米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 繊維;紙;印刷 -> ジューキ株式会社

発明の名称 ボタン穴かがりミシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−149676(P2001−149676A)
公開日 平成13年6月5日(2001.6.5)
出願番号 特願平11−341107
出願日 平成11年11月30日(1999.11.30)
代理人 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150 AA24 BA06 CB03 CE01 CE03 CE07 EE03 EE08 GG02 JA07 JA08 JA13 LA16 LA26 LA71 LA73 LA89 LB01 LB02 NA15 NA25 NA28 NA76 NA78 NB03 NB12 NB18 NC06 NC07 NC18 QA01 QA06 QA07 QA08 
発明者 立川 修
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 電気的な制御により、少なくとも左右の直線部と、これら両直線部の一端部に形成される閂止め部からなるボタン穴かがり縫い目を形成するとともに、布切りメスにより前記両直線部の間にボタン穴を形成するボタン穴かがり縫いミシンにおいて、前記両直線部への縫い目形成後に、前記布切りメスにより前記ボタン穴を形成させ、その後に閂止め部に縫い目を形成させる制御手段を備えることを特徴とするボタン穴かがりミシン。
【請求項2】 前記ボタン穴かがりミシンは、前記布切りメスによって形成されたボタン穴と直行する方向に布を開閉する布開き手段を備え、前記制御手段は、前記布開き手段により布を閉状態としてから前記閂止め部に縫い目を形成させる布開き制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
【請求項3】 前記制御手段は、前記布切りメスによるボタン穴形成後に、前記両直線部及び前記閂止め部に縫い目を形成する先メス駆動と、前記両直線部及び前記閂止め部に縫い目を形成後に前記布切りメスによりボタン穴を生成する後メス駆動と、前記両直線部への縫い目形成後に前記布切りメスにより前記ボタン穴を形成しその後に前記閂止め部に縫い目を形成する中間メス駆動とのいずれかを設定するメス駆動順設定手段と、前記閂止め部に縫い目を形成するか否かを設定する閂止め有無設定手段とを備え、前記閂止め有無設定手段により閂止め無しと設定され、かつ、前記メス順序設定手段により前記中間メス駆動が設定された場合に、自動的に前記後メス駆動が設定されているものとして、前記直線部のボタン穴かがり縫い目の形成後、前記布切りメスを駆動してボタン穴を形成させる不一致設定時制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のボタン穴かがりミシン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボタン穴かがり縫い目を形成するボタン穴かがりミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ボタン穴かがり縫い目は、図6に示すように、被縫製物の切込み部の周縁に、鳩目部、直線部、及び直閂(直線閂止め)部の3種類の縫いが行われて形成される。この図6に示すようなボタン穴かがり縫いは、これまで、メスを備えたボタン穴かがりミシンを用いて、切込み部の形成と縫いとを一連の工程として行うことで形成されていた。
【0003】上記ボタン穴かがり縫いにおいては、これまで、先メス駆動、及び後メス駆動の2種類の方法が用いられていた。先メス駆動とは、メスによって被縫製物に切込み部を形成した後、切込み部の周縁をかがり縫いする方法である。また、後メス駆動とは、直線部、鳩目部、及び直閂部の縫いを行った後に、メスによって切込みを形成する方法である。
【0004】また、従来のボタン穴かがり縫いにおいては、鳩目部や直線部の縫製の際に、布がたるんで縫製の障害にならないように切込み部を広げる布開き装置を備えたボタン穴かがりミシンが用いられることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の布開き装置を備えたボタン穴かがりにおいて先メス駆動を行う場合、布開き装置によって切込み部が広げられた状態で直閂部が縫製されると、縫製後に、直閂部付近に歪みが生じやすいという問題があった。また、後メス駆動で縫製を行う場合は、直線部、鳩目部、直閂部の縫いの際に、メスで切込み部を形成するための余地を予め残して縫製していた。このため、切込み部の端に跨るように縫いを行うことができず、特に、直閂部が切込み部の端を跨いでいないので、ほつれを生じやすいという問題があった。
【0006】このため、切込み部、直線部及び鳩目部を形成した後、直閂部のみを他のミシンで縫うこともあったが、より多くの手間を要するため、作業効率の低下を招くという問題があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、糸のほつれや縫いの乱れのないボタン穴かがり縫い目を容易に形成できるボタン穴かがりミシンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、電気的な制御により、少なくとも左右の直線部と、これら両直線部の一端部に形成される閂止め部からなるボタン穴かがり縫い目を形成するとともに、布切りメス(7)により前記両直線部の間にボタン穴を形成するボタン穴かがり縫いミシンにおいて、前記両直線部への縫い目形成後に、前記布切りメスにより前記ボタン穴を形成させ、その後に閂止め部に縫い目を形成させる制御手段(例えば、図4に示すCPU基板54)を備えることを特徴とする構成とした。
【0009】この請求項1記載の発明によれば、ボタン穴かがり縫い目とボタン穴とを形成する際に、制御手段によって、直線部の縫い目を形成させた後、布切りメスによってボタン穴を形成させ、その後、閂止め部の縫い目を形成させる。従って、ボタン穴が形成される前に直線部を形成するので、直線部に歪みを生じる恐れが無く、また、ボタン穴の形成後に閂止め部を形成するので、ボタン穴の縁を跨ぐように閂止め部の縫い目を形成できる。このため、ほつれや歪みを生じることのない、美しいボタン穴かがり縫い目を容易に形成できる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンにおいて、前記ボタン穴かがりミシンは、前記布切りメスによって形成されたボタン穴と直行する方向に布を開閉する布開き手段(21)を備え、前記制御手段は、前記布開き手段により布を閉状態としてから前記閂止め部に縫い目を形成させる布開き制御手段(例えば、図8のステップS27に示す処理を行うCPU基板54)を備えることを特徴とする構成とした。
