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発明の名称 壁 紙
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−32196(P2001−32196A)
公開日 平成13年2月6日(2001.2.6)
出願番号 特願平11−203256
出願日 平成11年7月16日(1999.7.16)
代理人 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【テーマコード(参考)】
4F100
4H011
4J002
4J011
4L055
【Fターム(参考)】
4F100 AH02C AH03C AH04C AK01B AK01C AK25 AK31C AK41 AK51G AK54C AL04 AL05C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA02C DG10A DG15A EH46 EJ38 EJ54 GB08 HB00 JB05C JB14C JB16B JC00C JL00 JN21 
4H011 AA02 AA03 BA01 BB04 BB06 BB07 BB11 BB17 BB19 BC19 DA08 DC11 DH02 DH04 DH25 DH27 DH28
4J002 AB022 AB032 AB042 BC101 BE022 BG012 BQ002 CC073 CC183 CC193 CC203 CD053 CD083 CD103 CF141 CF151 CH022 EC006 EF006 EG006 EN006 EN136 EP006 ER007 EV236 FD143 FD147 GF00
4J011 QB14 QB16 QB20 QB24 QC10 RA07 RA10 RA11 SA01 SA06 SA31 SA73 SA83 SA87 TA08 TA10 UA01 WA10
4L055 AG71 AG82 AG92 AH21 AJ02 BE08 BE20 FA11 GA23 GA27
発明者 早川 聡 / 大橋 英人 / 小長谷 重次
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】壁紙用基材の片面又は両面に、少なくとも、熱可塑性樹脂フィルム層と、抗菌性組成物により形成された層を順次積層した壁紙であって、該抗菌性組成物が、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質を含む組成物であることを特徴とする壁紙。
【請求項2】有機系抗菌剤の残基が、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基、フェニルアミド基及びビグアニド基の少なくとも1種を有するものである請求項1に記載の壁紙。
【請求項3】高分子物質が、酸性基及び該酸性基とイオン結合しているホスホニウム塩基を、主鎖及び/又は側鎖に含むものである請求項1に記載の壁紙。
【請求項4】抗菌性組成物が、更に親水性物質を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の壁紙。
【請求項5】親水性物質が、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩基、アミン塩基、ポリエーテル鎖及びポリアミン鎖から選ばれた少なくとも一種の親水性基を有する有機化合物又は重合体である請求項4に記載の壁紙。
【請求項6】抗菌性組成物が、更に硬化剤を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載の壁紙。
【請求項7】硬化剤が、光重合型硬化剤である請求項6に記載の壁紙。
【請求項8】光重合型硬化剤が、少なくとも光重合開始剤及び光重合性プレポリマーを含有するものである請求項7に記載の壁紙。
【請求項9】壁紙用基材が、紙、不織布又は布から形成されたものである請求項1〜8のいずれかに記載の壁紙。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は壁紙に関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙は建築内装材等に用いて、装飾性、意匠性を付与する目的で使用される表面材料である。
【0003】近年、病院などでは院内感染が問題となっており、床材やカーテン類などばかりではなく、内装材として使用する壁紙にも抗菌性が要求されている。従来、抗菌性付与を目的とする壁紙としては、例えば基材上に有機系又は無機系の抗菌剤を含有する塩化ビニル樹脂層を設けたものがある。しかしながら、抗菌剤を塩化ビニル樹脂層に含有させているため、抗菌剤の含有量をある程度多くしないと抗菌作用を十分発揮できず、コストが高くなるという欠点がある。また、使用する有機系又は無機系の抗菌剤自体にも後述する問題があり、実用面での問題がある。
【0004】また、壁紙の他の形態として、熱可塑性樹脂よりなるフィルム、シート等を壁紙用基材上に積層した構造のものがあり、この様な壁紙は、優れた耐熱性、耐溶剤性等を付与することが可能である。この様な構造の壁紙では、フィルム、シートなどの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂が、優れた物理的、化学的特性を有するものとして使用されている。最近、これらにの熱可塑性樹脂に、無機系または有機系の抗菌剤を充填または塗布した抗菌性を有するフィルム、シートが考案されておりその用途は多岐に及んでいる。
【0005】例えば、銀含有ゼオライト、銀含有リン酸ジルコニウム塩等の銀化合物に代表される無機系抗菌剤については、特開平3−83905号公報に、銀イオン含有リン酸塩系の抗菌剤が開示され、特開平3−161409号公報には、特定のイオン交換容量を有するゼオライト中の一定容量を銀イオンで置換してなる抗菌剤が開示されている。しかしながら、要求される抗菌性を得るには抗菌剤の配合量を多くする必要があり、その結果、透明性が減少し、フィルムを積層した壁紙の形態で使用する場合でも意匠性が悪くなり、又、フィルム製膜時の溶融押し出し時の熱による変色、耐候性能の低下を生じるという問題もある。
【0006】また、有機系抗菌剤は、かび類等に対する抗菌性能が良好であるが、低分子量であるため樹脂中に混合して溶融押し出し加工又は塗装をした場合、加工時の熱による抗菌剤の変質、分解、着色、揮発等を起こしやすい。又、加工後も抗菌剤が経時的に揮発、脱離、分離しやすく、抗菌性の長期安定性に問題がある。また、壁紙等の内装材に使用する場合には、抗菌剤の種類によっては揮発、脱離等により外観性を損なう場合があり、又、人体への影響も懸念される。
【0007】又、室内の台所、浴室内装材、トイレ、洗面所等の水廻り用途では、水や熱水がかかっても表面が変質せず、抗菌・防カビ性の効果が持続されるなどの耐久性が必要となっている。しかしながら、前記従来の技術では、抗菌性のみならず、耐久性においても不十分であり、又、抗菌剤を添加することにより壁紙として必要な意匠性を損なうものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来の問題点を解決するものであり、その主な目的は、実用性を満たす十分高い抗菌性を備え、更に実用に耐える十分な抗菌性能の持続性、及び壁紙として実用上必要な意匠性、耐久性を有する壁紙を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、壁紙基材の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂フィルム層を形成し、更に、その上に、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質を含む抗菌性組成物を用いて、抗菌活性を有する層を形成することによって、上記目的を達成し得る壁紙が得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、下記の壁紙を提供するものである。
