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発明の名称 スプレッダー天秤の糸案内装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−137575(P2001−137575A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−326253
出願日 平成11年11月17日(1999.11.17)
代理人
発明者 中島 穂純
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】主軸に連動して上下動する針棒と、前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの糸案内の糸穴を上下にずらして配置し、前記スプレッダー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通したことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
【請求項2】請求項1記載のスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの糸案内は単一の糸案内部材よりなることを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
【請求項3】請求項2記載のスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記糸案内部材には前記2つの糸穴に加え、該2つの糸穴とは上下位置の異なる糸穴を1つ又は2つ以上形成したことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
【請求項4】主軸に連動して上下動する針棒と、前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの糸案内を、それぞれの糸案内と前記スプレッダー天秤との間の水平距離が異なるように配置し、前記スプレッダー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通したことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は飾り縫いにおける上飾り糸の糸取り制御を行う天秤(スプレッダー天秤)の糸案内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飾り縫いを行うことができるミシンとして例えば偏平縫いミシンが知られている。図16にこのような偏平縫いミシンへ、従来例によるスプレッダー天秤の糸案内装置を組み込んだ斜視図を示す。図17は図16の糸案内装置の拡大斜視図である。この偏平縫いミシン2は、ミシン主軸(不図示)の回転に連動して上下動する複数本の縫針4と、ミシン主軸の回転に連動して被縫製布裏面側で揺動するルーパ(不図示)と、ミシン主軸の回転に連動して被縫製布表面側で縫製方向と直交する方向に揺動するスプレッダー6とにより飾り縫いを行う。
【0003】回転するミシン主軸に連動して上下動する針棒8の上端には針糸に作用して糸取り動作を行う針棒天秤12が固定され、針棒8の下端には複数本の縫針4が固定されている。針棒8には更に上飾り糸32用のスプレッダー天秤14が固定されており、ミシンアーム部10にはこのスプレッダー天秤14を挟み込むようにしてスプレッダー糸案内部材16が取付けられている。各針糸24は糸調子28より、糸案内30、糸案内31、針棒天秤12等を経て対応する縫針4に通されている。また、上飾り糸32は、糸巻き26より、糸調子28、スプレッダー糸案内部材16、糸調子34等を経て、スプレッダー6に至る。スプレッダー6は図示しない機構により、針棒8が上昇する時に図の左方向へ移動し、針棒8が下降するときに図の右方向へ移動するように構成されている。また、スプレッダー6が左方向へ移動する途中でその先端に形成された爪6aによって上飾り糸32を捕捉して最左方へ移動する。捕捉された上飾り糸32は、スプレッダー6が右方向へ移動する途中で爪6aから外れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例によるスプレッダー天秤の糸案内装置は、スプレッダー天秤14が上死点側にあるとき、上飾り糸32の糸引き出しを全く行わない。このため、後述するような問題点が生じる。
【0005】図18は従来例による糸案内装置を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死点における正面図である。(A)に示すように、スプレッダー天秤14が糸穴18a,20aよりも上方にあるときはこれら両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さは一定となり、両糸穴18a,20a間の距離dに等しい。(B)に示すように、スプレッダー天秤14が糸穴18a,20aよりも下方にあるときはこれら両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さは両糸穴18a,20a間の距離dより長い。
