米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> 東洋紡績株式会社

発明の名称 耐久性長繊維不織布及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−131855(P2001−131855A)
公開日 平成13年5月15日(2001.5.15)
出願番号 特願平11−308921
出願日 平成11年10月29日(1999.10.29)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3B154
4L047
【Fターム(参考)】
3B154 AA07 AB22 BA32 BB11 BB62 BF01 BF17 BF18 DA06 DA07 DA18 DA28 DA30 
4L047 AA21 AB03 BA03 BA08 CA12 CB01 CB05 CB10 CC10 CC16
発明者 飛口 保雄 / 松下 正樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性樹脂繊維を用いた不織布の少なくとも片面に、該樹脂の溶融塊を有するものであることを特徴とする耐久性長繊維不織布。
【請求項2】 前記不織布を構成する単繊維の引抜き最大応力が1g以上である請求項1に記載の不織布。
【請求項3】 前記溶融塊の形成側表面における前記不織布の摩擦係数が0.4以上である請求項1または2に記載の不織布。
【請求項4】 ニードルパンチされた熱可塑性樹脂繊維使用不織布の少なくとも片面を、前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度よりも30℃以上高い温度に曝して樹脂の溶融塊を形成することを特徴とする耐久性長繊維不織布の製造方法。
【請求項5】 前記片面を火炎に曝して樹脂の溶融塊を形成する請求項4に記載の耐久性長繊維不織布の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処理場等の様に長期間屋外に曝す環境で用いる耐久性長繊維不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニードルパンチ加工を施した長/短繊維不織布は厚手のものを得やすいことから、十分な厚さを必要とする産業廃棄物用保護シート等に良く用いられている。
【0003】しかしながら上記保護シートは屋外で使用されるものであるから、上記不織布の繊維を鳥獣等が引き抜いて破壊するという問題がある。鳥獣等は引き抜いた繊維を巣の材料として用いるのであるが、この様にして次々と繊維が引き抜かれると、保護シート(不織布)が弱くなるだけでなく、ついには孔が開くことになり、手直し等の追加工事が必要となる。
【0004】図2は上記ニードルパンチ加工不織布を示す断面図であり、該不織布は十分な厚さを有する。不織布表面には繊維が突出しており、この繊維を鳥等がついばんで引き抜き、破壊する事態に及ぶのである。
【0005】そこで上記不織布中の繊維を一部溶融させて強度向上を図ったものが提案されている。
【0006】例えば特開昭50−12377号公報には、表面にフィルム状硬化層を形成した不織布が提案されている(従来例■)。該不織布の製造方法としては、まず低延伸した合成繊維からなる不織布を得、該不織布の一方表面を軟化点以上,溶融点以下に加熱し、次いでこの加熱面を冷却ロールに接触させつつプレスロールと共に押圧し、上記加熱面に通気性のある硬化層を形成するというものである。この従来例■の不織布は、上記硬化層により強度が増す上、該硬化層は毛羽立っていないから、鳥獣等に破壊され難い。
【0007】また特開昭61−239071号公報には、含有する低融点繊維を後処理で溶融させて強化した不織布が示されている(従来例■)。具体的にはまず低融点成分を混在させた熱可塑性合成繊維を原料とし(例えば溶融温度約235〜245℃のポリエチレンテレフタレートフィラメントに溶融温度約160〜180℃のポリエステル共重合体フィラメントを混在させたもの)、これを軽く凝集化してウェッブを作り、該ウェッブをニードルパンチし、次いでその片面を加熱し(上記原料の場合は195〜210℃に加熱)、その後平滑な面を持つ金属ロールで研磨し、これを冷却して得るというものである。該従来例■の不織布は強く、その表面が摩耗耐性を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来例■,■はいずれも製造工程が複雑であり、また繊維状の低融点成分等の高価な材料を必要とするから、製造コストが高くつくという問題がある。
【0009】加えて長繊維からなる不織布は短繊維製の不織布に比べて強力であるにもかかわらず、複雑な熱履歴による成分劣化や、プレスロール等の圧迫による物理的破壊の為に、長繊維の上記強力特性をうち消してしまうと言った弊害もある。また長繊維の強力特性を発揮させる為に、芯部に高融点、鞘部をポリオレフィン系樹脂等の低融点のもので構成した芯鞘構造の長繊維を用い、鞘部を溶融させることが考えられるが、この場合は得られた製品表面がフィルム化し易く、結果として滑り易いものとなり、該製品を用いて施工する際に滑落事故等の危険性が危惧される。
