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発明の名称 図書貸出用カード及び図書貸出システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−54994(P2001−54994A)
公開日 平成13年2月27日(2001.2.27)
出願番号 特願平11−230646
出願日 平成11年8月17日(1999.8.17)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2C005
3E048
【Fターム(参考)】
2C005 HA22 HB17 HB20 JA02 JA15 JA26 JC02 JC04 JC06 KA02 KA25 KA37 LA02 LA11 LB25 LB32 
3E048 AA10 BA07
発明者 工藤 武朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 図書を貸し出す際に使用するカードであって、カード使用者を識別する識別コードが記録された読み取り専用情報記録部と、図書の貸出情報を書き換え可能に記録する書き換え用情報記録部と、図書の貸出情報及び返却予定情報を書き換え可能に表示記録する可逆性表示部とを備えたことを特徴とする図書貸出用カード。
【請求項2】 請求項1記載の図書貸出用カードにおいて、前記図書の貸出情報が貸出日及び貸出図書名であり、また前記返却予定情報が返却予定日であることを特徴とする図書貸出用カード。
【請求項3】 請求項1記載の図書貸出用カードにおいて、前記可逆性表示部が、マイクロカプセル中に磁場に感応する磁性粉を含有して形成した磁性表示部、温度に依存して可逆的に変化する可逆性感熱表示部、ロイコ系可逆性感熱表示部、または液晶/高分子複合膜層を用いた可逆性表示部のいずれかであることを特徴とする図書貸出用カード。
【請求項4】 予めカード使用者を識別する識別コードが記録された読み取り専用情報記録部と、図書の貸出情報を書き換え可能に記録する書き換え用情報記録部と、図書の貸出情報及び返却予定情報を書き換え可能に表示記録する可逆性表示部と、を備えたカードを用いて図書の貸出処理を行う図書貸出システムであって、前記読み取り専用情報記録部の識別コードを読み取る識別コード読取手段と、前記書き換え用情報記録部に図書の貸出情報を記録する貸出情報記録手段と、前記可逆性表示部に図書の貸出情報及び返却予定情報を表示記録する表示記録手段とを有するカードリーダライタと、貸し出す図書の情報を入力する入力手段と、前記入力手段による入力情報に基づき図書の返却予定情報を生成するデータ処理手段と、前記入力手段で入力された情報に基づく貸出情報及び前記返却予定情報を前記カードリーダライタへ送信する制御手段と、を具備することを特徴とする図書貸出システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、図書館等で図書の貸し出し処理の際に使用する図書貸出用カード及び図書貸出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図書館等での図書貸出サービスの運用に際しては、身分証明書等の確認に基づいて、予め利用者の住所、氏名、電話番号等の個人情報をコンピュータの記憶手段に登録しておき、一方利用者を特定する識別コードを付与して、この識別コードを例えばバーコードや磁気ストライプ等の機械読み取り可能な記録としてカードに設け、このカードを利用者に発行することで、カードによる図書の貸出管理処理を行っている。そして、図書の貸し出し時には、利用者に対して利用者が借りた本の図書名等のリストが渡されないため、後日にどの図書をいつまでに返せばよいのか判らなくなることがあり不便であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、図書の貸し出しの際に図書の貸出情報や返却予定情報を目視可能に表示することができ、またカードの表示領域がこれらの情報で全て一杯に表示された場合でも、表示事項を消去して再度表示して使用することが可能な図書貸出用カードを提供する。また、前記図書貸出用カードを用いて図書の貸し出し処理を行う際に、従来よりも短時間で効率的に行うことができ、しかもカードの表示領域がこれらの情報で全て一杯に表示された場合でも、表示事項を消去して繰り返しカードを使用することが可能な図書貸出システムを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項1の発明は、図書を貸し出す際に使用するカードであって、カード使用者を識別する識別コードが記録された読み取り専用情報記録部と、図書の貸出情報を書き換え可能に記録する書き換え用情報記録部と、図書の貸出情報及び返却予定情報を書き換え可能に表示記録する可逆性表示部とを備えたことを特徴とする図書貸出用カードである。