1.壁紙用基材の片面又は両面に、少なくとも、熱可塑性樹脂フィルム層と、抗菌性組成物により形成された層を順次積層した壁紙であって、該抗菌性組成物が、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質を含む組成物であることを特徴とする壁紙。
2.有機系抗菌剤の残基が、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基、フェニルアミド基及びビグアニド基の少なくとも1種を有するものである上記項1に記載の壁紙。
3.高分子物質が、酸性基及び該酸性基とイオン結合しているホスホニウム塩基を、主鎖及び/又は側鎖に含むものである上記項1に記載の壁紙。
4.抗菌性組成物が、更に親水性物質を含むものである上記項1〜3のいずれかに記載の壁紙。
5.親水性物質が、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩基、アミン塩基、ポリエーテル鎖及びポリアミン鎖から選ばれた少なくとも一種の親水性基を有する有機化合物又は重合体である上記項4に記載の壁紙。
6.抗菌性組成物が、更に硬化剤を含むものである上記項1〜5のいずれかに記載の壁紙。
7.硬化剤が、光重合型硬化剤である上記項6に記載の壁紙。
8.光重合型硬化剤が、少なくとも光重合開始剤及び光重合性プレポリマーを含有するものである上記項7に記載の壁紙。
9.壁紙用基材が、紙、不織布又は布から形成されたものである上記項1〜8のいずれかに記載の壁紙。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の壁紙は、壁紙用基材の片面又は両面に、少なくとも熱可塑性樹脂フィルム層と抗菌性組成物により形成された層を順次積層した壁紙であって、該抗菌性組成物が、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質を含有する組成物であることを特徴とするものである。
【0012】本発明の対象とする壁紙とは、建築内装材、特に、一般住宅、病院、公共施設、工場等の室内の壁や天井に用いて、装飾性、意匠性を付与する目的で使用される表面材料である。
【0013】本発明で用いる抗菌性組成物とは、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質を含む組成物であり、細菌及び/又はカビ類を死滅させるか、或いはその増殖を抑制することの可能な組成物である。
【0014】従来から知られている有機系抗菌剤の中には、比較的高い抗菌・防カビ性を有するものもあるが、一般に溶出しやすく、抗菌・防カビ性の効果が持続しないものが多い。特に、水中・熱水中・沸騰水中等では、その傾向はより顕著となる。
【0015】本発明で使用する抗菌性組成物は、有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に結合した高分子物質を含むものであり、このような高分子物質は、抗菌剤成分の溶出を防止でき、その結果、抗菌・防カビ性の効果を長期間持続させることができる。
【0016】以下に、本発明の壁紙について詳細に説明する。
有機抗菌剤有機系抗菌剤とは、抗菌性を有する天然抽出物及び低分子有機化合物の総称であり、一般的には窒素、硫黄、リンなどの元素を含むものをいう。例えば、天然抽出物としては、キチン、キトサン、ワサビ抽出物、カラシ抽出物、ヒノキチオール、茶抽出物等を例示でき、低分子化合物としては、イソチオシアン酸アリル、ポリオキシアルキレントリアルキルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩、有機シリコン第4級アンモニウム塩、トリーnーブチルヘキサデシルデシルホスホニウムクロリド、トリーnーブチルテトラデシルデシルホスホニウムクロリド、トリーnーブチルテトラドデシルデシルホスホニウムクロリド等の第4級ホスホニウム塩、フェニルアミド系化合物、ビグアニド系化合物、スルホイソフタル酸テトラアルキルホスホニウム塩またはそのジエステルなどを例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0017】これらの内で、有機系抗菌剤としては、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フェニルアミド基、ビグアニド基等の抗菌活性基を含む化合物が、高分子物質に結合させ易い点で好ましく、特に、ホスホニウム塩基を含む化合物は、高い抗菌性と幅広い抗菌スペクトルを有する点で好ましい。
有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質有機系抗菌剤の残基とは、有機系抗菌剤に含まれる反応性官能基が他の化合物に含まれる反応性官能基と反応した際に生じる反応生成物において、有機系抗菌剤に由来する抗菌活性基を含む部分をいう。ここでいう抗菌性活性基としては、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、スルホニウム塩基等のオニウム塩、フェニルアミド基、ビグアニド基等を例示できる。
【0018】有機系抗菌剤の残基は、高分子物質の主鎖及び側鎖のいずれか一方、又は主鎖と側鎖の両方に存在することができる。有機系抗菌剤の残基の量は、該残基を有するモノマーの量が、高分子物質を形成する全モノマー中0.5〜30モル%程度となる量とすることが好ましい。
【0019】有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質(以下、「抗菌性高分子物質」という場合がある)の好適な例としては、酸性基及び該酸性基とイオン結合しているホスホニウム塩基を主鎖及び/又は側鎖に含む高分子物質を挙げることができる。特に、該抗菌性高分子物質としては、ジカルボン酸成分とグリコール成分を主モノマー成分とするポリエステル樹脂であって、下記一般式(1)で表されるスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を、全ジカルボン酸成分中1〜50モル%用いて得られるポリエステル樹脂が好適である。
【0020】
【化1】

【0021】(式中、Aは、芳香族基、X1及びX2は、それぞれカルボキシル基であり、R1、R2、R3及びR4は、同一又は異なって、それぞれアルキル基であり、そのうちの少なくとも1個は炭素数10〜20のアルキル基である)上記一般式(1)において、Aで示される芳香族基を構成する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等を例示できる。
【0022】上記一般式(1)において、R1、R2、R3及びR4で示されるアルキル基は、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数1〜20程度のものが好適である。ただし、R1、R2、R3及びR4のうちの少なくとも1個は、炭素数10〜20のアルキル基、好ましくは炭素数12〜16のアルキル基である。
