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発明の名称 トレッドゴム組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−172434(P2001−172434A)
公開日 平成13年6月26日(2001.6.26)
出願番号 特願平11−362790
出願日 平成11年12月21日(1999.12.21)
代理人 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002 AC01X AC03X AC06X AC08W AC08X AC12X AE05Y BL02X DJ016 FD010 FD02Y GN01 
発明者 飯塚 融 / 和田 孝雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 スチレン単位含有量が20〜60重量%および1,2−結合ブタジエン単位含有量が15〜70重量%の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムを35重量%以上含むポリマー成分100重量部に対し、シリカが70〜200重量部およびゴム用軟化剤として100℃における動粘度が60cst以上で芳香族炭素が全炭素中の30%以上である芳香族油が50〜200重量部配合されたトレッドゴム組成物。
【請求項2】 加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分に芳香族油が55重量%以上含まれることを特徴とする請求項1記載のトレッドゴム組成物。
【請求項3】 溶液重合スチレン−ブタジエンゴム以外のポリマー成分が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(イソブチレン−イソプレン共重合体)およびp−メチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物からえらばれた1種以上である請求項1記載のトレッドゴム組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトレッドゴム組成物に関する。さらに詳しくは、特定の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムを35重量%(以下、%という)以上含むポリマー成分に、多量のシリカと高粘度芳香族油とを配合することによって、ウエットグリップ性を向上させたトレッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ドライ路面において高グリップ力を得るために、トレッドゴム組成物に多量のカーボンブラックと多量の高粘度芳香族油を配合することは、たとえば特開昭61−87737号公報に開示されているように一般的であるが、ウエット路面においてはグリップ性がよくない。高粘度芳香族油を配合することにより、ゴムのガラス転移温度(Tg)があがり、同時にtanδも高くなるので、ドライ路面におけるグリップ性には効果的であるが、路面温度の低いウエット路面においては、むしろゴムが硬くなってしまい、充分なグリップ力が得られない。そのため、もっと低温で可塑性のある粘度の低い(たとえば20cst(100℃))芳香族油が、ウエット路面用配合用のゴム用軟化剤として使用されている。
【0003】また、たとえば特開平8−188673号公報には、特殊なカーボンブラックと軟化剤を配合する技術が開示されているが、前記問題を充分に解決できるものではない。
【0004】近年、ウエットグリップ性に関して、一般的にカーボンブラックよりシリカの方が優れていることが知られるようになってから、カーボンブラックをシリカに置き換えてウエットグリップ性を向上させることが行なわれており、シリカ配合でのさらなるグリップ性向上が望まれるようになっている。しかし、配合量の最適化では飛躍的な効果は得られず限界がある。
【0005】シリカを使用することにより、低温における可塑性は従来より大きく改善されたが(シリカはカーボンに比べて硬さの歪依存性が小さく、とくに低温低歪で軟らかい物性を示すことが知られている)、シリカのもつ低発熱性(高温tanδが低く転がり抵抗に有利といわれている)のため、グリップ性に必要なヒステリシスロスが犠牲になっていると思われ、ヒステリシスロスを補うなにかが必要と思われる。
【0006】たとえば特開平9−111043号公報には、ジエン系ゴムにシリカとカーボンブラックを組み合わせて配合し、比較的少量の軟化剤を配合する技術が開示されているが、充分な結果は得られていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムに多量のシリカと高粘度芳香族油とを配合することにより、前記問題点を解決し得ることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、スチレン単位含有量が20〜60%および1,2−結合ブタジエン単位含有量が15〜70%の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムを35%以上含むポリマー成分100重量部(以下、部という)に対し、シリカが70〜200部およびゴム用軟化剤として100℃における動粘度が60cst以上で芳香族炭素が全炭素中の30%以上である芳香族油が50〜200部配合されたトレッドゴム組成物(請求項1)、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分に芳香族油が55%以上含まれることを特徴とする請求項1記載のトレッドゴム組成物(請求項2)および溶液重合スチレン−ブタジエンゴム以外のポリマー成分が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム(イソブチレン−イソプレン共重合体)およびp−メチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物からえらばれた1種以上である請求項1記載のトレッドゴム組成物(請求項3)に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のトレッドゴム組成物は、特定の溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(以下、S−SBRともいう)を35%以上、好ましくは50%以上含むポリマー成分に、多量のシリカとゴム用軟化剤として高粘度芳香族油を配合したものである。そのため、とくに高温条件下でのウエットグリップ性が飛躍的に向上し、レース用などの高グリップ力を必要とする用途に適する。