【0005】請求項2の発明は、請求項1記載の図書貸出用カードにおいて、前記図書の貸出情報が貸出日及び貸出図書名であり、また前記返却予定情報が返却予定日であることを特徴とする図書貸出用カードである。
【0006】請求項3の発明は、請求項1記載の図書貸出用カードにおいて、前記可逆性表示部が、マイクロカプセル中に磁場に感応する磁性粉を含有して形成した磁性表示部、温度に依存して可逆的に変化する可逆性感熱表示部、ロイコ系可逆性感熱表示部、または液晶/高分子複合膜層を用いた可逆性表示部のいずれかであることを特徴とする図書貸出用カードである。
【0007】請求項4の発明は、予めカード使用者を識別する識別コードが記録された読み取り専用情報記録部と、図書の貸出情報を書き換え可能に記録する書き換え用情報記録部と、図書の貸出情報及び返却予定情報を書き換え可能に表示記録する可逆性表示部と、を備えたカードを用いて図書の貸出処理を行う図書貸出システムであって、前記読み取り専用情報記録部の識別コードを読み取る識別コード読取手段と、前記書き換え用情報記録部に図書の貸出情報を記録する貸出情報記録手段と、前記可逆性表示部に図書の貸出情報及び返却予定情報を表示記録する表示記録手段とを有するカードリーダライタと、貸し出す図書の情報を入力する入力手段と、前記入力手段による入力情報に基づき図書の返却予定情報を生成するデータ処理手段と、前記入力手段で入力された情報に基づく貸出情報及び前記返却予定情報を前記カードリーダライタへ送信する制御手段と、を具備することを特徴とする図書貸出システムである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の図書貸出用カードの実施形態の表面側の平面図、図2は、本発明の図書貸出用カードの実施形態の裏面側の平面図、図3は、可逆性表示部に可逆性感熱表示部を用いた場合の図1のA−A断面図、図4は、可逆性表示部に磁性表示部を用いた場合の図1のA−A断面図、図5は、磁性表示部の層構成を示す断面図、図6は、磁性表示部の表面に垂直磁場をかけた時のカプセル内の磁性粉の挙動を示す断面図、図7は、磁性表示部の表面に水平磁場をかけた時のカプセル内の磁性粉の挙動を示す断面図、図8は、本発明の図書貸出システムの具体的な装置構成の一部を示す図、図9は、本発明の図書貸出システムの構成を示す図、図10は、本発明の図書貸出システムの図書貸出時における一実施例におけるプロセスを説明するフローチャート、図11は、本発明の図書貸出システムの図書返却時における一実施例におけるプロセスを説明するフローチャートである。
【0009】本発明の図書貸出用カード1には、そのカードの一方の面に、図書の貸出日2a,貸出図書名2b,貸出図書コード2c等の貸出情報及び返却予定日等の返却予定情報3を書き換え可能に表示記録することができる可逆性表示部4が設けられ、また他方の面に、カード使用者を識別する識別コードが記録された読み取り専用情報記録部5aと、図書の貸出情報を書き換え可能に記録する書き換え用情報記録部5bと、を有する記録手段5が設けられている。記録手段5としては、磁気ストライプからなる磁気記録手段やICチップからなるIC記録手段等をカードに設けることで、それらの記録手段に読み取り専用情報記録部5aと書き換え用情報記録部5bとを設定すればよい。また、読み取り専用情報記録部5aとしては、この他にバーコード5cやOCR文字(光学的読み取り文字)等の光学的に機械読み取り可能な表示をカードに設けてもよい。
【0010】そして、読み取り専用情報記録部5aには、カード使用者を識別するためにカード発行者側で定めた識別コードが記録されている。この識別コードは、カード使用者を識別するために任意に設定するカード使用者毎に異なるコードであり、会員番号や利用者番号等を識別コードとして用いることができる。また、書き換え用情報記録部5bには、図書の貸出情報として、例えば貸出日及び貸出図書名等の情報や、図書の返却予定情報として、例えば返却予定日等の情報が記録されるようになっている。
