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発明の名称 補償されたスルホン化ポリアニリン及びその調製方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−354765(P2001−354765A)
公開日 平成13年12月25日(2001.12.25)
出願番号 特願2000−81799(P2000−81799)
出願日 平成12年3月17日(2000.3.17)
代理人 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【テーマコード(参考)】
4J043
4K062
【Fターム(参考)】
4J043 QB02 RA08 SA02 SA05 SB01 UA01 YB38 ZB60 
4K062 AA03 BC11 BC19 DA10 FA12
発明者 サラスワティ コウル / サンディープ クマー ダハワン / サブハス チャンドラ
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 式:【化1】

(式中、A=Na+ ,K+ ,Li+ )により表される、腐蝕抑制剤として有用な補償されたスルホン化ポリアニリン。
【請求項2】 次の特徴:a)空気及び水分中で環境上安定であり、b)斜方晶構造の実質的に結晶質であり、c)251.06℃の鋭い融点を有し、d)180.60℃の鋭い結晶化温度を有し、e)水溶性であり、f)腐蝕抑制剤である、を有する請求項1記載の補償されたスルホン化ポリアニリン。
【請求項3】 (i)−5℃〜5℃の範囲内の温度でポリマーに発煙硫酸を添加すること;
(ii)冷却しながら(i)で得られた混合物を連続的に4〜6時間の範囲内の時間攪拌すること;
(iii)24時間〜48時間の範囲内の時間を要して発煙硫酸にポリマーを完全に消化させてスルホン化ポリマーを生成させること;
(iv)消化したポリマーを有機溶剤と水の混合物中で再生して緑色沈澱物を得、次にその緑色沈澱物を濾過して緑色ケークを得ること;
(v)工程(iv)で得られた緑色ケークを50〜60℃の範囲内の温度で乾燥させること;
(vi)工程(v)で得られた緑色ケークを水酸化アルカリ溶液中で消化させること;
(vii)工程(vi)で得られた溶液を70℃〜80℃の範囲内の温度で乾燥させて腐蝕抑制用の補償されたスルホン化ポリアニリン水溶性ポリマーを得ること;を含む、腐蝕抑制に有用な水溶性ポリマーとしての補償されたスルホン化ポリアニリンの調製方法。
【請求項4】 ポリマーがエメラルジン塩基及びロイコエメラルジンからなる群から選ばれる請求項3記載の方法。
【請求項5】 使用される発煙硫酸の百分率が24〜60%の範囲内である請求項3記載の方法。
【請求項6】 水との混合物として使用される有機溶剤がメタノール、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれる請求項3記載の方法。
【請求項7】 有機溶剤と水とが80:20〜90:10の範囲内で存在する請求項3記載の方法。
【請求項8】 水酸化アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる請求項3記載の方法。
【請求項9】 使用される水酸化アルカリの強度が0.1M〜1.0Mの範囲に及ぶ請求項3記載の方法。
【請求項10】 本発明の方法により調製される水溶性ポリアニリンが実質的に結晶質である請求項3記載の方法。
【請求項11】 本発明の方法により調製される水溶性ポリアニリンが320℃以下の温度で熱的に安定である請求項3記載の方法。
発明の詳細な説明
【0001】発明の属する分野本発明は、腐蝕抑制に有用な水溶性ポリマーとしてのスルホン化ポリアニリン及び前記ポリマーの調製方法に関する。
【0002】より詳細には、本発明は、下記式:【0003】
【化2】

【0004】(式中、A=Na+ ,K+ ,Li+ )に示されるような補償されたスルホン化ポリアニリン及び前記ポリマーの新規な調製方法に関する。
【0005】発明の背景本発明の水溶性ポリアニリンには、HCl媒体及び塩水中での鉄及び軟鋼の腐蝕保護としての種々の用途がある。近年、導電性ポリマーであるポリアニリン(PANI)にますます関心が集まっている。ポリアニリンはその特異なプロト電子(proto-electron)伝導機構のために詳細に研究されている。"Effect of Sulfonic Acid Group on Polyaniline Backbone", J. Am. Chem. Soc. 113 (1991) 2665-71 の中でEpstein 等は、自己ドープ型導電性ポリマー(self doped conducting polymer)(SPAN)の調製結果及び特性を述べている。"Comparison of different synthetic routes for sulphonation of polyaniline", Polymer, 33 (1992) 4410-4418においてJ. Yue等は、種々の手法、並びに最終生成物(SPAN)の形成に及ぼす酸化剤の性質の効果、時間及び温度の効果を説明している。この論文の中で、異なる手法により形成された生成物の全てのキャラクタリゼーションも検討されているが、全ての手法の出発前駆物質が同じである。"