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発明の名称 ゴルフボール用インク及びこれを用いた印刷方法及びゴルフボール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−262034(P2001−262034A)
公開日 平成13年9月26日(2001.9.26)
出願番号 特願2000−78703(P2000−78703)
出願日 平成12年3月21日(2000.3.21)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4J039
【Fターム(参考)】
4J039 AE05 AF04 
発明者 五十川 一彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 ゴルフボール本体表面にマークを印刷するためのインクであって、エポキシ樹脂及び着色剤を含むことを特徴とするゴルフボール用インク。
【請求項2】 さらに硬化剤としてイソシアネート化合物を含む請求項1に記載のゴルフボール用インク。
【請求項3】 エポキシ樹脂10〜50質量%、着色剤1〜30質量%、硬化剤1〜30質量%、及び溶剤20〜70質量%を含むゴルフボール用インク。
【請求項4】 ボール本体表面を粗面化する工程;前記粗面化されたボール本体表面に、請求項1〜3のいずれかに記載のインクを用いて、パッド印刷によりマークを印刷する工程を含むゴルフボールの印刷方法。
【請求項5】 ボール本体と、該ボール本体上に印刷されたマークとを含み、前記マークは、請求項1〜3のいずれかに記載のインクで形成されているゴルフボール。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッド印刷に好適なゴルフボール用インクに関するもので、ゴルフボール本体表面への下塗を必要とせず、外観に優れたマークを印刷することができ、しかもマークの耐久性に優れたゴルフボール用インク、当該インクを用いてマークを印刷する方法、及び当該インクで形成されたマークが印刷されたゴルフボールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールには、商標やその他の識別表示などを印刷している。従来、ゴルフボールのマーク等の印刷は、ボール本体表面に白色ペイントの塗布という前処理を行なった後、マークを印刷し、次に、外観や耐久性向上のためにクリア塗料を塗布していた。
【0003】しかし、近年、塗装工程簡略化の要求から、白色顔料を含有したアイオノマーでカバーを構成し、そのカバー表面に直接印字することが検討されている。例えば、特開平5−112746号公報に、ニトロセルロースを含有するインクが開示されている。このインクは、下塗処理をすることなく直接カバー表面に印字でき、しかも仕上げ用のクリア塗装工程へのボールの移送中に隣のボールと接触しても、インクが他のボールに転写することを防止できるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このインクは、未だアイオノマーカバーとの密着性が十分とは言えないため、ゴルフクラブでの繰り返し打撃やバンカーショットなどにより、クリアー塗膜が剥がれた場合、印字部分がクリアー塗膜に付着して剥がれてしまう場合があり、印刷されたマークの耐久性が十分とは言えない。
【0005】また、ボール本体へのマーク印刷としてパッド印刷があるが、インクのボール本体表面に対する密着性、パッドからボール本体への転移性が十分でないと、ボール本体にインクが転移されない部分がマークの欠け、ピンホールとなるため、印刷されたマーク外観が劣るという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マークの印刷に際して下塗を必要とせず、アイオノマー等からなるカバー又はボール本体表面に直接印刷して、欠け、ピンホールがない鮮明なマークを印刷できるとともに、ゴルフクラブによる繰り返し打撃やバンカーショット等によりゴルフボール最表層を形成しているクリア塗膜が剥がれても、マークは残っていることができる耐衝撃性、耐擦傷性に優れたマークを印刷できるゴルフボール用印刷インク、並びに当該インクを用いたマークの印刷方法及びゴルフボールを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のゴルフボール用インクは、ゴルフボール本体表面にマークを印刷するためのインクであって、エポキシ樹脂及び着色剤を含むことを特徴とし、さらに硬化剤としてイソシアネート化合物を含むことが好ましい。
【0008】また、本発明のゴルフボール用インクは、エポキシ樹脂10〜50質量%、着色剤1〜30質量%、硬化剤1〜30質量%、及び溶剤20〜70質量%を含む。
【0009】本発明のゴルフボールの印刷方法は、ボール本体表面を粗面化する工程;及び前記粗面化されたボール本体表面に、上記本発明のインクを用いて、パッド印刷によりマークを印刷する工程を含む。
