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発明の名称 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−279052(P2001−279052A)
公開日 平成13年10月10日(2001.10.10)
出願番号 特願2000−92026(P2000−92026)
出願日 平成12年3月29日(2000.3.29)
代理人 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4H017
4J002
【Fターム(参考)】
4H017 AA03 AA31 AB07 AB17 AC01 AC02 AC16 AD06 AE05 
4J002 AC01Y AC03Y AC04Y AC06Y AC07Y AC08Y AC09Y AE05Z BB12X BB15X BB15Y BB18Y BB27Y BC05Y BG10Y BP01W BP02X BP03W FD02Z GJ02
発明者 榊 俊明 / 溝口 哲朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】(A) スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱可塑性エラストマーと、(B) オレフィン系ポリマーと、(C) エチレン−プロピレン−ジエンゴムを50重量%以上含むゴム成分と、(D) 軟化剤と、を含有し、上記軟化剤(D) の含有量が、上記(A) ,(B) および(C) の各成分の総量100重量部に対して、200重量部以上であり、かつ、上記ゴム成分(C) の少なくとも一部が動的架橋によって架橋されたものであることを特徴とする低弾性率高分子組成物。
【請求項2】前記動的架橋が樹脂加硫剤によってなされたものである請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項3】前記軟化剤(D) がパラフィンオイルである請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項4】前記軟化剤(D) の流動点が−35℃以下である請求項1または3記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項5】前記オレフィン系ポリマー(B) がポリプロピレン系ポリマーである請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の低弾性率高分子組成物を用いることを特徴とするシール材。
【請求項7】ケーブルクロージャーに用いられる請求項6記載のシール材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低弾性率の高分子組成物とそれを用いたシール材とに関する。より詳しくは、極めて広い温度範囲において低い弾性率(すなわち、優れた柔軟性)を示し、高温時の熱変形および低温時の圧縮永久歪みがいずれも小さく、さらに粘着性をも有する高分子組成物と、特に通信ケーブルのクロージャーにおいて好適に用いられるシール材とに関する。
【0002】
【従来の技術】通信ケーブルのクロージャーに用いられるシール材には、柔軟性、追従性、耐候性および耐老化性に優れることと、圧縮永久歪みが小さいことが求められる。そこで、従来のシール材には、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)の水素添加物〔すなわち、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体。以下、「SEPS」という。〕、およびスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)の水素添加物〔すなわち、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体。以下、「SEBS」という。〕等の、水素添加された熱可塑性エラストマーや、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の、主鎖に二重結合を有しないゴムが用いられている。
【0003】また、上記熱可塑性エラストマーおよびゴムには、柔軟性を向上させるために軟化剤が添加されているが、かかる軟化材としては、流動点が−20℃以上、特に−15℃程度であるパラフィンオイルが多用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記シール材のうちEPDM等のゴムからなるシール材は、成形・加工に長時間の加硫工程を要するため、生産効率が低い。また、近年、環境保護の観点から資源のリサイクルが求められているが、EPDM等のゴム単独からなるシール材ではリサイクルが実用上不可能に近く、あえてリサイクルを試みるとなると、超臨界水を用いたり、高濃度のオゾンで分解するなど高価な設備や大変な手間がかかってしまう。
