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発明の名称 ポリイソシアネート組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−64352(P2001−64352A)
公開日 平成13年3月13日(2001.3.13)
出願番号 特願平11−244358
出願日 平成11年8月31日(1999.8.31)
代理人 【識別番号】100108693
【弁理士】
【氏名又は名称】鳴井 義夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4J034 BA03 DA01 DB03 DF01 DF02 DF03 DG01 DG30 DH01 HA07 HA09 HA14 HC03 HC06 HC17 HC22 HC45 HC46 HC52 QB05 QC05 RA07 RA08 RA09 RA19 
4J038 DG052 DG112 DG122 DG132 DG192 DG291
発明者 渡邊 慎一郎 / 西浦 雄二
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 以下(A)、(B)の化合物を有するポリイソシアネート組成物であって、低極性有機溶剤に溶解可能であり、1分子当たりのイソシアネート基の数が2.40〜12.00であり、ポリウレタン樹脂の硬化剤として用いるポリイソシアネート組成物。
(A)モノアルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなり、アロファネート基を有する下記(1)式で表される化合物。
【化1】

(図中、R1 はモノアルコールの水酸基残基。R2 は脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネートのイソシアネート基残基)
(B)多価アルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなり、アロファネート基を有する下記(2)式で表される化合物。
【化2】

(図中、R3 は多価アルコールの水酸基残基。R2 は脂肪族、あるいは脂環式ジイソシアネートのイソシアネート基残基。nは2〜10の整数であり、多価アルコールの水酸基数に等しい)
【請求項2】 以下の(a)〜(d)の工程を含むことを特徴とする、脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートとモノアルコールと多価アルコールからなるポリイソシアネート組成物であり、低極性有機溶剤に溶解可能であり、1分子当たりのイソシアネート基の数が2.40〜12.00である、ポリウレタン樹脂の硬化剤として用いるポリイソシアネート組成物の製造方法。
(a)脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートとモノアルコールと多価アルコールを混合し、ウレタン化反応を行う。
(b)(a)行程終了後、あるいは(a)行程途中で、アロファネート化触媒を添加し、アロファネート化反応を進行させる。
(c)所望のアロファネート化反応の進行度において、触媒毒を添加し、アロファネート化反応を終了させる。
(d)未反応のジイソシアネートを除去する。
【請求項3】 請求項1のポリイソシアネート組成物、あるいは請求項2の方法で製造したポリイソシアネート組成物と、低極性有機溶剤に溶解可能である主剤ポリオールからなる塗料組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、特に建築用塗料やプラスチック用塗料、インキ、接着剤等に用いられるポリウレタン樹脂の硬化剤として有用なポリイソシアネート組成物およびその製造方法、さらにそのポリイソシアネート組成物と主剤ポリオールから成る塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDI)やイソホロンジイソシアネート(以下、IPDI)より得られるポリウレタン樹脂は、耐候性や、耐薬品性、耐摩耗性等に優れた性能を示すために、塗料、インキ及び接着剤等として広く使われている。しかし、従来のポリウレタン樹脂の硬化剤とて用いられるポリイソシアネート組成物は、極性が高いため、実際に使用する際には酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等の極性が高く、臭気が強い有機溶剤に溶解させる必要があった。そのため、臭気対策が必要な場合があり、また補修作業の場合、下地塗膜を侵すという問題点があった。
【0003】この問題を解決するため低極性有機溶剤への溶解性が優れたポリイソシアネート組成物の開発が進められてきた。特公昭62−51968号公報では、ジイソシアネートと炭素数10〜40のジオールをイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。また、特開平2−250872号公報では、ジイソシアネートと炭素数10〜50のモノアルコールをイソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。
【0004】そして、特開平4−306218号公報では、脂肪族ジイソシアネートと炭素数6〜9の脂肪族モノアルコールをウレタン化反応させた後、イソシアヌレート化触媒の存在下で反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。さらに、特開平5−222007号公報では、(シクロ)脂肪族結合したイソシアネート基を有するジイソシアネートを三量化触媒の存在下に接触三量化させ、炭素数6〜9のモノアルコールをその接触三量化反応の前、またはその間に添加し反応させて得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート組成物が提案されている。
【0005】しかしながら、特公昭62−51968号公報で提案されているポリイソシアネートは、きわめて極性が低い低極性有機溶剤への溶解性が不十分である。また、特開平2−250872号公報、特開平4−306218号公報、特開平5−222007号公報で提案されているポリイソシアネート組成物は、モノアルコールと2分子のHDIから得られるアロファネート構造を有するポリイソシアネート組成物によって、低極性有機溶剤への溶解性を発揮させている。このため、1分子当たりの官能基数が2のアロファネート構造を有するポリイソシアネートが大量に含まれるために、塗膜の硬化性、特に初期の耐溶剤性、耐可塑剤性、耐湿光沢が充分ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低極性溶剤への溶解性と、塗膜の硬化性を両立させたポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決するため検討を重ね、モノアルコール及び多価アルコールに脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネートがアロファネート結合した構造が前記課題を達成することを見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明は、(A)モノアルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなり、アロファネート基を有する下記(1)式で表される化合物と、【0008】
【化3】

(図中、R1 はモノアルコールの水酸基残基。R2 は脂肪族あるいは脂環式ジイソシアネートのイソシアネート基残基)
(B)多価アルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなるアロファネート基を有する下記(2)式で表される化合物を有し、【0009】
【化4】

【0010】(図中、R3 は多価アルコールの水酸基残基。R2 は脂肪族、あるいは脂環式ジイソシアネートのイソシアネート基残基。nは2〜10の整数であり、多価アルコールの水酸基数に等しい)
低極性有機溶剤に溶解可能であり、1分子当たりのイソシアネート基の数が2.40〜12.00であり、ポリウレタン樹脂の硬化剤として用いるポリイソシアネート組成物に関するものであり、また、本発明は、脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートと脂肪族モノアルコールと多価アルコールからなり、低極性有機溶剤に溶解可能であり、1分子当たりのイソシアネート基数が2.40〜12.00であり、ポリウレタン樹脂の硬化剤として用いるポリイソシアネート組成物を製造する際に、【0011】(a)脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートとモノアルコールと多価アルコールを混合し、ウレタン化反応を行い、(b)(a)行程終了後、あるいは(a)行程途中で、アロファネート化反応触媒を添加し、アロファネート化反応を進行させ、(c)所望のアロファネート化反応進行にて、触媒毒を添加し、アロファネート化反応を中断させ、(d)未反応のジイソシアネートを留去して製造するポリイソシアネート組成物の製造方法に関するものであり、また、本発明は、前記のポリイソシアネート組成物と、低極性有機溶剤に溶解可能である主剤ポリオールからなる塗料組成物に関するものである。本発明において低極性有機溶剤とは、脂肪族、脂環式及び/または芳香族炭化水素系の有機溶剤を含んだアニリン点10〜70℃、好ましくは12〜65℃、より好ましくは15℃〜60℃の範囲の溶解力の弱い有機溶剤である。
【0012】このような有機溶剤の例としては、メチルシクロヘキサン(アニリン点40℃)、エチルシクロヘキサン(アニリン点44℃)、ミネラルスピリット(アニリン点56℃)、テレビン油(アニリン点20℃)等の他に、一般に石油系炭化水素として市販されているハウス(シェル化学製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善化学製、アニリン点16℃)、エッソナフサNo.6(エクソン化学製、アニリン点43℃)、ロウス(シェル化学製、アニリン点44℃)、ペガゾール3040(モービル石油製、アニリン点55℃)等が挙げられる。
【0013】本発明のポリイソシアネート組成物は、低極性有機溶剤に溶解しなければならない。なお、本発明において溶解とは、有機溶剤及び、脂肪族、あるいは脂環式ジイソシアネートを実質的に含まないポリイソシアネート組成物に、低極性有機溶剤を添加し、混合した場合に、ポリイソシアネート組成物/低極性有機溶剤の重量比が、10/1〜1/20の範囲で、分離、濁りを生じないことである。なお、上記「実質的に含まない」の状態のおおよその目安をいえば、有機溶剤やジイソシアネートの含有率が1重量%以下ということである。
