々の添加物を練り込むなどの対策などがとられてきたがその効果は十分ではなく、高温に長時間さらされると性能が低下するという問題があった。
【0003】また、通常のポリエステル繊維は、完全に乾燥して水分を含まない状態では良好な荷電性能を有するが、平衡含水率がオレフィンに比べて高いため、室内に放置すると、経時的に吸湿によると推定される静電気力の低下が認められ好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温でも静電気力が高く、経時変化の少ない荷電不織布を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題を解決するために以下の手段をとる。第1の発明は、平均繊維径が0.1〜20μmの脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマーの繊維よりなる荷電処理された不織布を含む、高温での荷電特性に優れた荷電不織布であり、高温で使用可能なフィルターやワイパーに好適な不織布である。
【0006】次に、第2の発明は、第1の発明に置いて荷電処理された脂肪族ポリエステルを主成分とする不織布であって、平均繊維径が0.1〜10μmであり、目付が5〜80g/m2である荷電処理された不織布である。
【0007】また、第3の発明は、請求項1あるいは2に記載の不織布を含むフィルターであって、40〜130℃の間の温度で濾過速度1〜50cm/秒で濾過した際に静電気力によりサブミクロン粒子を捕集することが可能な高温荷電フィルターである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる不織布は、脂肪族ポリエステルを主成分とすることが必要である。脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸および/またはポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂であることが好ましい。ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂としては、乳酸にε−カプロラクトンなどの環状ラクトン類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸などのα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコール類、コハク酸、セパチン酸などのジカルボン酸類が1種あるいは2種以上共重合されたものを用いることができる。共重合体には、ランダム共重合体および/またはブロック共重合体を用いることができる。また、分子末端にカルボキシル基をもつ化合物でポリマー分子末端をエステル化処理する事が好ましく、このことにより熱成形時の安定性を改善することが可能である。
【0009】また、脂肪族ポリエステルは高温での静電気力の安定化のため、融点が130℃以上であることが好ましい。本発明における脂肪族ポリエステルは、融点の極近傍までトラップした電荷が安定に存在しており、融点が170℃近傍のポリプロピレンが、融点よりかなり低い100℃程度の温度になると電荷が消滅してしまうのとは非常に異なっている。また、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルでは、荷電処理直後に得られる静電気力は、ポリプロピレンと同等であるが数日でトラップされた電荷が消失する。しかしながら、本発明における脂肪族ポリエステルはポリマーの比抵抗が大きいためか融点近い高温までトラップされた電荷がほとんど消失しない。
【0010】不織布の製造方法や形態は特に規定されないが、通常の短繊維をカード処理して不織布化することが可能である。長繊維の不織布の製造方法であるスパンボンド法やメルトブロー法なども繊維の脱落のないリントフリー性が求められるフィルターやワイパー用途に好ましい。
【0011】フィルターやワイパーなどの用途を想定する場合は、繊維径が0.1〜20μmの間にあることが好ましい。20μmを越えると、濾過精度やワイピング性が低下するので好ましくない。特に好ましくは、0,1〜10μmの間にあることが好ましい。10μm以下の繊維を用いる場合は、メルトブロー法を適用することが特に好ましい。短繊維の不織布として用いる場合は、レーヨンや綿などの天然繊維を混ぜて不織布化しても良い。また、別の織布、不織布やフィルムなどと積層して使用しても良い。
【0012】不織布に静電気集塵力を与える荷電処理は、通常の直流コロナ処理を用いる事が可能である。印加する電圧は高い方がより高い静電気力を付与することが可能であるが、スパーク等の問題を生じる可能性があるため20kV前後が好ましい。
【0013】荷電処理時間は、5〜30秒程度が一般的であるが、時間が長すぎてもあまり性能差がなく、適当な処理時間を選択することが可能である。通常の処理する温度は20℃前後の室温からポリマーの融点の間の温度を適用することが可能であるが、脂肪族ポリエステルでは、高温で処理したほど高温での静電気力の安定性が向上するため50〜130℃くらいの温度で処理を行うのが好ましい。
