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発明の名称 5−ヒドロキシイソフタル酸の製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64230(P2001−64230A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−236638
出願日 平成11年8月24日(1999.8.24)
代理人
発明者 永井 雅規 / 鈴木 秀雄 / 大國 洋子 / 河村 保夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一般式(1)
【化1】

(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子もしくは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される5−ハロゲノイソフタル酸誘導体をアルカリ性水溶液で加水分解することを特徴とする5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項2】 一般式(1)
【化2】

(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子もしくは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表わす。)で表される5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を、銅以外の金属存在下、アルカリ性水溶液で加水分解することを特徴とする5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項3】 金属が周期律表第1B族の銀、金、第2B族の亜鉛、カドミウム、第3A族のアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、第4A族のゲルマニウム、錫、鉛、第4B族のチタン、ジルコニウム、ハフニウム、第5A族のアンチモン、ビスマス及び第6A族のセレンであることを特徴とする請求項2記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項4】 金属が亜鉛、カドミウム、銀、金であることを特徴とする請求項2又は3記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項5】 アルカリが、周期律表第1A族及び第2A族の金属及び、又は金属化合物であることを特徴とする請求項1乃至4記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項6】 アルカリがリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム金属及び、又は、それらの化合物であることを特徴とする請求項1乃至記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項7】 触媒金属が担体に担持した担持金属触媒であることを特徴とする請求項2乃至4記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
【請求項8】 反応温度が100〜300℃であることを特徴とする請求項1乃至7記載の5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1)
【0002】
【化3】

【0003】(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子もしくは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を加水分解する、5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法に関する。5−ヒドロキシイソフタル酸は、ポリエステル、ポリウレタン及びポリアミド等に代表される各種ポリマ−の改質剤や種々の機能性化学品の重要な中間体である。
【0004】
【従来の技術】従来の5−ヒドロキシイソフタル酸を製造する方法としては、(a)5−スルホイソフタル酸誘導体を300℃以上の高温でアルカリ溶融させる方法(特開昭51−108030号公報)が知られていた。この製法は、アルカリ性条件下での高温反応であるため特殊製造設備を要するという問題を抱えていた。又、(b)3,5−ジメチルフェノ−ルを無水酢酸と酢酸を溶媒として、コバルト、マンガン、亜鉛触媒の存在下酸化させて、5−アセチルオキシイソフタル酸を得た後、酢酸水溶液でアセチル基を加水分解して5−ヒドロキシイソフタル酸を得ている。この方法では、ヒドロキシル基の保護のため工業的に高価な無水酢酸を消費することから経済的な方法ではなく、収率面でも2工程を要することから必ずしも高くない。又、各種金属触媒の処理の問題も抱えていた。更に(c)5−ブロモイソフタル酸を酸化銅触媒下、140℃で加水分解する方法(米国特許5,703,274号)が知られている。しかし銅は製品中への混入によるポリマ−化の際の問題と、同時に廃液処理が複雑でありコスト高になり工業的には実施し難い課題を抱えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、銅触媒を用いずに高収率に5−ヒドロキシイソフタル酸の製造法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は5−ヒドロキシイソフタル酸の製造法について鋭意検討を重ねた結果、相当する5−クロロ、または5−ブロモイソフタル酸誘導体から、無触媒系で、また銅以外の触媒の存在下、工業的に有利に製造できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、一般式(1)
【0007】
【化4】

【0008】(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子もしくは、C1〜C6アルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表す。)で表わされる5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を、アルカリ加水分解することによる5−ヒドロキシイソフタル酸の製造法に関するものである。従来、5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を無触媒下アルカリ加水分解した例はない。また、前記一般式(1)で表される5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を、銅以外の金属存在下、アルカリ性水溶液で加水分解することを特徴とする5−ヒドロキシイソフタル酸の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。原料の5−ハロゲノイソフタル酸ジアルキルは一般式(1)
【0010】
【化5】