【0014】本発明のポリイソシアネート組成物は、1分子当たりのイソシアネート基の数(以下、官能基数)が2.40〜12.00、好ましくは2.45〜8.00、より好ましくは2.50〜6.00である。2.40未満では、塗料組成物とした場合、塗膜の硬化性が低下するため好ましくない。20.00を超えると低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。官能基数は、GPCを用いて測定した数平均分子量Mnと、イソシアネート基含有率(以下、NCO含有率)から、以下の式で求めることが出来る。
【0015】
官能基数=(NCO含有率×Mn)/4200本発明において、ポリウレタン樹脂とは、アクリルポリオールやフッ素ポリオール、ポリエステルポリオールなどの主剤ポリオールと、ポリイソシアネートを組み合わせる二液型ポリウレタン塗料の他、ポリイソシアネートを架橋剤や、硬化剤、接着性付与剤として用いるもの全てを含む。例えば、接着剤、インキ、エラストマー、シーリング材、プラスチック原料、フォームなどである。
【0016】本発明では、脂肪族、及び脂環式ジイソシアネートを使用する。このようなジイソシアネートとして、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン等が挙げられる。ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネートは、工業的に入手し易いため好まい。中でもヘキサメチレンジイソシアネートは最も好ましい。
【0017】本発明で使用するモノアルコールとは、分子中に1つの水酸基を有する化合物である。脂肪族、あるいはエーテル構造を有するモノアルコールが好ましく、より好ましくは脂肪族モノアルコールである。水酸基は、一級、あるいは二級であることが好ましく、一級がより好ましい。三級のアルコールを用いるとビウレット構造とアルケンを生成する場合がある。炭素数は、長いほど低極性有機溶剤への溶解性が向上するが、長すぎるとNCO含有率の低下や、粘度の上昇などを引き起こす場合がある。したがって、炭素数は、1〜50、好ましくは3〜20、より好ましくは6〜9が適当である。また、モノアルコールは、飽和炭化水素系、不飽和炭化水素系どちらでも用いることが出来るが、不飽和炭化水素系の場合には、耐候性などが低下する場合があり、飽和炭化水素系がより好ましい。さらに、モノアルコールは、直鎖構造、側鎖を有する構造、どちらでもかまわないが、長鎖の直鎖構造のアルコールを用いると、ポリイソシアネート組成物が結晶化しやすくなる場合がある。好ましいモノアルコールとして、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
【0018】本発明のポリイソシアネート組成物中に含まれる、モノアルコールに由来する成分の量は、実質的に有機溶剤や脂肪族あいるは脂環式ジイソシアネートを含まない状態で、3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜17重量%の範囲が適当である。3重量%未満の場合、低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。30重量%を超えるとポリイソシアネート組成物の官能基数が少なくなり、硬化性が低下する場合がある。なお、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールに由来する成分の量は、NRM、マススペクトル等による解析で求めることが出来る。ただし、後述する製品実施の形態においては、原料に用いたモノアルコールの量とポリイソシアネート組成物の収率から計算している。本発明でいうアロファネート基とは、1個の水酸基と、2個のイソシアネート基の反応によって生成し、下記(3)式で表される構造式を有するものである。
【0019】
【化5】

【0020】本発明で使用する多価アルコールとは、分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物である。水酸基の数は、2〜10、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4が適当である。2未満では、ポリイソシアネート組成物の官能基数(1分子当たりのイソシアネート基の数)が低くなり、硬化性が向上しないため好ましくない。10を超えると、ポリイソシアネート組成物の低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合があり好ましくない。脂肪族、あるいはエーテル構造を有する多価アルコールが好ましい。水酸基は、一級、あるいは二級であることが好ましく、一級がより好ましい。三級のアルコールを用いるとビウレット構造とアルケンを生成するため好ましくない。
【0021】脂肪族系の多価アルコールの例として、例えば1,3−ブタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ダイマー酸を還元したジオール等が挙げられる。エーテル構造を有する多価アルコールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられるが、ポリプロピレングリコールが特に好ましい。
