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発明の名称 偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11791(P2001−11791A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−180633
出願日 平成11年6月25日(1999.6.25)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2C005
4L055
5B035
5D006
5E049
【Fターム(参考)】
2C005 HA01 HA04 HA09 HB01 HB10 HB11 HB13 JA03 JB08 JB09 JB20 JB24 JB28 KA37 KA48 LB18 
4L055 AF02 AG03 AJ10 BE20 EA08 EA34 GA40 GA45
5B035 AA15 BA03 BA05 BB01 BB02 BC00 CA01 CA06
5D006 BB01 BB07 CA01 DA01 FA00
5E049 AA01 AA04 AA09 AC05 BA11 BA30 DB06 DB12
発明者 岩本 要司 / 中村 修 / 羽音 大作
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 偽造防止用紙に抄き込んで使用するためのスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材表面に、0.01〜0.1μmの膜厚の金属からなる表面平滑層を設け、該表面平滑層の上に強磁性材薄膜層を形成したことを特徴とする偽造防止用スレッド。
【請求項2】 上記強磁性材薄膜層は、保磁力が0.5〜50エルステッドで、かつ角型比が0.7〜1.0に調整されていることを特徴とする請求項1記載の偽造防止用スレッド。
【請求項3】 上記強磁性材薄膜層は、レーザ加工法、エッチング法、リフトオフ法等の薄膜除去手段により部分的に除去することによりパターン化されていることを特徴とする請求項1および請求項2記載の偽造防止用スレッド。
【請求項4】 バーコードマークがパターン化されて設けられていることを特徴とする請求項3記載の偽造防止用スレッド。
【請求項5】 基紙に、請求項1から請求項4記載の偽造防止用スレッドを抄き込んでなることを特徴とする偽造防止用紙。
【請求項6】 上記基紙は、該スレッドを間欠的に露出する表出部と該表出部間であって該スレッドを間欠的に覆う被覆部を備えていることを特徴とする請求項5記載の偽造防止用紙。
【請求項7】 表出部と被覆部が複数列設けられ、複数本の偽造防止用スレッドを抄き込んだことを特徴とする請求項6記載の偽造防止用紙。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、偽造防止用スレッドおよびそれを用いた偽造防止用紙に関する。詳しくは、基材樹脂フィルム表面に角型比の大きい強磁性材薄膜層を備え、必要に応じてパターン化することを特徴とする偽造防止用スレッドとそれを用いた偽造防止用紙に関する。このような偽造防止用紙は、商品券、ギフト券、証明書、チケット、投票券、切符、ラベル等の各種セキュリティ媒体に使用することができる。
【0002】
【従来技術】各種セキュリティ媒体の偽造防止策として、種々のスレッドを用紙に抄き込む手法がある。このようなスレッドによる偽造防止手段は用紙を製造する段階において設けられるので、カラーコピーやスキャナー取込み、製版印刷等による方法での偽造は困難である。しかし、真正のスレッドに似せた偽造スレッドを抄き込んだ偽造用紙が出回る場合があり、単純な磁気スレッドや光輝性スレッドのみでは真正の判断には十分でない場合が生じる。
【0003】一方、一般的な磁気記録材をスレッドに組み合せた構造も磁気記録情報の改ざんが容易なため、高度の偽造防止構造とはいえない。そのため、より高度の偽造防止構造を有するデータ記録担体として、粗化部と磁性膜を組み合せた構造として、特開平10−64051号公報では、磁気パターニングされた磁性体板等が提案されている。そこで、本発明はこのような磁性体板にさらに改良を加えて偽造防止用スレッドやそれを用いた偽造防止用紙に適用することで一層の偽造防止効果を図ろうとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、偽造防止用紙に抄き込んで使用するためのスレッドであって、樹脂フィルムからなる基材表面に、0.01〜0.1μmの膜厚の金属からなる表面平滑層を設け、該表面平滑層の上に強磁性材薄膜層を形成したことを特徴とする偽造防止用スレッド、にある。かかる偽造防止用スレッドであるため、偽造、改ざんが困難である。
