米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 住友ゴム工業株式会社

発明の名称 プライマー層およびそれを用いた金属板とゴムの複合体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11366(P2001−11366A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−189239
出願日 平成11年7月2日(1999.7.2)
代理人 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4F100
4J038
4J040
【Fターム(参考)】
4F100 AB01A AB03 AH02C AH03C AK10C AK28C AK33B AL06C AN00D AN01C AN02C BA01 BA02 BA04 BA10A BA10D CA02C CA05C CA23 EH462 EJ062 EJ482 EJ862 GB51 GB90 JK06 
4J038 CA012 CA132 CB172 DA041 JB21 JB22 KA03 PA07 PC02
4J040 CA011 DA181 GA03 HA006 HC17 KA16 KA27 KA29 MA02 MA12 MB05 PA11
発明者 服部 高幸 / 石田 孝明 / 溝口 哲朗
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 金属板とゴムの加硫接着において、金属表面に塗布されるプライマー層を形成する組成物であってアルキル置換フェノール樹脂を主成分とし、ビスフェノールAを含有しないことを特徴とするプライマー層。
【請求項2】 アルキル置換フェノール樹脂がn−アルキル置換フェノール樹脂である請求項1のプライマー層。
【請求項3】 アルキル置換フェノール樹脂がn−ブチル置換フェノール樹脂またはメチル置換フェノール樹脂である請求項1のプライマー層。
【請求項4】 請求項1〜3記載のプライマー層と塩素化ポリオレフィンあるいは塩素化天然ゴムに芳香族ニトロソ化合物、芳香族ジオキシムまたは脂肪族ニトロソアミンを架橋剤として含有する上塗層よりなる加硫接着剤。
【請求項5】 上塗層に安定剤としてニッケル化合物を含有する請求項4の加硫接着剤。
【請求項6】 請求項4の加硫接着剤を金属板およびゴムの間に塗布し加硫接着してなるゴムと金属板の接着複合体。
【請求項7】 請求項5の加硫接着剤を金属板およびゴムの間に塗布し、加硫接着してなるゴムと金属板の接着複合体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板とゴムの加硫接着において、金属表面に塗布されるプライマー層および該プライマー層と上塗層よりなる接着剤またはその接着剤を用いたゴムと金属板の接着複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来金属板とゴムの複合体の接着に使用される、たとえば免震支承用あるいは防舷材用として市販されている加硫接着剤はビスフェノールA型フェノール樹脂ないしはビスフェノールA型エポキシ樹脂等、ビスフェノールAを含有する樹脂を用いたプライマー層と、塩素化ポリオレフィンまたは塩素化天然ゴムを基材に含み、芳香族ニトロソ化合物、あるいは芳香族ジオキシムあるいは脂肪族ビスニトロソアミンを架橋剤として含有する上塗剤からなっている。
【0003】しかし、従来、使用されるプライマー樹脂は、昨今大きな問題となっている環境ホルモンの一種である遊離のビスフェノールAを含有する。ビスフェノールAが環境ホルモンとして人体に及ぼす影響としては、精子数減少、生殖異常、神経障害、乳ガン等があり、特に、微少量であっても人体に多大な影響を与える懸念がある。
【0004】接着剤製造や運搬、塗布に直接従事する作業者、あるいはそれらを用いた製品、たとえば免震支承構造体や防舷材の使用者への影響、あるいは製品が耐用年数を超えて解体、廃棄される場合、作業者や周囲環境に与える影響を考えるとビスフェノールAを含まない接着剤系を開発することが急務となっている。