【0011】この請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のボタン穴かがりミシンにおいて、ボタン穴と直行する方向に布を開閉する布開き手段を備え、この布開き手段により布を閉状態にしてから閂止め部の縫い目が形成される。従って、布開き手段によって布が開状態にされて直線部や鳩目部の縫い目が形成された後、閂止め部の縫い目が形成される際には、布は閉状態となっており、閂止め部の縫い目に歪みを生じるおそれがない。このため、より美しいボタン穴かがり縫い目を容易に形成することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載のボタン穴かがりミシンにおいて、前記制御手段は、前記布切りメスによるボタン穴形成後に、前記両直線部及び前記閂止め部に縫い目を形成する先メス駆動と、前記両直線部及び前記閂止め部に縫い目を形成後に前記布切りメスによりボタン穴を生成する後メス駆動と、前記両直線部への縫い目形成後に前記布切りメスにより前記ボタン穴を形成しその後に前記閂止め部に縫い目を形成する中間メス駆動とのいずれかを設定するメス駆動順設定手段と(例えば、図9のステップS47〜ステップS56に示す処理を行うCPU基板54)、前記閂止め部に縫い目を形成するか否かを設定する閂止め有無設定手段(例えば、図9のステップS43に示す処理を行うCPU基板54)とを備え、前記閂止め有無設定手段により閂止め無しと設定され、かつ、前記メス順序設定手段により前記中間メス駆動が設定された場合に、自動的に前記後メス駆動が設定されているものとして、前記直線部のボタン穴かがり縫い目の形成後、前記布切りメスを駆動してボタン穴を形成させる不一致設定時制御手段(例えば、図9のステップS55に示す処理を行うCPU基板54)を備えることを特徴とする構成とした。
【0013】この請求項3記載の発明によれば、請求項1記載のボタン穴かがりミシンにおいて、布切りメスによるボタン穴形成後に直線部及び閂止め部に縫い目を形成する先メス駆動と、直線部及び閂止め部に縫い目を形成後に布切りメスによりボタン穴を生成する後メス駆動と、直線部への縫い目形成後に布切りメスによりボタン穴を形成しその後に閂止め部に縫い目を形成する中間メス駆動とのいずれかを設定することができるので、予め所望のメス駆動タイミングを設定することで容易に美しいボタン穴かがり縫い目を形成できる。
【0014】また、閂止め部に縫い目を形成するか否かを設定可能であるとともに、中間メス駆動が設定されたにも関わらず閂止め部に縫い目を形成しないよう設定された場合、後メス駆動の動作を実行させる。即ち、中間メス駆動において閂止め部に縫い目を形成しない場合、具体的な動作は後メス駆動と同じ動作である。このため、一致しない設定が行われたことでエラーを発生するよりも、後メス駆動として動作すれば、作業の流れを中断することなく、速やかにボタン穴を形成できる。従って、ミス等により一致しない設定が行われても、作業を速やかに進行させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】図1から図9の各図は、本発明を適用した工業用ミシンの一実施の形態を示す図である。以下、図面を参照して、布開き装置を備えたボタン穴かがりミシン(以下、ボタン穴かがりミシンと略称する。)の実施の形態について説明する。なお、本例のボタン穴かがりミシンは、鳩目部を有するボタン穴のかがり縫いを行うミシンである。
【0017】まず、図1を参照してボタン穴かがりミシンの概略構成について簡単に説明する。ミシン機枠1は、略矩形箱状をなすベッド部2に、その奥方上部から前方に延びるアーム部3が設けられてなるもので、ベッド部2の下部にはボトムカバー4が取付けられている。アーム部3の先端部には、縫針5が取付けられた針棒6が上下動可能に設けられており、一方、ベッド部2には針棒6の直下に位置して、該針棒6の上下動に同期して作動することにより縫針5と協働して被縫製物に縫目を形成するルーバー(図示略)が設けられている。さらに針棒6及びルーパーは、針棒6上面から見て時計方向あるいは反時計方向に一体的に針棒6を中心として回動するように構成されている。
【0018】また、前記アーム部3には、布切りメス7が上下動可能に設けられており、前記ベッド部2にはメス受け台(図示略)が設けられている。そして、前記布切りメス7では、被縫製物に鳩目穴状の切込みを形成できるようになっている。なお、布切りメス7は、例えば、エアシリンダ、エアシリンダをコンプレッサー等のエアー供給源(図示略)に接続するエアホース、エアホースからエアシリンダへのエアー供給を制御する布切り電磁弁64(図4参照)等を備えてなる駆動装置により駆動され、布切り電磁弁64の開閉動作に伴うエアシリンダの動作によって、縫製物を裁断するようになっている。
【0019】図1において符号8で示すものは布押えであり、この布押え8によって、被縫製物を送り台10上に設けられた布受け板11に押え付け、この状態で、鳩目穴の形状に応じて送り台10を移動させて鳩目穴の周縁に順次かがり縫いを施すようになっている。なお、送り台10はその下方およびベッド部2内に設けられた送り台移動手段12によって移動するようになっている。
【0020】前記布押え8を作動させる機構について説明すると、図2に示すように、布押え8を先端に備えたアーム部13は軸13aを介して布受け板11に回動自在に軸支されており、その基端部には、前記布受け板11に形成された穴11aを通して該布受け板11の裏側に延出する⊂状の受けアーム部14が形成されている。そして、送り台10にはリンク15が左右に延びる軸16を介して回動自在に設けられており、その一方の端部に取付けられたピン17が前記受けアーム部14と連結されている。この場合、受けアーム部14はピン17に対して左右方向に摺動自在である。また、リンク15の他方の端部に取付けられたピン18は、送り台10に設けられたエアシリンダからなる押え用駆動体19のロッド19aにジョイント20を介して連結されている。そして、上記構成の機構では、ロッド19aを伸ばすと、布押え8が下方に回動し、この布押え8によって被縫製物が布受け板11に押さえ付けられるようになっている。