【0011】(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子もしくは、C1〜C6アルキル基を表わし、Xはハロゲン原子を表す。)で表され、R1及びR2は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、3,3−ジメチルブチル基等であり、XはF、Cl、Br及びIを表す。
【0012】具体的には、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−ヨ−ドイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸ジメチル、5−クロロイソフタル酸ジメチル、5−ブロモイソフタル酸ジメチル、5−ヨ−ドイソフタル酸ジメチル、5−フルオロイソフタル酸ジエチル、5−クロロイソフタル酸ジエチル、5−ブロモイソフタル酸ジエチル、5−ヨードイソフタル酸ジエチル、5−クロロイソフタル酸メチルエチル、5−ブロモイソフタル酸メチルエチル、5−クロロイソフタル酸ジn−プロピル、5−ブロモイソフタル酸ジn−プロピル、5−クロロイソフタル酸ジi−プロピル、5−ブロモイソフタル酸ジi−プロピル、5−クロロイソフタル酸ジn−ブチル、5−ブロモイソフタル酸ジn−ブチル、5−クロロイソフタル酸ジ1−ペンチル、5−ブロモイソフタル酸ジ1−ヘキシル、5−クロロイソフタル酸ジ1−ペンチル及び5−ブロモイソフタル酸ジ1−ヘキシル等が挙げられる。これらの中で工業的な原料の入手し易さから5−ハロイソフタル酸類及び5−ハロイソフタル酸ジメチル類が好ましい。中でも、5−クロロイソフタル酸及び5−ブロモイソフタル酸は経済的に製造できる点から本反応の原料としてふさわしい。
【0013】次に、本発明者等は、本反応が無触媒下アルカリの存在のみで可能なことを見出した。従来、5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を無触媒下加水分解した例はない。本発明で使用できるアルカリの種類としては、周期律表第1A族のアルカリ金属及びそれらの化合物や周期律表第2A族のアルカリ土類金属及びそれらの化合物が挙げられる。即ち、金属として、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr及びBa等であり、化合物としては、水酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩、酸化物、イオン交換樹脂及びイオン交換ゼオライト等である。具体的な例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酸化リチウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、アンバーライト(Amberlite) IPA−400、IPA−410(商品名)、レバタイト(Lewatit) M500(商品名)、ダウエックス(Dowex) 1(商品名)、ダウエックス2(商品名)、パームチット(Permutit) S−1、S−2(商品名)、ダイヤイオン(Diaion) SA100、SA200(商品名)等が挙げられ、特には、安価で塩基性の高い水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。
【0014】アルカリの使用量は、基質に対して1〜50モル当量の範囲で実施でき、多い方が反応促進させるが、経済的観点から1〜10モル当量間で行なうのが好ましい。アルカリは、水溶液として反応させることが好ましく、その濃度は特に制限ないが、通常1〜50重量%で使用され、特には10〜40重量%間で行なうのが好ましい。
【0015】本反応は、加熱して行なう必要があり、反応温度は通常150〜300℃間で行うことができ、特には、150〜280℃の範囲が好ましい。従来技術では、酸化銅の存在下140℃で行っているが、本発明者等は、150℃以上の領域で実施すれば無触媒下でも5−ヒドロキシイソフタル酸が製造できることを見いだした。反応時間は、基質の種類、アルカリ量や反応温度等によって変わるが、通常1〜50時間で実施され、ガスクロマトグラフィ−や液体クロマトグラフィ−の反応追跡により反応の終点を決定することができる。以下の様に本発明では、アルカリ種、アルカリ濃度、アルカリ量、反応温度及び反応時間の最適範囲の選定により、無触媒下でも目的の5−ヒドロキシイソフタル酸を製造できる反応条件を見いだした。
【0016】前述の、従来技術である銅触媒の添加がない反応系で目的物が得られたことは、製品5−ヒドロキシイソフタル酸中の銅除去のための精製工程の削除と、廃水問題の解決が実現した点で工業上極めて大きなコストダウンと同時に、実用的に採用できる製造法となった。
【0017】更に、本発明者等は、銅以外の反応促進効果のある金属をスクリ−ニングした結果、次の金属群が触媒効果があることを見いだした。即ち、周期律表第1B族銀、金、第2B族 亜鉛、カドミウム、第3A族 アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、第4A族 ゲルマニウム、錫、鉛、第4B族 チタン、ジルコニウム、第5A族 アンチモン、ビスマス、及び第6A族 セレン等であった。これらの中で効果の大きいものは、亜鉛、カドミウム、銀、マンガン、タングステン、アルミニウム、鉛等であり、特に亜鉛が優れていた。触媒の形態としては、例えば金属単身、酸化物、無機酸塩、有機酸塩、錯体、及びそれらの担体付触媒が使用できる。具体的には、Zn粉末、Zn(OAc)2・2H2O、ZnSO4・7H2O、ZnO/ケイソウ土、(CH3COCH2COCH2)2Zn、CdSO4、Ag2SO4、Al(OH)3、Mn(OAc)2・2H2O及び(NH4)6H2W12O40、Ni、Pd/Al2O3が挙げられる。
【0018】触媒の使用量は、基質に対し0.1〜20(原子)モル%であり、経済的には、0.2〜5(原子)モル%である。担体付金属触媒は反応後濾別し再使用することができる。触媒の添加によりアルカリ量を減少させることができる。無触媒下では、原料の5−ハロゲノイソフタル酸誘導体を100%転化させるためには、10当量前後のアルカリ量が必要であるが、触媒使用により4〜6当量のアルカリで反応を完結させることができる。又、反応温度は、触媒の存在により低下させることができる。通常、100〜300℃間で行うことができ、特には、120〜250℃間が好ましい。
【0019】更に、反応時間も触媒の添加により短縮することができる。反応条件の設定により、1〜20時間で反応を完結させることができる。また、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーで反応の終点を確認することができる。本反応は、回分式でも連続式でも実施することができる。
【0020】反応終了後、冷却してから反応溶液を酸性化し、更に濾取、水洗及び乾燥することにより目的の5−ヒドロキシイソフタル酸の結晶が単離できる。又、必要により酢酸エチル・ヘキサン等の溶媒で再結晶化させて精製することもできる。以下に実施例により更に具体的に本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0021】
【実施例】実施例1(無触媒)
100mlハステロイB製オ−トクレ−ブに5−ブロモイソフタル酸ジメチル(以下5BIと略す)5.0g(18.3mmol)、水酸化ナトリウム7.33g(183mmol)及び蒸留水20.0mlを仕込み、200℃で10時間攪拌した。反応後冷却し、内容物をビ−カ−に取り出し、濃塩酸を加えて pH2とした。生成した固体をろ過、冷却洗浄更に減圧乾燥して、白色結晶目的物を3.24g得た。この結晶は、MASS、1H−NMR及び融点から5−ヒドロキシイソフタル酸(以下5HIと略す)であることを確認した。(収率 97.3%)
【0022】実施例2〜4実施例1に於てアルカリ量、反応時間を変えた他は同様に行なった結果を表1に示す。
【0023】
【表1】

