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発明の名称 難燃性ポリエステル繊維及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−89934(P2001−89934A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−270792
出願日 平成11年9月24日(1999.9.24)
代理人
発明者 形舞 祥一 / 中嶋 孝宏 / 田口 裕朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を用いることなく下記(1)式で表される活性パラメータを満たす触媒を用い、かつその触媒を用いて重合したポリエチレンテレフタレートが下記(2)式で表される熱安定性指標を満たすようなポリエステル重合触媒を用いて製造された難燃性ポリエステル繊維。
(1) 活性パラメータ(AP):AP(min)<T(min)*2(上記式中、APは所定の触媒を用いて275℃、0.1Torrの減圧度で固有粘度が0.5dlg-1のポリエチレンテレフタレートを重合するのに要する時間(min)を示す。Tは三酸化アンチモンを触媒として用いた場合のAPを示す。ただし、三酸化アンチモンは生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成分に対してアンチモン原子として0.05mol%添加する。 )
(2) 熱安定性指標(TD):TD<25(%)(上記式中、TDは固有粘度0.6dlg-1のPET1gをガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で300℃、2時間溶融したときの固有粘度の減少率(%)を示す)
【請求項2】金属および/または金属化合物1種以上と、下記一般式(1)および/または(2)の構造を含む化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物からなる触媒を用いて製造されることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化1】

【化2】

(式(1)〜(2)中、Arはアリール基を表す。)
【請求項3】金属および/または金属化合物が、アルカリ金属および/またはそれらの化合物あるいはアルカリ土類金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項4】アルカリ金属および/またはそれらの化合物あるいはアルカリ土類金属および/またはそれらの化合物がLi,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項3記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項5】金属および/または金属化合物がAl,Ga,Tl,Pb,Biから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項6】金属および/または金属化合物がTl,Pb,Biから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項7】金属および/または金属化合物がSc,Y,Zr,Hf,Vから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項8】金属および/または金属化合物がSc,Y,Zr,Hfから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項9】金属および/または金属化合物がCr,Ni,Mo,Tc,Reから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項10】金属および/または金属化合物がCr,Niから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項11】金属および/または金属化合物がRu,Rh,Pd,Os,Ir,Ptから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項12】金属および/または金属化合物がRu,Pdから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項13】金属および/または金属化合物がCu,Ag,Au,Cd,Hgから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項14】金属および/または金属化合物がCu,Agから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項15】金属および/または金属化合物がランタノイドから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項16】金属および/または金属化合物がLa,Ce,Sm,Eu,Gdから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項17】金属および/または金属化合物がインジウムおよび/またはその化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項18】金属および/または金属化合物がMn,Co,Znから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項19】金属および/または金属化合物がFe,Nb,Ta,Wから選ばれる金属および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項20】金属および/または金属化合物がFeおよび/またはその化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項21】金属および/または金属化合物がテルル、珪素、硼素および/またはそれらの化合物である請求項2記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項22】一般式(1)および/または(2)の構造を有する化合物がそれぞれ下記一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物である請求項2〜21のいずれかに記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化3】

【化4】

(式(3)〜(4)中、Arはアリール基を表し、X1,X2,X3はそれぞれ独立に水素、炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表す。)
【請求項23】一般式(3)および(4)のArが下記一般式(5)から(12)からなる群より選ばれることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【請求項24】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(13)および(14)で表されるような直線状フェノール化合物、直線状アニリン化合物およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化13】

【化14】

(式(13)〜(14)中、各R1は同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各R2は同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、各Yは同じかまたは異なり、直接結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、-SO2-、-CO-、-COO-を表し、nは1から100の整数を表し、aおよびcは1から3の整数を表し、bおよびdは0または1から3の整数を表す。ただし、1≦a+b≦5、1≦c+d≦4である。各dは同じでも異なっていてもよい。)
【請求項25】一般式(3) および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(15)および(16)で表されるような枝分かれ線状フェノール化合物、枝分かれ線状アニリン化合物およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化15】

【化16】

(式(15)〜(16)中、各R1は同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各R2は同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、各Yは同じかまたは異なり、直接結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、-SO2-、-CO-、-COO-を表し、各nは同じかまたは異なり、1から100の整数を表し、各cは同じかまたは異なり、1から3の整数を表し、各dは同じかまたは異なり、0または1から3の整数を表す。ただし、1≦c+d≦4である。各dは同じでも異なっていてもよい。)
【請求項26】一般式(3) および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(17)および(18)で表されるような環状フェノール化合物、環状アニリン化合物およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化17】

【化18】

(式(17)〜(18)中、各R1は同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、各Yは同じかまたは異なり、直接結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、- SO2-、-CO-、-COO-を表し、nは1から100の整数を表し、cは1から3の整数を表し、dは0または1から3の整数を表す。ただし、1≦c+d≦4である。各dは同じでも異なっていてもよい。)
【請求項27】一般式(3) および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(19)および(20)で表されるようなクマリン誘導体、または下記一般式(21)および(22)で表されるようなクロモン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

(式(19)〜(22)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、jおよびbは0または1から3の整数を表し、mおよびdは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦m+d≦2、1≦j+m≦5である。)
【請求項28】一般式(3) および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(23)および(24)で表されるようなジヒドロクマリン誘導体、下記一般式(25)および(26)で表されるようなクロマノン誘導体、または下記一般式(27)および(28)で表されるようなイソクロマノン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

(式(23)〜(28)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、aは1から3の整数を表し、bは0または1から3の整数を表し、pおよびqは0または1から2の整数を表す。ただし、1≦a+b≦4、0≦p+q≦2である。)
【請求項29】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(29)および(30)で表されるようなクロマン誘導体、または下記一般式(31)および(32)で表されるようなイソクロマン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

