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ジアミノベンゼン誘導体及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜 - 日産化学工業株式会社
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発明の名称 ジアミノベンゼン誘導体及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−72770(P2001−72770A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願2000−197598(P2000−197598)
出願日 平成12年6月30日(2000.6.30)
代理人
発明者 保坂 和義 / 縄田 秀行 / 仁平 貴康 / 磯貝 英之 / 遠藤 秀幸 / 袋 裕善
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一般式[1]
【化1】

(式中、XおよびPはおのおの独立に単結合または−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−より選ばれる2価の有機基であり、Qは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基を表し、aは1〜4の整数で置換基の数を表し、Rはフッ素、メチル基及びトリフルオロメチル基より選ばれる置換基であり、bは0〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体。
【請求項2】 一般式[1]
【化2】

(式中、XおよびPはおのおの独立に単結合または−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−より選ばれる2価の有機基であり、Qは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基を表し、aは1〜4の整数で置換基の数を表し、Rはフッ素、メチル基及びトリフルオロメチル基より選ばれる置換基であり、bは0〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体を少なくとも1モル%含有するジアミンとテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させ、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN-メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体とし、これを閉環させてなる、一般式[2]
【化3】

(式中、Aはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、Bはジアミンを構成する2価の有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミド。
【請求項3】 テトラカルボン酸2無水物が脂環式テトラカルボン酸2無水物である請求項2記載のポリイミド。
【請求項4】 脂環式テトラカルボン酸2無水物が1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物、ビシクロ[3,3,0]−オクタン−テトラカルボン酸2無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸2無水物及び3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2:3,5:62無水物の中から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸2無水物である請求項3記載のポリイミド。
【請求項5】 一般式[1]
【化4】

(式中、XおよびPはおのおの独立に単結合または−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−より選ばれる2価の有機基であり、Qは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基を表し、aは1〜4の整数で置換基の数を表し、Rはフッ素、メチル基及びトリフルオロメチル基より選ばれる置換基であり、bは0〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体を少なくとも1モル%含有するジアミンとテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させ、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN-メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体とし、これを閉環させてなる、一般式[2]
【化5】

(式中、Aはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、Bはジアミンを構成する2価の有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含有してなる液晶配向膜。
【請求項6】 テトラカルボン酸2無水物が脂環式テトラカルボン酸2無水物である請求項5に記載の液晶配向膜。
【請求項7】 脂環式テトラカルボン酸2無水物が1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物、ビシクロ[3,3,0]−オクタン−テトラカルンボン酸、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸及び3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2:3,5:62無水物の中から選ばれる少なくとも1種のテトラカルボン酸2無水物である請求項6記載の液晶配向膜。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、新規なジアミノベンゼン誘導体及び該化合物を原料の一つとして合成されるポリイミド並びに該ポリイミドを含有してなる液晶配向膜に関するものであり、更に詳しくは工業的に製造容易な特定の構造を有するジアミン及びそれを用いたポリイミド並びに液晶配向膜に関するものである。本発明のジアミンを用いて合成されるポリイミドは、液晶表示素子の配向膜として用いるのに特に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来ポリイミドはその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられている。しかし、近年の電気・電子分野の発展は目覚ましく、それに対応して、用いられる材料に対しても益々高度な特性が要求されるようになっている。中でも液晶表示素子の配向膜用途においては、塗膜表面の均質性と耐久性故に、従来よりポリイミドがもっぱら用いられてきた。しかし、液晶表示の高密度化、高性能化が図られる中で、ポリイミド塗膜の表面特性が重視され、従来のポリイミドにはない新たな特性の付与が必要になってきている。
【0003】液晶表示素子は、液晶の電気光学的変化を利用した表示素子であり、装置的に小型軽量であり、消費電力が小さい等の特性が注目され、近年、各種ディスプレイ用の表示装置として目覚ましい発展を遂げている。中でも正の誘電異方性を有するネマティック液晶を用い、相対向する一対の電極基板のそれぞれの界面で液晶分子を基板に対し平行に配列させ、かつ、液晶分子の配向方向が互いに直交するように両基板を組み合わせた、ツイステッドネマティック型(TN型)の電界効果型液晶表示素子は、その代表的なものである。
【0004】このようなTN型の液晶表示素子においては、液晶分子の長軸方向を基板表面に均一に平行に配向させること、更に液晶分子を基板に対して一定の傾斜配向角(以下、チルト角という)をもって配向させることが重要である。この様に液晶分子を配向させる代表的な方法としては、従来より二つの方法が知られている。
【0005】第一の方法は、酸化珪素等の無機物を基板に対して斜めから蒸着することにより基板上に無機膜を形成し、蒸着方向に液晶分子を配向させる方法である。この方法では、一定のチルト角を有する安定した配向は得られるものの工業的には効率的ではない。
【0006】第二の方法は、基板表面に有機被膜をもうけ、その表面を綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一定方向にラビングし、ラビング方向に液晶分子を配向させる方法である。この方法は、比較的容易に安定した配向が得られるため、工業的には専らこの方法が採用されている。有機膜としては、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン、ポリアミド、ポリイミド等が挙げられるが、化学的安定性、熱的安定性等の点からポリイミドが最も一般的に使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】液晶配向膜の分野においては、ポリイミドなどの有機膜をラビングする方法では、従来高いチルト角を安定に得ることは困難であった。これを解決する手段として、特開昭62−297819号公報には、長鎖アルキル化合物とポリイミド前駆体の混合物よりなる液晶配向処理剤が提案されている。更に、特開昭64−25126号公報には、アルキル基を有するジアミンを原料としたポリイミドよりなる液晶配向処理剤が提案されている。この様に、ポリイミド中にアルキル基を導入して液晶のチルト角を高めようとする試みは数多くなされ、チルト角を高めることに関しては可能となった。
【0008】近年、TN表示素子の発展には目を見張るものがあり、液晶配向膜にもこれまでにない多くの特性が要求されるようになってきた。その中でも特にチルト角の安定化と配向の均一性向上の両立は液晶配向膜の本質的特性の改善といった観点から益々重要になってきている。
【0009】特開昭64−25126号公報からも明らかなように、従来から知られかつもっぱら用いられているアルキルジアミンはフェニレンジアミン構造にアルキル基を連結してなることを特徴とする。しかしながら、従来知られているアルキル基含有ジアミンを用いると、ポリイミドを合成する際、アルキル基が立体障害として作用するため反応性が低くなり、重合に時間がかかったり、ある場合にはほとんど重合が進行しないなどの問題があった。重合に時間がかかる点は工業的製造の点、また低重合反応性はポリイミドの配向膜としての耐久性の点から問題となっていた。またかかる低反応性は当然、他のジアミンと共重合を行った場合、反応速度の差として現れる。得られるポリイミドは繰り返し単位の均一性といった観点からは必ずしも均一ではなく、結果として液晶配向膜にした際、所望のチルト角は得られても液晶配向の均一性といった観点からは必ずしも満足のいくものではなかった。
【0010】これらの問題は、今後のTN素子に代表される高品位、高精細な液晶表示素子に於いて、更なる特性向上を図る上では極めて重要な課題である。すなわちこの点に寄与する、すぐれた反応性を有するアルキルジアミンとこれを構成要素とするポリイミドならびにポリイミド液晶配向膜が切望されていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の事情に鑑みなされたものである。本発明者等は、本目的を達するために詳細且つ系統的に鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、一般式[1]
【0013】
【化6】