【0006】図19は上記従来技術におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,20a間の距離dを差し引いた長さLxである。このLxが増加するとスプレッダー天秤14による糸引き締め及び糸引き出し作用が行われ、減少すると糸たるみ或いは糸緩め作用が行われる。
【0007】図16において、スプレッダー6の先端の爪6aによって捕捉された上飾り糸32は、主軸回転角が0度となって縫針4が最上方に移動した時、ほぼ左端側に移動する。その後縫針4が下方に移動するとスプレッダー6は右側に移動し、スプレッダー6の先端の爪6aから上飾り糸32が外れることによって飾り縫いが形成されるようになっている。この時、上飾り糸32に張力が掛かっている状態では、スプレッダー6の先端の爪6aから外れにくい。図19からも明らかなように従来のスプレッダー天秤は上死点側にあるとき、上飾り糸32の糸引き出しを全く行わない。このため、上死点から下死点に向う途中、スプレッダー天秤14による糸緩め作用が行われず、爪6aから上飾り糸32が抜けにくくなり、このために安定した縫目形成が得られない。
【0008】また、仮に上記従来技術において、スプレッダー天秤14へ糸穴14aを形成し、上飾り糸32をこの糸穴14aに通した場合でも、次の理由により適正な縫目形成が行えない。図20は糸穴14aへ上飾り糸32を通した場合の糸案内装置の正面図であり、(A)は上死点における糸案内装置の正面図、(B)は下死点における糸案内装置の正面図である。図21はこの場合におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフである。スプレッダー天秤14の上下運動量は針棒8と同じ上下運動量であるため、図21に示すようにスプレッダー天秤14が上方及び下方に位置するとき上飾り糸32が強く引き締められ、その他の位置では上飾り糸32がたるみ過ぎてしまい、このため適正な縫目形成が行えないのである。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、上死点から下死点に向う途中、スプレッダー6の爪6aから上飾り糸32が抜けやすいように上飾り糸32をたるませることができ、安定した縫目形成が得られるスプレッダー天秤の糸案内装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するため本発明によれば、主軸に連動して上下動する針棒と、前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの糸案内の糸穴を上下にずらして配置し、前記スプレッダー天秤に糸穴を形成し、前記2つの糸案内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通したことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置が提供される。2つの糸案内の糸穴を上下にずらして配置することにより、上死点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが与えられる。
【0011】前記2つの糸案内は、例えば、単一の糸案内部材よりなる。単一の糸案内部材によれば、糸の特性に応じた糸取り量の調整がより容易である。この糸案内部材には前記2つの糸穴に加え、該2つの糸穴とは上下位置の異なる糸穴を1つ又は2つ以上形成することができる。この場合、上飾り糸を案内する糸穴を適宜選択することにより、使用する糸の特性に応じた糸取り曲線を得ることができる。
【0012】また本発明によれば、主軸に連動して上下動する針棒と、前記針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤と、前記スプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内と、を備えるスプレッダー天秤の糸案内装置において、前記2つの糸案内を、それぞれの糸案内と前記スプレッダー天秤との間の水平距離が異なるように配置し、前記スプレッダー天秤へ糸穴を形成し、前記2つの糸案内間の上飾り糸を前記スプレッダー天秤の糸穴へ通したことを特徴とするスプレッダー天秤の糸案内装置が提供される。それぞれの糸案内と前記スプレッダー天秤との間の水平距離が異なるように配置することにより、上死点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが与えられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置の第1実施形態が組み込まれた偏平縫いミシンの斜視図、図2は図1の糸案内装置の拡大斜視図である。この偏平縫いミシン2は、縫製布支持面3上に被縫製布(不図示)を載置し、ミシン主軸(不図示)の回転に連動して上下動する複数本の縫針4と、ミシン主軸の回転に連動して被縫製布裏面側で揺動するルーパ(不図示)と、ミシン主軸の回転に連動して被縫製布表面側で縫製方向と直交する方向に揺動するスプレッダー6とにより飾り縫いを行うミシンである。
