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発明の名称 スパッタリング装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−348663(P2001−348663A)
公開日 平成13年12月18日(2001.12.18)
出願番号 特願2000−172614(P2000−172614)
出願日 平成12年6月8日(2000.6.8)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029 CA05 DC43 DC46 
発明者 森岡 督大 / 阿部 淳博
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 電源に接続されカソード電極としての機能を有するバッキングプレートと、このバッキングプレート表面に接着されるターゲットと、上記バッキングプレート裏面に上記ターゲットに対向して配置される磁気回路とを備え、被スパッタ材に対してスパッタリングを行うスパッタリング装置において、上記磁気回路は、上記ターゲットの表面に現れるエロージョン領域が蛇行しつつ閉じた閉曲線となるように配置されていることを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】 上記ターゲットは、矩形形状とされていることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】 上記磁気回路は、上記エロージョン領域の曲率が上記ターゲットの全面において偏りのないように配置されていることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項4】 上記磁気回路は、スパッタ時に上記ターゲット表面より放出される2次電子のサイクロイド運動による軌道の曲率が、上記ターゲットの全面において偏りのないように配置されていることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項5】 上記磁気回路を複数備えることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項6】 上記磁気回路を上記ターゲットに対して移動自在とする磁気回路駆動部を備えることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、スパッタリング装置の技術分野に属し、特に磁気回路を備えるスパッタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタ法は、真空蒸着法やCVD(Chemical Vapour Deposition)法と並び、光ディスクをはじめとする光学記録媒体の反射膜や、磁気テープ等磁気記録媒体の保護膜の作成などに広く応用されている薄膜形成技術である。特にマグネトロンスパッタ法が考案されて以降、成膜速度が向上し、ますますその有効性が高まりつつある。
【0003】一般的なスパッタ法の過程を以下に示す。まず各種真空ポンプで10-7Torr程度まで排気されている真空のチャンバ内に、Ar等の放電ガスを導入してチャンバ内の圧力を10-3Torr程度に保つ。このとき、チャンバは接地されている。そして、チャンバ内の放電ガスは、プラズマ化され、プラスに帯電した放電ガスのイオンがターゲットに衝突する。この衝突により、ターゲットの構成分子がターゲットより弾き出され、ターゲットに対向配置された被スパッタ材表面に付着することにより、被スパッタ材表面にターゲットの材質に応じた薄膜が形成される。
【0004】スパッタ法では、ターゲット付近における陰極降下により、ターゲット表面上に電場が形成され、その電気力線の向きはターゲットに対して垂直になる。これに加えて、磁気回路を持つスパッタ法であるマグネトロンスパッタ法では、ターゲット裏面に磁気回路を配置することによりターゲット表面上に磁場が形成される。スパッタ時に、ターゲットからターゲットの構成分子とともに弾き出された電子である2次電子は、このターゲット表面上に生成された電場と磁場の影響によりローレンツ力を受けてサイクロイド運動を行う。この結果、ターゲット表面上の空間に高エネルギーを有する電子が多数拘束され、この空間において高密度プラズマが生成される。ゆえに、マグネトロンスパッタ法は、放電ガス圧が低くても高密度プラズマが生成できる。
【0005】以上のように、マグネトロンスパッタ法は、比較的低い放電ガス圧でも高密度プラズマを生成することができるため、ターゲットからスパッタされた原子・分子が放電ガス原子による散乱を受けることなく被スパッタ材に到達することができる。ゆえに、マグネトロンスパッタ法は、スパッタ速度を向上させる効果を持つスパッタ法である。
