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発明の名称 樹脂組成物からハロゲン原子を除去する方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11233(P2001−11233A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−185891
出願日 平成11年6月30日(1999.6.30)
代理人
発明者 亀井 忠 / 三上 宏 / 藤沢 剛士 / 新井 義之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂とハロゲン化化合物からなる樹脂組成物(B)ハロゲン原子と結合して400℃以下の沸点を有する金属或いは金属化合物からなる混合物を200℃から400℃に加熱することで該混合物からハロゲン原子を除去する方法。
【請求項2】 該ハロゲン化化合物がハロゲン原子を含んだ難燃剤化合物である請求項1記載のハロゲン原子を除去する方法。
【請求項3】 該金属或いは該金属化合物がAL、Sb、Si、Sn、Ti、Fe、Moの金属或いは金属酸化物である請求項1記載のハロゲン原子を除去する方法。
【請求項4】 該金属或いは該金属化合物が酸化アンチモン化合物である請求項1記載のハロゲン原子を除去する方法。
【請求項5】 該ハロゲン含有樹脂組成物からハロゲン原子を除去する方法が減圧条件下で実施する請求項1記載のハロゲン原子を除去する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば臭素等のハロゲン系化合物を含む難燃性樹脂組成物からハロゲン原子を分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子化合物は優れた特性を利用して、それぞれに応じた様々な用途に広く使われてきており、天然素材の代替となる素材の代表的な一つである。しかしながら例えば、熱可塑性樹脂にハロゲン化化合物を混合した難燃性樹脂組成物等はそこに含まれるハロゲン原子のため、樹脂組成物から作られた製品を廃棄するときにいくつかの問題がある。近年、廃棄物に関する環境問題は世の中の重要な課題であり、その中で廃プラの処理に関しては埋め立て地が無くなることもあり、解決しなければならない問題となっている。ハロゲン原子を含む廃プラスチック処理は用途によってはマテリアルリサイクルされて、再び有効に利用されているが、これはその用途が少なく実体は埋め立てるか燃焼させるかが現状である。ハロゲン原子を含む廃プラスチックは燃焼させると条件によってはハロゲン化化合物を発生させたり、または燃焼の装置を腐食させたりして処理時の問題が多いのが実状である。
【0003】従来、これらの問題を解決するためにいくつかの提案がされている。例えば特開平6―172616では難燃性樹脂組成物成形体をPHが5より強い酸溶液中に浸漬保持し、含まれる難燃性付与剤を溶液中に溶解、分離させる方法が又、特開平7―214028には難燃剤入り発泡ポリスチレンをリモネンに溶解し、これを低級アルコール又はその水溶液と混合してポリスチレンを回収するという方法が、さらに又は特開平10―195234にはハロゲン系難燃剤を含有するプラスチックを有機溶剤中で酸処理し、樹脂成分にイオン基を導入して水溶性ポリマーとした後、有機溶剤中のハロゲン系難燃剤を分離する方法等がある。しかしこれらの提案はいずれも工程が複雑で生産性が悪くなかなか実用的に採用しがたい点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は燃焼しない方法で、工程数が少なく操作がし易く、生産性の良い、ハロゲン含有樹脂組成物からハロゲン原子を除去することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者等はハロゲン原子を含む化合物を混合した熱可塑性樹脂の樹脂組成物を金属或いは金属化合物と一緒にある温度に加熱すると驚くことには、系内のハロゲン原子は金属との化合物を作って、熱可塑性樹脂組成物から分離することが容易となることを見いだした。