(式(29)〜(32)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、aは1から3の整数を表し、bは0または1から3の整数を表し、cおよびdは0または1から3の整数を表す。ただし、1≦a+b≦4、0≦c+d≦3である。)
【請求項30】一般式(3) および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(33)および(34)で表されるようなナフタレン誘導体、または下記一般式(35)および(36)で表されるようなビスナフチル誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化33】

【化34】

(式(33)〜(34)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、j、b、c、およびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦4、1≦j+c≦6である。)
【化35】

【化36】

(式(35)〜(36)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、Yは直接結合、炭素原子数1〜10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、- SO2-、-CO-、-COO-を表し、j、b、c、d、e、f、g、およびhは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦3、0≦e+f≦4、0≦g+h≦3、1≦j+c+e+g≦12である。)
【請求項31】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(37)および(38)で表されるようなアントラセン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化37】

【化38】

(式(37)〜(38)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、j、b、e、およびfは0または1から3の整数を表し、pおよびqは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦p+q≦2、0≦e+f≦4、1≦j+p+e≦8である。)
【請求項32】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(39)および(40)で表されるようなベンゾキノン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化39】

【化40】

(式(39)〜(40)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、k、l、p、およびqは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦k+l≦2、0≦p+q≦2、1≦k+p≦4である。)
【請求項33】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(41)および(42)で表されるようなナフトキノン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化41】

【化42】

(式(41)〜(42)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、kおよびlは0または1から2の整数を表し、cおよびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦k+l≦2、0≦c+d≦4、1≦k+c≦5である。)
【請求項34】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記一般式(43)および(44)で表されるようなアントラキノン誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化43】

【化44】

(式(43)〜(44)中、各Rは同じかまたは異なり、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基を表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基を有する炭素原子数1〜20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、ホスホリルを含む基、またはエーテル結合を有する炭化水素基を表し、j、b、c、およびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦4、1≦j+c≦6である。)
【請求項35】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(45)で表される2,2'-ビスフェノール、または下記式(46)で表される2-アミノビフェニルおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化45】

【化46】

【請求項36】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(47)で表される2,2'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、下記式(48)で表される2,2'-チオビス(4-tert-オクチルフェノール)、または下記式(49)で表される2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化47】

【化48】

【化49】

【請求項37】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(50)で表されるメチレン架橋直線状フェノール化合物(2から100量体までの混合物)、または下記式(51)で表されるメチレン架橋直線状p-tert-ブチルフェノール化合物(2から100量体までの混合物)およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化50】

(式(50)中、nは1から99の任意の整数を表す。)
【化51】

(式(51)中、nは1から99の任意の整数を表す。)
【請求項38】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(52)で表されるカリックス[4]アレーン、下記式(53)で表されるカリックス[6]アレーン、下記式(54)で表されるカリックス[8]アレーン、下記式(55)で表されるp-tert-ブチルカリックス[4]アレーン、下記式(56)で表されるp-tert-ブチルカリックス[6]アレーン、または下記式(57)で表されるp-tert-ブチルカリックス[8]アレーンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【請求項39】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(58)で表されるエスクレチン、または下記式(59)で表される7-アミノ−4−メチルクマリンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化58】

【化59】

【請求項40】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(60)で表されるクリシン、下記式(61)で表されるモリン、または下記式(62)で表される2-アミノクロモンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化60】

【化61】

【化62】

【請求項41】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(63)で表されるエピカテキン、または下記式(64)で表されるエピガロカテキンガレートおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化63】

【化64】

【請求項42】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(65)で表される4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウム、下記式(66)で表される1,8-ジアミノナフタレン、下記式(67)で表されるナフトールAS、下記式(68)で表される1,1'-ビ-2-ナフトール、または下記式(69)で表される1,1'-ビナフチル-2,2'-ジアミンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【請求項43】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(70)で表されるアンスラロビン、下記式(71)で表される9,10-ジメトキシアントラセン、または下記式(72)で表される2-アミノアントラセンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化70】

【化71】

【化72】

【請求項44】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(73)で表される2,5-ジヒドロキシベンゾキノンおよびその誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化73】

【請求項45】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(74)で表される5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノンまたは下記式(75)で表される2-アミノナフトキノンおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化74】

【化75】

【請求項46】一般式(3)および/または(4)で表される構造を有する化合物が、下記式(76)で表されるキナリザリン、下記式(77)で表されるアリザリン、下記式(78)で表されるキニザリン、下記式(79)で表されるアントラルフィン、下記式(80)で表されるエモジン、下記式(81)で表される1,4-ジアミノアントラキノン、下記式(82)で表される1,8-ジアミノ-4,5-ジヒドロキシアントラキノン、または下記式(83)で表されるアシッドブルー25およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物であることを特徴とする請求項22記載の難燃性ポリエステル繊維。
【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