【0005】また、EPDMにはその用途に応じて成分を変えたものが種々知られているが、通信ケーブルのクロージャーにおけるシール材として使用するには、−30〜0℃の低温領域においても圧縮永久歪みが小さくかつ柔軟性に優れていることが要求されるのに対し、従来公知のEPDMに上記特性を満足させるのは困難である。例えば、従来公知のEPDMを用いたシール材では、−20℃での圧縮永久歪みが90%を超え、室温と−20℃とでの硬度の変化が非常に大きいことから、前記低温領域でシール性が悪化し、漏れが発生するおそれがある。さらに、前記低温領域では硬度が上昇することから、シール性を発揮させるのに必要な圧縮が十分に行えないという問題がある。
【0006】一方、上記ジブロック共重合体、SEPSおよびSEBSはいずれも熱可塑性を有するものであって、これらを用いたシール材は高温での変形性が大きいという問題がある。また、これらの熱可塑性エラストマーには、一般に、流動点の高いオイルが配合されるため、前記低温領域になると圧縮永久歪みが急激に増大するという性質がある。圧縮永久歪みが大きくなるとシール性能の悪化を招き、水の浸入や内部ガスのリークといった問題が生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決する高分子組成物を提供すること、すなわち、射出成形およびリサイクルが可能で、成形・加工が容易であること、柔軟性に優れる(弾性率が低い)こと、低温領域での圧縮永久歪みが小さくかつ高温での変形性が小さいこと、引裂強度、表面強度等の機械的強度が良好であること、さらには、成形時の表面肌が良好であること、を満足する低弾性率高分子組成物を提供することである。
【0008】また、本発明の他の目的は、特に通信ケーブルのクロージャーに好適な、優れた柔軟性と低圧縮歪み性とを示し、かつ粘着性を有するシール材を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明者らは、先に、SEPSやSEBS等の熱可塑性エラストマー中に、EPDMの少なくとも一部が動的加硫されて微細状態で存在し、かつ流動点が−35℃以下のオイルを熱可塑性樹脂とゴムの合計100重量部に対して200重量部以上含む低弾性率高分子組成物の発明について、特許出願している(特願2000−6902号)。この材料は、射出成形やリサイクルが可能であって、低温(−30°)から高温(70℃)での圧縮永久歪が小さく、かつ弾性率が極めて小さい、といった特徴を有する。
【0010】しかしながら、上記低弾性率高分子組成物は脆く、例えば爪で表面を擦るとぼろぼろと崩れる問題がある。また、材料の引裂強度や引張強度等の機械的強度が低く、成形時の押出肌があまりきれいではない、という問題がある。そこで本発明者らは、上記特許出願に係る発明によって得られた、射出成形やリサイクルが可能で、低温(−30°)から高温(70℃)での圧縮永久歪が小さく、かつ弾性率が極めて小さい、という特徴を維持しつつ、高分子組成物の脆さ、機械的強度および成形時の押出肌を改善するために、さらに研究を重ねた。
【0011】その結果、本発明者らは、SEPS、SEBSおよびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEEPS」という。)を含む熱可塑性エラストマー(A) と、EPDMを50重量%以上含むゴム成分(C) と、所定量以上の軟化剤(D) と、からなる系に、オレフィン系ポリマー(B) (より好ましくは、ポリプロピレン系ポリマー)を共存させ、かつ、上記ゴム成分(C) の少なくとも一部を動的架橋させることによって、良好な射出成形性とリサイクル性とを得ることができ、高分子組成物に優れた柔軟性(低弾性率)を付与することができ、低温領域から高温領域に亘る広い範囲での低い圧縮永久歪みと低変形性とを実現し、成形時の表面肌を改善し、かつ、表面強度および引裂強度を向上させることができるという全く新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る低弾性率高分子組成物は、(A) スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、およびスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む熱可塑性エラストマー(すなわち、イソプレンおよび/またはブタジエンと、スチレンとのブロック共重合体に水添したもの)と、(B) オレフィン系ポリマーと、(C) エチレン−プロピレン−ジエンゴムを50重量%以上含むゴム成分と、(D) 軟化剤と、を含有し、上記軟化剤(D) の含有量が、上記(A) ,(B) および(C) の各成分の総量100重量部に対して、200重量部以上であり、かつ、上記ゴム成分(C) の少なくとも一部が動的架橋によって架橋されたものであることを特徴とする。
【0013】本発明の低弾性率高分子組成物は上記の組成を有するものであって、その柔軟性(低弾性率性)の程度を当該組成物の硬さで表すと、JIS A硬度で通常10以下である。かかる組成物は、実用上、射出成形が可能な程度に低弾性率である。通信ケーブルのクロージャーにおけるシール材は、一般に、その硬度を23℃における1/1サイズコーン針入度で規定する場合、10以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上であるのが適当とされるが、上記本発明の高分子組成物は上記範囲を十分満足する程度に低弾性率である。
