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発明の名称 アルコール耐性酵母
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−46054(P2001−46054A)
公開日 平成13年2月20日(2001.2.20)
出願番号 特願平11−219853
出願日 平成11年8月3日(1999.8.3)
代理人
発明者 朝日 輝
要約 目的


構成
YNBG寒天培地からYPD寒天培地及びYNBG寒天培地に継代すると生育が不良なアルコール耐性酵母、及び上記酵母を用いて製造される酒類。
特許請求の範囲
【請求項1】 YNBG寒天培地から麹エキス寒天培地に継代すると良好に生育するが、YNBG寒天培地からYPD寒天培地に継代してもYNBG寒天培地に継代しても生育が不良であるアルコール耐性酵母。
【請求項2】 清酒製造においてのリンゴ酸及びコハク酸の生成量が、協会7号を用いて同条件で清酒製造を行う場合と比較して同等であることを特徴とする請求項1に記載の酵母。
【請求項3】 請求項2記載の酵母であるSAM001株(FERM P−17373)。
【請求項4】 請求項1、2および3に記載の酵母菌株を用いて製造した酒類。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】酒類の製造における酵母に関する。特に、従来のアルコール耐性酵母を用いた清酒製造において問題となっているリンゴ酸などの有機酸の多量生産が改良された酵母に関する。
【0002】
【従来の技術】清酒醪発酵においてアルコール濃度が10%を越えると、酵母は自ら生成したアルコールによりダメージを受けるものが現れはじめ、アルコール濃度が15%を越え20%近くに達すると、死滅するものも観察され、このダメージを受けた酵母および死滅した酵母から種々の物質が漏出されると考えられている。この漏出された菌体内物質が製成される清酒に雑味を与えたり、製成された清酒の品質劣化速度を速くすることから、アルコールに耐性を持つ菌株の探索が盛んに行われてきた。例えば、菅野らは、酒造場から野生のアルコール耐性酵母を分離している(J.Brew.Soc.Japan,65,902(1970))。また、原らは、アルコールを含む麹エキス培地でアルコール耐性酵母を育種、分離し(J. Soc.Brew. Japan,71,301(1976))、この系統から日本醸造協会が頒布している協会11号が誕生した。
【0003】また、菌体内物質の漏出に関する基礎的な研究も進められてきた。後藤と土肥は、米および麹には検出される量は含まれていないが酵母の液胞に多量に蓄積されるS−アデノシルメチオニン(以下、SAMと略す。)に注目し、SAMの菌体外への漏出が清酒醪発酵における酵母菌体内物質漏出の指標となりうることを報告している(J.Brew.Soc.Japan,,230(1992))。また、アルコール耐性酵母を用いた清酒醪発酵では、SAMの漏出が少ないことが明らかにされている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】現在、清酒製造に最も頻繁に用いられているアルコール耐性菌株は協会11号であり、他の菌株は殆ど用いられていない。しかも、協会11号により製成される清酒は、協会7号や協会9号、協会701号などの一般に広く使われている酵母菌株により製成される清酒と比較するとリンゴ酸を非常に多く含み、一般の清酒と較べるとやや異なった香味であるなどの難点があり、協会11号が清酒製造に用いられるのは限られた場合にしかすぎない。
【0005】原らは、前記のアルコール耐性酵母を育種、分離とは別に、菌体溶解酵素を用いたアルコール耐性酵母の育種、分離を行っているが、この結果においてもアルコール耐性の強い菌株にはリンゴ酸高生産が認められている(J.Brew.Soc.Japan,,408(1978)。そのため、菌体内物質の漏出が少ないというアルコール耐性酵母の利点を保持しながら一般の清酒の範疇の香味を有する清酒を製成する新たな性質を示すアルコール耐性酵母の出現が望まれ、より広い目的でのアルコール耐性酵母の使用が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、清酒醪発酵が完了した後も長期間にわたり静置を続けて高濃度アルコールが存在する条件下でアルコール耐性株を育種し、このなかから様々な方法で優れた性質を有するアルコール耐性株を探索した。様々な探索を試みていたところ、醪発酵においてSAM漏出が少ないという基準で選択した菌株のなかに、YNBG寒天培地(ディフコ社製イースト・ナイトロジェン・ベース0.67%、グルコース2%、寒天2%)から麹エキス寒天培地に継代した場合は良好に生育するが、YPD寒天培地(酵母エキス1%、ペプトン2%、グルコース2%、寒天2%)に継代した場合やYNBG寒天培地に継代した場合では生育が不良な菌株が存在することを見出した。さらに、これらの菌株が製成する清酒について調べたところ、リンゴ酸などの有機酸生成に問題のない良好な清酒を製成する菌株が多く存在することを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、YNBG培地に継代後YPD培地及びYNBG培地に継代すると生育が不良であるという新しいタイプのアルコール耐性酵母菌株を提供するものであり、本発明の菌株は、アルコール耐性株でありながら、リンゴ酸などの有機酸含量が一般の清酒と同等である良好な清酒を製成することができるものである。