【0023】炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0024】上記式(1)で表されるスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩の具体例としては、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホテレフタル酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルオクタデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩等が挙げられる。抗菌活性の点からは、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウム塩、スルホイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩が特に好ましい。
【0025】上記芳香族ジカルボン酸ホスホニウム塩は、スルホ芳香族ジカルボン酸またはそのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などに、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルテトラデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルドデシルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩を反応させることにより得られる。このときの反応溶媒は水が最も好ましいが特に限定されない。
【0026】上記一般式(1)で表されるスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩を含むポリエステル樹脂を製造するために用いるジカルボン酸成分及びグリコール酸成分としては、下記のものを例示できる。
(a)ジカルボン酸成分ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらのジカルボン酸は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0027】また、必要に応じて、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、複素環式ジカルボン酸などを併用してもよい。脂環族ジカルボン酸としては1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、エイコ酸、ダイマー酸及びその誘導体などが挙げられる。複素環式ジカルボン酸としては、ピリジンカルボン酸及びその誘導体が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多価のカルボン酸を、必要に応じて、併用してもよい。
【0028】テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸から選ばれた成分については、ジカルボン酸成分の合計量を基準として、50モル%程度以上用いることが好ましい。
【0029】これらのうち、壁紙に積層した場合の耐久性、耐熱水性より、ジカルボン酸成分の合計量を基準として、テレフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれた少なくとも一種の成分が30モル%以上含まれることが特に好ましい。この場合、その他のジカルボン酸としては、1,4−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が好ましい。
(b)グリコール成分グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールAまたはFのアルキレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒドロキシピバリン酸のネオペンチルグリコール(HPN)、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらの化合物は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0030】これらのうち、壁紙に積層した場合の耐久性、耐熱水性より、好ましいグリコール成分は、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれた少なくとも一種の成分であり、これらのグリコール成分は、全グリコール成分中50モル%以上含まれることが好ましい。特に、全グリコール成分中、エチレングリコールが30モル%以上含まれることが好ましい。
【0031】また、必要に応じて、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポリオールを全グリコール成分中10モル%以下の量で併用しても良い。
(c)その他の成分上記ジカルボン酸成分とグリコール成分を共重合して得られるポリエステル樹脂には、着色度及びゲル発生度などの耐熱性改善の目的で、酸化アンチモン、酸化ゲルモニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩等を、生成ポリエステルに対し各々金属イオンとして300ppm以下、リン酸、リン酸エステル(トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等)等を燐(P)換算で200ppm以下添加することも可能である。
【0032】上記重合触媒以外の金属イオンの総量が生成ポリエステルに対し300ppm、またP量が200ppmを越えるとポリマーの着色が顕著になるのみならず、ポリマーの耐熱性及び耐加水分解性も著しく低下するので好ましくない。
【0033】このとき、耐熱性、耐加水分解性等の点で、総P量(P)と総金属イオン量(M)とのモル比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好ましい。モル比(P/M)が0.4未満または1.0を越える場合には、本発明の組成物の着色、粗大粒子の発生が顕著となるので好ましくない。
(d)ポリエステル樹脂の製造法上記一般式(1)のスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸のホスホニウム塩及び上記(a)のジカルボン酸からなるジカルボン酸成分と、上記(b)のグリコール成分とを共重合してポリエステル樹脂を製造する方法としては、特に限定はなく、公知の製造法を適宜適用することができるが、例えば、ジカルボン酸成分とグリコール成分とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、ジカルボン酸成分のジメチルエステル体とグリコール成分とをエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエステル交換法などにより製造することができる。
【0034】上記金属イオンと、リン酸又はその誘導体の添加時期は特に限定しないが、一般的には金属イオン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好ましい。
