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発明の名称 熱転写記録材料
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−71650(P2001−71650A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−252506
出願日 平成11年9月7日(1999.9.7)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2H111
4F100
【Fターム(参考)】
2H111 AA01 AA17 AA26 AA27 AA32 AA47 AA52 BA03 BA06 BA07 BA09 BA12 BA39 BA42 BA44 BA47 BA48 BA49 BA53 CA03 CA30 CA33 
4F100 AH01C AH02C AH03B AJ06B AK41 AK41C AK45C AL03C AT00A BA03 BA10A BA10C CA04C CA13B EC04 EJ38 EJ42 GB90 JA05C JB07C JD14C JL06 JN30 YY00C
発明者 高田 毅 / 高尾 志乃 / 田村 仁彦 / 半村 昌弘 / 原田 信行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 基材シートの少なくとも一方の面に染料層を設けた熱転写シートと、基材の少なくとも一方の面に受容層を設けた熱転写受像シートからなる熱転写記録材料において、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱手段により染料層中の染料を受容層に転写するもので、該染料層のイエロー染料層がセルロースエステルと、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系色素及び/または下記一般式(2)で表されるジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ該受容層が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録材料。
【化1】

(上記式中のR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立に選定でき、水素原子、ハロゲン原子C1 〜C8 のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルボニル基、チオアルコキシ基、アルキルスルホニル基、アミノ基、置換あるいは非置換のフェノキシ基、または置換あるいは非置換のチオフェノキシ基を表す。R6 、R7 は、それぞれ独立に選定でき、水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
【化2】

(上記式中のR1 は、アリル基、アルキル基を表し、R2 は置換あるいは非置換のアルキル基、アリール基を表し、Aは−CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 O−、−CH2 CH2 OCH2 −、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −を表し、R3 はアルキル基を表す。)
【請求項2】 基材シートの少なくとも一方の面に染料層を設けた熱転写シートと、基材の少なくとも一方の面に受容層を設けた熱転写受像シートからなる熱転写記録材料において、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱手段により染料層中の染料を受容層に転写するもので、該染料層のマゼンタ染料層がセルロースエステルと、下記一般式(3)で表されるイミダゾールアゾ系色素及び/または下記一般式(4)で表されるトリシアノスチリル系色素及び/または下記一般式(5)で表されるベンゼンアゾ系色素を含有し、かつ該受容層が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録材料。
【化3】

(上記式中のRは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノアルキル基、置換あるいは非置換のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、R1 、R2 はアルケニル基、アラルキル基、または置換あるいは非置換のアルキル基を表し、Xは水素原子、メチル基、メトキシ基、ホルミルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、またはアルコキシカルボニルアミノ基を表し、Yは水素原子、メチル基、メトキシ基、またはハロゲン原子を表す。)
【化4】

(上記式中のR1 、R2 、R3 は、水素原子、置換あるいは非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基を表す。)
【化5】

(上記式中のRは水素原子、C1 〜C8 のアルキル基、C1 〜C8 のアルコキシ基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、ハロゲン原子を表し、Xはメチル基、メトキシ基、ホルミルアミノ基、C1 〜C8 のアルキルカルボニルアミノ基、C1 〜C8 のアルキルスルホニルアミノ基、C1 〜C8 のアルコキシカルボニルアミノ基を表し、Yは水素原子、C1 〜C4 のアルコキシ基、メチル基、ハロゲン原子を表し、R1 、R2 は、アリル基、C1 〜C8 のアルキル基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基を表す。)
【請求項3】 基材シートの少なくとも一方の面に染料層を設けた熱転写シートと、基材の少なくとも一方の面に受容層を設けた熱転写受像シートからなる熱転写記録材料において、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱手段により染料層中の染料を受容層に転写するもので、該染料層のシアン染料層がセルロースエステルと、下記一般式(6)で表されるシアノメチレン系色素及び/または下記一般式(7)で表される色素を含有し、かつ該受容層が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録材料。
【化6】

(上記式中のAはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニル基、またはアリール基を表し、R1 は置換あるいは非置換のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基であるか、あるいはZと一緒に5員環または6員環を形成する原子あるいは原子団を表し、R2 は置換あるいは非置換のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、R1 とR2 とは酸素原子または窒素原子を含んでもよい5員環または6員環を形成してもよい。R3 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基を表し、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アリール基を表し、Zは水素原子であるか、またはR1 と一緒に5員環または6員環を形成する原子あるいは原子団を表し、n及びmはそれぞれ1または2を表す。)
【化7】

(上記式中のZは、CN、COOR1 またはCONR3 4 を表し、R1 、R2及びR3 はそれぞれ単独に、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表し、またはR2 とR3 が一緒になって複素環式核もしくは置換複素環式核を閉鎖するのに必要な原子を表し、YはOR4 またはNR3 4 またはCNを表し、R4 は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、SO3 7 、COR7 、CSR7 またはPOR7 8 を表し、R5 及びR6 はそれぞれ独立にR4 に示した意義の一つを有し、または置換もしくは非置換アミノ基を表し、またはR3 とR4 が一緒になって、脂肪族もしくは芳香族環縮合を有する複素環式核を含む複素環式核もしくは置換複素環式核を閉鎖するのに必要な原子を表し、R7 及びR8 はそれぞれ独立に置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アラルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アルキルオキシ基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換アルキルチオ基、置換もしくは非置換アリールチオ基、置換もしくは非置換アミノ基、または置換もしくは非置換複素環式基を表し、またはR7 とR8 が一緒になって5員もしくは6員環を閉環するのに必要な原子を表し、XはN−Ar、N−Het、CR9 10、N−NR1112またはN−N=CR1314を表し、Arは置換もしくは非置換アミノ基、置換もしくは非置換アルキルオキシ基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換アルキルチオ基、置換もしくは非置換アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基からなる群から選択した置換基によってパラ位で置換された芳香族核を表し、Hetは置換もしくは非置換複素環式環を表し、R9 及びR10はそれぞれ独立に水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換複素環式環、シアノ基、ハロゲン、SO3 7 、COR7 、CSR7 またはPOR7 8 を表し、またはR9とR10が一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環を含む置換もしくは非置換環を閉環するのに必要な原子を表し、R11は置換もしくは非置換芳香族複素環式環を含む置換もしくは非置換芳香族環を表し、R12はR4 について示した意義の一つを有し、R13及びR14はそれぞれ独立に水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表し、またはR13とR14は一緒になって脂肪族もしくは芳香族環縮合を有する複素環式核を含む置換もしくは非置換複素環式核を閉環するのに必要な原子を表す。)
【請求項4】 請求項1に記載するイエロー染料層と、請求項2に記載するマゼンタ染料層及び請求項3に記載するシアン染料層を基材シート上に面順次に繰り返し設ける熱転写シートと、請求項1〜3に記載する熱転写受像シートの組み合わせからなることを特徴とする熱転写記録材料。
【請求項5】 前記熱転写シートの基材シートの染料層を形成する面と同一面に転写性保護層を面順次に繰り返し設け、受容層に染料を転写後に該転写性保護層を受容層に転写することを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれかに記載する熱転写記録材料。
【請求項6】 前記芳香族ポリカーボネート樹脂が下記一般式(8)で表される構成単位と、下記一般式(9)で表される構成単位のランダム共重合体であり、一般式(8)で表される構成単位の含量が70mol%以下で、かつ、該ランダム共重合体のTgが125℃以上である、汎用溶剤可溶な樹脂であることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれかに記載する熱転写記録材料。
【化8】