【0011】本発明の図書貸出用カード1に用いられる可逆性表示部4としては種々の方式があり、それらの中から任意に選択して使用すればよい。これらの可逆性表示部4としては、表示方式の違いにより例えば次に記載する4つの実施形態がある。具体的には、第1実施形態として、温度に依存して可逆的に変化する可逆性感熱表示部を有するカード、第2実施形態として、ロイコ系可逆性感熱表示部を有するカード、第3実施形態として、マイクロカプセル中に磁場に感応する磁性粉を含有して形成した磁性表示部を有するカード、第4実施形態として、液晶/高分子複合膜を用いた可逆性表示部を有するカードがあり、以下に上記各々の可逆性表示部の方式の違い毎に、各々の実施形態について説明する。
【0012】(第1実施形態)本発明の図書貸出用カードの第1実施形態を以下に説明する。図書貸出用カード1のカード基材6は、図3に示すように、2枚のセンターコアシート7a,7bを積層し、その上下に透明のオーバーシート8a,8bを積層して構成してある。オーバーシート8bには、その表面に磁気ストライプからなる磁気記録部9を貼付して形成してある。また、磁気記録部9の代わりにICチップからなるIC記録部をカードの一部に設けてもよい。そして、それらの記録手段である磁気記録部9またはIC記録部に読み取り専用情報記録部と書き換え用情報記録部とを設定する。一方センターコアシート7a,7bは乳白色の塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体樹脂であり、センターコアシート7a,7bの表面には、例えばカードの発行者名やカードの名称そして種々の絵柄やマーク,デザイン等の印刷表示10がオフセット印刷、シルクスクリーン印刷等で形成されている。またセンターコアシート7a,7bは、必要とする厚さが得られれば1枚ないし3枚以上でもよく特に2枚に限定する必要はなく、またカード基材6を、1枚のシートでも多層のシートにより構成してもよい。
【0013】オーバーシート8a,8bおよびセンターコアシート7a,7bの材料となる樹脂としては、特に制限はないが、具体的にはポリ塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ブタジエン樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリビニールアルコール、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂またはこれらの混合物などの合成樹脂を挙げることができる。
【0014】また、カード基材6のオーバーシート8aの表面の一部に凹部11を形成し、その凹部11内に可逆性表示部4である可逆性感熱表示部4aが設けてある。可逆性感熱表示部4aは、カード基材6のオーバーシート8aの表面の凹部11に貼付して設けてある。可逆性感熱表示部4aは、下部から接着層12、支持体(PET)13、感熱記録層14、保護層15とが順次積層されている。本発明で使用する可逆性感熱表示部4aは、例えば、特開昭54−119377号公報、同55−154198号公報、同61−258853号公報、同58−7683号公報、同57−109695号公報、同57−82086乃至82088号公報等において知られた材料であり、これらの材料は熱により透明状態と白濁状態とが可逆的に変化し、且つ常温で上記2形態が保持できるポリマー組成物である。
【0015】例えば、これらの材料は常温により高い温度T1 以上に加熱後冷却すると白濁し、且つ常温により高く且つT1 よりより低い温度T2 に加熱後冷却すると透明となる。したがって、これらのポリマー組成物から感熱記録層を形成し、この層をT1より低く且つ常温より高い温度T2 に加熱後冷却する全体が透明なフィルムとなり、この透明フィルムにサーマルヘッド等によりT1 以上の温度で印字すると白濁による白色文字が形成される。そして、文字形成後に全面を再度T2 の温度に加熱するとこれらの文字は消去され、再度T1 の温度で印字可能となる。また、逆に全体をT1 の温度白濁させ、T2 の温度で抜き文字状に印字することもできる。
【0016】以上の如き物性を有するポリマー組成物はいずれも本発明で使用可能であるが、好ましい具体例としては、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体、ポリエステル等の熱可塑性樹脂をマトリックス材とし、このマトリックス材中に炭素数10乃至30の飽和或いは不飽和脂肪酸、それらのエステル、マミドまたはアンモニウム塩等の有機低分子物質との使用比率は、重量比で3:1乃至16:1、好ましくは6:1乃至12:1の範囲である。
