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発明の名称 コーティング組成物、親水性被膜、及び親水性被膜を有する被覆物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−49180(P2001−49180A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−221915
出願日 平成11年8月5日(1999.8.5)
代理人 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4H020
4J038
【Fターム(参考)】
4H020 AA01 AB02 
4J038 CG141 DB001 DG001 HA216 HA446 KA04 KA08 NA06
発明者 中林 亮
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 光触媒と分光増感色素を含む被膜形成用コーティング組成物であって、該コーティング組成物から形成した被膜に分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における該被膜と水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0゜となることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項2】 光触媒と分光増感色素及びシリコーン化合物を含む被膜形成用コーティング組成物であって、該コーティング組成物から形成した被膜に分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における該被膜と水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0゜となることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項3】 分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物で表面修飾された色素増感光触媒を含む被膜形成用コーティング組成物であって、該コーティング組成物から形成した被膜に分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における該被膜と水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0°となることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項4】 分光増感色素が400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ該分光増感色素の最低空軌道のエネルギー準位が光触媒の伝導帯のエネルギー準位より高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング組成物。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物から形成された被膜。
【請求項6】 請求項5記載の被膜であって、分光増感色素の吸収光を含む光を照射され、20℃における水との接触角が60°以下である親水性被膜。
【請求項7】 請求項6記載の親水性被膜で被覆された物品。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線領域だけでなく、可視光領域及び/又は赤外光領域の光の照射によっても親水性を呈する被膜を提供することができるコーティング組成物、及び該被膜が表面に被覆された部材に関する。本発明は、オフセット印刷板等の印刷分野、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術等に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンに代表される光触媒を含有する表面層を形成した部材において、光触媒を光励起すると、部材の表面が高度に親水化することが知られている。例えば、WO96−29375号パンフレットでは、光触媒とシリカを含む被膜を基材表面に備え、光触媒の光励起に応じて親水性を呈する複合材を提案している。また、特開平9−59041号公報では、光触媒の光励起に応じて親水性を呈する被膜を提供するコーティング組成物を提案している。しかし、これらの方法では、光触媒として用いられている酸化チタンや酸化亜鉛等はバンドギャップが約3eVと広く、上記親水化現象に利用できる光の波長は約400nm以下の紫外線領域であり、太陽光や蛍光灯等による親水化速度が遅かったり、利用範囲が限られているという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紫外線領域だけでなく、可視光領域及び/又は赤外光領域の光の照射によっても親水性を呈する被膜を提供することができるコーティング組成物、及び該被膜が表面に被覆された部材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明の第1は、光触媒と分光増感色素を含む被膜形成用コーティング組成物であって、該コーティング組成物から形成した被膜に分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における該被膜と水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0゜となることを特徴とするコーティング組成物である。
