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発明の名称 熱可塑性エラストマー組成物及びこれを用いたホース
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−139829(P2001−139829A)
公開日 平成13年5月22日(2001.5.22)
出願番号 特願平11−319583
出願日 平成11年11月10日(1999.11.10)
代理人 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3H111
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
3H111 AA02 BA12 BA15 BA34 CB04 CC01 DA11 DA26 DB11 
4F100 AA18A AA18H AA19A AA19H AA25H AA36A AA36H AJ11H AK01B AK03A AK07 AK12A AK12J AK32H AK64 AK64J AK75A AL01A AL02 AL05A AL06A AL09A AN02A BA02 CA02A CA04 CA23A DA11 GB46 GB48 GB71 JB03 JB16A JB16B JB20A JJ07 JK01 JL00 JL16 YY00A YY00H
4J002 BB03X BB06X BB07X BB12X BB15W BB23X BP01X BP03X CC053 CC073 CC173 CC243 CN063 DA056 DE077 DE087 DE147 FD136 FD137 FD143 GF00 GM00
発明者 田島 啓
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱可塑性ポリマー、ゴム、赤燐及び水酸化物を含んでおり、この熱可塑性ポリマーがオレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分としており、ゴムがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を主成分としており、ゴムは樹脂架橋剤にて動的架橋されることによって熱可塑性ポリマーのマトリックス中に粒子として分散しており、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対する、赤燐の配合量が5部以上であり、水酸化物の配合量が25部以上であり、赤燐と水酸化物との合計の配合量が50部以下である熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項2】 上記熱可塑性ポリマーとゴムとの質量比が10/90以上60/40以下である請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】 上記樹脂架橋剤の配合量がゴム100部に対して1部以上20部以下である請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】 上記水酸化物が水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムから選択される1種又は2種以上である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物からなる外層を備えたホース。
【請求項6】 熱可塑性ポリマーを主成分とする内層をさらに備えた請求項5に記載のホース。
【請求項7】 ガスの供給に用いられる請求項5又は請求項6に記載のホース。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばガスホースに好適に用いられる熱可塑性エラストマー組成物に関するものであり、特に、熱可塑性ポリマーとゴムとを含み、このゴムが樹脂架橋剤によって動的架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガスホース、電線被覆材、電気部品等には、難燃性及び耐オゾン性が要求される。これらの要求を満たす材料として、ポリ塩化ビニルが用いられることがある。ポリ塩化ビニルには塩素等のハロゲンが含まれており、このハロゲンによって難燃性が発現される。また、ポリ塩化ビニルは熱可塑性樹脂であるので、使用後のガスホース等が加熱・溶融によって原料ポリマーとして再利用され得るという利点も有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、再利用のためにポリ塩化ビニルが高温で溶融されると、有毒である塩素ガスが発生してしまうという問題がある。また、ポリ塩化ビニルが焼却処分されると、塩素等のハロゲンがダイオキシン等の有害物質の原因となり、環境破壊を起こしてしまうおそれがある。
