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発明の名称 単結晶の作製方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−316194(P2001−316194A)
公開日 平成13年11月13日(2001.11.13)
出願番号 特願2001−146935(P2001−146935)
出願日 平成4年7月8日(1992.7.8)
代理人 【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃 (外2名)
【テーマコード(参考)】
4G077
【Fターム(参考)】
4G077 AA03 BC07 CD02 MB04 MB21 MB35 
発明者 松永 融
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 溶液の状態の原材料を温度勾配を有する炉中を徐々に通過させることによりフェライト単結晶を育成するフェライト単結晶の作製方法において、育成中、並びにその前後で導入するガスを、略等しい断面積の導入口及び排出口を通して流し、かつ、前記ガスの流速が常温の炉芯管内で5〜11×10-2m/sとなるような条件のもとでフェライト単結晶を成長させることを特徴とするフェライト単結晶の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単結晶の作製方法に関するものであり、さらに詳細にはブリッジマン法による単結晶作製方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種単結晶を作製する方法として、操作が容易で設備も簡単なブリッジマン法が広く用いられている。このブリッジマン法は、温度勾配を利用して結晶化を進めるものであり、例えば、溶融試料の一端を冷却して結晶化させ、これを徐々に成長させるというものである。
【0003】このようなブリッジマン法によれば、フェライト単結晶ばかりでなく金属や塩類等の大きな単結晶を作製することが可能で、工業的にも光学用材料や磁性材料、半導体、各種合金等の単結晶を製造するのに利用されている。
【0004】ところで、このブリッジマン法によりフェライト単結晶を作製する場合、その育成条件等のためにルツボ材として白金等の金属材料を用いざるを得ないが、この白金等が得られる単結晶の中に混入してしまう等の問題点があった。
【0005】これら白金等は、溶融した原材料とルツボの界面から前記溶融物内に拡散するか、あるいは、ルツボ表面から蒸発した白金等の蒸気が前記溶融物表面から吸収されることによって、得られるフェライト単結晶内に混入すると考えられている。このため、前記白金等の混入を抑えるには、上述した2種類の混入経路についてそれぞれ対策を講じる必要があり、ルツボと原材料溶融物の接触部からの拡散、混入については、前記溶融物のゾーン幅を一定に保つことなどによって改善が図られた。しかし、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収、混入を抑えることは困難であった。
【0006】そして、例えばブリッジマン法で育成したフェライト単結晶を磁気ヘッドに加工した場合、用いた結晶内に混入した白金等粒子が磁気ギャップ近傍に出現する危険性があり、その結果、ヘッド出力等の低下やノイズの原因となって磁気ヘッドの品質や性能に悪影響を及ぼしてしまい問題であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上述のブリッジマン法の有する欠点を解消するために提案されたものであって、育成中並びに、その前後で導入されるガスの流れの乱れを小さくし、かつ、定常的な層流を炉体内に形成することによって、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収を抑制して、白金混入量の少ない高品質のフェライト単結晶を得ることが可能な、フェライト単結晶の作製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明は、フェライト単結晶を育成するフェライト単結晶の作製方法において、育成中、並びにその前後で導入するガスを、略等しい断面積の導入口及び排出口を通して流し、かつ、前記ガスの流速が常温の炉芯管内で5〜11×10−2m/sとなるような条件のもとでフェライト単結晶を成長させる。
【0009】
【作用】本発明に係る方法は、フェライト単結晶を成長させるのに、外気の吸い込みをなくし、ZnO蒸発の影響をやわらげ、気流の乱れの少ない安定した層流の雰囲気の中で単結晶を成長させることにより、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収、混入が抑制され、得られるフェライト単結晶への白金混入量を抑制することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明による単結晶作製方法の原理について、図面を参照しながら説明する。なお、図1(A)〜(E)は、ブリッジマン法で一定のメルトゾーン幅を保ちながら単結晶作製を実現するための装置の一例を示すものである。
【0011】まず、図1(A)に示すように、上部ルツボ1及び下部ルツボ2の上下二段に配置した白金製のルツボを用意する。また、上部ルツボ1は上方から吊り下げ、下部ルツボ2は支持管によって下から支えられるようにし、前記両方のルツボが独立に動作できるような構造をとっている。このとき前記上部ルツボ1には、棒状の原材料3を吊るしておくとともに、底部に溶融した原材料3を前記下部ルツボ2に供給するための注ぎ口4を設けておく。