【0014】(式中、XおよびPはおのおの独立に単結合または−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−より選ばれる2価の有機基であり、Qは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基を表し、aは1〜4の整数で置換基の数を表し、Rはフッ素、メチル基及びトリフルオロメチル基より選ばれる置換基であり、bは0〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体に関するものである。
【0015】また、本発明は前記の一般式[1]で表されるジアミノベンゼン誘導体を少なくとも1モル%含有するジアミンとテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体とから選ばれる少なくとも1種の化合物を反応させ、還元粘度が0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN-メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)のポリイミド前駆体とし、これを閉環させてなる、一般式[2]
【0016】
【化7】

【0017】(式中、Aはテトラカルボン酸を構成する4価の有機基を表し、Bはジアミンを構成する2価の有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミドに関するものである。
【0018】さらに本発明は、上記ポリイミドを含有してなる液晶配向膜に関する。以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のジアミノベンゼン誘導体は合成が容易であり、ポリイミド、ポリアミドなどの原料として有用である。更に、これを原料の1つとして用い、側鎖にアルキル基やフルオロアルキル基を有するポリイミドが得られる。このポリイミドは、半導体用絶縁膜、光学素子用耐熱保護膜などにも有用であるが、特に液晶表示素子の配向膜用に用いることが有用であり、重合が速やかなばかりか、高いチルト角を容易に与え、液晶の配向性が良好などの特性を具備する。
【0020】特に本発明は、アルキル基を有する特定のジアミノベンゼン誘導体を用いることで速やかに所望の繰り返し単位を有するポリイミドを得ること。またこのジアミンから得られる特定のポリイミドを液晶配向膜として用いることで、液晶に対するチルト角付与と高い配向の均一性を実現することが大きな目的である。
【0021】そのためには一般式[1]におけるQは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくはフルオロアルキル基であり、これはチルト角の大きさを制御する上で必須であり、これらは連結部Pを介してポリイミド主鎖に連結される。またXはp-アミノフェニル基を連結するために必須である。またRはテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体との重合反応性を考慮した場合、アミノ基の求核性を損なわない範囲内でポリイミドの表面特性を制御する上で必要である。
【0022】一般式[1]
【0023】
【化8】

【0024】(式中、XおよびPはおのおの独立に単結合または−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−より選ばれる2価の有機基であり、Qは炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基を表し、aは1〜4の整数で置換基の数を表し、Rはフッ素、メチル基及びトリフルオロメチル基より選ばれる置換基であり、bは0〜4の整数で置換基の数を表す。)で表されるジアミノベンゼン誘導体は、特定の構造を有するジアミンであって、下記の二つのアミン部と【0025】
【化9】

