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発明の名称 建築用ボード防湿用ラテックス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11363(P2001−11363A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−182669
出願日 平成11年6月29日(1999.6.29)
代理人 【識別番号】100103436
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 英夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
4F070
4J002
4J011
4J038
【Fターム(参考)】
4F070 AA19 AA22 AA29 AA32 AA34 AA36 AC44 AC50 AE14 CA01 CB13 
4J002 BD101 EG026 FD316 GL01 HA07
4J011 KA04 KB29
4J038 CD081 LA02 MA10 NA04 NA08 NA10 PB05 PC04 PC06
発明者 山崎 泰裕 / 武藤 勝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 塩化ビニリデン単量体が85.0〜93.0重量%、これと共重合可能な1種以上のその他のビニル系単量体2.0〜14.5重量%からなるモノマー混合物を、反応性乳化剤0.5〜5.0重量%の存在下、乳化重合して得られた塩化ビニリデン系共重合樹脂からなるラテックスであり、かつ表面張力が50〜70mN/mであることを特徴とする建築用ボード防湿用ラテックス。
【請求項2】 固形分が15〜45重量%である請求項1記載の建築用ボード防湿用ラテックス。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の建築用ボード防湿用ラテックスをコートした建築用ボード。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井、壁などの建築内装材料や建築外装材料に塗布して防湿性を付与するための塩化ビニリデン系共重合樹脂からなるラテックスに関するものである。さらに、本発明のラテックスは、耐ブロッキング性に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】近年、現場に置いて水を使用しない乾式工法の増加によって建築用ボード類の使用が増加してきた。その際のボード類としては、木質系材料、石膏ボード系、石綿スレート系、複合パネル系等の多種の建築用ボードが用いられている。これらの建築用ボードには、吸湿によるソリや寸法変化と言った問題がある。例えば、けいカル板を例にあげて説明すると、石綿スレート系の一種である石綿セメントけい酸カルシウム板、いわゆるけいカル板は、主原料はセメント、石綿、石灰及びけい酸質原料であり、吸水率が大きく、湿気の多い場所では湿気によって反りを生じると言った問題が有る。一般住宅での風呂場、台所等の水周りでの反り防止が求められている。しかしながら、良好な防湿性を示す塗装は見いだされていない。また、建築外装材料でも、同様の問題がある。建築外装材料は、吸湿によって寸法変化を生じたり、反りを生じることがある。しかしながら、良好な防湿性を示す有効な塗装は見いだされていない。
【0003】一方、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスは、該ラテックスから得られる皮膜の優れた防湿性のため、食品包装用または、工業用のポリプロプレン、ポリエステル、ナイロン等のプラスチックフィルムやセロハンや紙などのコート材料に広く利用されている。該特性を利用して、特開60−234838号公報には木質建材に塩化ビニリデンのラテックスをコートして防湿性を向上する方法が提案されている。しかし、この方法では、塩化ビニリデン樹脂を厚くコートしなくてはならず、コストがかかるという問題点があった。また、同様に建築部材について特開60−65848号公報に、コンクリートについて特開61−236669号公報に、石膏ボードについて特開昭62−29653号公報に、各々塩化ビニリデンのラテックスをコートして防湿性を向上する方法が提案されている。しかし、いずれの方法も塩化ビニリデン樹脂を厚くコートしなくてはならず、コストがかかるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスをコートするに際し、低塗布量にて良好な防湿性を示し、ライン塗装時に必要とされる充分な耐ブロッキング性を有する建築材料を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定の表面張力を有し、反応性乳化剤を重合時に使用した塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスが低塗布量でも卓越した防湿性能を発揮することを見い出し、本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は下記のとおりである。
1)塩化ビニリデン単量体が85.0〜93.0重量%、これと共重合可能な1種以上のその他のビニル系単量体2.0〜14.5重量%からなるモノマー混合物を、反応性乳化剤0.5〜5.0重量%の存在下、乳化重合して得られた塩化ビニリデン系共重合樹脂からなるラテックスであり、かつ表面張力が50〜70mN/mであることを特徴とする建築用ボード防湿用ラテックス。
2)固形分が15〜45%である上記1)の建築用ボード防湿用ラテックス。
3)上記1)又は上記2)に記載の建築用ボード防湿用ラテックスをコートした建築用ボード。
【0007】以下、本発明につき詳述する。本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂からなるラテックスの塩化ビニリデン単量体の量は85.0〜93.0重量%が適当である。85.0重量%未満であると結晶性が低く、本発明が目的とするところの防湿性と耐ブロッキング性を発現できない。また、93.0重量%を越えると重合直後でも共重合樹脂の結晶化が進行してしまい、ラテックス粒子が固くなり成膜性が不良となる。好ましくは88.0〜92.0重量%であり、更に好ましくは89.0〜92.0重量%の範囲である。
