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発明の名称 保護層転写シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−105749(P2001−105749A)
公開日 平成13年4月17日(2001.4.17)
出願番号 特願平11−292919
出願日 平成11年10月14日(1999.10.14)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2H111
【Fターム(参考)】
2H111 AA26 AA52 BA02 BA08 BA09 BA12 BA53 BA55 BA61 BA63 BA65 BA76 BA77 
発明者 臼杵 秀樹 / 守口 智 / 斉藤 仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面の少なくとも一部に剥離可能に熱転写性保護層が設けられた保護層転写シートにおいて、熱転写前の保護層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0以上1.5以下であることを特徴とする保護層転写シート。
【請求項2】 前記の熱転写性保護層がマイクロシリカを含有していることを特徴とする請求項1に記載する保護層転写シート。
【請求項3】 前記の熱転写性保護層が基材シート側から主保護層、接着層の順に形成され、該接着層にマイクロシリカを含有していることを特徴とする請求項1に記載する保護層転写シート。
【請求項4】 前記のマイクロシリカの含有量は、該含有されている層の樹脂固形分比で0.1%〜10%、さらに好ましくは3%〜5%であることを特徴とする請求項2または3に記載する保護層転写シート。
【請求項5】 前記のマイクロシリカの粒径が、コールターカウンター法で二次粒子の平均粒径で1〜10μmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載する保護層転写シート。
【請求項6】 前記の熱転写性保護層がポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂及びマイクロシリカを含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載する保護層転写シート。
【請求項7】 前記の熱転写性保護層が、基材シート側から離型層、主保護層、接着層の順に形成され、該離型層がアクリル樹脂を含有し、該接着層がポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂及びマイクロシリカを含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載する保護層転写シート。
【請求項8】 前記の離型層が非転写性であり、熱転写により該離型層が基材シートに残存し、保護層が基材シートから剥離することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載する保護層転写シート。
【請求項9】 前記の熱転写性保護層が、熱転写により基材シートから直接剥離することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載する保護層転写シート。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像が形成された受像シート等の被転写体に保護層を熱転写により形成する、保護層転写シートに関する。特に、プリンタにて蛇行、シワ等の搬送トラブルを防止できる保護層転写シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、簡便な印刷方法として熱転写記録方法が広く使用されている。熱転写記録方法は、各種画像を簡便に形成できるため、印刷枚数が比較的少なくても良い印刷物、例えば、身分証明書等のIDカードの作成や営業写真、或いはパーソナルコンピュータのプリンタや、ビデオプリンタ等において利用されている。そして、使用される熱転写シートとしては、顔写真等の如くフルカラーの階調画像が好ましい場合は、連続した基材フィルム上に、インク層として、例えば、イエロー、マゼンタ、及びシアン(更に必要に応じてブラック)の各色材層を面順次に繰返し多数設けたものが使われている。また、この様な、熱転写シートは大別すると、加熱によって色材層が溶融軟化して色材層自身が被転写体、すなわち受像シートに転写移行する、いわゆる溶融転写タイプの熱転写シートと、感熱により色材層中の染料が昇華して染料が受像シートに移行する、いわゆる昇華タイプの熱転写シートとに分類される。
【0003】この様な熱転写シートを用いて、例えば、身分証明書等のIDカードを作成する場合、溶融転写タイプでは、文字や数字等の如き線画画像の形成は容易であるが、得られる画像の耐久性、特に耐摩耗性が劣るという欠点がある。一方、昇華タイプでは、顔写真等の階調画像の形成には適しているが、得られる画像は通常の印刷インキとは異なり、ビヒクルがない為、耐摩耗性等の耐久性に劣り、更に可塑剤を含むカードケース、ファイルシート、プラスチック消しゴム等と接触すると、これらに染料が移行したり、画像が滲む等の耐薬品性や耐溶剤性等に劣るという欠点がある。そこで、耐摩耗性、耐薬品性、耐溶剤性等の耐久性向上を形成された画像に付与する目的で、保護層となる保護層転写シートを形成済み画像の上に更に転写で設けることが試みられている。例えば、基材フィルムに剥離可能に設けた透明樹脂層上に、感熱接着層を設けた保護層転写シートを用いることにより、画像形成済の被転写体上に、透明樹脂層を感熱接着層を介して転写積層するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の保護層転写シートにおける感熱接着層は、樹脂単独で設計されているために、受像シート等の被転写体との摩擦係数が非常に高くなっている。このため、最近のコンパクトな設計のプリンタ機構では、保護層転写シート及び受像シートの搬送時に保護層転写シートと受像シートとが接触したまま剥がれにくくなり、ジャムが発生したり、滑り性の悪さのために、印画時にシワ等が入る場合があった。