【0008】本発明の酵母は、醪発酵が完了した後も長期間にわたり静置を続けたものから分離した酵母菌株から探索することにより取得することができる。ここで、醪の調製に用いる酵母は、協会7号、9号または701号など通常の清酒製造に用いられているサッカロミセス・セレビシエに属する酵母菌株をはじめ様々な酵母を用いることができ、また、酵母を変異剤、紫外線、放射線などで変異処理したものを用いても良いが、変異処理をせずに自然誘発で起きる変異により目的の菌株を得ることができる。
【0009】醪の調製は、通常の清酒製造に用いられている米、麹及び水を用いればよく、必要に応じて乳酸や酵素剤などを加えてもよい。また、醪の調製方法は、従来の醪発酵の方法を適宜用いればよく、好ましくは、10〜20℃の温度で留後8〜20日にアルコール濃度が18%を越える発酵条件で行うのがよい。また、発酵が完了した醪の静置は、10〜20℃の温度で30日以上続けるのが好ましく、長期間静置した後の醪の酵母を用いて再度醪発酵を行い、再度長期間静置してもよい。
【0010】発酵が完了した後も長期間にわたり静置を続けた醪からの酵母菌株の分離は、一般の方法を用いればよいが、好ましくは、醪を生理食塩水で希釈したものを麹エキス寒天培地に塗布し、15〜30℃で静置培養してコロニーを形成させ、コロニーから麹エキス寒天培地のスラントに植え継ぐのがよい。
【0011】分離した菌株のなかからSAM漏出が少ない菌株を選択するには、各分離菌株及び親株を用いて醪発酵の小仕込を行い、それぞれの醪上清のSAM濃度とアルコール濃度の経時変化を測定し、アルコール濃度が18%に到達したときの醪上清SAM濃度を親株のものと比較してSAM漏出が少ないかを判定することにより行うことができる。このとき、SAM濃度の測定は、たとえば、後藤と土肥の方法(J.Brew.Soc.Japan,87,230(1992))で行うことができ、また、アルコール濃度の測定は、たとえば、国税庁所定分析法注解に記載の方法に従って行うことができる。
【0012】次に、上記で得られたSAM漏出が少ない菌株の中から、YPD寒天培地及びYNBG寒天培地では生育が不良である菌株の選択するには、上記のSAM漏出が少ないと判定された菌株をまずYNBG寒天培地のスラントに植え継ぎ、次にこのスラントから麹エキス寒天培地、YPD寒天培地及びYNBG寒天培地に各々移植し、この3種の寒天培地を30℃で3日間静置して、目視により生育状態を判定することにより、麹エキス寒天培地では生育が良好であるがYPD寒天培地及びYNBG寒天培地では生育が不良なものを取得することができる。ここで言う麹エキス培地とは、麹米に2倍重量の水を加え、50℃で1晩静置して麹菌の酵素により米の糖化を進めたものをろ過して得た液体から調製した培地である。麹米とは、麹室で、蒸した米を40℃付近まで放冷したところに麹菌を振りかけて、米に麹菌を増殖させたものであり、米の澱粉を糖化する酵素が含まれている。また、生育の良、不良の判断は、接種面一面に菌体が増産する場合は良好、接種面に点々と小さな菌体の塊のみしか形成されない場合は不良と判断すればよい。
【0013】このようにして、醪発酵においてSAM漏出が少なく、かつ、YNBG寒天培地に継代するとYPD寒天培地及びYNBG寒天培地では生育が不良である性質を持つ酵母菌株を取得することができる。このようにして得られた本発明の菌株は、通常の清酒醪発酵においてアルコール濃度が18%に到達したときの醪上清SAM濃度が協会7号の50%以下であり、また、アルコール濃度が18%に到達したときのメチレンブルー染色による酵母の死滅率は10%以下であった。
【0014】本発明の菌株は、YPD寒天培地及びYNBG寒天培地で生育が不良である他、糖蜜培地(糖蜜10%、硫酸アンモニウム0.5%、尿素1%、リン酸二水素一カリウム0.5%、硫酸マグネシウム0.05%)を用いた通気撹拌培養での菌体の収量も協会7号の場合と較べると20〜30%にすぎなかった。これらのことから、具体的には物質を特定できないが麹エキスに含まれるものを本発明の菌株は要求すると考えられる。アルコール耐性酵母のなかでこのような栄養要求性を持つものは、これまでに知られておらず、本発明の菌株は新規タイプのアルコール耐性酵母であることが判明した。そこで、取得した菌株の内の1株をSAM001と命名し、本株を受託番号FERM P−17373として通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。
【0015】SAM001株は、協会7号を用いて前記の方法により得られた菌株であり、TTC染色およびβ−アラニン培地での繁殖性は親株である協会7号と同じであった。SAM001株のアルコール耐性能力の強さを調べるために、本株の親株である協会7号及びアルコール耐性株のなかで清酒製造に最も用いられている協会11号と比較して、16%アルコール存在下での生存能力、10%アルコール存在下での増殖能力および18%アルコール存在醪での発酵能力を測定した。その結果を表1に示す通り、SAM001株のアルコール耐性能力は協会11号とは異なることが明らかになった。
【0016】
【表1】