【0005】本発明の第2は、光触媒と分光増感色素及びシリコーン化合物を含む被膜形成用コーティング組成物であって、該コーティング組成物から形成した被膜に分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における該被膜と水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0゜となることを特徴とするコーティング組成物である。本発明の第3は、分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物で表面修飾された色素増感光触媒を含むことを特徴とする本発明の第2記載のコーティング組成物である。
【0006】本発明の第4は、分光増感色素が400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ該分光増感色素の最低空軌道のエネルギー準位が光触媒の伝導帯のエネルギー準位より高いことを特徴とする本発明の第1〜第3のいずれかに記載のコーティング組成物である。本発明の第5は、本発明の第1〜4のいずれかに記載のコーティング組成物によって形成された被膜である。本発明の第6は、本発明の第5記載の被膜であって、分光増感色素の吸収光を含む光を照射され、20℃における水との接触角が60°以下である親水性被膜である。本発明の第7は、本発明の第6記載の親水性膜で被覆された物品である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明において使用される光触媒としては、TiO2 、ZnO、SrTiO3、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO3 、BaTiO4 、K2 NbO3 、Fe2 3 、Ta2 5 、WO3 、SnO2 、Bi2 3 、NiO、Cu2 O、SiC、SiO2 、MoS2 、InPb、RuO2 、CeO2 等、及びこれらにPt、Rh、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又は金属の酸化物を添加あるいは固定化したものを使用することができる。これらの光触媒の中で、TiO2 (酸化チタン)は無害であり、化学的安定性にも優れるため好ましい。酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれも使用できる。
【0008】一般に微細な粒子からなる粉体は、複数の粒子が強力に凝集した二次粒子を形成するため、無駄にする表面特性が多い上、一つ一つの一次粒子にまで分散させるのは非常に困難である。これに対し、光触媒ゾルの場合、光触媒粒子は一次粒子に近い形で存在しているため表面特性を有効に利用でき、分光増感色素からの電子移動が効率的に起こると共に、透明な被膜が形成させるためにも好ましく使用することができる。
【0009】本発明に使用される光触媒としては、一次粒子と二次粒子との混合物の体積平均分散粒子径が300nm以下の光触媒ゾルが変性後の光触媒の表面特性を有効に利用できるために望ましい。より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下1nm以上、特に好ましくは80nm以下5nm以上のものが好適に選択される。なお、従来、二酸化チタンなどで単に粒径として表示されている数値は、その多くは一次粒子の径であり、凝集による二次粒子径を考慮した数値ではない。
【0010】該光触媒ゾルとして酸化チタンのゾルを例にとると、例えば水を分散媒とし、その中に酸化チタン粒子が解膠された酸化チタンヒドロゾル等を挙げることができる。例えば、硫酸チタンや塩化チタンの水溶液を加熱加水分解して生成したメタチタン酸をアンモニア水で中和し、析出した含水酸化チタンを濾別、洗浄、脱水させると酸化チタン粒子の凝集物が得られる。この凝集物を、硝酸、塩酸、又はアンモニア等の作用の下に解膠させると酸化チタンヒドロゾルが得られる。また、酸化チタンヒドロゾルとしては、酸化チタン粒子を酸やアルカリの作用の下で解膠させたり、酸やアルカリを使用せず必要に応じ分散安定剤を使用し、強力なずり応力の下で水中に分散させたゾルも用い得る。なお、酸化チタンヒドロゾルはチタニアゾルとして市販されている。このようなヒドロゾルの粘度(20℃)は比較的低く、例えば、2000cps〜0.5cps程度の範囲にあればよく、好ましくは1000cps〜1cps、さらに好ましくは500cps〜1cpsの範囲である。
【0011】本発明において使用される分光増感色素とは、可視光領域及び/又は赤外光領域に吸収を持つ種々の金属錯体や有機色素を示す。この様な分光増感色素としては、例えば、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ローダシアニン系色素、スチリル系色素、ヘミシアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素(金属錯体を含む)、ポルフィリン系色素(金属錯体を含む)、トリフェニルメタン系色素、ペリレン系色素、コロネン系色素、アゾ系色素、ニトロフェノール系色素、さらには特開平1−220380号公報や特表平5−504023号公報に記載のルテニウム、オスミウム、鉄、亜鉛の錯体や、他にルテニウムレッド等の金属錯体を挙げることができる。
【0012】これらの分光増感色素の中で、400nm以上の波長領域で吸収を持ち、かつ最低空軌道のエネルギー準位(励起状態の酸化還元電位)が光触媒の伝導帯のエネルギー準位より高いものが好ましく選択される。このような分光増感色素の選択は、赤外・可視・紫外領域における光の吸収スペクトルの測定、電気化学的方法による酸化還元電位の測定(T.Tani,Photogr.Sci.Eng.,14,72(1970);R.W.Berriman,etal.,ibid.,17.235(1973);P.B.Gilman Jr.,ibid.,18,475(1974)等、分子軌道法を用いたエネルギー準位の算定(T.Tani,etal.,Photogr.Sci.Eng.,11,129(1967);D.M.Sturmer,etal.,ibid.,17.146(1973);ibid.,18,49(1974);R.G.Selby,etal.,J.Opt.Soc.Am.,33,1(1970))、更には光触媒と分光増感色素によって作成したGratzel型湿式太陽電池の光照射による起電力の有無や効率等によって行うことができる。
