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発明の名称 耐熱性カード
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−171274(P2001−171274A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−357393
出願日 平成11年12月16日(1999.12.16)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2C005
4F100
5B035
【Fターム(参考)】
2C005 HA07 HA17 JA08 KA02 KA03 KA61 MA07 MA11 MA15 MA19 PA03 PA04 QC12 
4F100 AK01A AK01B AK01C AK03A AK03C AK07A AK07C AK41A AK41B AK41C AK42A AK42C AK43A AK43C AK45A AK45C AK49A AK49C AK74A AK74C AL05A AL05C BA03 BA04 BA05 BA06 BA10A BA10C GB71 JA12A JA12C JA20A JA20C JJ03A JJ03C YY00A YY00C
5B035 AA07 AA08 BA05
発明者 鏡 利直 / 清水 剛宏
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プラスチックシート(A)よりも耐熱性が低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材の表裏両面を構成するオーバーシートは、プラスチックシート(A)からなり、前記表裏両面のオーバーシートにより被覆されているコアシートは、少なくともプラスチックシート(B)1枚からなると共にコアシートの厚み方向に対象な構造を有しているものであることを特徴とする耐熱性カード。
【請求項2】 耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プライマー層(A)よりも耐熱性が低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材全体の厚み中、前記プラスチックシート(A)が占める厚みの割合が0.1〜0.9であることを特徴とする耐熱性カード。
【請求項3】 耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プラスチックシート(A)よりも耐熱性の低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材の表裏両面を構成するオーバーシートは、プラスチックシート(A)からなり、前記表裏両面のオーバーシートにより被覆されているコアシートは、少なくともプラスチックシート(B)1枚からなると共にコアシートの厚み方向に対象な構造を有しており、かつ、前記カード基材の厚み中、前記プラスチックシート(A)が占める厚みの割合が0.1〜0.9であることを特徴とする耐熱性カード。
【請求項4】 前記プラスチックシート(A)および前記プラスチックシート(B)からなる2〜5枚のプラスチックシートから構成されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の耐熱性カード。
【請求項5】 前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、ポリプロピレン樹脂、非結晶性環状オレフィン系共重合体、ABS、ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、もしくはポリイミド樹脂から選ばれた樹脂のシートであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の耐熱性カード。
【請求項6】 前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、テレフタル酸と、エチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの2種類のジオール成分からなる非結晶ポリエステル樹脂のシートであることを特徴とする請求項5記載の耐熱性カード。
【請求項7】 前記ジオール成分が、エチレングリコール60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%からなることを特徴とする請求項6記載の耐熱性カード。
【請求項8】 前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の質量比が95/5〜5/95の混合樹脂のシートであることを特徴とする請求項6または7記載の耐熱性カード。
