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発明の名称 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−261964(P2001−261964A)
公開日 平成13年9月26日(2001.9.26)
出願番号 特願2000−398703(P2000−398703)
出願日 平成12年12月27日(2000.12.27)
代理人 【識別番号】100075155
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F070
4H017
4J002
5G375
【Fターム(参考)】
4F070 AA63 AB08 AC05 AE08 GA06 GA08 GB03 GC05 
4H017 AA31 AB17 AC01 AC16 AE02 AE05
4J002 AE051 BB153 BP012 BP032 CC054 DA046 FD010 FD021 FD130 FD144 FD146 FD150 GJ02 GQ00
5G375 AA08 BA26 BB01 CA02 CB03 DB23
発明者 榊 俊明 / 溝口 哲朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物および/またはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含むゴム成分、および(C)前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し軟化剤200重量部以上を含有し、前記(B)の少なくとも一部が動的架橋により架橋されていることを特徴とする低弾性率高分子組成物。
【請求項2】エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含むゴム成分の架橋が樹脂加硫剤によってなされている請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項3】軟化剤がパラフィンオイルである請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項4】パラフィンオイルの流動点が−35℃以下である請求項3記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項5】スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物が、エチレン−プロピレンを交互に繰り返すブロックとエチレン単独からなるブロックの両ブロックを有するスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体を含有する請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項6】軟化剤を前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し300重量部以上含有する請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項7】エチレン−プロピレン−ジエンゴム中のエチレン含量が55重量%以下である請求項1記載の低弾性率高分子組成物。
【請求項8】(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物および/またはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、(B)少なくとも一部が動的架橋により架橋されているエチレン−プロピレン−ジエンを含むゴム成分、および(C)前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し軟化剤200重量部以上を含有し、前記(B)の少なくとも一部が動的架橋により架橋されている低弾性率高分子組成物を用いることを特徴とするシール材。
【請求項9】ケーブルと筐体との隙間のシール用である請求項8記載のシール材。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂(SEPS、SEBS)とゴム(EPDMを含む)との組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は前記高分子材料を含有し、広範囲の温度下においても圧縮永久歪が小さく柔軟性に優れ、白己粘着性を有する低弾性率高分子組成物とそれを用いた通信ケーブルクロージャー等のシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通信ケーブルクロージャー等のシール材としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(本明細書ではSEPSと略称することがある)、さらにはエチレン−プロピレン−ジエンゴム(本明細書ではEPDMと略称することがある)が用いられている。そしてこれらの高分子材料に軟化剤として流動点が−20℃以上、特に−5℃のパラフィンオイルが多く添加されている。