【0021】なお、上記押え用駆動体19は、エアシリンダと、このエアシリンダを図示しないコンプレッサー等のエアー供給源に接続するエアホースと、このエアホースからエアシリンダへのエアー供給を制御する押え電磁弁62(図4参照)等を備えてなり、ロッド19aは、押え電磁弁62の開閉動作に伴って伸縮するようになっている。
【0022】次に、本発明に係るボタン穴かがりミシンが備える布開き装置について、図3を参照して説明する。図3は布開き装置を示す平面図である。この図に示すように、前記送り台10には、布切りメス7の上下動経路を挟んで左右両側に、一対の布受け板11,11が前記上下動経路に接近または離間するように左右方向(矢印A・B方向)に移動可能に設けられているが、図3においては、右側の布受け板11は、布開き手段21を示すために省略してある。この布開き手段21は、前記布切りメス7の上下動経路を挟んで左右両側にそれぞれ設けられており、前記一対の布受け板11,11をそれぞれ左右方向に移動させることで、該布受け板11,11に保持されて布切りメス7によって切込みが形成された被縫製物の前記切込みを開閉するようになっている。
【0023】前記布開き手段21は、送り台10に左右対称にして設けられているので、ここでは、右側の布開き手段21について説明し、左側の布開き手段21についての説明は省略する。すなわち、右側の布開き手段21は、前記布受け板11の移動方向(図3において矢印A・B方向)と直交する前後方向(図3において矢印C・D方向)に移動可能に設けられたカム板22と、このカム板22の中央部より若干前側に、右方に延出するように形成された延出腕70と、前記布受け板11に連結されて、前記カム板22の前後移動に連動して、左右方向に移動するレール板24,24とを備えている。
【0024】前記布受け板11には前後に二つの穴11b,11bが形成され、該穴11b,11bに、前記レール板24,24の先端部に設けられた布開き受けピン25,25を挿入することにより、布受け板11とレール板24,24とが連結されている。前記レール板24は左右に長尺なものであり、その左右両端部にはそれぞれ左右方向に長い長穴24a,24aが形成されており、該長穴24a,24aに段ねじ26,26を挿通し、該段ねじ26,26を送り台10にねじ込むことにより、レール板24は送り台10に左右方向に直線移動可能に取付けられている。また、前記各レール板24の右端部下面には、コロ27が段ねじ28によって回転可能に取付けられている。
【0025】前記カム板22は前後(矢印C・D方向)に長尺なものであり、その前後端部にはそれぞれ前後に長い長穴22a,22aが形成されており、該長穴22a,22aに段ねじ29,29を挿通し、該段ねじ29,29を送り台10にねじ込むことにより、カム板22は送り台10に前後方向に直線移動可能に取付けられている。また、前記カム板22はレール板24,24の下側に配置されており、該カム板22の前後端部には、それぞれ傾斜面30,30が形成されている。これら傾斜面30,30は後方に向かうにしたがって漸次左方に傾斜するもので、該傾斜面30,30には以下のようにして前記コロ27,27が当接するようになっている。
【0026】すなわち、前記送り台10には、前記レール板24,24より前方位置において、ばね31,31がねじ段32,32によって取付けられており、該ばね31,31は、レール板24,24に設けられたピン33,33に当接されている。そして、該ピン33,33はばね31,31によって、左方(矢印A方向)に付勢され、これによって、レール板24,24が左方に付勢されている。従って、レール板24,24に取付けられたコロ27,27は、前記ばね31,31の付勢力によって、前記傾斜面30,30にカム板22を左方に付勢した状態で当接している。
【0027】また、カム板22の中央部より若干前側には、上記のように延出腕70が右方へ延出している。延出腕70の先端部は、エアシリンダ36のピストンロッド36aの先端部にナックル37を介して回動自在に連結されている。従って、カム板22は、ピストンロッド36aを前後に伸縮させることで、延出腕70を介して前後に移動し、これによって、前記布受け板11がレール板24,24を介して左右に移動するようになっている。
【0028】そして、前記カム板22が前後に移動すると、コロ27,27が傾斜面30,30を相対的に転動して、左右方向に移動し、これに伴ってレール板24,24が左右に移動するようになっている。すなわち、レール板24,24は、カム板24,24の前後の移動に連動して、左右に移動するようになっている。なお、前記エアシリンダ36は、図示しないコンプレッサー等のエアー供給源に、後述する布開き電磁弁63(図4参照)とエアホースを介して接続され、ミシンの制御系100が有するCPU基板54の制御によって布開き電磁弁63が開閉することで、ピストンロッド36aが動作するようになっている。
【0029】そして、エアシリンダ36のピストンロッド36aによって延出腕70が移動することにより、カム板22が前後に直線移動し、このカム板22の前後の直線移動によってレール板24,24が傾斜面30,30およびコロ27,27を介して、左右に直線移動するようになっている。
【0030】次に上記構成の布開き手段21の動作について説明する。まず、図3に示すように、エアシリンダ36のピストンロッド36aが引込み位置にあり、この状態で、前記カム板22は、後方(矢印D方向)に位置して、コロ27,27は傾斜面30,30の上側(矢印B方向)に位置し、レール板24,24がばね31,31の付勢力に反して開き側(布切りメスの上下動経路に対して布受け板11が最も離れた位置)に位置している。
【0031】上記の初期状態からエアシリンダ36を作動させて、そのピストンロッド36aを、図3の矢印C方向に伸ばす。すると、ナックル37の移動に伴って延出腕70が前方(矢印C方向)に移動することにより、カム板22が前方(矢印C方向)に直線移動し、これによって、前記レール板24,24に取付けられているコロ27,27がばね31,31の付勢力によって傾斜面30,30を相対的に転動しながら下る。コロ27,27が傾斜面30,30を下ると、レール板24,24が左方(矢印A方向)に直線移動し、該レール板24,24に布開き受けピン25,25によって連結されている布受け板11が左方に移動する。なお、前記送り台10の左側の布受け板11は同様にして、右方に移動する。従って、布受け板11,11に保持されている被縫製物の切込みが閉じられる。なお、被縫製物の切込みを開く際には、上記布開き手段21を逆方向に作動させることで行う。