【請求項9】 前記耐熱性の高いプラスチックシートが、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の質量比が80/20〜20/80の混合樹脂のシートであることを特徴とする請求項8記載の耐熱性カード。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材に耐熱性が高いプラスチックシートを使用しながらも、耐熱性のみならず、エンボス加工適性をも備えたカードに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、銀行カード、クレジットカードを始めとして、多くのカードが用いられている。これらのカードの基材としては、種々のものが使用できるが、通常は、内側にコアシートと呼ばれる2枚の白色の厚いプラスチックシートを、コアシートの表裏の外側にオーバーシートと呼ばれる2枚の透明のプラスチックシートを配置し、オーバーシート、コアシート、コアシート、およびオーバーシートからなる合計4枚のプラスチックシートを互いに熱融着してカード基材としており、プラスチックとしてはポリ塩化ビニル樹脂が使用されている。
【0003】このように構成されたカード基材には、通常、磁気記録層やICモジュール等が情報記録手段として設けられており、ID手段等として利用されている。ところで、カードには磁気記録層やICモジュール等以外にも、様々な情報記録手段が設けられており、その一つにエンボス文字があり、カードを保持している顧客の氏名や、その顧客に固有の番号がエンボス加工により立体的に形成されており、特にクレジットカードを使用時には、対価を受け取る側が、カード上に伝票とカーボン紙とを重ねて、氏名や番号を写し取るのに使用されている。
【0004】ところで、従来のカードは、ポリ塩化ビニル樹脂を主体とする樹脂のシートを基材として構成されていることが多い。この理由は、ポリ塩化ビニル樹脂のシートが印刷やラミネートにおける接着性が適度にある上、エンボス加工によって文字等を形成することが容易であり、また十分とは言えないまでも、通常の環境では支障のない耐熱性を有しており、また、自己消炎性であって、難燃性である等の利点を有しているからである。
【0005】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂のシートを基材とするカードは、真夏の高温下等では変形する恐れがあり、読み取りや書き込みの支障となる上、携帯時にもかさばる欠点が避けられない。また、エンボス加工の際にもカード基材のカールが生じる恐れがある。このため、ポリ塩化ビニル樹脂のシートよりも耐熱性の優れたプラスチックのシートを用いることが試みられており、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む非結晶性のポリエステル樹脂に、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂をブレンドした樹脂等の耐熱性プラスチックシートが検討され始めている。
【0006】しかしながら、耐熱性プラスチックシートにおいては、耐熱性が高くなるにつれ、エンボス加工が困難になり、エンボス加工によって文字等を良好に形成することが次第に困難になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上記のように耐熱性プラスチックのシートを用いてカード基材を構成したときに、耐熱性とエンボス加工適性とが相反する欠点を解消し、高温下やエンボス加工時にも変形しない耐熱性と、エンボス加工適性とを兼ね備えた基材を有するカードを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明においては、上記の課題を、少なくともカード表面のオーバーシートは耐熱性の高いプラスチックのシートで構成し、コアシートを通常のプラスチックのシートを含んで構成することにより解決した。
【0009】第1の発明は、耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プラスチックシート(A)よりも耐熱性が低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材の表裏両面を構成するオーバーシートは、プラスチックシート(A)からなり、前記表裏両面のオーバーシートにより被覆されているコアシートは、少なくともプラスチックシート(B)1枚からなると共にコアシートの厚み方向に対象な構造を有しているものであることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第2の発明は、耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プライマー層(A)よりも耐熱性が低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材全体の厚み中、前記プラスチックシート(A)が占める厚みの割合が0.1〜0.9であることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第3の発明は、耐熱性の高いプラスチックシート(A)、および前記プラスチックシート(A)よりも耐熱性の低いプラスチックシート(B)の2種類のシートの積層体をカード基材としており、前記カード基材の表裏両面を構成するオーバーシートは、プラスチックシート(A)からなり、前記表裏両面のオーバーシートにより被覆されているコアシートは、少なくともプラスチックシート(B)1枚からなると共にコアシートの厚み方向に対象な構造を有しており、かつ、前記カード基材の厚み中、前記プラスチックシート(A)が占める厚みの割合が0.1〜0.9であることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明において、前記コアシートが、前記プラスチックシート(A)および前記プラスチックシート(B)からなる2〜5枚のプラスチックシートから構成されていることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第5の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、ポリプロピレン樹脂、非結晶性環状オレフィン系共重合体、ABS、ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、もしくはポリイミド樹脂から選ばれた樹脂のシートであることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第6の発明は、第5の発明において、前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、テレフタル酸と、エチレングリコールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールの2種類のジオール成分からなる非結晶ポリエステル樹脂のシートであることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第7の発明は、第6の発明において、前記ジオール成分が、エチレングリコール60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%からなることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第8の発明は、第6または第7いずれかの発明において、前記耐熱性の高いプラスチックシート(A)が、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の質量比が95/5〜5/95の混合樹脂のシートであることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。第9の発明は、第8の発明において、前記耐熱性の高いプラスチックシートが、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の質量比が80/20〜20/80の混合樹脂のシートであることを特徴とする耐熱性カードに関するものである。
〔発明の詳細な説明〕
【0010】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材に耐熱性が高いプラスチックシートを使用しながらも、耐熱性のみならず、エンボス加工適性をも備えたカードに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の耐熱性カード1の構造を示すための平面図であって、このカード1においては、カード基材2上に磁気ストライプ(または磁気記録層とも言う)3、ICモジュール4、文字印刷部5、およびエンボス加工による浮き出し文字6等を備えたものである。ICモジュール4は、ICチップ、端子、あるいはアンテナ等を樹脂でモールドしたものである。浮き出し文字6はカード毎の固有な番号、保持者(=契約者)の氏名、有効期限等の情報を示したものである。図示以外にも、カード基材2には、適宜な印刷が施されていたり、これら以外の情報記録手段が備えられていてよい。
【0012】図2〜図4は、カード1の断面図で、カード基材2は、上面側から、オーバーシート21、コアシート22および22’、およびオーバーシート21’の4枚のシートが順に積層した構造を有している。通常、オーバーシート2a、および2bは、透明プラスチックシートで構成され、コアシート2b、および2b’は、二酸化チタン等を練り込んだ隠蔽性プラスチックシートで構成される。
【0013】図2におけるような、2枚のオーバーシート、および2枚のコアシートからなる4層の積層構造は、一般的な銀行カードやクレジットカードにおいて、よく普及している構造である。このような構造とすることにより、コアシートの外面に印刷を行なっておけば、印刷面をオーバーシートで被覆して保護することができ、表裏に異なる印刷を施すことが容易であるが、オーバーシートの枚数もしくはコアシートの枚数を増減して、4層以外の構造とすることもできる。一般的には、オーバーシートは、コアシート表面に施された印刷を保護する意味で、厚み50μm程度の透明プラスチックシートで構成するのが普通であるため、コアシートを1〜5層程度、より好ましくは2〜5層程度の多層構造とすることが好ましい。一般に、カード基材2においては、厚み方向の中心を含み、カードの面方向に平行な面を想定したとき、その面に対して対象になる積層構造とすることにより、カード基材2、ひいてはカード1のカールを防止しやすい。その意味で、図2においては、2枚のオーバーシート21、および21’どうしの厚みは等しく、2枚のコアシート22、および22’どうしの厚みも等しくすることにより、2枚のコアシート22、および22’の積層される面に対して、対象な構造とすることができる。