【0004】本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、難燃性及び耐オゾン性に優れ、安全に再利用でき、焼却処分された場合も有害物質が生成しないポリマー材料の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するためになされた発明は、熱可塑性ポリマー、ゴム、赤燐及び水酸化物を含んでおり、この熱可塑性ポリマーがオレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーを主成分としており、ゴムがエチレン−プロピレン−ジエン共重合体を主成分としており、ゴムは樹脂架橋剤にて動的架橋されることによって熱可塑性ポリマーのマトリックス中に粒子として分散しており、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対する、赤燐の配合量が5部以上であり、水酸化物の配合量が25部以上であり、赤燐と水酸化物との合計の配合量が50部以下である熱可塑性エラストマー組成物、である。
【0006】この熱可塑性エラストマー組成物は、動的架橋によって得られる。動的架橋では、熱可塑性ポリマー、ゴム、架橋剤、その他の各種添加剤が混練されつつ加熱され、ゴムが架橋される。そして、架橋されたゴムは微細粒子として熱可塑性ポリマー中に分散する。この熱可塑性エラストマー組成物は、マトリックスとなる熱可塑性ポリマーの特性と、分散質である架橋ゴムの特性とを併せ持つ。この熱可塑性エラストマー組成物は加熱されることによって溶融するので、再利用が可能である。加熱・溶融時に、塩素ガス等の有害物質は生成しない。また、この熱可塑性エラストマー組成物は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)が用いられているので耐オゾン性に優れ、しかも柔軟である。また、この熱可塑性エラストマー組成物は所定量の赤燐及び水酸化物を含むので、難燃性に優れる。しかも、この熱可塑性エラストマー組成物では赤燐及び水酸化物によって難燃性が発現され、ハロゲンは配合される必要がないので、焼却処分時にダイオキシン類が発生しない。
【0007】好ましくは、熱可塑性ポリマーとゴムとの質量比は10/90以上60/40以下である。これにより、熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性と柔軟性との両立が、よりよく達成される。
【0008】好ましくは、樹脂架橋剤の配合量はゴム100部に対して1部以上20部以下である。これにより、熱可塑性エラストマー組成物から得られる成形体の機械的物性が向上する。なお、本明細書において「部」で示される数値は、質量が基準とされたときの比を意味する。
【0009】好ましい水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムであり、これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が併用されてもよい。
【0010】この熱可塑性エラストマー組成物は、難燃性及び耐オゾン性が要求され、再利用の要望が強いホースの外層、特にガスホースの外層に好適である。この熱可塑性エラストマー組成物が外層に用いられたホースにおいて、内層の主成分が熱可塑性ポリマーとされれば、ホース全体が熱可塑性となり、加熱・溶融による再利用が促進される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。図1は本発明の一実施形態にかかるガスホース1が示された斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。このガスホース1は、外層2、補強層3及び内層4を備えている。このガスホース1の外周直径は、一般的には10mmから20mm程度である。このガスホース1の内周直径は、一般的には6mmから8mm程度である。
【0012】外層2は、熱可塑性エラストマー組成物から形成されている。この熱可塑性エラストマー組成物は動的架橋によって得られる。この熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポリマーのマトリックス中に架橋ゴム粒子が分散している。従って、この熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性ポリマーの特性とゴムの特性とを併せ持つ。
【0013】マトリックスである熱可塑性ポリマーは、オレフィン系樹脂又は水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが主成分とされている。これにより、動的架橋後の組成物が可塑化される。もちろん、これら以外の熱可塑性ポリマーが併用されても良い。他の熱可塑性ポリマーが併用される場合でも、全熱可塑性ポリマーに占める、オレフィン系樹脂及び水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーの合計量の比率は50質量%以上、特には75質量%以上が好ましい。
【0014】好適に用いられるオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が混合されて用いられてもよい。特に好適なオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びアイオノマー樹脂である。オレフィン系樹脂は分子鎖が飽和状態であり動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてしまうことがないので、前述のように動的架橋後の組成物が可塑化される。また、オレフィン系樹脂は可塑化温度が比較的低温であるので動的架橋時の温度が低温となり、ゴムの熱劣化が抑制される。さらに、オレフィン系樹脂は一般的に安価で入手が容易であるので、ガスホース1の製造コストが抑制される。
