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発明の名称 ソルビトール測定用組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−37499(P2001−37499A)
公開日 平成13年2月13日(2001.2.13)
出願番号 特願平11−212273
出願日 平成11年7月27日(1999.7.27)
代理人 【識別番号】100068238
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 猛 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063 QA01 QA19 QQ03 QQ16 QQ68 QR04 QR07 QR19 QR42 QS20 QX01 
発明者 高橋 守
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 試料中のソルビトールを測定するための組成物として、少なくともソルビトールキナーゼ、ATP、ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、NADHおよびチオNADを含有してなるソルビトール測定用組成物。
【請求項2】 試料中のソルビトールを選択的に測定するための組成物として、請求項1記載の組成物に6−ホスホフルクトキナーゼを含有してなるソルビトール測定用組成物。
【請求項3】 試料中のソルビトールを選択的に測定するための組成物として、請求項2記載の組成物にホスホヘキソースイソメラーゼを含有してなるソルビトール測定用組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臨床生化学検査、食品検査等の分野におけるソルビトールの高感度定量用組成物に関する。さらに詳しくは、少なくとも試料中にソルビトールと混在するフルクトースおよび/またはグルコースの影響を受けないソルビトールの高感度定量用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルビトールはポリオールのうちの代表的なものであり、生体中ではグルコースからアルドース還元酵素により生成される。糖尿病において高血糖状態が続き、細胞内におけるソルビトール産生が進むと、ソルビトールは細胞外に微量しか拡散しないために細胞内に過剰蓄積し、蓄積されたソルビトールにより神経細胞等への種々の障害をきたすことが知られている(堀田ら、ホルモンと臨床、35,309〜313、1987)。したがって、ソルビトールを正確に定量することは、糖尿病性合併症を把握する上で重要である。
【0003】ソルビトールは特に水晶体、神経、赤血球などに存在していることから、各臓器におけるソルビトールの測定が試みられているが、例えば、赤血球中のソルビトールの濃度は、全血に換算した場合、多いと言われる糖尿病患者においてさえ10μmol/Lから50μmol/L程度と低濃度であることが知られている(J.Maloneら、Diabetes、29、861〜864、1980)。
【0004】ソルビトールの測定法としては、ガスクロマトグラフィー法、液体クロマトグラフィー法、ソルビトールデヒドロゲナーゼを用いて補酵素NADが還元型に変化する量を吸光度あるいは蛍光強度により測定する方法、あるいは2種類の補酵素、例えば、還元型NADと酸化型チオNADを用いたサイクリング法、もしくはソルビトールオキシダーゼを用いた酵素法などが知られているが、ガスクロマトグラフィー法、液体クロマトグラフィー法は試料の前処理等、操作が煩雑である。ソルビトールデヒドロゲナーゼは安定性に問題があり、ソルビトールオキシダーゼはソルビトールの酸化に酸素が必須となるために反応液中の溶存酸素濃度が不足し、正確な測定ができない場合も予想された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、試料中のソルビトールを高感度に、他の成分の影響を受けにくい、さらに安定なソルビトール測定試薬の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明者らが以前に発明した保存安定性に優れた2種類の酵素、すなわち、ソルビトールキナーゼ(特開平8−103270号)とソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(特開平8−103268号)とATP、還元型NADおよび酸化型チオNADを組成分とした試薬を調製することにより、下記反応式で表わされるサイクリング反応を形成せしめ、蓄積されてくる還元型チオNADを測定することで、ソルビトールを高感度に測定できることを発見した。
【0007】
【化1】

【0008】また、試料として血液成分を測定しようとした場合、サイクリング反応で生成されてくるフルクトース−6−リン酸が血液成分にはすでに存在するためにブランクをはくことになり、正確な測定ができない(生化学ハンドブック、東京化学同人社、1555ページ)。そこで、本発明者らは、サイクリング反応を開始する前に、6−ホスホフルクトキナーゼを用いてフルクトース−6−リン酸をフルクトース−1,6−2リン酸に変化せしめることにより、影響を激減できることを発見した。