【0014】上記本発明の低弾性率高分子組成物は、軟化剤の存在下で、EPDMを50重量%以上含むゴム成分(C) と、前記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) とを動的架橋したものである。この「動的架橋」によって、前記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) とが均一に混和されて、前記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) を海相とすれば、その海相中に前記ゴム成分(C) が島相として存在する状態(いわゆる海−島構造)を採ると考えられる。
【0015】前記熱可塑性エラストマー(A) はそれ単独では高温下で変形する性質(熱変形性)を有しているが、上記本発明の低弾性率高分子組成物では前記ゴム成分(C)とともに動的架橋されていることに起因して、高温下における変形が実質上阻止されている。しかも、本発明の低弾性率高分子組成物は、低温下においては前記ゴム成分(C) (とりわけ、当該ゴム成分(C) 中のEPDM)が有する、低温での圧縮永久歪みが小さいという特性を保持している。かかる特性は、前記熱可塑性エラストマー(A) 単独では得ることのできないものである。
【0016】さらに、本発明の低弾性率高分子組成物は、前記熱可塑性エラストマー(A) や一般の熱可塑性樹脂と同様に、射出成形による成形が可能であって、その成形物は、単に破砕するだけで容易にリサイクルに供することもできる。すなわち、上記本発明に係る低弾性率高分子組成物は、柔軟で、射出成形で容易に成形可能であって、成型物を細断しても再度射出成形が可能である(すなわち、リサイクル性がある)とともに、低温でも圧縮永久歪みが小さく、高温での熱変形が小さいことから、かかる点においてもシール材として好適である。
【0017】上記本発明の低弾性率高分子組成物において、前記熱可塑性エラストマー(A)およびオレフィン系ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) との配合比は、前述の諸特性が十分に発揮され得る範囲で適宜選択される。かかる範囲は特に限定されるものではないが、通常、前記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) との配合比は、重量比で75:25〜25:75であり、好ましくは70:30〜30:70である。前記ゴム成分(C) の割合が多くなり過ぎると動的架橋が困難になり、押出成形を実施しようとしても成形物が粉々になるなど、適当な成形物が得られなくなる。一方、前記ゴム成分(C) の割合が少なくなり過ぎると圧縮永久歪みが大きくなり、柔軟性が損なわれる。
【0018】オレフィン系ポリマー(B) 単独での配合量についても、前述の諸特性が十分に発揮され得る範囲で適宜選択される。かかる範囲は特に限定されるものではないが、通常、前記熱可塑性エラストマー(A) とオレフィン系ポリマー(B) と前記ゴム成分(C) との総量100重量部に対して2〜50重量部であり、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは7〜35重量部である。オレフィン系ポリマー(B) の配合量が上記範囲を下回ると、成形時の表面肌を改善したり、引裂強度、表面強度等の機械的強度を改善したりする効果が得られなくなる。一方、オレフィン系ポリマー(B) の配合量が上記範囲を超えると、硬度が上昇して柔軟性が損なわれるため、例えばシール材として適さなくなる。
【0019】上記本発明の低弾性率高分子組成物における軟化剤(D) の含有量は、前記熱可塑性エラストマー(A) 、オレフィン系ポリマー(B) および前記ゴム成分(C) の各成分の総量100重量部に対して200重量部以上、好ましくは250重量部以上、より好ましくは300重量部以上となるように設定される。軟化剤(D) の含有量が上記範囲を下回ると、高分子組成物に十分な柔軟性を付与することができなくなったり、低硬度化を図ることができなくなるおそれがある。一方、軟化剤(D) の含有量の上限は、本発明の高分子組成物についての前述の諸特性が損なわれることのない範囲であり、かつ軟化剤の滲出が生じない範囲であれば特に制限されないが、一般に、前記成分(A) ,(B) および(C) の総量100重量部に対して1000重量部とするのが適当である。
【0020】上記本発明に係る低弾性率高分子組成物は、当該組成物中における前記ゴム成分(C) の少なくとも一部が動的架橋されていることを、大きな特徴の一つとしている。ここでいう「動的架橋」とは、前記熱可塑性エラストマー(A) およびオレフィン系ポリマー(B) と、前記ゴム成分(C) とを溶融状態でブレンドし、これに前記ゴム成分(C) (の少なくとも一部)を架橋させるための薬剤を添加することによって混練中に前記ゴム成分(C) を架橋させ、前記熱可塑性エラストマー(A)中に前記ゴム成分(C) を微分散させる手法である。この動的架橋によって、前述のアロイ化を均一にかつ効率よく達成することができ、本発明の高分子組成物に前述の諸特性を付与することができる。