【0013】この様な観点から見た好ましい分光増感色素の例としては、9−フェニルキサンテン骨格を有する化合物、2,2−ビピリジン誘導体を配位子として含むルテニウム錯体、ルテニウムレッド、ペリレン骨格を有する化合物、フタロシアニン系金属錯体、ポルフィリン系金属錯体等が挙げるられる。本発明のコーティング組成物は、上記光触媒(A)と上記分光増感色素(B)を固形分重量比(A)/(B)=0.001〜10000、好ましくは(A)/(B)=0.1〜1000の割合で含むものである。本発明のコーテイング組成物は、上述した光触媒(A)と分光増感色素の他に、シリコーン化合物(C)を固形分重量比(A)/(C)=0.001〜1000の割合で含む系が非常に好ましい。この場合、コーテイング組成物から形成した被膜と水との接触角の分光増感色素の吸収光を含む光を照射することによる低下率が、該シリコーン化合物を含まない系に比べてより顕著になる。
【0014】上記シリコーン化合物しては、例えば下記平均組成式(1)で示される化合物や、該平均組成式(1)で示される化合物及び/又はコロイダルシリカを1〜80重量%含有する樹脂(例えば、アクリル−シリコン樹脂、エポキシ−シリコン樹脂、ウレタン−シリコン樹脂)等を挙げることができる。
q r SiO(4-q-r)/2 (1)
(式中、Rは、水素原子あるいは一価の有機基の1種もしくは2種以上からなる官能基を表す。Qは、アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。0≦q<4、0≦r<4であり、0<(q+r)≦4である。)
【0015】本発明における、光触媒と分光増感色素及びシリコーン化合物を含むコーティング組成物の好ましい例としては、例えば下記平均組成式(2)で示されるヒドロシリル基含有シリコーン化合物で表面修飾されたシリコーン変性光触媒と上記分光増感色素を含むコーティング組成物が挙げられる。
p q r SiO(4-p-q-r)/2 (2)
(式中、Rは、水素原子あるいは一価の有機基の1種もしくは2種以上からなる官能基を表す。Qは、アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。0<p<4、0≦q<4、0≦r<4であり、0<(p+q+r)≦4である。)
【0016】上記平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基を有するシリコーン化合物による光触媒の変性は、水及び/又は有機溶媒の存在、あるいは非存在下において、光触媒(A)と該ヒドロシリル基を有するシリコーン化合物(D)を固形分重量比(A)/(D)=0.001〜1000の割合で0〜150℃にて混合することにより行われる。この変性の操作により混合液からは水素ガスが発生する。また、例えば光触媒として酸化チタンを用いた場合、上記変性の操作により、Ti−OH基の減少がIRスペクトルにおける3630〜3640cm-1の吸収の減少として観測される。これらのことより上記シリコーン変性光触媒は、上記平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基を有するシリコーン化合物と光触媒との単なる混合物ではなく、化学結合等の何らかの相互作用をもったものであると予測される。
【0017】ここで上記変性を行う場合、使用し得る有機溶媒としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、アセトン、メチルエチルケトン、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、エタノール、メタノール等の親水性有機溶媒、及びトルエン、キシレン、ヘキサン等の疎水性有機溶媒が挙げられる。また、本発明における光触媒と分光増感色素及びシリコーン化合物を含むコーティング組成物のさらに好ましい例としては、例えば分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物で表面修飾された色素増感光触媒を含むコーティング組成物が挙げられる。
【0018】該分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物としては、例えば下記平均組成式(3)で示されるものを例示することができる。
p q r s SiO(4-p-q-r-s)/2 (3)
(式中、Rは、水素原子あるいは一価の有機基の1種もしくは2種以上からなる官能基を表す。Xは分光増感色素を含む一価の有機基の1種もしくは2種以上からなる官能基を表す。Qは、アルコキシ基、ヒドロキシ基、またはハロゲン原子を表す。0<p<4、0≦q<4、0≦r<4、0<s<4であり、(p+q+r+s)≦4である。)
【0019】上記平均組成式(3)で示される分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物を得る方法としては、■ 前記平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有シリコーン化合物と、化学修飾が可能な官能基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させて化学修飾が可能な官能基を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物を得た後、該化学修飾が可能な官能基と反応性を有する分光増感色素を反応させる方法、■ 前記平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有化合物と、分光増感色素を有する炭素−炭素不飽和結合化合物をヒドロシリル化反応させる方法、が挙げられる。
