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発明の名称 非接触型ICカードとそのアンテナ特性調整方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−10264(P2001−10264A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−188424
出願日 平成11年7月2日(1999.7.2)
代理人 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【テーマコード(参考)】
2C005
5B035
【Fターム(参考)】
2C005 NA09 NA31 PA14 PA18 QC15 RA04 RA09 TA22 
5B035 AA04 AA11 AA13 BA05 BB05 BB09 CA01 CA06 CA12 CA23 CA35
発明者 本多 志行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用抵抗を含む共振回路を有し、当該共振回路中の調整用抵抗の抵抗値を調整することにより共振回路の先鋭度(Q)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項2】 調整用抵抗がアンテナコイルから分岐した複数の回路からなり、当該分岐した回路のいずれかを切断することにより抵抗値を調整することを特徴とする請求項1記載の非接触型ICカード。
【請求項3】 調整用抵抗がアンテナコイルから梯子状に分岐した複数の回路からなることを特徴とする請求項2記載の非接触型ICカード。
【請求項4】 外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサを含む共振回路を有し、当該共振回路中のコンデンサ容量を調整することにより共振回路の共振周波数(f)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項5】 調整用コンデンサが、等しい単位調整量の静電容量からなる複数のコンデンサパターンからなることを特徴とする請求項4記載の非接触型ICカード。
【請求項6】 調整用コンデンサが、アンテナ付き基板の基材シートを誘電体層として基板の両面に形成したコンデンサパターンからなることを特徴とする請求項5記載の非接触型ICカード。
【請求項7】 外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサと調整用抵抗からなる共振回路を有し、当該共振回路中のコンデンサ容量と抵抗値を調整することにより共振回路の共振周波数(f)と先鋭度(Q)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項8】 調整用コンデンサが、等しい単位調整量の静電容量からなる複数のコンデンサパターンからなることを特徴とする請求項7記載の非接触型ICカード。
【請求項9】 調整用コンデンサが、アンテナ付き基板の基材シートを誘電体層として基板の両面に形成したコンデンサパターンからなることを特徴とする請求項7記載の非接触型ICカード。
【請求項10】 フォトエッチング法で形成されたアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサと調整用抵抗からなるアンテナ付き基板をカード基体中に有する非接触型ICカードにおいて、当該調整用抵抗の抵抗値を調整することにより、共振回路の先鋭度(Q)が調整可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード。
【請求項11】 カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用抵抗からなる共振回路を有する非接触ICカードのアンテナ特性を調整する方法であって、アンテナコイルに分岐して設けられた複数の回路の一部を切断することにより共振回路の先鋭度(Q)を調整することを特徴とするアンテナ特性調整方法。
【請求項12】 カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサからなる共振回路を有する非接触ICカードのアンテナ特性を調整する方法であって、アンテナコイルに設けられた複数の調整用コンデンサの一部を切断することにより共振回路の共振周波数(f)を調整することを特徴とするアンテナ特性調整方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導および電磁結合により非接触で通信を行う非接触型ICカードとそのアンテナ特性調整方法に関する。詳しくは、基体にアンテナコイルと平面状のコンデンサと抵抗を内蔵する非接触型ICカードにおいて、共振周波数を一定範囲で調整してリーダライタの周波数にマッチングできるとともに、先鋭度を調整して良好な通信状態を得ることができる、共振回路の抵抗成分が調整可能な非接触型ICカードとそのアンテナ特性調整方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】非接触ICカードに内蔵されるアンテナコイルには以下の3種類がある。