【請求項47】ポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない化合物2種以上からなる触媒活性を実質的に有する触媒を用いて製造されることを特徴とする難燃性ポリエステル繊維。
【請求項48】請求項1〜47のいずれかに記載の難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
【請求項49】ポリエステルを製造する際に、アンチモン化合物をアンチモン原子としてポリエステルに対して50ppm以下の量で添加することを特徴とする請求項48に記載の難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
【請求項50】ポリエステルを製造する際に、ゲルマニウム化合物をゲルマニウム原子としてポリエステルに対して20ppm以下の量で添加することを特徴とする請求項48に記載の難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
【請求項51】リン化合物を繊維全体に対してリン原子として0.2〜3.0重量%含有することを特徴とする請求項1〜47のいずれかに記載の難燃性ポリエステル繊維。
【請求項52】リン化合物を繊維全体に対してリン原子として0.2〜3.0重量%含有することを特徴とする請求項1〜47のいずれかに記載の難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価で熱安定性、製糸性に優れた難燃性ポリエステル繊維に関し、衣料用、インテリア、詰め綿、不織布、産業資材用など様々な分野で利用できる難燃性ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維に難燃性を付与する手法としてポリマー製造時に難燃剤を共重合またはブレンドする方法、成形品の製造時に難燃剤を練り込む方法、ポリエステルからの成形品を後加工し、成形品の表面に難燃剤を付与させる手法があり、繊維の場合にもこれらの方法が用いられている。このうち、後加工により難燃性を付与する手法は風合いが粗雑になったり、洗濯、摩擦により難燃剤が脱落して性能が低下したりする欠点がある。また難燃剤を練り込む方法では、成形物の製造工程において難燃剤のしみだしが起こり、トラブルの原因となる。それに対してポリマー製造時に難燃剤を共重合させる方法は上述したような欠点を克服できるため、もっとも工業的価値の高い手法である。難燃剤としてはリン化合物がよく用いられ、難燃性に関してはほぼ満足できるレベルの難燃性ポリエステル繊維が得られている。
【0003】しかしながら、リン化合物を共重合した難燃性ポリエステル繊維は製糸性に劣るという欠点を有している。これらの欠点は重縮合時に用いられる触媒である三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合物が原因とされている。アンチモン化合物は、安価で、優れた触媒活性を有し、かつ熱安定性に優れたポリエステルを与える触媒であるが、重縮合時に還元反応を受け、金属アンチモンが析出するためポリマーが黒ずむという問題を有している。特にリン化合物が共存すると還元作用が増大され、製糸性が低下する傾向がある。また、最近環境面からアンチモンの安全性に対する問題が指摘されている。このような経緯で、アンチモンを含まないか、もしくは極少量のみ含む難燃性ポリエステル繊維が望まれている。
【0004】アンチモン化合物以外の重合触媒としてはゲルマニウム化合物が知られている。しかしながら、かかる手法によると確かに製糸性は向上するものの、この触媒は非常に高価であるという問題点のみならず、重合中に反応系から外へ留出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという問題点を有している。またアンチモン化合物およびゲルマニウム化合物以外で優れた触媒活性を有する重合触媒としては、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物がすでに提案されているが、これらを用いて製造されたポリエステル繊維は溶融成形時に熱劣化を受けやすく、また著しく着色するという問題点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】本発明は難燃性ポリエステル繊維における上記問題を解決し、安価で熱安定性、製糸性に優れる難燃性ポリエステル繊維を得ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の筆者らは、上記課題の解決を目指して鋭意検討を重ねた結果、次に示すような特性を有する触媒、すなわち、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を用いることなく下記(1)式で表される活性パラメータを満たす触媒であり、かつその触媒を用いて重合したポリエチレンテレフタレートが下記(2)式で表される熱安定性指標を満たすような触媒であれば、その触媒を用いて製造したリン化合物共重合ポリエステルからなる難燃性ポリエステル繊維は紡糸時に熱劣化することもなく、製糸性も良好であることを見いだした。
【0007】さらには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属またはそれらの化合物のようにもともとポリエステル重合の触媒活性が低いものにある特定の化合物を共存させることで、驚くべき事に重合触媒として十分な活性を持つようになり、さらに、本触媒はアンチモン化合物またはゲルマニウム化合物を全く用いずとも式(1)および(2)の特性を満足する触媒となり、該触媒を用いて重合したリン化合物共重合ポリエステルは、熱安定性及び製糸性が良好な難燃性ポリエステル繊維を与えることを見出し、本発明に到達した。
(1) 活性パラメータ(AP):AP(min)<T(min)*2(上記式中、APは所定の触媒を用いて275℃、0.1Torrの減圧度で固有粘度が0.5dlg-1のポリエチレンテレフタレートを重合するのに要する時間(min)を示す。Tは三酸化アンチモンを触媒として用いた場合のAPを示す。ただし、三酸化アンチモンは生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成分に対してアンチモン原子として0.05mol%添加する。 )
(2) 熱安定性指標(TD):TD<25(%)(上記式中、TDは固有粘度0.6dlg-1のPET1gをガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で300℃、2時間溶融したときの固有粘度の減少率(%)を示す)
【0008】すなわち、本発明は上記課題の解決法として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属またはそれらの化合物のように重合触媒として活性をほとんど有していないか、もしくは有していても十分な活性ではない金属化合物と特定の化合物を組み合わせた触媒を用いて製造された難燃性ポリエステル繊維を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明はアンチモン化合物ならびにゲルマニウム化合物以外の重合触媒からなるリン化合物共重合ポリエステルを製糸して得られる安価で熱安定性、製糸性が良好な難燃性ポリエステル繊維を提供するものである。
【0010】本発明の難燃性ポリエステル繊維を製造する際に用いられる重合触媒を構成するアルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属、またはそれらの化合物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属の他に、これらの化合物から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物であれば特に限定はされないが、例えば、これらのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫酸水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1-プロパンスルホン酸、1-ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、t−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどのキレート化合物、酸化物、水酸化物などが挙げられ、これらのうち飽和脂肪族カルボン酸塩が好ましく、さらに酢酸塩がとくに好ましい。また、アルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属、またはそれらの化合物の中でも、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Ni,Pd,Cu,Ag,Zn,In,Tl,Pb,Bi,Zr,Hf,Sc,Y,La,Ce,Sm,Eu,Gd、またはそれらの化合物が好ましい。。
【0011】これらアルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属またはそれらの化合物の使用量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して1×10-6〜0.1モルの範囲であることが好ましく、更に好ましくは5×10-6〜0.05モルの範囲であることである。
【0012】本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルを重合する際に用いられる重合触媒を構成する特定の化合物とは、下記一般式(1)および/または(2)の構造を有する化合物からなる群より選ばれる化合物である。
【0013】
【化84】