【0005】現在、溶剤による引火性や作業者への安全性確保の問題から、種々の水性接着剤が開発されつつあり、これらにおいてはビスフェノールAを含まないものが多い。しかるに、これらは塗工性、接着力、あるいは耐久性において現行使用の上記加硫接着系には遠く及ばず、特に強力な接着力と破断性能、耐久性を要求される免震支承や防舷材において実用に耐えるものが存在しない。よって溶剤による影響だけでなくビスフェノールAが環境ホルモンとして人体に及ぼす多大な悪影響がわかったとしてもこれらを使わざるを得ないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、本発明は環境ホルモンとして多大な悪影響を人体に与えるビスフェノールAを含有せず、塗工性、接着力あるいは耐久性において上述の現行加硫接着剤系並みの性能を発揮し得るプライマー組成物および加硫接着剤またはそれらを用いたゴムと金属板の接着複合体を提供することを目的としている。なお、このゴムと金属板接着複合体の具体的な製品の例としては免震支承構造体、防舷材等が挙げられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は金属板とゴムの加硫接着において、金属表面に塗布されるプライマー層であって、アルキル置換フェノール樹脂を主成分とし、ビスフェノールAを含有しないことを特徴とするプライマー層である。
【0008】さらに本発明は、プライマー層と、塩素化ポリオレフィンあるいは塩素化天然ゴムに芳香族ニトロソ化合物、芳香族ジオキシムまたは脂肪族ニトロソアミンを架橋剤として含有する上塗層よりなる二液性の加硫接着剤である。さらにこのような接着剤を金属板とゴムの間に塗布して加硫接着してなるゴムと金属板の複合体である。
【0009】また、これらのプライマー層を、ニッケル化合物等鉛系とセレン系以外の安定剤のみを含有する上塗層と組合せて二液性接着剤としても良好な塗工性、接着力あるいは耐久性が得られ、このような組合せを用いると、鉛化合物、セレン化合物の有毒性を回避できることと相まって、作業者および周囲環境等へのさらに大きく配慮することができる。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。本発明は、防舷材、免震支承あるいはソリッドタイヤ等の金属板とゴムの複合構造において金属板とゴムを接着するために金属板に塗布されるプライマー層である。ここで金属板は材質として一般に鋼板が用いられる。
【0011】そしてゴムは防舷材、免震支承あるいはソリッドタイヤに一般に用いられるゴム組成物が用いられる。たとえばゴム成分として天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等である。
【0012】そして配合剤としてカーボンブラック、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、および加硫促進剤、さらに硫黄、過酸化物、キノンジオキシム誘導体、ジニトロソベンゼン誘導体、マレイミド誘導体等の架橋剤を用いることができる。
【0013】本発明のプライマー層は通常、樹脂成分、無機添加剤および溶剤で構成される。そして樹脂成分はアルキル置換フェノール樹脂成分を含む。ここでアルキル置換フェノール樹脂はたとえばn−ブチル置換フェノール樹脂、メチル置換フェノール樹脂、エチル置換フェノール樹脂等である。なお、アルキル置換フェノールはノボラックタイプ、レゾールタイプがあるが、後者は硬化剤が不要であり、使いやすい利点がある。これらの樹脂成分は金属表面に吸着し、金属表面を保護し、耐腐食性を向上させる。