【0022】多価アルコールとしてポリプロピレングリコールを用いる場合、分子量の指標として、水酸基1分子当たりの分子量が参考となる。水酸基1分子当たりの多価アルコールの数平均分子量が、500〜8000、好ましくは1000〜6000、より好ましくは1500〜4000が適当である。500未満では、ポリイソシアネート組成物の低極性有機溶剤への溶解性が低下するため好ましくない。10000を超えると、ポリイソシアネート組成物のNCO含有率が低下する場合がある。
【0023】エーテル構造を有する多価アルコールの例として、アデカポリエーテルP−2000、アデカポリエーテルP−3000(以上、旭電化工業株式会社製のポリプロピレングリコール)、PTG2000、PTG3000(以上、保土ヶ谷化学工業株式会社製のポリテトラメチレングリコール)、エクセノール2020、エクセノール3020、エクセノール3030、エクセノール4030、エクセノール510、エクセノール820、エクセノール840、エクセノール845、エクセノール850、エクセノール813、ルミノール7001、ルミノール7003(以上、旭硝子株式会社製のポリプロピレングリコール)等が挙げられる。特にエクセノール510、エクセノール820、エクセノール840、エクセノール845、エクセノール813は、OH末端がエチレンオキサイド付加によって1級になされており、より好ましい。
【0024】本発明のポリイソシアネート組成物中に含まれる、多価アルコールに由来する成分の量は、脂肪族系の場合、0.5〜40重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1.5〜10重量%の範囲が適当である。0.5重量%未満の場合、ポリイソシアネート組成物の官能基数が少なくなり、硬化性が低下する場合がある。40重量%を超えると、低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。エーテル結合を有する多価アルコールの場合には、多価アルコールに由来する成分の量は、5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは15〜60重量%が適当である。5重量%未満の場合、ポリイソシアネート組成物の官能基数が少なくなり、硬化性が低下する場合がある。80重量%を超えると、低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。
【0025】本発明のポリイソシアネート組成物中には、イソシアヌレート構造を含んでいても良い。イソシアヌレート構造を含むと、硬化性や、塗膜硬度は高くなるが、低極性有機溶剤への溶解性は低下する。本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法では、脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートとモノアルコールと多価アルコールを混合し、ウレタン化反応を行う。ウレタン化反応は、熱を加えることにより進行する。反応温度は、40〜160℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃である。40℃未満では反応の進行が遅くなる場合がある。160℃を超えると着色が起こる場合や、後のアロファネート化反応が進行しにくくなる場合がある。
【0026】ウレタン化反応の終了は、反応液のNCO含有率の低下や、屈折率やGPC、IRを測定することで判断することができる。本発明のポリイソシアネート組成物の製造方法では、ウレタン化反応の終了後、あるいは途中でアロファネート化触媒を添加し、アロファネート化反応を進行させる。アロファネート化触媒とは、一つの水酸基と、二つのイソシアネート基から、下記(3)式で表されるアロファネート構造を生成させる触媒である。
【0027】
【化6】

【0028】アロファネート化触媒としては、■例えばテトラメチルアンモニウム、モノエチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、■例えばトリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、■例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、■例えば、上記アルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩、■例えば、ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物等の中の1種類、またはその混合物が挙げられる。
【0029】アロファネート化反応を進行させる助触媒として、亜リン酸エステル、特に亜リン酸ジアルキルエステルや亜リン酸トリアルキルエステル等を加えても良い。中でも、テトラアルキルアンモニウムの有機カルボン酸塩は、反応性が高い。具体的には、テトラメチルアンモニウムカプリエートや、テトラブチルアンモニウムプロピオネートなどが挙げられる。また、有機カルボン酸金属塩、特に鉛や錫等の重金属塩と、亜リン酸エステルの組み合わせはアロファネート化を選択的に進行させる。具体的には、2−エチルヘキサン酸鉛とトリス(トリデシル)ホスファイトの組み合わせや、2−エチルヘキサン酸亜鉛とトリス(2−エチルヘキシル)ホスファイトの組み合わせ等があげられる。