〔上記式中、mは整数を表す。〕
【化9】

〔上記式中、nは整数を表す。〕
【請求項7】 前記受容層は、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種を含有していることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれかに記載する熱転写記録材料。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写記録材料に関し、さらに詳しくは、熱転写の印字速度の高速化に対応して、十分な印字濃度が得られ、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移して汚染することがなく、十分に満足できる品質の印画物が得られる熱転写記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、それらの中でも、昇華転写用染料を記録材とし、これをポリエステルフィルム等の基材シート上に適当なバインダーで担持させた染料層を有する熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形成した熱転写受像シート上に昇華染料を熱転写し、各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されている。この場合には、加熱手段として、プリンターのサーマルヘッドによる加熱によって3色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラーを再現するものである。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから、非常に鮮明で、かつ透明性に優れているため、得られる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、かつフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、熱転写プリンターの印字速度の高速化が進むに従って、従来の熱転写記録材料では十分な印字濃度が得られないという問題が生じてきた。それに対し、■熱転写シートの染料層における染料/樹脂(Dye/Binder)の比率を大きくすることを行ったが、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移し(キックバック)、この汚染された層を受像シートへ熱転写すると、指定された色と異なる色相になったり、いわゆる地汚れが生じたりする。■画像形成時の熱転写の際、高エネルギーをかけることを行ったが、染料層と受容層とが融着し、いわゆる異常転写が起こる。その異常転写を防止するため、受容層に多量の離型剤を添加すると、印字感度が低下し印字濃度が下がってくる。
【0004】以上のように、熱転写の印字速度の高速化に対応して、熱転写プリンター側の調節や使用する熱転写シート及び熱転写受像シートの熱転写記録材料の調節を行ったが、十分な印字濃度が得られなかったり、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移して汚染したりして、従来の熱転写記録材料を用いた印画物で十分に満足できる品質のものが得られなかった。
【0005】したがって、本発明の目的は、熱転写の印字速度の高速化に対応して、十分な印字濃度が得られ、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移して汚染することがなく、十分に満足できる品質の印画物が得られる熱転写記録材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究した結果、基材シートの少なくとも一方の面に染料層を設けた熱転写シートと、基材の少なくとも一方の面に受容層を設けた熱転写受像シートからなる熱転写記録材料において、染料層と受容層を重ね合わせ、加熱手段により染料層中の染料を受容層に転写するもので、染料層のバインダー樹脂、色素と、受容層のバインダー樹脂の組み合わせの中で、画像形成の加熱時の離型性と熱転写の印字速度の高速化に対応した、高感度の印字が可能となる組み合わせを見出し、本発明に至ったものである。熱転写シートだけを条件設定し、熱転写受像シートの条件は問わないもの、また熱転写受像シートだけを条件設定し、熱転写シートの条件は問わないものでは、離型性や高感度等の性能が十分に満足できる結果が得られないが、熱転写シートと熱転写受像シートをセットで条件設定することにより、十分に満足できる性能が発揮できた。
【0007】すなわち、該受容層が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有するもので、染料層のイエロー染料層がセルロースエステルと、下記一般式(1)で表されるキノフタロン系色素及び/または下記一般式(2)で表されるジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0008】
【化10】

(上記式中のR1 、R2 、R3 、R4 及びR5 は、それぞれ独立に選定でき、水素原子、ハロゲン原子C1 〜C8 のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルボニル基、チオアルコキシ基、アルキルスルホニル基、アミノ基、置換あるいは非置換のフェノキシ基、または置換あるいは非置換のチオフェノキシ基を表す。R6 、R7 は、それぞれ独立に選定でき、水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、置換基を有してもよいアリール基、アラルキル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、またはヒドロキシアルキル基を表す。)
【0009】
【化11】

(上記式中のR1 は、アリル基、アルキル基を表し、R2 は置換あるいは非置換のアルキル基、アリール基を表し、Aは−CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH2 CH2 O−、−CH2 CH2 OCH2 −、−CH2 CH2 OCH2 CH2 −を表し、R3 はアルキル基を表す。)
【0010】また、マゼンタ染料層がセルロースエステルと、下記一般式(3)で表されるイミダゾールアゾ系色素及び/または下記一般式(4)で表されるトリシアノスチリル系色素及び/または下記一般式(5)で表されるベンゼンアゾ系色素の内から選ばれる少なくとも1種を含有する。
【0011】
【化12】

(上記式中のRは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、シアノアルキル基、置換あるいは非置換のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、R1 、R2 はアルケニル基、アラルキル基、または置換あるいは非置換のアルキル基を表し、Xは水素原子、メチル基、メトキシ基、ホルミルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、またはアルコキシカルボニルアミノ基を表し、Yは水素原子、メチル基、メトキシ基、またはハロゲン原子を表す。)
【0012】
【化13】

(上記式中のR1 、R2 、R3 は、水素原子、置換あるいは非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基を表す。)
【0013】
【化14】

(上記式中のRは水素原子、C1 〜C8 のアルキル基、C1 〜C8 のアルコキシ基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、ハロゲン原子を表し、Xはメチル基、メトキシ基、ホルミルアミノ基、C1 〜C8 のアルキルカルボニルアミノ基、C1 〜C8 のアルキルスルホニルアミノ基、C1 〜C8 のアルコキシカルボニルアミノ基を表し、Yは水素原子、C1 〜C4 のアルコキシ基、メチル基、ハロゲン原子を表し、R1 、R2 は、アリル基、C1 〜C8 のアルキル基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基を表す。)
【0014】さらに、シアン染料層が下記一般式(6)で表されるシアノメチレン系色素及び/または下記一般式(7)で表される色素を少なくとも含有する。
【0015】
【化15】

(上記式中のAはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニル基、またはアリール基を表し、R1 は置換あるいは非置換のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基であるか、あるいはZと一緒に5員環または6員環を形成する原子あるいは原子団を表し、R2 は置換あるいは非置換のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基を表し、R1 とR2 とは酸素原子または窒素原子を含んでもよい5員環または6員環を形成してもよい。R3 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基を表し、R4 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アリール基を表し、Zは水素原子であるか、またはR1 と一緒に5員環または6員環を形成する原子あるいは原子団を表し、n及びmはそれぞれ1または2を表す。)
【0016】
【化16】