【0032】このように、本例のボタン穴かがりミシンにおいては、エアシリンダ36の動作によってカム板22が前後方向に移動すると、このカム板22の前後移動に連動して、レール板24,24が左右方向に移動し、これによって、該レール板24,24に連結された布受け板11が左右方向に移動する。つまり、布受け板11はレール板24,24の左右方向の移動に伴って、左右方向にのみ移動し、従来のような前後運動を伴わないので、布開きの際に被縫製物がずれることがない。
【0033】続いて、本実施の形態におけるボタン穴かがりミシンの制御系100について、図4を参照して説明する。図4は、制御系100の構成を示すブロック図であって、同図に示すように、制御系100は、アーム部3の先端、即ち、ボタン穴かがりミシンの頭部に内蔵される回路40、ボタン穴かがりミシンのミシンテーブルに設置される電装ボックス50、電装ボックス50に接続された押え電磁弁62、布開き電磁弁63、布切り電磁弁64、押えスイッチ65及びスタートスイッチ66の各部、及び、電装ボックス50へ電源を供給する電源61等を備えて構成される。
【0034】電源61は、例えば、100V(ボルト)或いは200Vの交流電源に接続されており、電源61から電装ボックス50に搭載されるトランス51へ電源が供給される。
【0035】電源61から供給された電源はトランス51によって所定の電圧値へ変換され、電源基板52へ供給される。電源基板52は、トランス51を経て供給される電源をさらに変圧し、或いは整流して、CPU基板54へ供給する。また、電源基板52からは、サーボ基板53に対しても電源が供給される。
【0036】サーボ基板53は、CPU基板54に接続され、CPU基板54の制御に従って回路40の上軸サーボモータ47へ電力を供給し、上軸サーボモータ47を駆動させる。上軸サーボモータ47は、ボタン穴かがりミシンの上軸を駆動するサーボモータであって、この上軸サーボモータ47を動力源としてボタン穴かがりミシンの針棒6等の各部が駆動される。
【0037】CPU基板54は、CPU(Central Processing Unit )等の各種半導体デバイスを実装しており、電源基板52から供給される電源を基に動作して、CPU基板54に接続された各機器を制御する。具体的には、CPU基板54は、押えスイッチ65の操作に従って押え電磁弁62を駆動させて、布押え8(図2参照)を上下に移動させる。また、CPU基板54は、スタートスイッチ66の操作に従ってサーボ基板53を制御し、上軸サーボモータ47の駆動制御を行わせる。
【0038】また、CPU基板54は、操作パネル55における入力操作に従って、各種データに基づく各部の制御を行い、布切りメス7によるボタン穴形成後に直線部、鳩目部及び直閂部を形成する先メス駆動、直線部、鳩目部及び直閂部を形成後に布切りメス7でボタン穴を形成する後メス駆動、或いは、直線部及び鳩目部の形成後に布切りメス7でボタン穴を形成し、その後直閂部を形成する中間メス駆動のいずれかによるボタン穴かがり縫いを実行させる。
【0039】また、CPU基板54は、予め定められたボタン穴かがり縫いの制御において、布切り電磁弁64及び布開き電磁弁63を適宜駆動させて被縫製物の切込み部の形成や布開き動作を行わせる。CPU基板54は、X原点センサ41、Y原点センサ42及びθ原点センサ43から入力される検知信号に基づいて、送り台10の位置及び針棒6の回動位置を検知するとともに、送り台10を所定の位置へ移動させるためにXパルスモータ44及びYパルスモータ45を駆動させ、針棒6を所定の回転位置へ移動させるためにθパルスモータ46を駆動させる。
【0040】さらに、CPU基板54には、フラッシュメモリ等の各種記憶素子(図示略)が実装されていて、この記憶素子には、CPU基板54の動作に際して実行される各種プログラムの他、各種データが記憶されている。そして、CPU基板54は、操作パネル55における入力操作に応じて、後述するデータ設定処理(図9)を実行し、該記憶素子内のデータの設定/変更を行う。ここで、上記記憶素子に記憶されるデータの一例として、パターン56,56,…について説明する。
【0041】図5は、CPU基板54上に実装される記憶素子(図示略)に記憶されるパターン56,56,…の構成を模式的に示す図である。同図に示すように、パターン56,56,…は、それぞれ項目番号が付された複数の項目に対応づけてデータが設定されたテーブルをなしている。
【0042】また、図6は、この図5に示すパターン56,56,…に基づいて形成されるボタン穴かがり縫いを示す平面図である。この図6に示すように、本実施の形態の形態におけるボタン穴かがりミシンによれば、被縫製物に切込み部が形成されるとともに、切込み部の周縁に鳩目部、直線部及び直閂部の3種の縫いが形成される。
【0043】図5に示すパターン56,56,…では、項目番号1はボタン穴かがり縫いにおける直線部の長さを示し、項目番号2は直線部を縫う際の針数を示し、項目番号3は布切りメス7による裁断部分の形状を示し、項目番号4は直閂部の有無を示し、項目番号5は布切りメス7の動作タイミングを示すものとする。ここで、項目番号1のデータは22であるから、図5の手前側に示すパターン56に従ってボタン穴かがり縫いを行うと、図6に示す直線部が22ミリメートルの長さで縫製されることになる。
【0044】また、項目番号4のデータとして、値1は直閂部有り、値2は直閂部無しを示すものとすれば、図5の手前側に示すパターン56に従ってボタン穴かがり縫いを行うと、図6に示す直閂部の縫いが形成されることになる。さらに、項目番号5のデータとして、値1は後述する先メス駆動、値2は後メス駆動、値3は中間メス駆動を示すものとすれば、図5の手前側に示すパターン56に従ってボタン穴かがり縫いを行うと、中間メス駆動が行われることになる。
【0045】このように、各パターン56,56,…には、ボタン穴かがり縫いにおける各種のデータが設定されているので、異なるパターンに基づいて縫製を行わせることで、縫製時の動作や、図6に示す各部の縫いのサイズや形状を変えることができる。
【0046】CPU基板54には、回路40のX原点センサ41、Y原点センサ42及びθ原点センサ43の各センサが接続されている。これら各センサは、所定の原点位置を検知するセンサであって、X原点センサ41は、X軸方向での送り台10の原点位置を検知し、Y原点センサ42はY軸方向における送り台10の原点位置を検知し、θ原点センサ43は、針棒6の回転における原点位置を検知するセンサである。そして、これらの各センサは、検知結果をCPU基板54へ出力する。