【0014】偏平縫いミシン2にはミシン主軸の回転に連動して上下動する針棒8がミシンアーム部10の上下に貫通して設けられている。針棒8の上端には針棒天秤12が固定され、下端には複数本の縫針4が取付けられている。この縫針4は縫針固定ブロック5を介して針棒8へ固定されている。針棒8には更に針棒天秤12と縫針4の間においてスプレッダー天秤14が固定されている。
【0015】スプレッダー6は図示しない機構により、針棒8が上昇する時に図の左方向へ移動し、針棒8が下降するときに図の右方向へ移動するように構成されている。また、後述するようにスプレッダー6は左方向へ移動する途中でその先端に形成された爪6aによって上飾り糸32を捕捉した後、最左方へと移動する。捕捉された上飾り糸32は、スプレッダー6が右方向へ移動する途中で爪6aから外れる。
【0016】スプレッダー糸案内部材16はスプレッダー天秤14を挟み込むようにして配置される左右の糸案内片18,20と、この糸案内片18,20と一体的に形成された固定片22とから構成される。左右の糸案内片18,20にはそれぞれ糸穴(糸案内)18a,20aが形成され、固定片22には長穴22aが形成されている。スプレッダー糸案内部材16は、図示しないねじを長穴22aへ通すことによりミシンアーム部10へ、その上下位置を調節可能なように取付けられる。本実施の形態によるスプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20aは上下方向にずらして配置されている。すなわち、右側の糸穴20aが左側の糸穴18aよりも高い位置に形成されている。また、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20a間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通されている。
【0017】各針糸24は糸巻き26から糸調子28、糸案内30、糸案内31、針棒天秤12等を経て対応する縫針4に通されている。糸案内31は、針棒天秤12が上死点位置にあるときの糸案内31から針棒天秤12に至る針糸経路がほぼ水平となるように配置されている。
【0018】上飾り糸32は、糸巻き26より引き出され、糸張力を設定する糸調子28を通り、スプレッダー糸案内部材16により糸経路長さを変えられ且つ糸取り量を調整された後、糸調子34、縫針固定ブロック5に取付けられた糸案内36、図示しない部品によりミシンアーム部10に取り付けられた糸案内38を経てスプレッダー6に至る。スプレッダー天秤14の左右両側に位置する糸穴18a,20aは、スプレッダー天秤14が作用する上飾り糸32の糸経路を規定する。
【0019】次に以上の構成を有するスプレッダー天秤の糸案内装置の動作を説明する。図3は本実施の形態の糸案内装置を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死点における正面図である。スプレッダー天秤14が糸穴18a,20aを結ぶ直線L上に位置するときは両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さは最短となり、両糸穴18a,20a間の直線距離L1に等しい。
【0020】図4は本実施の形態におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L1を差し引いた長さLxである。このLxの値が増加するとスプレッダー天秤14により上飾り糸32が引締められ、減少するとたるむ。
【0021】図5及び図6は縫針4の上下動とスプレッダー6の動きを示す斜視図であり、図5(A)、図5(B)、図6(A)、図6(B)の各図はそれぞれ図4に参照符号5A〜6Bで示す主軸回転角における状態を示す。即ち、図5(A)は主軸回転角が180度を少し超え、縫針4が下死点から上昇を始めた時点の状態であり、図5(B)は主軸回転角が360度の少し手前で縫針4が上死点の直前の位置まで上昇した時点の状態であり、図6(A)は縫針4が上死点と下死点のほぼ中間の位置まで下降した時点の状態であり、図6(B)は縫針4が下死点の直前まで下降した時点の状態である。なお、縫製布支持面、各針糸、被縫製物は図示を省略してある。
【0022】図5(A)(B)に示すように、縫針4が上方に移動する時、スプレッダー6は左側に移動し、上飾り糸32はこの移動の途中でスプレッダー6の先端の爪6aによって捕捉され、左側に移動する。このように縫針4が上方に移動する時、図3(A)に示すようにスプレッダー天秤14も上方に移動し、上飾り糸32は糸巻き26より引き出される。また、図5(A)に示す状態でスプレッダー6の爪6aにより上飾り糸32が捕捉されるが、この時に上飾り糸32に適度な張力が付与されていなければスプレッダー6は上飾り糸32を捕捉できずに通過してしまうことがある。しかしながら図4に示されるように上死点付近ではLxが増加しているので上飾り糸32を引締めることができる。従って、スプレッダー6の先端の爪6aに上飾り糸32を確実にセットすることができる。