【0014】
【化85】

【0015】(式(1)〜(2)中、Arはアリール基を表す。)
【0016】本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルを重合する際に用いられる重合触媒を構成する特定の化合物は一般式(1)、(2)の双方を備えた、例えばアミノフェノール類等のような芳香族にNとOの双方が結合された化合物やその誘導体であってもよい。
【0017】本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルを重合する際に用いられる重合触媒において特定の化合物として使用される一般式(1)および/または(2)の構造を有する化合物としては、詳しくは、下記一般式(3)および/または(4)の構造を有する化合物からなる群より選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
【0018】
【化86】

【0019】
【化87】

【0020】(式(3)〜(4)中、X1,X2,X3はそれぞれ独立に水素、炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、Arは下記一般式(5)から(12)などに例示されるアリール基を表す。)
【0021】
【化88】

【0022】
【化89】

【0023】
【化90】

【0024】
【化91】

【0025】
【化92】

【0026】
【化93】

【0027】
【化94】

【0028】
【化95】

【0029】Arが一般式(5)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(13)および(14)で表されるような直線状フェノール化合物、直線状アニリン化合物およびそれらの誘導体、下記一般式(15)および(16)で表されるような枝分かれ線状フェノール化合物、枝分かれ線状アニリン化合物およびそれらの誘導体、または下記一般式(17)および(18)で表されるような環状フェノール化合物、環状アニリン化合物およびそれらの誘導体などが挙げられ、これらのうち直線状フェノール化合物、直線状アニリン化合物、または環状フェノール化合物およびそれらの誘導体が好ましい。さらに、直線状フェノール化合物または環状フェノール化合物およびそれらの誘導体のなかでも、下記式(45)で表される2,2'-ビスフェノール、下記式(46)で表される2-アミノビフェニル、下記式(47)で表される2,2'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、下記式(48)で表される2,2'-チオビス(4-tert-オクチルフェノール)、下記式(49)で表される2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-p-クレゾール)、下記式(50)で表されるメチレン架橋直線状フェノール化合物(2から100量体までの混合物)、下記式(51)で表されるメチレン架橋直線状p-tert-ブチルフェノール化合物(2から100量体までの混合物)、下記式(52)で表されるカリックス[4]アレーン、下記式(53)で表されるカリックス[6]アレーン、下記式(54)で表されるカリックス[8]アレーン、下記式(55)で表されるp-tert-ブチルカリックス[4]アレーン、下記式(56)で表されるp-tert-ブチルカリックス[6]アレーン、または下記式(57)で表されるp-tert-ブチルカリックス[8]アレーンおよびそれらの誘導体がとくに好ましい。
【0030】
【化96】

【0031】
【化97】

【0032】
【化98】

【0033】
【化99】

【0034】
【化100】

【0035】
【化101】

【0036】(式(13)〜(18)中、各R1は同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各R2は同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、各Yは同じかまたは異なり、直接結合、C1からC10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、-SO2-、-CO-、-COO-などを表し、各nは同じかまたは異なり、1から100の整数を表し、aは1から3の整数を表し、bは0または1から3の整数を表し、各cは同じかまたは異なり、1から3の整数を表し、 各dは同じかまたは異なり、0または1から3の整数を表す。ただし、1≦a+b≦5、1≦c+d≦4である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0037】
【化102】

【0038】
【化103】

【0039】
【化104】

【0040】
【化105】

【0041】
【化106】

【0042】
【化107】

【0043】(式(50)中、nは1から99の任意の整数を表す。)
【0044】
【化108】

【0045】(式(51)中、nは1から99の任意の整数を表す。)
【0046】
【化109】

【0047】
【化110】

【0048】
【化111】

【0049】
【化112】

【0050】
【化113】

【0051】
【化114】

【0052】Arが一般式(5)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物のその他の例としては、下記一般式(19)および(20)で表されるようなクマリン誘導体、下記一般式(21)および(22)で表されるようなクロモン誘導体、下記一般式(23)および(24)で表されるようなジヒドロクマリン誘導体、下記一般式(25)および(26)で表されるようなクロマノン誘導体、下記一般式(27)および(28)で表されるようなイソクロマノン誘導体、下記一般式(29)および(30)で表されるようなクロマン誘導体、下記一般式(31)および(32)で表されるようなイソクロマン誘導体などの複素環式化合物などが挙げられ、これらのうちクマリン誘導体、クロモン誘導体、またはクロマン誘導体が好ましい。クマリン誘導体、クロモン誘導体、またはクロマン誘導体のなかでも、下記式(58)で表されるエスクレチン、下記式(59)で表される7-アミノ−4−メチルクマリン、下記式(60)で表されるクリシン、下記式(61)で表されるモリン、下記式(62)で表される2-アミノクロモン、下記式(63)で表されるエピカテキン、または下記式(64)で表されるエピガロカテキンガレートおよびそれらの誘導体がとくに好ましい。
【0053】
【化115】