【0035】ポリエステル樹脂を製造する際のジカルボン酸成分とグリコール成分の使用割合は、ジカルボン酸成分:グリコール成分(モル比)=1:2〜1:2.3程度が好ましい。
【0036】得られるポリエステル樹脂の重量平均分子量は、20,000〜100,000程度が好ましい。
【0037】抗菌性高分子物質のその他の例として、下記一般式(2)で表されるホスホニウム塩系ビニル重合体が挙げられる。
【0038】
【化2】

【0039】(式中、R5、R6及びR7は、同一又は異なって、(1)水素原子、(2)炭素原子数1〜18個の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、(3)アリール基、(4)アラルキル基、又は(5)ヒドロキシ基若しくはアルコキシ基で置換されたアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X-はアニオン、nは2以上の整数を示す。)
前記R5、R6、R7の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ドデシルなどの炭素数1〜18のアルキル基、フェニル、トリル、キシリルなどのアリール基、ベンジル、フェネチルなどのアラルキル基、置換基としてヒドロキシル基若しくはアルコキシ基を有するアルキル基又はアリール基などが特に好ましい。R5、R6、R7は同一の基であっても良く、または異なった基であってもよい。
【0040】X-はアニオンであり、たとえばフッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオンなどが挙げられる。なかでも、ハロゲンイオンが好ましい。nは2〜500が好ましく、10〜300が特に好ましい。
親水性物質本発明で用いる抗菌性組成物には、上記した抗菌性高分子物質の他に、更に、親水性物質を加えることが好ましい。この様な親水性物質を含む抗菌組成物は、親水性物質の存在により、親水性物質を使用しない場合と比べて、著しく抗菌活性が向上する。
【0041】本発明で使用できる親水性物質とは、水との親和性に優れた物質であって、水に溶解乃至分散可能な物質、あるいは保水、保湿、膨潤可能な物質であり、一般的には、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、スルホン酸基、スルホン酸基のアルカリ金属塩、アンモニウム塩基、アミン塩基、ポリエーテル鎖及びポリアミン鎖等の親水性基を、1分子内に2個以上含む有機化合物又は高分子化合物である。
【0042】その具体例としては、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリル酸のホモポリマー又は重合体、ポリメタクリル酸のホモポリマー又は共重合体(例えば、無水マレイン酸・スチレン共重合体)、ポリビニルスルホン酸又はその共重合体又はそれらのアルカリ金属塩、ポリエチレングリコール(別名ポリエチレンオキサイド)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン等のポリオール又はその重合体、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシセルロースナトリウム、セルロースナイトレートカルボキシルメチルエーテル等の水溶性変性セルロース等が挙げられる。
【0043】該親水性物質の分子量は特に限定しないが、ポリエチレングリコールの場合には数平均分子量で200以上30000以下が好ましく、さらには1000以上25000以下が好ましい。
【0044】該親水性物質は、抗菌性高分子物質と混合して用いるか、或いは、該親水性物質を該抗菌性高分子物質の主鎖及び/又は側鎖に結合させて用いることができる。親水性物質を高分子物質と混合した場合と、高分子物質の主鎖及び/又は側鎖に結合させた場合とでは、両者に抗菌性の効果において大差はなく、いずれも良好な抗菌性が得られる。
【0045】親水性物質の使用量は、抗菌性高分子物質と親水性物質の合計量を100重量%として、好ましくは0.1〜60重量%、さらに好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜35重量%であるのがよい。親水性物質が0.1重量%未満では、抗菌活性増大効果が不十分であり、一方、60重量%を越えると抗菌性組成物を含有する層の壁紙としての加工性及び耐久性が低下するので好ましくない。
【0046】抗菌性高分子物質と親水性物質とを混合して用いる場合には、混合方法は特に限定されず、通常一般に使用される方法を適用することができる。例えば、前記高分子物質と親水性物質とを、押し出し機などを用いて加熱溶融混合する方法、また前記高分子物質と親水性物質とを、適当な溶媒中、例えば、水、水/アルコール混合溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの溶媒に、混合溶解又は分散した後、該溶媒を乾燥除去する方法などがある。
【0047】親水性物質を、抗菌性高分子物質の主鎖及び/又は側鎖に結合させる場合には、親水性物質の導入方法として、例えば、前記高分子物質に親水性物質を共重合する方法が挙げられる。例えば、ホスホニウム塩基等の有機系抗菌剤成分を主鎖及び/又は側鎖に結合した高分子物質に、アミノ基、アミド基、カルボキシル基またはそのアルカリ金属塩、スルホン酸基またはそのアルカリ金属塩などの親水基を有する成分や、それらの誘導体を共重合させることによって、前記高分子物質の主鎖及び/又は側鎖に親水性物質を結合させることができる。この様にして共重合によって親水性物質を前記高分子化合物の主鎖及び/又は側鎖に結合させることにより、相溶性が改善され、抗菌性組成物から形成される層の外観、貯蔵安定性等が改善される。
【0048】前記高分子物質に親水性物質を共重合する方法としては、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレンー2,7−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸などの金属塩、または2−スルホ−1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5−ヘキサンジオール等の金属塩などのスルホン酸金属塩基を含有するジカルボン酸またはグリコールをポリエステル樹脂に共重合する方法、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレングリコールをポリエステル樹脂又はポリウレタン樹脂に共重合する方法、ジメチロールプロピオン酸などのカルボキシル基含有ジオールを鎖延長剤として用いてポリウレタン樹脂に導入する方法、親水性基を含むビニル系モノマーをポリエステル樹脂にグラフト重合する方法などが挙げられる。
【0049】親水性基を含むビニル系モノマーをポリエステル樹脂にグラフト重合する方法では、親水性基を含むビニル系モノマーとして、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド基などを含むモノマー、親水性基に変化させることができる基として酸無水物基、グリシジル基、クロル基などを含むモノマー等を用いることができる。その中で、カルボキシル基を有するものが最も好ましい。
【0050】親水基を含むビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ含有モノマー等が挙げられる。