【0017】また、本発明には、本発明の酵母を用いて製造した酒類も含まれる。本発明の酵母は、清酒をはじめ焼酎、ビール、ワインなど様々な酒類の製造に用いることが出来き、また、本発明の菌株を用いた酒類の製成は、従来の酒類の製造方法を適宜用いることにより可能である。
【0018】アルコール耐性株のなかで清酒製造に最も用いられている協会11号により製成される清酒は、協会7号や協会9号、協会701号などの通常の清酒酵母により製成した清酒と比較するとリンゴ酸などが多量に含まれており有機酸組成が異なることが知られているが、本発明の菌株の製成する清酒について有機酸分析を行ったところ、リンゴ酸をはじめ種々の有機酸含量が親株(協会7号)のものと同等である菌株が多く存在した。
【0019】また、製成した清酒の清酒らしさを官能評価により判定したところ、総ての菌株のものが協会11号により製成されたものより清酒らしさがあった。また、官能評価により香味の良さを判定したところ、親株のものよりも優れているものが多く存在した。このことから、従来の清酒の香味を持ち、良好な酒質の清酒を製成することが可能な菌株が多く含まれると推測された。以下、具体例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】協会7号酵母を10mlYPD培地に種菌し、30℃で1日間静置培養した。この培養液を400ml糖蜜培地に移植し、30℃で3日間静置培養した。この培養液を集菌洗浄し、この酵母菌体を用い、表2に示す仕込配合で清酒醪発酵を行った。
【0021】
【表2】