【0010】前記ポリマー成分としては、前記S−SBRが100%でもよいが、他のポリマーを65%以下、好ましくは50%以下の範囲でブレンドしたものを用いてもウエットグリップ性は良好である。前記S−SBRが35%未満になると、レースに必要な最低限のグリップ性、耐摩耗性が得られなくなる。
【0011】前記S−SBRは、スチレン単位含有量が20〜60%、好ましくは30〜45%および1,2−結合ブタジエン単位(1,2−結合しており、ビニル基を有するブタジエン単位をいう)量が15〜70%、好ましくは30〜70%の範囲のS−SBRである。また、残りの単位は一般に1,4−結合ブタジエン単位(1,4−結合しているブタジエン単位をいう)である。スチレン単位含有量が20%未満になると、グリップ性能が低下し、60%をこえると、耐摩耗性が低下し、ゴムが硬くなってグリップ性能が低下する。また、1,2−結合ブタジエン単位が15%未満になると、グリップ性能が低下し、70%をこえると、耐摩耗性が低下する。
【0012】前記S−SBRは、たとえばブタジエンとスチレンとを有機リチウム触媒により炭化水素溶液中で共重合させることにより得ることができる。
【0013】前記S−SBRの例としては、たとえば旭化成工業(株)製のタフデン3330やタフデン4350などがあげられる。
【0014】前記S−SBR以外のポリマーとしては、たとえば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR)、ブチルゴム(イソブチレン−イソプレン共重合体)(IIR)、p−メチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ウエットグリップ性の点から、p−メチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物、ブチルゴムが好ましい。これらを用いることによる効果を得るためには、ポリマー成分中20%以上になるように用いることが好ましい。
【0015】本発明のトレッドゴム組成物には、シリカが前記ポリマー成分100部に対して70〜200部、好ましくは80〜150部配合されている。前記配合量が70部未満になると、グリップ性の向上効果が見られず、200部をこえると、混練り作業性が低下する。
【0016】前記シリカは、従来からタイヤに使用されているものでよい。たとえば乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあり、これらのうちでは、転がり抵抗性の点から、湿式法シリカが好ましく、その具体例としては、たとえばデグッサ社製のウルトラシルVN3などがあげられる。
【0017】ゴム用軟化剤は、組成物の混練り・押出し時の作業性や配合剤の分散を助けるのに効果的な油で、その例としては、芳香族環、ナフテン環、パラフィン鎖が混在した石油系軟化剤などがある。
【0018】本発明に用いられるゴム用軟化剤は、100℃における動粘度(JIS K2283に準じて測定した値)が60cst以上、好ましくは100cst以上の高粘度で、芳香族炭素が全炭素中の30%以上、好ましくは40%以上含まれる芳香族油である。
【0019】前記動粘度が60cst未満になると、本発明の効果が得られない。一方、計量などのハンドリング性の点から、200cst以下であるのが好ましい。また、前記芳香族炭素の割合が30%未満になると、ウエットグリップ性が低下する。一方、温度依存性の点から、60%以下であることが好ましい。
【0020】なお、前記芳香族炭素が全炭素中の30%以上とは、カーボンタイプ分析を行ない、芳香族炭素の割合を計算した結果が30%以上の場合をいう。
【0021】前記芳香族油は、前記ポリマー成分100部に対し、50〜200部、好ましくは70〜150部配合される。前記配合量が50部未満になると、グリップ性の向上効果が不充分となり、200部をこえると、加工性に問題が生じ、耐摩耗性も低化する。
【0022】前記シリカ以外の充填剤としては、たとえばカーボンブラック、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどがあげられる。
【0023】本発明の組成物には、その他、シランカップリング剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤など、一般にゴム工業で用いられている各種の添加剤を用いることができる。
【0024】前記シランカップリング剤を用いる場合、シリカ重量に対して8〜12%が好ましい。8%未満になると、カップリング効果が不充分で補強性に劣る傾向が生じ、12%をこえると、過剰なため物性の低下を引きおこす傾向が生じる。
【0025】本発明のトレッドゴム組成物は、必要に応じてシリカとゴム用軟化剤とを前もって混合するなどして原料を配合するなどの公知の方法および条件で混練りして得ることができる。得られた組成物はタイヤのトレッドの製造に使用される。