【0008】本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂からなるラテックスに用いる塩化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル等のエチレン系α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル単量体が挙げられる。また、例えば、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリル等のニトリル基を有する単量体も同様に挙げられる。また、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、及びヒドロキシブチルメタアクリレートなどのエチレン系α,β−不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエチレン系α,β−不飽和カルボン酸エポキシ基含有アルキルエステル、アクリルアミド等のエチレン系α,β−不飽和カルボン酸のアミド化合物、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル、酢酸アリル等のアリルエステル、アリルメチルエーテル等のアリルエーテル等が挙げられ、スチレン系化合物も挙げられる。さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸含有ビニル系単量体も挙げられる。
【0009】塩化ビニリデンと共重合可能なビニル系単量体の量は2.0〜14.5重量%である。2.0重量%未満では成膜性が不良となる。また、14.5重量%を越えると本発明が目指すところの防湿性と耐ブロッキング性を発現できない。好ましくは4.0〜11.0重量%の範囲であり、更に好ましくは5.0〜10.0重量%の範囲である。本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを乳化重合するときに反応性乳化剤を使用することにより、基材への染み込みが少なくなり、低塗布量で良好な防湿性を達成できる。反応性乳化剤としては、スルホエチルメタアクリレートのナトリウム塩、α−スルホ−ω-(1-(ノニルフェノキシ) メチル-2-(2-プロペニルオキシ) エトキシ) ポリ( オキシ-1, 2-エタンジイル) のアンモニウム塩又はナトリウム塩、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム塩などが挙げられる。
【0010】反応性乳化剤の量は0.5〜5.0重量%の範囲である。0.5重量%未満では乳化重合中の安定性が悪く、安定なラテックスが得られない。5重量%を越える場合には、塗膜中の親水性物質量が増大して、本発明が目的とするところの防湿性を発揮できない。好ましくは1.0〜4.0重量%であり、更に好ましくは1.0〜3.0重量%の範囲である。また、本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの表面張力は50〜70mN/mである必要がある。50mN/m未満では基材への染み込みが多くなり十分な防湿性を発揮できないために多量のコートが必要となる。70mN/mを越えるとコート時はじきを生じたり、安定性が低下するのでコート時の機械的安定性不良により凝集物が発生し良好な防湿性を発揮できない。好ましくは表面張力は52〜69mN/mであり、更に好ましくは表面張力は54〜68mN/mの範囲である。
【0011】本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスの固形分は15〜45重量%が好ましい。15重量%未満では乾燥時の蒸発水分量が多くなり乾燥し終わるまでに時間がかかり基材へ染み込み量が多くなるので十分な防湿性を発揮できない場合がある。45重量%を越えると基材への染み込みにより形成される塗膜薄くなり必ずしも十分な防湿性を発揮できないために多量のコートが必要となる場合がある。本発明の建築用ボード防湿用塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスに使用する重合開始剤、界面活性剤等の種類は特に限定されない。
【0012】本発明の建築用ボード防湿用塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスには、必要に応じて、一般的に使用されている種々の成分、たとえば、消泡剤、レオロジー調整剤、増粘剤、分散剤、及び、界面活性剤等の安定化剤、湿潤剤、可塑剤、着色剤、ワックス、シリコーンオイルなどを添加してもよい。また、本発明の建築用ボード防湿用塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスには、必要に応じて、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム等の顔料を配合して使用することも可能である。
【0013】本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスをコートする建築用ボードとは、パーティクルボード、繊維板等の木質材料系ボード、石膏ボード系ボード、石綿セメントけい酸カルシウム板(けいカル板)等の石綿スレート系ボード、ALCパネル、各種窯業系外装用建材などが挙げられる。本発明の建築用ボード防湿用塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを塗布する方法としては、エアーナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、キャストコーター等の公知の方法を用いることができる。塗布した後の乾燥は80〜190℃の範囲で20秒〜5分間行うのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、実施例などにより本発明を更に具体的に説明する。なお、例中において部とは重量部を示す。