(1)巻線方式導線などを絶縁物質で被覆し、数回〜数十回巻いたもの。基本的にアンテナの両端はICチップの端子部に直接接続するので、調整可能なコンデンサの付加機能加工を行った例は見られない。
(2)導電ペーストを用いた方式シルクスクリーンインキ等に銀などの粒子を含ませ、導電性を持たせた材料である。これをシルク印刷と同様の方法でアンテナ状に印刷する。一般的にアンテナの両端とICチップの端子部をつなぐ際には導電性接着剤や異方性導電フィルム等を利用する。この場合も、調整可能なコンデンサの付加機能加工を行った例は見られない。
(3)エッチング方式基材に銅箔等を蒸着させ、銅箔のアンテナ部を除いた部分をエッチングして除去し、アンテナを形成する方法である。一般的にアンテナの両端とICチップの端子部をつなぐ際には導電性接着剤や異方性導電フィルム等を利用する。この場合には、コンデンサの付加機能加工を行った例が見られる。
【0003】しかし、上記形態のICカードでは、それぞれ次のような問題がある。
(1)巻線方式アンテナの断面積が大きく抵抗が小さいため、下記(式1)のように抵抗Rに反比例する共振回路の先鋭度(Q)が大きくなる傾向がある。この場合、カードとリーダライタ(R/W)とで共振周波数が合った状態では良好な通信を行うことができるが、共振周波数が僅かにずれても通信できなくなる可能性が高くなる。従って、Qが大きくなると、R/Wとのマッチング範囲が狭くなる。先鋭度(Q)は、アンテナコイルのインダクタンス(L)と静電容量(C)と抵抗成分(R)との関数で表されるが、巻線方式ではLやCを可変にして調整することが困難であるため、同じ仕様の通信方式を用いたICチップ(例えば、ISO14443:CD)でも異なるメーカー毎にR/Wとマッチングをとるためにアンテナ設計を行う必要が生じ、納期に間に合わなかったりコストが高くなる問題が生じる。非接触型ICカードの場合、並列共振回路となり、この場合の先鋭度(Q)は以下の(式1)で表される。
Q=(1/R)×(√C)×(1/√L) (式1)
【0004】(2)導電ペーストを用いた方式導電ペーストの場合はアンテナ抵抗が大きいため、共振回路の先鋭度が小さくなる傾向がある。Qが小さくなるとR/Wとのマッチング範囲が広くはなるが、ICチップを動作させるために最低限必要な電圧が得られなくなる可能性が高くなる。先鋭度Qは前述(式1)の通りアンテナコイルのインダクタンス(L)と静電容量(C)と抵抗成分(R)との関数で表されるが、導電ペーストを用いた方式ではLやCを可変にして調整することが困難であるため、異なるメーカー毎にR/Wとマッチングをとるためにアンテナ設計を行う必要が生じ、巻線方式と同様に納期、コストの問題が生じる。
【0005】(3)エッチング方式アンテナの抵抗は前記2種類の中間に位置しており、共振回路の先鋭度(Q)は中途半端となる。R/Wとのマッチング範囲は広くはなく、狭くもない。Qを大きくするために外付けコンデンサを設けることができ、小さくするために外付けコンデンサを削ることもできる。ただし、コンデンサの静電容量を変えて(Q)を変更すると、以下の(式2)で示される共振周波数(f)が変化してしまい、R/Wとの適合性を得られなくなる可能性がある。
f(Hz)=(1/2π)×(1/√(LC)) (式2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、上記3種類のアンテナ方式のうち、最も柔軟に対応できるエッチング方式によるアンテナに付加機能を持たせて、所定の適合した共振周波数が得られた後は、共振周波数を変えずにQ値を変えることができる非接触型ICカードとその調整方法を提供する。これにより、R/Wとのアンテナ特性マッチングが容易になり、汎用性の高いアンテナを持ったICカードを供給することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用抵抗を含む共振回路を有し、当該共振回路中の調整用抵抗の抵抗値を調整することにより共振回路の先鋭度(Q)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード、にある。かかる非接触型ICカードであるため、先鋭度を調整して良好な通信状態を確保することができる。
【0008】上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサを含む共振回路を有し、当該共振回路中のコンデンサ容量を調整することにより共振回路の共振周波数(f)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード、にある。かかる非接触型ICカードであるため、コンデンサ容量を調整して共振周波数を適合させることができる。