【0026】(式中、R及びbは式[1]と同じである。)
連結部Xを介して、下記のアルキルもしくは含フッ素アルキルベンゼン部から構成される。
【0027】
【化10】

【0028】(式中、P、Q及びaは式[1]と同じである。)
その合成方法は特に限定されるものではない。たとえば以下の方法により合成することができる。
【0029】すなわちジアミンの合成においては対応する一般式[3]で示す【0030】
【化11】

【0031】(式中、X、P、Q、a及びbは式[1]と同じである。)
ジニトロ体を合成し、更に、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することが一般的である。
【0032】尚、a及びbは、各々独立に置換基の数を表し、aは1〜4の整数より選ばれるが、表面特性とのかねあいから1或いは2が望ましく、bは同様に0〜2の整数より選ばれる。
【0033】連結部XおよびPはおのおの独立に、単結合、エーテル結合−O−、エステル結合−COO−、逆エステル結合−OCO−、アミド結合−CONH−、逆アミド結合−NHCO−などの結合基であり、重合反応性の観点からエーテル結合、エステル結合、アミド結合が特に好ましい。これらの結合基は通常の有機合成的手法で形成させることができる。例えば、エーテル結合では対応するハロゲン誘導体と水酸基置換誘導体をアルカリ存在下で反応させたり、アミド結合では対応する酸クロリドとアミノ基置換誘導体をアルカリ存在下で反応させたりする方法が一般的である。また単結合では種々の方法があるが、グリニャ反応、芳香環のフリーデルークラフツアシル化法、キシュナー還元法さらにクロスカップリング法などの一般的有機合成手法を用いることで適宜連結することが可能である。
【0034】ジニトロ部形成のための原料の具体例としては、結合部Xの形成のための置換基は例えばハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン化アシル基、カルボニル基で2置換された置換基Qおよび連結基Pを含むベンゼンであり、これらを置換されたp-ニトロベンゼン誘導体で連結することにより所望の目的とするジニトロ化合物にできる。
【0035】2置換されたベンゼン誘導体の具体例は、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、3,5-ジヒドロキシ安息香酸クロリド、3,5-ジカルボキシフェノール、3,5-ジアミノ安息香酸、3,5-ジアミノフェノールなどがある。またp-ニトロベンゼン誘導体としてはp-ニトロフルオロベンゼン、p-ニトロクロロベンゼン、p-ニトロブロモベンゼン、p-ニトロヨードベンゼン、p-ニトロフェノール、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸クロリド、2-メチル-4-ニトロフェノール、2-トリフルオロメチル-4-ニトロフェノール、2-メチル-4-ニトロ安息香酸、2-メチル-4-ニトロ安息香酸クロリド、2-トリフルオロメチル-4-ニトロ安息香酸、2-トリフルオロメチル-4-ニトロ安息香酸クロリド、アセトアニリドなどがある。原料の入手性、反応性の点からこれらの組み合わせは目的に応じ適宜選択される。なおここに示したものはほんの一例であることは言うまでもない。
【0036】一般式[1]における鎖状置換基Qは、炭素数1〜22の直鎖状アルキル基もしくは直鎖状フッ素含有アルキル基である。炭素数としては対応するポリイミドを配向膜として用いた場合に目的とするチルト角を得るために適宜選択することができる。
【0037】以上述べたような製造方法により得られる前記一般式[1]で表される本発明のジアミノベンゼン誘導体は、テトラカルボン酸2無水物、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸などのテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体との重縮合をおこなうことにより、側鎖に特定の構造を有するポリイミドを合成することができる。
【0038】本発明のポリイミドを得る方法は特に限定されない。具体的にはテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体の中から選ばれる少なくとも1種の化合物と前記ジアミンを反応、重合させてポリイミド前駆体とし、閉環イミド化して得ることができる。
【0039】本発明のポリイミドを得るために使用されるテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体は特に限定されない。
【0040】その具体例を挙げると、ピロメリット酸2無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸2無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸2無水物、1,2,5,6-アントラセンテトラカルボン酸2無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、2,3,3',4-ビフェニルテトラカルボン酸2無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル2無水物、3,3'4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン2無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン2無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン2無水物、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-22-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン2無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン2無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン2無水物、2,3,4,5-ピリジンテトラカルボン酸2無水物、2,6-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ピリジン2無水物などの芳香族テトラカルボン酸2無水物及びこれらのテトラカルボン酸並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸2無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸2無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸2無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸2無水物などの脂環式テトラカルボン酸2無水物及びこれらのテトラカルボン酸並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸2無水物などの脂肪族テトラカルボン酸2無水物及びこれらのテトラカルボン酸並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0041】特に液晶配向膜用途としては、塗膜の透明性の点から脂環式テトラカルボン酸2無水物及びこれらのテトラカルボン酸並びにこれらのジカルボン酸ジ酸ハロゲン化物が好ましく、特に、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸2無水物、ビシクロ[3,3,0]−オクタン−テトラカルンボン酸2無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2:3,5:62無水物が好ましい。又、これらのテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体の1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
【0042】本発明は、テトラカルボン酸2無水物及びその誘導体と一般式[1]で表されるジアミノベンゼン誘導体(以下、ジアミン[1]と略す)とそれ以外の一般のジアミン(以下、一般ジアミンと略す)を共重合することもできる。
【0043】この際用いられる一般ジアミンは、一般にポリイミド合成に使用される1級ジアミンであって、特に限定されるものではない。敢えてその具体例を挙げれば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエ−テル、2,2'-ジアミノジフェニルプロパン、ビス(3,5-ジエチル4-アミノフェニル)メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノナフタレン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェニル)ベンゼン、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等の芳香族ジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン及びテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、更には、【0044】
【化12】