【0014】本発明では、環境ホルモンとして毒性が高いとされる遊離ビスフェノールAを発生させるビスフェノールA型レゾール樹脂やビスフェノールA型エポキシ樹脂を含まない。本発明のプライマー層はさらに無機フィラーとして、たとえば耐腐食性のため酸化チタンを、また特に塩素化ポリマーの熱安定剤としてゼオライト(Na/Al23・SiO2)、あるいは珪酸アルミニウムの一種または二種以上を配合する。無機フィラーは樹脂成分100重量部に対して合計10〜100重量部、好ましくは25〜60重量部配合される。また、カーボンブラックまたはシリカを5〜100重量部配合されるとともにレベリング剤を0.5〜5重量部特に、0.1〜2重量部配合することが好ましい。カーボンブラック、シリカ、レベリング剤を加えることにより塗工性が改善される。
【0015】なお、アルキル置換フェノール樹脂は有機溶剤、たとえばメチルエチルケトン、トルエン、キシレン等を樹脂成分100重量部に対して通常100〜500重量部加えて希釈して使用される。ここでメチルエチルケトンはアルキル置換フェノール樹脂を溶解し、安定化する作用を有し、一方トルエンはプライマー組成物ののりをよくする作用を有する。
【0016】次に、上記プライマー組成物の上面に塗布される上塗層は通常ベースポリマー、架橋剤、無機安定剤および溶剤で構成される。ここでベースポリマーは塩素化ポリオレフィン、塩素化天然ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(ハイパロン)あるいは塩素を60重量%以上含む高塩素化ポリエチレン等が用いられる。ベースポリマーは相互拡散により金属と接着される配合ゴムおよびプライマー組成物に拡散する。そして分子中の塩素が金属との接着、また−SO2Cl基が前記配合ゴムやプライマー組成物との接着性を向上する一方、分子中に有する多量の塩素によって架橋剤を安定化する。
【0017】次に上塗層の架橋剤として芳香族ニトロソ化合物、芳香族ジオキシムまたは、脂肪族ニトロソアミンが用いられる。特に主架橋剤としてp−ジニトロソベンゼンが、補助架橋剤として1,3フェニレンビスマレイミドが好適に用いられる。p−ジニトロソベンゼンは金属と接着されるゴム配合あるいはプライマー層に拡散し、共架橋剤として作用し、一方1,3フェニレンビスマレイミドは加硫ゴムの耐熱性を向上する。なお架橋剤はベースポリマー100重量部に対して20〜250重量部配合される。
【0018】次に、上塗層に用いられる無機安定剤としてニッケル化合物あるいは、二塩基性亜リン酸塩等の鉛化合物が用いられる。ハロゲン化ポリマーをベースポリマーに用いる場合、加硫時等の熱によりハロゲン化ポリマーは塩酸を発生しながら劣化するのでそれを防止する作用を有する。そして、無機安定剤の配合量はベースポリマー成分100重量部に対して10〜100重量部さらに好ましくは、30〜80重量部である。
【0019】また、上塗層にはトルエン、キシレン等の溶剤が用いられるが、これらの溶剤はp−ジニトロソベンゼンを分散させ安定化する作用を有する。そしてこの溶剤はベースポリマー成分100重量部に対して500〜3500重量部が加えられる。上塗層は市販品としてケムロック252X(ロードコーポレーション社製)、メタロックXF−573(東洋化学研究所製)、メタロックXG−823(東洋化学研究所製)として入手することができる。
【0020】本発明で金属板とゴムを接着するにはたとえば次の工程で行なう。
■ 金属板にスチールショットブラストをあてて、ブラスト処理する。
【0021】■ 金属板の表面を、パークロロエチレンによる蒸気洗浄または炭化水素系溶剤あるいはアセトン等による溶剤洗浄を行なう。なお、これらの洗浄法の代わりにアルカリ洗浄剤等による水洗浄とリン酸塩皮膜処理等を行なってもよい。
【0022】■ スプレー塗布または刷毛塗りでプライマー組成物を均一に金属板に塗布し、約12時間以上空気乾燥させる。
【0023】■ 電磁膜厚計を用いて各金属板の面内で5点ずつ測定し、プライマー層の膜厚が7〜15μmの厚みであることを確認する。
【0024】■ 上塗層の塗布も同様に行ない、1時間以上空気乾燥した後、100〜140℃で一定時間焼成する。
【0025】■ プライマー層と上塗層の厚み合計を測定し、上塗層の膜厚が15〜25μmとなることを確認する。
【0026】■ これに用途に応じて別途配合したゴム組成物を積層し、金型に仕込んでプレス成型機により所定温度で所定時間加硫する。