【0014】図2に示すカード1においては、ICモジュール4は、カード1の上面から、上方のオーバーシート21および上方のコアシート22を貫通し、ただし、下方のコアシート22’の下側を残して形成された、全体としてはカード1に貫通していない凹部7に装着され、ICモジュール4の上面とカード基材の上面とは、連続した一つの平面を形成するよう構成されている。コアシート2b’の下側が切削されていないので、カード1を下面側から眺めると、ICモジュール4よりも手前に、オーバーシート2a’とコアシート2b’の残った部分とがあるため、ICモジュール4の下面側からの隠蔽と保護がより確実になる。また、図2において、磁気ストライプ3はオーバーシート21の上面に埋め込まれた状態を示している。
【0015】図2中で、装着されたICモジュール4は、その底部の下面に接着剤を適用する等して、カード基材2に固着されている。接着剤は、さらに、ICモジュール4の上方のつば部分の下面等に適用してもよい。接着剤としては、例えば、比較的低温で接着性のでるホットメルト型接着剤を用いるとよい。
【0016】図3および図4は、カード基材2を構成するプラスチックシートの枚数を変更したものであって、図3では3枚のシート22、23、および22’とからなっている。このような3枚の構成の場合、最も上のシート22と最も下のシート22’とは、材質を同一とし、厚みも同じにすることが望ましい。ただし、中間のシート23は、ほかの2枚のシートと材質または/および厚みが相違していてもよい。
【0017】図3においては、カード基材2は4枚のシート22、23、23’および22’とからなっている。この場合も、最も上のシート22と最も下のシート22’とは、材質を同一とし、厚みも同じにすることが望ましく、また、中間の互いに接する2枚のシート23と23’とは、材質を同一とし、厚みも同じにすることが望ましただし、最も上および最も下のシートと、中間の2枚のシート23および23’とは、材質または/および厚みが相違していてもよい。
【0018】本発明において、カード基材は、耐熱性の高いプラスチックシート(A)として、耐熱性樹脂を配合したプラスチックシートを使用し、耐熱性の低いプラスチックシート(B)として、耐熱性樹脂を配合しないプラスチックシートを使用し、両者を組み合わせて積層してあることが好ましい。
【0019】耐熱樹脂を配合したプラスチックシートとしては、耐熱性のある、ポリプロピレン樹脂、非結晶性環状オレフィン系共重合体、ABS、ポリエステル樹脂(中でも非結晶性ポリエステル樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂もしくはポリイミド樹脂の単独もしくはこれらの樹脂どうし、あるいはこれらの樹脂とこれら以外の樹脂とのブレンド樹脂からなるシートを使用することが好ましい。これら以外の樹脂としては、上記以外のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好ましい例である。
【0020】上記の耐熱性のある樹脂のうちでも、非結晶性ポリエステル樹脂は、耐熱性を有するのみならず、エンボス加工にも適しているので、より好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂の「非結晶性」とは、再度加熱処理を行っても再結晶化による物性低下を起こさず、後に述べる結晶性成分のブレンドによるものを除き、結晶性成分を持たない物を指す。なお、結晶性とはJIS K7121に準拠し測定し、示差熱分析装置を用い、毎分10℃の昇温速度で、30℃から280℃まで昇温し、その後、毎分10度の降温速度で30℃まで冷却し、再度、上記と同じ昇温速度で昇温させた際に融解ピークが生じないものを非結晶性と称する。
【0021】非結晶性ポリエステル樹脂シートは、好ましくは、ガラス転移点が35〜100℃の非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、この樹脂は、加熱時の成形性が優れており、成形によって、所定の形に変形した後、変形の戻りが少ない利点がある。
【0022】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シートは、ガラス転移点が上記の下限値未満であると、シートの熱安定性が悪くなり、逆にガラス点移転が高くなると、シートの成形性が悪くなる傾向がある。従って、ガラス転移点としては、35〜100℃、好ましくは50〜95℃、より好ましくは、65〜95℃である。
【0023】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シートにおける、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂としては、例えばジカルボン酸として、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸、更に必要であれば、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体を用い、ジオールとしてエチレングリコール、更に必要であれば、ブタンジオール等のアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の芳香族ジオール、およびそれらの誘導体を用いて、製造することができる。