【0009】上記課題を解決するための本発明の要旨の第3は、外部リーダライタと非接触で通信することができる非接触型ICカードであって、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサと調整用抵抗からなる共振回路を有し、当該共振回路中のコンデンサ容量と抵抗値を調整することにより共振回路の共振周波数(f)と先鋭度(Q)を調整して良好な通信状態を確保することが可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード、にある。かかる非接触型ICカードであるため、コンデンサ容量を調整して共振周波数を適合させることができるとともに先鋭度を調整して良好な通信状態を確保することができる。
【0010】上記課題を解決するための本発明の要旨の第4は、フォトエッチング法で形成されたアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサと調整用抵抗からなるアンテナ付き基板をカード基体中に有する非接触型ICカードにおいて、当該調整用抵抗の抵抗値を調整することにより、共振回路の先鋭度(Q)が調整可能とされていることを特徴とする非接触型ICカード、にある。かかる非接触型ICカードであるため、先鋭度を調整して良好な通信状態を確保することができる。
【0011】上記課題を解決するための本発明の要旨の第5は、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用抵抗からなる共振回路を有する非接触ICカードのアンテナ特性を調整する方法であって、アンテナコイルに分岐して設けられた複数の回路の一部を切断することにより共振回路の先鋭度(Q)を調整することを特徴とするアンテナ特性調整方法、にある。かかるアンテナ特性の調整方法であるため、先鋭度(Q)を容易に調整できる。
【0012】上記課題を解決するための本発明の要旨の第6は、カード基体内にアンテナコイルと平面状の調整用コンデンサからなる共振回路を有する非接触ICカードのアンテナ特性を調整する方法であって、アンテナコイルに設けられた複数の調整用コンデンサの一部を切断することにより共振回路の共振周波数(f)を調整することを特徴とするアンテナ特性調整方法、にある。かかるアンテナ特性の調整方法であるため、共振周波数(f)を容易に調整できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、非接触型ICカードとR/Wとをマッチングさせ、良好な通信状態を得るためアンテナ特性を調整するものである。具体的にはコンデンサを調整してあるいは調整しなくとも、R/Wとの所定の共振周波数が得られた後は当該共振周波数を変えずに、抵抗成分を調整して先鋭度(Q)を変化させようとするものである。一般に、R/Wの共振周波数に対して、LSIであるICチップの容量、カードアンテナ回路の容量が一定で不変のものであれば、調整用コンデンサを設ける必要はないが、実際には、LSIの容量:C1 と、カードアンテナ回路の容量:C2にバラツキが生じる。両者のバラツキが全くない場合は、初期設計どおりの効果が期待できるが、実際はこのロット毎や個体差からバラツキは無視できない。そのため実際の生産においては、C2 の値を調整する必要が生じる。これが所定の共振周波数を得る工程になる。また、共振周波数が得られても先鋭度(Q)が適当でない場合は良好な通信ができないので、これの調整も行う。このようなアンテナ特性の調整をカード製造工程のアンテナ付き基板で行って一定の特性を有するものとした後、オーバーシートを積層して非接触ICカードに仕上げるものである。
【0014】以下、本発明の非接触型ICカードの実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の非接触型ICカードに使用するアンテナ付き基板の実施形態を示す平面図である。図1(A)は、そのICチップ実装側から見た平面図、図1(B)は、ICチップ実装側と反対側の面を表面から透視して見た図である。図1のようにアンテナ付き基板121Aは、カードの基体材料となる塩化ビニールやポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂シートの上に複数の面付け状態で形成されている。図中、101は打ち抜き用の見当マークであり、オーバーシートと積層後、点線102により切断して個々のカードに仕上げる。なお、完成後のICカード全体図は図示されていないが、ICチップ、アンテナコイルはカード基体内に埋設されているので、外見上は、平板なカード体であって表面には必要に応じて印刷図柄等が設けられる。