【0006】ところで、磁気テープ上に保護膜を成膜する場合のように、マグネトロンスパッタ法によって比較的広範囲にわたって薄膜を成膜する場合においては、矩形形状のターゲットである矩形平板ターゲットが用いられる。
【0007】このような、矩形平板ターゲットを備える従来のスパッタリング装置におけるカソードは、図9及至図11に示すように、ターゲット92と、バッキングプレート93と、磁気回路110とを備える。この磁気回路110は、内磁94と、外磁95と、ヨーク96とにより構成される。なお、以下の説明では、従来のスパッタリング装置の要部、すなわち図9及至図11に示すような、マグネトロンスパッタ法におけるカソードの近傍についてのみ説明する。ここで、図9は、カソードの概略斜視図である。つぎに、図10は、磁気回路110を示すカソードの概略断面図であり、図11の中に示すA−A線における概略断面図である。そして、図11は、図10の中に示すB−B線における概略断面図である。
【0008】ターゲット92は、図9に示すように、通常バッキングプレート93に接着される。そして、負電圧が、このバッキングプレート93に印加される。磁気回路110は、図10に示すように、磁気回路110の中央部にある内磁94と、この内磁94の周囲に配置され内磁94に対し逆の磁気極性を有する外磁95と、ヨーク96とにより構成されている。また、磁気回路110は、図11に示すように、ターゲット92に対して裏面側に配置されたヨーク96により、内磁94と、外磁95とが磁気的に連結されているものである。そして、ターゲット92表面上には、この磁気回路110により半円状に形成される磁力線97が連なった、トンネル状の形状をした磁場が形成される。すると、高密度プラズマ91は、ターゲット92の表面上に束縛される。
【0009】これにより、エロージョン領域99は、図12に示すように、高密度プラズマ91の真下におけるターゲット92の表面に、所定の幅を持った閉曲線の形状として形成される。このエロージョン領域99は、曲線で構成される曲線部100と、直線で構成される直線部101とからなる。
【0010】なお、従来のスパッタリング装置は、図13及至図15で示すように、図9及至図11に示すような磁気回路110を複数備えるとする場合もある。ここで、図13及至図16においては、各部の構成が上述したスパッタリング装置と略々同等であるため、図9及至図12と同一の符号を付して説明を省略する。
【0011】上記磁気回路110を2つ持つ磁気回路130は、図14に示すように、磁気回路110を並列に配置したものとなっている。この場合にエロージョン領域102は、図16に示すようにターゲット92の表面に所定の幅を持ち、独立した2つの閉曲線の形状として形成される。このために、磁気回路130を備えるカソードは一般にダブルエロージョンカソードと称されている。これに対して、上述した例のように、エロージョン領域99が一つのカソードは、シングルエロージョンカソードと称されている。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】従来のスパッタリング装置において、エロージョン領域99は、図12に示すように、磁気回路110が形成する磁力線の水平磁場に沿って所定の幅を持った閉曲線として形成される。
【0013】また、従来のスパッタリング装置においては、ターゲット92の表面におけるエロージョン領域99が、ターゲット92の全面に対し一部に限られ、しかもエロージョン領域99内においてもスパッタ効率に偏りができてしまう。これにより、被スパッタ材に形成される薄膜の膜厚分布に偏りがでるほか、ターゲット92の利用効率を低下させてしまうという点が課題となっている。
【0014】そこで、本発明は、上述した従来の課題を解決して磁気回路の配置を工夫することにより、スパッタ効率、スパッタ速度の向上と共に、ターゲットの利用効率を向上するスパッタリング装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するために、本発明者は、鋭意検討した結果、エロージョン領域の直線部と曲線部とではスパッタ効率が異なり曲線部ほどスパッタ効率が高くなるという知見を得るに至った。さらに、エロージョン領域の閉曲線の総延長が長くなるほどスパッタ速度が向上するという知見を得るに至った。そこで、本発明に係るスパッタリング装置は、この知見に基づき、ターゲット裏面の磁気回路の配置を工夫することにより、ターゲットの利用効率を向上することを可能とされている。
【0016】すなわち、本発明に係るスパッタリング装置は、電源に接続されカソード電極としての機能を有するバッキングプレートと、バッキングプレート表面に接着されるターゲットと、バッキングプレート裏面にターゲットに対向して配置される磁気回路とを備えている。この磁気回路はターゲットの表面に現れるエロージョン領域が蛇行しつつ閉じた閉曲線となるように配置されている。