【0047】さらに、CPU基板54には、Xパルスモータ44、Yパルスモータ45、及びθパルスモータ46が接続される。Xパルスモータ44は、前記送り台10をX軸方向へ移動させるパルスモータであり、Yパルスモータ45は、送り台10をY軸方向へ移動させるパルスモータであり、θパルスモータ46は、例えばボタン穴の鳩目部を縫製する際に針棒6及びルーパー(図示略)を回動させるパルスモータである。これらの各パルスモータは、CPU基板54による制御に従って動作し、縫製時に送り台10を移動させ、或いは針棒6とルーパーを回動させる。
【0048】押え電磁弁62は、上記押え用駆動体19(図2参照)の一部として設けられ、図示しないエアー供給源から押え用駆動体19が備えるエアシリンダへのエアー供給を制御する電磁弁であって、CPU基板54による制御に従って開閉する。そして、この押え電磁弁62の開閉に伴ってロッド19aが伸縮して、布押え8を上下に移動させる。
【0049】布開き電磁弁63は、コンプレッサー等のエアー供給源(図示略)から上記エアシリンダ36(図3参照)へのエアー供給を制御する電磁弁であって、CPU基板54に接続され、CPU基板54の制御に従って開閉する。そして、布開き電磁弁63の開閉に伴ってエアシリンダ36のピストンロッド36a(図3参照)を前後に移動することで布開き手段21(図3参照)が動作する。
【0050】ここで、布開き電磁弁63が動作することによって布開き手段21が動作する方向は、ボタン穴の直線部と直行し、被縫製物の切込み部を開き、或いは閉じる方向である。なお、本実施の形態では、布開き手段21によって布開き動作が行われた状態を、被縫製物の開状態と称し、布開き手段21による布開きが行われていない状態を、被縫製物の閉状態と称する。
【0051】布切り電磁弁64は、コンプレッサー等のエアー供給源(図示略)からエアシリンダ(図示略)へのエアー供給を制御することにより、布切りメス7(図1参照)の動作を制御する電磁弁である。この布切り電磁弁64はCPU基板54に接続され、CPU基板54の制御に従って開閉する。そして、布切り電磁弁64の開閉に伴って、布切りメス7が駆動され、切込み部が形成される。
【0052】押えスイッチ65は、布押え8の移動を指示することにより、被縫製物の押さえの開始/解除を指示するスイッチであり、押えスイッチ65の操作に応じて、CPU基板54は押え電磁弁62を制御して布押え8を動作させる。
【0053】スタートスイッチ66は、ボタン穴かがりミシンの動作を開始/停止させるスイッチであって、CPU基板54は、スタートスイッチ66の操作に応じてサーボ基板53を制御して、上軸サーボモータ47の回転を開始/停止させる。
【0054】また、CPU基板54には、操作パネル55が接続されている。操作パネル55は、後述するデータ設定処理等において、ボタン穴かがりミシンの動作に関する各種設定を行う入力手段であり、例えばミシン機枠1の正面に配設される。ここで、図5を用いて、操作パネル55について説明する。
【0055】図7は、操作パネル55の正面図である。同図に示すように、操作パネル55は、準備スイッチ72、モード選択スイッチ76、パターンNo.−(マイナス)スイッチ78、パターンNo.+(プラス)スイッチ79、データ−(マイナス)スイッチ81、データ+(プラス)スイッチ82、データ設定スイッチ83、項目−(マイナス)スイッチ85、及び項目+(プラス)スイッチ86等の各スイッチと、これらの各スイッチ近傍に配設されたLED71,73,74,75と、パターンNo.表示部77、数値表示部80、及び項目番号表示部84等の各表示部を備えている。上記各スイッチは、それぞれ押圧操作を検知して検知信号をCPU基板54へ出力するスイッチであり、パターンNo.−スイッチ78、データ−スイッチ81、及び項目−スイッチ85の操作時には対応する値が1減少され、パターンNo.+スイッチ79、データ+スイッチ82、及び項目+スイッチ86の操作時には対応する値が1増加される。また、上記各表示部は、複数のLEDやEL素子等の光源、或いは、液晶表示パネルを備えており、数値等の表示が可能である。
【0056】準備スイッチ72は、縫製に先立つ縫い目データの生成、送り台10、針棒6、及びルーパー(図示略)の原点位置への移動等を行う準備状態を指定するスイッチであり、この準備スイッチ72の操作により準備状態が指示されている間は、準備スイッチ72に隣接して配置されたLED71が点灯し、縫製の準備が完了し、ミシンの縫製動作が開始可能であることを示している。
【0057】モード選択スイッチ76は、ボタン穴かがりミシンで実行可能な複数の動作モードを選択するスイッチである。一例として、本実施の形態では、布送りや縫製を自動的に行う自動モード、手動で上軸を回転させることにより自動モードと同手順の動作を行わせる手動モード、及び、縫いを行わずに被縫製物の送りのみを行う送りモードの3種の動作モードを設定可能とする。モード選択スイッチ76の近傍には、上記3種の各動作モードの選択状態を示すLED73,74,75がそれぞれ配置されている。そして、モード選択スイッチ76の操作によって動作モードが切り替えられると、新たに選択された動作モードに対応するLEDが点灯する。
【0058】パターンNo.−スイッチ78及びパターンNo.+スイッチ79は、ボタン穴かがりミシンのボタン穴かがり縫いに関するパターン56,56,…を切り替えるためのスイッチである。上述のように、本実施の形態のボタン穴かがりミシンにおいては、CPU基板54(図4参照)上に実装された記憶素子に、ボタン穴かがり縫いの際に参照される各種データがパターン56,56,…(図5参照)として記憶されている。そして、穴かがり縫いを行う際に所定のパターンを指定することにより、該パターンに設定されたデータに従って縫いが行われる。
【0059】パターンNo.−スイッチ78及びパターンNo.+スイッチ79は、参照すべきパターン56,56,…を指定するためのスイッチであって、パターンNo.−スイッチ78及びパターンNo.+スイッチ79の操作によって指定されたパターンのNo.がパターンNo.表示部77に表示される。パターンNo.表示部77は、パターンNo.−スイッチ78及びパターンNo.+スイッチ79の操作により指定されたパターンのNo.を表示する。なお、パターンNo.表示部77に表示中のパターンNo.に該当するデータは、縫い動作の際に参照されるとともに、操作パネル55におけるデータ更新の対象になる。
