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発明の名称 電着塗料、摺動部材および軸受け装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139880(P2001−139880A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−321967
出願日 平成11年11月12日(1999.11.12)
代理人 【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
【テーマコード(参考)】
3J011
4D075
4J038
【Fターム(参考)】
3J011 QA05 SC01 SC04 SC14 SE04 
4D075 BB89Y CA13 CA18 DA31 DB01 DB02 DC16 EA37 EB16 EB39
4J038 CD092 DJ051 GA12 NA09 PA04 PB06 PC02
発明者 福澤 孝久 / 桑沢 隆文 / 白井 汪芳 / 木村 睦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ポリアミドイミド系材料を主成分として含むことを特徴とする電着塗料。
【請求項2】 請求項1において、前記ポリアミドイミド系材料の主鎖には、フッ素基、およびフッ素置換されたアルキル基のうちの少なくとも一方の基が付加されていることを特徴とする電着塗料。
【請求項3】 請求項1において、前記ポリアミドイミド系材料は、以下の化学式【化1】

で表されることを特徴とする電着塗料。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記ポリアミドイミド材料に加えて、フッ素樹脂を固体潤滑剤として含むことを特徴とする電着塗料。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに規定する電着塗料を用いた電着によって摺動部分がコーティングされていることを特徴とする摺動部材。
【請求項6】 請求項5に規定する前記摺動部材を軸受け部分の軸側および軸受け側のうちの少なくも一方の部材として用いたことを特徴とする軸受け装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電着塗料、この電着塗料を用いた電着によってコーティングを施した摺動部材、およびこの摺動部材を用いた軸受け装置に関するものである。さらに詳しくは、電着塗料の材料技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種のコーティング方法のうち、スプレー法を用いて摺動部材の摺動面などをコーティングする場合には、たとえば、ベース材料にポリテトラフルオロエチレン系樹脂(フッ素樹脂)などを配合した塗料が用いられる。しかしながら、スプレー法で形成した塗膜は膜厚精度が低いので、塗膜表面に後加工を施して寸法出しを行う必要がある。また、スプレー法で形成した塗膜は、下地との密着性が低いとともに、摺動部材に向けて塗料を噴射しても大量の塗料が摺動部材からそれるので、塗料が無駄になるという問題点もある。また、スプレー法では、塗料成分を有機溶剤に溶かして噴射するので、作業環境が有機溶剤で悪化し、かつ、火災が発生するおそれもある。
【0003】これに対して、電着塗装は、スプレー法などに比較して高い膜厚精度が得られ、かつ、塗膜と下地との密着性が高いという利点もある。さらに、電着塗装は、スプレー法と比較して塗料が無駄にならないという利点もある。
【0004】このような電着塗装において、ベース材料としては、一般に、アクリル−メラミン系材料、アルキド−メラミン系材料、エポキシ−メラミン系材料、アクリル−ウレタン系材料、エポキシ−ウレタン系材料、不飽和ポリエステル系材料が用いられている。また、これらの材料を用いて摺動部材の摺動面をコーティングする場合には、これらのベース材料に対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の粉末などを固体潤滑剤として分散させることにより塗膜の潤滑性、摺動性を高めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の電着塗装で用いられている前述の電着塗料用のベース材料はいずれも、分解開始温度が250℃から300℃と低く、耐熱性が低い。このため、従来のベース材料を用いて、たとえば、高速回転する軸受け装置においてその摺動面をコーティングすると、摩擦により発生した熱によって電着塗膜が劣化し、摺動性が著しく低下するという問題点がある。このような問題は、たとえ軸側と軸受け側とが非接触状態となる動圧軸受け装置であっても、回転を開始しようとした時、あるいは回転を停止しようとしたときには、軸側と軸受け側とが接触するので、電着塗膜が熱で劣化するという問題を避けることができない。