【0020】ここで、上記方法■における化学修飾が可能な官能基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物としては、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、(環状)酸無水物、ケト基、カルボキシル基、ヒドラジド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アミノ基、環状カーボネート基、エステル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の化学修飾が可能な官能基を有するオレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0021】上記化学修飾が可能な官能基を有する炭素−炭素不飽和結合化合物の好ましい具体例として、例えば、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリル、ジアリルエーテル、ジアリルフタレート、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ヘキセン−2−オン、アリルイソシアネート、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル、アリルアミン等が挙げるられる。上記化学修飾が可能な官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物と前記平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有化合物のヒドロシリル化反応は、好ましくは触媒の存在下、有機溶媒の存在下あるいは非存在下において0〜200℃で化学修飾が可能な官能基を有する炭素−炭素不飽和化合物と平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有化合物を接触させることにより行うことができる。
【0022】ヒドロシリル化反応の触媒としては、白金族触媒、すなわちルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適しているが、特に白金の化合物とパラジウムの化合物が好適である。白金の化合物としては、例えば、塩化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)カリウム、水酸化白金(II)、二酸化白金(IV)、ジクロロ−ジシクロペンタジエニル−白金(II)、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−オレフィン錯体や白金の単体、アルミナやシリカや活性炭に固体白金を担持させたものが挙げられる。パラジウムの化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化テトラアンミンパラジウム(II)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)等が挙げられる。
【0023】また、ヒドロシリル化反応に使用できる有機溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、ジメチルスルホキシド、ニトロベンゼン等やこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0024】また、化学修飾が可能な官能基を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物と反応性を有する分光増感色素としては、前述した化学修飾が可能な官能基に反応性を示す官能基を有する前述した分光増感色素が挙げられる。例えば、化学修飾が可能な官能基がエポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、チオイソシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基の場合は、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ヒドラジド基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する分光増感色素であり、化学修飾が可能な官能基がアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ヒドラジド基、(メタ)アクリロイル基の場合は、エポキシ基、(環状)酸無水物、イソシアネート基、チオイソシアネート基、環状カーボネート基、エステル基、ケト基、(メタ)アクリロイル基からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する分光増感色素が挙げられる。
【0025】上記化学修飾が可能な官能基を有するヒドロシリル基含有化合物とそれに反応性を有する分光増感色素との反応は、各々の官能基の種類に応じた反応温度、反応圧力、溶媒等の反応条件を選択して実施できる。その際、分光増感色素の安定性の点から、反応温度としては300℃以下が好ましく、150℃以下0℃以上がさらに好ましい。また、上記■の方法で記載した分光増感色素を有する炭素−炭素不飽和結合化合物としては、前述した分光増感色素を有するオレフィン類、アリルエーテル類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン誘導体等が挙げられる。
【0026】本発明において、上述した色素増感光触媒を得る方法としては、(a)光触媒を、前述した平均組成式(3)で表される分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物で変性する方法、(b)光触媒を、前述した化学修飾が可能な官能基を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物で変性した後、同じく前述した該化学修飾が可能な官能基と反応性を有する分光増感色素を反応させる方法、(c)光触媒を、前述した平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有シリコーン化合物で変性した後、同じく前述した分光増感色素を有する炭素−炭素不飽和結合化合物を未反応のヒドロシリル基とヒドロシリル化反応させる方法、を挙げることができる。