【0003】なお、ここでいうクロージャーとは電線や光ファイバーの分岐・接続のための容器である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EPDMからなるシール材は長時間の加硫工程が必要であり、また最近は環境保護の面から資源のリサイクルが叫ばれているが、ゴム単独ではリサイクルが実用上不可能に近く、超臨界水を用いたり、高濃度のオゾンで分解するなど高価な設備を必要とし、非常に手間のかかる方法でしかリサイクルができない。
【0005】一方、SEPSやSEBSは熱可塑性樹脂に属するものであるが、これらを用いたシール材は、高温で変形し、また高流動点のオイルを用いるために-30℃での低温で圧縮永久歪が非常に増大するという性質がある。圧縮永久歪が大きくなることは、シール性能の悪化をもたらし、水の侵入を引き起こしたり内部ガスがリークするなどの問題が出てくる。また、EPDMゴム組成物は種々の用途に向けて成分の異なるいくつかのものが知られているが、通信ケーブルクロージャーの分野においてシール用として使用しようとするときは、やはり−30℃〜0℃の低温領域でも圧縮永久歪が小さく柔軟性に優れていることが要求される。しかしながら、これまでに知られたEPDM組成物を低温領域における前記シール用に供することは、特性面から困難である。例えば、従来公知の組成物では、−20℃での圧縮永久歪みが90%を越え、また室温と−20℃では硬度の変化も非常に大きいことから、−20℃のような低温におけるシール性が悪化し、もれが発生する恐れがある。また硬度が上昇することによって、シールに必要な圧縮が十分に行えないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明者らは、上記課題を解決するために種々研究した結果、SEPSやSEBSとEPDMを動的架橋によりアロイ化することにより、意外にも射出成形ができるばかりかリサイクルも可能であり、高温でも変形が小さく、また低温での圧縮永久歪を小さくできることを知見し、さらに検討して本発明を完成したものである。
【0007】すなわち、本発明は、1)(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物および/またはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含むゴム成分、および(C)前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し軟化剤200重量部以上を含有し、前記(B)の少なくとも一部が動的架橋により架橋されていることを特徴とする低弾性率高分子組成物、2)エチレン−プロピレン−ジエンゴムの架橋が樹脂加硫剤によってなされている上記1)記載の低弾性率高分子組成物、3)軟化剤がパラフィンオイルである上記1)記載の低弾性率高分子組成物、4)パラフィンオイルの流動点が−35℃以下である上記3)記載の低弾性率高分子組成物、5)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物が、エチレン−プロピレンを交互に繰り返すブロックとエチレン単独からなるブロックの両ブロックを有するスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体を含有する上記1)記載の低弾性率高分子組成物、6)軟化剤を前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し300重量部以上含有する上記1)記載の低弾性率高分子組成物、7)エチレン−プロピレン−ジエンゴム中のエチレン含量が55重量%以下である上記1)記載の低弾性率高分子組成物、8)(A)スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物および/またはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含むゴム成分、および(C)前記高分子材料(A)と(B)の合計量100重量部に対し軟化剤200重量部以上を含有し、前記(B)の少なくとも一部が動的架橋により架橋されている低弾性率高分子組成物を用いることを特徴とするシール材、および9)ケーブルと筐体の隙間のシール用である上記8)記載のシール材、である。
