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発明の名称 ゴム組成物及びこれを用いた紙送りローラ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−26673(P2001−26673A)
公開日 平成13年1月30日(2001.1.30)
出願番号 特願平11−200123
出願日 平成11年7月14日(1999.7.14)
代理人 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3F049
4F207
4J002
【Fターム(参考)】
3F049 CA12 
4F207 AA09 AA45 AB03 AG08 AG14 AH05 AH53 AR17 KA01 KA17 KF02
4J002 BB151 CC072 CC182 CC192 CE002 CN012 DD026 DE106 DE246 EV237 EV238 FD010 FD020 FD142 FD156 FD157 FD158 GM00
発明者 田島 啓
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 メタロセン触媒によって重合されたEPDMを主成分とする100重量部のゴムと、1重量部以上20重量部以下の樹脂架橋剤とを含む紙送りローラ用のゴム組成物。
【請求項2】 上記EPDMの分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が2.5E−2以上である請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】 架橋活性剤として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛又は金属ハライドをさらに含む請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
【請求項4】 架橋活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩をさらに含む請求項1又は請求項2に記載のゴム組成物。
【請求項5】 上記架橋活性剤の配合量がゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下である請求項3又は請求項4に記載のゴム組成物。
【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のゴム組成物から成形された紙送りローラ。
【請求項7】 押出成形法によって成形された請求項6に記載の紙送りローラ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、事務機器等に装着される紙送りローラ用のゴム組成物及びこのゴム組成物が用いられた紙送りローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンター、ATM等の事務機器の給紙機構、紙搬送機構、排紙機構等には、紙送りローラ(給紙ローラ、搬送ローラ、排紙ローラ等と呼ばれている)が用いられている。紙送りローラは紙、フィルム等を送るものであるためその摩擦係数が高いことが要求され、しかもこの高い摩擦係数が長期間維持されることが要求される。
【0003】通常紙送りローラにはEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ポリノルボルネン等のゴムが用いられており、これによって紙送りローラに柔軟性が付与され、紙との摩擦係数が高められている。これらのゴムの中でも、主鎖が化学的に安定な飽和炭化水素からできており、高濃度オゾン下に長時間さらされても分子主鎖切断による劣化が生じにくいEPDMが、特に好んで用いられている。EPDMが用いられることによって紙送りローラに耐オゾン性が付与され、静電潜像形成時にオゾンが発生する電子写真装置に装着されても紙送りローラのオゾン劣化が抑制される。
【0004】ゴム製品は通常架橋して用いられており、架橋の手段としては硫黄架橋が一般的である。しかし、EPDMは前述のように主鎖が飽和炭化水素からできており、二重結合はジエン成分であるDCPD(ジシクロペンタジエン)、1,4−HD(1,4−ヘキサジエン)、ENB(エチリデンノルボルネン)等の第三成分にしか存在しないので、これが硫黄で加硫されると加硫反応が進行しにくく、加硫時間が長時間となってしまうという不都合がある。加硫促進剤の併用による加硫速度の向上も可能ではあるが、加硫促進剤は一般的に極性が大きく、一方EPDMは極性が小さいため、加硫後の紙送りローラ中に存在する加硫促進剤の反応生成物や未反応の残存加硫促進剤が紙送りローラ表面にブルーミングしてしまうことがある。ブルーミングが起こると、紙送りローラと紙との間の摩擦係数が低下してしまい、良好な紙送り性能が発揮されなくなってしまう。