【0045】(式中、mは1から10の整数を表す)等のジアミノシロキサン等が挙げられる。又、これらのジアミンの1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
【0046】本発明のポリイミドを重合する際に、使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合を調節することにより、撥水性などのポリイミドの表面特性を改質でき、更に液晶配向膜として用いる場合には、液晶との濡れ性、更には、液晶のチルト角を高めることが可能である。この際使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合は少なくとも1モル%である。
【0047】また液晶配向膜として用いる場合、実使用上適切な重合度のポリイミドを得易いこと、或いは一般的な液晶表示方式(例えばツイステッドネマティック方式等)において必要とされるチルト角としては数度〜10数度程度が多用されること、などの点から、使用するジアミンの総モル数に対するジアミン[1]のモル数の割合はQのアルキル数にもよるが、1モル%〜100モル%範囲とするのが一般的である。また垂直配向方式の場合は該ジアミン[1]のモル数の割合は40モル%〜100モル%とするのが一般的である。
【0048】テトラカルボン酸2無水物及びその誘導体と上記ジアミンとを反応、重合させポリイミド前駆体とした後、これを閉環イミド化するが、この際用いるテトラカルボン酸2無水物及びその誘導体としてはテトラカルボン酸2無水物をもちいるのが一般的である。テトラカルボン酸2無水物のモル数とジアミン[1]と一般ジアミンの総モル数との比は0.8から1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。
【0049】重合度が小さすぎるとポリイミド膜の強度が不十分となる。又、重合度が大きすぎるとポリイミド膜形成時の作業性が悪くなる場合がある。従って、本反応における生成物の重合度は、ポリイミド前駆体溶液の還元粘度換算で0.05〜5.0dl/g(温度30℃のN-メチルピロリドン中、濃度0.5g/dl)とするのが好ましい。
【0050】テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンとを反応、重合させる方法は、特に限定されるものではなく、一般にはN-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒中に上記ジアミンを溶解し、その溶液中にテトラカルボン酸2無水物を添加、反応させてポリイミド前駆体を合成した後、脱水閉環イミド化する方法がとられる。
【0051】テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンとを反応させポリイミド前駆体とする際の反応温度は−20から150℃、好ましくは−5から100℃の任意の温度を選択することができる。更に、このポリイミド前駆体を100〜400℃で加熱脱水するか、又は通常用いられているピリジン/無水酢酸などのイミド化触媒を用いて化学的イミド化を行うことによりポリイミドとすることができる。この場合、反応条件によりイミド化率は0〜100%の間任意に制御できるが、配向膜として用いる場合、イミド化率は60〜100%が好ましい。
【0052】本発明のポリイミドを電気・電子素子の絶縁膜、保護膜更には液晶表示素子の配向膜として使用するに際しては、基板上に均一膜厚のポリイミド塗膜を形成する必要がある。
【0053】このポリイミド塗膜を形成するには、通常はポリイミド前駆体溶液をそのまま基板に塗布し、基板上で加熱イミド化してポリイミド塗膜を形成することができる。この際用いるポリイミド前駆体溶液は、上記重合溶液をそのまま用いてもよく、又、生成したポリイミド前駆体を大過剰の水、メタノールのごとき貧溶媒中に投入し、沈殿回収した後、溶媒に再溶解して用いてもよい。上記ポリイミド前駆体溶液の希釈溶媒及び/又は沈殿回収したポリイミド前駆体の再溶解溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解するものであれば特に限定されない。
【0054】それらの溶媒の具体例としては、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらは単独でも混合して使用してもよい。更に、単独で均一溶液が得られない溶媒であっても、均一溶液が得られる範囲でその溶媒を加えて使用してもよい。その例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール等が挙げられる。更に、ポリイミド膜と基板の密着性を向上させる目的で、得られたポリイミド前駆体溶液にカップリング剤等の添加剤を加えることはもちろん好ましい。
【0055】又、基板上で加熱イミド化させる温度は100〜400℃の任意の温度を採用できるが、特に150〜350℃の範囲が好ましい。
【0056】一方、本発明のポリイミドが溶媒に溶解する場合には、テトラカルボン酸2無水物と上記ジアミンを反応して得られたポリイミド前駆体を溶液中でイミド化し、ポリイミド溶液とすることができる。溶液中でポリイミド前駆体をポリイミドに転化する場合には、通常は加熱により脱水閉環させる方法が採用される。この加熱脱水による閉環温度は、150〜350℃、好ましくは120〜250℃の任意の温度を選択できる。
【0057】又、ポリイミド前駆体をポリイミドに転化する他の方法としては、公知の脱水閉環触媒を使用して化学的に閉環することもできる。
【0058】この様にして得られたポリイミド溶液はそのまま使用することもでき、又メタノール、エタノール等の貧溶媒に沈殿させ単離した後、適当な溶媒に再溶解させて使用することもできる。再溶解させる溶媒は、得られたポリイミドを溶解させるものであれば特に限定されないが、その例としては2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【0059】その他、単独ではこのポリイミドを溶解させない溶媒であっても、溶解性を損なわない範囲内であれば上記溶媒に加えても構わない。その例としては、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール等が挙げられる。
【0060】又、ポリイミド膜と基板の密着性を更に向上させる目的で、得られたポリイミド溶液にカップリング剤等の添加剤を加えることはもちろん好ましい。
【0061】この溶液を基板に塗布し、溶媒を蒸発させることにより基板上にポリイミド被膜を形成させることができる。この際の温度は溶媒が蒸発すれば充分であり、通常は80から150℃で充分である。
【0062】更に、液晶配向膜として用いる場合には、透明電極の付いたガラス又はプラスチックフィルム等の透明基板上に膜厚100から3000オングストロームのポリイミド膜を形成し、次いでポリイミド膜をラビング処理することにより液晶配向膜とすることができる。
【0063】以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【0064】
【実施例】(ジアミンの合成)
実施例1(n-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト)(4)の合成【0065】
【化13】