【0051】その他の親水性基を含むモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩等のスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及びそれらの塩等のカルボキシル基又はその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマー等が挙げられる。
【0052】上記親水性基を含むモノマーは、他のモノマーと併用することができる。他のモノマーとしては、例えばビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられ、これらの中から1種類又は2種類以上を用いて共重合することができる。
【0053】親水性基を有するモノマーとそれ以外のモノマーとの比率は、前者/後者(モル比)=30/70〜100/0の範囲が好ましい。親水性基を有するモノマーの比率が30モル%未満では抗菌性を高める効果が十分に発揮されない。
【0054】親水性基を含有するモノマーをポリエステル樹脂にグラフト重合させる方法としては、公知のグラフト重合法を用いることができる。その代表例として以下の方法が挙げられる。
【0055】例えば、光、熱、放射線等によって主鎖の高分子物質にラジカルを発生させてからモノマーをグラフトさせるラジカル重合法、あるいはAlCl3、TiCl4等の触媒を用いてカチオンを発生させるカチオン重合法、あるいは金属Na、金属Li等を用いてアニオンを発生させるアニオン重合法等がある。また、予め主鎖の高分子物質に重合性不飽和2重結合を導入し、これにビニル系モノマーを反応させる方法も採用できる。この方法に用いる重合性不飽和2重結合を有するモノマーとしては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水マレイン酸等を挙げることができる。このうち最も好ましいものはフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水マレイン酸等であり、最も好ましいものは、フマル酸、マレイン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸等である。
【0056】また、側鎖に官能基を導入した高分子物質を主鎖として、これに、末端にこの官能基と反応する基を有する枝ポリマーを反応させる方法が挙げられる。例えば側鎖に−OH基、−SH基、−NH2基、−COOH基、−CONH2基等の水素供与基を有する高分子物質と、片末端が−N=C=O基、−C=C=O基、【0057】
【化3】

【0058】等の水素受容基であるビニル系共重合体等を反応させる方法、この逆の組み合わせで反応させる方法等が挙げられる。
【0059】主鎖となるポリエステル樹脂とグラフトされるビニル系モノマーの好ましい重量比は、ポリエステル樹脂/ビニル系モノマー=95/5〜40/60程度の範囲であり、さらに好ましくは93/7〜55/45程度、最も好ましくは90/10〜60/40程度の範囲である。主鎖の高分子物質の重量比が40%未満であると、グラフト重合成ビニル系モノマーが完全に反応しないまま残る為、高分子の持つ耐熱性、加工性、耐水性等の特性が損なわれる。また主鎖の高分子物質の重量比が95%を超えるときは、本発明の目的である抗菌性の向上効果が十分に発揮されない。
硬化剤本発明で用いる抗菌性組成物には、更に、硬化剤成分を配合することが好ましい。硬化剤を配合することによって、形成される塗膜に良好な塗膜物性を付与することができる。
【0060】硬化剤は、熱硬化型硬化剤と電離放射線硬化型硬化剤に大別され、いずれも使用可能である。
【0061】熱硬化型硬化剤としては、アルキロール変性アミノ基を含むアルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート化合物等を例示できる。アルキルエーテル化アミノホルムアルデヒド樹脂とは、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどの炭素原子数1〜4のアルコールによってアルキルエーテル化されたホルムアルデヒドあるいはパラホルムアルデヒド等と、尿素、N,N−エチレン尿素、ジシアンジアミド、アミノトリアジン等との縮合生成物であり、メトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン、メトキシ化メチロールベンゾグアナミン、ブトキシ化メチロールベンゾグアナミン等を例示できる。エポキシ化合物としては、エポキシ基を含む各種の化合物を用いることができ、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等を例示できる。イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を含む各種の化合物を用いることができ、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びこれらのイソシアネート化合物の3量体、およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類等の高分子活性水素化合物等を反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物等が挙げられる。イソシアネート化合物としては、ブロック化イソシアネートであってもよい。イソシアネートブロック化剤としては、例えばフェノール類、アルコール類、ラクタム類、芳香族アミン類、イミド類、メルカプタン類等が挙げられる。
【0062】熱硬化型硬化剤の使用量は、硬化剤の官能基数、分子量等によって異なるが、一般的には、抗菌性高分子物質と親水性物質の合計量100重量部に対して、0.5〜30重量部程度とすればよい。
【0063】電離放射線硬化型硬化剤は、電子線、紫外線等の照射により硬化される硬化剤である。本発明では、特に、樹脂設計の自由度、速硬化性、作業環境性の観点から、光重合型硬化剤が好ましい。具体的には、光重合型硬化剤は、光重合開始剤、光重合性プレポリマーを含有し、更に必要に応じて光重合性モノマー、光増感剤、レベリング剤等の添加剤、溶剤等を含有するものである。
【0064】光重合性プレポリマーは、分子骨格中に挿入された反応基が電離線照射されることにより、ラジカル重合又はイオン重合を生じるものである。ラジカル重合性プレポリマーとしては、アクリロイル基を有するアクリル系プレポリマーが代表的なものであり、イオン重合性プレポリマーとしてはエポキシ基を含有するエポキシ系プレポリマーが代表的なものである。アクリル系プレポリマーは、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有するものであり、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等を使用できる。これらは官能基数が多いほど速硬化性があり硬度も高くなる。エポキシ系プレポリマーとしては、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、脂環型等のエポキシオリゴマーが使用できる。エポキシ系プレポリマーはエポキシ基がカチオン的に開環重合するので熱的因子が硬化反応に影響し、電離線照射時あるいは照射後50〜60℃程度に加温することでさらに硬化反応性を高めることができる。光重合性プレポリマーの配合量は、抗菌性高分子物質と親水性物質の合計量に対して5〜60重量%程度とすることが好ましく、15〜60重量%程度とすることがより好ましい。