【0027】なお、プライマー層の膜厚を7〜15μm、上塗層の膜厚を15〜50μmとすることにより、金属板とゴムの最大の接着強度が得られる。
【0028】
【実施例】図1において金属板1について材質はSS400の鋼板を用い、端部に7mmφの穴2をあけた。この金属板1の端の25mm角の部分(以下試験面と呼ぶ)にシールショットブラストをあててブラスト処理し、その後洗浄、プライマー層塗布、空気乾燥、上塗層塗布、焼き付け、金型への仕込みを経て、未加硫ゴム2と加硫接着して上記テストピースを完成させた。
【0029】洗浄は炭化水素系溶剤により行なった。プライマー層の塗布は刷毛塗りによって極力均一になるように行ない、12時間以上空気乾燥させた。空気乾燥後、電磁膜厚計を用いて各金属板の面内で5点ずつ測定し、膜厚が7〜15μmの厚みの範囲内であることを確認した。
【0030】上塗層の塗布も同様の方法で刷毛塗りによって行なった。上塗層を塗布して1時間以上空気乾燥した後、オーブンにて120℃で20分焼成をし、プライマー層塗布時と同じようにプライマー層+上塗層の厚みを測定し、各点において各々プライマー層の厚みを差し引いて上塗層の厚みを求めた。
【0031】上塗層の厚みは15〜25μmとなることを確認した。こうして得た金属板と表1の未加硫ゴム2を金型に仕込み、温度120℃、加硫圧10[kgf/cm2]で2時間加硫し、加硫接着した。温度は加硫接着により厳格な条件である低温長時間加硫を想定している。
【0032】表1の未加硫ゴムシートは、密閉式混練機やオープンロールを使用して混練して作製した。金型にあった形状に切出して必要重量を計量して仕込み、上記接着剤塗布済みの金属板とともにせん断剥離試験用テストピース作製用金型に仕込んで加硫接着した。なお、配合ゴム物性のばらつきによる試験結果のばらつきを防ぐために、練り方、温度等の条件を変えないようにした上で、同一グラフ内の試験に用いたものは同一バッチの未加硫ゴムを用いた。
【0033】プライマー層の調整は次の方法で行なった。表2の溶剤分にフィラー分を加え、Reichshot社製高速分散機デスパーマット、VMA−GETZMNN GMBH D−51580で攪拌し、フィラー分を細かく砕いて溶剤中に均一分散させた。その後、粉体あるいはエチルメチルケトン溶液の基材樹脂を加えて、同機、同上の容器と羽根を用いて500rpmで30分攪拌し、最後に添加剤を加えてさらに500rpmで15分攪拌し配合表に示すプライマー層に用いる組成物を得た。
【0034】なお、表2に用いた配合剤の詳細を表3に、また表4に用いた配合剤の詳細を表5に示している。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【表4】

【0039】
【表5】

【0040】(テストピースによるせん断剥離試験)温度23℃、湿度55%の下で試験を行なった。せん断変形は図2の矢印の方向に、50mm/分の速度で引張ることにより行なった。そして破断時の応力、伸びおよび破断形態を記録した。破断状態については、試験面全体を100とし、各破断状態の割合を観察して記録した。評価結果を表4に示す。表4において破断状態の略号は次のとおりである。
【0041】R:ゴム破断、RC:ゴムー上塗層間の破断、C:上塗凝集破断、PC:プライマー層上塗層破断、P:プライマー層凝集破断、PM:プライマー層金属間破断なお試験はn=4で行なったものを平均化した。
【0042】表4から本発明の実施例1〜7はいずれも優れた破断応力、破断伸び、破断状態を示すことがわかる。
【0043】今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0044】
【発明の効果】本発明はビスフェノールAを含まないアルキル置換フェノール樹脂をプライマー層に用いたため、環境問題を解消するとともに金属板とゴムの接着強度が向上し、このプライマー層を用いたゴムと金属板の複合体を免震支承あるいは防舷材等に用いた場合破断強度、耐久性等の優れた特性を示す。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013