Modification of Growth rate and structure of electropolymerized aniline by sodium polyvinyl sulphonate", J.Chem. Soc. Chem. Comm., (1990) 1478においてN. Kuramoto 等は、アニリンの電子重合(electropolymerization )に及ぼすポリビニルスルホネートの影響を述べている。このポリビニルスルホネートは得られるフィルムの電気活性及び酸化還元特性を変える。別の論文、"Electronic control of pH at sulfonated polyaniline electrodes", J. Chem. Soc. Chem. Commu. (1992) 1540 においてJ.Yue及びA. J. Epstein は、pH調節剤として使用できる自己ドープ型スルホン化ポリアニリンの電気化学的変調を検証している。"Phosphonic doped emeraldine base", Macromolecules 27 (1994) 2159-64において H. S. O. Chan等は、ポリアニリンにリン酸エステルをドープした場合にドーパント化学種が損失しない良好な熱安定性を説明している。X. L. Wei, Y. Z. Wang, C. Bobeczko及びA. J. Epstein による最近の論文"Synthesis and Physical Properties of highly Sulphonated Polyaniline", J. Am. Che. Soc. 118 (1996) 2545-2555には、LEB−SPANの合成及び広範囲にわたるキャラクタリゼーションの詳細が説明されている。A. Talo 等による論文"PANI/EPOXY coatings with good anticorrosion properties", Synth. Metals 85 (1-3) (1997) 1333-34 には、HClの存在下、またNaClの存在下での腐蝕のエレクトロクロミック現象の全容を説明している。エメラルデン塩基による鉄/スチールの腐蝕保護に関するX線光電子分光法による徹底的な研究がM. Fahlman, S. Jasty, A. J. Epstein による"Corrosion Protection of Iron/Steel by EB PANI - an X-ray Photoelectron Spectroscopy study", Synth. Metals 85 (1-3) (1997) 1323-26で検証されている。"Polyaniline - A Historical study", Synthetic Metals, 36 (1990) 139 - 82においてGenies等は、ポリアニリンの電気化学的及び化学的重合、酸化還元機構並びに電気化学的性質に関する詳細な研究を述べている。腐蝕に関する別の研究は、"Corrosion protection using PANI coating formulation", Pitture VermiciEur 73 (17) (1997) 4847-53 においてP. J. Kinlen等によりなされている。論文にはPANIが環状樹脂プライマーと併用されることが記載されており、PANIコーティングを使用して行われた塩曇り(salt fog)試験の徹底した研究も含まれている。"Aniline based anodically polymerized coatings for corrosion - hydrogenation protection of steel," Prot. Met. 34(1) (1998) 51 - 53においてI. V. Yagova, S. S. Ivanov及びV. V. Yagov は、腐蝕速度に及ぼすアニリン重合被覆の効果を説明している。PANIと一連のエポキシドの徹底的な系統的研究が、T. Page Mcandrew等により"PANI in corrosion - resistant coating", ACS Symp. Ser. 689 (1998) 396- 408 に報告されている。この論文には、特にPANIを他のエポキシド及びジイソシアネートとブレンドした場合のPANIの良好な腐蝕に関する結果も報告されている。米国特許第5,164,465号;第5,008,041号;第789095号;WO96 14,343;WO97 03,127;WO97 14,729には、自己プロトン化型ポリアニリン、高分子量ポリアニリンの調製及び有機溶剤への溶解性を示す導電性PANI塩の調製、並びに腐蝕防止用PANIコーティング配合物に関する詳細なデータが記載されている。ポリアニリンをスルトンと反応させることによってポリアニリンの窒素原子上にアルキルスルホン酸基を導入することができる(米国特許第5,641,859号)。水酸化ナトリウムによりエメラルジン塩基のポリアニリンを脱水素化し、次にプロパンスルトンと反応させ、その反応生成物であるポリ(アニリン−co−ナトリウムN−プロパンスルホネートアニリン)が比較的良好な水溶性を示したが、反応生成物であるポリ(アニリン−co−ナトリウムN−プロパンスルホネートアニリン)は未ドープ状態であるために、ポリ(アニリン−co−N−プロパンスルホン酸アニリン)の緑色水溶液を得るにはH型イオン交換樹脂による処理が必要であろう。Naguen及びDiaz(macromolecules, 28 (1995) 3411)は、アルカリ性水溶液に可溶であるアニリンとo−アントラニル酸のコポリマーを合成した。しかしながらアニリンとo−アントラニル酸は、水への溶解度が低いという問題がある。米国特許第5645890号(1997年)は、鉄基材SS−304及びSS−340の露出面にポリアニリンを化学的に堆積させることによる金属基材の改良された腐蝕抑制方法を提供するものである。米国特許第589170号(1999年4月)は水溶性の自己酸ドープ型ポリアニリンを得るための方法に関し、この水溶性の自己酸ドープ型ポリアニリンはピリジン及びN−メチルピロリジノンの存在下でポリアニリン誘導体と2−スルホ安息香酸無水物とを反応させ、その反応生成物をイオン交換樹脂により処理してドープされた状態に変換することにより調製される。特開平10−92220号公報;特開平9−87515号公報及び特開平6−3813号には、水系導電性PANI複合材料、PANI系導電性ポリマーの調製及びSPANのその加工性の観点からの技術的用途に関する記載がある。