【0054】
【化116】

【0055】
【化117】

【0056】
【化118】

【0057】(式(19)〜(22)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、jおよびbは0または1から3の整数を表し、mおよびdは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦m+d≦2、1≦j+m≦5である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0058】
【化119】

【0059】
【化120】

【0060】
【化121】

【0061】
【化122】

【0062】
【化123】

【0063】
【化124】

【0064】(式(23)〜(28)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、aは1から3の整数を表し、bは0または1から3の整数を表し、cおよびdは0または1から2の整数を表す。ただし、1≦a+b≦4、0≦c+d≦2である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0065】
【化125】

【0066】
【化126】

【0067】
【化127】

【0068】
【化128】

【0069】(式(29)〜(32)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、aは1から3の整数を表し、bは0または1から3の整数を表し、cおよびdは0または1から3の整数を表す。ただし、1≦a+b≦4、0≦c+d≦3である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0070】
【化129】

【0071】
【化130】

【0072】
【化131】

【0073】
【化132】

【0074】
【化133】

【0075】
【化134】

【0076】
【化135】

【0077】Arが一般式(6)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(33)および(34)で表されるようなナフタレン誘導体、または下記一般式(35)および(36)で表されるようなビスナフチル誘導体などが挙げられ、これらのなかでも、下記式(65)で表される4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウム、下記式(66)で表される1,8-ジアミノナフタレン、下記式(67)で表されるナフトールAS、下記式(68)で表される1,1'-ビ-2-ナフトール、または下記式(69)で表される1,1'-ビナフチル-2,2'-ジアミンおよびそれらの誘導体が好ましく、さらにこれらの中でも、4,5-ジヒドロキシナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウムまたは1,8-ジアミノナフタレンおよびそれらの誘導体がとくに好ましい。
【0078】
【化136】

【0079】
【化137】

【0080】(式(33)〜(34)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、j、b、c、およびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦4、1≦j+c≦6である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0081】
【化138】

【0082】
【化139】

【0083】(式(35)〜(36)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、Yは直接結合、C1からC10のアルキレン基、-(アルキレン)-O-、-(アルキレン)-S-、-O-、-S-、-SO2-、-CO-、-COO-などを表し、j、b、c、d、e、f、g、およびhは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦3、0≦e+f≦4、0≦g+h≦3、1≦j+c+e+g≦12である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0084】
【化140】

【0085】
【化141】

【0086】
【化142】

【0087】
【化143】

【0088】
【化144】

【0089】Arが一般式(7)または(8)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(37)および(38)で表されるようなアントラセン誘導体などが挙げられ、これらのなかでも、下記式(70)で表されるアンスラロビン、下記式(71)で表される9,10-ジメトキシアントラセン、または下記式(72)で表される2-アミノアントラセンおよびそれらの誘導体が好ましく、さらにこれらの中でも、アンスラロビンおよびその誘導体がとくに好ましい。
【0090】
【化145】

【0091】
【化146】

【0092】(式(37)〜(38)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、j、b、e、およびfは0または1から3の整数を表し、pおよびqは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦p+q≦2、0≦e+f≦4、1≦j+p+e≦8である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0093】
【化147】

【0094】
【化148】

【0095】
【化149】

【0096】 Arが一般式(9)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(39)および(40)で表されるようなベンゾキノン誘導体などが挙げられ、これらのなかでも、下記式(73)で表される2,5-ジヒドロキシベンゾキノンおよびその誘導体が好ましい。
【0097】
【化150】

【0098】
【化151】

【0099】(式(39)〜(40)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、k、l、p、およびqは0または1から2の整数を表す。ただし、0≦k+l≦2、0≦p+q≦2、1≦k+p≦4である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0100】
【化152】

【0101】Arが一般式(10)または(11)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(41)および(42)で表されるようなナフトキノン誘導体などが挙げられ、これらのなかでも、下記式(74)で表される5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノンまたは下記式(75)で表される2-アミノナフトキノンおよびそれらの誘導体が好ましい。
【0102】
【化153】

【0103】
【化154】

【0104】(式(41)〜(42)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、kおよびlは0または1から2の整数を表し、cおよびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦k+l≦2、0≦c+d≦4、1≦k+c≦5である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0105】
【化155】

【0106】
【化156】

【0107】Arが一般式(12)で表されるAr-O-X1またはAr-N(-X2)-X3の構造を有する化合物としては、例えば、下記一般式(43)および(44)で表されるようなアントラキノン誘導体などが挙げられ、これらのなかでも、下記式(76)で表されるキナリザリン、下記式(77)で表されるアリザリン、下記式(78)で表されるキニザリン、下記式(79)で表されるアントラルフィン、下記式(80)で表されるエモジン、下記式(81)で表される1,4-ジアミノアントラキノン、下記式(82)で表される1,8-ジアミノ-4,5-ジヒドロキシアントラキノン、または下記式(83)で表されるアシッドブルー25およびそれらの誘導体が好ましく、さらにこれらの中でも、キナリザリンまたは1,4-ジアミノアントラキノンおよびそれらの誘導体がとくに好ましい。
【0108】
【化157】

【0109】
【化158】

【0110】(式(43)〜(44)中、各Rは同じかまたは異なり、C1からC20の炭化水素基、ハロゲン基、カルボキシル基またはそのエステル、ホルミル基、アシル基、(アシル)-O-で表される基、アミノ基、モノまたはジアルキルアミノ基、アミド基またはその置換体、水酸基、アルコキシル基、アルキルチオ基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、ニトロ基、シアノ基、チオシアノ基などを表し、各Xは同じかまたは異なり、水素、C1からC20の炭化水素基、アシル基、スルホニルを含む基、例えばスルホン酸基やスルホネート基など、ホスホリルを含む基、例えばホスホン酸基やホスホネート基など、またはエーテル結合を有する炭化水素基などを表し、j、b、c、およびdは0または1から3の整数を表す。ただし、0≦j+b≦4、0≦c+d≦4、1≦j+c≦6である。ここでいう炭化水素基はアルキル基やアリール基などを表し、分子鎖中に水酸基やハロゲン基などの置換基を含んでいてもよい。)
【0111】
【化159】