【0066】500mlフラスコに1-ドデカノール(65.01g,348.9mmol)、トリエチルアミン(44.00g,435.0mmol)、テトラヒドロフラン(410ml)を加え均一溶液とした後、3,5-ジニトロ塩化ベンゾイル(80.16g,347.7mmol)のTHF溶液(80ml)を滴下した。その後、2.5時間還流攪拌した。反応溶液を水にあけ、析出した固体を濾別後、アセトニトリルで再結晶したところ、無色結晶が得られた(121.12g,収率:82%)。IR、NMRスペクトルにより、この結晶はn-ドデシル-3,5-ジニトロベンゾエイト(1)であることが確認された。融点64℃。
【0067】n-ドデシル-3,5-ジニトロベンゾエイト(1)(25.13g,59.2mmol)にジオキサン(250ml)を加え、この溶液に窒素雰囲気下、Pd−C(1.51g)を加えた後、水素雰囲気で7時間攪拌した。Pd−Cを濾過後、濾液を水にあけ、析出した結晶を濾過した。乾燥後、n-ヘキサンで再結晶を行い、薄黄色結晶(18.46g,収率:79%)を得た。IR、NMRスペクトルにより、この結晶はn-ドデシル-3,5-ジアミノベンゾエイト(2)であった。融点64℃。
【0068】200mlフラスコにn-ドデシル-3,5-ジアミノベンゾエイト(2)(8.01g,20.3mmol)、トリエチルアミン(4.57g,45.2mmol)、テトラヒドロフラン(100ml)を加え均一溶液とした後、4-ニトロ塩化ベンゾイル(7.93g,42.8mmol)のTHF溶液(50ml)を滴下した。その後、6時間還流攪拌した。反応溶液を水にあけ、析出した固体を濾別後、アセトニトリルで再結晶したところ、薄黄色結晶が得られた(10.15g,収率:81%)。IR、NMRスペクトルにより、この結晶はn-ドデシル[3,5-ビス(4-ニトロベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(3)であることが確認された。融点189℃。
【0069】n-ドデシル[3,5-ビス(4-ニトロベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(3)(7.99g,12.9mmol)にジオキサン(160ml)を加え、この溶液に窒素雰囲気下、Pd−C(0.87g)を加えた後、水素雰囲気で4時間攪拌した。Pd−Cを濾過後、濾液を水にあけ、析出した結晶を濾過した。乾燥後、THF−n-ヘキサンで再結晶を行い、薄黄色結晶(4.25g,収率:65%)を得た。IR、NMRスペクトルにより、この結晶は目的とするn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(4)(融点186℃)であることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0070】1H-NMR(d-DMSO,δppm):9.9(2H,s),8.6(1H,s),8.1(2H,s),7.8(4H,d),6.6(4H,d),5.8(4H,s),4.3(2H,t),1.7(2H,m),1.2-1.4(18H,broad),0.8(3H,t).IR(KBr,cm-1):3445,3387,3351(NH2),3304,3200(NH),2955,2922,2853(CH2),1710(COO),1640,1608(CONH).【0071】実施例2(n-ヘキシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイトの合成)
【0072】
【化14】