【0008】本発明の低弾性率高分子組成物は、前記のような組成を有するものであり、その低弾性率の程度はJIS A硬度で表わすときが通常10以下である。また、シール部材としては、その硬度を23℃における1/1サイズコーン針入度で規定するとき、10以上、好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上であるが、本発明の高分子組成物の硬度はこの規定を充分満足する程度に低弾性率である。また、実用上、射出成形が可能な程度に低弾性率である。
【0009】本組成物は、柔軟であってかつ低温でも圧縮永久歪が小さく、射出成形で容易に成形可能であり、また成型物を細断して再度射出成形できること、すなわちリサイクル性があり、この点においてもシール材として好適である。本発明の低弾性率高分子組成物は、軟化剤の存在下でEPDMを含むゴム成分(以下、単に「EPDMゴム」と称することがある)(B)を前記の熱可塑性樹脂(A)とアロイ化したものである。ここでいうアロイ化は、熱可塑性樹脂(A)がEPDMゴムと均一に混和されていて、熱可塑性樹脂を海相とすればその中にEPDMゴムが島相で存在する状態と考えられる。
【0010】前記熱可塑性樹脂(A)はそれ単独では70℃以上の高温下で変形する性質を有しているが、本発明の組成物は高温下においてもこのような変形が実質上阻止されおり、しかも低温下においてはEPDMゴムの有する特性(低温での圧縮永久歪が小さい)を保持する。すなわち、前記熱可塑性樹脂単独では達成できない低温での圧縮永久歪が小さいという機能が付与されている。しかも前記熱可塑性樹脂と同様に150℃以上で射出成形による成形が可能であり、またシール材として使用後は単に破砕するだけでリサイクルすることもできる。
【0011】EPDMゴムと前記熱可塑性樹脂(A)との配合比は、上記の機能が発揮するように選択されるが、通常はEPDMゴムが25〜75重量%、前記熱可塑性樹脂(A)が75〜25重量%の範囲であり、好ましくは30〜70重量%/70〜30重量%の割合である。EPDMゴム量が多くなり過ぎると動的架橋が困難になり、押し出し成形を実施しようとしても適当な成形物が得られなくなる。一方、EPDMゴム量が少なすぎると圧縮永久歪が大きくなり柔軟性に欠けてくる。
【0012】本発明の低弾性率高分子組成物において、軟化剤は柔軟性を付与するための機能を果たすが、とりわけ流動点が−35℃以下のパラフィンオイルを添加することにより、低温下での柔軟性が確保され、圧縮永久歪を小さくすることができる。また、本発明の組成物はその中のEPDMの少なくとも一部が動的架橋されることが特徴である。ここでいう動的架橋は、前期熱可塑性樹脂とEPDMを高温溶融状態でブレンドし、これにゴムを架橋する薬剤を添加することによって、混合中にEPDMゴムを架橋させ、前記熱可塑性樹脂中に前記ゴムを微分散させる手法である。この動的架橋によって、上記のアロイ化が均一かつ効率よく達成でき、上記のような性能が付与される。
【0013】ここで、EPDMの少なくとも一部が動的架橋されている状態は、得られた低弾性率高分子組成物を溶剤に溶解したときに、不溶成分が架橋を施す前の溶剤不溶成分量よりも多くなっているかどうかによって判定できる。換言すると、動的架橋前の不溶分(%)と動的架橋後の不溶分(%)を比較して、後者が多い状態をいう。クロージャー材料としては非常に柔軟で、追従性が要求される他に、耐候性、耐老化性、使用温度下で弾性を有すること(低圧縮永久歪)が必要となる。本発明の組成物を構成する前記熱可塑性樹脂およびEPDMゴムは主鎖に二重結合を有しないために、非常に耐候性に優れる。さらに二重結合を有しないために、耐老化性に優れている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。[熱可塑性樹脂(A)]シール材用の熱可塑性樹脂(A)として、前記のような針入度にするためには、軟化剤なしでも柔軟性を有するものが望まれる。室温下において、軟化剤を要することなくゴム状弾性を有する熱可塑性樹脂としてはスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIS)やその水素添加物(SEPS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やその水素添加物(SEBS)、さらにスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。ここで、耐候性を考慮するとソフトセグメントに二重結合をほとんど有しないSEPSやSEBS、ソフトセグメントに二重結合を全く有しないSIBSが適しているが、SIBSは圧縮永久歪が大きい点で好ましくない。従って、本発明ではSEPSおよび/またはSEBSが使用されるが、ここでいうSEPSとしてはエチレンユニットがブロック状に入ったSEEPSも包含する。