【0006】そこで、電着塗装に用いることができ、かつ、耐熱性の高いベース材料として芳香族系ポリイミド材料の検討が行われている。しかしながら、この種のベース材料は、電着塗膜が硬すぎて脆く、かつ、下地との密着力が弱いため、摺動部材のコーティングに適さないという問題点がある。
【0007】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、耐熱性および下地との密着性に優れ、かつ、摺動性も良好な塗膜を形成できる電着塗料、この電着塗料を用いた電着塗装によってコーティングを施した摺動部材、およびこの摺動部材を用いた軸受け装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明に係る電着塗料は、ポリアミドイミド系材料を主成分として含むことを特徴とする。
【0009】本発明において、電着塗膜は、通電量によって膜厚を制御できるので、スプレー法によって形成した塗膜に比較して高い膜厚精度が得られる。それ故、二次加工による寸法出しなどを省略できる。また、電着塗装は、スプレー法と比較して塗料が無駄にならない。さらに、ポリアミドイミド系材料は、分解開始温度が400℃以上であり、従来の電着塗料に用いられていたアクリル−メラミン系材料、アルキド−メラミン系材料、エポキシ−メラミン系材料、アクリル−ウレタン系材料、エポキシ−ウレタン系材料、不飽和ポリエステル系材料などと比較して分解温度が高く、耐熱性に優れている。このため、高速回転する軸受け装置などにおいてその摺動面をコーティングすると、摩擦により熱が発生したとしても、この熱によって塗膜が劣化することがない。また、芳香族系ポリイミド材料と違って、ポリアミドイミド系材料は、分子構造の中にアミド基を備えている。従って、アミド基の導入によって塗膜が適度な柔らさを有しているので、下地との密着力が強い。それ故、摺動部材のコーティングに適している。
【0010】本発明において、前記ポリアミドイミド系材料の主鎖に対しては、フッ素基、およびフッ素置換されたアルキル基のうちの少なくとも一方が付加されていることが好ましい。
【0011】本発明において、前記ポリアミドイミド系材料は、たとえば、以下の化学式【0012】
【化2】

で表される。
【0013】このように、前記ポリアミドイミド系材料に対してフッ素基を導入すると、フッ素樹脂を固体潤滑剤として電着塗料あるいは電着塗膜に含有させたときにポリアミドイミド系材料とフッ素樹脂とのなじみが向上する。
【0014】本発明に係る電着塗料には、前記ポリアミドイミド材料に加えて、フッ素樹脂を固体潤滑剤として含むことが好ましい。電着塗料中にフッ素樹脂を分散させておくと、電着塗膜がフッ素樹脂を保持した構成になる。このため、摺動部材の摺動面などをコーティングしたとき、摺動部材の表面が他の部材と擦れたときの摩擦によって熱が発生しても、この熱は、フッ素樹脂が軟化あるいは溶融するのに使われる。従って、電着塗膜中のポリアミドイミド系材料自身の温度上昇を抑えることができるので、電着塗膜の耐熱性を一層高めることができる。それ故、高速回転する軸受け装置においてその摺動面に電着塗膜を形成しても、電着塗膜が熱劣化することがない。
【0015】本発明に係る電着塗料を用いた電着によって塗膜を形成すると、この塗膜は摺動性に優れているので、本発明に係る電着塗料は、摺動部材の摺動部分をコーティングするのに適している。
【0016】このような摺動部材とは、たとえば、前記軸受け装置の軸受け部分において、軸側および軸受け側として用いられる。
【0017】