【0024】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂としては、より好ましくは、ジオール成分が2種類以上のものから構成されるものであり、最適には、そのジカルボン酸分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリコール50〜99モル%、および1,4−シクロヘキサンジメタノール1〜50モル%であるものがよい。とくに、エチレングリコール60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%のものがなおよい。
【0025】具体的な非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂で市販品としては、イーストマンコダック社製の商品名;KODAR PETG6763(ジカルボン酸成分;テレフタル酸、ジオール成分;エチレングリコール70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール30重量%)を利用することができる。
【0026】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シート中には、その性能を損なわない範囲で、そのほかの樹脂、例えば結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、難燃剤、もしくは無機微粒子等の各種添加剤が配合してあってもよい。
【0027】非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂シート中に配合する他の樹脂の中でも、特に興味深いものとして、芳香族ポリカーボネートがある。芳香族ポリカーボネートとしては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、もしくは4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルの1種もしくは2種以上を主原料とするもので、特にビスフェノールAを主原料として製造されたポリカーボネート樹脂を使用することがガラス点移転が高く、耐熱性を向上させる点で好ましい。非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂と上記ポリカーボネート樹脂とは、各々の質量比で、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂/上記ポリカーボネート樹脂=95/5〜5/95が好ましく、より好ましくは、80/20〜20/80である。
【0028】なお、本発明において、耐熱性樹脂の高いプラスチックシート(A)と耐熱性の低いプラスチックシート(B)とは、原則的には、上記のような耐熱性樹脂を含むものと含まないものとを使い分けるが、耐熱性は相対的なものであるので、耐熱性樹脂を配合したプラスチックシートであっても、相対的には、耐熱性の異なる組み合わせを選ぶことができる。
【0029】上記の種々の樹脂をカード基材2とするときは、二酸化チタンを始めとする隠蔽性の高い充填剤を配合した隠蔽性プラスチックシートと、充填剤を配合しないか、もしくは透明性を損なわない範囲で配合した透明プラスチックシートを所定の厚みで準備し、各々を用いて積層する。このほか、添加剤としては、ハロゲン系化合物、リン化合物、もしくは無機系化合物等の難燃剤を配合することが好ましい。隠蔽性プラスチックシートおよび透明性プラスチックシートの厚みは、任意に選択できるが、一般的に言って、コアシートに使用する隠蔽性プラスチックシートの厚みは、100μm〜1mm、透明性プラスチックシートの厚みは20μm〜150μmの間とすることが好ましい。
【0030】本発明におけるように、耐熱性の高いプラスチックシート(A)と、耐熱性がそれよりも低いプラスチックシート(B)とを組み合わせるとき、使用する各々のシートの厚みの比が同じでも、各々をカード基材のどの位置に使用するかにより、熱的な挙動が異なり、耐熱性の高いプラスチックシート(A)を最も外側、即ち、表裏に両面に配置することが好ましいことが判明している。理由は、必ずしも明らかではないが、カード基材のカールを最大の欠点と考えるケースでは、加温状態でのカールに対する抵抗性の違いが生じるからであると推定される。即ち、カード基材2を折り曲げようとすると、折り曲げ部の外側の部分ではシートが伸びる必要があり、内側の部分ではシートが縮む必要があるが、表裏が耐熱性の高いプラスチックシート(A)である場合の方が、耐熱性がそれよりも低いプラスチックシート(B)で表裏を構成したときよりも、同じ温度において、軟化が進んでいないため、伸縮に対する抵抗が大きいことにより、カールが生じにくいものと考えられる。