【0073】3,5-ジニトロ塩化ベンゾイル(74.3g,322.5mmol)とヘキシルアルコール(33.0g,323.6mmol)を用い、実施例1と同様にしてn-ヘキシル-3,5-ジニトロベンゾエイトを得た(81.1g,収率:85%)。
【0074】得られたジニトロ化合物(33.4g,112.8mmol)を用いて実施例1と同様に還元し、再結晶してn-ヘキシル-3,5-ジアミノベンゾエイトが得られた(25.6g,収率:96%)。
【0075】n-ヘキシル-3,5-ジアミノベンゾエイト(24.0g,101.7mmol)と4-ニトロ塩化ベンゾイル(39.7g,214.4mmol)を用い、実施例1と同様にしてn-ヘキシル[3,5-ビス(4-ニトロベンゾイルアミノ)]ベンゾエイトを与えた(44.5g,収率:82%)。
【0076】最後に、このジニトロ化合物(20.4g,38.2mmol)を実施例1と同様に還元し、再結晶してn-ヘキシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)](5)が得られた(14.8g,収率:82%)。融点208℃。分析結果を以下に示す。
【0077】Mass(m/e):474(M+).1H-NMR(d-DMSO,δppm):9.9(2H,s),8.6(1H,s),8.1(2H,s),7.8(4H,d),6.6(4H,d),5.8(4H,s),4.3(2H,t),1.7(2H,m),1.2-1.4(6H,broad),0.9(3H,t).IR(KBr,cm-1):3445,3339,3351(NH2),3304,3204(NH),2955,2931(CH2),1694(COO),1645,1605(CONH).【0078】実施例3(n-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(6)の合成)
【0079】
【化15】

【0080】3,5-ジニトロ塩化ベンゾイル(60.6g,263.0mmol)とヘキサデシルアルコール(63.9g,263.9mmol)を用い、実施例1と同様にしてn-ヘキサデシル-3,5-ジニトロベンゾエイトを得た(103.2g,収率:90%)。
【0081】得られたジニトロ化合物(40.68g,93.3mmol)を用いて実施例1と同様に還元し、再結晶してn-ヘキサデシル-3,5-ジアミノベンゾエイトが得られた(35.0g,収率:100%)。
【0082】ジアミン化合物(16.7g,44.4mmol)と4-ニトロ塩化ベンゾイル(17.3g,93.6mmol)を用い、実施例1と同様にしてn-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-ニトロベンゾイルアミノ)]ベンゾエイトを与えた(25.4g,収率:85%)。
【0083】最後に、このジニトロ化合物(13.4g,19.9mmol)を実施例1と同様に還元し、再結晶してn-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)](6)が得られた(12.0g,収率:98%)。融点139℃。分析結果を以下に示す。
【0084】Mass(m/e):614(M+).1H-NMR(d-DMSO,δppm):10.0(2H,s),8.6(1H,s),8.1(2H,s),7.8(4H,d),6.6(4H,d),5.8(4H,s),4.3(2H,t),1.7(2H,m),1.2-1.4(26H,broad),0.8(3H,t).IR(KBr,cm-1):3388,3346(NH2),3304,3204(NH),2952,2917,2834(CH2),1708(COO),1645,1609(CONH).【0085】実施例4(n-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)]ベンゾエイト)(10)の合成)
【0086】
【化16】

【0087】500mlフラスコに、常法により得られた3,5-ジヒドロキシメチルベンゾエイト(40.0g,238.1mmol)、4-フッ化ニトロベンゼン(67.1g,475.8mmol)、炭酸カリウム(65.4g)、ジメチルアセトアミド(350ml)を加え、90℃で9時間攪拌を行った。反応溶液を濾過し、濾液を一昼夜放置した。析出した固体を濾別し、酢酸エチルで再結晶をしたところ、無色固体の3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)メチルベンゾエイト(7)を得た(78.5g,収率:80%)。融点183℃。
【0088】1lフラスコに、先のジニトロ体(70.0g,170.7mmol)、硫酸(17.5g)、酢酸(600ml)を入れ、8時間還流攪拌を行った。反応溶液を一昼夜放置し、析出した固体を濾別した。酢酸で再結晶を行い、無色結晶の3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)ベンゾエイト(8)を得た(59.3g,収率:87%)。融点230℃。
【0089】500mlフラスコに、3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)ベンゾエイト(8)(45.0g,114.0mmol、塩化チオニル(250ml)を入れ、3時間還流攪拌した。反応終了後、蒸留により過剰の塩化チオニルを除き、残査にTHF(400ml)を加えた。このTHF溶液を、n-ドデシルアルコール(23.5g,126.3mmol)、トリエチルアミン(12.7g,125.7mmol)のTHF溶液(100ml)に、80℃において滴下した。滴下終了後、15時間還流攪拌行った。溶媒を濃縮し、水(1500ml)にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、1N水酸化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。さらに溶媒を減圧留去し、残査をアセトニトリルで再結晶し、n-ドデシル[3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)]ベンゾエイト)(9)を得た(47.6g,収率:74%)。融点64℃。
【0090】n-ドデシル[3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)]ベンゾエイト)(9)(15.7g,27.8mmol)にジオキサン(300ml)を加え、この溶液に窒素雰囲気下、Pd−C(1.7g)を加えた後、水素雰囲気で6時間攪拌した。Pd−Cを濾過後、濾液を水にあけ、析出した結晶を濾過した。乾燥後、アセトニトリルで再結晶を行い、薄黄色結晶を得た(9.00g,収率:64%)。融点49℃。IR、NMR、Massスペクトルにより、この結晶は目的とするn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(10)であることが確認された。分析結果を以下に示す。
【0091】Mass(m/e):504(M+).1H-NMR(d-DMSO,δppm):7.2(2H,s),6.9(4H,d),6.7(1H,s),6.6(4H,d),4.2(2H,t),3.8(4H,s),1.6(2H,m),1.1-1.3(18H,broad),0.9(3H,t).IR(KBr,cm-1):3459,3374(NH2),3304,3200(NH),2959,2917,2847(CH2),1708(COO),1216(ArO).【0092】実施例5(n-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト(11)の合成)
【0093】
【化17】