【0060】データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82は、パターンNo.表示部77に表示されているパターンの各項目番号に対応するデータを設定/変更するスイッチであり、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82の操作によって変更されたデータの値は、数値表示部80に表示される。なお、数値表示部80は、パターンNo.表示部77に表示されたパターンのデータを表示するほか、縫い動作の実行時には、縫い速度や、生産カウンタのカウント値等を表示する。
【0061】データ設定スイッチ83は、パターンNo.表示部77に表示されたパターンのデータの設定/更新を指示するスイッチである。即ち、パターンNo.表示部77に表示されたパターンにおいて、後述する項目番号表示部84に表示された項目番号のデータとして、数値表示部80に表示された値を記憶させるスイッチであり、データ設定スイッチ83が操作されることにより、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82によって設定/変更されたデータが確定される。
【0062】項目−スイッチ85及び項目+スイッチ86は、上記データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82によるデータの設定/変更の対象となる項目番号を指定するスイッチであり、これら項目−スイッチ85及び項目+スイッチ86によって指定された項目番号は項目番号表示部84に表示される。
【0063】以上のように構成されるボタン穴かがりミシンの動作について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本実施の形態におけるボタン穴かがりミシンの動作を示すゼネラルフローである。
【0064】まず、ステップS1において、CPU基板54は、操作パネル55のパターンNo.−スイッチ78及びパターンNo.+スイッチ79における操作の有無を判別する。ここでスイッチ操作が行われていた場合には、ステップS2へ移行して、処理対象のパターンNo.を更新し、更新後のパターンNo.をパターンNo.表示部77に表示させてステップS3へ移行する。また、ステップS1でスイッチ操作が無いと判別した場合には、そのままステップS3へ移行する。
【0065】ステップS3で、CPU基板54は、操作パネル55のモード選択スイッチ76における操作の有無を判別する。ここで、モード選択スイッチ76が操作された場合にはステップS4へ移行して、モード選択スイッチ76の操作により指定されたモードを動作モードとして設定し、ステップS5へ移行する。また、ステップS3でモード選択スイッチ76が操作されなかった場合には、ステップS5へ移行する。
【0066】ステップS5では、現在設定されている動作モードが自動モードか否かを判別し、上記手動モード又は送りモードが設定されている場合には、ステップS6へ移行し、設定されている動作モードに対応する動作を行って、処理を終了する。また、ステップS5で、動作モードとして自動モードが設定されている場合には、CPU基板54はステップS7へ移行する。
【0067】ステップS7で、CPU基板54は、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82における操作の有無を判別する。ここで、スイッチ操作が行われた場合には、ステップS8へ移行して後述するデータ設定処理を実行し、ステップS9へ移行する。また、ステップS7でデータ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82のいずれも操作されなかった場合には、CPU基板54はそのままステップS9の処理へと移行する。
【0068】ステップS9では、準備スイッチ72の操作の有無を判別し、準備スイッチ72が操作された場合にはLED71を点灯させ、ステップS10へ移行する。また、準備スイッチ72が操作されなかった場合には、ステップS1へ戻る。
【0069】ステップS10で、CPU基板54は、設定されているパターンNo.のデータをもとに、縫製すべき縫い目データを作成する。さらに、CPU基板54は、ステップS11において、Xパルスモータ44、Yパルスモータ45及びθパルスモータ46を駆動制御し、送り台10を原点位置へ移動させるとともに、針棒6、及びルーパー(図示略)を原点位置へ移動させる。なお、ここで、Xパルスモータ44及びYパルスモータ45の原点位置とは、布切りメス7の位置を基準とした位置である。
【0070】続くステップS12で、CPU基板54は、操作パネル55の準備スイッチ72の操作状態を判別し、準備スイッチ72が操作されれば、LED71を消灯し、ステップS9へ戻る。そして、ステップS12で、準備スイッチ72が操作されなければ、CPU基板54はステップS13へ移行する。
【0071】ステップS13で、CPU基板54は、押えスイッチ65の操作の有無を判別し、押えスイッチ65が操作されなければステップS12へ戻って待機し、押えスイッチ65が操作されると、ステップS14へ移行して、布押え8を下降させて、被縫製物を固定する。
【0072】ステップS15で、CPU基板54は、再度押えスイッチ65の操作の有無を判別し、押えスイッチ65が操作された場合にはステップS16へ移行して、布押え8を上昇させ、ステップS13へ戻る。また、ステップS15で、押えスイッチ65が操作されなかった場合には、CPU基板54はステップS17へ移行する。
【0073】ステップS17で、CPU基板54は、スタートスイッチ66の操作の有無を判別し、操作が無い場合にはステップS15へ戻り、スタートスイッチ66が操作された場合には、ステップS18へ移行する。
【0074】ステップS18で、CPU基板54は、現在設定されているパターンNo.のデータを参照し、布切りメス7の動作タイミングが先メス駆動を示すデータか否かを判別する。具体的には、パターン56,56,…(図5参照)のうち、パターンNo.表示部77(図7参照)に現在表示されているパターンNo.に対応するパターンの項目番号5に設定されたデータを参照して、データの値が「1」であるか否かを判別する。そして、データの値が「1」であり、先メス駆動が設定されている場合には、ステップS19へ移行する。