【0031】後に実施例においても述べるように、耐熱性の高いプラスチックシート(仮に「高」と略す)と耐熱性の低いプラスチックシート(仮に「低」と略す、なお、次記において( )内は厚み(μm)を意味し、「/」は、その前後のものが積層されていることを意味する。)とを、例えば、(1);高(200)/低(400)/高(200)、および(2);低(200)/高(400)/低(200)、の二通りの積層体を熱融着により構成して耐熱性を調べると、耐熱性の高いプラスチックシート(A)と、耐熱性がそれよりも低いプラスチックシート(B)との使用比率は、いずれにおいても同様であるにもかかわらず、(1)の方が耐熱性が高い。従って、本発明においては、耐熱性の高いプラスチックシート(A)を外側に配置することが望ましい。
【0032】前にも述べたように、カード基材2においては、オーバーシート21、および21’をいずれも同じ厚み(50μmであることが多い。)の透明プラスチックシートで構成することが多いので、少なくとも両オーバーシート21、および21’は耐熱性の高いプラスチックシートであることが望ましい。
【0033】コアシートを複数のプラスチックシートで構成するときは、カード基材2のエンボス加工性を確保する意味で、そのうちの少なくとも1枚は、耐熱性の低いプラスチックシート(B)で構成することが望ましい。また、カード基材2において、両オーバーシート21、および21’により覆われているコアシートは、1枚のプラスチックシートで構成されているときを除き、構成している各層の材質および厚みが、カード基材2の厚み方向において対象であることが望ましい。
【0034】従って、前記したように、耐熱性の高いプラスチックシートを「高」、耐熱性の低いプラスチックシートを「低」と表記すると、コアシートが合計2枚のシートからなる2枚構成のときは、低/低の構成、3枚構成のときは、高/低/高、低/高/低、もしくは低/低/低の構成が望ましい。4枚構成のときは、高/低/低/高、低/高/高/低、もしくは低/低/低/低の構成が望ましい。さらに、5枚構成のときは、高/低/低/低/高、低/高/高/高/低、高/低/高/低/高、もしくは低/高/低/高/低の3:2(あるいは2:3)の構成、高/高/低/高/高、低/低/高/低/低の4:1(あるいは1:4)の構成、もしくは低/低/低/低/低の構成が望ましい。
【0035】上記の各構成のうち、カード基材2の中心部に耐熱性の低いプラスチックシートを配置するのが望ましい観点からは、コアシートが3枚構成のときは、高/低/高、もしくは低/低/低の構成、4枚構成のときは、高/低/低/高、もしくは低/低/低/低の構成が望ましい。さらに、5枚構成のときは、高/高/低/高/高、高/低/低/低/高、もしくは低/低/低/低/低の構成が好ましい。
【0036】即ち、コアシートが2枚以上の複数枚の構成であるときは、最も内の2枚、最も内側の4枚、最も内側の6枚のように、最も内側の2枚を含んで、連続して、耐熱性の低いプラスチックシートがあることが望ましく、また、コアシートが3枚以上の奇数枚の構成であるときは、最も内側の3枚、最も内側の5枚、最も内側の7枚のように、最も内側の1枚を含んで、連続して、耐熱性の低いプラスチックシートがあることが望ましい。
【0037】上記の種々の構成は各プラスチックシートの厚みによっても、異なるので、より現実的には、次のような方針で定めるとよい。まず、両オーバーシートは、現状の厚みの標準である50μm前後とし、耐熱性の高いプラスチックシートで構成する。コアシートは、現在の標準では360μmのシートを2枚使用しているため、例えば、50μm、100μm、150μm、200μm、もしくは250μm等の厚みのものを組み合わせて700μm前後の厚みとする。コアシートは、例えば5枚構成とするときは、高/低/高/低/高のように1枚置きに、耐熱性の高いプラスチックシートと耐熱性の低いプラスチックシートとを重ねることも可能だが、この場合でも、「低」を中心の1枚、もしくは中心の3枚のようにまとめる。
【0038】上記の方針に従って、種々の組み合わせを検討した結果、カード基材2全体の厚み中、耐熱性の高いプラスチックシート(A)の厚みが占める割合が、0.1〜0.9であることが好ましいことが判明した。耐熱性の高いプラスチックシート(A)の厚みが占める割合が、0.1未満であると、耐熱性の向上効果がなく、また0.9を超えると、耐熱性はあるが、カード基材として必要なエンボス加工適性が不十分になるからである。
【0039】なお、カード基材2を構成する隠蔽性プラスチックシートおよび透明性プラスチックシートは、各々のプラスチックシートの延伸方向が直交すように積層してあることがカール防止の観点から好ましい。
【0040】カード基材2には、一般的なカードを作成するに当たって通常行なう、様々な加工が施してあってもよい。まず、文字、絵柄としては、(1)カードの発行元の商号、カードの名称、又は会員に配付されるものであれば会の名称等、地紋、キャラクター、(2)カードのリーダーライターへの挿入方向を示すための矢印等のマーク、および(3)利用に関する一般的な注意書き等が、カード表面又は裏面に形成される。
【0041】カード基材2には、磁気記録層やICモジュール以外に、公知の様々な情報記録手段を任意に選択して設けてもよい。公知の情報記録手段としては、(4)ホログラムや回折格子、(5)カード保持者が署名するための筆記しやすい材料で構成された筆記性層、(6)レーザ光での記録可能な光記録層、(7)昇華転写や写真の貼り付けによる画像、もしくはそれらの形成可能な区域、等である。