【0017】感熱記録層14の耐久性を向上させるためにその表面に透明な保護層15を形成するが、この保護層15は、上記したオーバーシート8a,8bと同様の樹脂を用いるように形成してもよい。以上の如くカード基材に形成する保護層15、感熱記録層14、支持体(PET)13、接着層12は、そのカードの使用目的に適合するようにそれぞれカード基材6の両面、片面の全部または一部に設ければよい。
【0018】(第2実施形態)次に第2実施形態の図書貸出用カード1について説明する。第2実施形態の図書貸出用カード1は、可逆性表示部4にロイコ系可逆性感熱表示部を形成するものである。第2実施形態の図書貸出用カード1は、第1実施形態のカードと同様のカード基材構成及び印刷表示、磁気記録部またはIC記録部を有するものである。したがって、カード基材構成等の説明は省略し、ロイコ系可逆性感熱表示部について以下に説明する。
【0019】ロイコ系可逆性感熱表示部は、図3の可逆性感熱表示部4aの感熱記録層14をロイコ染料と、このロイコ染料を加熱することにより発色させる酸性基及びロイコ染料を加熱することにより消色させる塩酸性基とを有する化合物、またはこれら酸性基及び塩酸性基を有する両性化合物と、水または有機溶剤に溶解する高分子材料等からなるバインダーとから構成したものである。
【0020】ロイコ染料としては、3−インドリノ−p−ジメチルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、メチル−7−アニリノフルオラン、3−N−メチルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどが使用できる。
【0021】ロイコ染料を加熱することにより発色させる酸性基としては、フェノール性水酸基、またはカルボキシル基などが使用できる。また、ロイコ染料を加熱することにより消色させる塩酸性基としては、アミノ基などが使用できる。これらの酸性基及び塩酸性基を有する両性化合物としては、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール等のアミノフェノール;2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸等のアミノ安息香酸;2−ヒドロキシ−3−アミノ安息香酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、2−アミノ−4−アミノ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−アミノ安息香酸、3−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−アミノ安息香酸等のヒドロキシアミノ安息香酸等が使用できる。
【0022】また、酸性基を有する化合物としては、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸等のヒドロキシ安息香酸;4−ヒドロキシサリチル酸、5−ヒドロキシサリチル酸等のヒドロキシサリチル酸等が使用できる。また、塩酸性基を有する化合物としては、トクチルアミン、ノニルアミン、ベンジルアミン、2−フェニルエチルアミン、6−フェニルヘキシルアミン等が使用できる。バインダーとしては、メチルアルコール、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビルニル等が使用できる。
【0023】ロイコ系可逆性感熱表示部における上記の各成分の含有量としては、両性化合物1重量部に対して、ロイコ染料0.1〜1重量部、バインダー2重量部以下を混合する。そして、例えば、水もしくは有機溶剤に上記両性化合物、ロイコ染料、バインダーを溶解または分散して、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷などの方法で支持体上に印刷する。