【0010】本発明のゴルフボールは、ボール本体と、該ボール本体上に印刷されたマークとを含み、前記マークが上記本発明のインクで形成されているものである。
【0011】尚、本明細書において、「マーク」とは、商標等の識別標識に限らず、あらゆる文字、図形を含む概念である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のインクは、樹脂組成物またはゴム組成物からなるゴルフボール本体表面に絵柄、文字等のマークを印刷するためのインクであって、少なくともエポキシ樹脂及び着色剤を含み、好ましくは硬化剤を含んでいる。
【0013】エポキシ樹脂は、インクの基材樹脂として含まれており、分子内に2個以上のエポキシ基を有する樹脂で、硬化剤と反応して、架橋硬化することができる。
【0014】本発明で使用するエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であればよく、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;ギリシジルアミン型エポキシ樹脂などの熱硬化型エポキシ樹脂の他、光増感性を高めるために、アクリロイル基やメタクリロイル基を導入した光増感型エポキシ樹脂も用いることができる。
【0015】エポキシ樹脂のヒドロキシル価は、50以上が好ましく、より好ましくは100以上、さらに好ましくは150以上、特に180以上である。ヒドロキシル価の好ましい上限は300以下であり、より好ましくは250以下であり、さらに好ましくは195以下である。ここで、ヒドロキシル価とは、エポキシ樹脂中に含まれる水酸基量の目安となる値で、具体的にはアセチル化して得られるアセチル化物をケン化し、結合アセチル基を酢酸として中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。ヒドロキシル価50未満では、エポキシ樹脂と硬化剤の架橋硬化が不十分となるなど、マークの耐久性が低下し、また300超では多量の硬化剤を配合する必要も所持、反応性が高くなりすぎて作業性が低下しやすくなるからである。
【0016】熱硬化型エポキシ樹脂は硬化剤との反応により、光増感型エポキシ樹脂は紫外線照射により光増感剤から生じたラジカル反応により、3次元硬化反応が進行する。硬化剤存在下での加熱、光増感剤存在下での紫外線照射による硬化反応は迅速に進行し、次のクリアペイント工程の移送中に隣のボールにインクが転写されることを防止できるとともに、網状構造を形成するように硬化して、耐擦傷性に優れたマークを形成できる。
【0017】また、エポキシ樹脂中に存在する水酸基の寄与により、ボール本体表面、特にアイオノマーカバーとの親和性に優れ、下塗をしなくても、直接マークを印刷することができる。さらに、分子の主鎖結合がエーテル結合であり、このエーテル結合は分子の自由回転性を大きくするので、形成されるマークに柔軟性、可撓性を与えることができる。つまり、打球時のボールの変形に追随できるマークを形成できるので、打球の繰り返しによるマークのひび割れ、剥がれを抑制できる。
【0018】熱硬化型エポキシ樹脂と併用される硬化剤としては、エポキシ基に付加する塩基性または酸性の活性水素を複数個含む化合物又はエポキシ基を触媒的に重合させる塩基または酸性化合物であればよく、アミン類、酸無水物、イソシアネート化合物、レゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。これらのうち、イソシアネート化合物が好ましく用いられる。
【0019】上記アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン類;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族アミン類が挙げられる。
【0020】上記酸無水物としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等の脂肪族酸無水物;メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物;無水ヘット酸等のハロゲン系酸無水物などが挙げられる。
【0021】上記イソシアネート化合物としては、2以上のイソシアネート基を有するものがよく、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートなどの脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族ジイソシアネート化合物などが挙げられる。これらのうち、マーク自体の耐久性、及び仕上げペイントで形成されるクリア塗膜との密着性の点からヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