【発明の実施の形態】(電着塗装および電着塗料)本発明を適用した電着塗料は、基本的には、ポリアミドイミド系材料を主成分として配合されていることを特徴とし、この電着塗料には、ポリアミドイミド材料に加えて、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂などのフッ素樹脂の粉末が固体潤滑剤として配合されていることが好ましい。さらに、ポリアミドイミド系材料は、その主鎖に対して、フッ素基、およびフッ素置換されたアルキル基のうちの少なくとも一方が付加されていることが好ましい。このようなフッ素置換されたポリアミドイミド系材料は、たとえば、前記の化学式(2)で表される。
【0018】このようなポリアミドイミド材料の合成方法、およびこの材料を含む電着塗料を用いた電着方法の一例を、図1を参照して以下に説明する。
【0019】図1(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本発明を適用した電着塗料に含まれるポリアミドイミド系材料の合成方法を示す説明図であり、図1(D)は、このポリアミドイミド系材料を含む電着塗料から形成した電着塗膜の加熱硬化前の構造を示す説明図、および図1(E)は、図1(D)に示す電着塗膜を加熱硬化した後の構造を示す説明図である。
【0020】まず、ポリアミドイミド材料を製造するには、ポリアミドイミド系材料の酸成分としてトリメリット酸二無水物(図1(A)を参照)、0.05モルを、溶媒である乾燥N−メチルピロリドン100mlに対して窒素雰囲気中で溶解させる。
【0021】次に、アミン成分である2、2−ジトリフルオロメチル−3−ジアミノビフェニル(図1(A)を参照)、0.05mlを反応容器に加えた後、トリメリット酸二無水物のN−メチルピロリドン溶液をゆっくり反応容器内に加え、約3時間、攪拌する(図1(B)を参照)。
【0022】次に、沈殿が発生しないようにゆっくりと、酸成分と等モルのトリエチルアミンを反応容器内に添加する。また、400mlの純水を反応容器内に加えて、ポリアミド酸トリエチルアンモニウム水溶液を得る(図1(C)を参照)。
【0023】次に、ポリアミド酸トリエチルアンモニウム水溶液を透析チューブ内を入れ、透析によって、有機溶媒、余剰のトリエチルアミン、その他の雑イオンを除去する。このような透析は、チューブ内の溶液(水溶液)のpHが約7になるまで実施する。
【0024】このような透析により得たポリアミド酸トリエチルアンモニウム水溶液に対して、0.2μm〜0.3μmの粒径を有するフッ素樹脂を固体潤滑剤として添加させれば、ポリアミド酸トリエチルの水溶液に、粉末状のフッ素樹脂を固体潤滑剤として含む電着塗料を調製することができる。また、電着塗料にはイソプロピルアルコール、ブチルセロソルブ、エチレングリコールなどの分散剤、さらにはカーボンブラックなどの着色剤を添加してもよい。
【0025】このような成分(ポリアミド酸トリエチルアンモニウム)を含有する電着塗料は、アニオン型電着塗料であり、この電着塗料を用いた電着は、図2(A)、(B)を参照して以下に説明するように実施される。
【0026】図2(A)、(B)は、電着操作を模式的に示す説明図、およびこの電着操作によって表面に電着塗膜がコーティングされた摺動軸の断面図である。なお、ここに示す摺動軸は、後述する軸受け装置用である。
【0027】まず、本形態に係る電着塗料を純水と混ぜて、電着塗料の濃度を調整し、電着浴を調製する。このときの濃度は、電解条件などに応じて最適な条件に設定される。
【0028】次に、図2(A)に示すように、摺動軸3を形成するための母材としての丸棒31を電着浴100に浸漬した状態で、摺動軸3を陽極とし、この摺動軸3に対向する対極101(電解槽)を陰極にして、摺動軸3と対極101との間に直流電圧を印加する。このときの浴電圧や電流密度は電圧計および電流計で監視する。このときの電着浴100の温度や電流密度などは、電着すべきワークの種類などによって最適な条件に設定される。
【0029】このようにして電着を行うと、電着浴100中において、ポリアミドイミド系材料は、図1(D)に示す化学式で表される構造を有する電着塗膜33として、たとえば10μmの膜厚をもって摺動軸3の表面を覆う(図2(B)参照)。このとき、電着浴100に分散されていた粒径0.3μm〜0.4μmのフッ素樹脂は、ポリアミドイミド材料からなる電着塗膜33に取り込まれ、保持される。
【0030】このようにして電着塗膜33を形成した後は、摺動軸3を洗浄し、しかる後に、摺動軸3に対して、250℃位の温度で熱処理を施す。その結果、電着塗膜33は、図1(E)に示す構造になって硬化する。