【0006】ハロゲン化化合物を混合した熱可塑性樹脂組成物と、そこに含まれるハロゲン原子と金属結合を作る金属或いは金属化合物をハロゲン原子と結合する量を計算して加え、温度を200℃から400℃に加熱すると系内にハロゲン化金属が生成し、このハロゲン化金属は沸点を利用してもとの熱可塑性樹脂組成物内から容易に除去分離されることがわかった。分離されたハロゲン化金属はその後加水分解洗浄等の方法で容易にハロゲン化水素になり、そのまま有効に再利用されたり、中和して排水処理することが出来る。この結果、前記したハロゲン原子による燃焼時の問題は無くなり、廃プラスチックの燃焼、熱回収等の有効利用が可能になる。すなわち本発明は、(A)熱可塑性樹脂とハロゲン化化合物からなる樹脂組成物(B)ハロゲン原子と結合して400℃以下の沸点を有する金属或いは金属化合物からなる混合物を200℃から400℃に加熱することで該混合物からハロゲン原子を除去する方法である。
【0007】以下に本発明を詳細に述べる。本発明の熱可塑性樹脂とは、汎用プラスチック、特殊な機能性を有するエンジニアリング樹脂、その他熱可塑性の樹脂なら何でもよい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリサルホン、があげられるがこれに限定する物ではない。またこれらの熱可塑性樹脂の混合物、状態が廃プラスチックであってもかまわない。
【0008】本発明のハロゲン化化合物とは、例えば有機ハロゲン系難燃剤や有機ハロゲン化合物である反応溶剤、洗浄剤、各種溶媒等がある。具体的な化合物としてデカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールA、塩化パラフィン、ヘキサブロモベンゼン、テトラデカブロモーp―ジフェノキシベンゼン、テトラブロモシクロオクタン等のハロゲン系難燃剤が、塩化メチル、塩化メチレン、トリクロロエチレン、ブロモクロロメタン等の各種反応溶剤、洗浄剤、各種溶媒があるがこれに限定する物ではない。またこれらのハロゲン化化合物が2種、3種等の混合物であってもよい。
【0009】ハロゲン原子と結合して400℃以下の沸点を有する金属或いは金属化合物とは、例えばAL、Sb、Si、Sn、Ti、Fe、Mo等の金属或いは金属酸化物等をさす。本発明では難燃剤助剤として一般に用いられている三酸化アンチモン等の金属酸化物が熱可塑性樹脂の組成物として混合されていてもよく、また後から追加して加えることでも良い。生成する金属ハロゲン化物の沸点は生成後、蒸発分離しやすいと言う意味から低いほど好ましいが、400℃以上では熱可塑性樹脂の分解が始まるのでそれまでの沸点を持つ金属ハロゲン化物である必要がある。
【0010】加える金属、金属化合物の量は系内に存在するハロゲン原子と反応して金属ハロゲン化物をつくる量があればよい。好ましくは含まれるハロゲン原子と化合物をつくるハロゲン化金属の等量計算での量以上があればほぼ完全にハロゲン原子を金属ハロゲン化物にして熱可塑性樹脂組成物から分離することが出来るので本発明の目的をより達成できて特に好ましい。
【0011】本発明の温度が200℃から400℃であることは金属ハロゲン化物の生成に必要な最低の活性化エネルギーを与える温度及び熱可塑性樹脂の熱分解が発生しない温度、有害なハロゲン化化合物が発生しない温度等から規定される。好ましくは200℃から300℃が良い。本発明で生成した金属ハロゲン化物が溶融した熱可塑性樹脂組成物から蒸発分離するのを促進するために、反応系内を減圧にすることは本発明の効果をより発揮させるために良い。減圧の範囲は100Torr以下である事が好ましい。
【0012】本発明は攪拌機がついた一般の槽型反応装置でもよいし、樹脂成形加工で使う一般の押し出し機で行うのでもよい。それぞれの場合、真空発生装置を接続させて系内を減圧にさせることはより効果的で好ましい。また本発明では反応系の表面から金属ハロゲン化物が速やかに蒸発して、分離されることが重要であるので、前記の系内を真空にすることと同様に、反応系の表面が常に新しくなるような、いわゆる表面更新が促進されるような様々な工夫が行われる。例えば、反応系を薄膜化した薄膜蒸留装置、攪拌で系内の流れを上下に流動させる工夫、押し出し機では混練部のクリアランスを小さくしてその後にベント部をつけた構造を2段、3段にした装置等が提案される。
【0013】本発明では連続化のプロセスも容易に採用することができる。生成した金属ハロゲン化物はその後、洗浄塔で加水分解洗浄することでハロゲン化物はハロゲン化水素に変えられ、このまま種種の原料として用いても良いし、中和処理して一般排水としても良い。一方、ハロゲン原子がなくなった金属類は酸化物等になり、再び本発明の金属成分としても利用できるし、他の用途に再利用したり、または廃棄に必要な処理して限定埋め立てすることが出来る。このように本発明はこれまで困難とされてきたハロゲン化化合物を含む合成樹脂組成物の処理、特にこれらの材料からつくられるテレビキャビネット等の家電製品、OA機器製品の廃棄物処理には有効な手段といえる。