【0022】光増感剤としては、ブレンステッド酸のオニウム塩類が用いられる。具体的には、ジアゾニウム塩の分解により対応するルイス酸を生成する芳香族ジアゾニウム塩;分解によりブレンステッド酸を生成し、エポキシ基を重合させる芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。
【0023】本発明のインクに含まれる樹脂としては、上記エポキシ樹脂を主体として、その他の樹脂を含有していてもよい。その他の樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
【0024】インクにおけるエポキシ樹脂の含有率は、10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上である。一方、エポキシ樹脂の含有率の上限は、50質量%が好ましく、より好ましくは45質量%である。10質量%未満では、インクとボール表面との密着性が低下するおそれがあり、50質量%超では相対的に着色剤の含有率が少なくなるために、マークの色度が薄くなり、これを防ぐためにインクを厚く塗布しなければならず、仕上げペイントで形成されるクリア塗膜の密着性低下の原因となるからである。
【0025】インクにおける硬化剤の含有率は1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上である。硬化剤の含有率の上限は、30質量%が好ましく、より好ましくは25質量%である。1質量%未満では硬化時間が長くなって生産性が低下しやすくなり、30質量%超では硬化が速くなりすぎてインクのポットライフが短くなり、作業性が低下しやすくなるからである。
【0026】本発明に使用する着色剤は特に限定はなく、従来公知のものを使用できる。例えば、黒色顔料として、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック;黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ;橙色顔料として、赤口黄鉛、モリブテンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK;赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B;紫色顔料として、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ;青色顔料として、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC;緑色顔料として、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG;白色顔料として、シリカ、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛バライト粉、炭酸バリウム、クレー、タルク、アルミナホワイト等を使用できる。
【0027】インクにおける着色剤の含有率は印刷するマークの濃度などから適宜決定すればよいが、1質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上である。また、着色剤の含有率の上限は、30質量%が好ましく、より好ましくは25質量%である。1質量%ではマークの色度が薄くなり、30質量%を越えると、ボール本体に対するインクの密着性が低下するからである。
【0028】本発明のインクは、前記エポキシ樹脂、着色剤、硬化剤(又は光増感剤)の他、溶剤を含むことが好ましく、更に酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0029】溶剤としては、エポキシ樹脂と相溶性があるものを使用することが好ましい。例えば芳香族炭化水素(トルエン、キシレン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル系溶媒(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン等)、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)などを挙げることができる。インクにおける溶剤の含有率は20質量%以上が好ましく、より好ましくは30質量%以上である。溶剤の含有率の上限は、70質量%が好ましく、より好ましくは60質量%である。溶剤の含有率が20質量%より少ないと、パッドからゴルフボール表面へマーク転移しにくくなり、印刷されたマークにピンホールができるなど、マーク外観の低下の原因となるからである。70質量%超では、マーク形成後の乾燥に長時間を要するため生産性が低下するだけでなく、マークに滲みが生じたり、相対的に樹脂分及び着色剤が少なくなって形成されるマークに欠けやピンホールが生じたりする原因となるからである。