【0030】なお、これらのアロファネート化触媒の中には、アロファネート化と同時にイソシアヌレート化を行うものもある。イソシアヌレート化反応が進行すると、低極性有機溶剤に対する溶解性は低下するが、硬化性は向上する。アロファネート構造とイソシアヌレート構造の生成比は、触媒種、反応温度、モノアルコール量、多価アルコール量、添加剤、溶剤の有無などにより異なる。アロファネート化触媒の添加量は、その種類によっても異なるが、通常ジイソシアネートに対して、0.0001〜1重量%、より好ましくは、0.005〜0.1重量%、より好ましくは0.001〜0.02重量%添加する。0.0005重量%未満では、反応の進行が遅く、反応の終了まで長時間かかる場合がある。1重量%を超えると、逆に反応が早すぎるため、反応制御が困難となる場合がある。
【0031】アロファネート化反応の温度は、40〜160℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃である。40℃未満では反応の進行が遅くなる場合がある。160℃を超えると着色が起こる場合や、アロファネート化反応が進行し難くなる場合や、副反応が起こる場合がある。アロファネート化反応の進行度は、反応液のNCO含有率の低下や、屈折率の上昇を測定することによって判断することが出来る。また、モノアルコール1分子と脂肪族、または脂環式ジイソシアネート1分子が反応したウレタン基を有する化合物を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、この化合物が完全に消失することをもって、アロファネート化反応が完結したことを確認することもできる。
【0032】本発明で使用する触媒毒としては、モノクロロ酢酸、リン酸、リン酸エステル、塩化ベンゾイル、スルホン酸エステル、イオン交換樹脂、キレート剤等が挙げられる。アロファネート化反応触媒に対して、0.5〜10倍(モル量)程度加えることでアロファネート化反応を停止させることが出来る。アロファネート化反応を停止させた後、未反応の脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートを、例えば、薄膜蒸留法などによって留去する。以上の行程によって、請求項1記載のポリイソシアネート組成物、すなわち(A)モノアルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなり、アロファネート基を有する化合物と、(B)多価アルコールと脂肪族及び/または脂環式ジイソシアネートからなり、アロファネート基を有する化合物を主成分とするポリイソシアネート組成物を製造することが出来る。
【0033】また、上記化合物(A)と化合物(B)とを各々別々に製造し、それらを混合することによっても、本発明のポリイソシアネート組成物を得ることができる。本発明のポリイソシアネート組成物、あるいは本発明の製造方法で作成したポリイソシアネート組成物のNCO含有率は、4.0〜23.0%、好ましくは8〜21.0%、より好ましくは10〜20.0%である。4%未満では、塗膜の架橋密度が低くなる場合がある。23.0%を超えると、低極性有機溶剤への溶解性が低下する場合がある。
【0034】本発明のポリイソシアネート組成物、あるいは本発明の製造方法で作成したポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は、溶剤、及び脂肪族、または脂環式ジイソシアネートを実質的に含まない状態で50〜10000mPa・s、好ましくは150〜5000mPa.s、より好ましくは300〜3000mPa.sである。50mPa・s未満では、ポリイソシアネート組成物の官能基数が低くなり好ましくない。10000mPa・sを超えると、粘度が高すぎるため、取り扱いが繁雑となる場合がある。
【0035】本発明で用いる主剤ポリオールとは、二液ポリウレタン塗料分野で使用されるポリオールである。例えば脂肪族炭化水素ポリオール類、フッ素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、及びアルキドポリオール類等の中の1種類またはその混合物などが挙げられる。特にフッ素ポリオール類やアクリルポリオール類は耐候性が優れているため、より好ましい。これらのポリオールは、溶液重合や、縮合反応など公知の技術で製造される。1分子中に2つ以上の水酸基を有するポリオールである。
【0036】本発明で用いる主剤ポリオールは、低極性有機溶剤に溶解しなければならない。主剤ポリオールが低極性有機溶剤に溶解しなければ、本発明の塗料組成物としたときに、低極性溶剤に溶解させることが出来ない。本発明で用いる主剤ポリオールは、1〜300mgKOH/g、好ましくは10〜150mgKOH/g、より好ましくは20〜100mgKOHの水酸価を有する。水酸価が1mgKOH/g未満の場合は、塗膜が脆弱となるため好ましくない。水酸基価が300mgKOH/gを超えると、塗膜の表面の平滑性が損なわれる場合や、塗膜が硬く脆く成る場合があり好ましくない。
【0037】本発明で用いる主剤ポリオールとポリイソシアネート組成物の、イソシアネート基と水酸基の当量比は、0.3〜5.0、好ましくは0.4〜3.0、より好ましくは0.5〜2.0である。0.3未満では、塗膜が脆弱となる場合があり好ましくない。5.0を超えると、架橋に関与しないポリイソシアネート組成物が多量に存在するため、塗膜が脆くなる場合があり好ましくない。