【0065】光重合開始剤は、ラジカル重合性プレポリマーにおいてはアクリロイル基の反応を短時間で開始させ、反応を促進するために添加され、触媒的な作用をするものである。光重合開始剤の種類としては、自己開裂することによりラジカル重合させるもの、水素を引き抜くことによりラジカル重合させるものがある。前者にはベンゾインエーテル類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、モルホリノアセトフェノン類等があり、これらの1種あるいは2種以上が使用できる。また、イオン重合性プレポリマーにおいては、光重合開始剤は電離線エネルギーを吸収してカチオン重合を開始させる触媒成分を放出する化合物であり、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物等が用いられる。光重合開始剤の量は、光重合型硬化剤の全固形分中1〜10重量%程度とすることが好ましく、2〜5重量%程度とすることがより好ましい。
【0066】光重合型硬化剤には、前述の光重合性プレポリマー、光重合開始剤の他に、必要に応じて光重合性モノマーを添加できる。特にラジカル重合性プレポリマーにおいては、高粘度の光重合性プレポリマーを希釈し、粘度を低下させ作業性を向上させる為に、また架橋剤として塗膜強度を付与するために光重合性モノマーの添加が有効である。ラジカル重合性の光重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクルレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチオルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアアクリレート等の2官能性アクリルモノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリルモノマーの1種もしくは2種以上を使用できる。光重合性モノマーの添加量は、光重合型硬化剤の全固形分中30重量%以下とすることが好ましい。
【0067】光増感剤は、単独では電離放射線により活性化しないが、光重合開始剤と併用することによって光重合反応を促進するものであり、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等のアミン類を用いることができる。
【0068】レベリング剤は、塗布液の表面張力を低下させることにより、表面を平滑化させるものである。特に、水系溶媒の塗布液においてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の界面活性剤をレベリング剤として用いることができる。
【0069】溶媒としては、後述する抗菌性組成物の希釈剤として用いるものと同様の溶媒を用いることができる。
抗菌性組成物本発明で用いる抗菌性組成物は、上述した有機系抗菌剤の残基を主鎖及び/又は側鎖に有する高分子物質(抗菌性高分子物質)、及び、必要に応じて、親水性物質、硬化剤等を含有するものであり、通常、これらの成分を希釈剤で希釈した状態で用いる。
【0070】希釈剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブ、アルコール、グリコールエーテル等の有機溶剤や水、水/アルコール混合溶媒等を用いることができる。
【0071】本発明で用いる抗菌性組成物は、特に、限定的ではないが、通常、熱可塑性フィルム層に塗布する際には、固形分濃度として、1〜50重量%程度、好ましくは5〜35重量%程度とするのがよい。壁紙本発明の壁紙は、壁紙用基材の片面又は両面に、少なくとも、熱可塑性樹脂フィルム層と、上記抗菌性組成物により形成される層(以下、「抗菌性組成物層」という場合がある)を積層したものである。
【0072】壁紙用基材の材質としては、公知の壁紙に使用されているものと同様のものを使用でき、例えば、紙、不織布、布等を用いることができる。特に、壁紙用裏打ち紙が好適である。例えば、ビニル壁紙用裏打ち紙としては、難燃処理をした70〜90g/m2の紙を好適に使用でき、無機質1級壁紙用裏打ち紙としては、水酸化アルミニウム等の無機質を主体とし、有機質量が原反重量の20%以下の水酸化アルミニウム紙を好適に使用できる。
【0073】壁紙用基材の厚さは、通常、50〜300μm程度が適当である。
【0074】これらの壁紙用基材の表面に、あらかじめ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ、アクリル等の樹脂層が形成されていてもよい。
【0075】熱可塑性樹脂フィルム層とは、抗菌性組成物により形成される層を積層する基材となるフィルムである。この基材フィルムの種類は、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、たとえばポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ナイロン6等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリアリレートフィルム、ABSフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム等を用いることができる。
【0076】熱可塑性フィルム層は、単層又は2層以上の積層フィルムのいずれでもよく、必要に応じて、抗菌組成物層を積層する面側に、易接着層を設けてもよく、また、コロナ放電処理、火炎処理等の表面処理を施してもよい。
【0077】また、熱可塑性フィルムは、未延伸フィルムでもよく、機械的強度を付与する為に縦又は横の1軸延伸フィルム、2軸延伸フィルム等の延伸フィルムを使用してもよい。フィルムを製膜する方法としては、溶融押し出し機でシート状に押し出すことにより未延伸フィルムを製膜する方法、あるいは前記未延伸フィルムを1軸延伸または2軸延伸することにより、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムを製膜する方法等が挙げられるが、フィルムの機械的強度や寸法安定性などの面から、2軸延伸する製膜方法が好ましい。フィルムの延伸は、公知の方法を採用することができる。例えば、1軸延伸法の場合、縦あるいは横に1軸延伸する方法が挙げられる。また、2軸延伸法の場合、縦・横あるいは横縦の順に2軸延伸する逐次2軸延伸法や同時2軸延伸法が挙げられる。また、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法などの多段延伸方法を採用することもでき、要求される強度や寸法安定性などの諸特性に応じて選択される。また、寸法安定性を改良するために、熱固定処理、縦弛緩処理、横弛緩処理を行うことも有効である。
【0078】熱可塑性フィルム層の厚さは、通常、10〜200μm程度とすればよい。