【0005】硫黄に代えて、樹脂架橋剤が用いられることがある。樹脂架橋剤が用いられることにより、硫黄に比べてEPDMの架橋時間が短時間となる。また、樹脂架橋剤では加硫促進剤が併用されないので、加硫促進剤の反応生成物や未反応の残存加硫促進剤が紙送りローラ表面にブルーミングすることがない。このため、紙送りローラの良好な紙送り性能が維持される。
【0006】ところで、ゴム組成物には、成形品の強度向上の目的でカーボンブラック、シリカ等の補強充填剤が配合されることが多い。しかし、紙送りローラに補強充填剤が多量に配合されると、その耐摩耗性が低下してしまう。このため、紙送りローラでは、補強充填剤の配合量が抑えられ、強度がある程度犠牲にされつつ、耐摩耗性が維持されている。このように、強度が十分に高くはない紙送りローラが圧縮成形法で成形されると、脱型時に成形品が引きちぎれてしまうことがある。
【0007】このような不都合を解消するため、紙送りローラでは通常押出成形法が採用される。押出成形法では圧縮成形法の脱型時のような紙送りローラへの応力付加がないので、紙送りローラが引きちぎれてしまうことがない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙送りローラ用のゴム組成物がチューブ状に押し出されると、その表面がいわゆる肌荒れ状態となってしまう。荒れた表面はその後の研磨工程で研磨・除去されるが、肌荒れが激しい場合は研磨代が多めに設定される必要がある。このため、材料の無駄遣いによる材料コストの上昇と、研磨工程の長時間化に伴う生産性の低下という問題が生じてしまう。
【0009】比較的低分子量のEPDMを用いることにより、押出後のゴム組成物の表面状態を良好とすることができる。しかし、低分子量のEPDMが用いられた紙送りローラは耐摩耗性に劣り、通紙による摩耗量が多くなってしまうという問題がある。
【0010】本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、押し出された場合でも肌荒れが生じにくく、得られる紙送りローラの耐摩耗性が良好なゴム組成物及びこのゴム組成物から得られる紙送りローラの提供をその目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するためになされた発明は、メタロセン触媒によって重合されたEPDMを主成分とする100重量部のゴムと、1重量部以上20重量部以下の樹脂架橋剤とを含む紙送りローラ用のゴム組成物、である。
【0012】このゴム組成物はメタロセン触媒によって重合されたEPDMを主成分としているので、押出による肌荒れが生じにくい。しかも、このゴム組成物から成形された紙送りローラは、耐摩耗性に優れる。
【0013】好ましくは、EPDMの分子量分布(Mw/Mn)は2.5以下であり、また、EPDMの100℃における粘度比(V1000/V10)は2.5E−2以上である。
【0014】好ましくは、ゴム組成物は架橋活性剤を含む。好適な架橋活性剤としては酸化亜鉛、炭酸亜鉛又は金属ハライドが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上が混合されて用いられる。また、架橋活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が用いられてもよい。架橋活性剤の配合量は、ゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下が好ましい。
【0015】本発明のゴム組成物は、特に押出成形によって得られる紙送りローラに好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる紙送りローラ1が軸芯2とともに示された斜視図である。この紙送りローラ1は、ゴム組成物が成形・架橋されることによって構成されている。紙送りローラ1は、紙送りローラ1が軸芯2に圧入されることにより、又は両者が接着剤で接合されることにより、軸芯2に固定されている。
【0017】この紙送りローラ1の肉厚は、1mm以上8mm以下が好ましく、2mm以上5mm以下が特に好ましい。肉厚が上記範囲未満であると、送られる紙類との間の接触面積が小さくなってしまうことがある。逆に、肉厚が上記範囲を超えると、紙送りローラ1の変形に大きな圧接力が必要となり、圧接のための機構が大型化してしまうことがある。また、この紙送りローラ1の全長(図1において両矢印L1で示される)は特には制限されないが、通常は10mmから20mm程度である。
【0018】この紙送りローラ1に用いられているゴム組成物は、メタロセン触媒によって重合されたEPDMを主成分としている。メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触媒とからなる高活性の重合触媒である。メタロセン触媒によって重合されたEPDM(以下「メタロセンEPDM」とも称される)は、チーグラー・ナッタ系触媒によって重合されたEPDM(以下「チーグラーEPDM」とも称される)に比べて分子量分布が狭く、モノマーの分布が均一である。従って、メタロセンEPDMを主成分とするゴム組成物が押し出されてもその表面状態が良好であり、また、このゴム組成物から得られる紙送りローラ1は耐摩耗性に優れる。しかも、表面状態及び耐摩耗性は、EPDMの分子量に大きくは影響されない。すなわち、従来の紙送りローラのように、押出時の表面状態がよいものは耐摩耗性が悪く、逆に耐摩耗性に優れるものは押出時の表面状態が悪いということがなく、押出時の表面状態と耐摩耗性とが両立される。