【0024】ロイコ系可逆性感熱表示部における画像表示及び画像消去の原理は、次の通りである。ロイコ系可逆性感熱表示部に対して、サーマルヘッドにより比較的低温加熱することで、その熱エネルギーによって、フェノール性化合物は無色のロイコ染料のラクトン環を開環させ、無色から有色に色変化させ各種の情報を目視可能に表示させる。また、セラミックバーにより高温加熱することにより、その熱エネルギーによって、ラクトン環を閉環させて無色の化合物に戻すことができる。つまり、熱の作用によって酸の性質を示したり、塩基の性質を示すためにロイコ染料に対して、顕色剤となったり減色剤となったりするものである。
【0025】(第3実施形態)次に第3実施形態の図書貸出用カードlについて説明する。第3実施形態の図書貸出用カード1は、図4に示すように可逆性表示部4に磁性表示部4cを形成するものである。第3実施形態の図書貸出用カード1は、第1実施形態のカードと同様のカード基材構成及び印刷表示、磁気記録部を有するものである。したがって、カード基材構成等の説明は省略し、磁性表示部4cについて以下に説明する。
【0026】可逆性表示部4である磁性表示部4cの積層構成は、図4に示されるように、オーバーシート8aに形成した凹部11に、基板16と該基板16の上部に設けられた記録層17と、該記録層17の上部にアンカー層18を介して設けられた保護層19とから構成されている。
【0027】基板16は、各種プラスチック、紙、金属等のシート状のものであれば材質に特に制限はないが、基板16そのものが黒く着色されているか、基板16の表面が黒く着色されたものが表示のコントラストを明確にする上で特に好ましい。着色の手段としては、例えば、硫酸バリウム、マイクロシリカ、カーボンブラック等の顔料を各種プラスチック原料に混練した後、シート状に成形すればよい。このような基板の厚さは、通常50〜200μm程度とされる。また、基板16は必ずしも設ける必要はなく、カード基材6のオーバーシート8aの凹部11に直接記録層17を形成してもよいものである。また、必要に応じて、凹部11をオーバーシート8a及びセンターコアシート7aに設けるようにしてもよい。
【0028】このような基板16の上に設けられる記録層17は、図5に示すように複数のマイクロカプセル20とバインダー21を備える。マイクロカプセル20の中には液体22bとしてのビヒクルおよび磁性粉22aが含有されており、磁性粉22aはビヒクルの中に浮遊した状態になっている。ビヒクルとしては、極性液体と、疎水性液体と、熱可塑性樹脂とを含有させることか好ましい。極性液体としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等の極性基を有するアルコール類、ケトン類、エステル類、カルボン酸類、アミノ化合物が挙げられる。より具体的には、芳香族酸エステル、脂肪酸エステル、アルコールエステル、オキシ酸エステル等のエステル類が一般的であって、フタル酸ジブチル、燐酸オクチジフェニル、セパシン酸ジオクチル、トリアセトン、ヒマシ油等が好適例として挙げられる。
【0029】疎水性液体としては、低揮発性の脂肪族、芳香族炭化水素およびこれらの混合物であって、感圧複写紙用マイクロカプセルに常用されるものが好適である。熱可塑性樹脂としては、前記極性液体および疎水性液体の混合液に安定に溶解し得るものであればいずれも使用可能である。なかでも溶解時の透明性が良く、電界や磁界、光、熱、及び温度等によってゲル化することのないものであって、マイクロカプセル壁形成反応に対して、悪影響のないものが選択される。好適例として、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、脂環族飽和炭化水素樹脂、ポリメタクリル酸エステル、アセチルセルロース、エチルセルロース等が挙げられる。
【0030】このような成分を含有するビヒクルの常温における粘度は、20〜5000cp程度とされる。粘度は主に熱可塑性樹脂の含有量によって変動し、前記熱可塑性樹脂は、2〜50wt%程度含有される。また、極性流体の含有率は、熱可塑性樹脂との相容性や磁性粉の安定性等を考慮して適宜、設定される。また、常温で固相のワックスを液体の代わりに使って加熱書き込みしてもよい。
【0031】磁性粉22aとしては、鉄、ニッケル、鉄−ニッケルや、鉄−ニッケル−クロム等のステンレススチール、アルミニウム−コバルト合金、サマリウム−コバルト合金等が用いられる。磁性粉22aの形状としては、いわゆるフレーク形状のものが好ましく、厚さはできるだけ薄く、厚さと粒径の比が大きいものが好ましい。粒径は、3〜15μm程度とされる。粒径が大きくなると、カプセル内にうまく収納されず、また、外部磁気への影響が遅くなる。一方、粒径が小さくなると、磁化させた時、水平方向と垂直方向での光反射率の差が小さくなり記録時のコントラストが悪くなる。このような磁性粉22aの保持力は、用いられる媒体の用途によって適宜選定すればよい。さらに磁性粉22aにビヒクルへの分散性を向上させると共に、磁性粉同士の凝集を防止するという観点から、磁性粉の表面を予め公知の種々の有機材料で被覆してもよい。また、磁性粉の反射率を挙げるためにアルミニウムや銀などを磁性粉表面に蒸着してもよい。