【0038】本発明のポリイソシアネート組成物及び二液ポリウレタン塗料組成物は、有機溶剤と混合して使用することもできる。この場合、有機溶剤は、水酸基及びイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが必要である。また、有機溶剤は本発明のポリイソシアネート組成物、及び本発明で用いる主剤ポリオールと相溶する事が必要である。このような有機溶剤として、一般に塗料溶剤として用いられているエステル化合物や、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物などを用いても良いが、前述した低極性有機溶剤を用いるのが最も好ましい。
【0039】なお、本発明のポリイソシアネート組成物、及び本発明の製造方法で作成したポリイソシアネート組成物中には、目的及び用途に応じて、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、表面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。本発明のポリイソシアネート組成物、あるいは本発明の製造方法で作成したポリイソシアネート組成物は、低極性有機溶剤に溶解するばかりでなく、官能基数が多い。したがって塗膜を作成した場合、初期の硬化性が優れている。このため、耐溶剤性や、耐湿光沢性、耐可塑剤性に優れた塗膜を作成することが出来る。このため、二液型ポリウレタン塗料、特に建築外装塗り替え用塗料あるいは、自動車補修用塗料、プラスチック用塗料に用いることが出来る。更にシーリング剤、接着剤、インキ、コーティング剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等幅広い分野に応用することが出来る。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明で用いた測定方法を以下に示す。NCO含有率は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。粘度は、E型粘度計(株式会社トキメック社)により25℃にて測定した。低極性有機溶剤への溶解性とは、低極性有機溶剤に対する試料の溶解され易さの程度をいい、その測定方法は20℃にて試料溶液を低極性有機溶剤で分離あるいは濁るまで希釈し、以下の式より計算して求めた。
【0041】

数平均分子量(以下Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPC)(東ソー株式会社HCL−8120GPC)を用いて求めた。
【0042】なお、GPCの条件は、以下の通りである。(カラム:東ソー株式会社TSKgelSuper1000、TSKgelSuper2000、TSKgelSuper3000、測定条件:試料濃度:5wt/vol%、キャリア:THF、検出方法:視差屈折計、検量線:HDIモノマー、HDI/イソシアヌレート3量体、5量体、7量体、ポリスチレン:Mw2050、Mw4000、Mw9000、Mw22000)
ゲル分率は、塗膜約0 .2gをアセトン中に20℃、24Hr浸漬し塗膜取り出し後、乾燥し塗膜の残存率を求めた。
【0043】ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールと多価アルコールの量は、原料の仕込量と収率から計算した。耐湿光沢試験は、初期塗膜の光沢をデジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試験機株式会社)60度で測定し、湿潤試機CT−2(東洋理化工業株式)50℃、98%RHに24時間曝露後、塗膜光沢を測定し初期塗膜光沢の保持率を求めた。
【0044】(実施例1)攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた四ッ口フラスコにHDIを500gと2−エチルヘキサノール26gとエクセノール840(旭硝子株式会社、ポリプロピレングリコール、数平均分子量6500)45gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。90℃で、アロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.02g加えた。1時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸0.06gを加え反応を停止した。流下式薄膜蒸留装置を用いて、1回目160℃(0.3Tor)、2回目150℃(0.2Tor)で未反応のHDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収率40%、粘度740mPa.s、NCO含有率15.5%、ミネラルスピリットへの溶解性は1000%以上、官能基数は2.61、Mnは707であった。また、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールの量は11.4%、多価アルコールの量は19.8%であった。