【0019】メタロセンEPDMの分子量分布(Mw/Mn)は2.5以下が好ましく、2.2以下が特に好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内とされることにより、紙送りローラ1の耐摩耗性がより向上し、通紙による摩耗量が低減されて紙送りローラ1の寿命が長くなる。分子量分布(Mw/Mn)は小さいほど好ましいので、本発明においてその下限が規定される必要はないが、通常得られるメタロセンEPDMの分子量分布(Mw/Mn)は1.6以上である。なお、メタロセンEPDMの分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量Mwが数平均分子量Mnで除された値である。
【0020】メタロセンEPDMの100℃における粘度比(V1000/V10)は2.5E−2以上が好ましく、2.8E−2以上が特に好ましい。粘度比(V1000/V10)が上記範囲内とされることにより、押出時のゴム組成物の表面状態が良好となる。すなわち、肌荒れが防止される。このため、成形品の研磨代が大きく設定される必要がなく、紙送りローラ1の材料コスト及び生産性が向上する。粘度比(V1000/V10)は大きいほど好ましいので、本発明においてその上限が規定される必要はないが、通常得られるメタロセンEPDMの粘度比(V1000/V10)は8.0E−2以下である。
【0021】メタロセンEPDMの100℃における粘度比(V1000/V10)は、剪断速度1000/sにおけるメタロセンEPDM単体の粘度V1000が剪断速度10/sにおけるメタロセンEPDM単体の粘度V10で除された値である。温度100℃、剪断速度1000/sの条件は、通常の押出時の条件にほぼ相当する。すなわち、粘度比(V1000/V10)の値は、押出時のゴム組成物の粘度と相関する。なお、剪断速度V1000及びV10は、定速度キャピラリーレオメーター(モンサントフレキシス社の商品名「モンサント加工性試験器MPT」)で測定される。
【0022】分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が2.5E−2以上であるメタロセンEPDMが用いられることにより、紙送りローラ1の押出時の良好な表面状態と耐摩耗性とがよりよく両立される。チーグラーEPDMには、2.5以下の分子量分布(Mw/Mn)及び2.5E−2以上の粘度比(V1000/V10)を共に満足するものは存在しなかった。メタロセン触媒が用いられることにより、両者を共に満足するEPDMが得られる。
【0023】この紙送りローラ1には、メタロセンEPDMとともに、他のゴムが配合されてもよい。配合されるゴムとしては、チーグラーEPDM、天然ゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ポリノルボルネン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、等が挙げられる。他のゴムが配合される場合でも、押出時の肌荒れが防止されかつ紙送りローラ1の耐摩耗性が維持されるためには、メタロセンEPDMが主成分とされる必要がある。具体的には、全ゴムに占めるメタロセンEPDMの比率は50重量%以上とされ、特には70重量%以上とされる。
【0024】EPDMには、ゴム成分のみからなる非油展タイプのEPDMとゴム成分とともに親展油を含む油展タイプのEPDMとが存在するが、本発明の紙送りローラ1にはいずれもタイプのものも使用可能である。なお、油展タイプのEPDMが用いられる場合、親展油をのぞいたゴム成分のみの量が、上記配合比率の算出に用いられる。
【0025】紙送りローラ1に用いられているゴム組成物は、樹脂架橋剤によって架橋される。樹脂架橋剤は、硫黄に比してEPDMを架橋する速度が速い。また、樹脂架橋剤が用いられる場合は加硫促進剤が併用される必要がないので、加硫促進剤に起因するブルーミングの問題が生じない。好適な樹脂架橋剤としては、例えばハロゲン化アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド縮合物、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、硫化−p−第三ブチルフェノール樹脂、アルキルフェノール・スルフィド樹脂、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂等が挙げられる。
【0026】樹脂架橋剤の配合量は、ゴム100重量部に対して1重量部以上20重量部以下であり、特に5重量部以上15重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足が起こって紙送りローラ1の耐摩耗性が低下してしまうことがある。逆に、配合量が上記範囲を超えると、紙送りローラ1の硬度が大きくなって摩擦係数が低下してしまうことがある。