【0021】なお、前記ゴム成分(C) の少なくとも一部が動的架橋されている状態は、動的架橋により得られた高分子組成物を適当な溶剤に溶解させたときに、不溶成分の量が動的架橋を施す前よりも多くなっているかどうかによって判定できる。動的架橋前の不溶分(%)と動的架橋後の不溶分(%)を比較し、後者が多くなっていれば動的架橋が施されたといえる。一般的には、ゴム成分100重量部のうち50重量部以上が架橋されたものであるのが好ましい。
【0022】上記本発明の低弾性率高分子組成物において、動的架橋は樹脂加硫剤によってなされたものであるのが好ましい。また、軟化剤(D) は、パラフィンオイルであること、または、流動点が−35℃以下であることが好ましい。上記本発明の低弾性率高分子組成物において、軟化剤は前記組成物に柔軟性を付与するための機能を果たすが、種々の軟化剤の中でもとりわけ流動点が−35℃以下のもの(より好ましくは、流動点が−35℃以下のパラフィンオイル)を添加することにより、低温下での柔軟性を確保し、圧縮永久歪みをより一層小さくすることができる。パラフィンオイルは、特に分子量の大きなものが低揮発性であるため好ましい。
【0023】前記オレフィン系ポリマー(B) はポリプロピレン系ポリマーであるのが好ましい。前記ゴム成分(C) におけるEPDMのエチレン含有量は、特に低温特性を良好なものとする必要がある場合には、55重量%以下であるのが好ましい。本発明のシール材は、上記本発明に係る低弾性率高分子組成物を用いることを特徴とする。
【0024】通信ケーブルのクロージャー等におけるシール材には、極めて柔軟で、追従性が要求されるほかに、耐候性、耐老化性、使用温度下で弾性が保持されること(低圧縮永久歪み)が必要となる。上記本発明のシール材においては、低弾性率高分子組成物を構成する前記熱可塑性エラストマー(A) 、オレフィン系ポリマー(B) およびEPDMを50重量%以上含むゴム成分(C) のいずれもが、主鎖に二重結合を有しないものであるために、耐候性が極めて優れている。さらに、主鎖に二重結合を有しないために、耐老化性にも優れている。
【0025】上記本発明のシール材は、ケーブルと筐体との隙間や、筐体とコード等との隙間におけるシール用としてすなわち、例えば通信ケーブルのクロージャー等におけるシール材として好適である。なお、本発明において「クロージャー」とは、電線や光ファイバーの分岐・接続のための容器をいう。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明する。
〔熱可塑性エラストマー(A) 〕本発明の低弾性率高分子組成物を構成する成分には、前記組成物を、針入度が前述の範囲にあるシール材として使用するためにも、それ単独で、すなわち軟化剤を配合しなくても柔軟性を有することが望まれる。
【0027】室温下において、軟化剤を要することなく柔軟性を示す成分としては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)とその水素添加物(SEPS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)とその水素添加物(SEBS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等の、いわゆる熱可塑性エラストマーが挙げられる。
【0028】本発明の低弾性率高分子組成物における成分(A) としては、前記組成物の耐候性や耐老化性を考慮しない限りにおいて、上記例示の熱可塑性エラストマーを使用することができる。但し、SIBSは圧縮永久歪みがそれほど小さくないため、上記例示の中でも特にSIS、SEPS、SEBS、SBSおよびSEEPSを使用するのが好ましい。一方、本発明の組成物を通信ケーブルのクロージャー等におけるシール材として使用する場合には、耐候性を考慮する必要があるため、ソフトセグメントに二重結合をほとんど(あるいは、全く)有しないSEPS、SEBSおよびSEEPSが適している。なお、SIBSはソフトセグメントに二重結合を全く有しないため耐候性に優れているが、前述のように、圧縮永久歪みがそれほど小さくないことに考慮する必要がある。
【0029】従って、本発明ではSEPS、SEBSおよびSEEPS(すなわち、イソプレンおよび/またはブタジエンと、スチレンとのブロック共重合体を水添したもの)が好適に使用される。なお、SEPSはSISに水素添加したものであるが、エチレンとプロピレンは必ず交互に並んでいる。これに対し、SEEPSは、SEPS中にエチレンユニットがブロック状に入った構造を有するものであって、すなわち、エチレンとプロピレンの交互に並んだユニットのほかに、エチレンのみによるユニットがブロック状に存在するものである。