【0030】本発明のインクは、ボール本体表面に下塗することなく、直接印刷することができる。すなわち、アイオノマーを主成分とする熱可塑性樹脂材料からなるカバーに対しても、ワンピースゴルフボールのように表面がゴム材料のボール本体に対しても、直接マークを印刷することができる。特に、アイオノマーを含有する樹脂製カバーへ直接マークを印刷するのに用いられるインクとして好適である。本発明のインクの主成分たるエポキシ樹脂が、アイオノマーに対して親和性が高く、密着性のよいマークを形成できるためと考えられる。但し、本発明のインクは、ボール本体に下塗りを行なった後、マーク印刷する従来の印刷方法に適用することもできる。
【0031】次に、本発明のマーク印刷方法について説明する。
【0032】本発明のマーク印刷方法は、ボール本体表面を粗面化する工程;前記粗面化されたボール本体表面に、上記本発明のインクを用いて、パッド印刷によりマークを印刷する工程を含む。
【0033】対象となるボール本体としては、ゴム製コアまたは糸巻きコアに、アイオノマーを主成分とする熱可塑性樹脂材料からなるカバーを有するマルチピースゴルフボール本体であってもよいし、表面がゴム材料であるワンピースゴルフボール本体であってもよい。
【0034】具体的なカバー材料としては、アイオノマー樹脂;ポリウレタン系やポリアミド系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0035】具体的なゴム材料としては、基材ゴムとしてのジエン系ゴム、架橋剤としての有機過酸化物、共架橋剤としての不飽和カルボン酸又はその金属塩、その他必要に応じて比重調整剤や老化防止剤、可塑剤、分散剤、紫外線吸収剤、着色剤、しゃ解剤などの添加剤を必要に応じて適宜配合したゴム組成物が用いられる。前記基材ゴムとしてはジエン系ゴムであれば、天然ゴムでも合成ゴムでもよく、合成ゴムとしては、例えばエチレンプロピレンジエン3元共重合体(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の1種又は2種以上の混合物が好ましく用いられる。
【0036】ボール本体を粗面化する工程は、具体的には、サンドブラスト処理やバレル磨きなどが該当する。ボール本体表面の粗面化は、ボール本体とインクの接着性を高めるとともに、印刷後に行なう仕上げ塗料との接着性を高めるという効果がある。
【0037】次に行なう印刷工程は、前記粗面化されたボール表面に、下塗することなく直接、本発明のインクを用いてマークをパッド印刷する工程である。パッド印刷とは、マーク形状の凹部にインクを充填し、この凹部にパッドを押し付けることによりマーク形状のインクをパッドに転移し、次いでパッドをボール本体表面に押し付けることにより、マーク形状のインクをボール本体に転移する印刷方法である。このようなパッド印刷は、ディンプルのような多数の凹部を有するボール本体表面にも良好に印刷することができる点で、ゴルフボールのマーク印刷方法として適している。また、本発明のインクは、転移性に優れているので、パッドを介してマークを画成するインクをボール本体へ転移するようなパッド印刷に好適である。
【0038】印刷後、ボール本体表面に直接印刷されたマーク、すなわち本発明のインクで形成されるマークを乾燥硬化させる。乾燥硬化工程は、放置しておくだけでもよいし、硬化反応を促進するために30〜70℃の熱風を当てることによって行ってもよい。
【0039】乾燥後、仕上げに、マークを含めてボール本体表面全体にクリア塗料を塗布することが好ましい。ボール外観を向上させるとともに、マーク保護の点からも有効である。クリア塗膜は1層であってもよいし、プライマーコート、トップコートという2回塗りであってもよい。
【0040】ここで用いられるクリアペイントとしては、従来より用いられているクリアー塗料、具体的には、複数のOH基を有するポリオールを含む主剤と、複数のNCO基を有するイソシアネートを含む硬化剤とを有する2液硬化型のポリウレタン塗料が挙げられる。複数のOH基を有するポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオールなどを挙げることができ、複数のNCO基を有するイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどを挙げることができる。
【0041】本発明のゴルフボールは、ボール本体表面に、上記本発明のインクで形成されるマークが付着したものである。
【0042】ボール本体としては特に限定はなく、上記本発明の印刷方法で挙げたボール本体、すなわちゴム製コアまたは糸巻きコアに、アイオノマーを主成分とする熱可塑性樹脂材料からなるカバーを有するマルチピースゴルフボール本体や、表面がゴム材料であるワンピースゴルフボール本体が用いられる。
【0043】マークは、上記ボール本体表面に直接印刷されていてもよいし、下塗り層を介して印刷されていてもよい。ボール本体表面に直接印刷されている場合、ボール本体表面は粗面化されていてもよいし、粗面化されていなくてもよい。