【0015】アンテナ付き基板121Aの各面にはアンテナコイル13が形成されている。アンテナコイルの一端は、LSIであるICチップ11に接続し、他方の端部はスルーホール131から裏面の配線13Bに通じ、スルーホール132を通ってICチップ11に接続している。本発明の非接触ICカードの特徴は、アンテナ回路に並列共振回路を形成する抵抗値(R成分)調整用の抵抗14と容量(C成分)調整用コンデンサ15がアンテナ付き基板に形成されていることにある。調整用抵抗14は各種の形態を採用できるが、図1の場合はアンテナコイル13から分岐して梯子状の回路が8段に形成されている。調整用コンデンサ15も各種の形態で形成できるが、図1の場合は8個のコンデンサパターン151,152をアンテナ付き基板の表裏面に設けることでコンデンサが形成されている。従って、この場合、基材シートを誘電体層として形成されている。このコンデンサ容量を調整する場合は調整用コンデンサの先端部分から回路を切断して(回路を挟む2つの点間で)調整することになる。
【0016】一般にカードアンテナ回路(並列共振回路)において、LSIであるICチップは、40〜50pFのC成分を有し、コイル自体のC成分は、実質的に0または0とみなせる。また、コイル(3〜4ターン)のL成分は、1〜4μH程度となる。そこで、LSIの静電容量が大幅にばらつくものでなければ、調整範囲を過大とする必要はなく、常用される非接触ICカードの共振周波数に調整するためには、調整用コンデンサのC成分合計量が40〜100pF程度であれば十分と考えられる。
【0017】図1の場合、コンデンサパターンは基材シートを介した平板状のパターンとして形成されているが、この例に限らず、細線の直線状パターンが平行配列してなる直線群として形成してもよい。また、基材シートを誘電体層とするものでなく、アンテナ付き基板の一方の面にコンデンサパターンを形成した後、薄膜状に絶縁層である誘電体層を平板状に塗布して形成し、当該誘電体層上に導電層を形成してコンデンサとするものであってもよい。調整できる容量はコンデンサの層構成(2つの電極プレート間の距離)および材料(誘電体の誘電率)により単位面積当たりの容量が決定すれば、平板状または櫛状のパターンの面積により調整単位量が決定される。パターンの大きさを段階的に調整し、その組み合わせにより、0.1pFから100pF程度の容量を任意に設けることもできる。
【0018】図2は、調整用抵抗を調整する方法を示す図である。抵抗値を調整する場合は梯子状に形成された調整用抵抗パターン141を必要な調整抵抗値に応じて切断線14C1 ,14C2 ,・ ・,14Cnのいずれかの部分で切断することにより全体の抵抗値を調整することができる。抵抗パターンがほぼ一定の線幅と線長の形状に形成できれば、切断箇所による抵抗値の変化が予測(算出)できるので、(式1)よりQ値を計算し所定の特性に調整することができる。切断はカッターのような刃物でもよいし、抜き型を使って機械的に切断する方法でもよい。
【0019】図3は、アンテナ付き基板の等価回路を示す図である。LSIであるICチップ11に対して、アンテナコイル13によるインダクタンスL、回路全体の抵抗Rと調整用抵抗Rad、主としてICチップに基づく容量や回路に生じる浮遊容量等の回路全体の静電容量Cと調整用コンデンサ容量Cad、とにより並列共振回路を形成している。
【0020】ここで並列回路が共振するのは、インピーダンスZ(式3)が見かけ上最大になる場合、すなわち複素数成分が0になるときであり、そこから共振周波数を導き出すことが出来る(式4、式5)。なお、ωc は、角共振周波数、fc は、共振周波数を示す。
Z=1/〔1/R+i(ωc C−(1/ωc L))〕 (式3)
ωc =1/(LC)1/2 =2πfc (式4)
c =1/(2π(LC)1/2 ) (式5)
〔なお(式5)は前記した(式2)と同一のものである。〕この時のCが共振時の回路全体の静電容量であり、これを導けば、 C=1/((2πf)2 L) (式6)
となる。例えば、共振周波数が、13.56MHz、コイルが、3.0μHの場合の数値を代入すると、C=46.0pFが必要となる。従って、LSIのC成分が、40pFである場合には、Cadとしては、6.0pFが必要となる。
【0021】次に、本発明のアンテナ特性調整方法を非接触ICカードの製造方法に関連して説明する。図4は、本発明の非接触型ICカードの製造工程を説明する図である。図4では、3枚構成のカード基体の場合について説明するが、カード基材は4層ないしそれ以上の多層あってももよく、3枚構成に限られない。
【0022】(1)<アンテナ付き基板形成>まず、ガラスエポキシ基板、ポリイミド、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G等の樹脂基材121iの両面に銅箔121cが積層された基材シート121を準備する。銅箔121cは10〜30μm程度の厚さに形成されているものが好ましい。次に、アンテナコイル13、アンテナコイル接続端子、調整用抵抗14および調整用コンデンサ15等を銅箔のフォトエッチングにより形成してアンテナ付き基板121Aを準備する。