【0026】本発明のトレッドゴム組成物としては、加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分に前記芳香族油が55%以上、さらには65%以上含まれるのが好ましい。前記抽出分における芳香族油の割合が55%未満になると、ウエットグリップ性が不充分となる傾向がある。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明のトレッドゴム組成物を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】なお、実施例および比較例で用いた原料と評価方法について以下に説明する。
【0029】S−SBR:旭化成工業(株)製のタフデン3330(37.5phr油展、油展用オイルは、100℃における動粘度が60cst以上で芳香族炭素が全炭素中の30%以上の芳香族油以外のオイルである)、スチレン単位含有量31%、1,2−結合ブタジエン単位含有量31%E−SBR:日本ゼオン(株)製のニッポール9520(37.5phr油展、油展用オイルは、100℃における動粘度が60cst以上で芳香族炭素が全炭素中の30%以上の芳香族油以外のオイルである)、スチレン単位含有量35%、1,2−結合ブタジエン単位含有量18%エクスプロ:エクソン化学(株)製のEXXPRO 90−10(p−メチルスチレン−イソブチレン共重合体の臭素化物、非油展)
シリカ:デグッサ(Deggusa)社製のUltrasil VN3カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックA(SAF)
無機充填剤:昭和電工(株)製のハイジライトH−43シランカップリング剤:デグッサ社製のSi−69(ビス[(トリエトキシ)シリルプロピル]テトラスルフィド)
芳香族油A:モービル石油(株)製のモービルゾールK(動粘度20.0cst(98.9℃)、全炭素中の芳香族炭素41%)
芳香族油B:モービル石油(株)製のモービルゾール22(動粘度58.0cst(98.9℃)、全炭素中の芳香族炭素28%)
芳香族油C:モービル石油(株)製のモービルゾール130(動粘度123.0cst(98.9℃)、全炭素中の芳香族炭素46%)
【0030】(平均ラップタイムとフィーリング評点)190/55R17サイズのモーターサイクル用タイヤを試作し、雨天時に国内のサーキット(1周約5.9km)で走行評価した。テスト時の天候は、終日小雨で気温25〜30℃、路面温度27〜34℃、路面状態は終日安定していた。
【0031】評価は各タイヤで連続5周走行したときの平均ラップタイムとライダーの感応評価で優劣を付けた。平均ラップタイムは、速いほど(表1記載の値(秒)が小さいほど)ウエットグリップ性が高いことを示す。また、感応評価は下記の5項目について行ない、コントロールタイヤ(比較例1)の性能を3とし、コントロールタイヤに比べて下記のいくつかの項目で優れている場合を4、全ての項目で優れている場合を5、いくつかの項目で劣る場合を2、全ての項目で劣る場合を1として評価した。
【0032】グリップ感:ライダーが感じるグリップ限界の高低接地感:とくに荷重が抜けてバイクが不安定になったときのタイヤと路面との接地感旋回性:コーナーでのまわりやすさトラクション性:とくにコーナーの出口からストレートにかけてアクセルオンしたとき、タイヤがスピンすることなくエンジンの出力がタイヤによって路面に伝わる度合いスタビリティー性:アクセルのオン/オフによる加減速やブレーキングによる荷重変化、コーナーでの姿勢変化など、あらゆる挙動変化における安定性【0033】(加硫後のアセトン・クロロホルム抽出分)所定のグリーンゴム組成物を170℃×12分の条件で加硫し、旧JISのK6350「ゴム製品分析方法」の「アセトン・クロロホルム抽出物の定量」に基づき分析することにより求めた。
【0034】実施例1〜6および比較例1〜6表1記載の原料を表1記載の組成になるように配合し、さらに老化防止剤(N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)4.0部、ステアリン酸1.5部、酸化亜鉛4.0部を配合し、混練りした。
【0035】得られた混錬り物に硫黄1.3部、加硫促進剤のN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)3.5部および1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)3.0部を加え、オープンロールで混練りし、グリーンゴム組成物を得た。
【0036】なお、ゴム用軟化剤は、モービル石油(株)製の動粘度の異なる3タイプを用い、シランカップリング剤は、シリカ重量に対し10%配合した。
【0037】つぎに、得られたグリーンゴム組成物をトレッドに用いた所定のタイヤを試作し、評価に供した。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】実施例1および比較例1、2から、芳香族油の動粘度が本発明の範囲内の場合には、平均ラップタイム、フィーリング評点はともに優れており、動粘度が本発明の範囲外の場合には、これより評価結果が劣ることがわかる。
【0040】また、比較例3、4に見られるように、シリカや芳香族油の配合量が少なくなると、評価結果が著しく劣ることがわかる。
【0041】さらに、実施例2、3および比較例5、6から、所定の範囲でS−SBR以外のポリマーを併用しても優れた評価結果が得られるが、その配合量が多くなりすぎると、性能が大きく低下することがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明のトレッドゴム組成物は、シリカと高粘度芳香族油を多量に併用したものであり、従来のものより高温条件下で優れたウエットグリップ性を発揮するレース用タイヤを提供することができる。




 

 


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