【0032】さらに、マイクロカプセル20内には、コントラストを向上させるために染料または顔料を含有させることが好ましい。このようなマイクロカプセル20は、例えば米国特許第2800458号、英国特許第1142556号、米国特許第4001140号等に開示されている種々の方法で製造される。マイクロカプセル20の粒径は、体積平均径で10〜100μmが好適である。この値があまり小さくなると、カプセル内に収納される磁性粉の総量が少なくなるために、記録時のコントラストが十分でない。逆にこの値が大きくなりすぎると、記録層表面に凹凸が生じ、記録画像が不均一になってしまう。
【0033】このようなマイクロカプセル20を塗設するのに用いられるバインダーとしては、マイクロカプセル壁を損傷せず、かつ基板15表面によく接着するものであれば特に制限はない。より好適な具体例としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このようなマイクロカプセルを含有する記録層17の厚さは、通常、50〜200μmとされる。このような記録層17の上にはアンカー層18を介して保護層19が設けられる。
【0034】上述したように形成される磁性表示部4cの下層には、磁性体層(図示せず)を埋設することが好ましい。この磁性体層としては、例えば鉄、ニッケル、クロム等のステンレススチーム、アルミニウム、コバルト合金、サマリウム・コバルト合金等の材質からなる。その大きさは前記磁性表示部と同程度であり、その厚さは50〜200μm程度である。
【0035】磁性表示部4cにおける情報表示の仕組みは、図6に示すように垂直磁場φVをかけると、マイクロカプセル20の磁性粉22aは垂直方向に整列され、この結果、外部からの入射光Liは、媒体表面に整列され、基板16表面に達してここで吸収され反射光Loは小さくなる。この状態では、反射光が少ないため、黒く目視される。
【0036】一方、図7に示すように垂平磁場φPをかけると、マイクロカプセル20の磁性粉22aは水平配向され、外部からの入射光Liは、磁性粉22aで反射されて、反射光Loとなり、この状態では磁性粉22aからの色が目視される。したがって、図6の状態を消去状態とすれば外部からは明るい金属色が目視できる。一方、図6の状態に対して図7のように水平磁場φVを加えることにより、その部分の磁性粉22aだけが部分的に水平状態となることで、この部分が例えば黒色に目視され、情報として外部から容易に判読できるものである。
【0037】(第4実施形態)次に第4実施形態の図書貸出用カードについて説明する。第4実施形態の図書貸出用カードは、可逆性表示部4に液晶/高分子複合膜を用いた可逆性表示部を設けるものである。第4実施形態の図書貸出用カードは、第1実施形態のカードと同様のカード基材構成及び印刷表示、磁気記録部またはIC記録部を有するものである。したがって、カード基材構成等の説明は省略し、液晶/高分子複合膜を用いた可逆性表示部について以下に説明する。
【0038】液晶/高分子複合膜を用いる場合の可逆性表示部は、カード基材上に電極となる導伝層と液晶/高分子複合膜が積層され、更に好ましくはその上に保護層を設ける。そして、上記液晶/高分子複合膜には、マトリックス樹脂中に液晶の粒子が独立して分散している。また、上記液晶/高分子複合膜としては、連続多孔質構造を有するポリマー薄膜の空隙(多孔質部分:通常セルと称される)中に液晶を充填したものを使用することが好ましい。高分子マトリックスとして使用する連続多孔質構造を有するポリマー薄膜は、ポリマー薄膜中に存在する無数の微細気孔が連通したものであり、適当な空隙率と適当なサイズの空隙を有する連続多孔質構造を有するポリマー薄膜であれば、ポリマーの種類は特に制限されない。連続多孔質構造を有するポリマー薄膜としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンを延伸加工したもの、微細な孔を多数有するフィラーを添加したもの、ポリマー薄膜に穿孔加工したもの等を使用できる。