【0027】紙送りローラ1に用いられているゴム組成物には、架橋促進の目的で、架橋活性剤が配合されてもよい。好適な架橋活性剤としては、例えば酸化亜鉛、炭酸亜鉛、金属ハライド、アルキルベンゼンスルホン酸(その塩を含む)等が挙げられる。これらの架橋活性剤のうち、酸化亜鉛、炭酸亜鉛及び金属ハライドは2種以上が併用されてもよいが、アルキルベンゼンスルホン酸は、他の架橋活性剤と併用されると架橋阻害を起こすので、単独で用いられる。
【0028】架橋活性剤の配合量は、ゴム100重量部に対して0.1重量部以上15重量部以下が好ましく、特に0.1重量部以上5重量部以下が好ましい。配合量が上記範囲未満であると、架橋不足が起こって紙送りローラ1の耐摩耗性が低下してしまうことがある。逆に、配合量が上記範囲を超えると、架橋開始が早すぎて、ゴム組成物の成形時や架橋時にゴム焼けが発生してしまうことがある。
【0029】紙送りローラ1に用いられているゴム組成物には、加工性向上、硬度調整等の目的で、オイル、可塑剤等の軟化剤が配合されてもよい。配合されるオイルとしては、例えばパラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族系鉱物油、炭化水素系オリゴマーからなる合成油等が挙げられる。オイルが配合される場合、その配合量はゴム100重量部に対して1重量部以上200重量部以下程度である。なお、ゴム成分にあらかじめオイルが配合された油展ゴムが用いられてもよい。また、配合される可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアジペート等が挙げられる。
【0030】紙送りローラ1に用いられているゴム組成物には、シリカ、カーボンブラック、クレー、タルク、硫酸バリウム等の充填剤が配合されてもよい。但し、充填剤の配合量が多くなると紙送りローラ1の耐摩耗性が低下するので、その配合量は紙送りローラ1の全重量の10重量%以下程度とされる。
【0031】紙送りローラ1に用いられているゴム組成物には、前述の配合剤の他、老化防止剤、ワックス、その他の各種添加剤が、必要に応じ適量配合されてもよい。
【0032】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0033】[実施例1]分子量分布(Mw/Mn)が2.2であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が3.35E−2であるメタロセンEPDM(デュポンエラストマー社の商品名「ノーデルIP4770」)100重量部、樹脂架橋剤としてのアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂(田岡化学社の商品名「タッキロール250−3」)12重量部、パラフィンオイル(出光興産社の商品名「PW−380」)100重量部及び架橋活性剤としての酸化亜鉛(三井金属鉱業社)1重量部を10リッターニーダーに投入し、70℃で5分間混練してゴム組成物を得た。このゴム組成物をφ60mm押出機(中田エンヂニアリング社)に投入し、温度90℃の条件で押し出して円筒状の成形体を得た。この成形体の外径は20mm、内径は10mmであった。この成形体を加硫芯に装着して加硫缶に投入し、架橋温度160℃、架橋時間30分の条件で架橋して架橋体を得た。この架橋体を研磨芯に装着し、円筒研削盤にて外径20mmとなるまで研磨した。そして、旋盤で長さ20mmに裁断し、実施例1の紙送りローラを得た。
【0034】[比較例1から比較例3]メタロセンEPDMに代えて、100重量%油展であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.9であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が2.17E−2であるチーグラーEPDM(住友化学社の商品名「エスプレン670F」)200重量部(ゴム成分:100重量部)を用いた他は実施例1と同様にして、比較例1の紙送りローラを得た。
【0035】また、メタロセンEPDMに代えて、分子量分布(Mw/Mn)が3.0であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が5.15E−2であるチーグラーEPDM(住友化学社の商品名「エスプレン505」)100重量部を用いた他は実施例1と同様にして、比較例2の紙送りローラを得た。
【0036】さらに、メタロセンEPDMに代えて、分子量分布(Mw/Mn)が2.6であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が2.88E−2であるチーグラーEPDM(住友化学社の商品名「エスプレン505A」)100重量部を用いた他は実施例1と同様にして、比較例3の紙送りローラを得た。
【0037】[実施例2]沈降性硫酸バリウム(日本化学工業社の商品名「5T沈降性硫酸バリウム」)20重量部をさらに配合した他は実施例1と同様にして、実施例2の紙送りローラを得た。