(上記式中のZは、CN、COOR1 またはCONR3 4 を表し、R1 、R2及びR3 はそれぞれ単独に、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表し、またはR2 とR3 が一緒になって複素環式核もしくは置換複素環式核を閉鎖するのに必要な原子を表し、YはOR4 またはNR3 4 またはCNを表し、R4 は水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、SO3 7 、COR7 、CSR7 またはPOR7 8 を表し、R5 及びR6 はそれぞれ独立にR4 に示した意義の一つを有し、または置換もしくは非置換アミノ基を表し、またはR3 とR4 が一緒になって、脂肪族もしくは芳香族環縮合を有する複素環式核を含む複素環式核もしくは置換複素環式核を閉鎖するのに必要な原子を表し、R7 及びR8 はそれぞれ独立に置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アラルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アルキルオキシ基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換アルキルチオ基、置換もしくは非置換アリールチオ基、置換もしくは非置換アミノ基、または置換もしくは非置換複素環式基を表し、またはR7 とR8 が一緒になって5員もしくは6員環を閉環するのに必要な原子を表し、XはN−Ar、N−Het、CR9 10、N−NR1112またはN−N=CR1314を表し、Arは置換もしくは非置換アミノ基、置換もしくは非置換アルキルオキシ基、置換もしくは非置換アリールオキシ基、置換もしくは非置換アルキルチオ基、置換もしくは非置換アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基からなる群から選択した置換基によってパラ位で置換された芳香族核を表し、Hetは置換もしくは非置換複素環式環を表し、R9 及びR10はそれぞれ独立に水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アルケニル基、置換もしくは非置換アルキニル基、置換もしくは非置換複素環式環、シアノ基、ハロゲン、SO3 7 、COR7 、CSR7 またはPOR7 8 を表し、またはR9とR10が一緒になって、置換もしくは非置換複素環式環を含む置換もしくは非置換環を閉環するのに必要な原子を表し、R11は置換もしくは非置換芳香族複素環式環を含む置換もしくは非置換芳香族環を表し、R12はR4 について示した意義の一つを有し、R13及びR14はそれぞれ独立に水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換シクロアルキル基、または置換もしくは非置換アリール基を表し、またはR13とR14は一緒になって脂肪族もしくは芳香族環縮合を有する複素環式核を含む置換もしくは非置換複素環式核を閉環するのに必要な原子を表す。)
【0017】以上に規定した熱転写シートと熱転写受像シートの組み合わせによる熱転写記録材料が、熱転写の印字速度の高速化に対応して、十分な印字濃度が得られ、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移して汚染することがなく、また印字物の耐光性に優れ、十分に満足できる品質の印画物が得られる。上記のイエロー染料層と、マゼンタ染料層及びシアン染料層を基材シート上に面順次に繰り返し設ける熱転写シートと、上記の熱転写受像シートの組み合わせからなる熱転写記録材料が好ましく用いられる。また、前記熱転写シートの基材シートの染料層を形成する面と同一面に転写性保護層を面順次に繰り返し設け、受容層に染料を転写後に該転写性保護層を受容層に転写することが好ましく行われる。前記芳香族ポリカーボネート樹脂は下記一般式8で表される構成単位と、下記一般式9で表される構成単位のランダム共重合体であり、一般式8で表される構成単位の含量が70mol%以下で、かつ、該ランダム共重合体のTgが125℃以上である、汎用溶剤可溶な樹脂であることが好ましい。
【0018】
【化17】

〔上記式中、mは整数を表す。〕
【0019】
【化18】

〔上記式中、nは整数を表す。〕
また、前記受容層は、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種を含有していることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(熱転写シート)本発明の熱転写シートは、基材シートの上に染料層を設け、染料層バインダー樹脂として、セルロースエステルを用い、イエロー染料に上記一般式(1)のキノフタロン系色素及び/または上記一般式(2)のジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を用い、マゼンタ染料に上記一般式(3)のイミダゾールアゾ系色素及び/または下記一般式(4)で表されるトリシアノスチリル系色素及び/または下記一般式(5)で表されるベンゼンアゾ系色素を使用し、シアン染料に上記一般式(6)のシアノメチレン系色素及び/または上記一般式(7)で表される色素を用いた。尚、熱転写シートで基材シートの他方の面に、サーマルヘッドの粘着を防止し、かつ滑り性を良くする等のために、耐熱層を設けることが可能である。
【0021】(基材シート)基材シートは、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよく、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さの紙、各種加工紙、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロファン等であり、特に好ましいものは、ポリエステルフィルムである。上記のような基材シートは、その表面に形成する染料層との密着力が乏しい場合には、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好ましい。
【0022】尚、本発明に用いる二軸配向ポリエステルフィルムは未延伸のポリエチレン−2、6−ナフタレートフィルムを二軸延伸後、熱固定し、更に熱固定後に弛緩処理を行うことによって製造することができる。例えば、未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃の温度で縦方向に延伸し、横方向に2〜6倍率で二軸延伸し、(Tg+50)℃〜(Tg+140)℃で1〜100秒間熱固定する。延伸はIRヒーター、ロール、テンター等を用いる方法で行うことができ、縦方向と横方向を同時に延伸しても良く、又縦方向、横方向に逐次に延伸しても良い。更に弛緩処理を必要とする場合、熱固定後ロールに巻き取るまでの間に行うが、弛緩処理方法としては熱固定ゾーンの途中でテンター幅を縮め、フィルム幅方向に0〜3%の弛緩処埋を行う方法、フィルムの両端部を切り離し、フィルムのTg以上融解温度以下の温度条件下においてフィルムの供給速度に対して引取速度を減速させる方法、2つの速度の異なる搬送ロールの間においてIRヒーターで加熱する方法、加熱搬送ロール上にフィルムを搬送させ、加熱搬送ロール後の搬送ロールの速度を減速させる方法、熱固定後熱風を吹き出すノズル上にフィルムを搬送させながら、供給速度よりも引取速度を減速させる方法、あるいは製膜機で巻取った後、加熱搬送ロール上にフィルムを搬送させ、搬送ロールの速度を減速させる方法、加熱オーブンやIRヒーターによる加熱ゾーンを搬送させながら加熱ゾーン後のロール速度を加熱ゾーン前のロール速度より減速する方法があり、いずれの方法を用いても良く、供給側の速度に対して引取側の速度の減速率を0.1〜3.0%にして弛緩処理を行う。又、熱寸法安定性を良くするために、弛緩処理のほか熱固定ゾーンの途中でテンター幅を広げ、フィルム幅方向に緊張処理を0〜3.0%施しても良い。
【0023】このようにして、製膜した該二軸配向ポリエステルフィルムの密度は1.3530〜l.3600g/cm3 、更には1.3560〜1.3598g/cm3が好ましい。この範囲より小さいと結晶化度が小さくなり熱寸法安定性に劣り、この範囲より大きいと結晶化度が大きすぎて厚みむらの原因となる。なお、最終的に熱転写リボンを得る場合、基材フィルムと熱転写色材層との接着性を向上させるため、縦延伸後、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂を各々単独、またはそれらを混合し、メラミン系架橋剤で硬化させた易接着層を塗布してもよい。ただし、易接着層のコート量は0.1g/cm2 以下が好ましく、コート量むらは縦方向、幅方向ともに±15%範囲内であることが望ましい。
【0024】(染料層)熱転写シートは、通常イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層を基材シート上に面順次に繰り返し設けることが行われるが、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層を、別々の基材シートに一色ずつ形成することも可能である。また、以下に説明するイエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層で使用する染料を組み合わせて、ブラックやセピア、グリーン、グレー等の色相の染料層を有する熱転写シートでも使用可能である。まず、イエロー染料層では、一般式(1)のキノフタロン系色素及び/または一般式(2)のジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を使用する。
【0025】また、イエロー染料層では、一般式(1)のキノフタロン系色素及び/または一般式(2)のジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を色素全体の30重量%以上含有させることが良く、より好ましくは色素全体の50重量%以上含有させる。さらに、イエロー染料層では、上記のキノフタロン系色素及び/またはジシアノスチリル系色素の他に、イエロー色素として従来公知の色素を使用でき、特に下記一般式(10)で表されるピリドンアゾ系色素や、下記一般式(11)で表されるピラゾロンメチン系色素を使用することが好ましい。
【0026】
【化19】

(上記式中のR1 はC1 〜C3 のアルキル基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリル基を表し、R2 はC1 〜C8のアルキル基、C3 〜C8 のアルコキシアルキル基、C7 〜C8 のアラルキル基、シクロアルキル基またはアリル基を表す。)
【0027】
【化20】

(上記式中のR1 、R2 は、それぞれ独立に選定でき、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、または置換されていてもよいアリール基を表し、また、R3 、R4 は、それぞれ独立に選定でき、置換されていてもよい低級アルキル基等を表す。)
【0028】マゼンタ染料層は一般式(3)で表されるイミダゾールアゾ系色素及び/または一般式(4)で表されるトリシアノスチリル系色素及び/または一般式(5)で表されるベンゼンアゾ系色素の内から選ばれる少なくとも1種を含有する。また、マゼンタ染料層では、一般式(3)のイミダゾールアゾ系色素及び/または一般式(4)のトリシアノスチリル系色素及び/または一般式(5)のベンゼンアゾ系色素の内から選ばれる少なくとも1種をマゼンタ染料層の色素全体の30重量%以上含有させることが良く、より好ましくは色素全体の50重量%以上含有させる。さらに、マゼンタ染料層では、上記のイミダゾールアゾ系色素及び/またはトリシアノスチリル系色素及び/またはベンゼンアゾ系色素の他に、マゼンタ色素として従来公知の色素を使用でき、特に下記一般式(12)で表されるピラゾロトリアゾールアゾメチン系色素や、下記一般式(13)で表されるアントラキノン系色素を使用することが好ましい。
【0029】
【化21】

(上記式中のR1 、R2 は、それぞれ独立に水素原子、置換あるいは非置換のアルキル基、ビニル基、アリル基、アリール基、アルコキシアルキル基、アラルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、またはアルコキシカルボキシアルキル基を表し、R1 とR2 とは互いに環を形成してもよい。R3 は水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、置換あるいは非置換のアルキル基、アルキルホルミルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、ホルミルアミノ基、アリルホルミルアミノ基、スルホニルアミノ基、アリルスルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基またはウレイド基を表し、R4 、R5 は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換あるいは非置換のアルキル基、アリル基、置換あるいは非置換のアリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基、チオアルキル基、アリルオキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、カルボモイル基、スルファモイル基、オキシカルボニル基、アミノ基、ホルミルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアルキル基、複素環基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、またはアルキルスルホニル基を表す。)
【0030】
【化22】

(上記式中のRは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基を表す。)
【0031】シアン染料層は、一般式(6)で表されるシアノメチレン系色素及び/または一般式(7)で表される色素を使用する。また、シアン染料層では、一般式(6)のシアノメチレン系色素及び/または一般式(7)の色素をシアン染料層の色素全体の30重量%以上含有させることが良く、より好ましくは色素全体の50重量%以上含有させる。さらに、シアン染料層では、上記の一般式(6)のシアノメチレン系色素及び/または一般式(7)の色素の他に、シアン色素として従来公知の色素を使用でき、特に下記一般式(14)で表されるアントラキノン系色素、下記一般式(15)で表されるインドアニリン系色素を使用することが好ましい。
【0032】
【化23】

(上記式中のR1 、R2 は、水素原子、アルキル基、置換あるいは非置換のアリール基、アルケニル基を表し、R3 、R4 は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェノキシ基を表す。)
【0033】
【化24】

(上記式中のR1 は、水素原子、フッ素原子により置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、ホルミルアミノ基、フッ素原子により置換されていてもよいアルキルカルボニルアミノ基またはハロゲン原子を表し、R2 は水素原子、フッ素原子により置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R3 、R4 はフッ素原子により置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、R、R5 、R6 は水素原子、C1-6 の置換あるいは非置換のアルキル基またはアリール基を表す。)
【0034】染料層には、上記に説明した染料と、セルロースエステルを主体としたバインダー樹脂を含有する。セルロースエステルはセルロースと有機酸とのエステルによって製造されるもので市販されたものとしてはCAB、CAP、CA等があるが、その化学構造からしてセルロース安息香酸エステル、トルイル酸エステル等の芳香族エステルや炭素数4以上の脂肪酸エステル、例えばカプロン酸、ラウリル酸等のエステルも使用できることは言うまでもない。セルロースエステルの分子量はCABが10,000〜70,000、CAPが10,000〜80,000、CAが30,000〜60,000程度が好ましい。また、エステル化度は、無極性有機溶媒、例えばベンゼン、トルエン等に可溶となる範囲が好ましい。市販されているセルロースエステルのエステル化度をみると、アセチル化度は、CABが2〜30%、CAPが0.5〜3.0%、CAが約40%、ブチリル化度はCABが17〜60%、プロピオニル化度はCAPが約50%となっている。また、本発明に適した市販のセルロースエステルとしては、例えばイーストマンコダック社製のセルロースアセテートブチレートCAB551−a01、CAB551−0.1、CAB551−0.2、CAB531−1、CAB500−1、CAB500−5、CAB553−0.4、CAB381−0.1、CAB381−0.5、CAB381−0.5BP、CAB381−2、CAB381−2BP、CAB381−20、CAB381−20BP、CAB171−15S、セルロースアセテートプロピオネートではCAP482−0.5、CAP482−20、CAP504−0.2、セルロースアセテートではCA−394−60S、CA−398−3、CA−398−6、CA−398−10、CA−398−30等が挙げられる。
【0035】染料の熱転写層中に含有される割合は、染料の昇華(溶融)温度、発色した状態でのカバリングパワー(演色性)の大小にもよるが、上記バインダー成分に対する染料の重量比(染料/バインダー比)が0.3以上が好ましく、更に好ましくは0.3〜3.0であり、最も好ましくは0.55〜2.5である。染料/バインダー比が0.3未満では印字濃度、熱感度等の画像品質において好ましくなく、一方、3.0を超えるとフィルムへの密着性および保存性が低下する傾向がある。
【0036】なお、バインダー樹脂はセルロースエステルの他には、少量で従来公知のものがいずれも使用でき、好ましいものを例示すれば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
【0037】また、印画時の被転写材との離型性を高める為に、アクリル系、ビニル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系又はセルロース系樹脂の主鎖にグラフト結合したポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、及び長鎖アルキルセグメントから選ばれる少なくとも1種の離型性セグメントを有するグラフトコポリマーを、熱移行性染料を担持するためのバインダー樹脂を加えてもよい。染料層には、その他の成分として、公知の添加剤、例えば離型剤、滑剤、充填剤等を含有させてもよい。
【0038】このような染料層は、適当な溶剤中に上記のバインダー樹脂と染料と、必要に応じて添加剤を加えて、各成分を溶解又は分散させて、染料層形成用インキを調製し、上記の基材シート上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。染料層の塗工厚は、乾燥状態で0.2μm乃至3μmが好ましく、さらに0.3μm乃至2μmがより好ましい。
【0039】(転写性保護層)転写性樹脂層を構成する透明樹脂層は、耐摩擦性、透明性、硬度等に優れた樹脂を適宜用いることができる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、これらの樹脂のシリコーン変性樹脂、及びこれらの樹脂の混合物が挙げられる。また、アクリル系モノマー等を電離放射線照射により架橋硬化した樹脂等も用いることができる。アクリルモノマーの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】また、電離放射線で硬化される物質は上記モノマーに限らず、オリゴマーとして使用してもよい。更に、上記物質の重合体又はその誘導体からなるポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系等のアクリル反応性重合体も使用可能である。更に、その他のアクリル系樹脂と混合して用いてもよい。また、これらの樹脂の転写時の膜切れ性を考慮して、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、プラスチックピグメント等の透明性の高い微粒子やワックス等を、透明性を害さない程度に含有させても良いし、画像の耐摩擦性、光沢等を向上させるために、滑剤等を含有させても良いし、画像の耐光性を向上させるために、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を含有させても良い。
【0041】透明樹脂層は、前記の透明樹脂層用の樹脂に必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の形成手段により、前記の基材フィルム上に塗布及び乾燥することにより形成される。透明樹脂層は任意の厚みに形成することができるが、好ましくは、乾燥後の厚みで0.1〜50μmであり、更に好ましくは1〜10μmである。
【0042】前記透明樹脂層の形成に先立って、転写性樹脂層の転写性を向上させるために、基材シートと透明樹脂層との間に離型層を設けることができる。離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アイオノマー樹脂等の剥離剤から形成する。形成方法は前記透明樹脂層と同様に形成することができ、乾燥後の厚みは0.1〜2μmが好ましい。又、転写後の保護層に艶消し処理がなされていることが望まれる場合、離型層中に各種の粒子を含有させるか、或いは、表面をマット化処理した基材シートを用いることにより、転写後の保護層表面をマット状にすることもできる。
【0043】透明樹脂層上には、転写性樹脂層の転写性を向上させるために、接着剤層を設けることができる。接着剤層は、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の加熱時に良好な接着性を有する樹脂からなり、これらの樹脂の溶液を塗布及び乾燥することによって、好ましくは0.1〜5μmの厚みに形成される。
【0044】(耐熱層)上記の如き本発明の熱転写シートは、その裏面に、サーマルヘッドの熱によるステッキングや印字しわなどの悪影響を防止するため、耐熱層を設けることが好ましい。上記の耐熱層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
【0045】これらの樹脂からなる耐熱層に添加あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。
【0046】耐熱層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、これを、上記の基材シートの他方に面に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。
【0047】(熱転写受像シート)本発明の熱転写受像シートは、基材の少なくとも一方の面に受容層を設け、該受容層が芳香族ポリカーボネート樹脂を含有している。基材としては、例えば、ポリオレフィン系又はポリスチレン系等の合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等、セルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート等の各種のプラスチックフィルム又はシート等が使用でき、又、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明シート或いは発泡させた発泡シート等も使用でき、特に限定されない。又、上記基材の任意の組み合わせによる積層体も使用できる。これらの基材の厚みは任意でよいが、10〜300μmが好ましい。
【0048】上記基材の表面に形成する受容層は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。染料受容層を形成するための樹脂としては、前記特定のポリカーボネート樹脂を使用し、好ましくは、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑材、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種が受容層に含有するものである。記録に用いる熱転写シートの染料等に応じて、濃度、鮮明性、或いは各種保存性を改善するために、受容層樹脂として使用できる従来公知の他の如何なる樹脂を更にブレンドすることができるが、濃度、各種保存性を考慮すると芳香族系の飽和ポリエステル樹脂が特に好ましい。又、ブレンド比は、ポリカーボネート樹脂100部に対して、5から50部の範囲であることが好ましい。5部未満では添加による改質の効果が発現しにくく、50部を越えると、耐光性に優れるというポリカーボネート樹脂の特質が損なわれる。ブレンドの際の他の樹脂との相溶性及び溶剤溶解性を考慮すると、このポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、5,000〜100,000より好ましくは、10,000〜50,000であることが好ましい。本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、原料となる二価フェノール系化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)と、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)を用い、両者を常法によりランダム共重合させることにより得られる。
【0049】又、ポリカーボネート樹脂の末端については、常法によって用いられるフェノール系等のいずれの重合停止剤も用い得るため、特に限定はされない。従って、ヒドロキシフェノール系の重合停止剤を用いれば、容易に末端にOH基を導入でき、受容層製造時にイソシアネート化合物等の架橋剤と共存させることにより、更に架橋させることもできる。ここで、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から誘導されたポリカーボネート樹脂は本来、汎用の非ハロゲン系炭化水素溶媒に対して不溶であるので、ブロック共重合体では、溶解性、溶液安定性の面で好ましくない。
【0050】両者の共重合比に関しては、ケトン系、トルエン系あるいはこれらの混合溶媒といった非ハロゲン系炭化水素溶媒に対する溶剤溶解性を考慮すると、ビスフェノールAより誘導される構成成分の含量は70モル%以下であることが好ましい。ビスフェノールAより誘導される構成成分の含量が70モル%を越えると溶解性が充分でなく、上記汎用溶剤には、常温下10wt%以上の溶解性は得られない可能性がある。一方、原料として2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)のみを用いて得られたホモポリマーであるポリカーボネート樹脂については、上記汎用溶剤に対する溶解性は良好であり、本願のポリカーボネート樹脂として用いることができる。粘度平均分子量が5,000よりも小さくなると、塗布法によって得られる染料受容層の強度が充分でなく、100,000以上では溶剤に溶解した状態での粘度が高すぎ、塗布法による生産効率が低下するという問題点や、溶解性が低下し、溶液安定性が損なわれるという問題点がある。
【0051】また、本願で用いるポリカーボネート樹脂は、Tgが125℃以上であるため、単品で用いても充分な染着性が得られにくく、濃度、鮮明性が不足しやすい。ポリカーボネート樹脂の特徴である優れた耐光性を損なわずに、充分な染着性を得るためには、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種を、ポリカーボネート樹脂100部に対して20部〜100部、更に好ましくは40部から70部添加することが好ましい。添加量が20部以下では、充分な染着性が得られず、100部以上では染料の定着性が不足し、記録時に滲みや地汚れが発生する。また、現在、本願記載の記録材料は、製品輸送時の温度履歴、及び印字後の保存環境(夏季の車中等)の制約から、市場ニーズとして印字前、印字後の双方において50℃〜60℃の耐熱性を求められている。
【0052】上記制約及び耐光性等の保存性を考慮すると、フタル酸系可塑剤としてはDCHPが特に好ましく、リン酸エステル系可塑剤としては、一般式(16)、(17)で表される非ハロゲンリン酸エステル、非ハロゲン縮合リン酸エステルが好ましい。
【化25】