【0079】また、得られる壁紙の意匠性を向上させる為に、熱可塑性樹脂フイルム層と壁紙用基材との間に印刷層を設けることもできる。印刷層は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等をビヒクルとして、酸化チタン顔料や、カーボンブラック、シアニンブルー、キナクドリン、ベンツイミダゾロン、酸化鉄等の顔料を有機溶剤や水、水/アルコール中に溶解または分散させた印刷用インキを、熱可塑性樹脂フィルムに塗布し、乾燥させることにより形成できる。印刷層を熱可塑性樹脂フイルム層と壁紙用基材との間に形成するには、例えば、あらかじめ抗菌性組成物層を積層した基材フィルムの反対面側に、前述の印刷用インキを用いて、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の印刷を施すことにより印刷層を形成した後、壁紙用基材と印刷層とを接着剤等を介してラミネートする方法、壁紙用基材上に直接、グラビア印刷等の印刷を施した後、あらかじめ抗菌性組成物層を積層した熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性樹脂面側と印刷層とを接着剤等を介してラミネートする方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】前述の熱可塑性樹脂フイルム層と壁紙用基材、あるいは熱可塑性樹脂フイルム層に積層した印刷層と壁紙用基材、あるいは壁紙用基材に積層した印刷層と熱可塑性樹脂フイルム層を積層するには、通常、接着剤を用いて接着すればよい。接着剤としては、ポリウレタン系、フェノール系、フラン系、尿素系、メラミン系、ポリエステル系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びその加水分解物、エチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ネオプレン、その他のゴム誘導体、その他、漆、ニカワ、カゼイン、天然樹脂等系等を含むものが挙げられる。また、前述の熱可塑性樹脂フイルム層の、壁紙用基材との積層面側、あるいは印刷層面側にあらかじめコロナ処理等の表面処理を施してもよいし、易接着層を設けることもできる。
【0081】抗菌性組成物層は、熱可塑性樹脂フィルム層に、前述した抗菌性組成物を塗布し、硬化させることによって形成できる。抗菌性組成物を熱可塑性樹脂フィルム層に塗布する時期は、該熱可塑性樹脂フィルムと壁紙用基材を接合する方法に応じて決めれば良く、該熱可塑性樹脂フィルムと壁紙用基材の接合前又は接合後のいずれでも良い。
【0082】塗布方法としては、特に限定はないが、バーコーテング、スプレーコーテング、ブレードコーテング、グラビアコーテング、グラビアリバースコーテング、グラビアオフセットコーテング、デップコーテング、ナイフコーテング等の公知の各種塗布法を採用できる。
【0083】抗菌性組成物層を硬化させるには、使用する抗菌性組成物の種類に応じた公知の硬化方法を適宜採用すればよい。
【0084】例えば、該抗菌性組成物に、電離放射線硬化型硬化剤を配合した場合には、該抗菌性組成物を熱可塑性樹脂フィルム層上に積層した後、電子線、紫外線等の電離放射線を照射することにより、抗菌性組成物中の光硬化型樹脂が反応し硬化して、良好な塗膜物性を得ることができる。電子線を照射する場合、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有し、100nm以下の波長領域の電子線を照射すればよい。紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域で20〜1500mJ/cm2の積算光量の紫外線を照射すればよい。
【0085】また、熱硬化型硬化剤を配合した場合には、抗菌性組成物を熱可塑性樹脂フィルム層上に積層した後、熱風、赤外線ヒーター等により、80〜160℃程度の温度で5秒〜5分間程度加熱して硬化させればよい。
【0086】抗菌性組成物により形成される層の厚さは、特に限定はないが、通常、乾燥膜厚として、0.1〜50μm程度が適当である。
【0087】本発明の壁紙は、更に、抗菌性組成物層の表面光沢度を制御して、例えば艶消し外観性を付与することもできる。艶消し外観性を付与する際には、抗菌性組成物層側の表面光沢度を65%以下、好適には50%以下、より好適には40%以下とすることが好ましい。また、優美な外観性を得る為には、抗菌性組成物層と熱可塑性樹脂フィルム層の積層体としての光線透過率が大きいほうが壁紙としての意匠性がよい。好適には前述の積層体の光線透過率が85%以上、より好適には88%以上である。
【0088】表面光沢度を制御する方法としては、該層の表面に凹凸を形成すればよいが、これは該層中に無機粒子、有機粒子等の粒状物質を添加する方法、サンドブラスト加工等の後加工による方法、該層中に非相溶な成分を導入して海島構造にさせる方法等が挙げられる。特に、表面光沢度の制御のしやすさから無機粒子、有機粒子等の粒状物質を添加する方法が好ましい。
【0089】無機粒子としては、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、アパタイト、硫酸バリウム(BaSO4)、フッ化カルシウム(CaF2)、タルク、マイカ、カオリン、酸化珪素(SiO2)、アルミナ(Al23)、二酸化チタン、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化鉄(Fe23)、アルミナ/シリカ複合酸化物、ホウ酸アルミニウムなどが挙げられ、有機粒子としてはポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、それらの共重合体、あるいはそれらの架橋体などが挙げられる。これたらの無機粒子及び有機粒子は単一で使用してもよいし、2種類以上混合してもよい。これらの粒子は、平均粒径0.1μm以上15μm以下のものが好適であり、平均粒径0.3μm以上10μm以下のものがより好適である。平均粒径が0.1μmより小さい粒子は表面光沢度を低下させる為には多量の粒子を添加させなければならない為、相対的に抗菌性組成物層中の抗菌剤成分量の低下を生じ、その結果本発明の目的とする十分な抗菌性が得られない場合がある。また、平均粒径が15μmを超える場合はクラックを生じやすくなり、また、優美な外観性を得ることができなくなる。樹脂との密着性や濡れ性、分散性を改善する為に、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等を用いて粒子表面を改質することもできる。粒状物質の添加量は、粒状物質を含めた抗菌性組成物の全固形分量を100重量%として、通常、15〜40重量%程度とすればよい。
【0090】また、本発明の壁紙は、意匠性を付与する為に、エンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工の方法としては、壁紙を、エンボスロールとバックアップロールの間を通して凹凸をつけるのが一般的であるがこの方法に限定されない。
【0091】本発明の壁紙は、優れた抗菌性と意匠性、耐久性を兼ね備えたものであり、通常の壁紙と同様に、接着剤を用いて貼付ける等の方法で用いることによって、一般住宅、病院、公共施設、工場等の壁、天井等に用いられる建築物内装材として施工できる。
【0092】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において、単に「部」とあるのは、「重量部」を意味する。
製造例1(ポリエステル樹脂(A−1)の製造)撹拌機、温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート485部、ジメチルイソフタレート388部、5−スルホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩161部、エチレングリコール443.3部、ネオペンチルグリコール400.4部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.52部を仕込み、160〜220℃まで4時間かけて昇温し、エステル交換反応を行った。ついでフマル酸29部を加え、200〜220℃まで1時間かけて昇温し、反応系を徐々に減圧したのち、0.2mmHgの減圧下で1時間30分反応させて、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。ポリエステル樹脂(A−1)のジカルボン酸成分とジオール成分のそれぞれのモノマー成分の合計量を100モル%とした場合のモノマー組成は、以下に示す通りである。