【0005】すなわち、図4の概念図に示すプリンタで説明すれば、スペース的制約から、プラテンローラ7とサーマルヘッド8の直前に設置されたローラ9により、保護層転写シート10と、画像形成済の受像シート11との両方を一体として表裏から挟持して、プラテンローラ7とサーマルヘッド8間に搬送、供給する機構である。保護層転写シート10の転写が終了後、次の転写の待機位置まで保護層転写シート10及び受像シート11をそれぞれ搬送する際は、ローラ9は離間して解放状態となることで、保護層転写シート10と受像シート11とは離間し、それぞれの待機位置まで搬送される。この際、それぞれの搬送量が同一でなく、離間が不完全のままで搬送が行われると、通常は受像シート11よりも腰の弱い保護層転写シート10が、受像シート11にまつわり付いて搬送されてしまうという事態が発生するのである。
【0006】また、大サイズのプリンタでは、保護層転写シートと受像シートとが滑りにくいことに起因する蛇行、シワが発生する。特に、カセットやフィルムの装着精度が悪く、フィルムが斜めにフィードされると、上記蛇行、シワが顕著に現れる。したがって、本発明の目的とするところは、基材シートに剥離可能に熱転写性保護層が設けられた保護層転写シートにおいて、画像が形成された受像シートに保護層を熱転写により形成する際に、プリンタにて蛇行、シワ等の搬送トラブルを防止できる保護層転写シートを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解決するために、一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面の少なくとも一部に剥離可能に熱転写性保護層が設けられた保護層転写シートにおいて、熱転写前の保護層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0以上1.5以下とすることにより、静止摩擦係数と動摩擦係数を上記の範囲に収め、両者の摩擦係数の差を少なくすることで、プリンタにおける蛇行、シワ等の搬送トラブルを防止できる。前記の熱転写性保護層がマイクロシリカを含有していることが好ましい。また、前記の熱転写性保護層が基材シート側から主保護層、接着層の順に形成され、該接着層にマイクロシリカを含有していることが好ましい。前記のマイクロシリカの含有量は、該含有されている層の樹脂固形分比で0.1%〜10%、さらに好ましくは3%〜5%であることが望ましい。
【0008】前記のマイクロシリカの粒径が、コールターカウンター法で、二次粒子の平均粒径で1〜10μmであることを特徴とする。また、前記の熱転写性保護層がポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂及びマイクロシリカを含有していることを特徴とする。前記の熱転写性保護層が基材シート側から離型層、主保護層、接着層の順に形成され、該離型層がアクリル樹脂を含有し、該接着層がポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂及びマイクロシリカを含有していることを特徴とする。前記の離型層が非転写性であり、熱転写により該離型層が基材シートに残存して、保護層が基材シートから剥離することを特徴とする。また、前記の熱転写性保護層が熱転写により基材シートから直接剥離することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施の形態を挙げて更に詳細に説明する。図1は、本発明の保護層転写シート10の一つの実施の形態を示す断面図であり、基材シート1の一方の面に耐熱滑性層3を有し、基材シート1の他方の面に熱転写性保護層2が設けられている。熱転写性保護層2は基材シート1から加熱により剥離可能である。図2は本発明の保護層転写シート10の他の実施の形態を示す断面図であり、基材シート1の一方の面に耐熱滑性層3を有し、基材シート1の他方の面に主保護層5、接着層6が順に形成されていて、この場合は、熱転写性保護層2が主保護層5、接着層6の2層からなり、熱転写により剥離した熱転写性保護層2が被転写体である受像シートへ強固に接着するように、接着層6を介して主保護層5が受像シートに転写される。
【0010】図3は本発明の保護層転写シート10の他の実施の形態を示す断面図であり、基材シート1の一方の面に耐熱滑性層3を有し、基材シート1の他方の面に離型層4、主保護層5、接着層6が順に形成されていて、この場合は、熱転写性保護層2が離型層4、主保護層5、接着層6の3層からなり、基材シート1の上に離型層4を介して主保護層5が設けられ、主保護層5が基材シート1から離型層4を介して剥離しやすくなっている。尚、離型層4は、非転写性であり、熱転写により該離型層4は基材シート1に残存する。また、熱転写性保護層2が被転写体である受像シートへ強固に接着するように、接着層6を介して主保護層5が受像シートに転写される。
【0011】以下に本発明の保護層転写シートを構成する各層の説明を行う。
(基材シート)本発明の保護層転写シートで用いる基材シート1としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材シートが、そのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。好ましい基材シートの具体例として、例えば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこれらと前該紙とを複合した基材シート等が挙げられる。この基材シートの厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になる様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、3〜100μmである。
【0012】(熱転写性保護層)本発明の保護層転写シートにおいて、上記基材シートに剥離可能に設けられる熱転写性保護層2は、多層構造の熱転写性保護層2の一層をなす主保護層5又は単層構造の熱転写性保護層2は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を例示することができる。上記の中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂を含有していることが、塗工の作業適性、耐光性の付与等に優れているため、特に好ましい。