〔上記式中、R1 、R2 は水素、メチル基等のアルキル基、または置換アルキル基を表す。〕
【0053】
【化26】

〔上記式中、R1 、R2 は水素、メチル基等のアルキル基、または置換アルキル基を表す。〕
【0054】ポリカプロラクトンに関しては、印画後の高温保存時の滲みを考慮すると数平均分子量が2,000〜100,000、特に好ましくは10,000〜70,000が好ましい。分子量2,000以下では、記録後に経時的に滲みやすく、100,000以上ではポリカプロラクトン自体の生産安定性及び、本願のポリカーボネート樹脂との相溶性に問題がある。また、本発明のポリエステル系可塑剤は、ポリカプロラクトンを含まず、低分子量のものを意味し、特にジオールアジペートが耐指紋性、耐可塑剤性等の向上の点から好ましい。
【0055】また、上記の制約は、前述したように更に他の樹脂を、ポリカーボネート樹脂100部に対して5〜50重量部ブレンドすることによっても解決できる。この場合、ブレンドする樹脂は、芳香族飽和ポリエステル樹脂が特に好ましい。本発明の熱転写受像シートは前記の基材の少なくとも一方の面に、上記の如きポリカーボネート樹脂を使用し、好ましくは、フタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑材、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種を添加し、更に他の必要な添加剤、例えば、離型剤、架橋剤、硬化剤、触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤等を適宜加えたものを、適当な有機溶剤に溶解し、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥して染料受容層を形成することによって得られる。
【0056】離型剤としては、特にシリコーンオイル及びその硬化物が好ましく用いられるが、硬化型のシリコーンオイルを受容層形成用インキにオイル状で添加して、他の受容層構成材料と良く相溶した状態で、基材シート上に塗布し、乾燥時もしくはその後に硬化させて用いると離型性や染着性がミクロなレベルで均一で、且つベタ付きも無く良好な性能が得られる。好ましい硬化型シリコーンオイルとしては、下記の一般式(18)で表される付加重合型シリコーンオイルや、一般式(19)で表されるカルビノール変性シリコーンオイルが挙げられる。
【化27】

〔上記式中、X1 、X2 、X3 は、−CH3 、又は−CH=CH2 を表す。但し、X1 、X2 、X3 の少なくとも1つは−CH=CH2 である。また、Y1 、Y2 、Y3 は、水素原子、又は−CH3 を表す。但し、Y1 、Y2 、Y3 の少なくとも1つは水素原子である。m、nは、それぞれ整数を表す。〕
【0057】
【化28】