【0045】(実施例2)実施例1と同様の装置にHDIを500gと2−エチルヘキサノール20gとエクセノール840を50gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。90℃でアロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート0.02gを加えた。1時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸0.06gを加え反応を停止した。ついで実施例1と同様に精製を行った。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収率36%、粘度1100mPa.s、NCO含有率15.2%、ミネラルスピリツトへの溶解性は、1000%以上、官能基数は2.68、Mnは740であった。また、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールの量は9.4%、多価アルコールの量は24.1%であった。
【0046】(実施例3)実施例1と同様の装置にHDIを500gと2−エチルヘキサノール22.5gとエクセノール840を31gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。90℃でアロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートと0.02gを加えた。1時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸0.06gを加え反応を停止した。
【0047】ついで実施例1と同様に精製を行った。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収率34%、粘度650mPa.s、NCO含有率16.8%、ミネラルスピリツトへの溶解性は、1000%以上、官能基数は2.64、Mnは661であった。また、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールの量は11.9%、多価アルコールの量は16.4%であった。
【0048】(実施例4)実施例1と同様の装置にHDIを500gと2−エチルヘキサノール26gとエクセノールPML7003(旭硝子株式会社、ポリプロピレングリコール、数平均分子量6200)45gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。90℃で、アロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.02g加えた。1時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸0.06gを加え反応を停止した。ついで実施例1と同様に精製を行った。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収率36%、粘度790mPa.s、NCO含有率15.6%、ミネラルスピリツトへの溶解性は、1000%以上、官能基数は2.62、Mnは706であった。また、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールの量は12.6%、多価アルコールの量は21.8%であった。
【0049】(実施例5〜8)実施例1〜4で製造したポリイソシアネート組成物の硬化性試験評価をヒタロイド6500(日立化成工業株式会社製、水酸基価:30mgKOH/g、アクリル樹脂)を主剤としたスプレー吹き付け塗膜について行った。
イソシアネート基と水酸基の等量:1.0溶剤組成:ミネラルターペン/ソルベッソ100=75/25塗料粘度:フォードカップ#4、15秒乾燥膜厚:50μm乾燥条件:20℃、65%RH、24時間評価の結果を表1に示す。
【0050】(比較例1)実施例1と同様の装置にHDIを500gと2−エチルヘキシルアルコール30gを仕込み、攪拌下90℃で1時間ウレタン化反応を行った。ついで、90℃でアロファネート化触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを0.02g加えた。4時間後、反応液の屈折率上昇が0.01となった時点でリン酸を0.01g加え反応を停止した。
【0051】ついで、実施例1と同様に精製を行った。得られたポリイソシアネート組成物は透明の液体であり、収率30%、粘度300mPa.s、NCO含有率19.0%、ミネラルスピリットへの溶解性は、1000%以上、官能基数は2.35、Mnは、522であった。また、ポリイソシアネート組成物中に含まれるモノアルコールの量は18.6%、多価アルコールの量は0%であった。(比較例2)比較例1で製造したポリイソシアネート組成物を実施例5と同じ条件で評価した。評価の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
【発明の効果】本発明のポリイソシアネート組成物、あるいは本発明の製造方法で作成したポリイソシアネート組成物は、低極性有機溶剤に溶解するばかりでなく、官能基数が多い。したがって塗膜を作成した場合、初期の硬化性が優れている。このため、耐溶剤性や、耐湿光沢性、耐可塑剤性に優れた塗膜を作成することが出来る。このため、二液型ポリウレタン塗料、特に建築外装塗り替え用塗料あるいは、自動車補修用塗料、プラスチック用塗料に用いることが出来る。更にシーリング剤、接着剤、インキ、コーティング剤、注型材、エラストマー、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤等幅広い分野に応用することが出来る。




 

 


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