【0112】
【化160】

【0113】
【化161】

【0114】
【化162】

【0115】
【化163】

【0116】
【化164】

【0117】
【化165】

【0118】
【化166】

【0119】このような特定の化合物の使用量としては、共存するアルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属またはそれらの化合物のモル数に対して0.01〜100モルの範囲であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜50モルの範囲であることである。
【0120】また本発明は、ポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない化合物2種以上からなる触媒活性を実質的に有する触媒を用いて製造されたポリエステルからなる難燃性ポリエステル繊維及びその製造方法を提供するものである。本発明のポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない化合物の少なくとも一種は金属またはその化合物であることが好ましい。また本発明のポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない化合物の別の少なくとも一種は有機化合物であることが好ましい。
【0121】本発明の難燃性ポリエステル繊維の製造に用いられるポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない金属またはその化合物とはNa,K,Rb,Cs,Be,Ca,Sr,Si,V,Cr,Ru,Rh,Pd,Te,Cuなどの金属またはそれらの化合物であり、好ましくは、Na,K,Rb,Cs,Be,Si,Cuまたはそれらの化合物である。これらの金属の化合物としては特に限定はされないが、例えば、これらのギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫酸水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1-プロパンスルホン酸、1-ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、iso-プロポキシ、n-ブトキシ、t−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどのキレート化合物、酸化物、水酸化物などが挙げられ、これらのうち飽和脂肪族カルボン酸塩が好ましく、さらに酢酸塩がとくに好ましい。
【0122】本発明で述べるポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない有機化合物としては、既に述べた一般式(1)および/または(2)の構造を有する化合物からなる群より選ばれる化合物が好ましい。
【0123】本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合に用いられる触媒は、重縮合反応のみならずエステル化反応およびエステル交換反応にも触媒活性を有する。また、溶融重合のみならず固相重合や溶液重合においても触媒活性を有する。本発明におけるポリエステルの重合は、従来公知の方法で行うことができる。例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合はテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化後、重縮合する方法、もしくは、テレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸のアルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を行った後、重縮合する方法のいずれの方法でも行うことができる。また、重合の装置は、回分式であっても、連続式であってもよい。
【0124】本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合に用いられる触媒の添加時期は、重縮合反応の開始前が望ましいが、エステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階で反応系に添加することもできる。本発明におけるポリエステルの重合に用いられる触媒の添加方法は、粉末状であってもよいし、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしくは溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。またアルカリ金属、アルカリ土類金属、5A族金属、6A族金属、7A族金属、8族金属、1B族金属、2B族金属、3B族金属、鉛、ビスマス、テルル、珪素、硼素、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド金属またはそれらの化合物と特定の化合物とを予め混合したものを添加してもよいし、これらを別々に添加してもよい。
【0125】なお、アンチモン化合物やゲルマニウム化合物を併用して本発明の難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルを重合してもよい。ただし、アンチモン化合物としては重合して得られるポリエステルに対してアンチモン原子として50ppm以下の量で添加することが好ましい。より好ましくは30ppm以下の量で添加することである。アンチモンの添加量を50ppm以上にすると、ポリエステル中に異物が発生するため好ましくない。ゲルマニウム化合物としては重合して得られるポリエステル中にゲルマニウム原子として20ppm以下の量で添加することが好ましい。より好ましくは10ppm以下の量で添加することである。ゲルマニウムの添加量を20ppm以上にするとコスト的に不利となるため好ましくない。本発明で用いられるアンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、これらのうち三酸化アンチモンが好ましい。また、ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、これらのうち二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0126】また、本発明で用いられる難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合に用いられる触媒はチタン化合物、スズ化合物、コバルト化合物などの他の重合触媒をポリエステルの熱安定性および色調を損なわない範囲で共存させることが可能である。
【0127】本発明で用いられる難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルは、テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、少なくとも一種のグリコール、好ましくはエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも一種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルを対象とする。また、テレフタル酸成分、またはナフタレンジカルボン酸成分の一部を他の二官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステルであってもよく、および/またはグリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコールもしくは他のジオール成分で置き換えたポリエステルであってもよい。
【0128】ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、 テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3ーシクロブタンジカルボン酸、1,3ーシクロペンタンジカルボン酸、1,2ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,4ーシクロヘキサンジカルボン酸、2,5ーノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5ー(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3ーナフタレンジカルボン酸、1,4ーナフタレンジカルボン酸、1,5ーナフタレンジカルボン酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、2,7ーナフタレンジカルボン酸、4、4’ービフェニルジカルボン酸、4、4’ービフェニルスルホンジカルボン酸、4、4’ービフェニルエーテルジカルボン酸、1,2ービス(フェノキシ)エタンーp,p’ージカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられ、これらのジカルボン酸のうちテレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸とくに2,6ーナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0129】これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3、4、3’、4’ービフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0130】グリコールとしてはエチレングリコール、1、2ープロピレングリコール、1、3ープロピレングリコール、ジエチレングリ コール、トリエチレングリコール、1、2ーブチレングリコール、1、3ーブチレングリコール、2、3ーブチレングリコール、1,4ーブチレングリコール、1、5ーペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオー ル、1,2ーシクロヘキサンジオール、1,3ーシクロヘキサンジオール、1,4ーシクロヘキサンジオール、1,2ーシクロヘキサンジメタノール、1,3ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジメタノール、1,4ーシクロヘキサンジエタノール、1,10ーデカメチレングリコール、1、12ードデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4, 4’ージヒドロキシビスフェノール、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシ)ベン ゼン、1,4ービス(βーヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1、2ービス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5ーナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられ、これらのグリコールのうちエチレングリコールおよび1,4ーブチレングリコールが好ましい。