〔上記式中、Z1 、Z2 、Z3 は、−ROH、又は−CH3 を表す。但しZ1 、Z2 、Z3 の少なくとも1つは−ROHであり、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基を表す。m、nは、それぞれ整数を表す。〕
尚、カルビノール変性シリコーンオイルについては、イソシアネート化合物により反応硬化させるのが好適である。また、各シリコーンオイルは、受容層樹脂等、他の受容層構成材料との相溶性を向上させる等の目的により、ジメチルシロキサン鎖のメチル基の一部をフェニル基と適宜置換して用いることができる。以上のごとく形成される染料受容層は任意の厚さで良いが、一般的には1〜50μmの厚さである。またこの様な染料受容層は連続被膜であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被膜として形成しても良い。
【0058】尚、受容層の上に保護層を転写接着させる場合には、保護層が接着できるように、フッ素系界面活性剤や、未硬化シリコーンオイルが離型剤として好ましく用いられる。また、上記以外の離型剤で、従来用いられている離型剤を併用してもよく、離型剤を複数種類使用してもトータルで、添加量は受容層樹脂に対し0.5〜10重量%が好ましい。受容層にはその他にも、必要に応じて各種の添加剤を加えることができる。受容層の白色度を向上させ転写画像の鮮明度を更に高める目的で、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等の顔料や充填剤を添加することができる。但し、OHP用途などの透明性を必要とする場合には、顔料や添加剤の添加量は、必要な透明性を失わない程度とする。また、受容層には可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤など公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
【0059】本発明の熱転写受像シートは前記の基材の少なくとも一方の面に、上記の如き芳香族ポリカーボネート樹脂を使用し、好ましくは、フタル酸系可塑剤、燐酸エステル系可塑剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種を添加し、更に他の必要な添加剤、例えば、離型剤、架橋剤、硬化剤、触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤等を適宜加えたものを、適当な有機溶剤に溶解または分散し、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥して染料受容層を形成することによって得られる。また、帯電防止性を付与させるために、下記に示す帯電防止剤を受容層塗工液に、練り込むこともできる。帯電防止剤;脂肪酸エステル、硫酸エステル、燐酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物など。帯電防止剤の添加量は、樹脂に対し、0.1〜2.0重量%が好ましい。
【0060】本発明の熱転写受像シートでは、受容層の塗工量は、乾燥時重量で0.5g/m2 〜4.0g/m2 であることが好ましい。塗工量が乾燥時重量で0.5g/m2 未満では、例えば、基材上に直接受容層を設けた場合には、基材の剛性等の要因でサーマルヘッドとの密着が不十分なためハイライト部の画像がざらついてしまうという問題がある。この問題は、クッション性を付与する中間層を設けることで回避することができるが、受容層の傷つきに対して弱くなる。また、高エネルギーを印加したときの表面の荒れかたは、受容層の塗工量が増加すると相対的に悪くなる傾向があり、塗工量が、乾燥時重量で4.0g/m2 を越えると、例えば、OHP投影時の高濃度部でわずかに黒ずんでみえるようになる。
【0061】基材と染料受容層との密着性やクッション性を向上させるために、必要に応じて中間層を設けることができる。このようなクッション層を設けることにより、印字時にノイズがなく、画像情報に対応した画像を再現性よく転写形成することができる。中間層樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂等が挙げられる。また基材の裏面には滑性層を設けることもできる。滑性層としてはメチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が挙げられる。更に熱転写受像シートには検知マークを設けることも可能である。検知マークは熱転写シートと熱転写受像シートとの位置合わせや熱転写受像シートの表裏を判別するのに便利であり、例えば、光電管検知装置により検知しうる検知マークを基材の裏面等に印刷等により設けることができる。
【0062】熱エネルギーを付与する例は、サーマルヘッド加熱やレーザー光照射などが挙げられる。上記の熱転写シートと被転写材を使用して熱転写を行う際の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段がいずれも使用でき、例えば熱転写プリンター(例えば、日立製作所製ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって、記録時間をコントロールすることにより、5乃至100mJ/mm2 程度の熱エネルギーを付与することによって、所望の画像が形成される。
【0063】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
(実施例1〜12)基材シートとして、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記組成のイエロー染料層形成用塗工液、マゼンタ染料層形成用塗工液、シアン染料層形成用塗工液をグラビア印刷機により、イエロー染料層と、マゼンタ染料層及びシアン染料層を基材シート上に面順次に繰り返し設けるように、塗布、乾燥させた。各実施例で使用するイエロー、マゼンタ、シアンの染料層形成用塗工液の組合せは、表13、14、15の通りである。各染料層は、乾燥状態で全て塗工厚1μmである実施例の熱転写シートを作製した。また、基材シートには、以下の条件で耐熱層をあらかじめ設けておいた。基材シートの他方の面に、下記組成の耐熱層用インキを、グラビア印刷機により、塗布、乾燥させて、乾燥状態で塗工厚1μmの耐熱層を設け、さらに60℃にて5日間オーブン中で加熱熟成して、硬化処理を行った。
【0064】(実施例13)基材シートとして、厚さ3μmのポリエチレンナフタレートフィルムを使用した。その他については、上記の実施例1の熱転写シートと同様にして、実施例13の熱転写シートを作成した。
【0065】
イエロー染料層形成用塗工液<Y1> キノフタロン系色素(表1の化学式30で示す色素) 2.5部 ジジアノスチリル系色素(表2の化学式33で示す色素) 1.5部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0066】
イエロー染料層形成用塗工液<Y2> キノフタロン系色素(表1の化学式31で示す色素) 2.0部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式34で示す色素) 2.0部 ピリドンアゾ系色素(表3の化学式36で示す色素) 1.0部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0067】
イエロー染料層形成用塗工液<Y3> キノフタロン系色素(表1の化学式32で示す色素) 2.0部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式35で示す色素) 0.5部 ピリドンアゾ系色素(表3の化学式37で示す色素) 0.5部 ピラゾロンメチン系色素(表4の化学式38で示す色素) 2.0部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0068】
【表1】

表中の(i)は、iso−を意味する。また、(n)は、n−を意味し、以下の表で使用するものも全て同じ意味である。
【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M1> イミダゾールアゾ系色素 1.5部(表5の化学式39で示す色素)
トリシアノスチリル系色素 0.5部(表6の化学式42で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 1.0部(表7の化学式45で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0073】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M2> イミダゾールアゾ系色素 1.0部(表5の化学式40で示す色素)
トリシアノスチリル系色素 0.5部(表6の化学式43で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 1.0部(表7の化学式46で示す色素)
ピラゾロトリアゾールアゾメチン系色素 1.0部(表8の化学式48で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0074】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M3> イミダゾールアゾ系色素 1.5部(表5の化学式41で示す色素)
トリシアノスチリル系色素 0.5部(表6の化学式44で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 0.5部(表7の化学式47で示す色素)
アントラキノン系色素 1.5部(表9の化学式49で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
【表8】

【0079】
シアン染料層形成用塗工液<C1> シアノメチレン系色素(表10の化学式50で示す色素) 2.5部 一般式(7)の色素(表11の化学式53で示す色素) 2.0部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0080】
シアン染料層形成用塗工液<C2> シアノメチレン系色素(表10の化学式51で示す色素) 2.0部 一般式(7)の色素(表11の化学式54で示す色素) 1.5部 アントラキノン系色素 2.5部(表12の化学式56で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0081】
シアン染料層形成用塗工液<C3> シアノメチレン系色素(表10の化学式52で示す色素) 2.0部 一般式(7)の色素(表11の化学式55で示す色素) 2.0部 アントラキノン系色素 0.5部(表12の化学式57で示す色素)
インドアニリン系色素 1.5部(表13の化学式58で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0082】
【表9】