【0022】ここで、原料である米は日本晴(平成7年度産)を精米歩合70%に精米して使用した。また、麹は常法により2日間麹室にて製麹し、酵素剤はスピターゼMKを用いた。仕込み方法は3日間に分け、初日を初添、1日置いて3日目に仲添、4日目に留添をし、15℃で発酵させた。酵母は初添時に湿菌体重量で1g添加した。
【0023】留後17日に醪上清のアルコール濃度が19.3%に達した。その後も15℃で静置を続け、留後60日の醪をサンプリングし、無菌生理食塩水で希釈した液を麹エキス寒天培地に塗布した。この寒天培地を30℃で4日間静置培養し、コロニーを形成させ、各コロニーからアルコール耐性菌株探索の候補菌株のスラントを調製した。
【0024】ここで得られた株の内の1株である本発明の菌株SAM001株、及び親株である協会7号を用いて上記の方法で培養し、集菌洗浄した酵母菌体を用いて表2に示す仕込配合で清酒醪発酵を行った。このときの醪上清のアルコール濃度およびSAM濃度を測定し、その結果をそれぞれ表3および表4に示す。
【0025】
【表3】

【0026】
【表4】

【0027】表3に示す通り、本発明の菌株のアルコール生成速度は、醪発酵前半では親株よりもやや遅かったが醪発酵後半では親株よりも速く、アルコール生成量は醪発酵末期に親株のアルコール生成量を追い越した。また、表4に示す通り、本発明の菌株のSAM漏出量は親株と比較すると著しく少なく、アルコール濃度が18%に到達したときのSAM濃度を基にSAM漏出量を比較したところ、本発明の菌株のSAM漏出量は親株の31.6%であった。
【0028】ここで、SAM濃度の測定は、後藤と土肥の高速液体クロマトグラフィーによる方法(J.Brew.Soc.Japan,87,230(1992))に準じて行った。すなわち、強カチオン交換樹脂カラムChemocopak Nucleosil 10SAを用い、リン酸アンモニウム緩衝液(pH3.0)の0.05Mから0.5Mのグラジエントで展開し、260nmの吸光度で検出することにより行った。
【0029】
【実施例2】本発明の菌株SAM001株および親株である協会7号をYNBG寒天培地に植え、30℃で4日間静置培養してスラントを作製した。このスラントから麹エキス寒天培地及びYPD寒天培地並びにYNBG寒天培地に移植し、30℃で静置培養し、3日後に目視により生育状況を判定した。その結果を表5に示す。
【0030】
【表5】

【0031】表5に示す通り、親株である協会7号は総ての培地で生育良好であった。本発明の菌株は、麹エキス寒天培地では生育は良好であったが、YPD寒天培地およびYNBG寒天培地では親株である協会7号のものと比較すると寒天表面に形成される菌体の塊の厚みが薄く生育不良であると判定した。特に、YNBG寒天培地の生育においては、親株のものは、菌を接種した部分には一面に菌体が増殖しているのに対して、本発明の菌株のものは、点々と小さな菌体の塊があるのみであり、明らかに生育不良であることが観察された。
【0032】
【実施例3】本発明の菌株、親株及び協会11号を麹エキス培地に種菌し、30℃で1日間静置培養した。これらの培養液にアルコール濃度が16%となるようにアルコールを加え、30℃に4時間温置し、メチレンブルー染色で死滅率を測定した。この結果を表6に示す。
【0033】
【表6】

【0034】表6に示す通り、本発明の菌株の高アルコール濃度中での生存維持能力は、協会11号ほどは強くなかったが、親株よりは強かった。
【0035】
【実施例4】本発明の菌株、親株及び協会11号を麹エキス培地に種菌し、30℃で1日間静置培養した。これらの培養液を10%アルコール含有麹エキス培地に酵母密度が約104/mlとなるように移植し、30℃で20時間静置培養し、トーマ血球板を用いて生菌数を測定して増殖倍率を求めた。この結果を表7に示す。
【0036】
【表7】

【0037】表7に示す通り、本発明の菌株の高アルコール濃度中での増殖速度は、親株および協会11号よりも速かった。
【0038】
【実施例5】本発明の菌株を麹エキス培地10mlに4本種菌し、30℃で1日間静置培養した。この培養液1本分を麹エキス培地500mlに移植し、30℃で2日間静置培養し、合計2Lの培地に増殖させた本発明の菌株の菌液を調製した。この菌液を水100Lおよび乳酸1Lを入れた容器に加えた後に、麹米45kg、次いで70%精白米105kgを加え、常法により速醸酒母を調製した。この調製した酒母を用いて、表8に示す仕込配合で醸造を行った。
【0039】
【表8】