【0030】上記例示の熱可塑性エラストマーにおいて、ブロック共重合体中のスチレン(ハードセグメントに相当)量が少ないと室温下での弾性が減少し(すなわち、圧縮永久歪みが大きくなり)、多いと硬くなり過ぎる。通常、スチレン量は10〜35重量%であることが好ましい。上記例示の熱可塑性エラストマーは、その分子量が大きいほど強度が高くなり、また、軟化剤の吸収量が大きくなる。従って、本発明の高分子組成物には、分子量の大きな熱可塑性エラストマーを用いるのが有利である。具体的には、熱可塑性エラストマーの分子量は一般的に10万以上であることを要し、好ましくは15万以上、さらに好ましくは20万以上である。
【0031】上記熱可塑性エラストマーのうち、SEPSの具体例としては、例えばクラレ(株)製の商品名「セプトン2063」(スチレン含有量13重量%)、同社製の「セプトン2023」、同社製の「セプトン2002」、同社製の「セプトン2005」、同社製の「セプトン2014」等が挙げられる。SEBSの具体例としては、例えば旭化成工業(株)製の商品名「タフテックH1075」(スチレン含有量20重量%)、シェルジャパン(株)製の商品名「KRATON G1650」(スチレン含有量29重量%)、アロン化成(株)製の商品名「エラストマーAR730」等が挙げられる。
【0032】SEEPSの具体例としては、例えばクラレ(株)製の商品名「セプトン4077」(スチレン含有量30重量%)、同社製の「セプトン4055」(スチレン含有量30重量%)、同社製の「セプトン4033」(スチレン含有量30重量%)等が挙げられる。
〔オレフィン系ポリマー(B) 〕本発明の低弾性率高分子組成物におけるオレフィン系ポリマー(B) には、例えばポリプロピレン系ポリマー(PP)、ポリエチレン系ポリマー(PE)等が挙げられるが、高分子組成物の低硬度化を達成し、かつ低温特性に及ぼし得る悪影響を低減するためにも、ポリプロピレン系ポリマーが好適に用いられる。
【0033】上記ポリプロピレン系ポリマーは、プロピレンの単独重合体(PPホモポリマー)に限定されるものではなく、例えばポリエチレンのブロックを有するブロック共重合体(P/Eブロックコポリマー)や、エチレン部分を有するランダム共重合体(P/Eランダムコポリマー)であってもよい。かかるポリプロピレン系ポリマーの具体例としては、例えば、日本ポリケム(株)製の商品名「ノバテックPP BC6」(P/Eブロックコポリマー)、同社製の商品名「ノバテックPP MG05BS」(P/Eランダムコポリマー)、同社製の商品名「ノバテックPP FY6H」(PPホモポリマー)等が挙げられる。
【0034】〔ゴム成分(C) 〕本発明の低弾性率高分子組成物におけるゴム成分(C) は、前記熱可塑性エラストマー(A) と混和されるものであって、熱可塑性エラストマー(A) との親和性を有するものであるのが好ましい。また、本発明の高分子組成物を通信ケーブルのクロージャー等におけるシール材に適用することを考慮すると、耐候性に優れ、かつ圧縮永久歪みが低いものであるのがより好ましい。
【0035】かかるゴム成分としては、例えばEPDMが挙げられる。また、EPDMとともにEPDM以外のゴムをブレンドすることを妨げるものではないが、ゴム中のEPDM量は50重量%以上とするのが好ましい。EPDM以外のゴムとしては、例えば、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、1,2−ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、アクリルゴム(ACM)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)等を用いることができる。
【0036】EPDMは、そのエチレン含有量が高いと強度も高くなり、それゆえ軟化剤の高充填が可能になるが、その一方で、0℃以下になると結晶化して急激に硬度が上がり、圧縮永久歪みが大きくなる。このため、例えばシール材のように、低温下でも柔軟性等の機能が発揮され、かつ圧縮永久歪みが抑制されていることが求められる分野、特にケーブルクロージャー用シール材の場合は、エチレン含有量が60重量%以下、好ましくは55重量%以下のEPDMが好適に用いられる。
【0037】EPDMを構成するジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタンジエンが一般的であるが、本発明におけるEPDMはいずれのジエンであってもよい。EPDM中のジエン量は、その量が多いときは加硫速度が早くなる点において有利であるが、耐候性、耐老化性を考慮すると、通常15重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのがより好ましい。
〔軟化剤(D) 〕本発明における軟化剤(D) は、低弾性率高分子組成物やシール材における所望のシール材硬度に応じて添加されるものである。