【0027】上記方法のうち、(a)及び(b)の方法が、副反応等が少なく所望の色素増感光触媒を得る方法として好ましい。ここで、前記平均組成式(3)で表される分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物や化学修飾が可能な官能基を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物による光触媒の変性は、前述した平均組成式(2)で表されるヒドロシリル基含有シリコーン化合物による光触媒の変性方法に準ずる。
【0028】本発明のコーティング組成物には、必要により樹脂塗料を混合して使用することもできる。該樹脂塗料としては特に制限はなく、例えば、油性塗料、ラッカー、溶剤系合成樹脂塗料(アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコーン−アクリル樹脂系、アルキド樹脂系、アミノアルキド樹脂系、ビニル樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、塩化ゴム系等)、水系合成樹脂塗料(エマルジョン系、水性樹脂系等)、無溶剤合成樹脂塗料(粉体塗料等)、無機質塗料、電気絶縁塗料等が例示できる。また、本発明のコーティング組成物には、通常塗料等に添加配合される成分、例えば顔料、充填剤、分散剤、光安定剤、湿潤剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、可塑剤、成膜助剤、防錆剤、染料、防腐剤等がそれぞれの目的に応じて選択、組み合わせて配合することができる。
【0029】本発明において、上記コーティング組成物を基材に塗布し、乾燥した後、必要に応じ熱処理等を施すことにより被膜を得ることができる。得られた被膜に、該被膜に含まれる分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより、20℃における水との接触角が光照射前より10°以上低下あるいは0゜の親水性被膜が得られる。上記コーティング組成物の基材への塗布方法としては、例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
【0030】本発明のコーティング組成物によって提供される分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより水との接触角が低下し親水性を呈する被膜は、オフセット印刷用原版等への応用に対し非常に有用である。また、本発明によって提供される分光増感色素の吸収光を含む光を照射することにより20℃における水との接触角が60゜以下となった親水性被膜、及び該親水性被膜で被覆された物品は、鏡やガラスの曇りを防止する防曇技術、さらには建築外装等に対する防汚技術等への応用が可能であり、窓ガラス、鏡、レンズ、ゴーグル、カバー、建材、建物外装、建物内装、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、各種表示装置、照明装置、住宅設備、台所用品家庭用電気製品等の用途に使用することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明を実施例などを用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何等限定されるものではない。実施例中の部は重量部を意味する。実施例中に用いられる各種物性の測定方法は、下記の通りである。
■ 体積平均分散粒子径体積平均分散粒子径は、湿式粒度分析計(日機装(株)製 マイクロトラックUPA−9230)を使用して測定した。
【0032】■ 部材の水との接触角部材の水の接触角は、接触角計(協和界面科学(株)製 CA−X150)を使用し、水滴を滴下してから1分後の接触角を測定した。また、光照射による部材の水との接触角変化の測定は以下の方法で実施した。紫外線強度計(トプコン(株)製 UVR−2)の受光部としてUD−40(370〜490nm)を用いて測定した可視光強度が3mW/cm2 であり、同じく受光部としてUD−36(310〜400nm))を用いて測定した紫外線強度が0.3mW/cm2 であるガラス越しの太陽光を3時間照射後、上記方法にて部材の水の接触角を測定することにより実施した。水の接触角が小さい方が親水性である。
■ 粘度光触媒ヒドロゾルの粘度は、B型粘度計を用いて、ロータNo.2、回転数60rpm、20℃の条件で測定した。
【0033】
【参考例1】〔環状酸無水物(化学修飾が可能な官能基)を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)の合成〕還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれたジオキサン168部にメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー(商品名:KF9901、信越化学(株)製、ヒドロシリル基7.14mmol/g(カタログ値)のもの)100部を添加し、撹拌下80℃に昇温した。これにポリオキシエチレンアリルメチルエーテル(商品名:ユニオックス MUS−8、日本油脂(株)製、重量平均分子量800(カタログ値)のもの)50部と5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物28部、及び塩化白金(IV)酸六水和物の5重量%イソプロパノール溶液1.1部をジオキサン100部に溶解した溶液を80℃にて約1時間かけて添加し、さらに80℃にて2時間撹拌を続けた後冷却することにより環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)のジオキサン溶液を得た。