【0083】
【表10】

【0084】
【表11】

【0085】
【表12】

【0086】
耐熱層用インキ組成 ポリビニルブチラール樹脂: 3.6部 積水化学工業株式会社製 エスレックBX−1 ポリイソシアネート: 8.6部 大日本インキ株式会社製 バーノックD750 燐酸エステル系界面滑性剤: 2.8部 第一工業製薬株式会社製 プライサーフA208S タルク:日本タルク株式会社製ミクロエースP−3 0.7部 メチルエチルケトン 32部 トルエン 32部【0087】尚、実施例10〜12の熱転写シートについては、上記イエロー染料層とシアン染料層との間に、下記組成の離型層形成用塗工液を乾燥時0.5g/m2 になる割合で塗布及び乾燥した後、その上に下記組成の転写性保護層形成用塗工液を乾燥時2g/m2 になる割合で塗布及び乾燥し、これを面順次に繰り返し、基材シートの染料層を形成する面と同一面に設けた。
【0088】
離型層形成用塗工液 アイオノマー樹脂(ケミパールS659、三井化学(株)製) 10部 水/エタノール(重量比2/3) 100部【0089】
転写性保護層形成用塗工液 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部(デンカビニル#1000ALK、電気化学工業(株)製)
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 10部(TINUVIN328、CIBA−GEIGY CO.製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80部【0090】次いで、以下の要領で実施例で使用する被転写材である熱転写受像シートを作製した。
受容層形成用塗工液<R1> ポリカーボネート樹脂 70部(一般式(8)で表される構成単位を40mol%、一般式(9)で表される構成単位を60mol%含む、ランダム共重合体であるポリカーボネート樹脂)
ジシクロヘキシルフタレート(DCHP) 30部 構造式1の付加重合型シリコーンオイル 3.0部 白金系硬化触媒(PL−50T,信越化学工業(株)製) 1.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部【0091】
【化29】

〔但し、式aは分子量が約7,000で、ビニル基変性シロキサン単位の含有率は約15mol%で、全メチル基の約30%は、フェニル基に置換されたものである。また、式bは分子量が約7,000で、ハイドロジェン変性シロキサン単位の含有率は約15mol%で、全メチル基の約30%は、フェニル基に置換されたものである。〕
【0092】
受容層形成用塗工液<R2> ポリカーボネート樹脂 70部(一般式(8)で表される構成単位を40mol%、一般式(9)で表される構成単位を60mol%含む、ランダム共重合体であるポリカーボネート樹脂)
トリス(2,6ジメチルフェニル)フォスフェート 30部(PX−130、大八化学工業(株)製)
構造式1の付加重合型シリコーンオイル 3.0部 白金系硬化触媒(PL−50T,信越化学工業(株)製) 1.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部【0093】
受容層形成用塗工液<R3> ポリカーボネート樹脂 70部(一般式(8)で表される構成単位を40mol%、一般式(9)で表される構成単位を60mol%含む、ランダム共重合体であるポリカーボネート樹脂)
ポリカプロラクトン(プラクセルH4、ダイセル化学工業(株)製) 30部 構造式1の付加重合型シリコーンオイル 3.0部 白金系硬化触媒(PL−50T,信越化学工業(株)製) 1.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部【0094】上記の受容層形成のための塗工液を、基材としての合成紙(王子油化株式会社製ユポFPG150)の一面に、グラビア版を用いたリバースコーティング法により塗布、乾燥させて、被転写材を作製した。塗布量は乾燥時4.5g/m2 である。尚、各実施例で使用する被転写材は下表14,15,16の通りである。
【0095】(比較例1〜34)基材シートとして、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の表面に、下記組成のイエロー染料層形成用塗工液、マゼンタ染料層形成用塗工液、シアン染料層形成用塗工液をグラビア印刷機により、イエロー染料層と、マゼンタ染料層及びシアン染料層を基材シート上に面順次に繰り返し設けるように、塗布、乾燥させた。各比較例で使用するイエロー、マゼンタ、シアンの染料層形成用塗工液の組合せは、表14、15、16の通りである。各染料層は、乾燥状態で全て塗工厚1μmである比較例の熱転写シートを作製した。また、基材シートには、実施例で設けた耐熱層を同条件であらかじめ設けておいた。
【0096】
イエロー染料層形成用塗工液<Y4> キノフタロン系色素(表1の化学式30で示す色素) 14.29部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式33で示す色素) 8.57部 アクリロニトリル−スチレン共重合体 20部(ダイセル化学工業(株)製、セビアンJD)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0097】
イエロー染料層形成用塗工液<Y5> キノフタロン系色素(表1の化学式30で示す色素) 14.29部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式33で示す色素) 8.57部 フェノキシ樹脂 20部(PKHH、Union Carbide社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0098】
イエロー染料層形成用塗工液<Y6> キノフタロン系色素(表1の化学式32で示す色素) 0.5部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式35で示す色素) 0.3部 ビリドンアゾ系色素(表3の化学式37で示す色素) 2.0部 ピラゾロンメチン系色素(表4の化学式38で示す色素) 2.0部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0099】
イエロー染料層形成用塗工液<Y7> キノフタロン系色素(表1の化学式32で示す色素) 0.5部 ジシアノスチリル系色素(表2の化学式35で示す色素) 0.5部 ピリドンアゾ系色素(表3の化学式37で示す色素) 2.5部 ピラゾロンメチン系色素(表4の化学式38で示す色素) 2.5部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0100】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M4> イミダゾールアゾ系色素 8.57部(表5の化学式39で示す色素) トリシアノスチリル系色素 2.86部(表6の化学式42で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 5.71部(表7の化学式45で示す色素)
アクリロニトリル−スチレン共重合体 20部(ダイセル化学工業(株)製、セビアンJD)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0101】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M5> イミダゾールアゾ系色素 8.57部(表5の化学式39で示す色素) トリシアノスチリル系色素 2.86部(表6の化学式42で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 5.71部(表7の化学式45で示す色素)
フェノキシ樹脂 20部(PKHH、Union Carbide社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0102】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M6> イミダゾールアゾ系色素 0.5部(表5の化学式41で示す色素)
トリシアノスチリル系色素 0.3部(表6の化学式44で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 0.3部(表7の化学式47で示す色素)
ピラゾロトリアゾールアゾメチン系色素 1.0部(表8の化学式48で示す色素)
アントラキノン系色素 2.0部(表9の化学式49で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0103】
マゼンタ染料層形成用塗工液<M7> イミダゾールアゾ系色素 0.3部(表5の化学式41で示す色素)
トリシアノスチリル系色素 0.5部(表6の化学式44で示す色素)
ベンゼンアゾ系色素 0.3部(表7の化学式47で示す色素)
ピラゾロトリアゾールアゾメチン系色素 2.0部(表8の化学式48で示す色素)
アントラキノン系色素 2.0部(表9の化学式49で示す色素)
セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0104】
シアン染料層形成用塗工液<C4> シアノメチレン系色素(表10の化学式50で示す色素) 14.29部 一般式(7)の色素 11.43部(表11の化学式53で示す色素)
アクリロニトリル−スチレン共重合体 20部(ダイセル化学工業(株)製、セビアンJD)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0105】
シアン染料層形成用塗工液<C5> シアノメチレン系色素(表10の化学式50で示す色素) 14.29部 一般式(7)の色素 11.43部(表11の化学式53で示す色素)
フェノキシ樹脂 20部(PKHH、Union Carbide社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 70部【0106】
シアン染料層形成用塗工液<C6> シアノメチレン系色素(表10の化学式52で示す色素) 0.5部 一般式(7)の色素(表11の化学式55で示す色素) 0.5部 アントラキノン系色素 2.0部(表12の化学式57で示す色素)
インドアニリン系色素 (表13の化学式58で示す色素) 1.5部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0107】
シアン染料層形成用塗工液<C7> シアノメチレン系色素(表10の化学式52で示す色素) 0.5部 一般式(7)の色素(表11の化学式55で示す色素) 0.3部 アントラキノン系色素 2.0部(表12の化学式57で示す色素)
インドアニリン系色素 (表13の化学式58で示す色素) 2.0部 セルロースアセテートブチレート 3.5部(CAB381−20、Eastman Chemical社製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 90部【0108】
【表13】