【0017】以上のように構成された本発明に係るスパッタリング装置は、磁気回路が形成する磁力線によって、ターゲット表面に現れるエロージョン領域を蛇行しつつ閉じた閉曲線とすることにより曲線部を増やし、ターゲット表面上の空間全体にわたって2次電子の存在確率を高くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスパッタリング装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るスパッタリング装置を適用した一構成例を挙げている。
【0019】本発明を適用したスパッタリング装置は、図1に示すように、チャンバ10と、電源11と、減圧装置12とにより構成されている。
【0020】チャンバ10は、チャンバ10内部に、カソード13と、被スパッタ材14と、支持部15とを備えている。ここで、チャンバ10は、減圧装置12、例えば、各種真空ポンプにより減圧される。また、チャンバ10は、減圧後にチャンバ10内部に放電ガス16を注入され、チャンバ10内の圧力を一定に保つ構造となっている。この放電ガス16は、例えば、Arガスである。このとき、チャンバ10は、接地されている。
【0021】カソード13は、非磁性体、例えばグラファイトにより構成されたターゲット17と、バッキングプレート18と、磁気回路19とにより構成されている。ここで、ターゲット17は、バッキングプレート18表面に接着され、磁気回路19は、バッキングプレート18裏面にターゲット17と対向するように設置されている。 電源11は、支持部15と、バッキングプレート18とに接続されており、支持部15に対して正電圧を印加するとともに、バッキングプレート18に対して負電圧を印加する。これにより、バッキングプレート18と支持部15との間には、特に、バッキングプレート18表面上において、陰極降下により電場が生じる。そして、この電場の電気力線の向きは、ターゲット17に対して垂直になる。
【0022】磁気回路19は、内磁20と、外磁21と、ヨーク22とにより構成されており、バッキングプレート18及びターゲット17に対して、被スパッタ材14とは反対側の面に対向して配置されている。内磁20と外磁21とは、ヨーク22により磁気的に接続されている。ここで、内磁20は、磁気回路19の中央に配置され、外磁21は、内磁20を所定の間隔で取り囲むように配置され、内磁20と外磁21とは、互いに逆の磁気極性である。この磁気回路19により形成された磁場は、ターゲット17表面上の半円状の磁力線23で示され、この磁力線23に閉じ込められるように、電場と磁場とにより束縛された高密度プラズマ24が存在する。
【0023】なお、本発明に係るスパッタリング装置は、基本的に従来のシングルエロージョンカソードにおける磁気回路110のみを変更したものであり、磁気回路19以外のカソード構成の部品に関しては、何ら本質的な変更を求めない。すなわち、ターゲット17、バッキングプレート18に関しては、従来のカソードと同様の形状を有するものとする。なお、以下の説明においては、ターゲット17を矩形形状としているが、本発明に係るスパッタリング装置では、ターゲット17の形状を限定しない。
【0024】つぎに、上述したカソード13について、図2及至図5を参照しながら詳細に説明する。
【0025】カソード13は、上述したように負電圧が印加されており、陰極降下により、表面に対して垂直方向の電場が形成されている。カソード13を構成する磁気回路19は、図3に示すように蛇行した形状を有し磁気回路19の中央に配置された内磁20と、この内磁20を所定の間隔で取り囲むように配置された外磁21と、ヨーク22とによって構成される。内磁20と外磁21とは、図4に示すように、それぞれの底部をヨーク22によって磁気的に連結されている。
【0026】磁気回路19は、内磁20と外磁21とが、お互いに逆の磁気極性とされていることにより、内磁20と外磁21との間に磁場を形成する。なお、磁気回路19には、磁気回路19により形成される磁場の磁束密度が、ターゲット17の表面上において、ターゲット17の表面方向に関して従来のものと同等の値となるように内磁20及び外磁21を選択する。なお、ここでの内磁及び外磁は、例えば永久磁石としてもよいし、ターゲット17に印加する磁界を可変とする電磁石としてもよい。
【0027】以上のように構成された磁気回路19は、ターゲット17の表面上に半円状の磁場を形成する。このときに生じる半円状の磁力線23は、図2に示すように、蛇行した形状として連なり、トンネル状の構造となる。このトンネル状の構造は、磁気回路19により、蛇行しつつ閉じた閉曲線となる。