【0038】かかる軟化剤としては、EPDM,SEPS,SEBS,SEEPS等との親和性の高いものが好ましく、通常、パラフィンオイルが好適である。中でも、低温下においても、本発明の高分子組成物にシール材等としての機能を十分に発揮させることを考慮すれば、ロウ成分を除去して流動点を下げたものが好ましく用いられる。パラフィンの流動点はJIS K2269の測定基準において一般的に−15℃であるが、上記のように低温特性が要求される分野においては−35℃以下の流動点を有するものが好ましい。このようなパラフィンオイルの具体例としては、出光興産(株)製の商品名「ダイアナプロセスオイルPX−90」(流動点−45℃)等が挙げられる。
【0039】〔架橋剤、加硫促進剤および加硫活性化剤〕本発明において、EPDM等のゴム成分を架橋するための架橋剤としては、硫黄等の従来公知の加硫剤や、従来公知の樹脂加硫剤が使用可能である。本発明においては、中でも、樹脂加硫剤を用いるのが好ましい。樹脂加硫剤としては、例えばアルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ハロゲン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、その具体例としては、田岡化学(株)製の商品名「タッキロール」シリーズ等が挙げられる。
【0040】樹脂加硫剤は、一般に硫黄よりも加硫が迅速に起こる。架橋剤の配合量は、EPDMゴム等のゴム成分100重量部に対し、通常2〜20重量部、好ましくは5〜17重量部である。本発明においては、前記架橋剤に加えて、加硫促進剤、加硫活性化剤(加硫促進助剤)を添加してもよい。加硫促進剤は主として硫黄架橋時に添加されるものであって、従来公知のチアゾール系、チウラム系、ジチオカーバメート系、スルフェンアミド系等のものが使用できる。加硫促進剤は、前記EPDMゴム等のゴム成分100重量部に対し、通常1〜10重量部程度使用される。また、加硫活性化剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を用いることができる。加硫活性化剤は、前記EPDMゴム100重量部に対し、通常0.1〜100重量部程度使用される。
【0041】〔その他の添加剤〕本発明の低弾性率高分子組成物には、品質向上等を目的に加工助剤、補強剤、着色剤、老化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、粘着付与剤等を適宜添加することができる。補強剤としてはシリカ、カーボンブラック等が挙げられ、前記熱可塑性エラストマー(A) ,オレフィン系ポリマー(B) およびゴム成分(C) の総量100重量部に対し0〜300重量部を添加できる。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレイ、炭酸マグネシウム等が挙げられ、前記(A) ,(B) および(C) の各成分の総量100重量部に対し0〜300重量部を添加できる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン等が挙げられ、前記(A) ,(B) および(C) の各成分の総量100重量部に対し0〜100重量部を添加できる。また、粘着付与剤としてはクマロン−インデン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂等や、液状ポリブデン、液状ポリイソプレン等の低分子成分等が挙げられ、前記(A) ,(B) および(C) の各成分の総量100重量部に対し0〜200重量部を添加できる。
【0042】〔低弾性率高分子組成物の調製〕本発明に係る低弾性率高分子組成物は、前記熱可塑性エラストマー(A) 、前記オレフィン系ポリマー(B) 、EPDMを含む前記ゴム成分(C) および軟化剤(D)を、適宜の添加剤とともに混練し、これに動的架橋を施すことによって調製することができる。すなわち、本発明に係る低弾性率高分子組成物は、例えば(i) ゴム成分(C) と適宜の加硫剤、加硫活性剤とを細断・混和する工程、(ii)熱可塑性エラストマー(A) に軟化剤(D) を加えて混和する工程、次いで(iii) これらの混和物を混合し、さらに必要に応じて架橋剤と適宜の添加剤を加えて、前記ゴム成分(C) の少なくとも一部が架橋されるように動的架橋を行う工程、を経ることによって得ることができる。
【0043】軟化剤(D) の量が多いときには、全成分を一度に混練機中や押出機中で混練しようとしても、スリップを起して均一な分散を達成できないことがある。この場合には、上記(i) の工程と(ii)の工程とに分けて軟化剤を混合すればよい。すなわち、まず軟化剤を前記熱可塑性樹脂に吸収させておき、これと細断したEPDMゴム(ここでゴム中に加硫剤を事前に練り込んでおく方が有利である)を合して混練することにより、均一な分散状態を得ることができる。
【0044】また、本発明に係る低弾性率高分子組成物は、熱可塑性エラストマー(A) 、オレフィン系ポリマー(B) およびゴム成分(C) を全てブレンドした上で、これに軟化剤(D) を吸収させて動的架橋を行うことによっても、得ることができる。動的架橋は、通常のゴム混練機を使用して実施することができる。例えば、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーを使用することが可能であって、とりわけ押出機、中でも二軸押出機が好適である。