【0005】このような偽造防止用スレッドは、強磁性材薄膜層を、保磁力が0.5〜50エルステッドで、かつ角型比が0.7〜1.0に調整されていることができ、レーザ加工法、エッチング法、リフトオフ法等の薄膜除去手段により部分的に除去することによりパターン化されているものとすることができ、また、バーコードマークがパターン化されて設けられたものとすることができる。このようにすることにより強磁性材の特性を顕著にし、偽造、改ざんが一層困難となる。
【0006】上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、基紙に上記偽造防止用スレッドを抄き込んでなることを特徴とする偽造防止用紙、にある。かかる偽造防止用紙であるため、偽造、改ざんが困難である。このような偽造防止用紙の基紙は、該スレッドを間欠的に露出する表出部と該表出部間であって該スレッドを間欠的に覆う被覆部を備えることができ、表出部と被覆部が複数列設けられ、複数本の偽造防止用スレッドを抄き込むこともできる。このようにすることで、偽造、改ざんが一層困難となる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の偽造防止用スレッドは、樹脂フィルムからなる基材上に、アルミニウム、銅、すず、亜鉛、アンチモン、鉛等の金属からなる表面平滑層を設け、樹脂フィルム表面の微細凹凸を平滑化し、その基材表面に強磁性材薄膜をスパッタ等の気相法で成膜した偽造防止用スレッドとそれらを使用した偽造防止用紙に関する。
【0008】本発明で利用する強磁性材薄膜は、スパッタや蒸着等の気相成長により、樹脂フィルムからなる基材表面に形成される。この樹脂フィルムは、一見平坦に見えるが微視的に見ると、0.01〜0.1μm程度の平均ピッチと深さを有する微細凹凸が存在する。このため、角型比の大きいヒステリシス特性を有する強磁性薄膜を安定に生産することが困難である。この微細凹凸は材料組成を調整することだけでは除去できず、良好な磁気特性を得るため一般的には何らかの後処理が必要である。本発明は、気相成長により成膜するのみで大きな角型比を有する強磁性材薄膜層を樹脂フィルムからなる基材表面に形成するために、樹脂フィルム基材表面に、0.01〜0.1μmの膜厚の金属からなる表面平滑層を形成し、その後に強磁性材薄膜層を成膜するものとしたものである。これにより、図3のヒステリシス特性曲線に示すような保磁力が0.5〜50エルステッド、かつ角型比が0.7〜1.0という優れた特性の強磁性材薄膜が得られた。本発明はこのような優れた特性の強磁性材薄膜を偽造防止用スレッドに利用したものである。
【0009】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明することにする。図1は、本発明の偽造防止用スレッドの一実施形態を示す断面図である。この実施形態の場合、偽造防止用スレッド10は、樹脂フィルムからなる基材11上に金属からなる表面平滑化層13が形成され、当該平滑化層13の表面上にかけては、強磁性材薄膜層15が被着されて設けられている。本発明の他の実施形態では、後述するようなパターニングにより強磁性材薄膜層15の有る部分と無い部分とが組み合わされた構成からなり、その固有パターン構成から読み出される磁気特性に対してそれぞれ固有の識別情報を与えることにある。
【0010】基材11の強磁性材薄膜層形成面とは反対側の面(以下、「裏面」とする。)に、接着剤層16aを設け、強磁性材料薄膜層15上面(以下、「表面」とする。)に接着剤層16bを設けることもできる。これらの接着剤層は、スレッドを偽造防止用紙に抄き込んだ際に用紙との接着強度を高める効果をもたらす。
【0011】以下、偽造防止用スレッドの各構成要素についてさらに詳細に説明する。基材11としては、耐水性および耐熱性のある樹脂フィルムが使用でき、一般的にはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムをはじめとしてその他のポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリサルホン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム、等が挙げられる。厚さは、1〜300μm程度、好ましくは、5〜50μmの厚さが推奨できる。
【0012】表面平滑化層13としては、例えば、アルミニウム、銅、すず、亜鉛、アンチモン、鉛等の金属が挙げられる。これらの金属の薄膜形成手段としては、スパッタリング法、蒸着法などの気相成長を用いて、樹脂フィルム基材11上に形成する。当該平滑化層13の膜厚は、樹脂フィルム基材11の表面に存在する微細凹凸を埋める程度に形成する必要があり、例えば、基材11がPETフィルムのときは、0.01〜0.1μm程度の範囲が良い。より好ましくは、0.03〜0.05μmの範囲となる。0.01μm以下であると安定した膜が得られず部分的に特性が低下する場合があり、0.1μm以上であると平滑化層自体の剥離やクラックが生じ、かえって特性が低下する場合があるからである。上記の表面平滑化層を設けることにより優れた磁気特性か生じるのは、表面平滑化により、微細凹凸が原因となって生ずる磁歪が減少するためと考えられる。従って、表面平滑化層に用いる金属としては非磁性金属が好ましい。