【0015】なお、SEPSはSISに水素添加したものであるが、エチレンとプロピレンは必ず交互に並んでいる。SEEPSではこのエチレンとプロピレンの交互に並んだユニットの他にエチレンのみによるユニットがブロック状に存在する。ブロック共重合体中のスチレン(ハードセグメントに相当)量が少ないと室温下での弾性が減少し(すなわち、圧縮永久歪が大きくなる)、多いと硬くなり過ぎる。通常、スチレン量は10〜35重量%であることが好ましい。
【0016】次に、前記熱可塑性樹脂の分子量はその値が大きいほど強度が高くなり、また軟化剤の吸収量が大きくなることからみて有利である。この点において分子量は一般的に10万以上であることを要し、好ましくは15万以上、さらに好ましくは20万以上である。なお、コーン針入度の上限としては特に限定はないが、取り扱いを考慮すると一般的に200以下がよく、好ましくは150以下、さらに好ましくは100以下である。
【0017】[EPDMを含むゴム成分(B)]EPDMは、前記熱可塑性樹脂(A)と混和されるゴムとして、親和性、耐候性、圧縮永久歪を考慮すると好適である。本発明においては、EPDMと共にEPDM以外のゴムをブレンドすることを妨げるものではないが、ゴム中のEPDM量は50重量%以上とするのが好ましい。EPDMはそのエチレン量が高いとき、強度も高くなり、軟化剤の高充填が可能になるが、その一方で0℃以下の低温で結晶化し急激に硬度が上がり圧縮永久歪みが大きくなる。そのために、シール材のように低温下でも機能が発揮される分野、特にケーブルクロージャー用シール材の場合は、エチレン量が60重量%以下、好ましくは55重量%以下のEPDMが用いられる。
【0018】EPDMを構成するジエンとしては、エチリデンノルボーネン、ジシクロペンタンジエンが一般的であるが、本発明におけるEPDMはいずれのジエンであってもよい。EPDM中のジエン量は、その量が多いときは加硫速度が早くなる点において有利であるが、耐候性、耐老化性を考慮して通常15重量%以下であるものが用いられ、好ましくは10重量%以下である。
[軟化剤(C)]軟化剤は、EPDM、SEPS,SEBS等と親和性の高いものが好ましく使用されるが、通常パラフィンオイルが好適である。そのなかでも、低温下でもシール材等としての機能発揮させる目的からは、ロウ成分を除去して流動点を下げたものが好ましく用いられる。すなわち、パラフィンの流動点はJIS K2269の測定基準において一般的に−15℃であるが、上記のように低温特性が要求される分野においては−35℃以下の流動点を有するものが好ましい。このようなパラフィンオイルの具体例としては、ダイアナプロセスPX−90(出光興産株式会社製、流動点−45℃)が挙げられる。
【0019】軟化剤の量は、一般に所望のシール材硬度に合うように添加されるが、通常は前記熱可塑性樹脂(A)と前記EPDMゴム(B)の合計量100重量部に対し150重量部以上を要し、好ましくは200重量部以上、さらに好ましくは300重量部以上である。添加の上限量は、本発明組成物が目的とする機能を損なわない限りにおいて特に制限はないが、一般的に前記合計量100重量部に対し、約1000重量部までである。
【0020】[架橋剤、加硫促進剤および加硫活性化剤]本発明において、EPDMゴムを架橋するための架橋剤としては、硫黄や、通常の樹脂型加硫剤が使用可能であり、とりわけ樹脂型加硫剤を有利に用い得る。樹脂型加硫剤の例としては、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が挙げられ、その具体例としてはタッキロール(田岡化学製)がある。樹脂型加硫剤を用いるとき、硫黄よりも加硫が迅速に起る。架橋剤は、前記EPDMゴム100重量部に対し、通常2〜20重量部、好ましくは5〜17重量部使用される。
【0021】前記架橋剤に加えて、加硫促進剤、加硫活性化剤を添加してもよい。加硫促進剤は主として硫黄架橋時に添加されるが、通常のチアゾール系、チウラム系、ジチオカーバメート系、スルフェンアミド系等のものが使用できる。加硫促進剤は、前記EPDMゴム100重量部に対し、通常2〜20重量部程度使用される。また、加硫活性化剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を用いることができる。加硫活性化剤は、前記EPDMゴム100重量部に対し、通常0.1〜100重量部程度使用される。