【0031】このように構成した電着塗膜33は、通電量によって膜厚を制御できるので、スプレー法によって形成した塗膜に比較して高い膜厚精度が得られる。従って、二次加工などによって寸法出しを行う必要がない。また、電着塗装は、スプレー法と比較して塗料が無駄にならない。しかも、水系の電着浴なので、作業環境の悪化や火災のおそれがない。さらに、ポリアミドイミド系材料は、耐熱性に優れており、分解開始温度が400℃以上である。このため、高速回転する軸受け装置などにおいて、その摺動面(丸棒31の外周面)をコーティングすると、摩擦により熱が発生したとしても、この熱によって電着塗膜33が劣化することがない。また、芳香族系ポリイミド材料と違って、ポリアミドイミド系材料は、分子構造の中にアミド基を備えているので、電着塗膜33は適度な柔らさを有している。それ故、電着塗膜33は、下地(丸棒31の外周面)との密着力が強い。それ故、摺動軸3などといった摺動部材のコーティングに適している。
【0032】また、本形態では、電着塗料中にフッ素樹脂を分散させておいたので、電着塗膜33がフッ素樹脂を含有する。このため、摺動軸3の表面が他の部材と擦れたときの摩擦によって熱が発生しても、この熱は、フッ素樹脂が軟化あるいは溶融するのに使われる。従って、電着塗膜33中のポリアミドイミド系材料自身の温度上昇を抑えることができるので、電着塗膜33の耐熱性を一層高めることができる。
【0033】さらに、フッ素樹脂を粉体のまま電着塗料あるいは電着塗膜33に含有させるにあたって、本形態の電着塗料では、主成分であるポリアミドイミド系材料に、フッ素置換されたアルキル基が導入されているので、ポリアミドイミド系材料とフッ素樹脂とのなじみがよい。また、フッ素基の導入によって、主鎖であるポリアミドイミド分子の絡みを抑えることができるので、フッ素に起因する立体障害を減少させることもできる。それ故、この点からいっても、ポリアミドイミド系材料とフッ素樹脂との相溶性が向上する。
【0034】(軸受け部分への適用例1)図3は、本発明を適用した軸受け装置を用いたポリゴンミラー駆動装置の断面図である。
【0035】図3において、ポリゴンミラー駆動装置1Aは、モータ5と、このモータ5のロータ20上に搭載されたポリゴンミラー30とから構成されている。
【0036】モータ5には、駆動コイル41が巻回されたステータコア42および摺動軸3を備えるステータ40と、摺動軸3が差し込まれる軸孔21が形成されたロータ20とが構成されている。ロータ20は、ロータ本体25と、このロータ本体25から外周側に張り出すようにロータ本体25の下面側に固着されたヨーク27と、このヨーク27の内周面に固着されたロータマグネット22とを備えている。ロータ本体25の外周側には、ポリゴンミラー30を搭載する台座部26が形成され、この台座部26上に載置されたポリゴンミラー30はリング状のミラー押しつけ部材50によって台座部26に押しつけ固定されている。
【0037】このように構成したモータ5において、ロータ20とステータ40との間には、摺動軸3の上端部分に配置された磁石81とロータ20の上端部分に配置された磁石82との間に作用する磁力、およびステータコア42とロータマグネット22との間に作用する磁力を利用して、ステータ40がロータ20をスラスト方向で支持するスラスト軸受け8が構成されている。
【0038】また、ロータ20とステータ40との間では、摺動軸3の外周面とロータ20(軸受け側)の軸孔21の内周面との間に形成される隙間内に発生する動圧を利用してロータ20をラジアル方向で支持する動圧軸受けからなるラジアル軸受け7が構成されている。なお、図示を省略するが、摺動軸3の外周面あるいはロータ20の軸孔21の内周面には、ヘリングボーンまたはスパイラルグルーブなどといった動圧発生溝が形成されている。
【0039】本形態では、この動圧軸受け装置からなるラジアル軸受け7の摺動軸3に対して本発明を適用している。
【0040】(軸受け部分への適用例2)図4は、本発明を適用した軸受け装置を用いた光ピックアップ装置の断面図である。
【0041】図4に示すように、対物レンズ駆動装置1Bは、対物レンズ10を保持したレンズホルダ4と、このレンズホルダ4を支持したホルダ支持部材2とを有している。
【0042】レンズホルダ4は、円筒状の胴部43と、胴部43の上側を覆う天板41と、胴部43の内側に形成された円筒状の軸受け44を備えている。天板41には、外側に向けて薄く張り出すレンズ取り付け部47が形成されており、この上に対物レンズ10が接着固定されている。