【0075】ステップS19で、CPU基板54は、布切り電磁弁64を駆動させることによって布切りメス7(図1参照)を動作させ、被縫製物に切込み部を形成させて、ステップS20へ移行する。また、ステップS18における判別で、データの値が「1」ではなく、先メス駆動が設定されていない場合には、CPU基板54はステップS19の処理を行うことなくステップS20へ移行する。
【0076】ステップS20で、CPU基板54は、送り台10を縫い始めの位置へと移動させ、ステップS21へ移行して、布開き電磁弁63を駆動することによって布開き手段21を動作させて、布開きを行わせる。
【0077】そして、ステップS22において、CPU基板54は、サーボ基板53を制御して上軸サーボモータ47を駆動させるとともに、Xパルスモータ44、Yパルスモータ45、θパルスモータ46を制御して、直線部及び鳩目部の縫製を実行させる。
【0078】続いて、CPU基板54は、ステップS23で、現在設定されているパターンNo.に該当するデータを参照し、布切りメス7の動作タイミングが中間メス駆動を示すデータか否かを判別する。具体的には、パターン56,56,…のうち、パターンNo.表示部77に現在表示されているパターンNo.に対応するパターンの項目番号5に設定されたデータを参照して、データの値が「3」であるか否かを判別する。そして、データの値が「3」であり、中間メス駆動が設定されている場合には、CPU基板54はステップS24へ移行し、送り台10を原点位置、即ち布切りメス7の位置へ移動させ、ステップS25へ移行する。
【0079】ステップS25で、CPU基板54は、布切りメス7を駆動させて被縫製物に切込み部を形成させて、ステップS26へ移行する。ステップS26では、送り台10が、直閂部の縫製を開始する位置まで移動される。続くステップS27で、CPU基板54は、布開き手段21を動作させて布開きを終了させ、被縫製物が広げられていない状態に移行させる。
【0080】ここで、CPU基板54は、ステップS28へ移行して直閂部の縫いを実行させて、ステップS29へ移行する。なお、ステップS23での判別において、パターンの項目番号5のデータの値が「3」では無かった場合、即ち、中間メス駆動が設定されていない場合には、ステップS23からステップS100へ移行する。ステップS100では、直閂データの有/無を判断し、直閂データ有りの場合はステップS28へ移行して、直閂部の縫製を行い、直閂データが無しの場合は、ステップS29へ移行する。
【0081】ステップS29で、CPU基板54は、現在設定されているパターンNo.に該当するデータを参照し、布切りメス7の動作タイミングが後メス駆動を示すデータか否かを判別する。具体的には、パターン56,56,…のうち、パターンNo.表示部77に表示されているパターンNo.に対応するパターンの項目番号5に設定されたデータを参照して、データの値が「2」であるか否かを判別する。そして、データの値が「2」であり、後メス駆動が設定されている場合には、CPU基板54はステップS31へ移行し、布切りメス7を駆動させて被縫製物の切込み部を形成させ、ステップS32へ移行する。ステップS32では、CPU基板54は布開き手段21を動作させて布開きを終了させ、被縫製物が広げられていない状態にさせる。
【0082】ステップS32における処理の終了後、CPU基板54は、ステップS12へ戻る。また、ステップS30における判別で、布切りメス7の動作タイミングとして後メス駆動が設定されていなかった場合には、ステップS30からステップS12へ戻る。
【0083】このように、上記中間メス駆動では、直線部及び鳩目部の縫いが行われた後、布切りメス7が駆動されて切込み部が形成され、その後、布開きが閉じられた後に直閂部が形成される。このため、切込み部の端に跨るように直閂部を形成することができ、ほつれを防止できる。また、布開き手段21が布を閉じた状態に移行してから直閂部が形成されるので、直閂部付近にゆがみを生じる恐れもない。
【0084】続いて、図9を参照して、図8のステップS8に示すデータ設定処理について詳細に説明する。図9に示す処理において、CPU基板54は、まず、「データ項目番号」と称されるパラメータに「1」を設定する(ステップS41)。このデータ項目番号は、上記パターン56,56,…における項目番号を指定するためのパラメータである。
【0085】続いて、CPU基板54は、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82における操作の有無を判別する(ステップS42)。データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82のいずれか一方、或いは両方が操作された場合は、データが変更されているため、データの更新を行うステップS43へ移行する。また、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82のいずれも操作されていない場合には、CPU基板54は後述するステップS44へ移行する。
【0086】ステップS43では、現在指定されている項目番号、即ち、項目番号表示部84に表示されている項目番号のデータについて、データ−スイッチ81及びデータ+スイッチ82の操作により変更された値を設定し、更新を行う。このステップS43で更新されるデータは、上記直線部における穴かがりの長さ、直線部の針数、鳩目部の針数、布切りメス7によって切込み部を形成するために直線部の縫製時に設けられる余地を示す直線部メススペース、同様に鳩目部の縫製時に設けられる鳩目部メススペース、直閂部の有無、直閂部の針数等である。
【0087】そして、CPU基板54は、ステップS44へ移行して、項目−スイッチ85及び項目+スイッチ86における操作の有無を判別し、操作が行われた場合には、ステップS45へ移行して、項目−スイッチ85及び項目+スイッチ86における操作によって指定された項目番号を、新たなデータ項目番号として設定して更新し、ステップS46へ移行する。また、ステップS44で、項目−スイッチ85及び項目+スイッチ86のいずれも操作されない場合は、そのままステップS46へ移行する。
【0088】ステップS46では、データ設定スイッチ83における操作の有無を判別し、操作が行われた場合にはステップS47へ移行し、データ設定スイッチ83が操作されない場合にはステップS42へ戻る。