【0006】発明の目的本発明の目的は、前述の欠点を解消する腐蝕抑制に有用な水溶性ポリマーとしての補償されたスルホン化ポリアニリンの調製方法を提供することである。
【0007】本発明のもう1つの目的は、HCl及び塩水媒体中の鉄及び軟鋼の腐蝕抑制剤として有用なポリマーを提供することである。本発明のさらなる目的は320℃まで熱的に安定なポリマーを提供することである。
【0008】発明の要約本発明において、我々は、HCl及び塩水のような腐蝕性媒体中の鉄及び軟鋼の腐蝕保護に使用できる水に可溶なポリマーを調製した。この水溶性ポリマーについて観察された結晶性は、他のグループによって観察されておらず、本発明の新規性はHCl及びNaCl中の鉄及び軟鋼用の腐蝕抑制剤としてこのポリマーを使用することにある。本発明の新規性は、硫黄を基にする化合物及び水酸化アルカリによりポリマー適切に処理することによりポリマーを水溶性にすることにある。ポリマー主鎖にスルホン化基を結合させることに進歩性がある。
【0009】詳細な説明本発明は、腐蝕抑制に有用な水溶性ポリマーとしての補償されたスルホン化ポリアニリンの調製方法を提供する。この方法は、(i)−5℃〜5℃の範囲内の温度でポリマーに発煙硫酸を添加すること;
(ii)冷却しながら(i)で得られた混合物を連続的に4〜6時間の範囲内の時間攪拌すること;
(iii)24時間〜48時間の範囲内の時間を要して発煙硫酸にポリマーを完全に消化(digesting)させてスルホン化ポリマーを生成させること;
(iv)消化したポリマーを有機溶剤と水の混合物中で再生して緑色沈澱物を得、次にその緑色沈澱物を濾過して緑色ケークを得ること;
(v)工程(iv)で得られた緑色ケークを50〜60℃の範囲内の温度で乾燥させること;
(vi)工程(v)で得られた緑色ケークを水酸化アルカリ溶液中で消化させること;
(vii)工程(vi)で得られた溶液を70℃〜80℃の範囲内の温度で乾燥させて腐蝕抑制用の補償されたスルホン化ポリアニリン水溶性ポリマーを得ること;を含む。
【0010】本発明のもう1つの態様において、使用されるポリマーは、エメラルジン塩基及びロイコエメラルジンからなる群から選ばれてよい。本発明のもう1つの態様において、使用される硫黄を基にする化学物質は、24〜60%の範囲内の発煙硫酸である。本発明のさらに別の態様において、水との混合物として再生のために使用される有機溶剤は、メタノール、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれる。
【0011】本発明のさらに別の態様において、有機溶剤と水の混合物は80:20〜90:10%の範囲内で存在する。本発明のさらに別の態様において、水酸化アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化リチウム及び水酸化カリウムからなる群から選ばれる。本発明のさらに別の態様において、水酸化アルカリの強度は0.1〜1.0Mの範囲内である。
【0012】本発明のさらに別の態様において、本発明の方法により調製される水溶性ポリアニリンは実質的に結晶性である。本発明のさらなる態様において、ポリマーは、鉄のような金属が腐蝕しやすい冷却塔、パイプライン、バラストタンク並びにオイル及びガス生産設備のような系で使用されてよい。本発明のさらに別の態様において、腐蝕抑制剤としての使用に必要なポリマーの量は200〜500ppmの範囲内である。
【0013】本発明は、さらに、次の特性を有する補償されたスルホン化ポリアニリンを提供する:(i)320℃まで熱的に安定、(ii)空気中及び水分中で環境上安定、(iii)斜方晶結晶性、(iv)251.06℃の鋭い融点及び180.60℃の鋭い結晶化温度、(v)水溶性である、並びに(vi)腐蝕抑制剤である。すなわち、本発明は、鉄及び軟鋼の腐蝕抑制剤として有用でありうる水溶性の補償されたスルホン化ポリアニリンを提供する。
【0014】NaOH水溶液による処理後に得られる補償されたスルホン化ポリアニリンは水溶性であり、この水溶性は補償されたポリアニリンの新規な特性である。導電性の補償されたポリマーポリアニリンは、それ自体ではいかなる有機溶剤にも不溶であるが、そのポリマーの未ドープ形態のものはN−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等のような有機溶剤に可溶である。ポリアニリンのポリマー主鎖にスルホホネート基を結合させてポリマーをNaOHのような水酸化アルカリにより補償することによって、我々はポリマーを水溶性にすることができた。ポリマーのX線回折パターン(図4)により求めた場合にエメラルジン塩基及びドープされた導電性の形態のポリアニリンはアモルファスであり、一方、我々が調製した補償されたスルホン化ポリアニリンは実質的に結晶性である。