【0015】好適に用いられる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレントリブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハード成分としてのポリスチレン末端ブロックとソフト成分としてのゴム中間ブロックとからなるブロック共重合体を主成分としているもので、中間ブロックが水素添加されているものである。水素添加により二重結合が消滅しているので、動的架橋時に樹脂架橋剤によって架橋させてしまうことがない。このため、前述のように動的架橋後の組成物が可塑化される。また、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが用いられることにより、外層2の柔軟性が向上する。
【0016】熱可塑性ポリマーとして、オレフィン系樹脂と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとが併用されても良い。これにより、ガスホース1の低コストと柔軟性との両立が、よりよく達成される。オレフィン系樹脂と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーとが併用される場合、両者の質量比は1/9以上9/1以下、特には3/7以上7/3以下が好ましい。
【0017】分散質であるゴム粒子は、EPDMを主成分としている。EPDMは主鎖が化学的に安定な飽和炭化水素からできているので、主鎖切断による劣化が生じにくく、耐オゾン性及び強度に優れるゴムである。EPDMを含む熱可塑性エラストマー組成物が外層2に用いられることによって、ガスホース1の耐オゾン性及び強度が高まる。
【0018】EPDMのなかでも、反応性に優れ、動的架橋が円滑に進行するENB系(エチリデンノルボルネン系)のEPDMが好ましい。また、同様の理由から、ヨウ素価が12以上36以下、特には20以上36以下のEPDMが好ましい。
【0019】EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMと、ゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物にはいずれもタイプのEPDMも使用可能であり、また、両者が併用されてもよい。なお、油展タイプのEPDMが用いられる場合、親展油が除かれたゴム成分のみの質量が、配合比率の算出に用いられる。
【0020】この熱可塑性エラストマー組成物には、EPDMの特性を損なわない範囲で、加工性向上、強度向上、コスト低減等の目的で他のゴムが併用されてもよい。用いられるゴムとしては、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。他のゴムが併用される場合でも、耐オゾン性維持の観点から、全ゴムに占めるEPDMの比率は50質量%以上、特には75質量%以上が好ましい。
【0021】この熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポリマーとゴムとの質量比は10/90以上60/40以下が好ましく、30/70以上55/45以下が特に好ましい。配合比が上記範囲未満であると、熱可塑性エラストマー組成物の可塑化が困難となってしまうことがある。配合比が上記範囲を超えると、ガスホース1の硬度及び永久伸びが大きくなってしまうことがある。
【0022】この熱可塑性エラストマー組成物では、ゴムは樹脂架橋剤によって架橋されている。これにより、架橋剤として硫黄等が用いられた場合に比べて、ガスホース1の強度が向上する。また、硫黄架橋のように加硫促進剤が用いられる必要がないので、この加硫促進剤のブルーミングの問題も生じない。
【0023】樹脂架橋剤の具体例としては、例えばハロゲン化アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合物、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。
【0024】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100部に対して1部以上20部以下が好ましく、5部以上15部以下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足によってガスホース1の圧縮永久歪みが大きくなってしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、架橋過剰によってガスホース1の引張物性が低下してしまうことがある。
【0025】この熱可塑性エラストマー組成物には、架橋活性剤が配合されてもよい。好適な架橋活性剤としては、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又は金属ハライドが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、また、2種以上が併用されてもよい。また、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩も、架橋活性剤として好適である。但し、架橋阻害防止のためには、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩は、酸化亜鉛、炭酸亜鉛及び金属ハライドとは併用されない方が好ましい。