【0039】上記の連続多孔質構造を有するポリマー薄膜の空隙中に充填する液晶としては、従来公知のいずれの液晶でも使用可能であるが、特にメモリー性に優れたスメクチック液晶を使用することが好ましい。このようなスメクチック液晶としては、例えばジャパンエナジー社から入手できる各種のスメクチック液晶が使用される。そして、液晶組成物粒子が連続多孔質構造を有するポリマー薄膜中の空隙に充填された液晶/高分子複合膜を、少なくとも一方が透明である一対の導電性基板間に形成して可逆性表示媒体を作製し、カード基材の一部に設け可逆性表示部とする。
【0040】上記の液晶/高分子複合膜を用いた可逆性表示部への情報の記録及び消去について説明する。情報の消去は、液晶/高分子複合膜層を必要に応じて加熱した後、電界を印加し、液晶分子を電界方向に配向させることによって行う。電界を印加する方法としては、コロナ帯電法が特に有効である。また、情報の記録は、液晶/高分子複合膜層に必要な熱を加え、熱が加えられた部分の液晶分子の配向を乱すことによって行う。熱を加える方法としては、サーマルヘッドを用いる方法が好ましい。なお、記録を電界で、消去を熱で行ってもよい。
【0041】以上説明したように、本発明には可逆性表示部4として、種々の方式の可逆性表示部を設けたカードを使用することができるが、上記の方式に限定されるものではなく、その他の様々な方式の可逆性表示部を設けたカードに適応することができるものである。
【0042】本発明の図書貸出用カード1は、上記した第1〜4実施形態に示したような書き換え表示可能な可逆性表示部4を用いて、その可逆性表示部4に、図1に示すような、図書の貸出日2a,貸出図書名2b,貸出図書コード2c等の貸出情報及び返却予定日等の返却予定情報3を目視可能に書き換え可能に表示したカードである。
【0043】次に、本発明の図書貸出システムについて説明する。本発明の図書貸出システムは、図8,図9に示すように、例えばパーソナルコンピュータ装置23の主制御装置24には、データ処理手段25を含む制御手段26が設けられ、また図書の貸出情報を入力するキーボード等からなる入力手段27とCRT,液晶表示装置等のディスプレイ装置からなる表示手段28とが備えられている。また、図書館利用者の個人情報が蓄積された会員データベース29や図書館で貸し出す図書を管理するための図書管理用データベース30等がフロッピーディスク、ハードディスク等に蓄積され、制御手段26によりこれらの情報を読み取ったり、必要な情報を記録することができるようになっている。
【0044】一方、パーソナルコンピュータ装置23には、カードリーダライタ31が接続されていて、このカードリーダライタ31のカード挿入口32から前記した図書貸出用カード1を挿入することによりその内部で、図書貸出用カード1の読み取り専用情報記録部5a、書き換え用情報記録部5b、可逆性表示部4に対しての各種情報の書き込みや読み取りそして表示を行うことができるように構成してある。したがって、このカードリーダライタ31には、図書貸出用カード1の読み取り専用情報記録部5aに記録された識別コードを読み取るための識別コード読取手段33と、書き換え用情報記録部5bに対して図書の貸し出し情報、例えば貸出日、貸出図書名または貸出図書コード、返却予定日等の情報を記録するための貸し出し情報記録手段34と、図書貸出用カード1の可逆性表示部4に対して、貸出日、貸出図書名等の図書の貸出情報及び返却予定日等の返却予定情報を書き換え可能に表示記録するための表示記録手段35とが備えられている。
【0045】
【実施例】以下、本発明に関する具体的な実施例について図面及びフローチャートに基づいて説明する。この実施例では、図書貸出用カード1を用いて図書館で図書を貸し出す場合と、図書を返却する場合についての処理手順を説明する。
【0046】まず、図書館には、図書の貸し出しや返却事務を行うための受付窓口等に、図8に示すようなパーソナルコンピュータ装置23とカードリーダライタ31とをあらかじめ設置しておく。図書館で図書を貸し出す場合の手順としては、利用者が借りたい図書を選んだ後に、その図書と図書貸出用カード1を持参して受付窓口に提出する。受付窓口では、一旦その図書と図書貸出用カード1を図書館側の担当者が受け取り、図書貸出用カード1をカードリーダライタ31のカード挿入口32に挿入する(S1)。そして、カードリーダライタ31により、図書貸出用カード1の読み取り専用情報記録部5aに記録されている利用者の識別コードを読み取る(S2)。読み取られた識別コードをキーにして、会員データベース29の登録情報を検索し、その利用者に対応する会員情報を抽出及び表示手段に表示して例えば図書の貸し出し冊数の限度を越えていないか否か等の貸し出し条件に伴う確認を行う(S3)。