【0040】ここで、原料である米は日本晴(平成10年度産)を精米歩合70%に精米して使用し、、麹は常法により2日間麹室にて製麹した。仕込み方法は3日間に分け、初日を初添、1日置いて3日目に仲添、4日目に留添をし、15℃で発酵させた。酒母は、調製した全量を初添時に加えた。
【0041】また、留19日に30%アルコールを876L添加し、留20日に米120Kgを汲み水240Lのなかで酵素剤スピターゼMを用いて55℃で12時間の糖化をして15℃まで冷却したものを四段として加えた。留21日に上槽し、アルコール濃度20.7%、日本酒度+7.5,酸度1.7、アミノ酸度1.7の製成酒5681Lを得た。
【0042】親株を用いて同様な方法で醸造した製成酒は、アルコール濃度20.4%、日本酒度+5.0 ,酸度1.8、アミノ酸度1.5であり、日本酒度を比較すると本発明の菌株から製成した清酒は高く、本発明の菌株を用いて辛口タイプの清酒を製成できることが明らかになった。
【0043】また、本製成酒のグルコースおよびマルトース濃度を測定したところ、それぞれ1.82%および0.30%であった。親株を用いて同様な方法で醸造した清酒の2.26%および0.45%と較べると、本発明の菌株により製成される清酒の残存グルコースおよびマルトースは少なく、辛口タイプの清酒を製成するのに適していると考えられる。
【0044】また、上槽直前の醪中の酵母の死滅率をメチレンブルー染色法により観察したところ、19.2%であり、親株を用いて同様な方法で醸造した場合の58.3%と比較するとかなり低かった。また、アルコール濃度が18%に達したときの死滅率は、1.4%であり、親株を用いて同様な方法で醸造した場合の15.0%と比較するとかなり低かった。
【0045】アルコール濃度が18%に到達したときの醪上清SAM濃度は、4.6ppmであり、親株を用いて同様な方法で醸造した場合の12.6ppmと比較するとかなり低かった。本製成酒並びに親株及び協会11号を用いて本製成酒と同様な方法で醸造した清酒の有機酸分析を行ったところ、表9に示す結果が得られた。
【0046】
【表9】

【0047】表9の結果から、協会11号により製成される清酒には協会7号のものと較べるとリンゴ酸およびコハク酸が非常に多量に含まれるが、本発明の菌株により製成される清酒の有機酸組成は、親株である協会7号のものとあまり変わらないことが確認された。
【0048】
【実施例6】実施例5に記載の本発明の菌株、協会7号及び協会11号により製成された清酒を用いて、15名のパネルが清酒らしい香味を有しているかを官能評価した。評価方法は、協会7号により製成された清酒を基準とし、5:協会7号により製成された清酒よりも非常に清酒らしい、4:協会7号により製成された清酒よりもやや清酒らしい、3:協会7号により製成された清酒と同等、2:協会7号により製成された清酒と較べるとやや清酒らしくない、1:協会7号により製成された清酒と較べると全く清酒らしくない、の5段階評価で行い、表10に示す結果が得られた。
【0049】
【表10】

【0050】表10に示す通り、本発明の菌株から製成された清酒は、協会11号により製成された清酒よりも清酒らしい香味を有していた。
【0051】
【実施例7】実施例5に記載の本発明の菌株、協会7号および協会11号により製成された清酒を用いて、15名のパネルが良質の香味を有しているかを官能評価した。評価方法は、5:非常に良い、4:やや良い、3:普通、2:やや悪い、1:非常に悪い、の5段階評価で行い、表11に示す結果が得られた。
【0052】
【表11】

【0053】表11に示す通り、本発明の菌株から製成された清酒は、協会7号により製成された清酒よりもやや香味が良く、協会11号により製成された清酒よりも良質の香味を有していた。




 

 


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