【0131】これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
【0132】ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3ーヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、pー( 2ーヒドロキシエトキシ)安息香酸、4ーヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0133】環状エステルとしては、ε-カプロラクトン、β-プロピオラクトン、β-メチル-β-プロピオラクトン、δ-バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
【0134】多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
【0135】本発明においては、上記のジカルボン酸成分とジオール成分から構成されるポリエステルは、その繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレンナフタレートであることが特に好ましい。
【0136】共重合モノマーとして用いるリン化合物としては、特に限定はしないが、リン酸エステルおよびその誘導体、ホスホン酸およびその誘導体、ホスフィンおよびその誘導体があり、これらは1種または2種以上併用してもよい。リン酸エステルおよびその誘導体としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等がある。ホスホン酸およびその誘導体としてはフェニルホスホン酸、ジメチルホスホン酸、ジエチルホスホン酸等があり、ホスフィン酸およびその誘導体としては、(2-カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2-カルボキシエチル)エチルホスフィン酸、(2-メトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸、(2-β-ヒドロキシエトキシカルボニルエチル)メチルホスフィン酸メチル、(2-カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシドのマレイン酸付加物やイタコン酸付加物等があげられる。なお、リン化合物はそのすべてがポリエステルに共重合されている必要はない。リン化合物の添加量は繊維全体に対して、リン原子として0.2〜3.0重量%含有することが必要である。リン原子の含有量は好ましくは0.3〜2.0重量%であり、より好ましくは0.30〜1.0重量%である。リン化合物の添加量が少ないと難燃性が不十分となり、多すぎると製糸性が低下する。
【0137】本発明で用いられる難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合用の触媒を用いたPETの重合は、従来公知の方法で行うことができる。すなわち、テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを撹拌機付きのバッチ式オートクレーブに仕込み、2.5kgcm-2の加圧下245℃にて、生成する水を系外へ留去しながらエステル化反応を行いビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートを製造する。留去した水の量から計算してエステル化率が95%に達した時点で放圧する。ここに該触媒を添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間以上攪拌する。引き続き、50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて0.1Torrとして、さらに275℃、0.1Torrで一定速度で撹拌を行いながら重縮合反応を行い固有粘度が0.5 dlg-1以上のPETを重合する。このうち重縮合反応に要した時間を重合時間と呼ぶ。
【0138】本発明で用いられる難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合用の触媒は、活性パラメータ(AP)がAP(min)<T(min)*2を満たすものである。好ましくは、AP(min)<T(min)*1.5であり、さらに好ましくは、AP(min)<T(min)である。ただし、APは上記した方法により固有粘度が0.5dlg-1のPETを重合するのに要する時間(min)を示す。Tは三酸化アンチモンを触媒として用いた場合のAPを示す。ただし、三酸化アンチモンは市販の三酸化二アンチモン、例えばALDRICH製のAntimony(III)oxide、純度99.999%を使用し、これを約10gl-1の濃度となるようにエチレングリコールに150℃で約1時間撹拌して溶解させた溶液を、生成PET中の酸成分に対してアンチモン原子として0.05mol%になるように添加する。
【0139】本発明で用いられる難燃性ポリエステル繊維に用いられるポリエステルの重合用の触媒を用いて重合したPETは、熱安定性指標(TD)がTD<25%を満たさなければならない。ただし、TDは固有粘度0.6dlg-1のPET1gをガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥した後、窒素雰囲気下で300℃、2時間溶融したときの固有粘度の減少率(%)である。好ましくはTD<22%であり、さらに好ましくはTD<18%である。TDが25%以上であるような触媒だと、この触媒を用いて重合したポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすくなり、著しい着色を招いてしまう。また本発明でいうポリエステル重合の触媒活性を実質的に有さない化合物とは、限界活性パラメータ(LP)がLP(min)>T(min)*2を満たすものである。ただし、LPは上記した方法により固有粘度が0.3dlg-1のポリエチレンテレフタレートを重合するのに要する時間(min)を示す。また、本発明でいうポリエステル重合の触媒活性を実質的に有する触媒は、活性パラメータ(AP)がAP(min)<T(min)*2を満たすものである。好ましくは、AP(min)<T(min)*1.5であり、さらに好ましくは、AP(min)<T(min)である。
【0140】さらに、前記ポリエステル中には少量の他の任意の重合体や安定剤、酸化防止剤、制電剤、染色改良剤、染料、顔料、艶消剤、蛍光増白剤、不活性微粒子その他の添加剤が含有されていてもよい。特に不活性微粒子を添加する場合は外部析出法および内部析出法のいずれも採用可能である。
【0141】かかるポリエステルを得る方法としては、特別な重合条件を採用する必要はなく、ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体とグリコールとの反応生成物を重縮合して、ポリエステルにする際に採用される任意の方法で合成することができる。溶融重合後に固相重合等の工程でポリエステルの重合度をさらに向上させることはもちろん好ましいことである。固相重合により繊維の強度が向上することから、特に産業資材用途に適した難燃性ポリエステル繊維を得ることができる。
【0142】本発明のポリエステル繊維の製造においては、常法の製糸条件を採用できるが、紡糸速度は700〜8000m/分、好ましくは2000〜5000m/分で紡糸される。
【0143】700m/分以下の紡糸速度では生産性が低くコストの高いものとなってしまい、実用的でない。また、8000m/分以上で紡糸することは、理論的な生産性を考えると好ましいが、紡糸時に発生する、随伴流の制御など工学的に解決しなければならない問題が大きくなり、紡糸装置などの改造を実施しなければ、紡糸での糸切れが多発し、好ましくない。
【0144】このように引き取った紡出糸はいったん巻き取って、延伸工程を経ても良いし、いったん巻き取ることなく、引き続き延伸を行い、延伸糸として使用しても良い。糸の太さは特に限定されず1dpf以下の極細から100dpf以上の極太まで自由である。用途により仮撚り、捲縮を施してよく繊維の断面も丸、三角、中空等自由である。また他素材との複合紡糸も可能である。
【0145】いずれの場合においても1.3倍以下の延伸倍率では十分な強度が得られない。また、通常の延伸工程では3.5倍以上の延伸を安定的に行う事は困難である。
【0146】(実施例)以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお各種特性の評価方法は下記の方法に従った。
【0147】固有粘度:ポリマーを0.4g/dlの濃度でパラクロロフェノール/テトラクロロエタン=6/4混合溶媒に溶解し、30℃において測定した。
【0148】難燃性:JISL−1091Dに準じて評価した。すなわち紡糸、延伸して得た50デニール24フィラメントのメリヤス編みサンプルの接炎回数を測定した。接炎回数3回以上で合格である。
【0149】(実施例1)ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートに対し、重縮合触媒として5g/l濃度の酢酸リチウムのエチレングリコール溶液を酸成分に対してリチウム原子として0.3mol%とアリザリンを酸成分に対して0.2mol%加えて、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torrで重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレートのIVが0.5 dlg-1に到達するまでに要した重合時間を表1に示す。また、上記方法でIVが0.6 dlg-1のポリエチレンテレフタレートを重合し熱安定性指標(TD)を求めた。溶融試験後のIVならびにTDの値を表1に示す。
【0150】ステンレス製オートクレーブにテレフタル酸401部、下記式(84)の構造を有するリン化合物45部、エチレングリコール300部を仕込みトリエチルアミン1.7部を加えて230℃ゲージ圧2.5kg/cm2で生成する水を除去しながら2時間エステル化反応を行った。続いて重縮合触媒として5g/l濃度の酢酸リチウムのエチレングリコール溶液を酸成分に対してリチウム原子として0.3mol%とアリザリンを酸成分に対して0.2mol%加えて、1時間で系の温度を275℃まで昇温してこの間に系の圧力を徐々に減じて0.1mmHgとした。この条件下で重縮合反応を行った。ポリマーを常法に従ってチップ化し、これを紡糸温度290℃で紡糸したところ、口金汚れはほとんど見られず製糸性は良好であった。重合に要した時間と得られたポリエステルのIVを表2に示す。難燃性は接炎回数5回で合格レベルであった。
【0151】
【化167】