【0094】実施例4で得られた3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)ベンゾエイト(8)(25.6g,64.6mmol)、n-ヘキサデシルアルコール(17.3g,71.5mmol)を用いて実施例4と同様にしてn-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-ニトロフェノキシ)]ベンゾエイトが得られた(32.4g,収率:81%)。
【0095】最後に、このジニトロ化合物(16.4g,26.5mmol)を実施例4と同様に還元し、再結晶してn-ヘキサデシル[3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)]ベンゾエイト(11)が得られた(13.5g,収率:91%)。融点54℃。分析結果を以下に示す。
【0096】Mass(m/e):560(M+).1H-NMR(d-DMSO,δppm):7.2(2H,s),6.8(4H,d),6.6(1H,s),6.5(4H,d),4.2(2H,t),3.8(4H,s),1.6(2H,m),1.1-1.4(26H,broad),0.9(3H,t).IR(KBr,cm-1):3460,3376(NH2),3302,3200(NH),2960,2917,2847(CH2),1708(COO),1216(ArO).【0097】(ポリイミドの製造)
実施例6実施例1で得られたn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト5g(10.5mmol)と1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物2.1g(10.5g)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で8時間攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。
【0098】得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.80dl/g(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)であった。
【0099】この溶液を180℃、1時間熱処理して均一なポリイミド塗膜を形成させた。得られた塗膜のIR測定を行い、ドデシル基を有するポリイミドであることを確認した。
【0100】実施例7実施例1で得られたn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト5g(10.5mmol)とビシクロ[3,3,0]−オクタン−テトラカルンボン酸2無水物2.6g(10.5mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で8時間攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.70dl/g(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)であった。
【0101】この溶液にイミド化触媒として無水酢酸およびピリジンを加え、60℃で1時間反応させて可溶性ポリイミド樹脂溶液を得た。この溶液を500gのメタノールに投入し、得られた沈殿をろ過し、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。
【0102】このポリイミド樹脂粉末はNMRより70%イミド化されていることが確認された。また得られた塗膜のIR測定を行い、ドデシル基を有するポリイミドであることを確認した。
【0103】実施例8実施例1で得られたn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト5g(10.5mmol)と3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸2無水物2.9(10.5mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で8時間攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.75dl/g(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)であった。
【0104】この溶液にイミド化触媒として無水酢酸およびピリジンを加え、60℃で1時間反応させて可溶性ポリイミド樹脂溶液を得た。この溶液を500gのメタノールに投入し、得られた沈殿をろ過し、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。
【0105】このポリイミド樹脂粉末はNMRより90%イミド化されていることが確認された。また、得られた塗膜のIR測定を行い、ドデシル基を有するポリイミドであることを確認した。
【0106】実施例9実施例1で得られたn-ドデシル[3,5-ビス(4-アミノベンゾイルアミノ)]ベンゾエイト5g(10.5mmol)と3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2:3,5:62無水物2.6g(10.5mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で8時間攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.55dl/g(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)であった。
【0107】この溶液にイミド化触媒として無水酢酸およびピリジンを加え、60℃で1時間反応させて可溶性ポリイミド樹脂溶液を得た。この溶液を500gのメタノールに投入し、得られた沈殿をろ過し、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。