【0028】この磁力線23の上部には、電場と磁場とにより束縛された高密度プラズマ24が存在し、この高密度プラズマ24は、磁力線23のトンネル状の構造と同様に蛇行した形状として連なり、パイプ状の構造となる。このパイプ状の構造もまた、蛇行しつつ閉じた閉曲線となる。
【0029】つまり、本発明に係るスパッタ装置においては、スパッタ時にターゲット17の表面より弾き出される2次電子が、電場と磁場の影響によるローレンツ力を受けてサイクロイド運動を行う。この2次電子のサイクロイド運動は、磁場の形成する磁力線23のトンネル状の構造に沿った蛇行した形状の軌道を示すので、2次電子は、蛇行しつつ閉じた閉曲線の軌道を描きサイクロイド運動しつづけることになる。このため、電子は、この蛇行しつつ閉じた閉曲線の上に、存在する確率が高くなる。すなわち、磁力線23のトンネル状の構造の内部に高密度プラズマ24が生成される。
【0030】このトンネル状磁場内部にて生成された高密度プラズマ24に含まれる、プラスに帯電した放電ガスイオンは、ターゲット17表面上における、陰極降下による電場によって加速され、ターゲット17に衝突する。これにより、ターゲット構成分子がスパッタされる。ゆえに、ターゲット17に対して、プラスイオンが衝突する領域すなわちエロージョン領域25は、図5に示すように所定の幅で蛇行しつつ閉じた閉曲線となる。
【0031】このエロ−ジョン領域25は、図5から明らかなように、直線部101はほとんど排除されており、また曲線部は曲率がほぼ同じ値の複数個の曲線から構成されている。従って、このようなエロージョン領域25の形状を形成するカソードの13においては、従来のスッパッタリング装置におけるシングルエロージョンカソードと比較して、エロージョン領域25の曲線部に直線部がほとんど混在していないためにスパッタ効率が高く、かつ曲線部の曲率はほぼ同じ値であるので均一性の高いスパッタ効率を得ることが可能である。さらにカソード13においては、エロージョン領域がターゲット全面にわたり、このエロージョン領域の周長は、従来のシングルエロージョンカソードと比較して、約1.7倍長くすることができる。従って、スパッタ効率を向上させ、ターゲットの有効利用ができる。
【0032】なお、上述した例では、蛇行した形状を有する磁気回路19をカソード13内に組み込むことにより、スパッタ時にターゲット17の表面に現れるエロージョン領域25を一つの蛇行しつつ閉じた閉曲線とみなせるようにしたものであるが、同様の効果が得られるカソードも可能である。
【0033】カソード13において磁気回路19は、例えば図6に示すように、直線的に蛇行した形状、いわゆるジグザグ形状とした内磁61と、この内磁61の周囲に所定の間隔に配置した外磁62とを備えるとしてもよい。また、磁気回路19は、図7に示すくし型の形状をした内磁71と、この内磁71の周囲に所定の間隔で配置した外磁72を備えるとしてもよい。これにより、上述と同様の効果を得ることができる。
【0034】さらに、本発明に係るスパッタリング装置は、上述した磁気回路19を駆動する磁気回路駆動部(図示せず。)を備え、この磁気回路駆動部により、図8中に2点鎖線で示すターゲット81に対して、矢印Gないし矢印Hの方向に移動自在としてもよい。この場合に、磁気回路19を、磁気回路駆動部によりターゲット81に対して移動させながらスパッタを行うことにより、ターゲット81全面においてエロージョン量をさらに均一化することが可能である。
【0035】また、従来から用いられてきたシングルエロージョンカソードから、ダブルエロージョンカソードに変化したのと同様に、スパッタ速度を向上させることを目的として同一ターゲット裏面に本発明による磁気回路19を複数配置してもよい。これにより、スパッタ速度を大幅に向上させることが可能となる。
【0036】
【発明の効果】 以上で説明したように、本研究に係るスパッタリング装置は、ターゲット裏面における磁気回路の配置を工夫することにより、ターゲット表面に現れるエロージョン領域を蛇行しつつ閉じた閉曲線となるようにしたものである。
【0037】これにより、ターゲット全面のエロージョン領域の曲率の偏りを解消することができ、ターゲットから放出される2次電子がサイクロイド運動をし得る軌跡の長さを出来るだけ長くすることにより、ターゲット表面に現れるエロージョン領域を表す閉曲線の総延長を長くすることができる。従って、スパッタ速度を大幅に向上させることが出来るとともに、薄膜の膜厚にむらを少なくすことが出来る。またターゲット全面にわたって平均的に高いスパッタ効率が得られることから、基板への成膜量に対するターゲット寿命の向上をも期待することができる。




 

 


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