【0013】電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することに優れている。
【0014】紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
【0015】本発明の保護層転写シートでは、熱転写性保護層にマイクロシリカを含有させることが好ましく、マイクロシリカは、従来公知の製造方法で製造したもので、その粒径が、コールターカウンター法で測定する二次粒子の平均粒径で1〜10μmの範囲のものが好ましく用いられる。尚、上記のコールターカウンター法で測定する二次粒子の平均粒径は体積平均の粒径であり、本発明でのマイクロシリカの粒径は、特に断りの無い限り、コールターカウンター法で測定したものである。マイクロシリカの二次粒子の平均粒径が1μm未満であると、保護層転写シートと受像シートとが滑りにくくなり、保護層転写時に蛇行、シワが発生しやすくなる。また、その平均粒径が10μmを越えると、保護層の透明性が低下し、下に位置する熱転写画像を不鮮明にするため好ましくない。
【0016】マイクロシリカの含有量は、保護層の樹脂固形分比で0.05%〜10%程度、さらに好ましくは3%〜5%である。その含有量が0.05%未満の場合、十分な滑り性が得られず、一方含有量が10%を越えると、保護層の透明性が低下し、下に位置する熱転写画像を不鮮明にするため好ましくない。上記のようにマイクロシリカを保護層に含有させることにより、熱転写前の保護層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0以上1.5以下とすることが出来る。尚、本発明での摩擦係数は、全てJIS−P8147に基づく測定法により測定したものである。
【0017】マイクロシリカの製造方法としては、乾式法と湿式法とがあり、いずれでもよいが、乾式法の場合は、四塩化ケイ素を気相中で燃焼・加水分解して製造するため、生成されたマイクロシリカは粒子内部に隙間の無い、すなわち、内部表面積をもたないシリカとなる。このようなシリカは吸水性、親水性が低く、保護層の表面に水性ペン等の筆記適性をもたせる場合等では適していない。
【0018】湿式法でマイクロシリカを製造する場合、ケイ酸ソーダ水溶液と硫酸又は塩酸との反応によって生成するシリカゾルをゲル化させて製造するもので、多孔質のシリカが得られる。このようなシリカは、多孔質であると同時に表面に親水性官能基(シラノール基)を有しているため、親水性、吸水性が高く、上記の筆記適性をもたせる場合等では好ましい。尚、湿式法で製造されるシリカでも用途により、親水性が好ましくない場合は、親水性を低下させるため有機物又は無機物によりシリカの表面処理を行ってもよい。上記のごとき単層構造の熱転写性保護層又は多層構造の熱転写性保護層中に設けられた主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さに形成する。
【0019】(耐熱滑性層)本発明の保護層転写シートは、基材シートの裏面、すなわち熱転写性保護層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するため、耐熱滑性層3を設ける。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0020】これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの裏面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0021】(離型層)保護層が基材シートから剥離しにくい場合には、基材シートと保護層との間に離型層4を形成することができる。離型層は、例えば、シリコーンワックス等の各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等の樹脂から形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂が好ましく、基材シートとの密着性、保護層との離型性において優れている。
【0022】離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは基材シート側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が基材シート側に残存し、離型層と保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れているために、好ましく行われる。離型層の形成方法は前記熱転写性保護層で挙げた保護層の形成方法と同様でよく、その厚みは0.5〜5μm程度で十分である。又、転写後に艶消しの保護層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、あるいは離型層の主保護層側の表面をマット処理することにより、表面マット状にすることも出来る。尚、基材シートと保護層と剥離性が良好であれば、上記の離型層を設けることなく、保護層が熱転写により、基材シートから直接剥離することができる。
【0023】(接着層)本発明では保護層転写シートの転写性保護層の最表面に、つまり主保護層の上に接着層6を、保護層の受像シートへの接着性を良好にする為に設けることが好ましい。この接着層は、従来公知の粘着剤や、感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収剤樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。特に、接着層は、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂の少なくとも1つの樹脂を含有していることが、マイクロシリカを添加した場合の分散性、受像シートとの接着性等の点で優れているため好ましく用いられる。