アモルファスハンプ強度を超えるピークの積分強度を比較することによって推定した分別結晶化度は91%であった。補償されたポリアニリンの示差走査熱量測定(DSC)曲線は、251℃に鋭い融点(Tm)と180.6℃に結晶化温度(Tc)を示した(図5)が、親のポリマーはTmもTcも示さなかった。NMP中で、補償されたポリアニリンは305及び535nmに吸収帯を示し、一方、エメラルジン塩基は320及び620nmに吸収帯を示した。本発明の方法を例示するために以下の実施例を示すが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0015】実施例1水溶性ポリアニリンの調製:2.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で4時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに25℃で24時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率80:20のメタノール−水混合物を添加した。この溶液を濾過し、それによって得られた緑色ケークを50℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを0.1MのNaOH水溶液により処理してスルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を70℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーを以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0016】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、16.48279gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、16.3150gであることを確認した。よって損失量は0.16779gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマーを100ppm含む1.0NのHCl中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.03241gであることを確認し、腐蝕抑制効率は80.6%となった。
【0017】実施例22.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で5時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに30℃で30時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率80:20のメタノール−水混合物を添加した。この溶液を濾過し、それによって得られたポリマーの緑色ケークを50℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを0.1MのNaOH水溶液により処理してスルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を70℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーを以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0018】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、16.48279gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、16.3150gであることを確認した。よって損失量は0.16779gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマーを200ppm含む1.0NのHCl中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.03241gであることを確認し、腐蝕抑制効率は88.8%となった。
【0019】実施例32.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で5時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに30℃で24時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率80:20のメタノール−水混合物を添加した。この溶液を濾過し、それによって得られたポリマーの緑色ケークを60℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを0.1MのNaOH水溶液により処理してスルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を75℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーを以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0020】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、16.48279gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、16.3150gであることを確認した。よって損失量は0.16779gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマーを400ppm含む1.0NのHCl中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.00835gであることを確認し、腐蝕抑制効率は95.02%となった。