【0009】さらに、試料として血液成分を測定しようとした場合、血液成分として存在するグルコース−6−リン酸は、血液成分中に存在するホスホヘキソースイソメラーゼによって除々にフルクトース−6−リン酸に変換されるためにブランクをはくことになり、正確なソルビトールの測定が困難であった。そこで、本発明者らは、サイクリング反応を開始する前に、ホスホヘキソースイソメラーゼを過剰に用いてグルコース−6−リン酸をフルクトース−6−リン酸に変換せしめた後に、さらに6−ホスホフルクトキナーゼを用いてフルクトース−1,6−2リン酸に変化せしめることにより、影響を解除できることを発見し、本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、試料中のソルビトールを測定するための組成物として、少なくともソルビトールキナーゼ、ATP、ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、NADHおよびチオNADを含有してなるソルビトール測定用組成物である。また、本発明は、試料中のソルビトールを選択的に測定する組成物として、上記組成物に6−ホスホフルクトキナーゼ、あるいはさらにホスホヘキソースイソメラーゼを含有してなるソルビトール測定用組成物である。
【0011】以下、本発明の構成および好ましい形態について、さらに詳しく説明する。本発明においては、少なくとも2種類の酵素を使用する。まず、リン酸供与体としてATPを利用し、ソルビトールの6位の水酸基をリン酸化するソルビトールキナーゼにより、ソルビトールからソルビトール−6−リン酸を産生する反応を触媒する。この時用いられるソルビトールキナーゼは、上記反応を触媒する酵素であればどれでも使用できるが、その具体例としては、特開平8−103270号記載のエルビニア属由来の酵素が挙げられる。酵素量は5〜1000u/mL、好ましくは200u/mL付近で使用すればよい。
【0012】次いで、ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、還元型NADおよび酸化型チオNADを用いてサイクリング反応を行わしめ、産生されてくる還元型チオNADを400nm付近の吸光度の増加、あるいは減少してくる還元型NADを340nm付近の吸光度の減少を測定することにより高感度に測定する。このときソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼはサイクリング反応を十分に触媒する酵素であればどれでも使用できるが、その具体例としては、特開平8−103268号記載のコマモナス属由来の酵素が挙げられる。酵素量は0.1〜100u/mL、好ましくは3u/mL付近で使用すればよい。還元型NADの使用量は0.05〜50mM、好ましくは1mM付近、酸化型チオNADの使用量は0.05〜100mM、好ましくは20mM付近で使用すればよい。
【0013】また、共存物質の影響を回避するための成分としての6−ホスホフルクトキナーゼとホスホヘキソースイソメラーゼは、酵素本来の活性を有する酵素であればどれでも使用することができ、市販の酵素を使用すればよく、6−ホスホフルクトキナーゼはユニチカ社製のバチルス由来の酵素を用いることができ、酵素量は1〜500u/mL、好ましくは50u/mL付近で使用すればよい。ホスホヘキソースイソメラーゼはユニチカ社製のバチルス由来の酵素を用いることができ、酵素量は1〜500u/mL、好ましくは50u/mL付近で使用すればよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を述べるが、本発明は、これらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【実施例1】 サイクリング反応を用いたソルビトールの測定〈反応液〉 0.1 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.01 M ATP(オリエンタル酵母社製)
0.01 M 塩化マグネシウム 200u/mL ソルビトールキナーゼ(エルビニア属由来、旭化成工業社 製)
3.0u/mL ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(コマモナス 属由来、旭化成工業社製)
0.02 M 酸化型チオNAD(オリエンタル酵母社製)
1.0 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製)
0.005% トリトンX−100〈操作〉上記反応液1.0mLをキュベットにとり、37℃にて20、40、60μMに調整したソルビトール溶液33μLを添加し、反応を開始させた。反応はそれぞれ4分目には平衡状態に達した。平衡状態にあった6分目と7分目の405nmの吸光度差を求めた。その結果を第1図に示した。第1図から明らかなように、ソルビトールに対する吸光度変化量は、チオNAD/NADHを補酵素とするサイクリング反応において良好な直線を示した。
【0015】
【実施例2】 サイクリング反応〈反応液1〉 0.05 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.01 M ATP(オリエンタル酵母社製)
0.01 M 塩化マグネシウム 200u/mL ソルビトールキナーゼ(エルビニア属由来、旭化成工業社 製)
0.01 % トリトン X−100〈反応液2〉 0.1 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.04 M 酸化型チオNAD(オリエンタル酵母社製)
2.0 mM 還元型NAD(オリエンタル酵母社製)
6.0u/mL ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(コマモナス 属、旭化成工業社製)
0.03 M EDTA・2Na〈操作〉上記反応液1を0.5mLキュベットにとり、20、40、60、80,100μMに調整したソルビトール溶液33μLを添加し、37℃にて反応を開始させた。5分後、反応液2を0.5mL混合し、37℃で第2反応を開始させた。反応開始後の2分目と5分目の405nmにおける吸光度差から、1分間当たりの吸光度変化を求めた。その結果を図2に示した。図2から明らかなように、ソルビトールに対する吸光度変化量は、チオNAD/NADHを補酵素とするサイクリング反応において良好な直線を示した。
【0016】