【0012】次に、これら上部ルツボ1及び下部ルツボ2を図1(A)右側に模式的に示すような温度勾配を有する炉内を徐々に降下させていく。なお、このとき上部ルツボ1と下部ルツボ2は一定の距離を隔てたまま、育成中は常にその動作を同期させるものとする。
【0013】そして、図1(B)に示すように原材料3の下端がこの原材料3の溶融開始温度となっている炉内のX点に達すると、前記原材料3が溶融して前記ルツボ2へ流れ落ち、溶融状態のメルトゾーン5が形成される。
【0014】続いて、さらに前記各ルツボ1、2を降下させると、図1(C)に示すように下部ルツボ2の下端が炉内温度が晶出温度となっているY点に達し、前記メルトゾーン5の下端が結晶晶出温度以下に冷却され、このメルトゾーン5の下端から単結晶6が晶出し始める。
【0015】そして、さらに徐々に各ルツボ1、2を降下させていくと、上部ルツボ1から溶融した原材料3が次々に供給されるとともにメルトゾーン5の下端から順次単結晶6が晶出し、図1(D)に示すように前記メルトゾーン5が常に一定幅dとなるように制御されて単結晶6が成長する。
【0016】最終的には、図1(E)に示すような状態で前記各ルツボ1、2の移動を止め、徐々に冷却して下部ルツボ2内から棒状の単結晶6を取り出す。
【0017】実施例1及び2図1(E)に示すような状態で、最終的には、前記各ルツボ1、2の移動を止め、徐々に冷却して下部ルツボ2内から棒状のフェライト単結晶6を取り出す。このとき、本発明の実施例1、2においては、育成中、並びにその前後で導入するガスが等しい断面積の導入口及び排出口を通して流し、かつ、前記ガスの流速が常温の炉芯管内で5〜11×10-2m/sとなるような条件のもとで単結晶を作製するのである。
【0018】この方法によれば、ブリッジマン法によりフェライト単結晶を作製する際、育成中、並びにその前後で導入するガスを等しい断面積の導入口及び排出口を通して流し、かつ、前記ガスの流速が常温の炉芯管内で5〜11×10-2m/sとなるようにしているので、外気の吸い込みがなくなり、原材料からのZnOの蒸発の影響もやわらいで、気流の乱れの少ない安定した層流の雰囲気の中で単結晶を成長させることになり、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収、混入が抑制され、得られるフェライト単結晶への白金混入量を抑制することが可能となるのである。
【0019】次に、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明がこの実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。原材料として酸化第二鉄(Fe2 O3 )55モル%、酸化マンガン(MnO)25モル%、酸化亜鉛(ZnO)20モル%からなるフェライト原料を用い、最高温度1670℃に保った炉内を毎時3mmの速度でルツボを降下した。なお、このときの炉内の雰囲気は酸素98kPaとし、内径80mmの炉芯管を使用した。
【0020】そして、図2に示すように、ガスの導入口G1と等しい断面積S1をもつようなガスの排出口G2を設け、育成炉に導入するガスの流量を調整して常温での炉芯管内のガスの流速を変化させて、以下に示す条件のもとでそれぞれMn−Znフェライト単結晶を作製した。
【0021】
常温での炉芯管内のガスの流速 1)2.7×10−2m/s(比較例1)
2)5.3×10−2m/s(実施例1)
3)10.7×10−2m/s(実施例2)
4)13.3×10−2m/s(比較例2)
次に、比較のため、図3に示すように、ガスの導入口G1の断面積S1よりもはるかに大きい断面積S2をもつような排出口G2を設け、同様に、以下に示す条件のもとでそれぞれMn−Znフェライト単結晶を作製した。
【0022】
常温での炉芯管内のガスの流速 5)5.3×10−2m/s(比較例3)
6)13.3×10−2m/s(比較例4)
各実施例及び比較例により得られたMn−Znフェライト単結晶を、それぞれ長さ方向に切断し、切断面を鏡面加工して白金混入量を求めた。その結果を表1に示す。
【0023】なお、実施例1と実施例2及び比較例1と比較例3について、単結晶内部に混入した白金粒子は均一は分散しており、その粒径は10〜40μmであった。しかし、比較例2と比較例4については、ガスを多く流し過ぎたために得られた単結晶の結晶性がかえって悪くなった。また、混入した白金の形状も粒状から針状へ変化し、その大きさも3〜10μmと小さくなった。
【0024】この表1から、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収、混入が抑制され、得られるフェライト単結晶において白金等の混入量の低減されたことは明かである。
【0025】表1は、本発明の実施例1、2並びに比較例1、2、3、4で得られたフェライト単結晶について、結晶内部に混入した白金の混入量をそれぞれ示すものである。
【0026】
【表1】

【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の方法によれば、ルツボ表面から蒸発した白金等蒸気の原材料溶融物への吸収、混入を抑制することが可能となり、白金混入量の少ない高品質のフェライト単結晶を得ることが実現できる。




 

 


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