【0010】そこで本発明においては、鳥獣等による破壊に対して抵抗性が高く、安価であり、更に施工時における滑りの危惧を低減した耐久性長繊維不織布を提供することを目的とする。またこの様な耐久性長繊維不織布を簡単に得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐久性長繊維不織布は、熱可塑性樹脂繊維を用いた不織布の少なくとも片面に、該樹脂の溶融塊を有するものであることを要旨とする。
【0012】上記溶融塊が形成されている表面には繊維が殆ど表れず、またたとえ表面に表れる繊維があっても、該繊維は溶融塊によって隠れて鳥獣等に見え難い上、溶融塊によって止着されているから、鳥獣等による繊維の引き抜きが起き難く、耐久性に優れる。更に上記溶融塊のアンカー効果によって表面の摩擦係数が高くなるから、上記不織布を施工する際等において滑る危険性が低減される。また上記不織布の内部は溶融されていないから、強力であるという長繊維の特徴を発揮し得る。
【0013】尚上記溶融塊は、通常の毛焼き工程やカレンダー工程等で用いられる表面加熱機を利用し、不織布表面の上記熱可塑性樹脂繊維を溶融することにより形成できる。またこのときの溶融状態や溶融深さに関しては、加熱温度、加熱速度、熱源からの距離等を調整することによって調整が可能である。
【0014】また上記溶融塊を不織布の片面だけでなく両面に形成したものであっても良い。例えば遮水シート上に上記耐久性長繊維不織布を重ねて施工する場合において、両面に溶融塊を形成した耐久性長繊維不織布を用いると、裏側面の溶融塊によって遮水シートとの滑りを防止でき、上記耐久性長繊維不織布を施工固定する際の作業性に優れる。尚表側面の溶融塊により上述の様に鳥獣に対して抵抗性を発揮する。
【0015】更に本発明においては、前記不織布を構成する単繊維の引抜き最大応力が1g以上であることが好ましい。
【0016】鳥の嘴による引抜き力は、小鳥の場合では1g/本程度であると言われており、よって不織布を構成する単繊維の引抜き最大応力が1g未満のときには小鳥によって繊維が引き抜かれ破壊する懸念がある。しかし本発明では上述の様に表面に溶融塊が形成されているから表面に繊維が見え難い上、単繊維の引抜き最大応力が1g以上であるから、繊維引き抜きによる破損の懸念が殆どない。
【0017】より好ましくは単繊維の引抜き最大応力が2g以上であり、これにより中型鳥類による引抜きに対しても良好な抵抗性を示す。更に好ましくは3g以上である。
【0018】加えて本発明においては、前記溶融塊の形成側表面における前記不織布の摩擦係数が0.4以上であることが好ましい。摩擦係数が0.4以上であれば施工時等の滑りの危険が低い。例えば融着作業等で斜面立てる場合においても上記の様に表面の摩擦係数が0.4以上であれば、1:1.5勾配の斜面(廃棄物処理場は一般に周囲等が斜面となっている)でもシートの末端融着処理等の作業を安全に実施できる。
【0019】本発明に係る耐久性長繊維不織布の製造方法は、ニードルパンチされた熱可塑性樹脂繊維使用不織布の少なくとも片面を、前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度よりも30℃以上高い温度に曝して樹脂の溶融塊を形成することを要旨とする。
【0020】この様に溶融温度よりも30℃以上高い温度に曝すことにより(以下、この工程を表面高加熱工程と称することがある)、不織布表面付近の熱可塑性樹脂繊維を溶融し、溶融塊を形成することができる。好ましくは前記熱可塑性樹脂繊維の溶融温度よりも50℃以上高い温度であり、より好ましくは100℃以上高い温度である。
【0021】この本発明の製造方法は、ニードルパンチされた不織布を製造した後に上記表面高加熱工程を施すだけで良く、作業工程が簡単である。
【0022】尚上記30℃以上高い温度に曝す時間は短い方が好ましく、仮に長時間曝すと不織布の内部まで溶融する懸念がある。短時間とすることにより表面付近のみの溶融が可能である。好ましくは2秒以内、より好ましくは1秒以内である。
【0023】また本発明の製造方法においては、前記片面を火炎に曝して樹脂の溶融塊を形成することが好ましい。
【0024】上記火炎は、前記不織布に使用される熱可塑性樹脂繊維の溶融温度よりも遥かに高い温度(およそ150℃以上高い温度)であるから、不織布の表面に溶融塊を容易に形成することができる。また火炎を発生させる装置としても例えばガスバーナー等の簡便な装置を用いることができる。更に火炎に曝す場合は、極めて高温に曝すことになるから、不織布表面に細かな凹凸を形成し易く、この様にして形成された凹凸は良好なアンカー効果を発揮する。