【0038】[比較例4]配合を、チーグラーEPDM(前述の「エスプレン670F」)200重量部(ゴム成分:100重量部)、酸化亜鉛(三井金属鉱業社)5重量部、硫黄(鶴見化学工業社の粉末硫黄)1.5重量部、加硫促進剤(大内新興化学社の商品名「ノクセラーTET」)1.5重量部及び他の加硫促進剤(大内新興化学社の商品名「ノクセラーM」)0.5重量部とした他は実施例1と同様にして、比較例4の紙送りローラを得た。
【0039】[実施例3、実施例4、比較例5及び比較例6]樹脂架橋剤の配合量を下記の表2に示されるように変量させた他は実施例1と同様にして、実施例3、実施例4、比較例5及び比較例6の紙送りローラを得た。
【0040】[実施例5から実施例7]酸化亜鉛に代えて炭酸亜鉛(堺化学工業社の商品名「透明性亜鉛白」)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例5の紙送りローラを得た。また、酸化亜鉛に代えてp−トルエンスルホン酸(東京化成社)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例6の紙送りローラを得た。さらに、酸化亜鉛に代えて金属ハライドとしての塩化スズ(東京化成社)を用いた他は実施例1と同様にして、実施例7の紙送りローラを得た。
【0041】[押出肌の観察]ゴム組成物を円筒状成形体に押し出す際に、押し出された成形体の表面状態を目視にて観察した。肌荒れがなく表面状態が良好なものを「○」とし、肌荒れが見られるものを「×」とした。
【0042】[硬度の測定]得られた紙送りローラの硬度を、JIS−K−6253に準拠してA型硬度計で測定した。
【0043】[初期摩擦係数の測定]図2に示されるように紙送りローラ1とプレート3との間にロードセル4に接続したA4サイズPPC用紙5(富士ゼロックスオフィスサプライ社)をはさみ、軸芯2に250gfの荷重Wを加えて紙送りローラ1をプレート3に圧接した。次いで、紙送りローラ1を図2中矢印Rで示される方向に、周速300mm/秒で回転させた。そして、図2中白矢印Fで示される方向に発生した力(gf)をロードセル4で測定し、この力Fを荷重Wで除した値を求めて初期摩擦係数とした。測定は、温度23℃、湿度55%の条件下で行った。
【0044】[通紙試験]各紙送りローラを合成樹脂製の軸芯に装着し、複写機(富士ゼロックス社の商品名「VIVACE」)に給紙ローラとして取り付けた。そして、温度23℃、湿度55%の条件下で、上記のA4サイズPPC用紙10,000枚を5時間かけて通紙した。通紙前後で紙送りローラの重量を測定し、その差を摩耗量とした。また、通紙後の紙送りローラの摩擦係数を、前述の初期摩擦係数の測定方法に準じて測定した。
【0045】[経時試験]初期摩擦係数を測定した紙送りローラを、温度23℃、湿度55%の環境下に6ヶ月間放置した。そして、紙送りローラの表面を目視観察し、ブルーミングの有無を判定した。ブルーミングが見られなかったものを「○」とし、ブルーミングが見られたものを「×」とした。また、この紙送りローラの摩擦係数を、前述の初期摩擦係数の測定方法に準じて測定した。これら、各評価の結果が、下記の表1及び表2に示されている。なお、比較の容易のため、実施例1の紙送りローラの評価結果は、表1及び表2の両方に示されている。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】表1及び表2における各評価項目の適正値は、硬度が40以下であり、初期摩擦係数が2.0以上であり、通紙後摩擦係数が2.0以上であり、摩耗量が20mg以下であり、経時後摩擦係数が2.0以上である。粘度比(V1000/V10)が小さなチーグラーEPDMが用いられた比較例1の紙送りローラでは、押出肌が不良である。また、分子量分布(Mw/Mn)が大きなチーグラーEPDMが用いられた比較例2及び比較例3の紙送りローラでは、摩耗量が大きい。また、硫黄及び加硫促進剤で架橋された比較例4の紙送りローラでは、ブルーミングが見られる。また、樹脂架橋剤の配合量が少ない比較例5の紙送りローラでは、摩耗量が多い。さらに、樹脂架橋剤の配合量が多い比較例6の紙送りローラでは、硬度が高く摩擦係数が小さい。これに対し、EPDMの分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下であり、100℃における粘度比(V1000/V10)が2.5E−2以上であるメタロセンEPDMが用いられ、樹脂架橋剤の配合量が1重量部以上20重量部以下である各樹脂架橋剤の紙送りローラは、すべての評価項目において適正値を示している。この評価結果より、本発明の優位性が確認された。
【0049】
【発明の効果】以上説明されたように、本発明のゴム組成物では、押し出された場合でも肌荒れが生じにくい。また、本発明の紙送りローラは、耐摩耗性が良好である。本発明のゴム組成物が用いられることにより、紙送りローラの材料コストが低減し、また、生産性が向上する。この紙送りローラは、長期間の使用に耐え得る。




 

 


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