【0109】尚、比較例27〜34の熱転写シートについては、上記イエロー染料層とシアン染料層との間に、実施例で使用した離型層形成用塗工液を乾燥時0.5g/m2 になる割合で塗布及び乾燥した後、その上に実施例で使用した転写性保護層形成用塗工液を乾燥時2g/2 になる割合で塗布及び乾燥し、これを面順次に繰り返し、基材シートの染料層を形成する面と同一面に設けた。
【0110】次いで、以下の要領で比較例で使用する被転写材である熱転写受像シートを作製した。
受容層形成用塗工液<R4> 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 70部(デンカビニル#1000A、電気化学工業(株)製)
エポキシ変性シリコーン 10部(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部【0111】
受容層形成用塗工液<R5> 芳香族飽和ポリエステル樹脂 70部(バイロン200、東洋紡績(株)製)
エポキシ変性シリコーン 10部(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 400部【0112】上記の受容層形成のための塗工液を、基材としての合成紙(王子油化株式会社製ユポFPG150)の一面に、グラビア版を用いたリバースコーティング法により塗布、乾燥させて、被転写材を作製した。塗布量は乾燥時4.5g/m2 である。尚、各比較例で使用する被転写材は下表14,15,16の通りである。
【0113】画像形成以上の各熱転写シートと被転写材である熱転写受像シートとを、被転写材の受容面である受容層面と熱転写シートの染料層面とを対向して重ね、イエロー、マゼンタ、シアンの順に熱転写シートの染料層が設けられている側と反対側の面から、下記条件にて熱転写記録を行い、各色のグラデーション画像を形成した。
【0114】(印字条件)
・サーマルヘッド :KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値 :3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi・副走査方向印字密度:300dpi・印字電力 :0.12(W/dot)
・1ライン周期 :5(msec.)
・印字開始温度 :40(℃)
・階調制御方法 :1ライン周期中に、1ライン周期を256等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0〜255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%に固定し、階調によってライン周期当たりのパルス数を0ステップでは0個、1ステップでは17個、2ステップでは34個と、0から255まで17個毎に順次増加させることにより、0ステップから15ステップまでの16階調を制御。
【0115】保護層の転写次いで、上記で形成した印画物において、実施例10〜12と比較例27〜34の熱転写シートには転写性保護層を有しているので、保護層面と熱転写受像シートの印画面を対向させて重ね合わせ、下記条件で印画面全面に保護層を転写した。
【0116】(印字条件)
・サーマルヘッド :KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値 :3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi・副走査方向印字密度:300dpi・印字電力 :0.12(W/dot)
・1ライン周期 :5(msec.)
・印字開始温度 :40(℃)
・階調制御方法 :1ライン周期中に、1ライン周期を256等分割したパルス長をもつ分割パルスの数を0〜255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、各分割パルスのDuty比を60%に固定し、ライン周期当たりのパルス数を210個に固定し、ベタ印画を行い、印画面に保護層を転写。
【0117】(評価)印画物及び熱転写シートを用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの各色単位で、耐光性、印字濃度及び耐キックバック性の評価を行った。評価方法は以下の通りである。
(耐光性)前記のように得られた熱転写受像シートについて、前記の熱転写フィルムを用い、前記の印字条件で熱転写記録を行って、各色について下記の条件にて耐光性試験を行った。
【0118】
照射試験器:アトラス社製 Ci135光源 :キセノンランプフィルター:内側はIRフィルター、外側はソーダライムガラスブラックパネル温度:45℃照射強度:1.2(w/m2 )・・・420nmでの測定値照射エネルギー:200(KJ/m2 )・・・420nmでの積算値【0119】照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、照射の前後における光学濃度の変化を測定し、下記式により、残存率を算出した。
残存率(%)=(〔照射後の光学反射濃度〕/〔照射前の光学反射濃度〕)×100この残存率に基づいて、以下の基準にて耐光性を評価した。
○:残存率が80%以上△:残存率が70%以上80%未満×:残存率が70%未満【0120】(印字濃度)前記のように得られた熱転写受像シートについて、前記の熱転写フィルムを用い、前記の印字条件で熱転写記録を行い、光学濃度を測定し、下記の基準にて評価した。
○:比較例21の印字濃度を基準としたときに、光学反射濃度がOD値1.0付近のステップで102%以上である。
△:比較例21の印字濃度を基準としたときに、光学反射濃度がOD値1.0付近のステップで98%以上102%未満である。
×:比較例21の印字濃度を基準としたときに、光学反射濃度がOD値1.0付近のステップで98%未満である。
【0121】(耐キックバック性)前記のように得られた熱転写シートにおいて、各色の染料層面と耐熱層面とを重ね合わせて、荷重を2kgf/cm2 、温度を50℃として100時間保存し、背面に染料を移行(キック)させた。染料はイエロー、マゼンタ、シアンの各色毎に、上記の耐キックバック性を調べる。つまり、上記の染料を移行させた背面と、上記の染料層または保護層面とを重ね合わせ、荷重を2kgf/cm2 、温度を60℃として4時間保存し、染料層または保護層面に染料を移行(バック)させた。染料をバックさせる前と、バックさせた後の染料層面または保護層面の濃度(O.D.値)をマクベス反射濃度計(サカタインクス(株)製)にて測定し、下記式にて耐キックバック性(ΔO.D.)を求め、下記の基準にて評価した。
【0122】ΔO.D.=(バックさせた後のO.D.値)−(バックさせる前のO.D.値)
尚、染料移行させる色素に対応したフィルターでO.D.値は測定する。
評価基準◎:ΔO.D.≦0.03で耐キックバック性が極めて良好である。
○:0.03<ΔO.D.≦0.06で耐キックバック性が良好である。
△:0.06<ΔO.D.≦0.09で耐キックバック性がやや悪い。
×:0.09<ΔO.D.で耐キックバック性が悪い。
評価結果を表14,15,16に示す。
【0123】
【表14】

【0124】
【表15】

【0125】
【表16】

【0126】
【発明の効果】本発明によれば、以上のように、熱転写シートは、基材シートの上に染料層を設け、染料層バインダー樹脂として、セルロースエステルを用い、イエロー染料に上記一般式(1)のキノフタロン系色素及び/または上記一般式(2)のジシアノスチリル系色素の内から選ばれる少なくとも1種を用い、マゼンタ染料に上記一般式(3)のイミダゾールアゾ系色素及び/または上記一般式(4)のトリシアノスチリル系色素及び/または上記一般式(5)のベンゼンアゾ系色素の内から選ばれる少なくとも1種を使用し、シアン染料に上記一般式(6)のシアノメチレン系色素及び/または上記一般式(7)の色素を用いた。また、熱転写受像シートの受容層に芳香族ポリカーボネート樹脂及びフタル酸系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリカプロラクトン、ポリエステル系可塑剤の内から選ばれる少なくとも1種の可塑剤を含有させて、熱転写の印字速度の高速化に対応して、十分な印字濃度が得られ、巻き取り保管中に熱転写シートの裏面側の耐熱滑性層へ染料が移行し、その移行した染料が巻き返した時に、他の色の染料層や転写性保護層へ再転移して汚染することがなく、また印字物の耐光性に優れ、十分に満足できる品質の印画物が得られた。




 

 


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