【0013】次に、強磁性材薄膜層15の強磁性材は、結晶性あるいはアモルファスのものであっても良く、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)のいずれか1種または2種以上の組み合わせからなる磁性材料を主成分として、これに、ほう素(B)、炭素(C)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、珪素(Si)、燐(P)、硫黄(S)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブテン(Mo)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、インジウム(In)、錫(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、鉛(Pb)から選ばれた数種の金属または非金属元素の添加物から構成されている。
【0014】強磁性材薄膜層の形成は、主成分となる鉄、コバルト、ニッケルからなる合金と添加元素からなる材料あるいはこれらの混合物をターゲット材または蒸着源として、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティングなどの真空プロセスを用いた手段で形成する。強磁性材としては、コバルトCo−ジルコニウムZr系あるいは鉄Fe−珪素Siによるもので代表される。強磁性材薄膜層の厚みは、500〜5000Åが適切である。当該層の下限値が500Å以下となる理由は、磁性体層の厚みが薄くなるため、磁性体の絶対量の減少と共に飽和磁束が減少し、磁気信号が小さくなるためであり、真偽判定に用いる磁気信号を得るためには磁性体の厚みは、500Å以上が必要となるためである。また、5000Åが上限値となる理由は、他の方法で作製した磁性体膜(通常は厚さ1μm以上)と明確な区別をつけるためであり、これ以上厚くすることは避けることが好ましいからである。さらに、これ以上の厚さとなる場合は、膜の内部応力によるカール等でスレッドの特性が悪くなり、しわ、クラックが発生する場合があるからである。強磁性材薄膜層の生産性および磁気信号の安定性から、好ましい当該層の厚さは、1500〜3000Å(0.15〜0.3μm)の範囲である。
【0015】このような強磁性材薄膜層は、Hc(保磁力)、Bm(飽和磁束密度)において特異な特性を示し、その磁気特性から通常印加の磁界強度とその磁界によって磁化される磁性体の磁束密度とは非線形のB−H特性(ヒステリシス曲線)を有するので、一般の磁性材料とは明確に区別することができる。本発明に使用する強磁性材薄膜層はHc(保磁力)が、0.5〜50Oe、Rsq(角型比)が、0.7〜1.0であることが好ましい。図2は、強磁性材薄膜層のヒステリシス曲線を示すもので、平滑で凹凸のない基材面では、図2(A)のように、強磁性材薄膜層15は、保磁力Hcが小さく、かつ高角型比(0.8〜1.0)のB−Hヒステリシス曲線が得られる。一方、凹凸のある基材面では、図2(B)のように、飽和磁束密度Bmが減少し角型比(0.5以下)のヒステリシス特性が得られる。なお、角型比Rsqは、Rsq=Br(残留磁束密度)/Bm(飽和磁束密度)
で表される。
【0016】表面平滑化層13は上記の磁気特性改善効果の他、その光沢色が反射光として外部から観測されるようになり、外見上は一般の光輝性スレッドと変わらない偽造防止用スレッドを与える効果がある。また、強磁性材薄膜のさらに上層に別途光反射性の非磁性金属材料を使用することもできる。これには例えば、金、銀、アルミニウム、クロム等が使われる。一般的にはコストとよび技術上の問題からアルミニウムが好ましく採用され、その厚さは、100Å〜2000Å程度の厚みに形成するが、好ましくは200Å〜1000Å程度の厚みである。後者の光反射層を設けると反射特性は一層優れたものとなる。
【0017】強磁性材薄膜層15をパターニングする場合は、レーザービームでパターン形成するドライプロセスの他、ウェットエッチング法、リフトオフ法等のプロセスでパターン化することができる。レーザー加工の場合、強磁性材薄膜層15面をYAGレーザ(波長1064nm)ビームを走査してパターン化することが可能である。多くの場合、強磁性材薄膜層をバーコードの形状にパターニングすることにより、スレッドを基紙に抄き込んで、有用な偽造防止用紙とすることができる。
【0018】接着剤層16aは、偽造防止用スレッド10を用紙に抄き込んだ際に、用紙との接着強度を高めるためのものであり、熱溶解温度60〜80°Cの水可溶性バインダー等からなる接着剤層を基材11の裏面に設けることができる。あるいは、接着剤層16bは、強磁性材層の上面(表面)に設けてもよい。具体的には、水可溶性である、でんぷん、カゼイン、カルボキシメチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ等からなる接着剤を採用することができる。あるいはまた、接着剤層は、熱溶解温度60〜80°Cのホットメルト型接着剤であってもよい。その塗布厚みは、数μm以内のものであってよい。