【0093】
ジカルボン酸成分テレフタル酸 50モル%イソフタル酸 40モル%C12ホスホニウム塩 5モル%フマル酸 5モル%ジオール成分エチレングリコール 65モル%ネオペンチルグリコール 35モル%製造例2(ポリエステル樹脂(A−2)の製造)ポリエステル樹脂の製造例1と同様の方法で、5−スルホジメチルイソフタル酸トリ−n−ブチルドデシルホスホニウム塩を用いることなく、以下のモノマー組成のポリエステル樹脂(A―2)を得た。
【0094】
ジカルボン酸成分テレフタル酸 50モル%イソフタル酸 45モル%フマル酸 5モル%ジオール成分エチレングリコール 65モル%ネオペンチルグリコール 35モル%製造例3(グラフト重合体溶液(B−1)の製造)撹拌機、温度計、環流装置と定量滴下装置を備えた反応器にポリエステル樹脂(A−1)300部、メチルエチルケトン360部、及びイソプロピルアルコール120部を入れ、加熱・撹拌し環流状態で樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、アクリル酸65部、アクリル酸エチル35部及びオクチルメルカプタン1.5部の混合物、アゾビスイソブチロニトリル6部をメチルエチルケトン90部とイソプロピルアルコール30部の混合液に溶解した溶液を1.5時間かけてポリエステル溶液中にそれぞれ滴下し、さらに3時間反応させて、グラフト重合体溶液(B−1)を得た。
製造例4(グラフト重合体溶液(B−2)の製造)ポリエステル樹脂(A−2)を用いた以外はグラフト重合体溶液(B−1)の製造方法と同様の方法でグラフト重合体溶液(B−2)を得た。
製造例5(壁紙用基材の製造)難燃裏打ち紙(75g/m2)の表面に、下記配合の塩化ビニル樹脂組成物を200μmの厚みでコーティングして、壁紙用基材を作製した。
【0095】
塩化ビニル樹脂 「#205」(トウショウ製) 100重量部 可塑剤 DOP (チッソ製) 55重量部 炭酸カルシウム 「ホワイトンH」(白石工業製) 100重量部 酸化チタン 「1017」 (テイカ製) 20重量部 安定剤 「KR−69A−10」(共同薬品製) 2重量部実施例1グラフト重合体溶液(B−1)100部(固形分量として)に対して、アクリル系光重合性プレポリマー(C−1:ビームセット700;荒川化学(株)製)35部、光開始剤(D−1:イルガキュアー907;チバガイギー(株)製)2.5部を添加した後、メチルエチルケトンにて全固形分濃度が16重量%となるように希釈してコーティング液(抗菌性組成物)とした。
【0096】ついで、厚さ25μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡ポリエステルフィルム;東洋紡績(株)製)の片面にバーコーターにて液塗布量が40g/cm2となるようにコーテング液を塗布した後、熱風オーブン中で70℃3分間乾燥し、その後紫外線照射装置にて800mj/cm2の積算照射光量の紫外線を照射して硬化させ、表層に硬化塗膜を有する積層体を形成した。
【0097】ついで、該積層体の硬化塗膜塗布面の反対面側に、グラビア印刷法により印刷を施した後、該印刷インキ層上にポリウレタン系接着剤を、固形分塗布量が2g/cm2となるようにバーコーターにて塗布後、該接着剤層面側を温度150℃にてサーマルラミネート法により、壁紙用基材上にラミネートして、壁紙を得た。得られた壁紙は、鮮明で光沢に富んだ美しい外観意匠性を有するものであった。
実施例2グラフト重合体溶液(B−1)100部(固形分量として)に対して、アクリル系光重合性プレポリマー(C−1:ビームセット700;荒川化学(株)製)35部、光開始剤(D−1:イルガキュアー907;チバガイギー(株)製)2.5部、有機系粒子(E−1:エポスターM30とエポスターS12の重量比1:1の混合物;共に日本触媒(株)製)35部 を添加した後、メチルエチルケトンにて全固形分濃度が12重量%となるように希釈し、さらにエースホモジナイザーで6000回転/分の回転速度で粒子を分散させてコーティング液(抗菌性組成物)とした。
【0098】ついで、厚さ25μmの2軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡ポリエステルフィルム;東洋紡績(株)製)の片面にバーコーターにて塗布量が4g/cm2となるようにコーティング液を塗布した後、熱風オーブン中で70℃で3分間乾燥し、その後紫外線照射装置にて850mj/cm2の積算照射光量の紫外線を照射して硬化させ、表層に硬化塗膜を有する積層体を形成した。
【0099】ついで、該積層体の、硬化塗膜塗布面の反対面側に、グラビア印刷法により印刷を施した後、該印刷インキ層上にポリウレタン系接着剤を、固形分塗布量が2g/cm2となるようにバーコーターにて塗布後、該接着剤層面側を温度150℃にてサーマルラミネート法により、壁紙用基材上にラミネートして、壁紙を得た。得られた壁紙は優美な艶消し外観性をもち、かつ印刷意匠性を損なうことのない、高級感を有するものであった。
比較例1実施例1において、グラフト重合体溶液(B−1)に代えて、グラフト重合体溶液(B−2)に銀/リン酸ジルコニウム系抗菌フィラー(東亜合成(株))を固形分量として1重量%添加したものを使用した以外は、実施例1と同様の方法で壁紙を得た。得られた壁紙は表面層の抗菌フィラーにより、ややにごり感があり、壁紙としての外観性に劣るものであった。実施例及び比較例で得られた壁紙の抗菌性及び防カビ性を以下の方法で測定した。結果を下記表1に示す。
1.抗菌性試験1/50ブロースで希釈したE.coli(大腸菌)の菌液(濃度:105個/ml)0.1mlを、予め高圧蒸気殺菌した5cm×5cmの大きさの試料上に滴下し、その試料に高圧蒸気滅菌したサランラップフィルムを密着させた。その試験片を滅菌シャーレに移し、37℃で24時間培養した。それからフィルム上の菌をSCDLP培地10mlで洗い出し、10倍希釈し、普通寒天平板にまいた後24時間後に菌数を計測した。
2.耐熱水抗菌持続性10cm×10cmの大きさの試料を85℃±1℃にコントロールした蒸留水1リットル中に2時間浸漬し、取り出して、1.の方法で抗菌性を評価した。
3.防カビ性試験JISZ29116.2.2に準じた方法で、無機塩寒天培地平板上に5cm×5cmの大きさの試料を貼付し、下記のカビ5菌株の胞子懸濁液にシュクロース5%添加した混合液0.2mlを噴霧し、27±1℃で28日間培養後のカビの生育状況を評価した。
(試験菌株)
AspergillusnigerATCC6275PenicilliumcitrinumATCC9849ChaetomiumglobosumATCC6205RhizopusstoloniferATCC10404AureobasidiumpullulansIFO6353(カビ抵抗性表示)
(1)カビの生育は試料面積の1/3以上(2)カビの生育は試料面積の1/3未満(3)カビの生育を認めない【0100】
【表1】





 

 


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