【0024】実施例5〜9実施例1に於て、触媒を添加し、アルカリ、温度及び時間等の反応条件を変えた他は、同様に操作し、得られた結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
表2 ────────────────────────────── 実施例 触 媒 NaOH 温度 時間 単離収率(%) g(mol%) g(eq.) ℃ h 5HI 5BI ────────────────────────────── 5 Zn(OAc)22H2O 0.2(5) 4.4 (6) 185 5 98.2 0.0 6 ZnSO42H2O 0.18(5) 4.4 (6) 200 5 94.5 0.0 7 Zn 0.023(2) 4.4 (6) 200 5 88.3 0.0 8 Zn 0.023(2) 3.7 (5) 180 4 82.5 14.3 9 Zn 0.023(2) 3.7 (5) 160 2 38.0 54.1 ──────────────────────────────【0026】実施例10実施例7に於て、原料を5−ブロモイソフタル酸4.5g(18.3mmol)に変えた他は、同様に反応し後処理を行った。減圧乾燥後、5−ヒドロキシイソフタル酸3.15g(収率95.4%)が得られた。
【0027】実施例11実施例7に於て、原料を5−クロロイソフタル酸3.68g(18.3mmol)に変えた他は、同様に反応し、後処理を行なった。減圧乾燥後5−ヒドロキシイソフタル酸2.11g(収率68.3%)が得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、廃液処理の問題も少なく工業的に有利に5−ヒドロキシイソフタル酸を製造することができる。




 

 


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