【0022】[その他の添加剤]本発明の低弾性率高分子組成物には、品質向上等を目的に加工助剤、補強剤、着色剤、老化防止剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、難燃剤、粘着付与剤等を適宜添加することができる。補強剤としてはシリカ、カーボンブラック等が挙げられ、前記熱可塑性樹脂(A)と前記EPDMゴム(B)の合計量100重量部に対し0〜300重量部を添加できる。充填剤としては、炭酸カルシウム、クレイ、炭酸マグネシウム等が挙げられ、前記熱可塑性樹脂(A)と前記EPDMゴムゴム(B)の合計量100重量部に対し0〜300重量部を添加できる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン等が挙げられ、前記熱可塑性樹脂(A)と前記EPDMゴム(B)の合計量100重量部に対し0〜100重量部を添加できる。また、粘着付与剤としてはクマロン−インデン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂等や、液状ポリブデン、液状ポリイソプレン等の低分子成分等が挙げられ、前記熱可塑性樹脂(A)と前記EPDMゴム(B)の合計量100重量部に対し0〜200重量部を添加できる。
【0023】[低弾性率高分子組成物の調製]本発明組成物の調製は、前記熱可塑性樹脂(A)、前記EPDMを含むゴム成分(B)および軟化剤(C)を、適宜の添加剤と共に混練し、動的架橋することによって実施される。すなわち、この調製は、(i)EPDMゴム、加硫剤・加硫活性剤、熱可塑性樹脂および軟化剤と、その他の添加成分を混練、ブレンドする工程と、(ii)これらの混和物をEPDMの少なくとも一部が架橋されるように動的架橋に付する工程、により行われる。
【0024】上記の混練、ブレンド工程は、ゴムの種類、添加剤の種類等に対応して次のように実施するのが有利である。
1)樹脂型加硫剤を用いる場合ゴム成分が混練によって粉末化する場合は、ゴムを粉末化し、これに樹脂型加硫剤、加硫活性剤を添加し、次いで熱可塑性樹脂を加えてから、軟化剤を添加して、ブレンドし吸収させる。軟化剤は、熱可塑性樹脂に添加してそれとゴムをブレンドしてもよい。
【0025】一方、ゴム成分が混練によって粉末化しない場合は、ゴムに加硫活性剤、充填剤等を添加して混練し、ペレタイザーでペレット化する。このものに熱可塑性樹脂と樹脂型加硫剤を加え、次いで軟化剤を添加して、よくブレンドし吸収させる。この方法によると、樹脂型加硫剤と混練により粉末化しないゴムとの混練を続けることによって起るゴム焼けを防止できる。
2)硫黄系加硫剤を用いる場合ゴム成分が混練によって粉末化する場合は、前記樹脂型加硫剤を使用するときと同様に、ゴムを粉末化して、これに硫黄系加硫剤、加硫活性剤を添加し、次いで熱可塑性樹脂を加えてから、軟化剤を添加して、ブレンドし吸収させる。軟化剤は熱可塑性樹脂に添加して、それをゴムとブレンドし、吸収させてもよい。
【0026】一方、ゴム成分が混練によって粉末化しない場合は、ゴムに硫黄、加硫促進剤、加硫活性剤、充填剤等を添加し混練し、ペレタイザーでペレット化する。このものに熱可塑性樹脂と樹脂型加硫剤を加え、次いで軟化剤を添加して、よくブレンドし吸収させる。軟化剤の量が多いときは、全成分を一度に混練機中や押出機中で混練しようとしても、スリップを起して均一な分散を達成できないことがある。この場合、軟化剤は熱可塑性樹脂とゴム成分の両方に、時間をかけて吸収させることによってスリップを起こすことなく混練できる。
【0027】次に、上記の混練工程の後、動的架橋工程に付するが、この工程は通常のゴム混練機を使用して実施できる。例えば、ニーダーやバンバリーミキサーを使用することも可能であるが、とりわけ押出機、なかでも二軸押出機が好適であり、回転数は50〜500rpm程度がよい。動的架橋は、通常160〜200℃で行われる。[シール材]本発明のシール材は、上記の低弾性率高分子組成物を用いて作製される。シール材は、その硬度が23℃における1/1サイズコーン針入度で規定するとき通常10以上であることを要し、20以上であると好ましく、30以上であるとさらに好ましい。シール材の形状は適宜に選択され、射出成形により作製できる。上記の低弾性率高分子組成物は、例えばケーブルと筐体との隙間のシール用として好適である。
【0028】
【実施例】以下に、実施例および比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例で得た高分子組成物の物性は次の方法により測定し、後述の表1(実施例)および表2(比較例)に示した。
[試験方法]
圧縮永久歪: JIS K6262の方法に従い、測定温度70℃、測定時間24時間で測定した。また、測定温度−30℃および−20℃でも同様にして測定した。−30℃、−20℃では圧縮から開放後、試験温度下のまま30分間放置後の厚みを測定し、圧縮永久歪を測定した。ゴム組成物が低温下であってもシール用部材として使用できるためには、−20℃での圧縮永久歪が40以下であることが好ましい。
【0029】コーン針入度: JISK2220のちょう度測定法に従い、1/1サイズの円錐Aを使用して測定した。測定温度は23℃とした。
リサイクル性: 成形物を細断し、射出成形またはプレス成形できるかどうかにより判断した。
○ ;リサイクルできる。
× ;リサイクルできない。