【0021】実施例42.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で5時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに25℃で40時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率80:20のメタノール−水混合物を添加した。この溶液を濾過し、それによって得られたポリマーの緑色ケークを60℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを強度0.1MのNaOH水溶液により処理してスルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を間接加熱により75℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーを以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0022】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、11.8740gであることを確認した。次に、3.5%NaCl溶液を調製し、この溶液中に計量した前記電極を7日間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、11.62612gであることを確認した。よって損失量は0.24788gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマーを500ppm含む3.5%NaCl溶液中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.03110gであることを確認し、腐蝕抑制効率は87.5%となり、塩化ナトリウム水溶液に添加された補償されたスルホン化ポリアニリンポリマーによる腐蝕抑制の有効性が示された。
【0023】実施例52.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で6時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに30℃で36時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率90:10のメタノール−水混合物を添加した。次にこの溶液をそのまま6時間放置し、次に濾過し、そのようにして得られたポリマーの緑色ケークを強度1.0MのKOH水溶液により処理し、スルホン化部分にカリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を間接加熱により80℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーにKSPANの名称を付け、以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0024】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、11.1550gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、11.0510gであることを確認した。よって損失量は0.104gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマーを500ppm含む1.0NのHCl溶液中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.004gであることを確認し、腐蝕抑制効率は96%となり、酸溶液に添加された補償されたスルホン化ポリアニリンポリマーによる腐蝕抑制の有効性が示された。
【0025】実施例62.0gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で6時間を要して24%発煙硫酸(200ml)を添加した。エメラルジン塩基が完全に溶解したら、スルホネート部分がポリマー主鎖に完全に導入されるようにさらに30℃で43時間攪拌を続けた。緑色沈澱物が生じるまで、定速攪拌のもとでこの青色がかった紫色の溶液に比率90:10のメタノール−水混合物を添加した。次にこの溶液をそのまま15時間放置し、次に濾過し、そのようにして得られたポリマーの緑色ケークを強度1.0MのLiOH水溶液により処理し、スルホン化部分にリチウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を間接加熱により60℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーにLiSPANの名称を付け、以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0026】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、11.1550gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、11.0510gであることを確認した。よって損失量は0.104gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性の補償されたスルホン化ポリマー(LiSPAN)を500ppm含む1.0NのHCl中に浸漬した。この場合の損失質量も測定し、0.010gであることを確認し、腐蝕抑制効率は90.3%となり、酸溶液に添加された補償されたスルホン化ポリアニリンポリマーによる腐蝕抑制の有効性が示された。Epstein の方法により調製されるポリマーが腐蝕抑制性ポリマーとしては効果がない点を示すために比較例7及び8を加えた。