【0043】このレンズホルダ4の軸受け44に形成された軸孔441には、ホルダ支持部材2の底壁22から直立した摺動軸3が差し込まれ、摺動軸3および軸孔441によって軸受け装置40が構成されている。
【0044】本形態では、この軸受け装置40の摺動軸3に対して本発明を適用している。
【0045】なお、レンズホルダ4の軸受け44には、フォーカシング駆動コイル63が巻き付けられている。このフォーカシング駆動コイル63と、ホルダ支持部材2の側に固定されたフォーカシング駆動マグネット(図示せず)との間には、レンズホルダ4を摺動軸3に沿って上下に移動させるフォーカシング磁気駆動回路が構成されている。また、レンズホルダ4の胴部43の外周面には、ホルダ支持部材2の側に固定されたトラッキング駆動マグネット(図示せず)と対峙するように一対のトラッキング駆動コイル(図示せず)が取り付けられている。このトラッキング駆動コイルとトラッキング駆動マグネットとの間には、レンズホルダ4を摺動軸3の周りに回転させるトラッキング磁気駆動回路が構成されている。
【0046】(摺動軸3の構成)このように構成した軸受け装置に用いた摺動軸3は、図2(A)、(B)を参照して説明したように、母材である丸棒31と、この丸棒31の外周面32に積層された電着塗膜33とを有している。丸棒31は、アルマイト処理が施されたアルミニウム製の丸棒などによって形成されたものである。この丸棒31は、外周面32の表面粗さが所定値以下となるように加工されている。
【0047】電着塗膜33は、前記したように、ポリアミドイミド材料からなる膜厚がたとえば10μmの電着塗膜であり、かつ、粒径0.3μm〜0.4μmのフッ素樹脂を固形潤滑剤として含んでいる。
【0048】従って、ポリゴンミラー駆動装置1Aおよび対物レンズ駆動装置1Bにおいて、摺動軸3の表面を覆う電着塗膜33については通電量によって膜厚を制御できるので、二次加工を行わなくても、外径寸法の精度が高い摺動軸3を形成できる。また、ポリアミドイミド系材料は、耐熱性に優れているため、摺動軸3と軸孔21、441の内周面が接触しても、そのとき発生する摩擦熱によって電着塗膜33が劣化することはない。また、電着塗膜33は適度な柔らさを有しているため、下地(丸棒31の外周面)との密着力が強いので、ラジアル軸受け7および軸受け装置40の寿命が長いという利点がある。
【0049】また、本形態では、電着塗膜33がフッ素樹脂を含有するため、摺動軸3の表面が軸孔21、441の内周面と擦れたときの摩擦によって熱が発生しても、この熱は、フッ素樹脂が軟化あるいは溶融するのに使われる。従って、電着塗膜33中のポリアミドイミド系材料自身の温度上昇を抑えることができるので、電着塗膜33の耐熱性を一層高めることができる。
【0050】さらに、本形態の電着塗料では、主成分であるポリアミドイミド系材料に、フッ素置換されたアルキル基が導入されているので、ポリアミドイミド系材料とフッ素樹脂とのなじみがよい。それ故、フッ素樹脂が電着塗膜33から脱落することがない。
【0051】(その他の実施の形態)なお、上記形態では、本発明に係る電着塗膜を摺動軸3の表面に形成した例であるが、本発明に係る電着塗膜を金属によって構成されている軸孔21、441の内周面に形成してもよい。
【0052】また、本発明に係る電着塗膜については、ポリゴンミラー駆動装置1Aや光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置1Bの軸受け装置に限らず、タイマー装置の減速ギア支持シャフトなどの摺動部分あるいは摺動部材の表面をコーティングしてその摺動性を高めるのに用いてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において、電着塗膜は、通電量によって膜厚を制御できるので、スプレー法によって形成した塗膜に比較して高い膜厚精度が得られる。また、電着塗装は、スプレー法と比較して塗料が無駄にならない。さらに、本発明で用いたポリアミドイミド系材料は、耐熱性に優れているため、高速回転する軸受け装置などの摺動面をコーティングするのに用いると、摩擦により熱が発生したとしても、この熱によって塗膜が劣化することがない。また、ポリアミドイミド系材料は、分子構造の中にアミド基を備えているため、塗膜が適度な柔らさを有しているので、下地との密着力が強い。それ故、摺動部材のコーティングに適している。




 

 


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