【0014】
【発明の実施の形態】
【0015】
【実施例1】攪拌機及びガス相を冷却する水冷却器のついた1Lのセパラブルフラスコに市販HIPS(合成ゴム12.3%入りポリスチレン 物性値:ビカット軟化点105℃,MI(10kg)5.5、引張強度270kg/cm2、伸び40%で例えば商標名エーアンドエムポリスチレンH8117)300gとデカブロモジフェニルエーテル80gを混練し、合成樹脂組成物を得た。これにデカブロモジフェニルエーテル中のブロムと結合して三臭化アンチモンを形成するとして計算された量の三酸化アンチモン28gを加え、攪拌、加熱を行い、同時に真空ポンプで反応系内を5Torrの真空にした。真空ポンプの前には未凝縮ガスがトラップできるドライアイスーメタノール冷却器を設置し、これで300℃に昇温後、30分反応させた。この間反応系からのガスとして留出した成分の大部分が水冷却器で凝縮体となり回収された。
【0016】反応後反応系内のブロム濃度及びアンチモン濃度を分析したらブロム濃度が0.3%、アンチモン濃度が0.1%であり、最初の合成樹脂組成物内のブロム濃度の17.5%、アンチモン濃度の5.7%が大幅に低減した。反応で凝縮体として回収された液は一部、油成分の混入した大部分が三臭化アンチモンと思われる暗黒色の液体であった。この回収液を5%の水酸化カリウム水5倍量で洗浄すると油層、水層、沈殿層の3層に分かれハロゲン原子は水層に、アンチモン原子は沈殿層に大部分が分離されていた。ハロゲン及びアンチモンの分析は次の通り行った。ハロゲンの分析は燃焼フラスコで試料を純酸素下で燃焼させ、このガスを燃焼フラスコに張ってある水に吸収させ、酢酸及び酢酸ナトリウム混合溶液を添加後、臭素イオンメーター(東亜電波(株)製、IN55S)で測定した。アンチモンはプラズマイオン分析法で行った。
【0017】
【比較例1】実施例1で後から添加した三酸化アンチモンを加えないで、それ以外は実施例1と同様に300℃、30分間加熱させた。実施例1の留出液はほとんどなく、反応系内のブロム濃度を分析したら最初加えたブロム濃度17.5%とほぼ同等の濃度であり、ブロムが全く系内から除去されていなかった。
【0018】
【実施例2】テレビキャビネットの組成の1例に相当する合成樹脂組成物300g(HIPS77重量部、デカブロモジフェニルエーテル18重量部、三酸化アンチモン5重量部)と、それに含まれるすべてのブロム原子と三臭化アンチモン化合物をつくるに必要な三酸化アンチモンを計算して、それと合成樹脂組成物中の三酸化アンチモンとの不足分12.4gを混合し、実施例1と同様に反応させた。反応後の反応系内のブロム濃度は0.5%であり、最初合成樹脂中組成物中に存在したブロム濃度15%から大幅に低下させることが出来た。
【0019】
【実施例3】実施例2で後から加えた三酸化アンチモン12.4gを加えないで実施例2と同様に反応させた。反応後の反応系内のブロム濃度は7%で、最初合成樹脂内に存在したブロム濃度15%から低下した。もともと合成樹脂組成物中に存在した三酸化アンチモンとデカブロモジフェニルエーテル中のブロム原子が反応してブロム濃度が減少したものと考えられる。
【0020】
【実施例4】実施例1と同様にHIPS300gとデカブロモジフェニルエーテル80gを混練したものに、実施例1で回収されたアルカリ水洗浄後の沈殿物を濾過した固形分を水きりしたあと、そのまま反応系内に入れ後は実施例1と同様に反応させた。反応後反応系内のブロム濃度は0.9%であった。
【0021】
【実施例5】実施例1の三酸化アンチモンの代わりに乾燥シリカゲル25gを用い、反応温度を250℃とした以外は実施例1と同様に反応させ、反応後の反応系内のブロム濃度を分析したら0.8%であった。
【0022】
【発明の効果】本発明は燃焼しない方法で、工程数が少なく操作がし易く、生産性の良い、ハロゲン含有樹脂組成物からハロゲン原子を除去することが可能である。また本発明はハロゲンが入った樹脂とハロゲンが入っていない樹脂の混合物にも適用できるのでこれまで処理が難しかった、特に難燃剤を含んだテレビキャビネットや冷蔵庫等の廃家電製品からハロゲンを含まない固形燃料又は回収油として再資源化が出来、地球環境から最も好ましい。




 

 


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