【0019】次に、本発明の偽造防止用紙について説明する。スレッドを窓部に表出するように入れた偽造防止用紙は、従来のものは例えば基紙に光輝性スレッドや磁気スレッド等を抄き込んだタイプの用紙であって、基紙が光輝性スレッドを間欠的に露出する表出部(ウィンド)と、該表出部間で光輝性スレッドを間欠的に覆う被覆部とを備えたものが知られている。この構成の偽造防止用紙は、多筒式抄紙機の一つの抄き網部上に、スレッドと同じ幅かそれより広幅の小さな凸部を設け、この凸部の上にスレッドを載せた状態で紙料液を供給することによって製造できる。つまり、このようにすれば、凸部のない位置ではスレッドが紙料液で挟まれるので被覆部が形成され、凸部の位置ではスレッドが紙料液の下面側から露出するので表出部が形成される。
【0020】上記の構成のようなウィンド付きスレッド用紙においては、光輝性スレッド等が表出部において間欠的に露出しているので、コピーした場合でも金属色が再現されないことから偽造防止できる。また、偽造品かどうかを見るために用紙の端面を確認する必要がなく、しかも、光輝性スレッド等が基紙から剥がれてしまうのを防止できる。
【0021】図4は、本発明の偽造防止用紙の1実施形態を示す図である。図4(A)はその平面図、図4(B)は、図4(A)のA−A線における断面を示している。図4のように、本発明の偽造防止用紙20の第1の実施形態では、基紙21にスレッド10を、1本抄き込んだ構成であって、基紙21には、スレッド10を間欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えている。表出部26はスレッドと同幅でもよいが、それより広幅としてスレッド10の両サイドを透かし部28となるようにすることで、抄造時に発生するスレッドの公差(ブレ)を透かし部により吸収することができる。
【0022】ただし、基紙21は、スレッド10の両端部分がいずれのスレッドに対しても被覆部17として構成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出しているとスレッドの剥離が生じるからである。使用するスレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されないが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用される。
【0023】図5は、本発明の偽造防止用紙の第2の実施形態を示す図である。図5(A)はその平面図、図5(B)は、図5(A)のA−A線における断面を示している。図5のように、本発明の偽造防止用紙の第2の実施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込んだ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1の実施形態と同一ある。この第2の実施形態では、表出部26と被覆部27とが複数本のスレッドに対してスレッド端における用紙の端部からの同一位置において同一状態に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの位置においてはスレッド10aに対してもスレッド10bに対しても共に表出部であり、紙端からyの位置においてはスレッド10aに対してもスレッド10bに対しても共に被覆部となっている。
【0024】ただし、基紙21は、スレッド10の両端部分がいずれのスレッドに対しても被覆部27として構成されていることが好ましい。スレッドの端部が露出しているとスレッドの剥離が生じるからである。使用するスレッドの幅は用紙の使用目的にもより特に制限されないが、0.2mm〜5mm程度のものが通常使用される。複数のスレッドの幅は同幅である必要はなく、また色調、光学特性、発色特性、磁気特性等をそれぞれ変えることも任意である。このように、セキュリティ媒体に2本以上の複数のスレッドを導入することにより、偽造スレッドを単純に貼り付けるような方法は偽造コストが増大し、工程が複雑となるため、偽造抑制効果が増大する。