【0047】次に、入力手段28により、貸し出す図書の情報として、図書に貼付されたシール等に表示さたバーコード等の機械読み取り表示で表示されている図書コードを読み取り入力する(S4)。そして、入力手段28で入力された情報に基づく貸出日等の貸出情報と、貸出日から予め貸出期間として定めた期間を追加して算出される該当日を返却予定日としてデータ処理手段25で算出し(S5)、制御手段26によりカードリーダライタ31に送信される。次に、入力手段28により読み取った図書コードに基づいて、図書管理用データベース30から該当する図書名を抽出する(S6)。
【0048】次に、会員データベース29と図書管理用データベース30に図書貸出情報として、例えば貸出日,貸出図書名,図書コード及び返却予定日等の返却予定情報を登録する(S7)。次に、カードリーダライタ31により、図書貸出用カード1の書き換え用情報記録部5bと可逆性表示部4にも、図書貸出情報及び返却予定情報を記録及び表示記録した後、図書貸出用カード1を排出する(S8)。
【0049】図書を返却する場合についての処理手順を以下に説明する。返却する図書と図書貸出用カード1を持参して受付窓口に提出する。受付窓口では、一旦その図書と図書貸出用カード1を図書館側の担当者が受け取り、図書貸出用カード1をカードリーダライタ31のカード挿入口32に挿入する(S9)。そして、カードリーダライタ31により、図書貸出用カード1の読み取り専用情報記録部5aに記録されている利用者の識別コードを読み取る(S10)。読み取られた識別コードをキーにして、会員データベース29の登録情報を検索し、その利用者に対応する会員情報を抽出及び表示手段に表示して例えば図書の返却予定期限を越えていないか否か等の確認を行う(S11)。
【0050】次に、カードリーダライタ31により、図書貸出用カード1の書き換え用情報記録部5bに記録されている図書コードを読み取る(S12)。そして、読み取った図書コードをキーにして図書管理用データベース30から該当する図書名を抽出する(S13)。次に、入力手段28により、返却した旨の返却情報を入力する(S14)。そして、会員データベース29と図書管理用データベース30に、これらの返却情報を登録(S15)する。最後に、カードリーダライタ31により、図書貸出用カード1の書き換え用情報記録部5bと可逆性表示部4に記録または表示記録した貸出情報及び返却予定情報を抹消及び消去した後、排出する(S16)。
【0051】以上のようにして、図書館において図書貸出用カード1を使用して、図書の貸し出し及び返却処理を行う。また、カードリーダライタ31を用いた図書貸出用カード1の可逆性表示部への表示記録及び消去は、前記した各種の実施形態の中から選択して採用した方式の可逆性表示部の種類に対応した方式の表示記録手段35を用いて行うものであり、また、カードリーダライタ31の識別コード読み取り手段33や貸出情報記録手段34も、図書貸出用カード1に用いた方式の記録手段と対応して読み取りや記録が行える方式の手段を用いる。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の図書貸出用カードは、図書の貸し出しの際に図書の貸出情報や返却予定情報を目視可能に表示することができ、またカードの表示領域がこれらの情報で全て一杯に表示された場合でも、表示事項を消去して再度表示することができるので繰り返し何度でも再使用することができるので、省資源上の無駄が少なくてすむと共に、現在借りている図書を確認する際にも、借りている図書の情報だけが表示されていて過去に返却した図書の情報が残って表示されていないので、確認する際に素早く確実に確認ができ効率的である。また、本発明の図書貸出システムを使用することにより、貸出情報や返却情報をカードに設けた記録部や可逆性表示部に速やかに記録及び表示を行うことができるので、図書の貸出処理や返却処理を短時間に効率よく行うことができるので従来によりも利用者を待たせることが少なく便利である。
【0053】




 

 


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