【0026】架橋活性剤の配合量は、ゴム100部に対して0.1部以上15部以下が好ましく、3部以上5部以下が特に好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足によってガスホース1の圧縮永久歪みが大きくなってしまうことがある。配合量が上記範囲を超えると、架橋過剰によってガスホース1の引張物性が低下してしまうことがある。
【0027】この熱可塑性エラストマー組成物には、赤燐及び水酸化物が配合されている。赤燐及び水酸化物は難燃剤として機能する。この熱可塑性エラストマー組成物が外層2に用いられることによって、ガスホース1が難燃性となる。赤燐及び水酸化物の配合量が多いほどガスホース1の難燃性が高まるが、配合量が多すぎると熱可塑性エラストマー組成物の引張強度が低下してしまうことがあるので、赤燐と水酸化物との合計の配合量は、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対して50部以下とされ、特には45部以下とされる。
【0028】難燃剤として赤燐のみが用いられる場合、難燃性発現のためには多量の赤燐が配合される必要があり、熱可塑性エラストマー組成物の引張強度が低下してしまう。同様に、難燃剤として水酸化物のみが用いられる場合、難燃性発現のためには多量の水酸化物が配合される必要があり、熱可塑性エラストマー組成物の引張強度が低下してしまう。本発明の熱可塑性エラストマー組成物では赤燐と水酸化物とが併用されているので、両者の相乗効果によって難燃性が発現される。従って、難燃剤の合計配合量がさほど多くされなくても熱可塑性エラストマー組成物の難燃性が達成され、引張強度も維持される。
【0029】赤燐は、それ単体からなるものの他、その表面に水酸化アルミニウム、水酸化チタン等の無機物が被覆されたものも好適に用いられる。十分な難燃性が達成されるためには、赤燐の配合量は、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対して5部以上とされる必要があり、特に8部以上が好ましい。
【0030】好ましい水酸化物としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。十分な難燃性が達成されるためには、水酸化物の配合量は、熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対して25部以上とされる必要があり、特に30部以上が好ましい。
【0031】この熱可塑性エラストマー組成物には、加工性向上、硬度調整等の目的でオイル等の軟化剤が配合されてもよい。配合されるオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマーからなる合成油等が挙げられる。オイルが配合される場合、その配合量は熱可塑性ポリマーとゴムとの合計量100部に対して10部以上100部以下が好ましい。オイルは、熱可塑性エラストマー組成物の混練に先立って、あらかじめ熱可塑性ポリマー又はゴムと混合されるのが好ましい。
【0032】油展EPDMが用いられる場合、この油展EPDMにあらかじめオイルが含まれているので、軟化剤は添加されなくてもよい。もちろん、油展EPDMが用いられる場合でも、必要に応じてさらに軟化剤が添加されてもよい。この場合は、油展EPDM中のオイルと添加された軟化剤との合計量が上記範囲内とされるのが好ましい。
【0033】この熱可塑性エラストマー組成物には、前述の樹脂架橋剤、難燃剤、軟化剤の他、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等の添加剤が、必要に応じ適量添加されてもよい。
【0034】補強層3(図2参照)は、ワイヤーから構成されている。ワイヤーは、通常は異なる2つの方向に伸びるように設けられており、いずれの方向もガスホース1の長手方向に対して斜めとなっている。用いられるワイヤーの材質としては、スチール等が挙げられる。補強層3によって、ガスホース1の強度が高められる。なお、ワイヤーに代えてレーヨン等の繊維で補強層3が形成されてもよい。
【0035】内層4は、熱可塑性ポリマーを主成分とする組成物から形成されている。すなわち、このガスホース1では外層2と内層4との両方が熱可塑性である。従って、加熱によって外層2及び内層4が溶融し、ともに補強層3から離脱する。よって、ポリマー分と補強層とが分別回収され、それぞれ再利用されたり、廃棄され得る。
【0036】内層4に好適な組成物の一例としては、オレフィン系樹脂を主成分とする熱可塑性ポリマーのマトリックス中に、樹脂架橋剤によって架橋されたアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)及びEPDMが分散した熱可塑性エラストマー組成物が挙げられる。この熱可塑性エラストマー組成物では、NBRとEPDMとの質量比は75/25以上99/1以下が好ましい。また、この熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポリマーとゴムとの質量比は20/80以上50/50以下が好ましい。さらに、この熱可塑性エラストマー組成物では、樹脂架橋剤の配合量はゴム100部に対して1部以上20部以下が好ましい。
【0037】内層4に用いられる熱可塑性エラストマー組成物では、熱可塑性ポリマーとして、オレフィン系樹脂とともに水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ポリエステルエラストマーが併用されてもよい。また、NBRとして、固形NBRとともに液状NBRが用いられてもよい。