【0025】加えてニードルパンチを施すにあたり貫通本数を多くする等、繊維交絡が大きくなる様に設定することによって、不織布を構成する単繊維の引抜き応力をより大きくすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態及び実施例】図1は本発明の一実施例に係る耐久性長繊維不織布を示す断面図である。この不織布10の片側表面にはほぼ全面に多数の溶融塊11が形成されている。この溶融塊11形成表面においては繊維が見え難く、また該表面の繊維は溶融塊11によって止められて、引抜き難い状態となっている。更に上記溶融塊11により不織布10表面が凹凸となるから、摩擦抵抗が高くなり、該耐久性長繊維不織布の施工時における滑りの危険が少ない。
【0027】<実施例,比較例>次に本発明の実施例に係る耐久性長繊維不織布及び比較例の長繊維不織布に関して、具体的な例を挙げて説明する。
【0028】極限粘度0.63のポリエステルテレフタレートを原料として、スパンボンド法により長繊維ウェッブを得、このウェッブをニードルパンチ機(ドイツ フェラー社製)により下記表1に示す条件でニードリングし、厚さ約5mmの不織布を得る。該不織布の片面に直火バーナー加工を施し、試料No.1〜3(耐久性長繊維不織布)を製造する。また直火バーナー加工を施さないものとして試料No.4〜6を得る。尚上記直火バーナー加工においては、火炎が下斜め45度になる様にバーナーを配置し、該バーナーの火炎孔から約2cmの火炎を出し、上記火炎孔から1cmの距離に上記不織布を5m/分の速度で通すことにより、不織布を火炎に曝す。上記バーナーとして、上記不織布の幅方向にピッチ1cmの火炎孔列を有するものを用いる。
【0029】また芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンを用いた芯鞘構造の繊維を用い、スパンボンド法により繊維ウェッブを得、このウェッブをニードルパンチ機により下記表1に示す条件でニードリングし、その後200℃、5m/分のカレンダー加工を施し、試料No.7,8の不織布を得る。
【0030】尚上記試料1〜8はいずれも目付300g/m2である。
【0031】
【表1】

【0032】上記試料No.1〜8に関し、表面に溶融塊があるか否かの観察、単繊維引抜き最大応力の測定、及び鳥獣による影響を調べるモデルテストを行った。
【0033】上記表面観察にはSEM(走査型電子顕微鏡)を用い、上記試料No.1〜8(不織布)表面を50倍に拡大して観察し、繊維形状が残っていないものを「溶融塊有り」として判定した。
【0034】また単繊維引抜き最大応力は、上記試料No.1〜8(不織布)の表面に表れ出た単繊維をチャックで固定し、不織布の垂直方向に2cm/分の速度で1分間引き、その際の最大応力を測定した。尚繊維が切断された場合には、記録から削除し、有効な結果として20回測定し、この平均を取った。測定に際しては、試験位置が同じでは測定誤差が大きく表れるので、直径20cmの範囲内に測定点を1点とした。
【0035】鳥獣による影響を調べるモデルテストは、縦50cm×横50cm×高さ50cmの籠に縦25cm×横25cmの上記試料を入れ、この籠に十姉妹10匹を1ヶ月間育てた後、上記試料に直径1mm以上の孔が開いた場合には×とし、試料の表面に毛羽が多く発生している場合(直径1mm以上の孔は開いていない)を△とし、孔や毛羽の発生が殆どない場合を○とした。
【0036】また試料No.1〜3,6〜8について、不織布表面の摩擦係数を求めた。該摩擦係数の測定方法は、試料を水で十分に濡らして台上に配置し、砂5kgを詰めたゴム長靴(月星社製)を上記濡らした試料の上に載せ、上記台を傾け、上記ゴム長靴が滑った時点における上記台の角度を計り、該角度の正接を摩擦係数とした。
【0037】これらの結果を上記表1に併せて示す。表1から分かる様に、不織布表面に溶融塊を有する試料No.1〜3は、十姉妹によっても試料に孔が開かず、即ち鳥獣による悪影響がないか或いは殆どないものであった。これら試料No.1〜3のうちでもニードルパンチの貫通本数の多いものほど、単繊維引抜き最大応力が高く、十姉妹による孔開きや毛羽立ちが生じ難いものであった。加えて試料No.1〜3はいずれも表面の摩擦係数が高く、即ち摩擦抵抗が高いから、この試料No.1〜3を用いての施工において滑る恐れが少ない。また表面の繊維が溶融塊となることにより、不織布の遮光性も向上する。
【0038】これに対し、溶融塊のない試料No.4〜6は単繊維引抜き最大応力が低く、十姉妹によって孔が開けられた。試料No.7,8はカレンダー加工を施している為、単繊維引抜き最大応力が高く、十姉妹によって孔や毛羽が生じなかったが、表面の摩擦係数が低く、施工時等に滑る懸念のあるものであった。
【0039】以上のように本発明に係る耐久性長繊維不織布及びその製造方法に関して、具体的に説明したが、本発明はもとより上記例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明に係る耐久性長繊維不織布は、鳥獣等による破壊に対して抵抗性が高く、即ち耐久性に優れ、手直し作業回数の低減に寄与する。加えて摩擦抵抗が高く、施工時等における滑りの危険が少なく安全性が向上する。更に本発明に係る耐久性長繊維不織布の製造方法は簡単であり、製造コストが低減する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013