【0027】例7(比較例)
0.5gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で4時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。得られた青色がかった溶液を、温度を0℃に保ちながらメタノールにより沈澱させ、緑色沈澱物の形成を導いた。溶液を濾過し、そのようにして得られた緑色ケークを50℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを0.1MのNaOH水溶液により処理し、スルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を75℃で乾燥させた。Epstein の方法により調製されたNaSPANの水中でのUV−可視吸収スペクトルは、313nm及び586nmに吸収帯を示した。そのようにして得られたポリマーを、以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0028】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、26.37457gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、26.36058gであることを確認した。よって損失量は0.01399gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性ポリマーを100ppm含む1.0NのHCl中に浸漬した。この場合の損失質量が0.01773gであると確認した。
【0029】実施例8(比較例)
0.5gのエメラルジン塩基に定速攪拌のもと0℃で4時間を要して24%発煙硫酸(40ml)を添加した。得られた青色がかった溶液を、温度を0℃に保ちながらメタノールにより沈澱させ、緑色沈澱物の形成を導いた。溶液を濾過し、そのようにして得られた緑色ケークを55℃で減圧乾燥させた。そのようにして得られたスルホン化ポリアニリンを0.1MのNaOH水溶液により処理し、スルホン化部分にナトリウムを結合させ、青色溶液を得た。その溶液を80℃で乾燥させ、そのようにして得られたポリマーを、以下で詳しく述べるように腐蝕抑制の調査のために使用した。
【0030】呼称寸法5×2.5cm2 の鉄電極を精密電子てんびんにより計量し、26.37457gであることを確認した。次に、1.0NのHCl溶液を調製し、この酸溶液中に計量した前記電極を30分間入れたままにした。この処理の後に、鉄片の質量を再び測定し、26.36058gであることを確認した。よって損失量は0.01399gであった。次に、同じ呼称寸法を有するもう1つの鉄片を用意し、水溶性ポリマーを200ppm含む1.0NのHCl溶液中に浸漬した。この場合に質量増加が観察され、この質量増加は0.01783gであった。
【0031】実験結果を表1及び2にまとめた。表1は、本発明の補償されたスルホン化ポリアニリンの腐蝕抑制調査のデータを示す。表2は、比較例1及び2に記載したEpstein の方法により調製されたものの腐蝕抑制調査の試験結果である。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】本発明の主な利点は次の通りである:1.水溶性ポリマーが、塩水及び酸媒体中の鉄を基とする材料に対して腐蝕抑制剤として作用する。
2.有効な腐蝕抑制性を得るのに腐蝕性媒体に混合すべき前記物質の量はほんのわずかである。
【0035】腐蝕抑制剤は、系に低濃度で添加された場合に、酸素、空気及び水のような大気環境との金属の反応を抑制する化学物質である。それらは、鉄、銅及びアルミニウムのような金属が腐蝕されやすい冷却塔、パイプライン、バラストタンク、オイル及びガス生産設備のような多くの系に添加される。有機抑制剤は最も重要なものである。なぜなら、π電子の存在に帰因する金属表面に対しての有機分子の強い吸着による金属−溶液界面での吸着によって有機分子が腐蝕を妨げるからである。しかしながら、近接する単量体単位間でのファンデルワールス反撥のために抑制効率はあまり高くなく、金属表面の大部分が未保護のまま残る。我々は、第4級アンモニウム窒素と芳香核に帰属するπ電子とを有する可溶性の補償されたスルホン化ポリアニリンが、金属表面を最大限保護できるように、鉄表面でのポリマーの強い吸着を促進し、ファンデルワールス反撥力を最低限にすることにより均一な被覆を与えることを予想した。ポリマー主鎖に結合しているスルホン化基は、電解質の方に向いて、腐蝕性イオンが鉄表面に達するのを妨げ、高い腐蝕抑制効率を与える。




 

 


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