【0038】このガスホース1では内層4は単一層であるが、内層が2以上の層から形成されてもよい。例えば、中間層と最内層とから、内層が形成されてもよい。この場合は、中間層及び最内層が熱可塑性ポリマーを主成分とする組成物から形成される。また、中間層と最内層との間に、他の補強層が形成されてもよい。
【0039】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきでないことはもちろんである。
【0040】[実施例1]二軸一軸押出機(モリヤマ社の商品名「2TR−75」)に、100%油展のEPDM(住友化学社の商品名「エスプレン670F」)を投入し、直径約4mmで長さが約4mmのペレットとした。一方、パラフィン系鉱物油(出光興産社の商品名「ダイアナプロセスオイルPW−380」)20部とSEPS(クラレ社の商品名「セプトン4055」)14部とを混練した後、タンブラーに投入した。このタンブラーに、さらに前述のEPDMペレット90部(ゴム成分は45部)と、ポリプロピレン(日本ポリケム社の商品名「ノバテックPP MG05BS」)41部と、樹脂架橋剤としてのアルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物(田岡化学社の商品名「タッキロール250−3」)5.4部(ゴム100部に対して12部)と、架橋活性剤としての酸化亜鉛(三井金属鉱業社の商品名「酸化亜鉛2種」)1.6部(ゴム100部に対して3.6部)とを投入し、混合した。この混合物を二軸押出機(アイペック社の商品名「HTM38」)に連続投入し、同時に、別の投入口から赤燐(日本化学工業社の商品名「ヒシガードCP」)5部と、水酸化マグネシウム(協和化学工業社の商品名「キスマ5A」)25部も連続投入した。これを厚さが約3mmで幅が約30mmのリボン状に押し出して冷却し、実施例1の熱可塑性エラストマー組成物を得た。なお、この熱可塑性エラストマー組成物に含まれるオイルの合計量(油展EPDM中のオイルと添加されたパラフィン系鉱物油との合計量)は、65部である。
【0041】[実施例2及び比較例1から7]赤燐及び水酸化物の配合量を下記の表1に示されるように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1から7の熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0042】[硬度の測定]リボン状の熱可塑性エラストマー組成物の両面をスライスし、厚みが約2mmの試験片を得た。また、参照例として、軟質ポリ塩化ビニル(住友ベークライト社の商品名「スミフレックス6760C」)からなる試験片を作成した。これらの試験片を用い、JIS−K6253に準拠して、A型スプリング式硬さ試験器にて硬度(Hs)を測定した。この結果が、下記の表1に示されている。
【0043】[引張試験]硬度の測定で用いた試験片を、JIS−K6251に準拠した引張試験に供した。そして、切断時伸び(Eb)と引張強さ(Tb)とを測定した。なお、試験片の形状は、ダンベル状3号形とした。この結果が、下記の表1に示されている。
【0044】[圧縮永久歪みの測定]各熱可塑性エラストマー組成物及びPVCから試験片を作成し、JIS−K6262に準拠して、圧縮永久歪み(CS)を測定した。なお、圧縮率は25%とし、加熱は70℃で22時間行った。この結果が、下記の表1に示されている。
【0045】[難燃性の評価]各熱可塑性エラストマー組成物及びPVCから、幅が10mmで、厚みが2mmで、長さが10cmの試験片を作製した。一方、炎口内径が約10mmのブンゼンバーナーを用意し、ガスを燃焼させて炎の長さを約40mmとした。そして、還元炎の先端から約10mm離れた酸化炎中に試験片を水平に置き、5秒間保持した。その後炎を取り除き、試験片の燃焼時間を測定した。5秒以内に消炎したものを「○」とし、5秒を超えて燃焼し続けたものを「×」とした。この結果が、下記の表1に示されている。
【0046】
【表1】

【0047】表1より明らかなように、比較例1、比較例2、比較例4、比較例5及び比較例6の熱可塑性エラストマー組成物は、難燃性に劣っている。また、比較例3及び比較例7の熱可塑性エラストマー組成物は、難燃性には優れるものの、引張強さ(Tb)等の物性が劣っている。これに対し、各実施例の熱可塑性エラストマー組成物は難燃性に優れ、しかも物性も良好である。これらの評価より、本発明の優位性が確認された。
【0048】以上、ガスホースに用いられる場合が一例とされて本発明の熱可塑性エラストマー組成物が詳説されたが、優れた特性を備えた本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ガスホースのみならず、他のホース、電線被覆材、電気部品等、種々の用途に用いられ得る。
【0049】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は難燃性、機械的物性及び耐オゾン性に優れ、また、加熱されたり焼却されたときでも有害物質が生成しない。この熱可塑性エラストマー組成物が用いられた成形体は、安全に再利用され得る。




 

 


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