【0089】CPU基板54は、ステップS47では、布切りメス7の駆動タイミングを示す項目のデータを参照し、データの値が「0」か否かを判別する。そして、データの値が「0」の場合は、ステップS48に移行して布切りメス7の駆動を行わない旨の設定を行ってステップS49へ移行する。また、ステップS47で、データの値が「0」ではなかった場合には、ステップS48の処理を行わずにステップS49へ移行する。
【0090】ステップS49で、CPU基板54は、布切りメス7の駆動タイミングを示す項目のデータを参照し、データの値が「1」か否かを判別する。そして、データの値が「1」の場合は、ステップS50に移行して、先メス駆動を設定し、ステップS51へ移行する。また、ステップS49で、データの値が「1」ではなかった場合には、ステップS50の処理を行わずにステップS51へ移行する。
【0091】そして、ステップS51で、CPU基板54は、布切りメス7の駆動タイミングを示す項目のデータを参照し、データの値が「2」か否かを判別する。そして、データの値が「2」の場合は、ステップS52に移行して、後メス駆動を設定し、ステップS53へ移行する。また、ステップS51で、データの値が「2」ではなかった場合には、ステップS52の処理を行わずにステップS53へ移行する。
【0092】ステップS53で、CPU基板54は、布切りメス7の駆動タイミングを示す項目のデータを参照し、データの値が「3」か否かを判別する。そして、データの値が「3」の場合は、ステップS54へ移行して、直閂部の縫いに関するデータを参照し、直閂縫いを行う旨が設定されているか否かを判別する。
【0093】このステップS54における判別の結果、直閂縫いを行う旨のデータが設定されていないと判別された場合には、CPU基板54はステップS55へ移行して、布切りメス7の駆動タイミングを後メス駆動として、データの値を「2」に更新し、ステップS47へ戻る。また、ステップS54における判別の結果、直閂縫いを行う旨のデータが設定されていると判別された場合には、ステップS56へ移行して中間メスを設定し、ステップS57へ移行する。
【0094】なお、ステップS53の判別において、布切りメス7の動作タイミングを示すデータの値が「3」でなかった場合には、CPU基板54はそのままステップS57へ移行する。
【0095】ステップS57では、上記ステップS47〜ステップS56に係るデータ以外のデータについての更新を実行し、ステップS9(図8)へ戻る。
【0096】上記のように、中間メス駆動は、ボタン穴かがり縫いにおける直線部及び鳩目部を縫製した後、布切りメス7を駆動して切込み部を形成し、さらにその後直閂部を縫製する方法である。従って、中間メス駆動で直閂部の縫いを省くと、後メス駆動と全く同じ動作が行われることになる。従って、図9のステップS54及びステップS55に示す処理によって、中間メスが設定されていながら直閂部の縫いを行わないように設定がなされている場合は、布切りメス7の動作タイミングが後メスとして設定されるので、無用の混乱やエラーを招くことがない。
【0097】以上のように、本発明の実施の形態におけるボタン穴かがりミシンにおいては、ボタン穴かがり縫い目を形成する際に、布切りメス7によってボタン穴を形成した後に直線部、鳩目部及び直閂部を形成する先メス駆動、直線部、鳩目部及び直閂部を形成した後に布切りメス7によってボタン穴を形成する後メス駆動の他、直線部及び鳩目部を形成した後に布切りメス7によってボタン穴を形成し、その後直閂部を形成する中間メス駆動を行うことができる。このため、先に直線部を形成して歪みのないボタン穴のかがり縫いを行うとともに、切込み部の縁を跨ぐように直閂部を形成することができ、歪みを生じるおそれが無く、かつ、ほつれを生じる心配の無いボタン穴かがり縫いを、容易に行うことができる。
【0098】また、上記中間メス駆動を行う際には、布切りメス7によりボタン穴を形成した後、直閂部を形成する前に、布開き手段21を駆動させて布開きをしない状態、即ち、被縫製物を閉状態にさせる。このため、直閂部を形成する際に、被縫製物が開かれていないので、直閂部の形成時に歪みを生じることがない。
【0099】さらに、図9に示すデータ設定処理で、中間メス駆動が設定された場合に、直閂部の有無を示すデータを参照し、直閂部が無い設定がなされている場合には、中間メス駆動ではなく、後メス駆動を設定するので、矛盾するデータが設定されることが無く、動作エラーや無用の混乱を避け、安定して使用できる。
【0100】なお、上記実施の形態においては、図9のステップS54及びステップS55に示す処理によって、中間メスが設定されていながら直閂部の縫いを行わないように設定がなされている場合は、布切りメス7の動作タイミングを後メス駆動として設定する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定されるデータは中間メスのまま、縫製時の動作のみを後メスと同様の動作に変更するものとしても良く、その他、ボタン穴かがりミシンの各部の細部構成についても適宜変更可能であることは勿論である。また、上記実施例では、鳩目ボタン穴かがりミシンについて述べたが、鳩目ボタン穴を形成せずに、直線部、閂止め部のみに縫い目を形成するボタン穴かがりミシンについても、同様な効果が得られることは勿論である。
【0101】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ボタン穴が形成される前に直線部を形成するので、直線部に歪みを生じる恐れが無く、また、ボタン穴の形成後に閂止め部を形成するので、ボタン穴の縁を跨ぐように閂止め部の縫い目を形成できる。このため、ほつれや歪みを生じることのない、美しいボタン穴かがり縫い目を容易に形成できる。
【0102】請求項2記載の発明によれば、布開き手段によって布が開状態にされて直線部や鳩目部の縫い目が形成された後、閂止め部の縫い目が形成される際には、布は閉状態となっており、ボタン穴の広がりを防止することができ、閂止め部の縫い目に歪みを生じるおそれがない。このため、より美しいボタン穴かがり縫い目を容易に形成することができる。
【0103】請求項3記載の発明によれば、先メス駆動と、後メス駆動と、中間メス駆動とのいずれかを設定することができるので、予め所望のメス駆動タイミングを設定することで容易に美しいボタン穴かがり縫い目を形成できる。また、閂止め部の有無とメスの駆動タイミングの設定とが一致しない場合は、自動的に後メス駆動の動作を実行させるので、人為的なミス等により一致しない設定が行われても、作業を速やかに進行させることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013