【0024】上記の紫外線吸収性樹脂は、熱転写性保護層で説明したものと同様に反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。また、接着層には、マイクロシリカを含有させることが好ましく、その含有量は接着層の樹脂固形分比で0.05%〜10%、さらに好ましくは3%〜5%であることが好ましく、また含有するマイクロシリカの粒径が、コールターカウンター法で二次粒子の平均粒径で1〜10μmであることが好ましい。マイクロシリカの含有量、平均粒径やその製造法等は上記に記載した転写性保護層の場合と同様であり、ここでの記載は省略する。本発明の保護層転写シートで上記の接着層を設ける場合は、保護層転写シートの形態で接着層が最表面に位置しているため、上記のように接着層にマイクロシリカを含有させて、接着層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0以上1.5以下とすることができる。上記のような接着層を構成する樹脂、マイクロシリカや必要に応じて、その他の添加剤を加えた塗工液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは0.5〜10μm程度の厚みで接着層を形成する。
【0025】保護層転写シートは、上記に記載した転写性保護層を基材シート上に単独で設けてもよいし、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)各色の染料層や熱溶融性インキ層と共に、面順次に設ける構成としてもよい。上記の如き保護層転写シートを使用して、保護層が転写され、且つ画像が形成される被転写体である受像シートは、特に限定されない。例えば、基材として普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム等、いずれのシートでもよく、また、形状的には、カード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ等いずれのものでもよく、その基材上に染料の受容性を有する受容層を設けたものが適用可能である。尚、基材自体が染料の受容性を有していれば、受容層を設ける必要が無い。
【0026】また、保護層の転写方法は、熱転写用のサーマルヘッドを備えた一般のプリンター、転写箔用のホットスタンパー、熱ロール等、保護層や離型層、接着層が活性化される温度に加熱可能ないずれの加熱加圧手段でもよい。又、画像の形成方法としては従来公知の手段がいずれも使用出来、例えば、サーマルプリンター(例えば、オリンパス社製P−330プリンタ)等の記録装置によって、記録時間をコントロールすることにより5〜100mJ/dot(300dpiの場合)程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することが出来る。
【0027】また、本発明の保護層転写シートを用いて、IDカード、身分証明書、免許証等のカード類の作成を行うこともできる。これらのカードは写真等の画像情報の他に、文字情報を含むものである。この場合、例えば文字情報形成は溶融転写方式により行い、写真等の画像形成は昇華転写方式で行うこともできる。更にカードには、エンボス、サイン、ICメモリー、磁気層、ホログラム、その他の印刷等を設けることもでき、保護層転写後にエンボス、サイン、磁気層等を設けることもできる。
【0028】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りの無い限り質量基準である。
(実施例1)背面に耐熱滑性層が形成されているポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、厚み6.0μm、東レ製)表面に下記の離型層用塗工液を乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビア印刷によって塗工し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して離型層を形成し、更にその表面に下記の保護層用塗工液をグラビア印刷により乾燥時3.0g/m2になる割合で塗布し、ドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブン中で30分間乾燥して保護層を形成した。更にその表面に下記接着層用塗工液を用いて同様にして乾燥時3.0g/m2の割合で塗布及び乾燥して接着層を形成して本発明の実施例1の保護層転写シートを得た。
【0029】
離型層用塗工液 アクリル−スチレン系樹脂 16部 (セルトップ226、ダイセル化学工業(株)製)
アルミ触媒 3部 (セルトップCAT−A、ダイセル化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0030】
保護層用塗工液 アクリル系樹脂 50部 (ダイナールBR−83、三菱レイヨン(株)製)
メチルエチルケトン 25部 トルエン 25部【0031】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
シリカ(二酸化珪素) 1部 (サイリシア310、平均粒径1.4μm、富士シリシア(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0032】(実施例2)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層はシリカの添加量を実施例1よりも増量した、以下のものを使用して、実施例2の保護層転写シートを作製した。
【0033】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
シリカ(二酸化珪素) 5部 (サイリシア310、平均粒径1.4μm、富士シリシア(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0034】(実施例3)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層はシリカの粒径を実施例1と比べ変化させた、以下のものを使用して、実施例3の保護層転写シートを作製した。
【0035】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
シリカ(二酸化珪素) 1部 (サイリシア530、平均粒径1.9μm、富士シリシア(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0036】(実施例4)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたポリエチレンテレフタレートフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層は、以下のものを使用して、実施例4の保護層転写シートを作製した。