【0023】調整用コンデンサン15は、単位調整容量をもつコンデンサパターン151が直列に接続した図1の形式のものを採用できる。図1の設計思想では、調整用コンデンサパターン1個の面積を10mm2 として単位調整量を5.0pF、8個で合計40pF程度の調整量となるように設計されている。もっとも静電容量はコンデンサパターンの大きさのみではなく、絶縁層である基材121iの誘電率や厚みが影響するので、それらの要素を十分考慮する必要がある。調整用抵抗14は、同じくアンテナコイル13から分岐した複数の回路を形成するようにして作ることができる。図1の場合は梯子状の回路として形成している。調整用抵抗14についても梯子状に限らず各種の形式を採用することができる。
【0024】(2)<ICチップ実装、コンデンサ容量、抵抗値調整>次に、アンテナ付き基板121Aに対してICチップ11を実装する。ICチップをアンテナ付き基板に対して平面的に装着できることから、異方性導電フィルム(ACF)を用いたフリップチップ実装法を好ましく採用できる。ACFで実装する際は、アンテナコイルの接続端子上にACFを介してICチップのパッドと位置合わせして仮貼りした後、熱圧をかけて本接着させる方法による。
【0025】ICチップを実装した後、モジュールチューニングを行う。具体的にはR/Wとのマッチングをとるためのアンテナ特性の調整であり、調整用コンデンサ15と調整用抵抗14のコンデンサ容量と抵抗値を減少させるために回路を切断する操作を行う。本発明の場合は、コンデンサ容量や抵抗を増加させる方向の調整はできないので減らす方向になる。調整用コンデンサは実際には、LSI(ICチップ)に対して容量を付加する形になるため、LSIは最適なコンデンサ容量よりやや少なめに設計されていることが望ましい。コンデンサ容量調整の際、アンテナコイル接続端子間のコンデンサ容量をインピーダンスアナライザ等の測定器でモニタリングしながら所定値の範囲より容量が大きい場合は、コンデンサパターン151の連結部を切断して、容量の調整を行う。切断して特性調整後の合成容量は、固定C成分と切断後に残存するCadの合計容量(C+Cad)となる。コンデンサ容量を調整して共振周波数が得られたら、調整用抵抗の調整を行う。切断して特性調整後の合成抵抗は、固定R成分と切断後に残存するRadの合成抵抗 1/{(1/R)+(1/Rad)}となる。
【0026】(3)<オーバーシートの準備>一方、アンテナ付き基板の両面に積層するオーバーシートにカードを装飾する絵柄や必要な表示等の印刷およびオーバーコート(保護層)を予め施して準備する。磁気ストライプを設ける場合は、オーバーシートの表面側に転写しておく。その他の付加機能を設ける場合はそれらも施しておく。これらは通常のカード製造プロセスで行われる工程であり特別のものではない。印刷にはオフセット印刷やシルクスクリーン印刷を採用できる。オーバーシートには、PET基材が用いられることが多いので、その場合には接着剤シート124,125または接着剤を使用して積層する。
【0027】(4)<仮貼り・プレスラミネート>モジュールチューニング後のアンテナ付き基板121Aと、印刷済みオーバーシート122,123を接着剤シート124,125等を介して積層し、まず最初に適当箇所を超音波シーラーにより加熱して仮貼りし、プレスラミネート時におけるシート間のズレを防止する。仮貼り後の基材を鏡面板に挟んでセットし、プレス機に導入してプレスラミネートする。なお、アンテナ付き基板の樹脂シートとオーバーシートが塩化ビニールやPET−Gシートである場合は自己融着するのでラミネートのために接着剤や接着剤シートは不要である。
【0028】熱圧プレス後、見当マークを基準として個々のカード形状に打ち抜きを行う。カードに対して顔写真印刷、サインパネル、ホログラム箔転写等の付加機能を設ける場合は、この打ち抜き後に行う。以上により本発明の非接触型ICカードが完成する。
【0029】(その他の材質に関する実施例)
(1)<カード基材>カード基材には、塩化ビニール樹脂やPETの他、各種の基材シートを採用でき、例えば、PET−G、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。
(2)<積層用接着剤>積層用接着剤には、熱可塑(ホットメルト)型または熱硬化型・湿気硬化型の接着剤や接着剤シートを使用することかできる。また、粘着シート、粘着剤やコールドグルー等であってもよい。
【0030】
【実施例】本発明の非接触型ICカードの実施例を図1〜図4を参照して説明する。なお、実施例中の符号は、参照した図面中の符号に対応するものである。
(実施例)
(1)<アンテナ付き基板形成>アンテナ付き基板の基材シートとして、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの両面に銅箔30μmを電着した基材を使用した。この基材シートのICチップ装着面側に、図1図示のように、線幅2mmで、ほぼ3ターンとなるようにアンテナコイル13と、8個の分岐した等面積のコンデンサパターン151からなる調整用コンデンサ15と、同じく8個の分岐を有する梯子状の調整用抵抗14、およびICチップの装着部にアンテナコイル接続端子と、をフォトエッチング法にて形成した。基材シートのICチップ装着面と反対面側には、表面側と対応する位置に同様に8個のコンデンサパターン152からなる調整用コンデンサと、スルーホール131,132を接続する部分に裏面配線13Bを形成した。エッチング後の銅箔厚みは、いずれの箇所においても約30μmとなった。