【0152】(実施例2〜26、および比較例1)重縮合触媒を変えた事以外は実施例1と同様の操作を行った。用いた触媒組成およびポリエチレンテレフタレ−トのIVが0.5 dlg-1に到達するまでに要した重合時間、溶融試験後のIVならびにTDの値を表1,表3,表5,表7,表9に示す。また、実施例1と同様にしてリン化合物共重合ポリエステルを重合した。重縮合時間およびIVを表2,表4,表6,表8,表10に示す。ただし、金属触媒の添加量は金属原子としての添加量である。いずれの場合も製糸性は良好であった。いずれも難燃性は接炎回数5回で合格レベルであった。
【0153】(比較例2)アリザリンを加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートを重合しようとした。重縮合反応を180分間行った時点でIVが0.5 dlg-1に達していなかったので重合を断念した。また、実施例1と同様にしてリン化合物共重合ポリエステルを重合したが、表10に示す通り重合はできなかった。
【0154】(比較例3)酢酸リチウムのエチレングリコール溶液を加えなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートを重合しようとした。重縮合反応を180分間行った時点でIVが0.5 dlg-1に達していなかったので重合を断念した。また、実施例1と同様にしてリン化合物共重合ポリエステルを重合したが、表10に示す通り重合はできなかった。
【0155】(比較例4)重縮合触媒を三酸化アンチモンに変えたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。三酸化アンチモンの添加量はポリエステル中の酸成分に対してアンチモン原子として0.05mol%とした。 ポリエチレンテレフタレートのIVが0.5 dlg-1に到達するまでに要した重合時間、溶融試験後のIVならびにTDの値を表9に示す。また実施例1と同様にしてリン化合物共重合ポリエステルを重合した。重縮合時間およびIVを表10に示す。ただし、金属触媒の添加量は金属原子としての添加量である。難燃性は接炎回数5回で合格レベルだったが、製糸性は悪く、糸切れが頻繁に認められた。
【0156】
【表1】

【0157】
【表2】

【0158】
【表3】

【0159】
【表4】

【0160】
【表5】

【0161】
【表6】

【0162】
【表7】

【0163】
【表8】

【0164】
【表9】

【0165】
【表10】

【0166】
【発明の効果】本発明により、安価で熱安定性、製糸性が良好な難燃性ポリエステル繊維及びその製造方法を得ることができる。




 

 


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