【0014】不織布の目付は、5〜80g/m2であることが好ましい。目付が高すぎると、フィルターとして使用した場合の圧力損失が大きくなったり、ワイパーとして使用した場合に嵩高になりすぎて好ましくない。
【0015】本発明の不織布をフィルターとして用いる場合は、40〜130℃の間の温度で濾過速度1〜50cm/秒で濾過した際に静電気力によりサブミクロン粒子を捕集することが好ましい。40℃以下の温度でも使用可能であるが、本発明の不織布の高温での静電気力の安定性を考えると、40〜130℃で使用するのが有効である。室温において使用する場合も、トラップされた電荷の安定性が良く長期にわたり安定した性能が得られるためクリーンルームなどでの使用に好適である。また、本発明における脂肪族ポリエステルを主成分としているフィルターは、トラックなどで運搬する際に車内の温度が40℃を越える場合にも安心して使用可能である。もちろん、使用後のフィルターは捕集粒子が環境に影響を与えるような有害物質でない限り、使用後に土壌中に埋設することで生分解処理されるため環境にやさしいものである。
【0016】本発明の不織布をワイパーとして用いる場合は、静電気力で机などのゴミを集めて保持するためワイピング性能がよくなる。概してフィルター性能が高いほど、ワイピング性能も良くなる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例をあげて説明する。評価は以下の方法により測定した値を採用した。
(還元比粘度)溶媒をクロロホルムとして、試料ポリマーを0.5g/dl秤量し、溶かした試料溶液により、ウベローデ粘度計を用い測定した。
(酸価)試料ポリマーをクロロホルム/メタノール(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、この溶液をナトリウムメトキシド/メタノール溶液で滴定することにより測定した。
【0018】(目付)30cm各の正方形に不織布を切り出し重量を測定した後、1m2あたりに換算した。
(平均繊維径)不織布の表面像を走査型電子顕微鏡で1500倍の倍率で撮影した。繊維断面が円形であると仮定して、各繊維側面の端部間の距離を測定して繊維径とした。100本の繊維をランダムに選んで測定を実施し、算術平均した値を平均繊維径(μm)とした。
【0019】(濾過精度)室温の空気を5cm/秒で不織布を通過させ、入口側および出口側の0.3〜0.5μmの大気塵をダスト粒子濃度(個/cc)を光散乱方式の粒子濃度計により測定し、以下の式により濾過精度を測定した。
濾過精度(%)=(1−((出口濃度)/(入口濃度)))×100(圧力損失)上述のように濾過精度を測定したときの入口側と出口側の圧力を測定して、その差より圧力損失(mmAq)を計算した。
【0020】実施例1還元比粘度が1.52、酸価が16(eq/103kg)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールでエステル化したポリ乳酸よりなる平均繊維径2.6μm、目付30g/m2の不織布を210℃の温度でメルトブロー法により紡糸して作成した。得られた不織布を80℃の雰囲気温度で20kVの電界で15秒処理をして荷電処理を行った。得られた不織布そのもの、および120℃で24時間熱処理を行ったのち室温まで冷却し、24時間60%RHの雰囲気下においてから不織布のエアーフィルター性能を測定し、結果を表1に示した。不織布の濾過精度は、熱処理の前後でほとんど低下しておらず良好なフィルター特性を示した。
【0021】比較例1実施例1における荷電処理しない不織布についてエアーフィルター性能を測定した。結果を表1に示した。熱処理しても濾過精度はあまり変わらないが、これは静電気力によるフィルトレーション効果がをほとんどないためであり、実施例1と比べると濾過精度が低くフィルターとしての特性にかなり劣るため問題であった。
【0022】比較例2市販のMFRが300g/10分のポリプロピレンよりなる平均繊維径2.6μm、目付30g/m2の不織布を250℃の温度でメルトブロー法により紡糸して作成した。得られた不織布を80℃の雰囲気温度で20kVの電界で15秒処理をして荷電処理を行った。得られた不織布そのもの、および120℃で24時間熱処理を行ったのち室温まで冷却し、24時間60%RHの雰囲気下においておいてから不織布のエアーフィルター性能を測定した。結果を表1に示した。常温での性能は、実施例1とかわらず、静電気力による濾過が行われていることがわかる。しかしながら、熱処理後は未荷電のポリ乳酸の濾過精度並となっており、静電気力による捕集が起こっていないことがわかる。
【0023】
【表1】

【0024】
【発明の効果】本発明の不織布は、トラップされた電荷の高温での安定性が良く、長期にわたり安定した性能が得られるため、フィルターやワイパー用途に好適である。




 

 


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