【0045】架橋時の回転数は50〜400rpm程度に設定するのが好ましい。また、動的架橋は、通常160〜220℃で行われる。
〔シール材〕本発明のシール材は、上記の低弾性率高分子組成物を用いて作製されるものであって、好ましくは、ケーブルと筐体との隙間のシール材として用いられるものである。
【0046】本発明に係るシール材は、上記のように、好ましくは通信ケーブルのクロージャー等におけるシール材として使用されるものであるため、その硬度は、23℃における1/1サイズコーン針入度で規定するとき通常10以上であることを要する。この針入度は、前記範囲の中でも特に20以上であるのが好ましく、30以上であるのがより好ましい。シール材の形状は適宜に選択され、射出成形やプレス成形により作製できる。
【0047】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
〔高分子組成物の作製〕
実施例1軟化剤(D) としてのパラフィンオイル〔出光興産(株)製の商品名「ダイアナプロセスオイルPX−90」,流動点−45℃〕400重量部を、熱可塑性エラストマー(A) としてのSEEPS〔クラレ(株)製の商品名「セプトン4077」〕45重量部に添加し、十分にブレンドして吸収させた。
【0048】一方、EPDM〔成分C,住友化学工業(株)製の商品名「エスプレン532」,エチレン含有量51重量%,125℃におけるムーニー粘度81,ジエン成分(エチリデンノルボルネン)の含有比率3.5%〕50重量部と、樹脂加硫剤〔田岡化学(株)製の商品名「タッキロール250−III 」〕6重量部とをニーダーで混練し、細断されたゴムを得た。次いで、上記ブレンド物を、上記細断ゴムと、ポリプロピレン系ポリマー(B)としてのポリプロピレン系ポリマー(PP)〔日本ポリケム(株)製の商品名「ノバテック PP BC6」〕5重量部とともに混ぜ合わせて、押出機〔アイペックス社製,型番「HTM3838−2」〕で動的架橋を行った。この動的架橋は、押出機内の回転数が200rpm、温度が180℃の条件で行った。
【0049】こうして得られた高分子組成物は非常に柔軟であった。次いで、得られた高分子組成物を射出成型機〔住友重機械(株)製,型番「SG25−HIPRO MIIA」〕を用いて射出成形を行い、後述する物性評価を行った。
実施例2SEEPS(前出の「セプトン4077」)の使用量を40重量部としたほかは、実施例1に記載の手順と同様にして、軟化剤(前出の「ダイアナプロセスオイルPX−90」)を吸収させたブレンド物を得た。
【0050】次いで、上記ブレンド物を、実施例1に記載の手順と同様にして得られた、EPDM(前出の「エスプレン532」)および樹脂加硫剤(前出の「タッキロール250−III 」)からなる細断ゴムと、実施例1で使用したのと同じPP(前出の「ノバテック PP BC6」)10重量部とともに混ぜ合わせて、実施例1と同じ条件で動的架橋を行った。こうして得られた高分子組成物について、実施例1と同様にして射出成形し、後述する物性評価を行った。
【0051】実施例3SEEPS(前出の「セプトン4077」)の使用量を35重量部とし、かつ、PP(前出の「ノバテック PP BC6」)の使用量を15重量部としたほかは、実施例1と同様にして高分子組成物を作製し、これを射出成形して、後述する物性評価を行った。
実施例4ポリプロピレン系ポリマー(PP)として、前出の「ノバテック PP BC6」)に代えて、日本ポリケム(株)製の商品名「ノバテック PP MG05BS」〕15重量部を使用したほかは、実施例3と同様にして高分子組成物を作製した。また、これを射出成形して、後述する物性評価を行った。
【0052】実施例5ポリプロピレン系ポリマー(PP)としての、前出の「ノバテック PP BC6」)に代えて、PPホモポリマー〔日本ポリケム(株)製の商品名「ノバテック PP FY6H」〕15重量部を使用したほかは、実施例3と同様にして高分子組成物を作製した。また、これを射出成形して、後述する物性評価を行った。
【0053】比較例1SEEPS(前出の「セプトン4077」)の使用量を50重量部としたほかは、実施例1に記載の手順と同様にして、軟化剤(前出の「ダイアナプロセスオイルPX−90」)を吸収させたブレンド物を得た。次いで、上記ブレンド物を、実施例1に記載の手順と同様にして得られた、EPDM(前出の「エスプレン532」)および樹脂加硫剤(前出の「タッキロール250−III 」)からなる細断ゴム50重量部とともに混ぜ合わせて、実施例1と同じ条件で動的架橋を行った。
【0054】こうして得られた高分子組成物について、実施例1と同様にして射出成形し、後述する物性評価を行った。
比較例2SEPS〔クラレ(株)製の商品名「セプトン2063」〕100重量部に、軟化剤〔出光興産(株)製の「ダイアナプロセスオイルPW-380」,流動点−15℃〕500重量部を添加し、混練した。
【0055】こうして得られた混練物をプレス成形して、後述する物性評価を行った。
比較例3SEBS〔旭化成(株)製の商品名「タフテックH1075」〕100重量部に、軟化剤(前出の「ダイアナプロセスオイルPW−380」,流動点−15℃)500重量部を添加し、混練した。こうして得られた混練物をプレス成形して、後述する物性評価を行った。