【実施例3】 溶血サンプルの調製方法〈操作〉実験的に溶血サンプルを調製するために、ヘパリン採血したヒト血液3mLをヘパリン加生理食塩水7mLに混和した後、ソニケイションにより便宜的に可溶化した。可溶化液を100,000G、60分間の遠心分離を行い、上清を溶血サンプルとして得た。
【0017】
【実施例4】 溶血サンプルの測定〈操作〉実施例2の反応液1からソルビトールキナーゼを除いた反応液を調製し、実施例3の溶血サンプル33μLを添加し、37℃にて反応を開始させた。5分後、10分後、15分後、20分後と5分間隔で反応液2を0.5mL混合し、37℃で第2反応を開始させた。反応開始後の2分目と5分目の405nmにおける吸光度差から、1分間当たりの吸光度変化を求めた。その結果を図3に示した。図3から明らかなように、ソルビトールキナーゼが含有されていないのにチオNAD/NADHを補酵素とするサイクリング反応が起こっていることが明らかであり、血液成分として含有されるフルクトース−6−リン酸がサイクリング反応を引き起こしていることが明らかとなつた。さらには、5分間隔のインターバルで吸光度が徐々に増加していることから、フルクトース−6−リン酸を産生する反応が起きていることが明らかとなった。
【0018】
【実施例5】 溶血サンプル中に存在するフルクトース−6−リン酸の消去反応〈反応液3〉 0.05 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.01 M ATP 0.01 M 塩化マグネシウム 0.01 % トリトン X−100 50u/mL 6−ホスホフルクトキナーゼ(ユニチカ社製製)
〈反応液2〉 0.1 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.04 M 酸化型チオNAD 2.0 mM 還元型NAD 6.0u/mL ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ 0.03 M EDTA・2Na〈操作〉反応液3に溶血サンプル33μLを添加し、37℃にて反応を開始させた。5分後、10分後、15分後、20分後と5分間隔で反応液2を0.5mL混合し、37℃で第2反応を開始させた。反応開始後の2分目と5分目の405nmにおける吸光度差から、1分間当たりの吸光度変化を求めた。その結果を図4に示した。図4からチオNAD/NADHを補酵素とするサイクリング反応が低減していることが明らかとなり、血液成分として含有されていたフルクトース−6−リン酸が消去されたことが明らかとなった。しかし、5分間隔のインターバルで吸光度が相変わらず徐々に増加していることから、フルクトース−6−リン酸を産生する反応が起きていることが明らかとなった。
【0019】
【実施例6】 溶血サンプル中に存在するフルクトース−6−リン酸産生反応の除去〈反応液4〉 0.05 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.01 M ATP 0.01 M 塩化マグネシウム 0.01 % トリトン X−100 50u/mL 6−ホスホフルクトキナーゼ 50u/mL ホスホヘキソースイソメラーゼ(ユニチカ社製)
〈反応液2〉 0.1 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.04 M 酸化型チオNAD 2.0 mM 還元型NAD 6.0u/mL ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ 0.03 M EDTA・2Na〈操作〉反応液4に溶血サンプル33μLを添加し、37℃にて反応を開始させた。5分後、10分後、15分後、20分後と5分間隔で反応液2を0.5mL混合し、37℃で第2反応を開始させた。反応開始後の2分目と5分目の405nmにおける吸光度差から、1分間当たりの吸光度変化を求めた。その結果を図5に示した。図5からチオNAD/NADHを補酵素とするサイクリング反応が激減していることが明らかとなり、血液成分として含有されていたフルクトース−6−リン酸が消去されたことが明らかとなった。また、5分間隔のインターバルで吸光度増加がないことから、フルクトース−6−リン酸を産生する反応がなくなっていることが明らかとなった。
【0020】
【実施例7】 溶血サンプルの測定〈反応液5〉 0.05 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.01 M ATP 0.01 M 塩化マグネシウム 200u/mL ソルビトールキナーゼ 0.01 % トリトン X−100 50u/mL 6−ホスホフルクトキナーゼ 50u/mL ホスホヘキソースイソメラーゼ〈反応液2〉 0.1 M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)
0.04 M 酸化型チオNAD 2.0 mM 還元型NAD 6.0u/mL ソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ 0.03 M EDTA・2Na〈操作〉反応液5に溶血サンプル33μLを添加し、37℃にて反応を開始させた。5分後、反応液2を0.5mL混合し、37℃で第2反応を開始させた。反応開始後の2分目と5分目の405nmにおける吸光度差から、1分間当たりの吸光度変化を求めた。その結果を図6に示した。この結果から、本発明であるソルビトールキナーゼおよびソルビトール−6−リン酸デヒドロゲナーゼを用いた高感度なソルビトール測定試薬中に、6−ホスホフルクトキナーゼとホスホヘキソースイソメラーゼを添加することで、少なくとも血液成分の影響を激減できることが明らかとなった。
【0021】
【発明の効果】前述のように、本発明は、酵素サイクリング反応を用いたソルビトールの高感度な反応試薬を提供し、さらには、血液成分の影響を解除した高性能な反応試薬を提供するものである。




 

 


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