【0031】なお、コンデンサパターンの1個の面積は10mm2 (2.5mm×4.0mm=10mm2 )となるようにし、単位のコンデンサ容量は5.0pF、合計容量は40pFであった。一方、梯子状の調整用抵抗14は、1個がほぼ1辺が4mmの正方形枠状となるようにし、8個のパターンを線幅1mmに形成した。この調整用抵抗の両端XY間(図2)の合成抵抗(抵抗パターンを切断しない場合)は、0.03Ωであった。一方、最先端部の抵抗を図2の14C1 のカット線で切断したときには0.04Ωとなった。下表に調整用抵抗を切断した位置とXY間の抵抗値(Ω)を示す。
【表1】

なお、調整用抵抗自体の合成抵抗(Rad)は、0.3Ωであり、アンテナコイル全体の抵抗値R=3.50Ω(Radがない場合)である。
【0032】(2)<ICチップ実装、コンデンサ容量、抵抗値調整>ICチップには非接触ICカード用のチップ(ISO1443TYPEB:CD用チップ)をACF(ソニーケミカル株式会社製「FP20626」)を使用してアンテナ付き基板121Aのアンテナコイル接続端子上に実装した。ACFの仮貼り条件を80°C、10kgf/cm2 、1秒とし、仮貼り後、200°C、500gf/cm2 、20秒の条件で熱圧をかけて実装した。
【0033】このICチップの固有静電容量は、50pFであり、アンテナコイルのL成分(インダクタンス)は、1.36μHである。また、アンテナコイルのC成分は無視できるものとし、R/Wの共振周波数14.39MHzに調整するためには、(式1)より、カードの合成容量が、90pFとなることが必要となる。そこで、調整用コンデンサの容量が、40pFとなるようにした。すなわち、本例の場合は調整用コンデンサの切断を行わず全てのコンデンサパターンを残すことで、R/Wの共振周波数にマッチングすることができた。
【0034】共振周波数f=14.39MHzとし、抵抗値Radを調整した場合の、先鋭度(Q)を(式1)に基づいて計算すると以下のようになる。
8 =2.32×10-3(Radがない場合、8個とも切断した場合)
0 =2.68×10-3(Radが全て残っている場合)
6 =2.61×10-3(Radを6個切断した場合)
7 =2.55×10-3(Radを7個切断した場合)
本実施例の場合は、Q=2.55×10-3程度とするため、調整用抵抗7個を先端部から切断した。
【0035】(3)<オーバーシートの準備>一方、ICカードの上下表面となるオーバーシート122,123には、厚み188μmの乳白PET基材(東レ株式会社製「E22」)を使用し、その表面にオフセット印刷による絵柄とオーバーコート層122P,123Pを設けた。また、オーバーシートはカードのカールを抑えるため、その延伸方向がオーバーシート122と123とでは直交するようにした。
【0036】(4)<仮貼り・プレスラミネート>エッチング後のアンテナ付き基板121Aと印刷済のオーバーシート122,123とを厚み300μmのポリエステル系接着剤シート(東亜合成株式会社製「アロンメルト」)124と、同一材料で厚み100μmの接着剤シート125とを積層し、超音波シーラーで仮貼りを行った。その後、基材を鏡面板に挟んでセットし、プレス機内に導入して、130°C、10kgf/cm2 、15分間等の条件でプレスラミネートした。
【0037】熱圧プレス後、予め設けた見当マーク101を基準として個々のカードサイズに打ち抜きを行い、カード表面にホログラム箔、サインパネル転写等の加工を行った。これにより、カード厚800μmの非接触ICカードが得られた。この非接触ICカードの共振周波数は、f=14.39MHzであり、先鋭度、Q=2.55×10-3であった。これにより外部リーダ・ライタ装置と良好な通信状態を得ることができた。なお、交信距離は5cmであった。
【0038】
【発明の効果】本発明の非接触型ICカードでは、製造過程においてコンデンサ容量と抵抗値を最適な値に簡単に調整することができるので、使用するLSIの個体差により微妙なばらつきがある場合にも最適な共振周波数と先鋭度のアンテナ特性に調整することができ通信安定性に優れたものとすることができる。従って、歩留りも向上する。また、本発明のアンテナ特性調整方法は、アンテナ付き基板において簡単な方法で共振周波数と先鋭度のアンテナ特性を調整することができる。また、カード基体を熱圧プレス前のアンテナ付き基板において、コンデンサ容量と抵抗値の調整を行うので、プレスラミネート後のカード外観を損ねることがない。




 

 


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