【0023】図6(A)(B)に示すように、縫針4が下方に移動する時、スプレッダー6は右側に移動する。この時図3(B)に示すように、スプレッダー天秤14は下方に移動する。スプレッダー糸案内部材16の糸穴18a,20aが上下にずれているため、図4から明らかなように、スプレッダー天秤14が上死点付近に位置しているときはLxが増加しているので上飾り糸32を適度に締め上げおり、スプレッダー天秤14が上死点から下降するに従ってLxが減少してゆくので上飾り糸32に適正なたるみを与えることができる。従って、スプレッダー6の先端の爪6aから上飾り糸32が外れやすくなる。
【0024】以上のように、本実施の形態によるスプレッダー天秤の糸案内装置は、針棒8が上方のときと下方のときに上飾り糸32を適度に締め上げ、その他の状態は、適度にたるませた状態となり、安定した上飾りの縫目が得られる。
【0025】次に図7〜図10に基づいて本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置の第2実施形態を説明する。図7は本実施の形態の斜視図である。この実施の形態は、スプレッダー糸案内部材16の穴を3個以上形成するものであり、図示した例では、糸巻き26側に1つの糸穴20a、スプレッダー6側に2つの糸穴18a,18bを形成している。
【0026】図8及び図9は本実施形態の糸案内装置の正面図である。第1の実施の形態の場合と同様に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20aの間(図9の場合は糸穴18b,20aの間)の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通されている。図8はスプレッダー側に形成された2つの糸穴18a,18bのうちの下方の糸穴18aを用いた例を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死点における正面図である。スプレッダー天秤14が糸穴18a,20aを結ぶ直線L上に位置するときは両糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さは最短となり、両糸穴18a,20a間の直線距離L2に等しい。
【0027】図9はスプレッダー側に形成された2つの糸穴18a,18bのうちの上方の糸穴18bを用いた例を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死点における正面図である。スプレッダー天秤14が糸穴18b,20aを結ぶ直線L上に位置するときは両糸穴18b,20a間の上飾り糸32aの長さは最短となり、両糸穴18b,20a間の直線距離L3に等しい。
【0028】図10は本実施の形態におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸の回転角である。また、縦軸は図8の場合は糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L2を差し引いた長さLx、図9の場合は糸穴18b,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18b,20a間の直線距離L3を差し引いた長さLxである。図8の場合の糸取り曲線は破線で示され、図9の場合の糸取り曲線は実線で示される。このように、上飾り糸32を通すスプレッダー6側の糸穴18a,18bを替えただけで糸取り曲線を変えることができ、糸の特性に応じて糸穴18a,18bを選択することができる。例えば上飾り糸32が伸縮性に富む場合には図10の実線で示される糸取り曲線が、伸縮性の少ない場合には図10の破線で示される糸取り曲線の方が好ましい。
【0029】図11は本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置の第3実施形態を示し、(A)は上死点における正面図、(B)は下死点における正面図である。この実施の形態は、スプレッダー天秤14に対してスプレッダー糸案内部材16の左右糸穴の振り分けをずらしたものである。即ち、糸巻き26側の糸穴20aとスプレッダー天秤14との間の距離をl1、スプレッダー側の糸穴18aとスプレッダー天秤14との間の距離をl2とすると、図示した例ではl2>l1としている。第1実施形態の場合と同様に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20aの間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通されている。
【0030】図12は本実施の形態におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L4を差し引いた長さLxである。なお、同図の破線は第1実施形態の場合の糸取り曲線を示す。本実施の形態の場合の糸取り曲線は、下死点側のみが第1の実施の形態の糸取り曲線よりも上方にずれており、他は同じである。従って、下死点側においてスプレッダー天秤14による糸引き締め作用が第1実施形態の場合よりも大きい。