【0042】
【実施例】(実施例)耐熱性の高いプラスチックシート(A)として、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分がエチレングリコール70重量%と1,4−シクロヘキサンジメタノール30重量%とからなる非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂50重量%と、ビスフェノールAを主原料として製造されたポリカーボネート樹脂50重量%からなる混合樹脂から成膜された耐熱性ポリエステル樹脂シートを準備した。また、プラスチックシート(A)よりも、耐熱性の低いプラスチックシート(B)として、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂にポリカーボネート樹脂を配合せずに成膜されたポリエステル樹脂シートを準備した。
【0043】以上の2種類のプラスチックシートを厚みを変えて作成し、ただし、コアシートのみは50μmのプラスチックシート(A)とし、種々の組み合わせで、クレジットカードサイズのカード基材を作成した。
【0044】得られたカード基材をクレジットカード用のエンボス機(データカード社製、DC9000)でJIS X 6301で規定されるエンボス高さ0.40〜0.48mmが得られるよう加熱エンボスを行ない、水平な定盤の上に、上に凸になるように置き、カード基材部の最高部の定盤からの高さ(mm)を計測することにより、エンボス時のカールを測定した。また、得られたカード基材を、水平面上に垂直面を設置して構成した支え治具の水平面と垂直面に、両短辺が接するようにして、カード基材の長辺方向と水平面との角度が45±3°の角度で立てかけた状態で、90℃の雰囲気で6時間放置し、その後、同じ状態で常温(23±3℃)で1時間放置したものを、エンボス時のカールと同様にして測定することにより、耐熱試験時のカールを測定した。
【0045】次記「表1」に、カード基材の層構成を示す。「表1」中、プラスチックシート(A)を「高」と、また、プラスチックシート(B)を「低」と表現し、厚み(単位;μm)を数字で示す。また、耐熱性の高いプラスチックシート(A)の割合を、高/(高+低)の項目で示す。また、続く「表2」に、各々の試料を用いたときのエンボス時のカールおよび耐熱試験時のカールを測定した結果、並びに総合評価として両者の数値の和を示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】いずれのカード基材もエンボス加工の適性を有し、さらに、以上の評価によれば、耐熱性の高いプラスチックシートが表裏にある試料1〜3のものが、総合的に見て、変形が少なく、耐熱性が優れており、温度環境の厳しい場所での使用に特に適している。また試料4〜6のものは、総合評価では試料1から3のものより変形が多く、評価結果としては低かったが、十分使用可能であり、温度環境が若干ゆるやかな場所、用途で使用可能である。
【0049】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、耐熱性の高いプラスチックシートとそれよりも耐熱性が低いプラスチックシートとを併用し、かつ厚み方向に対象な構造のカード基材を構成したので、耐熱性があり、かつエンボス加工の適性を有する耐熱性カードを提供できる。請求項2の発明によれば、耐熱性の高いプラスチックシートがカード基材中に占める厚みの割合を規定したので、エンボス加工の適性を維持しながら耐熱性を高くとれる耐熱性カードを提供できる。請求項3の発明によれば、請求項1及び請求項2の両発明の要件を兼ね備えているので、両者の効果を共に生じることのできる耐熱性カードを提供できる。請求項4の発明によれば、コアシートに印刷等の加工を施すのに便利であり、また、種々の素材や厚みのプラスチックシートを用いて、エンボス加工適性と共に所望の耐熱性を備えた耐熱性カードを提供できる。請求項5の発明によれば、耐熱性の高いプラスチックシートの素材を限定したので、取り扱いやすく、入手しやすい素材を用いて構成した耐熱性カードを提供できる。請求項6の発明によれば、耐熱性の高いプラスチックシートを非結晶ポリエステル樹脂で構成したので、耐熱性を有しながらもエンボス加工適性がすぐれた素材であるため、エンボス加工により良好な文字が形成された耐熱性カードを提供できる。請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、非結晶ポリエステル樹脂のジオール成分を限定したので、エンボス加工適性が特にすぐれた素材を用いて構成された耐熱性カードを提供できる。請求項8の発明によれば、請求項6または7の発明の効果に加え、耐熱性の高いプラスチックシートとして、耐熱性の高いポリカーボネート樹脂を配合したものを使用するため、耐熱性がさらに向上した耐熱性カードを提供できる。請求項9の発明によれば、請求項8の発明の効果に加え、ポリカーボネート樹脂との配合比を限定したので、エンボス加工適性と耐熱性のバランスが取れて向上した耐熱性カードを提供できる。




 

 


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