【0025】図6は、本発明の偽造防止用紙の第3の実施形態を示す図である。図6(A)はその平面図、図6(B)は、図6(A)のA−A線における断面を示している。図6のように、本発明の偽造防止用紙の第3の実施形態では、基紙21にスレッド10を複数本抄き込んだ構成であって、基紙21は、スレッド10を間欠的に露出する複数の表出部26と、各表出部間でスレッド10を間欠的に覆う被覆部27とを備えていることは第1の実施形態と同一ある。この第3の実施形態では、表出部26と被覆部27とが複数本のスレッドのうちの少なくとも隣接する2本のスレッド間において、スレッド端における用紙の端部からの同一位置において異なる状態に現れている特徴がある。すなわち、紙端からxの位置においてはスレッド10aに対しては表出部、スレッド10bに対しては被覆部となっている。ただし、基紙21は、スレッド10の両端部分が被覆部27として構成されていることが好ましいのは第1の実施形態と同一であり、以下の実施形態においても同様である。このように、表出部をいわゆる千鳥状に設ける場合は、用紙を積み重ねた場合のスレッド部の盛り上がりを低減することができ、印刷加工を容易にし、巻き取り用紙の取扱い時における巻崩れを防止することができる。
【0026】次に、本発明の偽造防止用紙の製造状態を説明する。図7は、スレッド入り偽造防止用紙を抄き込む状態を示す図である。図7(A)はスレッドに平行な断面、図7(B)は、図7(A)においてスレッドに直角なC−C線における断面、図7(C)は、同様D−D線における断面を示している。図示のように、このスレッド入り偽造防止用紙20は、スレッド10と同幅あるいはそれよりも広幅のすき網部の凸部29aを抄紙機のすき網部29に適宜な間隔で設け、この凸部29aの上にスレッド10を載せた状態で紙料液22aを供給することによって製造できる。つまり、このようにすれば、凸部29aと凸部29aの間の位置ではスレッド10が紙料液22aで挟まれるので被覆部27が形成され、凸部29aの位置ではスレッド10が最下面となるので、抄紙機のすき網から用紙を剥離した際には、スレッドが表面に現れて表出部26が形成される。
【0027】すき網部の凸部29aを図7(D)のように、スレッド10と同幅にする場合はスレッド10の両側に透かし部28が入らないことになる。また、スレッドをまたぐような広幅とする場合は、透かし部が入り装飾的効果を高め、前記のようにスレッドのブレを吸収することができる。また、スレッドの周辺に透かし模様25を設ける場合は、凸部29aと同様にすき網部に模様状の凸部を形成すれば良い。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例)
<磁気スレッドの作製>偽造防止用スレッドの基材フィルム11として、平滑性が良く透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製「ルミラーS−28」)〔厚み;16μm〕に、アルミニウムを平均膜厚0.03μmとなるように蒸着して表面平滑化層13を形成した。
【0029】続いて、この表面平滑化層上に、鉄Fe−珪素Si系からなる強磁性材薄膜層15をスパッタリング法で、膜厚0.2μmになるように成膜した。この強磁性材薄膜層15の幅2mmの範囲内に、縮小したバーコードマークを繰り返して設けるため、YAGレーザ(波長1064nm)によるマーク書き込みを行った。径約50μmφのビームを平行に走査して、100μm置きに50μm幅の強磁性材薄膜層15の除去部をストライプ状に形成して、明瞭なバーコードマークを設けることができた。レーザ加工条件は以下のとおりである。
〔加工条件〕
装 置 ;富士電機株式会社製「レーザーマーカー FL−50」
照射エネルギー;5〜6W(電流値 8A)
スキャン速度 ;100mm/sec【0030】上記加工後のスレッドの基材フィルムの裏面に、塩酢ビ系接着剤を1μmの厚みに塗布した後、スリッタ機を使用して、幅2mmにスリッタして、本発明の偽造防止用スレッドを完成した。
【0031】このスレッドの磁気特性を測定した結果、パターニングの無い部分で、角型比0.9、保磁力30エルステッドであった。また、別途比較試験で行った、表面平滑化層を設けない部分の角型比は0.5であった。測定は、VSM(試料振動型磁束計)の直流磁場による計測であるが、交流磁場によるB−Hアナライザーによる計測でも同じ結果となった。
【0032】<偽造防止用紙の抄造>上記で製造した偽造防止用スレッド10の2本が、図5のように偽造防止用紙に現れるように、表出部26がピッチ10mm×幅10mm、被覆部27がピッチ10mmで繰り返される抄き網パターンの抄紙機で、90kg/四六版の上質紙に抄造した。なお、被覆部27の上部の紙料が35g/m2 、被覆部の下部の紙料が69g/m2 となるように抄き網部の凸部の高さを調整した。このようにして完成した偽造防止用紙20は、磁気ヘッドで読み取った場合、バーコードを読み取ることができた。
【0033】
【発明の効果】本発明の偽造防止用スレッドは、樹脂フィルムからなる基材上に表面平滑化層を形成し、当該表面平滑化層上に強磁性体薄膜層が形成されているので、角型比の大きい特有の磁気特性を与えることができ、通常の磁気スレッドや光輝性スレッドでは得られない偽造防止効果を有する。また、本発明の偽造防止用紙は、基紙にこのような偽造防止用スレッドを抄き込んであるので、複製が困難であり商品券やその他の有価証券等の信頼性を高めることができる。




 

 


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