【0044】マークは、本発明のインクが硬化してできたもので、耐擦傷性、耐衝撃性に優れている。
【0045】マークを印刷する方法は特に限定しないが、上記本発明の印刷方法、すなわちパッド印刷を利用することが、ピンホールのない鮮明なマークを形成するのに有効である。
【0046】本発明のゴルフボールの最表面層はクリア塗膜であることが好ましい。すなわち、マークを含めて、ボール本体表面全体に、クリア塗膜が形成されることが好ましい。ボール外観がこれにより向上するとともに、マーク保護の点からも有効だからである。尚、クリア塗膜としては、上記印刷方法で挙げたクリア塗料の硬化膜、すなわちポリウレタン膜が好適に用いられる。
【0047】
【実施例】〔評価方法〕
■マーク外観調製したインクを用いてパッド印刷方法で、ボール全体にマークを印刷した。印刷後のマークの様子を目視で観察し、ピンホールの有無を確認した。
【0048】ピンホールが発生していなければ「○」、ピンホールが発生していた場合には「×」とした。
【0049】■耐衝撃性ツルーテンパー社製スイングロボットを用いて、ウッド型クラブ#1でヘッドスピード45m/secの条件で繰り返し打撃を200回行い、目視でマークの剥離程度を観察し、下記基準に基づいて評価した。
◎:マーク剥離なし○:1mm2未満のマーク剥離あり△:1mm2以上〜2mm2未満のマーク剥離あり×:2mm2以上のマーク剥離あり【0050】■耐擦傷性上記スイングロボットを用いて、サンドウェッジでバンカーショットを50回行った後、目視でマークの状態を観察し、マークの摩耗による欠け、カスレの程度に応じて、下記基準で評価した。
◎:マークの摩耗による欠け及びカスレなし○:1mm2未満の欠け、カスレが認められる△:1mm2以上〜2mm2未満の欠け、カスレが少し認められる×:2mm2以上の欠け及びカスレが認められる【0051】〔インクの調製〕以下、「部」とあるのは、質量部のことを示す。
【0052】実施例;ナビタス社製のエポキシ樹脂(ヒドロキシル価190)を含有するインク(PAD−EPH)21部に、着色剤としてフタロシアニンブルーを9部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを7部、溶剤としてシクロヘキサノン、芳香族炭化水素及びメトキシメチルブチルアセテートを49部、及びその他の添加剤(つや消し剤)を14部を混合して、本発明実施例に該当するゴルフボール用インクを調製した。
【0053】比較例;エポキシ樹脂を含有するインク(PAD−EPH)に代えて、ニトロセルロース系樹脂を含有するインク(PAD−1インク)を用いた以外は、実施例と同様にして、比較例に該当するゴルフボール用インクを調製した。
【0054】〔ゴルフボールの作製〕
ゴルフボールNo.1,3の作製;アイオノマーを主成分とする材料からなるカバーを有するツーピースゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理した後、実施例及び比較例のインクを用いて、マークをパッド印刷し、印字後、23℃で60分間乾燥した後、クリア塗料を塗布して、クリア塗膜を形成し、ゴルフボールNo.1,3を製造した。ここでクリア塗料としては、ポリウレタン系の塗料を用いた。
【0055】ゴルフボールNo.2,4の作製;ボール本体の表面のサンドブラスト処理後、さらに下塗(ポリウレタン系のエナメル塗料)をし、その下塗り層上にマークを印刷した以外は、No.1(実施例のインク)及びNo.3(比較例のインク)と同様にした。
【0056】作製したボールについて、耐衝撃性、耐擦傷性、マーク外観を上記評価方法に基づいて評価した。結果を、インク組成をともに、表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】表1からわかるように、実施例のインクを用いて形成したマークは、耐衝撃性、耐擦傷性に優れていたが、比較例のインクを用いて形成したマークは、耐擦傷性、耐衝撃性に劣っていた。
【0059】また、マークの外観については、比較例のインクを用いた場合には、下塗りをしなければ、ピンホールのない鮮明なマークを印刷できなかったのに対し、実施例のインクを用いれば、下塗りの有無に拘わらず、ピンホールのない鮮明なマークを印刷できることがわかる。
【0060】
【発明の効果】本発明のゴルフボール用インクは、耐衝撃性、耐擦傷性という耐久性に優れ、しかも転移性に優れるため、パッドを介してマークを印刷するパッド印刷によっても、ピンホールのない鮮明なマークを印刷することができる。しかも、ボール本体表面、特にアイオノマーを含有する樹脂製カバーとの親和性に優れるので、下塗をしなくても、ピンホール等のない鮮明なマークを印刷できる。
【0061】よって、本発明のゴルフボール用インクを用いれば、塗装工程の省略の要求に応えて、しかも鮮明で耐久性に優れたマークを有するゴルフボールを製造することができる。




 

 


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