【0108】このポリイミド樹脂粉末はNMRより90%イミド化されていることが確認された。また得られた塗膜のIR測定を行い、ドデシル基を有するポリイミドであることを確認した。
【0109】実施例10〜20実施例2〜5で合成したジアミンを用い、実施例6〜9に用いたテトラカルボン酸2無水物を用い、それぞれの実施例に準じてポリイミドを合成し、実施例6に準じIR測定を行い、目的とするポリイミドであることを確認した。以下の表1にポリイミドの前駆体溶液の還元粘度(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)を記載する。
【0110】
【表1】
表1───────────────────────────実施例 ジアミン テトラカルホ゛ン酸2無水物 還元粘度(dl/g)
─────────────────────────── 10 実施例2 実施例6 1.05 11 実施例2 実施例7 0.82 12 実施例2 実施例8 0.77 13 実施例2 実施例9 0.60 14 実施例3 実施例6 0.74 15 実施例3 実施例7 0.75 16 実施例3 実施例8 0.65 17 実施例3 実施例9 0.53 18 実施例4 実施例6 1.14 19 実施例4 実施例7 0.96 20 実施例4 実施例8 0.88 21 実施例4 実施例9 0.67 22 実施例5 実施例6 1.03 23 実施例5 実施例7 0.89 24 実施例5 実施例8 0.83 25 実施例5 実施例9 0.60──────────────────────────【0111】比較例1ジアミンとしてヘキサデシルオキシ-2,4-ジアミノベンゼンを用い5g(14.3mmol)と1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸2無水物2.8g(14.3mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で8時間攪拌し重縮合反応を行い、ポリイミド前駆体溶液を調製した。得られたポリイミド前駆体の還元粘度は0.35dl/g(濃度0.5g/dl、N-メチルピロリドン中、30℃)と低いものであった。
【0112】比較例2ジアミンとしてヘキサデシルオキシ-2,4-ジアミノベンゼンを用い5g(14.3mmol)とビシクロ[3,3,0]−オクタン−テトラカルンボン酸2無水物3.6g(14.3mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で4時間攪拌し重縮合反応を行ったが、重合はほとんど進行せずオリゴマーが生成するのみであった。また加熱を行ったが改善効果は見られなかった。
【0113】比較例3ジアミンとしてヘキサデシルオキシ-2,4-ジアミノベンゼンを用い5g(14.3mmol)と3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸2無水物4.3g(14.3mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で4時間攪拌し重縮合反応を行ったが、重合はほとんど進行せずオリゴマーが生成するのみであった。また加熱を行ったが改善効果は見られなかった。
【0114】比較例4ジアミンとしてヘキサデシルオキシ-2,4-ジアミノベンゼンを用い5g(14.3mmol)と3,5,6-トリカルボキシノルボルナン-2:3,5:62無水物3.6g(14.3mmol)をN-メチルピロリドン40gに溶解して、20℃で4時間攪拌し重縮合反応を行ったが、重合はほとんど進行せずオリゴマーが生成するのみであった。また加熱を行ったが改善効果は見られなかった。
【0115】(液晶配向膜の製造)
実施例26〜45次に実施例6から25で得られたポリイミド前駆体もしくはポリイミド溶液をガラス基板上にコートし、180℃で熱処理してポリイミド塗膜を形成させ、以下に示す方法により液晶配向膜とした際の液晶の配向均一性およびチルト角を測定した。
【0116】チルト角の評価:実施例6〜21及び比較例1で得たのポリイミド前駆体もしくはポリイミド溶液をN-メチルピロリドンもしくはγ−ブチロラクトンで希釈し、樹脂濃度5%の溶液とし、透明電極付きガラス基板に3500回転/分でスピンコートし、80℃で10分、250℃で1時間加熱処理して均一なポリイミド塗膜を形成させた。この塗膜を布でラビング後、23μmのスペーサーを挟んでラビング方向を平行にして組立て、液晶(メルク社製:ZLI−2003)を注入してホメオトロピックもしくはホモジニアス配向したセルを作成した。
【0117】このセルについて、120℃1時間熱処理後、偏光顕微鏡下液晶配向の均一性を確認し、結晶回転法もしくは磁場容量法でチルト角を測定した。結果を表2に示す。
【0118】
【表2】
表2──────────────────────────実施例 ポリイミド ジアミン チルト角 配向均一性 (実施例) (実施例) (゜)
──────────────────────────26 6* 1 90 均一27 7 1 90 均一28 8 1 90 均一29 9 1 90 均一30 10* 2 6 均一31 11 2 2 均一32 12 2 3 均一33 13 2 3 均一34 14* 3 90 均一35 15 3 90 均一36 16 3 90 均一37 17 3 90 均一38 18* 4 90 均一39 19 4 90 均一40 20 4 90 均一41 21 4 90 均一42 22* 5 90 均一43 23 5 90 均一44 24 5 90 均一45 25 5 90 均一比較例 1 1 90 不均一──────────────────────────* ポリイミド前駆体溶液を用いた。
【0119】
【発明の効果】本発明のジアミノベンゼン誘導体は合成が容易であり、酸2無水物の構造によらず、すみやかに重合する高い反応性を有するため、対応する高分子量のポリイミドが容易に得られる。さらには液晶表示素子の配向膜用のポリイミドの場合には、液晶を均一に配向させ、所望のチルト角が容易に得れれる。




 

 


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