【0037】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
無水シリカ 1部 (アエロジルR972、平均粒径0.012μm、日本アエロジル(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0038】(比較例1)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたPETフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層はシリカを用いない以下のものを使用して、比較例1の保護層転写シートを作製した。
【0039】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0040】(比較例2)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたPETフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層は以下のものを使用して、比較例2の保護層転写シートを作製した。
【0041】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製) 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
シリカ(二酸化珪素) 0.01部 (サイリシア310、平均粒径1.4μm、富士シリシア(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0042】(比較例3)実施例1と同様に、耐熱滑性層をコートしたPETフィルムに、離型層/保護層/接着層の順にコーティングを行った。離型層と保護層は、実施例1と同様の条件で形成し、接着層は以下のものを使用して、比較例3の保護層転写シートを作製した。
【0043】
接着層用塗工液 ポリカーボネート樹脂 7部 (FPC−2136、三菱ガス化学(株)製)
ポリエステル樹脂(バイロン700、東洋紡績(株)製 11部 紫外線吸収剤アクリル共重合体 4.5部 (UVA635L、BASFジャパン社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 6部 (TINUVIN900、チバガイギー社製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 3部 (TINUVIN320、チバガイギー社製)
シリカ(二酸化珪素) 5部 (サイリシア310、平均粒径1.4μm、富士シリシア(株)製)
メチルエチルケトン 8部 トルエン 8部【0044】1.滑り性の評価上記の実施例及び比較例で用意した保護層転写シートを用いて、被転写体の受像シートとして、P60NOC(オリンパス社製プリンタP−330用受像紙)を用いて、保護層転写シートの表面(接着層表面)と受像シート表面との摩擦係数を、静止摩擦係数をμ0、動摩擦係数をμとして、測定した。測定結果は下記の表1の通りである。
【0045】
【表1】

【0046】実施例では熱転写前の保護層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0であり、静止摩擦係数が低く、動摩擦係数との差がなく、保護層転写シートの滑り性に優れていることを示している。それに対し、比較例1、2では、静止摩擦係数、動摩擦係数ともに高く、またμ0/μの値も高く、保護層転写シートの滑り性に劣ることを示している。比較例3は、 静止摩擦係数が低く、動摩擦係数との差が少なく、保護層転写シートの滑り性を有してはいるが、後に示す保護層の透明性が劣り、シリカの含有量が多すぎるためである。
【0047】2.実印画評価昇華転写プリンタとしてオリンパス社製プリンタP−330を用いて、上記の受像シートと該プリンタ専用の熱転写シートを用いて、フルカラーのテストパターンで印画を行い、さらに該印画物の表面に上記で使用したプリンタで各保護層転写シートを用いて、保護層を転写した。
【0048】結果は、実施例1〜4の保護層転写シートでは、保護層転写時に全く印画しわが発生せず、その他の不具合も発生しなかった。それに対し、比較例1、2の保護層転写シートでは、保護層転写時に印画しわが発生した。比較例3の保護層転写シートでは、保護層転写時に印画しわが発生しなかった。
【0049】3.保護層の透明性の評価上記の実印画の評価と同様にフルカラーのテストパターンで印画を行い、さらに、該印画物の表面に上記と同様に各保護層転写シートを用いて、保護層を転写し、各印画物でイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の混色部のハイライト部からシャドウ部の階調の6段階の個所でOD値をマクベス社製RD−918にて測定した。尚、各測定値で対応する濃度と、比較例1の測定値との差を求めた。(印加エネルギーが同一の条件で各例と比較例との測定値との差である。)それは、つまり保護層に全くシリカを添加しない場合と比べ、透明性の低下(印画濃度(OD)の低下)が見られるかを調べることになる。測定結果は下記の表2の通りである。
【0050】
【表2】

【0051】実施例1〜4では保護層転写による印画物の濃度低下がなく、美しい昇華画像の品質が維持された。それに対し、比較例3では保護層転写による印画物の濃度低下が認められ、印画された昇華画像の鮮明さが保護層転写前と後で差が生じ、保護層転写後で画像に見劣る点が見られた。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の保護層転写シートを用いることにより、一方の面に耐熱滑性層を有する基材シートの反対側の面の少なくとも一部に剥離可能に熱転写性保護層が設けられた保護層転写シートにおいて、熱転写前の保護層表面と受像シート表面との摩擦係数が0.05〜0.5であり、かつμ0(静止摩擦係数)/μ(動摩擦係数)が1.0以上1.5以下とすることにより、静止摩擦係数と動摩擦係数を上記の範囲に収め、両者の摩擦係数の差を少なくすることで、プリンタにおける蛇行、シワ等の搬送トラブルを防止できる。




 

 


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