【0031】図13は本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置における、第4実施形態の正面図であり(A)は上死点における状態、(B)は下死点における状態を示す。この例は第3の実施形態の変形例であり、l2<l1とした例である。第1の実施形態の場合と同様に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20aの間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通されている。
【0032】図14は本実施の形態におけるスプレッダー天秤14の糸取り曲線を示すグラフであり、横軸は主軸の回転角、縦軸は糸穴18a,20a間の上飾り糸32aの長さから糸穴18a,20a間の直線距離L5を差し引いた長さLxである。なお、同図の破線は第1実施形態の場合の糸取り曲線を示す。本実施形態の場合の糸取り曲線は、上死点側のみが第1実施形態の糸取り曲線よりも上方にずれており、他は同じである。従って、上死点側においてスプレッダー天秤14による糸引き締め作用が第1実施形態の場合よりも大きい。
【0033】このようにスプレッダー天秤14に対してスプレッダー糸案内部材16の左右糸穴の振り分けをずらすことにより、上死点側又は下死点側のみスプレッダー天秤14による糸引きのタイミングを変化させることができ、糸の特性に応じて糸引きを変えることができる。
【0034】図15は本発明によるスプレッダー天秤の糸案内装置における、第5実施形態を示す。この実施の形態は、第1の実施の形態に対してスプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴20a、18aの上下位置を逆にして、右側の糸穴20aを左側の糸穴18aよりも低い位置に形成したものである。第1実施形態の場合と同様に、スプレッダー天秤14の先端付近には糸穴14aが形成され、スプレッダー糸案内部材16の左右の糸穴18a,20aの間の上飾り糸32aはこの糸穴14aへ通される。この実施の形態の場合も第1実施形態の場合と同様の効果が得られる。
【0035】以上、本発明を図面に示した実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施の形態には限定されず特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更可能である。例えば、図示した例では左右の糸案内片18,20を一体的に構成したスプレッダー糸案内部材16を長穴22aを用いてミシンアーム部10へ上下位置を調節可能に取り付けるものであるが、左右の糸案内片18,20を分離して独立させ、それぞれの上下位置を調節可能にミシンアーム部10へ取付けることができる。この場合には2つの糸穴18a,20aを第1、第2および第5の実施の形態と同様に配置することも可能となる。
【0036】また、第2の実施の形態として、スプレッダー糸案内部材16の糸巻き26側に1つの糸穴20a、スプレッダー6側に2つの糸穴18a,18bを形成した例を示したが、糸巻き26側に2つ或いはそれ以上の糸穴を形成してもよく、両側に2つ或いはそれ以上の糸穴を形成することもできる。更に、スプレッダー糸案内部材16を、その水平位置が調節可能にミシンアーム部10へ取付けることができる。或いは左右の糸案内片18,20を分離して独立させ、それぞれの水平位置を調節可能にミシンアーム部10へ取付けることができる。この場合には2つの糸穴18a,20aを第3および第4の実施形態と同様に配置することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤を挟んで配置される、2つの糸案内の糸穴を上下にずらして配置したので、上死点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが与えられる。従って、スプレッダーの爪から上飾り糸が確実に抜け、安定した縫目形成が得られる。
【0038】2つの糸案内は単一の糸案内部材より形成すると、使用する糸の特性に応じた糸取り量を容易に調整することができる。また、この糸案内部材に前記2つの糸穴に加え、該2つの糸穴とは上下位置の異なる糸穴を1つ又は2つ以上形成した場合、上飾り糸を案内する糸穴を適宜選択することにより、使用する糸の特性に応じた糸取り曲線を得ることができる。
【0039】また本発明によれば、針棒に取付けられこの針棒と共に上下動して上飾り糸の糸取り制御を行うスプレッダー天秤を挟んで配置される2つの糸案内を、それぞれの糸案内とスプレッダー天秤との間の水平距離が異なるように配置したので、上死点から下降する際にスプレッダー天秤により上飾り糸へ適度の糸たるみが与えられる。従って、スプレッダーの爪から上飾り糸が確実に抜け、安定した縫目形成が得られる。




 

 


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