【実施例1】塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスを下記の方法により製造した。ガラスライニングを施した耐圧反応器中に水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.20部、過硫酸ナトリウム0.1部を仕込み、脱気を行った後、内容物の温度を55℃に保った。別の容器に塩化ビニリデン(VDC)91部、アクリロニトリル(AN)4部、およびアクリル酸ブチル(BA)3.5部を計量混合してモノマー混合物を作成した。該モノマー混合物の内2部を上記耐圧反応器中に一括添加し、内圧が降下するまで重合した。続いて、単量体混合物96.5部を12時間にわたって連続的に定量圧入した。並行して、スルホエチルメタアクリレートのナトリウム塩1.5部も10時間にわたって連続的に定量圧入した。この間内容物を55℃に保ち、内圧が十分に降下するまで反応を進行させた。重合収率は99.9%であった。重合収率は、ほぼ100%なので、共重合体の組成は仕込み比にほぼ等しい。
【0015】かくして得られたラテックスにアルキルスルホン酸ソーダの15%水溶液を加えて、20℃における気液表面張力が55mN/mとなるよう調整した。この後、水蒸気ストリッピングによって未反応モノマーを除去した後、固形分を40%に調整した。次に、得られたラテックスをロールコートによってかさ比重1.0けいカル板(NAラックス厚6mm;ニチアス(株)製)の裏面に固形分30g/m2 になるようにコートし、130℃、90秒乾燥した。ラテックスがコートされたけいカル板の評価結果を表2に示した。なお、塗膜の評価方法は次の通りである。
【0016】(A)耐ブロッキング性上記で得た防湿水性塗料組成物をコートしたけいカル板のコート面をJIS−Z−5400(不粘着性)に準じた方法にて35℃、相対湿度90%で、40g/cm2 で18時間放置後のガーゼを塗面から引き離した後の布目の後を調べる。
(B)防湿性上記で得た防湿水性塗料組成物をコートしたけいカル板の透湿量をJIS−Z−0208(カップ法)にて測定した。測定条件は40℃、90%RHである。
【0017】
【実施例2〜4】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同じ方法にてラテックスを得たのち、実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【実施例5】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、使用する反応性乳化剤をα−スルホ−ω-(1-(ノニルフェノキシ) メチル-2-(2-プロペニルオキシ)エトキシ) ポリ (オキシ-1, 2-エタンジイル) アンモニウム塩にした以外は実施例1と同じ方法にてラテックスを得たのち、実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【0018】
【実施例6】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を53mN/mとなるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【実施例7】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を70mN/mとなるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【0019】
【実施例8】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を53mN/mとなるようにを調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【実施例9】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を53mN/m、ラテックスの固形分を44%になるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【0020】
【実施例10】実施例1と同様にしてラテックスを重合した後、ラテックスの固形分を50%となるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【実施例11】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの固形分を55%に調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【0021】
【比較例1〜2】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同じ方法にてラテックスを調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【比較例3】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を40mN/mとなるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【比較例4】実施例1におけるモノマー組成を表1に示すように変更し、ラテックスの表面張力を72mN/m、ラテックスの固形分を15%となるように調整した。次に実施例1と同じ方法にてけいカル板の評価を行った。結果を表2に示した。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【0024】
【発明の効果】以上の実施例の結果から、本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂ラテックスからなる建築用ボード防湿ラテックスは、防湿性にすぐれ、耐ブロッキング性に優れ、きわめて、有用なものである。また、低塗布量で高防湿を発揮するので低コストで防湿性を付与できる。




 

 


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