【0056】比較例4EPDM(前出の「エスプレン532」)100重量部に、軟化剤(前出の「ダイアナプロセスオイルPX−90」,流動点−45℃)240重量部、カーボンブラック(ISAF)50重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸1重量部、硫黄1重量部、加硫促進剤M(2−メルカプトベンゾチアゾール)1重量部、加硫促進剤TET(テトラエチルチウラムジスルフィド)0.5重量部、加硫促進剤BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)0.5重量部、および加硫促進剤TTTE(テルリウムジエチルジチオカルバメート)0.5重量部を添加し、混練した。こうして得られた混練物をプレス成形して、後述する物性評価を行った。
【0057】なお、上記実施例および比較例で得た高分子組成物(成形物)の物性は次の方法により測定した。測定結果は、下記の表1および2に示すとおりである。
〔物性評価〕
(表面肌)この項目については、実施例1〜5および比較例1の射出成形物と、比較例2,3の混練物を射出成形したものについてのみ評価を行った。
【0058】評価は、成形物の表面の状態を目視で観察し、下記の基準で行った。
○:表面肌が良好であった。
×:表面に凹凸が生じているなど、何らかの不具合があった。
(引裂強度)上記実施例および比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の引裂強度を、JIS K 6252に記載の「加硫ゴムの引裂試験方法」の規定に従って測定した。
【0059】(耐擦れ性)上記実施例および比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の表面を爪で20回こすり、表面にめくれが生じているか否かを確認し、下記の基準で評価を行った。
○:表面のめくれが観察されなかった。
×:表面のめくれが観察された。
【0060】(針入度)上記実施例および比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の針入度を、JIS K 2220に記載されている「ちょう度測定法」の1/1サイズの円錐Aを使用して測定した。測定温度は23℃とした。
(圧縮永久歪み)上記実施例および比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の圧縮永久歪みを、JIS K 6262に記載の「加硫ゴムの永久ひずみ試験方法」の規定に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。
【0061】また、測定温度−30℃および−20℃でも同様にして測定した。−30℃、−20℃での測定は、試験片を圧縮から開放し、試験温度下で30分間放置後における厚みを測定して、圧縮永久歪みとした。低温下であってもシール用部材として使用するには、少なくとも−20℃での圧縮永久歪みが40以下であることが望ましい。
(粘着性)上記実施例および比較例で得られた成形物(射出成形物・プレス成形物)の粘着性を下記の基準で評価した。
○:シール材として十分な粘着性を示した。
△:シール材としては粘着性が過多であるか、あるいは不十分であった。
×:シール材として必要な粘着性が観察されなかった。
【0062】(リサイクル性)成形物を細断し、射出成形またはプレス成形できるかどうかにより判断した。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】表1中、「配合量」の単位は重量部である。表2中、「引裂強度」は伸びが大きすぎるため測定できなかった(*1)。また、「粘着性」の*2は「粘着性が強すぎる」ことを、*3は「粘着性が不十分」であることを示す。実施例1〜5で得られた高分子組成物は、射出成形およびリサイクルが可能で、成形・加工が容易で、かつ耐熱変形性が良好であるとともに、表1および2より明らかなように、表面肌、耐擦れ性、引裂強度のいずれにおいても優れていた。また、十分な針入度(柔軟性)と粘着性とを有しており、さらには、低温領域での圧縮永久歪み十分に抑制されていた。
【0066】従って、実施例1〜5の高分子組成物は、特に通信ケーブルのクロージャーにおけるシール材として好適な組成物であることが分かった。一方、比較例1で得られた高分子組成物は、射出成形時の表面状態については凹凸等がほとんど見られず、大きな不具合は見られなかったものの、押出成形に供したときには、ストランド状態において表面の凹凸が非常に大きく、表面肌が劣るという結果が得られた。また、比較例1の高分子組成物は、射出成形後においてその表面が脆く、2〜3回程度擦っただけで表面が剥がれ落ちる問題があった。
【0067】比較例2および3の成形物では、70℃でへたりを生じ、シール材として使用できない問題があった。また、比較例4の成形物では、容易にリサイクルできない問題があった。




 

 


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