【0030】実施例1EPDM(住友化学工業製のエスプレン532;エチレンとプロピレンの合計量100に対するエチレンの含量;51重量%、125℃におけるムーニー粘度;81、ジエン:エチリデンノルボーネン比率3.5%、ジエン成分;ENB)50重量部、樹脂加硫剤(田岡化学製、タッキロール250−II)6重量部、亜鉛華2.5重量部とをニーダーで混練し、粉砕されたゴムを得た。一方、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン4077)50重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPX−90)400重量部を添加して、よくブレンドし、吸収させた。これに、前記の細断ゴムを混ぜ合わせ2日間放置した後、押出機(アイペックス製、HTM3838−2)で動的加硫を行った。このときの回転数は200rpm、温度は170℃とした。かくして得られた高分子組成物は非常に柔軟であった。この高分子組成物を射出成型機(住友重機械製、SG25−HIPRO MIIA)を用いて成形し、物性を測定した。
【0031】実施例2スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン4077)50重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPX−90)400重量部を添加して、よくブレンドし、吸収させた。これに、EPDM(住友化学工業製、エスプレン532)50重量部、酸化亜鉛2.5重量部、ステアリン酸0.5重量部を添加し、混練機(モリヤマ製、ミックスラボML−500)で2分間混練した。このとき、温度は170℃、回転数は100rpmとした。その後、樹脂加硫剤(田岡化学製、タッキロール250−III)6重量部を添加し、混練トルクが最大になるまで混練した。この混練物をプレス成形して得た成形物の物性を測定した。
【0032】実施例3スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン4077)50重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPX−90)400重量部を添加して、よくブレンドし、吸収させた。これに、EPDM(住友化学工業製のエスプレン532)50重量部、酸化亜鉛2.5重量部、ステアリン酸0.5重量部を添加し、混練機(モリヤマ製、ミックスラボML−500)で2分間混練した。その後、加硫促進剤TET、BZ、TTTEを各0.25重量部添加し、さらに1.5分後混練後、硫黄0.5重量部、加硫促進剤Mを0.5重量部添加し、混練トルクが最大になった後、さらに1分間混練した。この混練物をプレス成形して得た成形物の物性を測定した。
【0033】実施例4スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン4077)50重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPX−90)400重量部を添加して、よくブレンドし、吸収させた。これに、EPDM(住友化学工業製のエスプレン670)100重量部(このうち50重量部は油展分)、さらに酸化亜鉛2.5重量部、ステアリン酸0.5重量部を添加し、混練機(モリヤマ製、ミックスラボML−500)で2分間混練した。その後、加硫促進剤TET、BZ、TTTEを各0.25重量部添加し、さらに1.5分混練後、硫黄0.5重量部、加硫促進剤Mを0.5重量部添加し、混練トルクが最大になった後、さらに1分間混練した。この混練物をプレス成形して得た成形物の物性を測定した。
【0034】比較例1SEPS(クラレ製、セプトン2063)100重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPW−380)500重量部を添加し、混練したものをプレス成形した。得られた成形物の物性を測定し、その結果を表1に示す。このものは、70℃でへたりを生じ、シール材として使用できなかった。
比較例2SEBS(旭化成製、タフテックH1075)100重量部に、軟化剤(出光興産製、ダイアナプロセスオイルPW−380)500重量部を添加し、混練したものをプレス成形した。得られた成形物の物性を測定し、その結果を表1に示す。このものは、70℃でへたりを生じ、シール材として使用できなかった。
【0035】比較例3EPDM(住友化学製のエスプレン532)100重量部に表1に示す配合剤を添加し、混練した。この混練物をプレス成形し、得た成形物の物性を測定した。その結果を表1に示す。このものは、容易にリサイクルできなかった。
【0036】
【表1】

【0037】
【表2】





 

 


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