【0034】得られた環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)のジオキサン溶液1.4部にブチルセロソルブ8部を添加・混合した後、1N水酸化ナトリウム水溶液8mlを添加すると21℃において35.8mlの水素ガスが発生した。水素生成量から求めた環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)のジオキサン溶液におけるヒドロシリル基量は1.02mmol/g(メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー当たりに換算したヒドロシリル基量は約4.5mmol/g)であった。
【0035】
【参考例2】〔分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(2)の合成〕還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に、参考例1で得られた環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)のジオキサン溶液30部を入れた後、300nm〜500nmにかけて光吸収を有する2,4−ジニトロフェニルヒドラジン2.3部をテトラヒドロフラン21部に溶解した溶液を20℃にて約30分かけて添加し、さらに20℃にて3時間撹拌を続けることにより分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(2)のジオキサン−テトラヒドロフラン混合溶液を得た。
【0036】
【参考例3】〔環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)による光触媒の変性〕還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれた体積平均分散粒子径18nmのアナターゼ型酸化チタンゾル(商品名:STS−02、石原産業(株)製、塩酸解膠型、TiO2 濃度30重量%、平均結晶子径7nm(カタログ値)のもの。粘度は175cpsであった。)200部に水100部を添加し、撹拌下30℃に調整した。これに参考例1で合成した環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)のジオキサン溶液30部を30℃にて撹拌下約30分かけて添加し、さらに30℃にて3時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な、体積平均分散粒子径29nmの変性酸化チタンゾルを得た。この時、環状酸無水物を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(1)の反応に伴い生成した水素ガス量は20℃において112mlであった。
【0037】
【実施例1】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器にいれた体積平均分散粒子径18nmのアナターゼ型酸化チタンゾル(商品名:STS−02、石原産業(株)製、塩酸解膠型、TiO2 濃度30重量%、平均結晶子径7nm(カタログ値)のもの。粘度は175cpsであった。)100部に水50部を添加し、撹拌下30℃に調整した。これに参考例2で合成した分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(2)のジオキサン−テトラヒドロフラン混合溶液26部を30℃にて撹拌下約30分かけて添加し、さらに30℃にて3時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な、体積平均分散粒子径36nmの色素増感酸化チタンゾルを得た。この時、分光増感色素を有するヒドロシリル基含有シリコーン化合物(2)の反応に伴い生成した水素ガス量は20℃において110mlであった。得られた色素増感酸化チタンゾルをガラス板上に膜厚が2μmとなるようにスプレーコーティングした後、室温で1週間乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有するガラス板を得た。得られたコーティング膜を有するガラス板について、前述の方法により光照射による水の接触角変化を評価した。結果を表1に示す。
【0038】
【実施例2】還流冷却器、温度計および撹拌装置を有する反応器に、参考例3で合成した変性酸化チタンゾル100部を入れた後、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン0.07部をテトラヒドロフラン7部に溶解した溶液を20℃にて約30分かけて添加し、さらに20℃にて3時間撹拌を続けることにより、非常に分散性の良好な、体積平均分散粒子径33nmの色素増感酸化チタンゾルを得た。得られた色素増感酸化チタンゾルをガラス板上に膜厚が2μmとなるようにスプレーコーティングした後、室温で1週間乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有するガラス板を得た。得られたコーティング膜を有するガラス板について、光照射による水の接触角変化を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【比較例1】参考例3で合成した変性酸化チタンゾルをガラス板上に膜厚が2μmとなるようにスプレーコーティングした後、室温で1週間乾燥し、透明で平滑なコーティング膜を有するガラス板を得た。得られたコーティング膜を有するガラス板について、光照射による水の接触角変化を評価した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物によって得られる被膜は、該被膜に含まれる分光増感色素の吸収光を含む光の照射によって20℃における水に対する接触角が速やかに光照射前より10゜以上低下し、親水性の被膜となることができる。




 

 


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